JP2000188162A - 接触子ユニット - Google Patents

接触子ユニット

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JP2000188162A
JP2000188162A JP10362932A JP36293298A JP2000188162A JP 2000188162 A JP2000188162 A JP 2000188162A JP 10362932 A JP10362932 A JP 10362932A JP 36293298 A JP36293298 A JP 36293298A JP 2000188162 A JP2000188162 A JP 2000188162A
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electrode
buffer plate
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Keiichi Yokota
敬一 横田
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NOOZERU ENGINEERING KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】狭いピッチのBGA電極を備えた半導体デバイ
スの各電極と適切な接触状態を確保することのできる接
触子ユニットを提供する。 【解決手段】フィルム基板70の表面には、半導体デバ
イス100の各電極と対応する箇所にそれぞれ導電性の
接触子が設けてあり、かつ各接触子の周囲にはその一部
を残して切り込み溝が形成してある。弾性部材で形成さ
れた緩衝材40には、各接触子と対応する箇所に突起部
が設けて有る。フィルム基板70上に電極を下方にして
半導体デバイス100を載置して押さえ蓋20を閉じる
ことで、半導体デバイス100がフィルム基板70側に
押圧され、フィルム基板70が緩衝材40と半導体デバ
イス100とで挟持される。各接触子は、周囲の切り込
み溝の存在により個別に変位し、半導体デバイスの電極
の接触面レベルにかかわらずそれぞれ適切な接触圧が確
保される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の検査装置で
検査するために半導体デバイスの電極群と電気的な導通
をとる接触子ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスを検査するには、通常、
被検査物である半導体デバイスをテスタボード上に設け
たDUTソケットボード上のソケットに装着して半導体
デバイスの各電極とソケット側の電極との導通をとり、
テスタボードは、検査装置のテストヘッドに直接、接続
するようになっている。マルチテストに於いては、複数
個のソケットを実装した中継ボードとテスタボード間が
ケーブルまたは基板等で接続される。
【0003】テストヘッドは、ドライバやコンパレータ
などの回路部品を実装した基板である。テスタボードは
上記の各基板のマザーボードとして設置され、被検査デ
バイスのテスト用インターフェイスが実装されている。
【0004】ところで、検査対象となる半導体デバイス
には、入出力端子となる各電極が半田ボールによってそ
の先端が半球状に形成された、いわゆるBGA(Bal
l、Grid、Array)電極を用いたものがある。
BGA電極を用いた半導体デバイスを検査するには、通
常のソケットボードに代えて、被検査物である半導体デ
バイスの各電極にスプリングプローブと呼ばれる接触子
を接触させ、この接触子からの配線を中継ボードを介し
てテストヘッドのテスタボードに接続するようになって
いる。
【0005】BGA電極は、その先端形状が半球状を成
しているので、たとえば針状の接触子を用いると電極と
の位置あわせが難しくなる。またBGA電極の接触面レ
ベルは0.1mm以下の範囲でばらつきがあるので、接
触子にはこのような接触面レベルが不均一であっても各
電極と均一に接触できる構造が要求される。さらに、電
極である半田ボールの表面には数10オングストローム
程度の酸化膜が形成されるので、電極へ接触させた際に
この酸化膜を剥がして良好な接触状態を確保する機能が
接触子側に要求される。
【0006】これらの要求に応えるために、BGA電極
を備えた半導体デバイスの検査をする際には、スプリン
グプローブと呼ばれる接触子が用いられる。スプリング
プローブは、半導体デバイスの電極に向けて先端をバネ
で押圧する構造になっており、接触面レベルの不均一性
に対応可能になっている。
【0007】またスプリングプローブは、半球状のBG
A電極と確実な接触を得るために、その先端が王冠のよ
うに複数の尖った先端部をもつ筒状を成している。この
ようなスプリングプローブを半導体デバイスの各電極に
接触させると、王冠状の尖った先端部が半導体デバイス
の各電極表面を覆っている酸化膜に傷をつけて剥がし、
良好な接触状態が得られるようになっている。
【0008】さらに、通常は、検査タクトを上げるため
に、4個、8個、16個、32個、64個など複数の接
触子ユニットをプレート上に配列・実装し、複数の半導
体デバイスを同時に設置装着して検査することが行われ
る。このように多数の接触子ユニットをプレート上に配
列した場合には、各接触子ユニットの取り付け精度にか
かわらず、各デバイスの電極と各接触子ユニットの接触
子との接触圧力が均一になることが望ましく、スプリン
グプローブはこのような接触子ユニットの取り付け精度
の不均一性にも対応している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】近年、半導体デバイス
が高密度パターンにて小型化されるに伴って、その入出
力端子である電極の多ピン化および狭ピッチ化が進んで
おり、BGA電極を有する半導体デバイスとしては既に
電極間ピッチが0.75mmのものが存在している。ま
たANSIの標準規格でも0.5mmピッチが規定され
ていることから、今後は、さらに細かい電極間ピッチの
ものが出現することが予想される。
【0010】しかしながら、BGA電極に対応可能な接
触子としてのスプリングプローブを多数配列した接触子
ユニットでは、スプリングプローブ自体の構造上の制限
等から、狭ピッチ化に十分対応することが難しくなって
いる。特に高周波用としての同軸スプリングプローブ
は、極細仕様のものであっても、取り付け穴寸法が1.
15mm径以上、取り付けピッチ1.27mm以上が必
要となり、狭いピッチのものに適用できないという問題
があった。
【0011】本発明は、このような従来の技術が有する
問題点に着目してなされたもので、狭いピッチのBGA
電極を備えた半導体デバイスの各電極と適切な接触状態
を確保することのできる接触子ユニットを提供すること
を目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存
する。 [1]所定の検査装置で検査するために半導体デバイス
(100)の電極群と電気的な導通をとる接触子ユニッ
トにおいて、絶縁性のフィルム基板(70)と、弾性を
有する緩衝板(40)と、挟持手段(50、20、3
0)とを有し、前記フィルム基板(70)は、前記半導
体デバイス(100)の前記電極群に接触させるもので
あって、その表面のうち前記半導体デバイス(100)
の各電極と対応する箇所にそれぞれ導電性の接触子(7
1)を有しかつ前記各接触子(71)の周囲にその一部
を残して切り込み溝(76)を形成したものであり、前
記緩衝板(40)は、前記フィルム基板(70)の裏面
側に密着して配置されるものであって前記各接触子(7
1)と対応する箇所に突起部(41)を有するものであ
り、前記挟持手段(50、20、30)は、前記フィル
ム基板(70)を前記半導体デバイス(100)と前記
緩衝板(40)とで挟持して、前記各接触子(71)と
前記半導体デバイス(100)の各電極とを導通のとれ
た状態に保持するものであることを特徴とする接触子ユ
ニット。
【0013】[2]所定の検査装置で検査するために前
記半導体デバイス(100)の電極群と電気的な導通を
とる接触子ユニットであって、前記各電極が略半球形状
のボール・グリッド・アレイ電極から成る半導体デバイ
ス(100)を対象としたものにおいて、絶縁性のフィ
ルム基板(70)と、弾性を有する緩衝板(40)と、
挟持手段(50、20、30)とを有し、前記フィルム
基板(70)は、前記半導体デバイス(100)の前記
電極群に接触させるものであって、その表面のうち前記
半導体デバイス(100)の各電極と対応する箇所にそ
れぞれ導電性を備えかつその接触面が略平坦な形状を成
した接触子(71)を有するとともに前記各接触子(7
1)の周囲にその一部を残して切り込み溝(76)を形
成したものであり、前記緩衝板(40)は、前記フィル
ム基板(70)の裏面側に密着して配置されるものであ
って前記各接触子(71)と対応する箇所に突起部(4
1)を有するものであり、前記挟持手段(50、20、
30)は、前記フィルム基板(70)を前記半導体デバ
イス(100)と前記緩衝板(40)とで挟持して、前
記各接触子(71)と前記半導体デバイス(100)の
各電極とを導通のとれた状態に保持するものであること
を特徴とする接触子ユニット。
【0014】[3]所定の検査装置で検査するために前
記半導体デバイス(100)の電極群と電気的な導通を
とる接触子ユニットであって、前記各電極が略半球形状
のボール・グリッド・アレイ電極から成る半導体デバイ
ス(100)を対象としたものにおいて、絶縁性のフィ
ルム基板(70)と、弾性を有する緩衝板(40)と、
挟持手段(50、20、30)とを有し、前記フィルム
基板(70)は、前記半導体デバイス(100)の前記
電極群に接触させるものであって、その表面のうち前記
半導体デバイス(100)の各電極と対応する箇所にそ
れぞれ導電性を備えかつその接触面が略平坦な形状を成
した接触子(71)を有するとともに前記各接触子(7
1)の周囲にその一部を残して切り込み溝(76)を形
成したものであり、前記緩衝板(40)は、前記フィル
ム基板(70)の裏面側に密着して配置されるものであ
って前記各接触子(71)と対応する箇所に突起部(4
1)を有するものであり、前記突起部(41)は、前記
緩衝板(40)を前記フィルム基板(70)の裏面に密
着させた際に前記接触子(71)の周囲のうち前記溝
(76)の形成されていない部分を折曲箇所として前記
接触子(71)が傾斜するようにその上面が傾斜した平
面を成しているものであり、前記挟持手段(50、2
0、30)は、前記フィルム基板(70)を前記半導体
デバイス(100)と前記緩衝板(40)とで挟持し
て、前記各接触子(71)と前記半導体デバイス(10
0)の各電極とを導通のとれた状態に保持するものであ
ることを特徴とする接触子ユニット。
【0015】[4]前記接触子(71)の接触面をメッ
シュ状に粗面にしたことを特徴とする[1]、[2]ま
たは[3]記載の接触子ユニット。
【0016】[5]前記挟持手段(50、20、30)
は、前記フィルム基板(70)を前記半導体デバイス
(100)と前記緩衝板(40)とで挟持する際の圧力
を調整する挟持圧調整機構(21、22、26)を具備
することを特徴とする[1]、[2]、[3]または
[4]記載の接触子ユニット。
【0017】前記本発明は次のように作用する。フィル
ム基板(70)上の各接触子(71)の周囲にはその一
部を除く部分に切り込み溝(76)が設けて有るので、
それぞれの接触子(71)は、切り込み溝(76)のな
い部分を屈曲箇所として個別に変位して傾斜可能とな
る。かかるフィルム基板(70)を半導体デバイス(1
00)と弾性を備えた緩衝板(40)とで挟持すると、
緩衝板(40)に設けた突起部(41)によって各接触
子(71)が半導体デバイス(100)の対応する電極
へ個々独立した変位量(傾斜角度)で押しつけられる。
【0018】このように、各接触子(71)の周囲に切
り込み溝(76)を設けて各接触子(71)が個別に変
位できる構造にしたので、弾性を備えた緩衝板(40)
の各突起部(41)で対応する接触子(71)を電極に
押圧することで、半導体デバイス(100)の各電極の
接触面レベルにばらつきがあっても、各接触子(71)
をほぼ均等な圧力で半導体デバイス(100)の各電極
に接触させることができる。
【0019】また、多数の接触子ユニットを1つのプレ
ート上に配列実装した場合には、各接触子ユニットの取
り付け精度にかかわらず、各デバイスの電極と各接触子
ユニットの接触子(71)との接触圧力を均一にするこ
とができる。
【0020】各電極が略半球形状のボール・グリッド・
アレイ電極から成る半導体デバイス(100)を対象と
した接触子ユニットの場合には、各接触子(71)の接
触面を平坦な形状にする。これにより、半導体デバイス
(100)の電極側が半球状の形を成していても、点と
面の接触関係となって、半導体デバイス(100)の電
極と接触子(71)との位置合わせを容易に行うことが
できる。
【0021】また、緩衝板(40)の突起部(41)を
その上面が傾斜した平面になる形状にしたものでは、緩
衝板(40)をフィルム基板(70)の裏面に密着させ
ると、接触子(71)の周囲のうち溝(76)の形成さ
れていない部分を折曲箇所として各接触子(71)が突
起部(41)の上面に沿って傾斜する。
【0022】このように突起部(41)で接触子(7
1)を傾斜させて支持すると、フィルム基板(70)を
緩衝板(40)と半導体デバイス(100)とで挟持す
る際に半導体デバイス(100)の電極が接触子(7
1)を押し下げながら当該接触子(71)の接触面と摺
動して酸化膜を剥がし、良好な接触状態を確保すること
ができる。さらに、接触子(71)の接触面を細かい凹
凸のある粗面にしたものでは、より効率良く電極の酸化
膜を剥がすことができる。
【0023】挟持手段(50、20、30)に、フィル
ム基板(70)を半導体デバイス(100)と緩衝板
(40)とで挟持する際の圧力を調整する挟持圧調整機
構(21、22、25)を設けたものでは、半導体デバ
イス(100)の厚みや電極の大きさの違い、さらには
挟持手段(50、20、30)自体に組立精度によるば
らつきがあっても、それらの違いが挟持幅(挟持圧力)
を調整することで吸収され、最適な接触圧力が得られる
ように各半導体デバイスを挟持することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の一実
施の形態を説明する。図1〜図3は、本実施の形態にか
かる接触子ユニット10を簡略図示したものである。図
2は、接触子ユニット10の上面を、図1は、図2のA
−Aにおける断面を、図3は、図2のB−Bにおける断
面をそれぞれ示している。
【0025】接触子ユニット10は、図示しない検査本
体装置との間をつなぐケーブルを接続するための中継コ
ネクタ61を備えた中継基板60の上に取り付けられ
る。接触子ユニット10は、下部ハウジング50と、緩
衝材40と、フィルム基板70と、上部ハウジング30
と、圧接チューブ31と、ガイドピン51と、押さえ蓋
20とから構成されている。中継基板60の上には、弾
性部材からなる緩衝材40を設置した下部ハウジング5
0が載置されている。また下部ハウジング50には、位
置決め用のガイドピン51が立設されている。
【0026】フィルム基板70および上部ハウジング3
0には、ガイドピン51と対応する箇所に位置合わせ用
の穴が開設されており、この穴をガイドピン51に合わ
せるようにして緩衝材40の上にフィルム基板70を被
せてある。さらにフィルム基板70の上から上部ハウジ
ング30を載置して固定してある。フィルム基板70
は、緩衝材40の左右両端で折れ曲がって下部ハウジン
グ50の側壁に沿って下降し、中継基板60の近傍で外
側に向かって再び折れ曲がって中継基板60の上面と平
行になっている。この平行になった部分は、圧接チュー
ブ31を介して上部ハウジング30によって中継基板6
0の上面に押さえつけられている。
【0027】上部ハウジング30には、被検査物である
半導体デバイス100をはめ込むための装填穴32が開
設されている。半導体デバイス100は、装填穴32の
内壁面に沿ってその電極をフィルム基板70側に向けた
状態で装填される。なお、上部ハウジング30を取り外
すことによってフィルム基板70を交換することが可能
になっている。
【0028】上部ハウジング30には、押さえ蓋20が
取り付けて有り、装填穴32内に半導体デバイス100
を装填した後、押さえ蓋20を閉めることで、半導体デ
バイス100をその背面から押さえ蓋20で押さえ込
み、フィルム基板70を半導体デバイス100と緩衝板
40との間に適切な圧力で挟み込むようになっている。
このように挟み込むことで、半導体デバイス100の各
電極とフィルム基板70に設けた後述する各接触子71
との良好な接触状態が確保されるようになっている。
【0029】図4は、半導体デバイス100の側面を示
している。半導体デバイス100の裏面に0.5mmピ
ッチ以上のマトリックス状に配列された電極101は、
いわゆるBGA電極であり、各電極101の先端は約数
10μm径の半田ボールから成る半球状の形状を成して
いる。
【0030】図5は、フィルム基板70に形成した接触
子71の断面を示している。銅箔パターンをもつフィル
ム基板70上に、半導体デバイス100の有する各電極
の位置に合わせて数値制御により所定の微細穴加工を行
い、接触子71に適用できる金属バンプを形成してい
る。図5に示したものは、2層のポリイミドフィルム基
板を用いたものであり、ベースとなるポリイミドフィル
ム75に形成した貫通孔74に、ニッケル等の硬度の高
い金属で接触子71としてのマイクロバンプ71を形成
している。接触子71の表面は、半球状の電極101と
点同士での接触となることを避けるために平坦になって
いる。
【0031】ポリイミドフィルム75の表面には表導電
パターン72が、また裏面には裏導電パターン73がそ
れぞれ形成されており、各接触子71は、表導電パター
ン72のほか、貫通孔74を通じて裏面の裏導電パター
ン73と導通している。ここでは2層基板を用いている
が、電極数が増加した場合や電極ピッチが狭い場合に
は、線路パターン(導電パターン)をフィルム基板70
上に布線するために、フィルム基板70として多層フィ
ルム基板を用いることになる。
【0032】図6は、フィルム基板70に形成した接触
子71を上方から見た様子を示している。図示するよう
に各接触子71の周囲には、その一部を除いて切り込み
溝76を設けてある。図7は、フィルム基板70の裏面
側に緩衝板40を密着させた状態での断面(図6でのC
−C断面)を示している。緩衝材40の上面には、その
上に被さるフィルム基板70の各接触子71と対応する
箇所にそれぞれ突起部41が設けてある。この突起部4
1は、図示するように対応する接触子71が、その周囲
のうち切り込み溝76の形成されていない部分を屈曲箇
所として傾斜するような形状、すなわち突起部41の上
面が前述の屈曲箇所に対応する箇所を起点として斜めに
傾斜した形状になっている。
【0033】緩衝材40の材質と厚さと構造は、被検査
物である半導体デバイス100の電極の接触面レベルの
ばらつきを吸収し、接触子71と電極101との摺動に
より最適な接触圧が得られるように設計されている。す
なわち、突起部41の高さは、電極の接触面レベルのば
らつきをカバーするストローク量が得られるように設定
され、緩衝材40の材質は、必要な接触圧を確保できる
弾性が得られるものが選定される。ここでは、突起部4
1の高さを100μm〜200μm程度に設定してあ
る。
【0034】図8は、接触子71が未形成段階における
フィルム基板70の全体例を示している。このようにフ
ィルム基板70には、半導体デバイス100の電極10
1と対応する箇所に接触子71を設けるための線路パタ
ーンが形成されている。また図示するように、フィルム
基板70に形成された線路パターン72、73は、各接
触子71の存する箇所から圧接チューブ31によって中
継基板60へ圧接される箇所まで延びている。なお、フ
ィルム基板70に形成される線路パターンは、測定周波
数帯域に合わせて、その幅や長さが設計され、所定のイ
ンピーダンスに設定されている。
【0035】図9は、押さえ蓋20の構造をより詳細に
示したものである。押さえ蓋20は、押さえ蓋ベース部
21と、可動蓋部22とから構成されている。押さえ蓋
ベース部21は、回転軸受け部23を軸として回動し、
ロック機構24によって閉じた状態で上部ハウジング3
0へ保持されるようになっている。
【0036】可動蓋部22は、オーバードライブ調整ね
じ25によって図中の矢印26で示す方向に位置合わせ
できる構造になっている。オーバードライブ調整ねじ2
5の調整により、緩衝材40による接触圧(図中の矢印
aで示す向きの力)を任意の大きさに設定できるように
なっている。
【0037】押さえ蓋20は、手動またはロボットによ
って図中の矢印C方向にロック機構24を押下すること
でロック状態が解除され、回転軸受け部23を軸として
図中の点線で示す位置まで開放可能になっている。また
押さえ蓋20を閉じる際には、手動またはロボットによ
って矢印fの方向に押さえ蓋20を押すことで、実線で
示す閉位置に変位し、ロック機構24によってロックさ
れることになる。
【0038】次に作用を説明する。半導体デバイス10
0を上部ハウジング30の装填穴32内に装填して押さ
え蓋20を閉じると、半導体デバイス100がフィルム
基板70側に押圧され、フィルム基板70が半導体デバ
イス100と緩衝材40とによって挟持された状態にな
る。このとき、接触子71の周囲に切り込み溝76を設
けて独立に変位可能とし、かつ緩衝材40、突起部41
を弾性を有する部材で形成しているので、半導体デバイ
ス100の各電極101の接触面レベルにばらつきがあ
っても、各接触子71が、ほぼ均等な圧力で半導体デバ
イス100の各電極101に接触する。
【0039】また切り込み溝76を設けることで、隣り
合う接触子71の影響を受けることなく各接触子71が
独立に変位可能となるので、接触子71を狭いピッチで
配列することが可能になり、0.75mm以下の微細ピ
ッチの多ピンBGA電極に対応した接触子ユニットを構
成することが可能になっている。
【0040】また接触子71の上面を平坦な平面として
いるので、電極101が半球状の形を成していても、こ
れらの位置合わせを容易に行うことができる。
【0041】さらに接触子71を斜めに傾斜させている
ので、押さえ蓋20を閉じて圧力をかける際に、電極1
01の先端と接触子71とが摺動し、電極101の表面
に形成された酸化膜を剥がして良好な接触状態を得るこ
とができる。すなわち、接触子71が、はじめから半導
体デバイス100に対して水平な状態であると、押さえ
蓋20を閉めても、電極101で接触子71を真っ直ぐ
下方に押し下げることになり、電極101と接触子71
との摺動による接触効果が低い。
【0042】これに対し、接触子71が当初、斜めにな
るように突起部41の形状を設定しているので、押さえ
蓋20を閉める際に電極101に押されて接触子71の
傾斜角度が小さくなる過程で接触子71と電極101と
が摺動することになる。この摺動により、電極101の
表面を覆う酸化膜を剥がすことができ、良好で安定な接
触状態が確保される。
【0043】このほか、押さえ蓋20にオーバードライ
ブ調整ねじ25による挟持圧調整機構を設けているの
で、厚みや電極サイズの異なる各種の半導体デバイスに
対応することが可能であるとともに、押さえ蓋20や上
部ハウジング30、下部ハウジング50の組み立て精度
にある程度のばらつきがあっても、それらの違いを可動
蓋部の高さを調整することで吸収し、最適な接触圧を得
ることができる。その結果、全ての半導体デバイスを同
一の接触条件で測定することが可能になっている。
【0044】以上説明した実施の形態では、接触子71
を傾斜させることで電極101との摺動を確保して酸化
膜を除去するようにしたが、接触子71の表面を細かい
凹凸を備えた粗い面にすることで、酸化膜の剥離効果を
より高めることができる。
【0045】また実施の形態では、BGA電極を備えた
半導体デバイスを検査対象としたが、必ずしもこれに限
定されず、他のタイプの電極を有するものであってもよ
い。このほか、接触子71の周囲に設けた切り込み溝7
6の形状は、例示したものに限定されない。たとえば接
触子71を囲む四角形のうちの3辺に切り込み溝を設け
るようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】本発明にかかる接触子ユニットによれ
ば、フィルム基板上の各接触子の周囲に切り込み溝を設
け、各接触子が個別に変位(傾斜)できるようにしたの
で、各接触子に対応した箇所に突起部を有し弾性を備え
た緩衝板と半導体デバイスとでフィルム基板を挟持する
ことで、半導体デバイスの各電極の接触面レベルにばら
つきがあっても、各接触子をほぼ均等な圧力で半導体デ
バイスの各電極に接触させることができる。
【0047】また各接触子の接触面を略平坦な形状にし
たものでは、半導体デバイスの電極がボール・グリッド
・アレイ電極のように半球状の形を成していても、点と
面との接触関係となって、半導体デバイスの電極と接触
子との位置合わせを容易に行うことができる。
【0048】緩衝板の突起部により接触子を斜めに傾斜
させたものでは、フィルム基板を緩衝板と半導体デバイ
スとで挟持する際に半導体デバイスの電極が接触子を押
し下げながら当該接触子の接触面と摺動して表面の酸化
膜を剥がすので、良好な接触状態を確保することができ
る。さらに接触子の接触面を粗面にしたものでは、より
効率良く電極の酸化膜を剥がすことができる。
【0049】また挟持手段に、フィルム基板を半導体デ
バイスと緩衝板とで挟持する際の圧力を調整する挟持圧
調整機構を設けたものでは、半導体デバイスの厚みや電
極の大きさの違い、さらには挟持手段自体の組立精度に
よるばらつきがあっても、それらの違いを吸収して最適
な接触圧が得られるように調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る接触子ユニットを
示す断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る接触子ユニットを
示す上面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る接触子ユニットを
示す断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る接触子ユニットに
装填されるBGA電極を有する半導体デバイスの側面を
示す説明図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る接触子ユニットの
有するフィルム基板に形成された接触子を示す断面図で
ある。
【図6】本発明の一実施の形態に係る接触子ユニットの
有するフィルム基板に形成された接触子を示す上面図で
ある。
【図7】本発明の一実施の形態に係る接触子ユニットの
有する緩衝材上に配置したフィルム基板を示す断面図で
ある。
【図8】本発明の一実施の形態に係る接触子ユニットの
有するフィルム基板を示す表面図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係る接触子ユニットの
有する押さえ蓋部分を詳細に示す説明図である。
【符号の説明】
10…接触子ユニット 20…押さえ蓋 21…押さえ蓋ベース部 22…可動蓋部 23…回転軸受け部 24…ロック機構 25…オーバードライブ調整ねじ 27…オーバードライブ用バネ材 30…上部ハウジング 31…圧接チューブ 32…装填穴 40…緩衝材 41…突起部 50…下部ハウジング 51…ガイドピン 60…中継基板 61…中継コネクタ 62…電極 70…フィルム基板 71…接触子 72…表導電パターン 73…裏導電パターン 74…貫通孔 75…ポリイミドフィルム 76…切り込み溝 77…ガイド孔 100…半導体デバイス 101…BGA電極

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の検査装置で検査するために半導体デ
    バイスの電極群と電気的な導通をとる接触子ユニットに
    おいて、 絶縁性のフィルム基板と、弾性を有する緩衝板と、挟持
    手段とを有し、 前記フィルム基板は、前記半導体デバイスの前記電極群
    に接触させるものであって、その表面のうち前記半導体
    デバイスの各電極と対応する箇所にそれぞれ導電性の接
    触子を有しかつ前記各接触子の周囲にその一部を残して
    切り込み溝を形成したものであり、 前記緩衝板は、前記フィルム基板の裏面側に密着して配
    置されるものであって前記各接触子と対応する箇所に突
    起部を有するものであり、 前記挟持手段は、前記フィルム基板を前記半導体デバイ
    スと前記緩衝板とで挟持して、前記各接触子と前記半導
    体デバイスの各電極とを導通のとれた状態に保持するも
    のであることを特徴とする接触子ユニット。
  2. 【請求項2】所定の検査装置で検査するために前記半導
    体デバイスの電極群と電気的な導通をとる接触子ユニッ
    トであって、前記各電極が略半球形状のボール・グリッ
    ド・アレイ電極から成る半導体デバイスを対象としたも
    のにおいて、 絶縁性のフィルム基板と、弾性を有する緩衝板と、挟持
    手段とを有し、 前記フィルム基板は、前記半導体デバイスの前記電極群
    に接触させるものであって、その表面のうち前記半導体
    デバイスの各電極と対応する箇所にそれぞれ導電性を備
    えかつその接触面が略平坦な形状を成した接触子を有す
    るとともに前記各接触子の周囲にその一部を残して切り
    込み溝を形成したものであり、 前記緩衝板は、前記フィルム基板の裏面側に密着して配
    置されるものであって前記各接触子と対応する箇所に突
    起部を有するものであり、 前記挟持手段は、前記フィルム基板を前記半導体デバイ
    スと前記緩衝板とで挟持して、前記各接触子と前記半導
    体デバイスの各電極とを導通のとれた状態に保持するも
    のであることを特徴とする接触子ユニット。
  3. 【請求項3】所定の検査装置で検査するために前記半導
    体デバイスの電極群と電気的な導通をとる接触子ユニッ
    トであって、前記各電極が略半球形状のボール・グリッ
    ド・アレイ電極から成る半導体デバイスを対象としたも
    のにおいて、 絶縁性のフィルム基板と、弾性を有する緩衝板と、挟持
    手段とを有し、 前記フィルム基板は、前記半導体デバイスの前記電極群
    に接触させるものであって、その表面のうち前記半導体
    デバイスの各電極と対応する箇所にそれぞれ導電性を備
    えかつその接触面が略平坦な形状を成した接触子を有す
    るとともに前記各接触子の周囲にその一部を残して切り
    込み溝を形成したものであり、 前記緩衝板は、前記フィルム基板の裏面側に密着して配
    置されるものであって前記各接触子と対応する箇所に突
    起部を有するものであり、 前記突起部は、前記緩衝板を前記フィルム基板の裏面に
    密着させた際に前記接触子の周囲のうち前記溝の形成さ
    れていない部分を折曲箇所として前記接触子が傾斜する
    ようにその上面が傾斜した平面を成しているものであ
    り、 前記挟持手段は、前記フィルム基板を前記半導体デバイ
    スと前記緩衝板とで挟持して、前記各接触子と前記半導
    体デバイスの各電極とを導通のとれた状態に保持するも
    のであることを特徴とする接触子ユニット。
  4. 【請求項4】前記接触子の接触面を粗面にしたことを特
    徴とする請求項1、2または3記載の接触子ユニット。
  5. 【請求項5】前記挟持手段は、前記フィルム基板を前記
    半導体デバイスと前記緩衝板とで挟持する際の圧力を調
    整する挟持圧調整機構を具備することを特徴とする請求
    項1、2、3または4記載の接触子ユニット。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002084313A1 (fr) * 2001-04-18 2002-10-24 Ismeca Holding Sa Sonde et dispositif de mesure
US6942493B2 (en) 2001-11-13 2005-09-13 Unitechno Inc. Connector structure for connecting electronic parts
JP2008004369A (ja) * 2006-06-22 2008-01-10 D D K Ltd コネクタ
JP2008004368A (ja) * 2006-06-22 2008-01-10 D D K Ltd コネクタ
JP2009152000A (ja) * 2007-12-19 2009-07-09 Nec Electronics Corp 半導体装置用ソケット
JP2011198648A (ja) * 2010-03-19 2011-10-06 Itoo:Kk 電子部品とフレキシブルプリント基板の接続装置

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