JP2000182807A - 非直線抵抗体 - Google Patents
非直線抵抗体Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 極めて優れた放電エネルギー耐量を持ち、放
電エネルギー印加時の破壊を確実に防止できる非直線抵
抗体を提供する。 【解決手段】 0.1mmから1mmの範囲の面取り加
工しろ4及び30°から60°の範囲の面取り角度5に
て面取り加工が行われ、非直線抵抗体の端部に面取り部
6が形成されている。このとき、焼結体1端部と電極3
端部とが一直線上に配置される構造となり、電極3の端
部を起点とする破壊が起こり難くなる。そのため、顕著
に優れた放電エネルギー耐量を持つことができる。
電エネルギー印加時の破壊を確実に防止できる非直線抵
抗体を提供する。 【解決手段】 0.1mmから1mmの範囲の面取り加
工しろ4及び30°から60°の範囲の面取り角度5に
て面取り加工が行われ、非直線抵抗体の端部に面取り部
6が形成されている。このとき、焼結体1端部と電極3
端部とが一直線上に配置される構造となり、電極3の端
部を起点とする破壊が起こり難くなる。そのため、顕著
に優れた放電エネルギー耐量を持つことができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化亜鉛を主成分
とし非直線抵抗特性を有する非直線抵抗体に関するもの
である。
とし非直線抵抗特性を有する非直線抵抗体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に電力系統においては、正常な電圧
に重畳される過電圧を除去し、電力系統や電気機器を保
護するために、避雷器やサージアブソーバなどの過電圧
保護装置が用いられている。これらの過電圧保護装置に
は、正常な電圧ではほぼ絶縁特性を示し、過電圧が印加
されると低抵抗値となる非直線抵抗特性を有する非直線
抵抗体が多用されている。
に重畳される過電圧を除去し、電力系統や電気機器を保
護するために、避雷器やサージアブソーバなどの過電圧
保護装置が用いられている。これらの過電圧保護装置に
は、正常な電圧ではほぼ絶縁特性を示し、過電圧が印加
されると低抵抗値となる非直線抵抗特性を有する非直線
抵抗体が多用されている。
【0003】非直線抵抗体は焼結体、絶縁層及び一対の
電極から構成されている。焼結体は酸化亜鉛を主成分と
し、非直線特性を得るために添加物として少なくとも一
種類以上の金属酸化物が加えられて混合、造粒され、円
盤状または環状に成形されている。絶縁層は無機絶縁物
が焼き付けられることにより焼結体の側面に形成され
る。また、電極はアルミニウムなどの金属材料が溶解さ
れ、吹き付けられることによって焼結体の上下面に形成
されている。
電極から構成されている。焼結体は酸化亜鉛を主成分と
し、非直線特性を得るために添加物として少なくとも一
種類以上の金属酸化物が加えられて混合、造粒され、円
盤状または環状に成形されている。絶縁層は無機絶縁物
が焼き付けられることにより焼結体の側面に形成され
る。また、電極はアルミニウムなどの金属材料が溶解さ
れ、吹き付けられることによって焼結体の上下面に形成
されている。
【0004】近年、電力需要は増大しており、送電系統
電圧も増加する傾向にある。このような状況の中で、非
直線抵抗体に設定される放電エネルギー耐量を向上させ
ることが求められている。つまり、非直線抵抗体に大き
な放電エネルギーが印加されると、機械的または電気的
に破壊してしまう。そのため、送電系統電圧の増加によ
る放電エネルギーの増大に対応すべく、非直線抵抗体が
破壊するまでの放電エネルギー耐量を増加させる必要が
生じている。
電圧も増加する傾向にある。このような状況の中で、非
直線抵抗体に設定される放電エネルギー耐量を向上させ
ることが求められている。つまり、非直線抵抗体に大き
な放電エネルギーが印加されると、機械的または電気的
に破壊してしまう。そのため、送電系統電圧の増加によ
る放電エネルギーの増大に対応すべく、非直線抵抗体が
破壊するまでの放電エネルギー耐量を増加させる必要が
生じている。
【0005】非直線抵抗体の放電エネルギー吸収時にお
ける破壊形態の一つとして、電極の端部が起点となって
破壊する現象がある。そのため、非直線抵抗体のエネル
ギー耐量を向上させ、非直線抵抗体の破壊を防ぐ非直線
抵抗体として、電極の端部と焼結体の絶縁層を含む外周
縁の端部に間隔を持たせた技術が特開昭55−1152
76号公報に開示されている。また、電極端部と外周縁
の端部の距離を0.1mmから1.5mmの範囲にする
技術が、本出願人による特開昭56−58805号公報
に開示されている。さらに、非直線抵抗体の焼結体に面
取り部を設ける技術が特開昭56−55002号公報及
び特開平1−123401号公報に開示されている。
ける破壊形態の一つとして、電極の端部が起点となって
破壊する現象がある。そのため、非直線抵抗体のエネル
ギー耐量を向上させ、非直線抵抗体の破壊を防ぐ非直線
抵抗体として、電極の端部と焼結体の絶縁層を含む外周
縁の端部に間隔を持たせた技術が特開昭55−1152
76号公報に開示されている。また、電極端部と外周縁
の端部の距離を0.1mmから1.5mmの範囲にする
技術が、本出願人による特開昭56−58805号公報
に開示されている。さらに、非直線抵抗体の焼結体に面
取り部を設ける技術が特開昭56−55002号公報及
び特開平1−123401号公報に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら現在、電
力需要の増大にはめざましいものがあり、送電系統電圧
も増加する一方である。送電系統電圧が増加すれば、非
直線抵抗体に印加される放電エネルギーも増大せざるを
得ない。このため、非直線抵抗体に関しては、大きな放
電エネルギーが印加されても破壊に至ることがないよ
う、いっそう高いレベルの放電エネルギー耐量を持つこ
とが要求されている。
力需要の増大にはめざましいものがあり、送電系統電圧
も増加する一方である。送電系統電圧が増加すれば、非
直線抵抗体に印加される放電エネルギーも増大せざるを
得ない。このため、非直線抵抗体に関しては、大きな放
電エネルギーが印加されても破壊に至ることがないよ
う、いっそう高いレベルの放電エネルギー耐量を持つこ
とが要求されている。
【0007】本発明は、このような要求を満たすために
提案されたものであり、その目的は、極めて優れた放電
エネルギー耐量を持ち、放電エネルギー印加時の破壊を
確実に防止できる非直線抵抗体を提供することである。
提案されたものであり、その目的は、極めて優れた放電
エネルギー耐量を持ち、放電エネルギー印加時の破壊を
確実に防止できる非直線抵抗体を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、酸化亜鉛を主成分とした円盤状
または環状の焼結体が設けられ、この焼結体の側面に絶
縁層が設けられ、焼結体の上下面に一対の電極が設けら
れた非直線抵抗体において、非直線抵抗体の端部に切欠
き部が形成されたことを特徴とする。このような請求項
1の非直線抵抗体では、非直線抵抗体の端部に切欠き部
を形成したことにより、焼結体端部と電極端部とが同一
線上に配置される構造となり、非直線抵抗体が放電エネ
ルギーを吸収した際に、電極端部を起点とする破壊が起
こり難くなる。したがって、非直線抵抗体は高い放電エ
ネルギー耐量を得ることができる。
に、請求項1の発明は、酸化亜鉛を主成分とした円盤状
または環状の焼結体が設けられ、この焼結体の側面に絶
縁層が設けられ、焼結体の上下面に一対の電極が設けら
れた非直線抵抗体において、非直線抵抗体の端部に切欠
き部が形成されたことを特徴とする。このような請求項
1の非直線抵抗体では、非直線抵抗体の端部に切欠き部
を形成したことにより、焼結体端部と電極端部とが同一
線上に配置される構造となり、非直線抵抗体が放電エネ
ルギーを吸収した際に、電極端部を起点とする破壊が起
こり難くなる。したがって、非直線抵抗体は高い放電エ
ネルギー耐量を得ることができる。
【0009】請求項2の発明では、請求項1記載の非直
線抵抗体において、切欠き部が0.1mmから1mmの
範囲の面取り加工しろを有する面取り部から構成された
ことを特徴とする。また、請求項3の発明では、請求項
1または2記載の非直線抵抗体において、切欠き部が、
30°から60°の範囲の面取り角度を有する面取り部
から構成されたことを特徴とする。さらに、請求項4の
発明では、請求項1記載の非直線抵抗体において、切欠
き部が0.15mmから1.5mmの範囲の丸み取り加
工の半径を有する丸み取り部から構成されたことを特徴
としている。これら請求項2、3または4記載の非直線
抵抗体では、切欠き部の形状を規定することにより、電
極端部を起点とする破壊をいっそう起こり難くすること
ができ、放電エネルギー耐量の向上に寄与することがで
きる。
線抵抗体において、切欠き部が0.1mmから1mmの
範囲の面取り加工しろを有する面取り部から構成された
ことを特徴とする。また、請求項3の発明では、請求項
1または2記載の非直線抵抗体において、切欠き部が、
30°から60°の範囲の面取り角度を有する面取り部
から構成されたことを特徴とする。さらに、請求項4の
発明では、請求項1記載の非直線抵抗体において、切欠
き部が0.15mmから1.5mmの範囲の丸み取り加
工の半径を有する丸み取り部から構成されたことを特徴
としている。これら請求項2、3または4記載の非直線
抵抗体では、切欠き部の形状を規定することにより、電
極端部を起点とする破壊をいっそう起こり難くすること
ができ、放電エネルギー耐量の向上に寄与することがで
きる。
【0010】請求項5の発明は、請求項1、2、3また
は4記載の非直線抵抗体において、電極の厚さが5μm
から500μmの範囲であることを特徴とする。また、
請求項6の発明は、請求項1、2、3、4または5記載
の非直線抵抗体において、電極の材料の主成分がアル
ミ、銅、亜鉛、ニッケル、銀または錫であることを特徴
とする。このような請求項5または6記載の非直線抵抗
体では、電極の厚さまたは電極材料の主成分を限定した
ことにより、焼結体と電極との密着力を強めることがで
き、高い放電エネルギー耐量を得ることが可能となる。
は4記載の非直線抵抗体において、電極の厚さが5μm
から500μmの範囲であることを特徴とする。また、
請求項6の発明は、請求項1、2、3、4または5記載
の非直線抵抗体において、電極の材料の主成分がアル
ミ、銅、亜鉛、ニッケル、銀または錫であることを特徴
とする。このような請求項5または6記載の非直線抵抗
体では、電極の厚さまたは電極材料の主成分を限定した
ことにより、焼結体と電極との密着力を強めることがで
き、高い放電エネルギー耐量を得ることが可能となる。
【0011】請求項7の発明は、請求項1、2、3、
4、5または6記載の非直線抵抗体において、絶縁層の
厚さが10μmから1mmの範囲であることを特徴とす
る。また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、
5、6または7記載の非直線抵抗体において、絶縁層の
主成分がアルミ、ケイ素、ジルコニウム、鉄あるいはチ
タンの酸化物であることを特徴としている。このような
請求項7または8記載の非直線抵抗体では、絶縁層の厚
さまたは絶縁層の材料を限定したことにより、非直線抵
抗体が放電エネルギーを吸収した際の、電極端部を起点
とする破壊が起こり難くなり、高い放電エネルギー耐量
を獲得することができる。
4、5または6記載の非直線抵抗体において、絶縁層の
厚さが10μmから1mmの範囲であることを特徴とす
る。また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、
5、6または7記載の非直線抵抗体において、絶縁層の
主成分がアルミ、ケイ素、ジルコニウム、鉄あるいはチ
タンの酸化物であることを特徴としている。このような
請求項7または8記載の非直線抵抗体では、絶縁層の厚
さまたは絶縁層の材料を限定したことにより、非直線抵
抗体が放電エネルギーを吸収した際の、電極端部を起点
とする破壊が起こり難くなり、高い放電エネルギー耐量
を獲得することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】(1)第1の実施の形態…図1〜
図8参照 以下、請求項4を除く請求項1〜8の発明を含む第1の
実施の形態について、図1〜図8を参照して具体的に説
明する。第1の実施の形態の特徴を述べる前にまず、非
直線抵抗体の製造工程について説明する。
図8参照 以下、請求項4を除く請求項1〜8の発明を含む第1の
実施の形態について、図1〜図8を参照して具体的に説
明する。第1の実施の形態の特徴を述べる前にまず、非
直線抵抗体の製造工程について説明する。
【0013】[非直線抵抗体の製造工程]最初に、酸化
亜鉛(ZnO)を主成分として焼結体の原料を作る。す
なわち、二酸化マンガン(MnO2 )、酸化コバルトム
(Co2 O3 )をそれぞれ0.5mol%、酸化ビスマ
ス(Bi2 O3 )、酸化アンチモン(Sb2 O3 )、酸
化ニッケル(NiO)をそれぞれ1mol%添加する。
次いで、この原料を水と有機分散剤、バインダー類と共
に混合装置に入れて混合し、この混合物をスプレードラ
イヤーで噴霧造粒する。これら造粒粉を金型に入れ加圧
し、ここでは直径100mm、厚さ30mmの円板に成
形して成形体を作る。そして、この成形体を1200℃
で焼成することにより焼結体を作製する。
亜鉛(ZnO)を主成分として焼結体の原料を作る。す
なわち、二酸化マンガン(MnO2 )、酸化コバルトム
(Co2 O3 )をそれぞれ0.5mol%、酸化ビスマ
ス(Bi2 O3 )、酸化アンチモン(Sb2 O3 )、酸
化ニッケル(NiO)をそれぞれ1mol%添加する。
次いで、この原料を水と有機分散剤、バインダー類と共
に混合装置に入れて混合し、この混合物をスプレードラ
イヤーで噴霧造粒する。これら造粒粉を金型に入れ加圧
し、ここでは直径100mm、厚さ30mmの円板に成
形して成形体を作る。そして、この成形体を1200℃
で焼成することにより焼結体を作製する。
【0014】ここで、拡大断面図である図1を参照して
説明する。図1中の符号1が焼結体であり、この焼結体
1の側面に、例えば酸化アルミを主成分とした絶縁材料
を塗布し、400℃の温度で焼き付けて、膜厚100μ
mの絶縁層2を形成する。さらに、絶縁層2を設けた焼
結体1の上下面を研磨し、その後、例えばアルミなどの
金属材料を研磨面に溶射することによって、膜厚100
μm程度の電極3を焼結体1の上下面に形成し、非直線
抵抗体を作製している。
説明する。図1中の符号1が焼結体であり、この焼結体
1の側面に、例えば酸化アルミを主成分とした絶縁材料
を塗布し、400℃の温度で焼き付けて、膜厚100μ
mの絶縁層2を形成する。さらに、絶縁層2を設けた焼
結体1の上下面を研磨し、その後、例えばアルミなどの
金属材料を研磨面に溶射することによって、膜厚100
μm程度の電極3を焼結体1の上下面に形成し、非直線
抵抗体を作製している。
【0015】[構成]第1の実施の形態の構成上の特徴
は次の点にある。すなわち、電極3の形成工程が行われ
た後、図1に示した所定の面取り加工しろ4、面取り角
度5にて、面取り加工が行われ、非直線抵抗体の端部に
面取り部6が形成されている。このとき、非直線抵抗体
の焼結体1端部と電極3端部とが一直線上に配置され
る。また、面取り加工しろ4は0.1mmから1mmの
範囲、面取り角度5は30°から60°の範囲に設定さ
れている。
は次の点にある。すなわち、電極3の形成工程が行われ
た後、図1に示した所定の面取り加工しろ4、面取り角
度5にて、面取り加工が行われ、非直線抵抗体の端部に
面取り部6が形成されている。このとき、非直線抵抗体
の焼結体1端部と電極3端部とが一直線上に配置され
る。また、面取り加工しろ4は0.1mmから1mmの
範囲、面取り角度5は30°から60°の範囲に設定さ
れている。
【0016】さらに、第1の実施の形態では、請求項
5、6、7及び8に対応して、電極3及び絶縁層2には
次のような特徴がある。まず、電極3は厚さが5μmか
ら500μmの範囲であり、その材料の主成分がアル
ミ、銅、亜鉛、ニッケル、銀または錫である。また、絶
縁層2は厚さが10μmから1mmの範囲であり、その
主成分がアルミ、ケイ素、ジルコニウム、鉄あるいはチ
タンの酸化物である。
5、6、7及び8に対応して、電極3及び絶縁層2には
次のような特徴がある。まず、電極3は厚さが5μmか
ら500μmの範囲であり、その材料の主成分がアル
ミ、銅、亜鉛、ニッケル、銀または錫である。また、絶
縁層2は厚さが10μmから1mmの範囲であり、その
主成分がアルミ、ケイ素、ジルコニウム、鉄あるいはチ
タンの酸化物である。
【0017】[放電エネルギー耐量試験]以上のような
第1の実施の形態に対して放電エネルギー耐量試験を実
施する。なお、第1の実施の形態の試験結果と比較する
ために、(a)面取り加工の有無、(b)面取り加工し
ろ、(c)面取り角度、(d)電極の厚さ、(e)電極
の主成分、(f)絶縁層の厚さ、(g)絶縁層の主成分
を変化させた複数種類の非直線抵抗体を作製し、これに
ついても同様の試験を実施した。なお、試験は種類ごと
にそれぞれ10セット行った。
第1の実施の形態に対して放電エネルギー耐量試験を実
施する。なお、第1の実施の形態の試験結果と比較する
ために、(a)面取り加工の有無、(b)面取り加工し
ろ、(c)面取り角度、(d)電極の厚さ、(e)電極
の主成分、(f)絶縁層の厚さ、(g)絶縁層の主成分
を変化させた複数種類の非直線抵抗体を作製し、これに
ついても同様の試験を実施した。なお、試験は種類ごと
にそれぞれ10セット行った。
【0018】放電エネルギー耐量試験とは具体的には次
のように行う。まず、同一条件で作製した同種類の非直
線抵抗体を3枚積層して一つの試料とする。そして、各
試料に対して2msの矩形波放電エネルギーを200J
/ccから20J/cc毎に、徐々に放電エネルギー量
を増加させながら、5分間隔で印加してゆき、3枚の非
直線抵抗体のうち、1枚でも電気的に破壊するまで印加
を続ける。このときの破壊するまでに吸収した最大値の
放電エネルギー量を放電エネルギー耐量(J/cc)と
する。
のように行う。まず、同一条件で作製した同種類の非直
線抵抗体を3枚積層して一つの試料とする。そして、各
試料に対して2msの矩形波放電エネルギーを200J
/ccから20J/cc毎に、徐々に放電エネルギー量
を増加させながら、5分間隔で印加してゆき、3枚の非
直線抵抗体のうち、1枚でも電気的に破壊するまで印加
を続ける。このときの破壊するまでに吸収した最大値の
放電エネルギー量を放電エネルギー耐量(J/cc)と
する。
【0019】[作用効果]続いて、第1の実施の形態の
作用効果について、上述した(a)〜(g)の観点から
行った放電エネルギー耐量試験の結果に基づいて説明す
る。
作用効果について、上述した(a)〜(g)の観点から
行った放電エネルギー耐量試験の結果に基づいて説明す
る。
【0020】(a)面取り加工の有無 図2は端部形状を変化させた非直線抵抗体の放電エネル
ギー耐量試験の結果を示している。図3において、は
面取り加工を施していない非直線抵抗体、は面取り部
6を形成した第1の実施の形態をそれぞれ示している。
ここで、面取り加工しろは0.5mm、面取り角度は4
5°とする。
ギー耐量試験の結果を示している。図3において、は
面取り加工を施していない非直線抵抗体、は面取り部
6を形成した第1の実施の形態をそれぞれ示している。
ここで、面取り加工しろは0.5mm、面取り角度は4
5°とする。
【0021】図2から明らかなように、面取り加工を施
していないの非直線抵抗体では、優れた放電エネルギ
ー耐量を得ることが難しい。これは放電エネルギー吸収
時に電極3の端部を起点とする破壊が起こり易いためで
ある。これに対して、面取り加工を施したの第1の実
施の形態では、500J/cc以上という顕著に優れた
放電エネルギー耐量を示している。これは、非直線抵抗
体の焼結体1端部と電極3端部とが一直線上に配置され
る構造となっているため、電極3の端部を起点とする破
壊が起こり難いからである。
していないの非直線抵抗体では、優れた放電エネルギ
ー耐量を得ることが難しい。これは放電エネルギー吸収
時に電極3の端部を起点とする破壊が起こり易いためで
ある。これに対して、面取り加工を施したの第1の実
施の形態では、500J/cc以上という顕著に優れた
放電エネルギー耐量を示している。これは、非直線抵抗
体の焼結体1端部と電極3端部とが一直線上に配置され
る構造となっているため、電極3の端部を起点とする破
壊が起こり難いからである。
【0022】(b)面取り加工しろ 図3は面取り加工しろを0.05mmから2mmに変化
させた複数種類の非直線抵抗体の放電エネルギー耐量試
験の結果を示すグラフである。ここで、面取り加工時の
面取り角度は45°とした。図3において、面取り加工
しろを0.1mmから1mmとした非直線抵抗体が第1
の実施の形態に相当する。
させた複数種類の非直線抵抗体の放電エネルギー耐量試
験の結果を示すグラフである。ここで、面取り加工時の
面取り角度は45°とした。図3において、面取り加工
しろを0.1mmから1mmとした非直線抵抗体が第1
の実施の形態に相当する。
【0023】図3に示すように、面取り加工しろが0.
1mm未満の非直線抵抗体は、電極3端部が側面に形成
された絶縁層2上に位置することになる。そのため、放
電エネルギー吸収時に電極3の端部を起点とする破壊が
起こり易くなり、優れた放電エネルギー耐量の非直線抵
抗体が得られない。また、面取り加工しろが1mmより
大きい場合には、放電エネルギー吸収時に電極端部にお
いて、非直線抵抗体内部の電流分布が不均一になる。そ
のため、電極2の端部を起点とする破壊が起こり易くな
り、やはり優れた放電エネルギー耐量の非直線抵抗体が
得られない。
1mm未満の非直線抵抗体は、電極3端部が側面に形成
された絶縁層2上に位置することになる。そのため、放
電エネルギー吸収時に電極3の端部を起点とする破壊が
起こり易くなり、優れた放電エネルギー耐量の非直線抵
抗体が得られない。また、面取り加工しろが1mmより
大きい場合には、放電エネルギー吸収時に電極端部にお
いて、非直線抵抗体内部の電流分布が不均一になる。そ
のため、電極2の端部を起点とする破壊が起こり易くな
り、やはり優れた放電エネルギー耐量の非直線抵抗体が
得られない。
【0024】これに対して、面取り加工しろを0.1m
mから1mmに規定した第1の実施の形態では、電極3
の端部を起点とする破壊が起こり難くなり、平均して5
00J/cc以上という顕著に優れた放電エネルギー耐
量を獲得することができる。なお、45°以外の面取り
角度の面取り加工を施した非直線抵抗体においても、面
取り加工しろを0.1mmから1mmに限定することに
より、顕著に優れた放電エネルギー耐量を持つ非直線抵
抗体が得られることは確認済みである。
mから1mmに規定した第1の実施の形態では、電極3
の端部を起点とする破壊が起こり難くなり、平均して5
00J/cc以上という顕著に優れた放電エネルギー耐
量を獲得することができる。なお、45°以外の面取り
角度の面取り加工を施した非直線抵抗体においても、面
取り加工しろを0.1mmから1mmに限定することに
より、顕著に優れた放電エネルギー耐量を持つ非直線抵
抗体が得られることは確認済みである。
【0025】(c)面取り角度 図4は面取り角度を15°から75°に変化させた複数
種類の非直線抵抗体の放電エネルギー耐量試験の結果を
表している。ここで、面取り加工時の面取り加工しろは
0.5mmとした。図4において、面取り角度を30°
から60°とした非直線抵抗体が第1の実施の形態に当
たる。
種類の非直線抵抗体の放電エネルギー耐量試験の結果を
表している。ここで、面取り加工時の面取り加工しろは
0.5mmとした。図4において、面取り角度を30°
から60°とした非直線抵抗体が第1の実施の形態に当
たる。
【0026】図4から明らかなように、面取り加工を施
すときの面取り角度が30°未満、または60°以上で
ある非直線抵抗体は、電極3の端部を起点とする破壊が
起こり易く、優れた放電エネルギーの非直線抵抗体が得
られていない。これに対して、面取り角度を30°から
60°に限定した第1の実施の形態では、電極3の端部
を起点とする破壊が起こり難くなり、ほぼ500J/c
c以上という顕著に優れた放電エネルギー耐量を持つ非
直線抵抗体が得られている。なお、0.5mm以外の面
取り加工しろの面取り加工を施した非直線抵抗体におい
ても、面取り角度を30°から60°に限定することに
より、顕著に優れた放電エネルギー耐量を持つ非直線抵
抗体が得られることは確認済みである。
すときの面取り角度が30°未満、または60°以上で
ある非直線抵抗体は、電極3の端部を起点とする破壊が
起こり易く、優れた放電エネルギーの非直線抵抗体が得
られていない。これに対して、面取り角度を30°から
60°に限定した第1の実施の形態では、電極3の端部
を起点とする破壊が起こり難くなり、ほぼ500J/c
c以上という顕著に優れた放電エネルギー耐量を持つ非
直線抵抗体が得られている。なお、0.5mm以外の面
取り加工しろの面取り加工を施した非直線抵抗体におい
ても、面取り角度を30°から60°に限定することに
より、顕著に優れた放電エネルギー耐量を持つ非直線抵
抗体が得られることは確認済みである。
【0027】(d)電極の厚さ 図5は電極3の厚さを3μmから1mmに変化させた複
数種類の非直線抵抗体の放電エネルギー耐量試験の結果
を示す。これらの非直線抵抗体は面取り加工しろ0.5
mm、面取り角度45°の面取り加工を施した非直線抵
抗体である。また、これらの非直線抵抗体の電極3は溶
射あるいは無電解メッキなどの方法により焼結体1に形
成されている。図5において、電極3の厚さを5μmか
ら500μmに限定した非直線抵抗体を第1の実施の形
態とする。
数種類の非直線抵抗体の放電エネルギー耐量試験の結果
を示す。これらの非直線抵抗体は面取り加工しろ0.5
mm、面取り角度45°の面取り加工を施した非直線抵
抗体である。また、これらの非直線抵抗体の電極3は溶
射あるいは無電解メッキなどの方法により焼結体1に形
成されている。図5において、電極3の厚さを5μmか
ら500μmに限定した非直線抵抗体を第1の実施の形
態とする。
【0028】図5に示すように、電極3の厚さが5μm
以下、または500μmより厚い非直線抵抗体では、面
取り加工時に焼結体1と電極3の界面で剥離が起こり、
電極3の端部を起点とする破壊が起こり易い。そのた
め、優れた放電エネルギー耐量の非直線抵抗体が得られ
ない。これに対して、非直線抵抗体の電極厚さを5μm
から500μmに限定した第1の実施の形態では、非直
線抵抗体の放電エネルギー吸収時に電極3の端部を起点
とする破壊が起こり難くなり、平均して500J/cc
以上という顕著に優れた放電エネルギー耐量が得ること
ができる。
以下、または500μmより厚い非直線抵抗体では、面
取り加工時に焼結体1と電極3の界面で剥離が起こり、
電極3の端部を起点とする破壊が起こり易い。そのた
め、優れた放電エネルギー耐量の非直線抵抗体が得られ
ない。これに対して、非直線抵抗体の電極厚さを5μm
から500μmに限定した第1の実施の形態では、非直
線抵抗体の放電エネルギー吸収時に電極3の端部を起点
とする破壊が起こり難くなり、平均して500J/cc
以上という顕著に優れた放電エネルギー耐量が得ること
ができる。
【0029】(e)電極の主成分 図6は電極3の主成分を種々変化させた複数種類の非直
線抵抗体の放電エネルギー耐量試験の結果を示すグラフ
である。図6において、はアルミ、は銅、は亜
鉛、はニッケル、は銀、は錫、は鉄を電極3の
主成分とした非直線抵抗体をそれぞれ示している。これ
らの非直線抵抗体は面取り加工しろ0.5mm、面取り
角度45°の面取り加工を施した非直線抵抗体である。
図6において、〜の非直線抵抗体が第1の実施の形
態に相当する。
線抵抗体の放電エネルギー耐量試験の結果を示すグラフ
である。図6において、はアルミ、は銅、は亜
鉛、はニッケル、は銀、は錫、は鉄を電極3の
主成分とした非直線抵抗体をそれぞれ示している。これ
らの非直線抵抗体は面取り加工しろ0.5mm、面取り
角度45°の面取り加工を施した非直線抵抗体である。
図6において、〜の非直線抵抗体が第1の実施の形
態に相当する。
【0030】図6に示すように、電極3の主成分を鉄と
するの非直線抵抗体では、焼結体1と電極3との密着
力が低く、面取り加工時に焼結体1と電極3の界面で剥
離が起こる可能性が高くなる。そのため、電極3の端部
を起点とする破壊が起こり易く、優れた放電エネルギー
耐量の非直線抵抗体が得られない。これに対して、電極
3の主成分をアルミ、銅、亜鉛、ニッケル、銀、錫に限
定した第1の実施の形態では、500J/cc以上とい
う顕著に優れた放電エネルギー耐量を持つことができ
る。これは、非直線抵抗体の放電エネルギー吸収時に、
電極3の端部を起点とする破壊が起こり難いからであ
る。
するの非直線抵抗体では、焼結体1と電極3との密着
力が低く、面取り加工時に焼結体1と電極3の界面で剥
離が起こる可能性が高くなる。そのため、電極3の端部
を起点とする破壊が起こり易く、優れた放電エネルギー
耐量の非直線抵抗体が得られない。これに対して、電極
3の主成分をアルミ、銅、亜鉛、ニッケル、銀、錫に限
定した第1の実施の形態では、500J/cc以上とい
う顕著に優れた放電エネルギー耐量を持つことができ
る。これは、非直線抵抗体の放電エネルギー吸収時に、
電極3の端部を起点とする破壊が起こり難いからであ
る。
【0031】(f)絶縁層の厚さ 図7は絶縁層2の厚さを3μmから5mmに変化させた
複数種類の非直線抵抗体の放電エネルギー耐量試験の結
果である。これらの非直線抵抗体は面取り加工しろ0.
5mm、面取り角度45°の面取り加工を施している。
図7において、非直線抵抗体の絶縁層2の厚さを10μ
mから1mmに限定した非直線抵抗体が第1の実施の形
態に相当する。
複数種類の非直線抵抗体の放電エネルギー耐量試験の結
果である。これらの非直線抵抗体は面取り加工しろ0.
5mm、面取り角度45°の面取り加工を施している。
図7において、非直線抵抗体の絶縁層2の厚さを10μ
mから1mmに限定した非直線抵抗体が第1の実施の形
態に相当する。
【0032】図7から明らかなように、絶縁層2の厚さ
が10μm以下、または1mmより厚い非直線抵抗体で
は、面取り加工時に焼結体1と絶縁層2の界面で剥離が
起こり易い。そのため、非直線抵抗体の沿面の絶縁耐力
が低くなり、優れた放電エネルギー耐量が得られない。
これに対して、絶縁層2の厚さを10μmから1mmに
限定した第1の実施の形態では、十分な沿面絶縁耐力を
確保できるため、500J/cc以上といった顕著に優
れた放電エネルギー耐量を持つことができる。
が10μm以下、または1mmより厚い非直線抵抗体で
は、面取り加工時に焼結体1と絶縁層2の界面で剥離が
起こり易い。そのため、非直線抵抗体の沿面の絶縁耐力
が低くなり、優れた放電エネルギー耐量が得られない。
これに対して、絶縁層2の厚さを10μmから1mmに
限定した第1の実施の形態では、十分な沿面絶縁耐力を
確保できるため、500J/cc以上といった顕著に優
れた放電エネルギー耐量を持つことができる。
【0033】(g)絶縁層の主成分 図8は絶縁層2の主成分を種々変化させた複数種類の非
直線抵抗体の放電エネルギー耐量試験の結果を示すグラ
フである。図8において、Aは酸化アルミ、Bは酸化ケ
イ素、Cは酸化ジルコニウム、Dは酸化鉄、Eは酸化チ
タン、Fは酸化マグネシウムを絶縁層2の主成分とした
非直線抵抗体をそれぞれ示している。これらの非直線抵
抗体は面取り加工しろ0.5mm、面取り角度45°の
面取り加工を施している。図8において、絶縁層2の主
成分をアルミ、ケイ素、ジルコニウム、鉄及びチタンの
酸化物に限定したA〜Eの非直線抵抗体が第1の実施の
形態に対応する。
直線抵抗体の放電エネルギー耐量試験の結果を示すグラ
フである。図8において、Aは酸化アルミ、Bは酸化ケ
イ素、Cは酸化ジルコニウム、Dは酸化鉄、Eは酸化チ
タン、Fは酸化マグネシウムを絶縁層2の主成分とした
非直線抵抗体をそれぞれ示している。これらの非直線抵
抗体は面取り加工しろ0.5mm、面取り角度45°の
面取り加工を施している。図8において、絶縁層2の主
成分をアルミ、ケイ素、ジルコニウム、鉄及びチタンの
酸化物に限定したA〜Eの非直線抵抗体が第1の実施の
形態に対応する。
【0034】図8に示すように、絶縁層2の主成分がマ
グネシウムの酸化物である非直線抵抗体は、非直線抵抗
体の沿面の絶縁耐力が低くなるため、優れた放電エネル
ギー耐量が得られていない。これに対して、絶縁層2の
主成分をアルミ、ケイ素、ジルコニウム、鉄あるいはチ
タンの酸化物に限定した第1の実施の形態では、非直線
抵抗体の沿面の絶縁耐力が十分であるため、500J/
cc以上という顕著に優れた放電エネルギー耐量を得る
ことができる。
グネシウムの酸化物である非直線抵抗体は、非直線抵抗
体の沿面の絶縁耐力が低くなるため、優れた放電エネル
ギー耐量が得られていない。これに対して、絶縁層2の
主成分をアルミ、ケイ素、ジルコニウム、鉄あるいはチ
タンの酸化物に限定した第1の実施の形態では、非直線
抵抗体の沿面の絶縁耐力が十分であるため、500J/
cc以上という顕著に優れた放電エネルギー耐量を得る
ことができる。
【0035】(2)第2の実施の形態…図9〜図11参
照 次に、請求項1及び4に対応した第2の実施の形態につ
いて、図9〜図11を参照して具体的に説明する。な
お、非直線抵抗体の製造工程に関しては、上記第1の実
施の形態と同様である。
照 次に、請求項1及び4に対応した第2の実施の形態につ
いて、図9〜図11を参照して具体的に説明する。な
お、非直線抵抗体の製造工程に関しては、上記第1の実
施の形態と同様である。
【0036】[構成]図9に示すように,第2の実施の
形態では上記第1の実施の形態における面取り部6に代
えて、丸み加工半径7を有する丸み取り加工を行い、非
直線抵抗体の端部に丸み取り部8を形成することを特徴
としている。このとき、非直線抵抗体の焼結体1端部と
電極3端部とが同一の曲線上に配置される。また、丸み
加工半径7は0.15mmから1.5mmの範囲に設定
されている。
形態では上記第1の実施の形態における面取り部6に代
えて、丸み加工半径7を有する丸み取り加工を行い、非
直線抵抗体の端部に丸み取り部8を形成することを特徴
としている。このとき、非直線抵抗体の焼結体1端部と
電極3端部とが同一の曲線上に配置される。また、丸み
加工半径7は0.15mmから1.5mmの範囲に設定
されている。
【0037】[作用効果]以上のような第2の実施の形
態に対して上述した放電エネルギー耐量試験を実施し、
その作用効果について説明する。なお、第2の実施の形
態の試験結果と比較するために、(h)丸み取り加工の
有無、(i)丸み取り加工の半径を変化させた複数種類
の非直線抵抗体を作製し、これについても同様の試験を
実施した。
態に対して上述した放電エネルギー耐量試験を実施し、
その作用効果について説明する。なお、第2の実施の形
態の試験結果と比較するために、(h)丸み取り加工の
有無、(i)丸み取り加工の半径を変化させた複数種類
の非直線抵抗体を作製し、これについても同様の試験を
実施した。
【0038】(h)丸み取り加工の有無 図10は端部形状を変化させた非直線抵抗体の放電エネ
ルギー耐量試験の結果を示すグラフである。図10にお
いて、αは丸み取り加工を施していない非直線抵抗体、
βは丸み取り部8を形成した第2の実施の形態をそれぞ
れ示している。ここで、丸み取り加工の半径は0.5m
mとする。
ルギー耐量試験の結果を示すグラフである。図10にお
いて、αは丸み取り加工を施していない非直線抵抗体、
βは丸み取り部8を形成した第2の実施の形態をそれぞ
れ示している。ここで、丸み取り加工の半径は0.5m
mとする。
【0039】図10に示すように、丸み取り加工を施し
ていない場合は放電エネルギー吸収時に電極の端部が起
点となる破壊が起こり易く、優れた放電エネルギー耐量
を持つ非直線抵抗体が得られていない。これに対して、
丸み取り加工を施した第2の実施の形態においては、丸
み取り部8を形成したことにより、非直線抵抗体の焼結
体1端部と電極3端部とが同一の曲線上に配置される構
造となる。そのため、電極3の端部を起点とする破壊が
起こり難くなり、500J/cc以上という顕著に優れ
た放電エネルギー耐量を持つことができる。
ていない場合は放電エネルギー吸収時に電極の端部が起
点となる破壊が起こり易く、優れた放電エネルギー耐量
を持つ非直線抵抗体が得られていない。これに対して、
丸み取り加工を施した第2の実施の形態においては、丸
み取り部8を形成したことにより、非直線抵抗体の焼結
体1端部と電極3端部とが同一の曲線上に配置される構
造となる。そのため、電極3の端部を起点とする破壊が
起こり難くなり、500J/cc以上という顕著に優れ
た放電エネルギー耐量を持つことができる。
【0040】(i)丸み取り加工の半径 図11は丸み取り加工の半径を0.1mmから3mmに
変化させた複数種類の非直線抵抗体の放電エネルギー耐
量試験結果を示すグラフである。図11において、非直
線抵抗体に丸み取り加工を施すときの丸み取り加工半径
7を0.15mmから1.5mmに限定した非直線抵抗
体が第2の実施の形態に相当する。
変化させた複数種類の非直線抵抗体の放電エネルギー耐
量試験結果を示すグラフである。図11において、非直
線抵抗体に丸み取り加工を施すときの丸み取り加工半径
7を0.15mmから1.5mmに限定した非直線抵抗
体が第2の実施の形態に相当する。
【0041】図11から明らかなように、丸み取り加工
を施すときの丸み取り加工半径7が0.15mm未満、
または1.5mmより大きい非直線抵抗体は、電極3の
端部を起点とする破壊が起こり易く、優れた放電エネル
ギー耐量の非直線抵抗体が得られていない。これに対し
て、丸み取り加工半径7を0.15mmから1.5mm
に限定した第2の実施の形態では、ほぼ500J/cc
以上という顕著に優れた放電エネルギー耐量を持つ非直
線抵抗体が得られている。これは丸み取り加工半径7を
限定したことにより、電極3の端部を起点とする破壊が
いっそう起こり難くなったためである。
を施すときの丸み取り加工半径7が0.15mm未満、
または1.5mmより大きい非直線抵抗体は、電極3の
端部を起点とする破壊が起こり易く、優れた放電エネル
ギー耐量の非直線抵抗体が得られていない。これに対し
て、丸み取り加工半径7を0.15mmから1.5mm
に限定した第2の実施の形態では、ほぼ500J/cc
以上という顕著に優れた放電エネルギー耐量を持つ非直
線抵抗体が得られている。これは丸み取り加工半径7を
限定したことにより、電極3の端部を起点とする破壊が
いっそう起こり難くなったためである。
【0042】(3)他の実施の形態 なお、本発明は以上の実施の形態に限定されるものでは
なく、例えば、厚さが5μmから500μmで主成分が
アルミ、銅、亜鉛、ニッケル、銀または錫である電極
3、あるいは厚さが10μmから1mmで主成分がアル
ミ、ケイ素、ジルコニウム、鉄あるいはチタンの酸化物
である絶縁層2を備えた非直線抵抗体であれば、端部に
形成される切欠き部の形状に関係なく、顕著に優れた放
電エネルギー耐量を持つ非直線抵抗体が得られることは
確認されている。
なく、例えば、厚さが5μmから500μmで主成分が
アルミ、銅、亜鉛、ニッケル、銀または錫である電極
3、あるいは厚さが10μmから1mmで主成分がアル
ミ、ケイ素、ジルコニウム、鉄あるいはチタンの酸化物
である絶縁層2を備えた非直線抵抗体であれば、端部に
形成される切欠き部の形状に関係なく、顕著に優れた放
電エネルギー耐量を持つ非直線抵抗体が得られることは
確認されている。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明の非直線抵抗体に
よれば、非直線抵抗体の端部に切欠き部を形成するとい
った極めて簡単な構成により、焼結体端部と電極端部と
が同一線上に配置される構造となり、非直線抵抗体が放
電エネルギーを吸収した際、電極端部を起点とする破壊
が起こり難くなり、優れた放電エネルギー耐量を持つこ
とができた。
よれば、非直線抵抗体の端部に切欠き部を形成するとい
った極めて簡単な構成により、焼結体端部と電極端部と
が同一線上に配置される構造となり、非直線抵抗体が放
電エネルギーを吸収した際、電極端部を起点とする破壊
が起こり難くなり、優れた放電エネルギー耐量を持つこ
とができた。
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る非直線抵抗体
端部の断面図
端部の断面図
【図2】非直線抵抗体の端部形状と放電エネルギー耐量
の関係を示すグラフ
の関係を示すグラフ
【図3】非直線抵抗体端部の面取り加工しろと放電エネ
ルギー耐量の関係を示すグラフ
ルギー耐量の関係を示すグラフ
【図4】非直線抵抗体端部の面取り角度と放電エネルギ
ー耐量の関係を示すグラフ
ー耐量の関係を示すグラフ
【図5】非直線抵抗体の電極厚さと放電エネルギー耐量
の関係を示すグラフ
の関係を示すグラフ
【図6】非直線抵抗体の電極の主成分と放電エネルギー
耐量の関係を示すグラフ
耐量の関係を示すグラフ
【図7】非直線抵抗体の絶縁層の厚さと放電エネルギー
耐量の関係を示すグラフ
耐量の関係を示すグラフ
【図8】非直線抵抗体の電極層の主成分と放電エネルギ
ー耐量の関係を示すグラフ
ー耐量の関係を示すグラフ
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る非直線抵抗体
端部の断面図
端部の断面図
【図10】非直線抵抗体の端部形状と放電エネルギー耐
量の関係を示すグラフ
量の関係を示すグラフ
【図11】非直線抵抗体端部の丸み取り加工半径と放電
エネルギー耐量の関係を示すグラフ
エネルギー耐量の関係を示すグラフ
1…焼結体 2…絶縁層 3…電極 4…面取り加工しろ 5…面取り角度 6…面取り部 7…丸み加工半径 8…丸み取り部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 洋典 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 新藤 尊彦 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 西脇 進 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 Fターム(参考) 5E034 EA07 EA08 EB05
Claims (8)
- 【請求項1】 酸化亜鉛を主成分とした円盤状または環
状の焼結体が設けられ、この焼結体の側面に絶縁層が設
けられ、焼結体の上下面に一対の電極が設けられた非直
線抵抗体において、 前記非直線抵抗体の端部に切欠き部が形成されたことを
特徴とする非直線抵抗体。 - 【請求項2】 前記切欠き部が、0.1mmから1mm
の範囲の面取り加工しろを有する面取り部から構成され
たことを特徴とする請求項1記載の非直線抵抗体。 - 【請求項3】 前記切欠き部が、30°から60°の範
囲の面取り角度を有する面取り部から構成されたことを
特徴とする請求項1または2記載の非直線抵抗体。 - 【請求項4】 前記切欠き部が、0.15mmから1.
5mmの範囲の丸み取り加工の半径を有する丸み取り部
から構成されたことを特徴とする請求項1記載の非直線
抵抗体。 - 【請求項5】 前記電極の厚さが5μmから500μm
の範囲であることを特徴とする請求項1、2、3または
4記載の非直線抵抗体。 - 【請求項6】 前記電極の材料の主成分がアルミ、銅、
亜鉛、ニッケル、銀または錫であることを特徴とする請
求項1、2、3、4または5記載の非直線抵抗体。 - 【請求項7】 前記絶縁層の厚さが10μmから1mm
の範囲であることを特徴とする請求項1、2、3、4、
5または6記載の非直線抵抗体。 - 【請求項8】 前記絶縁層の主成分がアルミ、ケイ素、
ジルコニウム、鉄あるいはチタンの酸化物であることを
特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載
の非直線抵抗体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10354577A JP2000182807A (ja) | 1998-12-14 | 1998-12-14 | 非直線抵抗体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10354577A JP2000182807A (ja) | 1998-12-14 | 1998-12-14 | 非直線抵抗体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000182807A true JP2000182807A (ja) | 2000-06-30 |
Family
ID=18438499
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10354577A Pending JP2000182807A (ja) | 1998-12-14 | 1998-12-14 | 非直線抵抗体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000182807A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0955644A2 (de) * | 1998-05-06 | 1999-11-10 | Abb Research Ltd. | Verfahren zum Herstellen eines Varistors auf Basis eines Metalloxids und ein nach diesem Verfahren hergestellter Varistor |
-
1998
- 1998-12-14 JP JP10354577A patent/JP2000182807A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0955644A2 (de) * | 1998-05-06 | 1999-11-10 | Abb Research Ltd. | Verfahren zum Herstellen eines Varistors auf Basis eines Metalloxids und ein nach diesem Verfahren hergestellter Varistor |
EP0955644A3 (de) * | 1998-05-06 | 2003-12-17 | Abb Research Ltd. | Verfahren zum Herstellen eines Varistors auf Basis eines Metalloxids und ein nach diesem Verfahren hergestellter Varistor |
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