JP2000183284A - キャパシタ及びその製造方法 - Google Patents

キャパシタ及びその製造方法

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JP2000183284A
JP2000183284A JP10358775A JP35877598A JP2000183284A JP 2000183284 A JP2000183284 A JP 2000183284A JP 10358775 A JP10358775 A JP 10358775A JP 35877598 A JP35877598 A JP 35877598A JP 2000183284 A JP2000183284 A JP 2000183284A
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capacitor
lower electrode
polysilicon layer
oxide film
impurity
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Noriaki Hara
憲章 原
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 寄生容量の値の変動を招く恐れのある設計修
正によるキャパシタの電極面積の変更を行うことなく、
またデバイスの不純物プロファイルを変化させる熱酸化
条件の変更を行うことなく、回路毎に所望のキャパシタ
の容量を調整することが可能なキャパシタ及びその製造
方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 第1及び第2のキャパシタ14a、14
bにおいて、追加の不純物を選択的に添加する工程を設
けることにより、第2のキャパシタ14bの第2の下部
電極16bに含有されている不純物の濃度が第1のキャ
パシタ14aの第1の下部電極16aに含有されている
不純物の濃度よりも高くなり、同一の熱酸化によって第
2の下部電極16b表面のみが増速酸化され、第2の下
部電極16b上に形成される第2のキャパシタ酸化膜1
8bの膜厚が第1の下部電極16a上に形成される第1
のキャパシタ酸化膜18aの膜厚よりも厚くなってい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はキャパシタ及びその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のLSI(大規模集積回路)におい
て、トランジスタ等と共に形成されるキャパシタは、一
般に、導電性の第1ポリシリコン層からなる下部電極
と、この下部電極上に形成されたキャパシタ酸化膜と、
このキャパシタ酸化膜上に形成された導電性の第2ポリ
シリコン層からなる上部電極とから構成される。また、
こうしたキャパシタは、通常、導電性の第1ポリシリコ
ン層を所定の形状にパターニングして下部電極を形成す
る工程と、この下部電極の表面を熱酸化して、下部電極
上にキャパシタ酸化膜を形成する工程と、このキャパシ
タ酸化膜上に導電性の第2ポリシリコン層を堆積した
後、この導電性の第2ポリシリコン層を所定の形状にパ
ターニングして上部電極を形成する工程と、によって作
製される。
【0003】そして、こうしたキャパシタの容量Cは、
次の式によって表される。 C=ε0 ・ε・(S/t) 但し、ε0 :真空の誘電率 ε :キャパシタ酸化膜の比誘電率 S :電極面積 t :キャパシタ酸化膜の膜厚
【0004】ところで、実際にLSIを作製する場合、
LSIに搭載するキャパシタの容量Cを当初の設計値か
ら変更する必要に迫られる場合がある。このような場合
に、キャパシタの容量Cを調整する方法の一つとして、
設計修正を行い、キャパシタの電極面積Sを変更する方
法がある。また、キャパシタの容量Cを調整する他の方
法として、下部電極の表面を熱酸化する際の条件を変更
して、下部電極上に形成するキャパシタ酸化膜の膜厚t
を変更する方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、設計修正を行
ってキャパシタの電極面積Sを変更する場合には、その
周辺の配線等の変更も必要になる。そして、それに伴
い、キャパシタ自体の容量C以外の寄生容量の値が変動
するなど、LSIの特性変動を招く不確定要素を発生さ
せるという問題が生じる。また、キャパシタ酸化膜の膜
厚tを変更するために下部電極の表面を熱酸化する際の
条件を変更する場合には、それまでの工程において既に
形成したデバイスの不純物プロファイルを変化させるこ
とになり、やはりLSIの特性変動を招く恐れがあると
いう問題が生じる。また、この方法によっては、LSI
を構成する複数の回路における複数のキャパシタの容量
Cが一括して変更されることになり、回路毎に所望のキ
ャパシタの容量Cを調整することができないという問題
も生じる。
【0006】そこで本発明は、上記問題点を鑑みてなさ
れたものであり、寄生容量の値の変動を招く恐れのある
設計修正によるキャパシタの電極面積の変更を行うこと
なく、またデバイスの不純物プロファイルを変化させる
下部電極表面の熱酸化条件の変更を行うことなく、回路
毎に所望のキャパシタの容量を調整することが可能なキ
ャパシタ及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の本発
明に係るキャパシタ及びその製造方法により達成され
る。即ち、請求項1に係るキャパシタは、絶縁層上に形
成された導電性の第1ポリシリコン層からなる第1及び
第2の下部電極と、これら第1及び第2の下部電極上に
それぞれ第1及び第2のキャパシタ酸化膜を介して形成
された導電性の第2ポリシリコン層からなる第1及び第
2の上部電極と、を有するキャパシタであって、第2の
下部電極に含有される不純物の濃度が第1の下部電極に
含有される不純物の濃度よりも高く、第2のキャパシタ
酸化膜の膜厚が第1のキャパシタ絶縁膜の膜厚よりも厚
いことを特徴とする。
【0008】このように請求項1に係るキャパシタにお
いては、導電性の第1ポリシリコン層からなる第1の下
部電極、導電性の第2ポリシリコン層からなる第1の上
部電極、及びこれら第1の下部電極と第1の上部電極と
に挟まれた第1のキャパシタ酸化膜から構成される第1
のキャパシタと、導電性の第1ポリシリコン層からなる
第2の下部電極、導電性の第2ポリシリコン層からなる
第2の上部電極、及びこれら第2の下部電極と第2の上
部電極とに挟まれた第2のキャパシタ酸化膜から構成さ
れる第2のキャパシタとが形成されており、これら第1
及び第2のキャパシタを比較すると、第2のキャパシタ
の第2のキャパシタ酸化膜の膜厚が第1のキャパシタの
第1のキャパシタ絶縁膜の膜厚よりも厚くなっているた
め、たとえ電極面積が同一であっても、異なる値の容量
が得られる。
【0009】また、請求項2に係るキャパシタの製造方
法は、絶縁層上に、導電性の第1ポリシリコン層からな
る下部電極を形成する工程と、この下部電極に、追加の
不純物を添加する工程と、下部電極の表面を熱酸化し
て、この下部電極上にキャパシタ酸化膜を形成する工程
と、このキャパシタ酸化膜上に、導電性の第2ポリシリ
コン層からなる上部電極を形成する工程と、を有するこ
とを特徴とする。
【0010】このように請求項2に係るキャパシタの製
造方法においては、導電性の第1ポリシリコン層からな
る下部電極に追加の不純物を添加することにより、この
下部電極の不純物濃度が従前よりも高くなる。ところ
で、ポリシリコン層の表面を熱酸化する場合、ポリシリ
コン層に添加されている不純物の濃度が高い程、酸化速
度が速くなる増速酸化という現象が生じる。このため、
従前よりも不純物濃度が高くなった下部電極の表面は増
速酸化されて、キャパシタ酸化膜の膜厚が従前よりも厚
くなり、形成されるキャパシタの容量は従前の容量より
も小さくなる。従って、キャパシタの容量を当初の設計
値から変更する必要が生じた場合においても、設計修正
によって寄生容量値を変動させる恐れのあるキャパシタ
の電極面積の変更を行うことなく、また既に形成されて
いるデバイスの不純物プロファイルを変化させる恐れの
ある熱酸化条件の変更を行うことなく、キャパシタの容
量が調整される。しかも、このキャパシタの容量の調整
は、例えばLSIの複数の回路に組み込まれている全て
のキャパシタを対象に一括して行ってもよいし、複数の
回路に組み込まれている特定のキャパシタを対象に行っ
てもよいし、特定の回路に組み込まれているキャパシタ
を対象に行ってもよい。
【0011】また、請求項3に係るキャパシタの製造方
法は、絶縁層上に導電性の第1ポリシリコン層からなる
第1の下部電極を形成すると共に、この第1の下部電極
に含有される不純物の濃度よりも高濃度の不純物を含有
している導電性の第1ポリシリコン層からなる第2の下
部電極を形成する第1の工程と、これら第1及び第2の
下部電極表面を熱酸化して、第1及び第2の下部電極上
にそれぞれ第1及び第2のキャパシタ酸化膜を形成する
第2の工程と、これら第1及び第2のキャパシタ酸化膜
上にそれぞれ導電性の第2ポリシリコン層からなる第1
及び第2の上部電極を形成する第3の工程と、を有する
ことを特徴とする。
【0012】このように請求項3に係るキャパシタの製
造方法においては、導電性の第1ポリシリコン層からな
る第1の下部電極を形成すると共に、この第1の下部電
極に含有される不純物の濃度よりも高濃度の不純物を含
有している導電性の第1ポリシリコン層からなる第2の
下部電極を形成することにより、これら第1及び第2の
下部電極表面を同一工程において同一条件で熱酸化して
も、ポリシリコン層の表面を熱酸化する際の酸化速度は
添加されている不純物の濃度が高いほど増速されるとい
う現象が生じて、第1の下部電極よりも相対的に不純物
濃度の高い第2の下部電極の表面の増速酸化が進み、第
2の下部電極上に形成される第2のキャパシタ酸化膜の
膜厚が第1の下部電極上に形成される第1のキャパシタ
酸化膜の膜厚よりも厚くなる。このため、第2の下部電
極、第2の上部電極、及びこれら第2の下部電極と第2
の上部電極とに挟まれた第2のキャパシタ酸化膜から構
成される第2のキャパシタと、第1の下部電極、第1の
上部電極、及びこれら第1の下部電極と第1の上部電極
とに挟まれた第1のキャパシタ酸化膜から構成される第
1のキャパシタとを比較すると、第1及び第2のキャパ
シタの電極面積が同一であっても、第2のキャパシタの
容量が第1のキャパシタの容量よりも小さくなる。従っ
て、電極面積が同一となるパターン設計を行っても、例
えば回路毎に容量の異なるキャパシタが同一工程によっ
て同時に形成される。
【0013】なお、上記請求項3記載のキャパシタの製
造方法において、導電性の第1ポリシリコン層からなる
第1の下部電極を形成すると共に、この第1の下部電極
に含有される不純物の濃度よりも高濃度の不純物を含有
している導電性の第1ポリシリコン層からなる第2の下
部電極を形成する際には、先ず、絶縁層上に導電性の第
1ポリシリコン層を堆積した後、この第1ポリシリコン
層の所定の領域に選択的に追加の不純物を添加し、続い
て、この第1ポリシリコン層を所定の形状にパターニン
グして、追加の不純物が添加されていない領域の第1ポ
リシリコン層から第1の下部電極を形成すると共に、追
加の不純物が添加されている領域の第1ポリシリコン層
から第2の下部電極を形成する方法を採用すればよい。
【0014】或いはまた、先ず、絶縁層上に導電性の第
1ポリシリコン層を堆積した後、この第1ポリシリコン
層を所定の形状にパターニングして、第1ポリシリコン
層からなる第1及び第2の下部電極をそれぞれ形成し、
続いて、この第2の下部電極のみに選択的に追加の不純
物を選択的に添加する方法を採用してもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、
本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施
形態に係るキャパシタを示す断面図であり、図2〜図7
はそれぞれ図1のキャパシタの第1の製造方法を説明す
るための工程断面図であり、図8〜図13はそれぞれ図
1のキャパシタの第2の製造方法を説明するための工程
断面図であり、図14はポリシリコン層表面を熱酸化す
る際のポリシリコン層に添加されている不純物濃度と形
成されるシリコン酸化膜の膜厚との関係を示すグラフで
ある。
【0016】図1に示されるように、Si(シリコン)
基板10の素子領域においては、例えばLSIを構成す
る各種のトランジスタ等(図示せず)が形成されてお
り、その周囲の素子分離領域には、LOCOS(Local
Oxidation of Silicon)膜12が形成されている。そし
て、このLOCOS膜12上には、例えば互いに異なる
回路に属する第1のキャパシタ14a及び第2のキャパ
シタ14bがそれぞれ形成されている。
【0017】第1のキャパシタ14aは、LOCOS膜
12上に形成された導電性の第1ポリシリコン層からな
る第1の下部電極16a、この第1の下部電極16a上
に形成された第1のキャパシタ酸化膜18a、及びこの
第1のキャパシタ酸化膜18a上に形成された導電性の
第2ポリシリコン層からなる第1の上部電極20aから
構成されている。同様に、第2のキャパシタ14bは、
LOCOS膜12上に形成された導電性の第1ポリシリ
コン層からなる第2の下部電極16b、この第2の下部
電極16b上に形成された第2のキャパシタ酸化膜18
b、及びこの第2のキャパシタ酸化膜18b上に形成さ
れた導電性の第2ポリシリコン層からなる第2の上部電
極20bから構成されている。
【0018】そして、これら第1及び第2のキャパシタ
14a、14bにおいて、第2のキャパシタ14bの第
2の下部電極16bに含有されている不純物の濃度が第
1のキャパシタ14aの第aの下部電極16aに含有さ
れている不純物の濃度よりも高くなっており、また第2
のキャパシタ14bの第2のキャパシタ酸化膜18bの
膜厚が第1のキャパシタ14aの第1のキャパシタ酸化
膜18aの膜厚よりも厚くなっている点に特徴がある。
【0019】次に、図1に示される第1及び第2のキャ
パシタ14a、14bの第1の製造方法を、図2〜図7
を用いて説明する。先ず、Si基板10の素子分離領域
に、選択酸化法によりLOCOS膜12を形成した後、
このLOCOS膜12によって分離された素子領域に、
LSIを構成する各種のデバイス(図示せず)を形成す
る。続いて、LOCOS膜12上に導電性の第1ポリシ
リコン層22を形成する。なお、この導電性の第1ポリ
シリコン層22を形成する際には、例えばCVD(Chem
ical Vapor Deposition ;気相成長)法により所定の不
純物が添加されたポリシリコン層を堆積する方法を用い
てもよいし、或いはまた、CVD法により不純物が添加
されていないポリシリコン層を堆積した後、イオン注入
法により所定の不純物イオンを注入する方法を用いても
よい(図2参照)。
【0020】次いで、基体全面にレジスト24を塗布し
た後、フォトリソグラフィ技術を用いてこのレジスト2
4を所定の形状にパターニングし、第2のキャパシタ1
4bの形成予定領域に開口部26を設ける。
【0021】続いて、この開口部26を設けたレジスト
24をマスクとして、図中に矢印で表したように、例え
ばBF2 やP等の既に第1ポリシリコン層22に添加さ
れている不純物と同じアクセプタ型又はドナー型の不純
物のイオン注入を行い、開口部26内に露出する第1ポ
リシリコン層22に追加の不純物イオンを選択的に注入
する。こうして、第1ポリシリコン層22の中に、追加
の不純物イオンが注入されていない領域22aと追加の
不純物イオンが注入されている領域22bとを形成する
(図3参照)。
【0022】次いで、レジスト24を除去する(図4参
照)。次いで、基体全面に再びレジスト(図示せず)を
塗布した後、フォトリソグラフィ技術を用いて所定の形
状にパターニングしたレジストをマスクとして、第1ポ
リシリコン層22を選択的にエッチングする。こうし
て、第1ポリシリコン層22を所定の形状にパターニン
グして、追加の不純物イオンが注入されていない領域2
2aからなる第1の下部電極16aと、追加の不純物イ
オンが注入されている領域22bからなる第1の下部電
極16bとを形成する(図5参照)。
【0023】次いで、酸素雰囲気中における熱処理を行
い、第2の下部電極16bに注入した不純物イオンを活
性化すると共に、第1及び第2の下部電極16a、16
b表面を熱酸化して、第1の下部電極16a上に第1の
キャパシタ酸化膜18aを形成すると共に、第2の下部
電極16b上に第2のキャパシタ酸化膜18bを形成す
る。
【0024】ところで、図14のグラフに示されるよう
に、ポリシリコン層表面を熱酸化する場合には、ポリシ
リコン層に添加されている不純物の濃度が高い程、酸化
速度が速くなる増速酸化という現象が生じる。なお、こ
の図14のグラフにおいては、横軸にポリシリコン層に
注入された不純物のドーズ量をとり、縦軸にこのポリシ
リコン層表面を熱酸化して形成するシリコン酸化膜の膜
厚をとる。但し、このシリコン酸化膜の膜厚は、このシ
リコン酸化膜をキャパシタ酸化膜とするキャパシタを形
成し、そのキャパシタの容量値から算出した換算膜厚で
ある。
【0025】このため、第1ポリシリコン層22からな
る第1及び第2の下部電極16a、16b表面を熱酸化
して、第1及び第2の下部電極16a、16b上にそれ
ぞれ第1及び第2のキャパシタ酸化膜18a、18bを
形成する際、第2の下部電極16bに添加されている不
純物の濃度は、追加の不純物イオンが注入された分だ
け、第1の下部電極16aに添加されている不純物の濃
度よりも高くなっていることから、第2の下部電極16
b表面の熱酸化が第1の下部電極16a表面の熱酸化よ
りも増速されて進み、第2の下部電極16b上の第2の
キャパシタ酸化膜18bの膜厚が第1の下部電極16a
上の第1のキャパシタ酸化膜18aの膜厚よりも厚くな
る(図6参照)。
【0026】次いで、基体全面に導電性の第2ポリシリ
コン層を形成した後、第1ポリシリコン層22を所定の
形状にパターニングした場合と同様にして、この第2ポ
リシリコン層を所定の形状にパターニングし、LOCO
S膜12及び第1のキャパシタ酸化膜18a上の導電性
の第2ポリシリコン層からなる第1の上部電極20aを
形成すると共に、LOCOS膜12及び第2のキャパシ
タ酸化膜18b上の導電性の第2ポリシリコン層からな
る第2の上部電極20bを形成する。
【0027】なお、この導電性の第2ポリシリコン層を
形成する際には、例えばCVD法により所定の不純物が
添加されたポリシリコン層を堆積する方法を用いてもよ
いし、或いはまた、CVD法により不純物が添加されて
いないポリシリコン層を堆積した後、イオン注入法によ
り所定の不純物イオンを注入し、更にこの注入した不純
物イオンを活性化する熱処理を行う方法を用いてもよ
い。
【0028】こうして、LOCOS膜12上に形成され
た第1の下部電極16a、この第1の下部電極16a上
に形成された第1のキャパシタ酸化膜18a、及びこの
第1のキャパシタ酸化膜18a上に形成された第1の上
部電極20aから構成される第1のキャパシタ14aを
形成すると共に、LOCOS膜12上に形成された第2
の下部電極16b、この第2の下部電極16b上に形成
され、第1のキャパシタ酸化膜18aよりも厚い膜厚の
第2のキャパシタ酸化膜18b、及びこの第2のキャパ
シタ酸化膜18b上に形成された第2の上部電極20b
から構成される第2のキャパシタ14bを形成する(図
7参照)。
【0029】次に、図1に示される第1のキャパシタ1
4a及び第2のキャパシタ14bの第2の製造方法を、
図8〜図13を用いて説明する。先ず、上記第1の製造
方法における図2に示す工程の場合と同様にして、Si
基板10の素子分離領域にLOCOS膜12を形成した
後、このLOCOS膜12によって分離された素子領域
にLSIを構成する各種のデバイス(図示せず)を形成
し、続いて、LOCOS膜12上に導電性の第1ポリシ
リコン層22を形成する(図8参照)。
【0030】次いで、基体全面にレジスト(図示せず)
を塗布した後、フォトリソグラフィ技術を用いて所定の
形状にパターニングしたレジストをマスクとして、第1
ポリシリコン層22を選択的にエッチングする。こうし
て、第1ポリシリコン層22を所定の形状にパターニン
グして、第1のキャパシタ14aの形成予定領域の第1
ポリシリコン層22からなる第1の下部電極16aと、
第2のキャパシタ14bの形成予定領域の第1ポリシリ
コン層22からなる第2の下部電極16bとを形成する
(図9参照)。
【0031】次いで、基体全面にレジスト28を塗布し
た後、フォトリソグラフィ技術を用いてこのレジスト2
8を所定の形状にパターニングし、第2のキャパシタ1
4bの形成予定領域に、第2の下部電極16bを露出さ
せる開口部30を設ける。
【0032】続いて、この開口部30を設けたレジスト
28をマスクとして、図中に矢印で表したように、例え
ばBF2 やP等の既に第2の下部電極16bに添加され
ている不純物と同じアクセプタ型又はドナー型の不純物
のイオン注入を行い、開口部30内に露出する第2の下
部電極16bに追加の不純物イオンを選択的に注入す
る。こうして、第2の下部電極16bの不純物濃度は、
追加の不純物イオンが注入された分だけ、第1の下部電
極16aの不純物濃度よりも高くなる(図10参照)。
【0033】次いで、レジスト28を除去する(図11
参照)。次いで、上記第1の製造方法における図6に示
す工程の場合と同様にして、酸素雰囲気中における熱処
理を行い、第2の下部電極16bに注入した不純物イオ
ンを活性化すると共に、第1及び第2の下部電極16
a、16b表面を熱酸化して、第1の下部電極16a上
に第1のキャパシタ酸化膜18aを形成し、第2の下部
電極16b上に第2のキャパシタ酸化膜18bを形成す
る。
【0034】そして、このとき、第2の下部電極16b
に添加されている不純物の濃度は、追加の不純物イオン
が注入された分だけ、第1の下部電極16aに添加され
ている不純物の濃度よりも高くなっているため、第2の
下部電極16b表面の熱酸化は第1の下部電極16a表
面の熱酸化よりも増速されて進み、第2の下部電極16
b上の第2のキャパシタ酸化膜18bの膜厚が第1の下
部電極16a上の第1のキャパシタ酸化膜18aの膜厚
よりも厚くなる(図12参照)。
【0035】次いで、上記第1の製造方法における図7
に示す工程の場合と同様にして、基体全面に形成した導
電性の第2ポリシリコン層を所定の形状にパターニング
し、LOCOS膜12及び第1のキャパシタ酸化膜18
a上の導電性の第2ポリシリコン層からなる第1の上部
電極20aを形成すると共に、LOCOS膜12及び第
2のキャパシタ酸化膜18b上の導電性の第2ポリシリ
コン層からなる第2の上部電極20bを形成する。
【0036】こうして、LOCOS膜12上に形成され
た第1の下部電極16a、この第1の下部電極16a上
に形成された第1のキャパシタ酸化膜18a、及びこの
第1のキャパシタ酸化膜18a上に形成された第1の上
部電極20aから構成される第1のキャパシタ14aを
形成すると共に、LOCOS膜12上に形成された第2
の下部電極16b、この第2の下部電極16b上に形成
され、第1のキャパシタ酸化膜18aよりも厚い膜厚の
第2のキャパシタ酸化膜18b、及びこの第2のキャパ
シタ酸化膜18b上に形成された第2の上部電極20b
から構成される第2のキャパシタ14bを形成する(図
13参照)。
【0037】このように本実施形態によれば、LOCO
S膜12上に導電性の第1ポリシリコン層22からなる
第1の下部電極16aと第2の下部電極16bとを形成
する際に、追加の不純物イオンを選択的に注入する工程
を設けて、第2の下部電極16bに含有される不純物の
濃度を第1の下部電極16aに含有される不純物の濃度
よりも高くすることにより、第1及び第2の下部電極1
6a、16b表面を熱酸化して第1及び第2のキャパシ
タ酸化膜18a、18bをそれぞれ形成する場合に、不
純物濃度が相対的に高い第2の下部電極16b表面の熱
酸化が第1の下部電極16a表面の熱酸化よりも増速さ
れて進み、第2の下部電極16b上の第2のキャパシタ
酸化膜18bの膜厚が第1の下部電極16a上の第1の
キャパシタ酸化膜18aの膜厚よりも厚くなるため、第
1の下部電極16a、この第1の下部電極16a上に形
成された第1のキャパシタ酸化膜18a、及びこの第1
のキャパシタ酸化膜18a上に形成された第1の上部電
極20aから構成される第1のキャパシタ14aと、第
2の下部電極16b、この第2の下部電極16b上に形
成された第2のキャパシタ酸化膜18b、及びこの第2
のキャパシタ酸化膜18b上に形成された第2の上部電
極20bから構成される第2のキャパシタ14bとを比
較すると、これら第1及び第2のキャパシタ14a、1
4bの電極面積が同一であっても、第2のキャパシタ1
4bの容量を第1のキャパシタ14aの容量よりも小さ
くすることができる。従って、電極面積が同一となるパ
ターン設計を行っても、例えば回路毎に容量の異なる第
1及び第2のキャパシタ14a、14bを同一工程によ
って同時に形成することができる。
【0038】なお、上記実施形態においては、容量の異
なる第1及び第2のキャパシタ14a、14bを同一工
程によって同時に形成する場合について説明したが、例
えば上記図1に示される第1のキャパシタ14aを従前
の設計に基づいて形成していたるキャパシタとし、この
キャパシタの容量を従前の設計値から変更する第2のキ
ャパシタ14bを形成する必要が生じたと仮定すると、
上記図3又は図10に示される追加の不純物イオンを選
択的に注入する工程を設けて、第2のキャパシタ14b
の第2の下部電極16bに含有される不純物の濃度を従
前の第1のキャパシタ14aの第1の下部電極16aに
含有される不純物の濃度よりも高くし、第2の下部電極
16b表面を熱酸化する際の酸化速度を第1の下部電極
16a表面を熱酸化する際の酸化速度よりも増速して、
第2の下部電極16b上に形成する第2のキャパシタ酸
化膜18bの膜厚を従前の第1の下部電極16a上に形
成する第1のキャパシタ酸化膜18aの膜厚よりも厚く
し、第2のキャパシタ14bの容量を従前の第1のキャ
パシタ14aの容量よりも小さくすることができる。従
って、設計修正によって寄生容量値を変動させる恐れの
あるキャパシタの電極面積の変更を行うことなく、また
既に形成されているデバイスの不純物プロファイルを変
化させる恐れのある熱酸化条件の変更を行うことなく、
例えば回路毎に従前の第1のキャパシタ14aの容量か
ら新たな第2のキャパシタ14bの容量に変更すること
ができる。
【0039】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明に係
るキャパシタ及びその製造方法によれば、次のような効
果を奏することができる。即ち、請求項1に係るキャパ
シタによれば、導電性の第1ポリシリコン層からなる第
1の下部電極、導電性の第2ポリシリコン層からなる第
1の上部電極、及びこれら第1の下部電極と第1の上部
電極とに挟まれた第1のキャパシタ酸化膜から構成され
る第1のキャパシタと、導電性の第1ポリシリコン層か
らなる第2の下部電極、導電性の第2ポリシリコン層か
らなる第2の上部電極、及びこれら第2の下部電極と第
2の上部電極とに挟まれた第2のキャパシタ酸化膜から
構成される第2のキャパシタとが形成されており、第2
のキャパシタの第2のキャパシタ酸化膜の膜厚が第1の
キャパシタの第1のキャパシタ絶縁膜の膜厚よりも厚く
なっていることにより、電極面積が同一であっても、異
なる容量を得ることができる。
【0040】また、請求項2に係るキャパシタの製造方
法によれば、導電性の第1ポリシリコン層からなる下部
電極に追加の不純物を添加することにより、この下部電
極の不純物濃度が従前よりも高くなり、その表面を熱酸
化する際の酸化速度が従前よりも増速されるため、下部
電極上に形成するキャパシタ酸化膜の膜厚を従前より厚
くして、形成されるキャパシタの容量を従前の容量より
も小さくすることができる。従って、キャパシタの容量
を当初の設計値から変更する必要が生じた場合であって
も、設計修正によって寄生容量値を変動させる恐れのあ
るキャパシタの電極面積の変更を行うことなく、また既
に形成されているデバイスの不純物プロファイルを変化
させる恐れのある熱酸化条件の変更を行うことなく、キ
ャパシタの容量を調整することができる。しかも、この
キャパシタの容量の調整は、例えばLSIの複数の回路
に組み込まれている全てのキャパシタを対象に一括して
行うことも可能であるし、複数の回路に組み込まれてい
る特定のキャパシタを対象に行うことも可能であるし、
特定の回路に組み込まれているキャパシタを対象に行う
ことも可能である。
【0041】また、請求項3に係るキャパシタの製造方
法によれば、導電性の第1ポリシリコン層からなる第1
の下部電極を形成すると共に、この第1の下部電極に含
有される不純物の濃度よりも高濃度の不純物を含有して
いる導電性の第1ポリシリコン層からなる第2の下部電
極を形成することにより、これら第1及び第2の下部電
極の表面を同一工程において同一条件で熱酸化しても、
第1の下部電極よりも相対的に不純物濃度の高い第2の
下部電極の表面の増速酸化が進み、第2の下部電極上に
形成される第2のキャパシタ酸化膜の膜厚が第1の下部
電極上に形成される第1のキャパシタ酸化膜の膜厚より
も厚くなるため、第2の下部電極、第2の上部電極、及
びこれら第2の下部電極と第2の上部電極とに挟まれた
第2のキャパシタ酸化膜から構成される第2のキャパシ
タと、第1の下部電極、第1の上部電極、及びこれら第
1の下部電極と第1の上部電極とに挟まれた第1のキャ
パシタ酸化膜から構成される第1のキャパシタとを形成
する際に、第1及び第2のキャパシタの電極面積が同一
であっても、第2のキャパシタの容量を第1のキャパシ
タの容量よりも小さくすることができる。従って、電極
面積が同一となるパターン設計を行っても、例えば回路
毎に容量の異なるキャパシタを同一工程によって同時に
形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るキャパシタを示す断
面図である。
【図2】図1のキャパシタの第1の製造方法を説明する
ための工程断面図(その1)である。
【図3】図1のキャパシタの第1の製造方法を説明する
ための工程断面図(その2)である。
【図4】図1のキャパシタの第1の製造方法を説明する
ための工程断面図(その3)である。
【図5】図1のキャパシタの第1の製造方法を説明する
ための工程断面図(その4)である。
【図6】図1のキャパシタの第1の製造方法を説明する
ための工程断面図(その5)である。
【図7】図1のキャパシタの第1の製造方法を説明する
ための工程断面図(その6)である。
【図8】図1のキャパシタの第2の製造方法を説明する
ための工程断面図(その1)である。
【図9】図1のキャパシタの第2の製造方法を説明する
ための工程断面図(その2)である。
【図10】図1のキャパシタの第2の製造方法を説明す
るための工程断面図(その3)である。
【図11】図1のキャパシタの第2の製造方法を説明す
るための工程断面図(その4)である。
【図12】図1のキャパシタの第2の製造方法を説明す
るための工程断面図(その5)である。
【図13】図1のキャパシタの第2の製造方法を説明す
るための工程断面図(その6)である。
【図14】ポリシリコン層表面を熱酸化する際のポリシ
リコン層に添加されている不純物濃度と形成されるシリ
コン酸化膜の膜厚との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10…Si基板、12…LOCOS膜、14a…第1の
キャパシタ、14b…第2のキャパシタ、16a…第1
の下部電極、16b…第2の下部電極、18a…第1の
キャパシタ酸化膜、18b…第2のキャパシタ酸化膜、
20a…第1の上部電極、20b…第2の上部電極、2
2…第1ポリシリコン層、22a…追加の不純物イオン
が注入されていない領域、22b…追加の不純物イオン
が注入されている領域、24…レジスト、26…開口
部、28…レジスト、30…開口部。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁層上に形成された導電性の第1ポリ
    シリコン層からなる第1及び第2の下部電極と、前記第
    1及び第2の下部電極上にそれぞれ第1及び第2のキャ
    パシタ酸化膜を介して形成された導電性の第2ポリシリ
    コン層からなる第1及び第2の上部電極と、を有するキ
    ャパシタであって、 前記第2の下部電極に含有される不純物の濃度が、前記
    第1の下部電極に含有される不純物の濃度よりも高く、 前記第2のキャパシタ酸化膜の膜厚が、前記第1のキャ
    パシタ絶縁膜の膜厚よりも厚いことを特徴とするキャパ
    シタ。
  2. 【請求項2】 絶縁層上に、導電性の第1ポリシリコン
    層からなる下部電極を形成する工程と、 前記下部電極に、追加の不純物を添加する工程と、 前記下部電極の表面を熱酸化して、前記下部電極上にキ
    ャパシタ酸化膜を形成する工程と、 前記キャパシタ酸化膜上に、導電性の第2ポリシリコン
    層からなる上部電極を形成する工程と、 を有することを特徴とするキャパシタの製造方法。
  3. 【請求項3】 絶縁層上に、導電性の第1ポリシリコン
    層からなる第1の下部電極を形成すると共に、前記第1
    の下部電極に含有される不純物の濃度よりも高濃度の不
    純物を含有している導電性の第1ポリシリコン層からな
    る第2の下部電極を形成する第1の工程と、 前記第1及び第2の下部電極表面を熱酸化して、前記第
    1及び第2の下部電極上に、それぞれ第1及び第2のキ
    ャパシタ酸化膜を形成する第2の工程と、 前記第1及び第2のキャパシタ酸化膜上に、それぞれ導
    電性の第2ポリシリコン層からなる第1及び第2の上部
    電極を形成する第3の工程と、 を有することを特徴とするキャパシタの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のキャパシタの製造方法に
    おいて、 前記第1の工程が、絶縁層上に、導電性の第1ポリシリ
    コン層を堆積した後、前記第1ポリシリコン層の所定の
    領域に選択的に追加の不純物を添加する工程と、前記第
    1ポリシリコン層を所定の形状にパターニングして、前
    記追加の不純物が添加されていない領域の前記第1ポリ
    シリコン層から第1の下部電極を形成すると共に、前記
    追加の不純物が添加されている領域の前記第1ポリシリ
    コン層から第2の下部電極を形成する工程と、を有して
    いることを特徴とするキャパシタの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のキャパシタの製造方法に
    おいて、 前記第1の工程が、絶縁層上に、導電性の第1ポリシリ
    コン層を堆積した後、前記第1ポリシリコン層を所定の
    形状にパターニングして、前記第1ポリシリコン層から
    なる第1及び第2の下部電極を形成する工程と、前記第
    2の下部電極に選択的に追加の不純物を添加する工程
    と、を有していることを特徴とするキャパシタの製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011049249A (ja) * 2009-08-25 2011-03-10 Canon Inc 半導体装置の製造方法
CN104037170A (zh) * 2013-03-08 2014-09-10 日月光半导体制造股份有限公司 具有集成式无源装置的半导体装置及其制造工艺

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JP2011049249A (ja) * 2009-08-25 2011-03-10 Canon Inc 半導体装置の製造方法
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