JP2000186156A - 改質フッ素樹脂の製造方法 - Google Patents
改質フッ素樹脂の製造方法Info
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Abstract
となく容易且つ確実にフッ素樹脂を改質処理することが
できる新規な改質フッ素樹脂の製造方法の提供。 【解決手段】 フッ素樹脂Aの周囲を、酸素透過性がそ
のフッ素樹脂A以下の被覆材Bで覆った後、そのフッ素
樹脂Aをその融点以上に加熱しながらその被覆材Bの外
側から電離性放射線を照射してフッ素樹脂Aを架橋して
改質する。これによって、改質目的のフッ素樹脂が外気
と隔絶されるため、従来のような大掛かりな装置や煩わ
しい処理作業を行うことなく容易且つ確実にフッ素樹脂
を改質処理することができる。
Description
クリープ性,耐放射線性等の諸特性に優れた改質フッ素
樹脂の製造方法に関するものである。
は、ポリエチレン樹脂等のように架橋させることによっ
て各種特性を向上させることが技術的に困難とされてい
たが、最近、フッ素樹脂を効果的且つ容易に架橋処理し
て改質する方法が提案されている。
のフッ素樹脂を低酸素雰囲気中でその融点より若干高い
温度に保った状態で所定量の放射線を照射して架橋処理
を行って改質するようにしたものであり、耐摩耗性,耐
クリープ性,耐放射線性等の諸特性に優れた改質フッ素
樹脂材料を容易に得ることを可能としたものである。
改質フッ素樹脂の製造方法にあっては、その雰囲気を外
部と隔絶して低酸素状態にする必要があるため、少なく
ともある程度の大きさと加熱手段を有する密閉容器と、
この密閉容器内の空気(酸素)を迅速に排出する大型の
真空引き装置及び密閉チャンバー内の空気を不活性ガス
や窒素ガス等の低酸素ガスで置換する低酸素ガス供給装
置等を用意し、その内部をフッ素樹脂の融点以上に加熱
してから放射線を照射する等の一連の作業が必要とな
る。
空引き装置等の大掛かりが設備が必要となる上に、一回
の架橋処理毎に、上記一連の作業を繰り返すといったバ
ッチ処理となるため、生産性が低く且つ製造コストが高
くなってしまうといった問題点があった。
解決するために案出されたものであり、その目的は、大
掛かりな装置や煩わしい処理作業を行うことなく容易且
つ確実にフッ素樹脂を改質処理することができる新規な
改質フッ素樹脂の製造方法を提供するものである。
に本発明は、フッ素樹脂の周囲を、酸素透過性がそのフ
ッ素樹脂以下の金属,金属の酸化物等の無機物又は高分
子材料のいずれからなる被覆材で覆った後、そのフッ素
樹脂をその融点以上に加熱した状態でその被覆材の外側
から電離性放射線を照射してフッ素樹脂を架橋して改質
するようにしたものである。
に外部から酸素が透過し難い材料で覆うことでフッ素樹
脂を低酸素雰囲気として放射線架橋して改質するように
したものであり、その結果、従来のような密閉容器や真
空装置等の大掛かりな装置が不要となる上に、真空引き
による脱気や低酸素ガスの供給・置換等の一連の作業を
行うことなく容易且つ確実に改質処理することができ
る。
態を添付図面を参照しながら説明する。
樹脂製造装置(以下、製造装置と略す。)の実施の一形
態を示す概略図である。
長さ方向に水平に搬送するベルトコンベア1であり、こ
のベルトコンベア1上には電離性放射線を照射する放射
線照射手段2と、この電離性放射線を一定の個所に照射
すべく照射窓3が形成された遮蔽壁4とが備えられてい
る。
壁4の下面側にはベルトコンベア1上を通過するフッ素
樹脂Aを加熱すべく複数のヒータ5,5…が備えられて
いる。
フッ素樹脂Aを案内する案内ローラ6と、シート状の被
覆材Bとをそれぞれベルトコンベア1側にそれぞれ案内
する案内ローラ7がその長さ方向に所定の間隔を隔てて
設けられている。
側に位置する案内ローラ6によってベルトコンベア1側
の上面に案内された後、ベルトコンベア1上を上記遮蔽
壁4に形成された照射窓3の真下を通過しながら下流側
に流され、また、一方のシート状の被覆材Bが下流側に
位置する案内ローラ7によって上記シート状フッ素樹脂
Aの上面を覆うように重なり合ってからシート状フッ素
樹脂Aと共にベルトコンベア1上をその下流側に流され
るようになっている。
テトラフルオロエチレン系共重合体(PTFE)、テト
ラフルオロエチレンパーフルオロ(アルキルビニルエー
テル)系共重合体(PFA)あるいはテトラフルオロエ
チレン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体(FE
P)等が用いられる。
(アルキルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロピレ
ン、(パーフルオロアルキル)エチレン、あるいはクロ
ロトリフルオロエチレン等の共重合性モノマーに基づく
重合単位を0.2%モル以下含有するものも含まれる。
また、共重合体形式のフッ素樹脂の場合、その分子構造
の中に少量の第三成分を含むものでも良い。
状フッ素樹脂Aと同じフッ素樹脂を用いることも可能で
あるが、酸素透過性がフッ素樹脂Aより低く、放射線照
射時に高温下で外部から酸素の侵入を阻止できる材質が
用いられる。特に、高温下のため、耐熱性、強度が備わ
っており、また、放射線場のため、耐放射線性を有する
ものが用いられる。さらに照射時の分解ガスとしてフッ
素化合物が考えられるため、これに侵され難く、フッ素
樹脂そのものとも反応し難いものであり、また工業的に
見た場合、電離性放射線の中でも電子線が実用的である
ため、その透過力からフッ素樹脂も透過でき、遜色を受
けない程度の薄膜からなっている。
具体的には、ステンレススチールやチタン等の金属膜や
フィルム状のポリイミド等の高分子材料が適している。
方法の一例を説明する。
内ローラ6によってベルトコンベア1上に案内された
後、他方の案内ローラ7から案内されてくるシート状被
覆材Bがその上面側に密着するように重ね合わされるこ
とでその上面側がシート状被覆材Bで被覆された状態と
なり、その後、シート状被覆材Bと共にローラーコンベ
ア1上を搬送される。
上をその下流側に流れたシート状フッ素樹脂Aは、上述
したようにベルトコンベア1内及び遮蔽壁4の下面に設
けられた複数のヒータ5によってその融点以上、例え
ば、340℃程度に加熱されながら遮蔽壁4の遮蔽窓3
に達した時に、放射線照射手段2から、例えば、照射線
量0.1kGy〜10MGyの電離性放射線がこの遮蔽
窓3を通過して照射されることになる。
5によってその融点に加熱されると共に、少なくともそ
の上面側がシート状被覆材Bで覆われた低酸素状態であ
り、かつ0.1kGy〜10MGyの電離性放射線が照
射される状態であるため、良好に放射線架橋が行われ、
高品質なフッ素樹脂が確実に得られることになる。
フッ素樹脂Aはシート状被覆材Bと共にさらに下流側へ
搬送されながら自然冷却或いは図示しない冷却手段によ
って常温程度まで強制冷却された後、上面側のシート状
被覆材Bが剥がされることで改質フッ素樹脂として単独
で回収されることになる。
気で良好に放射線架橋することができるため、従来のよ
うな密閉チャンバーや真空引き装置或いは低酸素ガス供
給装置等の大掛かりな装置が不要となる。その結果、真
空引きや低酸素ガス置換等といった煩わしい一連の作業
を省略することができるため、優れた生産性と低コスト
を発揮することができる。
樹脂を連続して放射線架橋して改質することができるた
め、従来方法のようなバッチ処理に比べてより優れた生
産性を発揮することができる。
ト状被覆材Bは、上述したように熱や放射線或いは分解
ガス等に侵され難い材料からなっているため、その両端
を接続して無端ベルト状にして繰り返し使用するように
すれば、シート状被覆材Bのコストを低減することがで
きる。
と隔絶するために、被覆材を袋状にして上下からシート
状フッ素樹脂Aをラミネートするようにしたり、また、
被覆材として粉末状のものを用い、シート状フッ素樹脂
Aの表面に塗布することでシート状フッ素樹脂Aの周囲
を覆うようにしても良い。
シート状フッ素樹脂Aと被覆材の界面への酸素の混入を
防止するために、図示するように、案内ローラ6,7間
に低酸素ガス供給手段8を設け、案内ローラ6から案内
された直後のシート状フッ素樹脂Aの上面に低酸素ガス
供給手段8から不活性ガスや窒素ガス等の低酸素ガスを
吹き付けて酸素を除去したり、さらに、この低酸素ガス
を一定の温度に加熱しておくことで架橋処理前のシート
状フッ素樹脂Aをある程度の温度まで予熱するようにし
ても良い。また、同じく図示するように、この低酸素ガ
ス供給手段8の近傍に脱気手段9を設け、この脱気手段
9によってシート状フッ素樹脂A周囲の空気を吸い込ん
で脱気するようにすれば、より高品質な改質フッ素樹脂
を得ることができる。
加熱に伴いそれ自身が溶融してシート状フッ素樹脂Aを
完全に被覆るような材料、例えば、上述したようなポリ
イミド等の高分子材料を用いることが望ましい。
開放した状態でも問題ないが、例えば、電離性放射線を
良好に通過するチタン箔(10〜200μm)等を貼っ
ておけば、開放した状態よりも加熱した雰囲気が保たれ
るため、ヒータ7の省エネルギーも達成することができ
る。
脂架橋の製造上ネックであった低酸素雰囲気を簡単な方
法で得ることができるため、生産性が大幅に向上する上
に、大掛かりな装置が不要となるため、製造コストを低
減することもできる等といった優れた効果を発揮するこ
とができる。
樹脂製造装置の実施の一形態を示す側面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 フッ素樹脂の周囲を、酸素透過性がその
フッ素樹脂以下で、耐熱性を有し、かつ放射線を透過す
る性質を有する被覆材で覆った後、そのフッ素樹脂をそ
の融点以上に加熱しながらその被覆材の外側から電離性
放射線を照射してフッ素樹脂を架橋して改質するように
したことを特徴とする改質フッ素樹脂の製造方法。 - 【請求項2】 上記フッ素樹脂として、テトラフルオロ
エチレン系共重合体,テトラフルオロエチレン−パーフ
ルオロ(アルキルビニルエーテル)系共重合体,又はテ
トラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系共
重合体のいずれか或いはこれらの混合物を用いたことを
特徴とする請求項1に記載の改質フッ素樹脂の製造方
法。 - 【請求項3】 上記被覆材として、金属,金属の酸化物
等の無機物からなる薄膜又は高分子材料からなる薄膜の
いずれかを用いたことを特徴とする請求項1又は2に記
載の改質フッ素樹脂の製造方法。 - 【請求項4】 上記電離性放射線を照射線量0.1kG
y〜10MGyの範囲で照射するようにしたことを特徴
とする請求項1〜3のいずれかに記載の改質フッ素樹脂
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36529098A JP3587070B2 (ja) | 1998-12-22 | 1998-12-22 | 改質フッ素樹脂の製造方法 |
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JP36529098A JP3587070B2 (ja) | 1998-12-22 | 1998-12-22 | 改質フッ素樹脂の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2000186156A true JP2000186156A (ja) | 2000-07-04 |
JP3587070B2 JP3587070B2 (ja) | 2004-11-10 |
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3587070B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002030166A (ja) * | 2000-07-19 | 2002-01-31 | Japan Atom Energy Res Inst | 改質フッ素樹脂成形体を製造する方法 |
-
1998
- 1998-12-22 JP JP36529098A patent/JP3587070B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002030166A (ja) * | 2000-07-19 | 2002-01-31 | Japan Atom Energy Res Inst | 改質フッ素樹脂成形体を製造する方法 |
JP4665149B2 (ja) * | 2000-07-19 | 2011-04-06 | 独立行政法人 日本原子力研究開発機構 | 改質フッ素樹脂成形体を製造する方法 |
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---|---|
JP3587070B2 (ja) | 2004-11-10 |
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