JP2000180422A - 薄板重ね合わせシーム溶接部の検査方法及びその装置 - Google Patents

薄板重ね合わせシーム溶接部の検査方法及びその装置

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JP2000180422A JP10354335A JP35433598A JP2000180422A JP 2000180422 A JP2000180422 A JP 2000180422A JP 10354335 A JP10354335 A JP 10354335A JP 35433598 A JP35433598 A JP 35433598A JP 2000180422 A JP2000180422 A JP 2000180422A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶接部の溶融状態の有無をオンラインで検査で
き、かつ溶接部の良・不良を定性的でなく定量的に評価
し、判定にバラツキがない方法で、また溶接部位の外形
状や鋼種による結晶粒径の成長度合いに依存せず、重ね
合わせ部の完全な剥離から数ミクロン以下のブローホー
ル・ミクロポロシティの欠陥を検出でき、かつ溶融部の
大きさが検出できる、超音波探傷方法を提供する。 【解決手段】周波数が30MHz以上の超音波を、薄板
重ね合わせシーム溶接部20の溶接幅方向のみ集束さ
せ、かつ溶接部肉厚中央部に焦点がくるように伝播させ
て、その被検査体内部の反射エコーのA−スコープ像を
得ると同時に、当該超音波15をビード幅方向に全幅ス
キャンして、B−スコープ像を合成することにより、当
該溶接部の断層像を得、この断層像に基づいて溶接部の
溶融部の割合を判定することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重ね合わせ抵抗溶
接部の溶接状態を超音波を用いて非破壊検査する薄板重
ね合わせシーム溶接部の検査方法及びその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】シーム溶接、スポット溶接等の溶接部の
検査方法として、オフライン検査とオンライン検査とが
挙げられるが、そのうち、前者オフライン検査では、溶
接部およびその溶接部周辺部の一部を切り取ってサンプ
ルを取り出し、当該サンプルに対して次のような検査を
実施している。
【0003】具体的には、サンプルの溶接部分を油圧装
置で押し破り、その破れ方から良否を判定するエリクセ
ンテスト、メタルフロー写真や金属組織写真などから要
否を判定する顕微鏡テスト、引張強度の試験により良否
を判定する引張試験、さらに曲げ強度の試験により良否
を判定する曲げ強度試験などが挙げられ、これらは何れ
もサンプルを固定した状態で試験するため、微細な欠陥
の状態を検査できる。しかし、オフラインの検査方法
は、事後評価であることから迅速な対応ができないこ
と、また溶接部箇所毎に溶接品質が変化するが、その状
況を適切に把握できない問題がある。
【0004】そこで、以上のような問題点を改善するた
めには、オンラインによる検査方法が最適であるといえ
る。従来、かかるオンライン検査方法は、溶接部の目視
検査、ハンマリングテスト、溶接時の溶接電流チャート
の確認、超音波探傷試験などにより行われている。
【0005】しかしながら、以上のようなオンライン検
査方法のうち、溶接部の目視検査による場合には次のよ
うな問題がある。それは、溶接内部の品質を判定するの
が非常に難しいこと、その検査員の経験、熟練度によっ
て判定結果に相当のバラツキが出ることである。
【0006】一方、ハンマリングテストでは、その振動
信号などから溶接部の状況を判定するが、正確性に欠け
るばかりでなく、その判定の後に目視による確認を行う
必要があり、同様に微細な欠陥を発見できない可能性が
ある。さらに、溶接電流チャートの場合には、溶接部の
明瞭な変化を認識できるものの、微小な欠陥の違いを発
見できない問題がある。
【0007】このような事情から、超音波探傷試験によ
るオンライン検査方法が提案された。その一例として、
特開平6−87081号公報に開示された方法がある。
この方法は、図10(a),(b),(c)に示すよう
に、溶接直後に超音波探触子を溶接幅及び溶接長手方向
に移動させながら超音波深傷し、溶接部位の反射率を求
め、その検出した超音波反射率が予め設定した基準値を
超えるか又は、超えないかで、溶接状態の良否を判定す
るものである。なお、図10(a),(b),(c)に
おいて、1は台車、2はローラ、3はガイド、4はシリ
ンダ、5はシーム溶接用電極輪、6は加圧シリンダ、7
は溶接トランス、8は二次導体、10は超音波探傷用探
触子、Sは金属板、Pはパイプである。
【0008】ここで、検出すべき欠陥について述べる
と、薄板重ね合わせシーム溶接部の溶接不良は、重ね合
わせ部の完全な剥離から大きさ数μm以下のブローホー
ル・ミクロポロシティと多様な状態となって現れるもの
である。さらにそれらは薄板の連続処理プロセスなどの
過酷な条件下においては、どんな溶接不良も破断に至る
おそれがあるため検出すべきものである。しかし、上記
超音波検査方法の欠陥判定は、溶接部位の一点における
反射率を用いているので、もし使用する超音波が10M
Hz以下程度の低い周波数であれば完全な剥離は検出で
きるものの、数十ミクロン以下の欠陥は検出できないこ
とになる。また使用する超音波が30MHz以上の高い
周波数であれば、大きさ数十ミクロン以下の欠陥からの
反射エコーはあるものの、溶接部表面の形状変化による
被検査体への伝達損失の差が原因となり判定基準が設け
られない場合があったり、鋼種によっては熱影響部の結
晶粒が成長しそれが超音波を散乱させて妨害エコーとな
り欠陥エコーを分離できなかったりするため数十ミクロ
ン以下の欠陥まで検出することは難しい。さらに、一般
にこの種の溶接は重ね合わせ部の中央のみが溶融し両端
は圧接状態になっているため、結晶粒からの妨害エコー
も少なく、たとえ高い周波数で探傷できたとしても、欠
陥判定基準値も設けられたとしても、ビード幅方向で反
射率変化があり、溶融部が形成されていても重ね合わせ
部の両端付近で欠陥と判定してしまう可能性があり、誤
判定のおそれもある。従って、この方法では低い周波数
を用いた探傷で溶接部の完全な剥離を検出することは可
能であるが、数十ミクロン以下の欠陥まで検出すること
は難しい。
【0009】従って以上のような理由から、現在はオン
ラインにて溶接内部の品質を含む溶接部の検査には目視
による定性的判定によるのが主流になっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みてなされたもので、溶接部の溶融状態の有無をオン
ラインで検査でき、かつ溶接部の良・不良を定性的でな
く定量的に評価し、判定にバラツキがない方法で、また
溶接部位の外形状や鋼種による結晶粒径の成長度合いに
依存せず、重ね合わせ部の完全な剥離から数ミクロン以
下のブローホール・ミクロポロシティの欠陥を検出で
き、かつ溶融部の大きさが検出できる、超音波探傷を用
いて非破壊検査する薄板重ね合わせシーム溶接部の検査
方法及びその装置を提案することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、薄板重ね合わせ
シーム溶接部の溶接欠陥を超音波探傷する方法及びその
装置において、30MHz以上の超音波を溶接幅方向の
みに集束させてAスコープ像を得ると同時に、Bスコー
プ像を合成し、溶接部断層像を得て溶接部の溶け込み比
率を算出し、欠陥を検査するようにして、溶接部の溶融
状態の有無をオンラインで検査でき、かつ溶接部の良・
不良を定性的でなく定量的に評価し、判定にバラツキが
ない方法で、また溶接部位の外形状や鋼種による結晶粒
径の成長度合いに依存せず、重ね合わせ部の完全な剥離
から数ミクロン以下のブローホール・ミクロポロシティ
の欠陥を検出でき、かつ溶融部の大きさが検出できる、
超音波探傷を用いて非破壊検査する薄板重ね合わせシー
ム溶接部の検査方法及びその装置を見出し、本発明を完
成させた。
【0012】本発明は以下(1)〜(5)に示すとおり
である。
【0013】本発明の方法(1)は、周波数が30MH
z以上の超音波を、薄板重ね合わせシーム溶接部の溶接
幅方向のみ集束させ、かつ溶接部肉厚中央部に焦点がく
るように伝播させて、その被検査体内部の反射エコーの
A−スコープ像を得ると同時に、当該超音波をビード幅
方向に全幅スキャンして、B−スコープ像を合成するこ
とにより、当該溶接部の断層像を得、この断層像に基づ
いて溶接部の溶融部の割合を判定することを特徴とす
る、薄板重ね合わせシーム溶接部の検査方法である。
【0014】すなわち、薄板重ね合わせ溶接部で有害と
なる大きさ数〜数十ミクロンのブローホール・ミクロポ
ロシティ等の欠陥を検出するために、超音波の周波数は
30MHz以上の高い周波数でなければならない。しか
し、周波数を高くすると結晶粒からの散乱エコーも検出
され、検出すべき欠陥が大きさが結晶粒径程度になる
と、探傷波形の上、即ちA−スコープ上では欠陥エコー
は結晶粒からの散乱エコーとほとんど区別がつかない状
態になる。だが、個々の結晶粒は溶接部内で全くランダ
ムに存在しているのに対し、溶接不良によって発生した
ブローホール等の欠陥は2枚の薄板を重ね合わせた界面
にのみ発生するため溶接の長手方向に均一な深さで存在
しているため(金太郎飴のような状態)、超音波ビーム
を溶接ビード幅方向にのみ集束させた(溶接長手方向に
は平行なビーム)ラインフォーカス型の探触子で探傷す
ることにより、前者のエコーは個々の位相が異なるため
干渉し検出される信号が減り、後者のエコーは位相が揃
うので強めあった信号が検出できる。よって、欠陥の大
きさが結晶粒径程度でも、探傷波形の上、即ちA−スコ
ープ上で欠陥エコーが結晶粒からの散乱エコーより強く
検出できるようになる。この発明によれば、この条件で
ビード幅方向に探触子をスキャンし、それぞれの位置で
のA−スコープ像を輝度分布にして画像化(B−スコー
プ化)することにより、溶接部内部の断層像を得ること
ができる。この断層像からは、溶接部の表面と裏面から
のエコー内に重ね合わせ界面エコーがあれば線となって
観測できる。また、溶融していれば線となったエコーが
観測できないので溶融部の存在を確認できる。
【0015】本発明の方法(2)は、前記溶接部の断層
像から薄板を重ね合わせた界面付近のエコーを抽出し、
その長さと溶接幅の割合から重ね合わせ部位中の溶融部
の割合である溶接部の溶け込み比率を算出し、その比率
から当該溶接部の良・否を判定することを特徴とする、
上記方法(1)に記載の薄板重ね合わせシーム溶接部の
検査方法である。
【0016】すなわち、上記方法(1)に示した検査方
法によって得られる溶接部の超音波断層像は、重ね合わ
せ溶接部における溶融部分とそうでない部分を断面検鏡
写真のように画像化したものであり、これから溶接の良
否を決定するには人による判断が必要である。これを自
動化するために、溶接部の強度と密接な関係の溶融部の
大きさで評価することが相応しい。実際には、2枚の薄
鋼板の重ね合わせ幅は板厚に依存するものなので、溶融
部の大きさ、即ち溶融部のビード幅方向の長さをビード
幅で割った割合を溶け込み比率として評価量とするのが
最適である。また、溶融部のビード幅方向の長さは、溶
接部の断層像から観測される重ね合わせ部界面付近のエ
コーが無い部分をその長さとする。
【0017】本発明の方法(3)は、溶接部の検査方法
が、被検査体の表面と裏面との両方から行い、得られた
2つの断層像を向きをあわせて合成することを特徴とす
る、上記方法(1)に記載の薄板重ね合わせシーム溶接
部の検査方法である。
【0018】すなわち、上記方法(1)の検査方法にお
いて、探傷に使用する超音波は30MHz以上の高い周
波数であるが、そのパルス幅は約30nsであり、鋼板
を0.2mm伝搬する時間に相当する。実際、被検査体
の表面からのエコーが帰ってくる時間においては、検査
体内からの反射エコーは検出することができず、表面近
傍に不感体ができてしまう。そのため、板厚が0.5m
m以下ぐらいの薄板を重ね合わせた溶接部を探傷する
と、肉厚の約半分が不感体となってしまう。それによる
断層像の近距離分解能の悪さを改善するには、反対側
(被検査体の裏面)から同様の探傷を行い、2つの断層
像の合成を行えばよい。従って、この方法(3)に示す
方法で表面から裏面まで不感体のない断層像が得られ
る。
【0019】本発明の方法(4)は、B−スコープ像の
合成が、被検査体の表面エコーを基準に行うことを特徴
とする、上記方法(1)に記載の薄板重ね合わせシーム
溶接部の検査方法である。
【0020】すなわち、上記方法(1)で検査を行う場
合、使用する超音波の周波数が高いので探触子と被検査
体の接触媒質には減衰の少ない水を使うのが最も都合が
よい。しかし、鋼材中の音速は、水中のそれの約4倍で
あるため、被検査体の表面に凹凸があった場合に、断層
像に現れる凹凸による変化は約4倍になる。このため、
像が乱れてしまい、溶接の良否の判断が容易ではなくな
る。それを防ぐため、表面エコーを基準に画像を構成す
ると若干実際の外形状と異なるが見やすい断層画像が得
られる。
【0021】(5)本発明の装置は、発振周波数帯域が
30MHz以上の広帯域超音波探触子を有する超音波探
傷装置と、この超音波探傷装置からの探傷信号を探触子
のスキャンと同時にB−スコープ像を画像化するB−ス
コープ装置と、B−スコープ像から薄板を重ね合わせた
界面付近のエコーを抽出する装置と、その長さと溶接幅
の割合から溶接部の溶け込み比率を算出する装置と、そ
の比率から当該溶接部の良・否を判定する良否判定装置
とを具備することを特徴とする薄板重ね合わせシーム溶
接部の検査装置である。
【0022】すなわち、上記方法(1)の検査方法で簿
板重ね合わせ溶接部のB−スコープ像を得て、それを見
やすいように上記方法(4)で表面エコー基準の断層像
にし、上記方法(2)で溶接部の良否を判定する装置に
よって、オンラインで定量的な自動判定のできる装置が
実現する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、薄板重ね合わせシーム溶接
部を本発明によって検査する方法を例にとって実施の形
態を説明する。
【0024】(第1実施形態)図1は、本発明の請求項
1(第1実施形態)の検査方法を示す概略図である。図
中11はラインフォーカス型探触子を示し、この探触子
11は、30MHz以上の超音波を発生させることがで
きる広帯域のものであり、超音波探傷器16も30MH
z以上の広帯域なパルス電圧を送受信および増幅できる
ものである。ラインフォーカス型探触子11は、1軸ス
キャナー18に取り付けてあり、1軸スキャナー18は
薄板重ね合わせシーム溶接部20の幅方向にラインフォ
ーカス型探触子11をスキャンできるようになってい
る。ラインフォーカス型探触子11と被検査体13の間
は、局部的に水につかるようになっている。ラインフォ
ーカス型探触子11から送信される超音波ビーム15
は、図1のような溶接部断面が見れる方向から見ると、
被検査部位の肉厚中央でフォーカスが結ぶようになって
いる。また、溶接ビード方向にはフォーカスはされず、
図2に示すような超音波ビーム15になっている。なぜ
なら、検出すべき欠陥が溶接部結晶粒とほぼ同等の超音
波反射率であり、ポイントフォーカス型探触子で探傷す
ると両者のエコーの区別はつかないが、図2のようなラ
インフォーカスの超音波ビーム15にすると、結晶粒の
配置は全てランダムで反射波の位相が干渉してしまい結
晶粒からのエコーが低くなるからである。ちなみに、2
枚の薄板の重ね合わせ部は溶接ビード方向に均一な深さ
であることから、図2のようなラインフォーカスビーム
で探傷すると反射エコーの位相がそろうため、ポイント
フォーカスより強いエコーが探触子に帰ってくる。な
お、図2において、12は振動子であり、13は被検査
体であり、20は重ね合わせシーム溶接部である。
【0025】図3(A−1)の位置で、探傷を行ったと
きのA−スコープ像は、重ね合わせ部からのエコーが検
出できて図3(A−2)のようになる。図3(A−2)
において、Sエコーが被検査体表面からのエコーであ
り、Bエコーが被検査体底面からのエコーであり、Fエ
コーが被検査体内の重ね合わせ部からの反射エコーであ
る。
【0026】被検査体にナゲット(溶融部)がある場
合、図3(B−1)の位置で、探傷を行ったときのA−
スコープ像は、図3(B−2)のようになる。溶融部
は、一度鉄が溶けてから固まっていることから重ね合わ
せ部の界面はなくなっており反射エコーはない。なお、
図3(A−1)、(B−1)において、11はラインフ
ォーカス型探触子であり、15は超音波ビームであり、
20は、重ね合わせシーム溶接部である。
【0027】超音波探傷器11で得られるA−スコープ
波形をB−スコープ装置17に転送し、また、1軸スキ
ャナー18は、ラインフォーカス型探触子11を溶接部
の一端からもう一端にスキャンしながら、それに連動し
て各位置での座標をB−スコープ装置17に送信する
と、B−スコープ装置17は、それぞれの位置でA−ス
コープを輝度像に変換し、B−スコープ像(断層像)を
描いていく。
【0028】図4は、請求項1の検査方法である被検査
体を検査した際のB−スコープ像である。ただし、見や
すくするため、肉厚方向に2倍に拡大してある。
【0029】(第2実施形態)次に請求項2に示す検査
方法の実施の形態(第2実施形態)を示す。
【0030】図5は、薄板重ね合わせシーム溶接部の断
面を示したものである。図5において重ね合わせ界面1
9は、図4のB−スコープ像で溶接内部の線として検出
される部位であり、ナゲット14は、線が途中で消える
部位である。今、図5に示すように重ね合わせの面の全
長をWとし、ナゲット14の重ね合わせ面方向の長さを
Xとすると、溶け込み比率は、X÷Wで定義できる。溶
け込み比率は溶接部の引張強度と関係があり、図6は、
低炭素鋼の溶け込み比率と溶接部の引張強度の関係であ
る。引張強度が、どれくらいで溶接欠陥とするかは、鋼
種やその生産ラインで異なるが、一般に母材部の引張強
度に近い強度があれば、ライン内破断は起きない。この
実施の形態では、低炭素鋼の母材部破断の起きる500
N/cm 2 を溶接の良・不良の境とし、溶け込み比率5
0%以上を溶接合格、それ未満を溶接不合格とした。
【0031】(第3実施形態)図7は請求項3の検査方
法の実施の形態(第3実施形態)を示す概略図である。
図4からもわかるように、表面直下の0.2〜0.3m
mは、Sエコーに重なってしまい、不感体となってい
る、そのため図7のように被検査体の上面と下面にライ
ンフォーカス型探触子11を配置し、両者を順次、請求
項1の方法で検査し、得られる2つのB−スコープ像を
両者とも肉厚中央から切断し、両者の底面側を付け合わ
せることで、不感体のないB−スコープ像を得ることが
できる。なお、図7において、15は超音波ビームであ
り、20は重ね合わせシーム溶接部である。
【0032】(第4実施形態)図8は請求項4の検査方
法(第4実施形態)で得られるB−スコープ像である。
図4のB−スコープ像の溶接部右側を見ると、重ね合わ
せ部の先端と母材部(重ね合わせて無い部分)の段差
が、実際の約4倍になっている。これは、鋼板の音速が
接触媒質である水の音速の約4倍あるからであり、B−
スコープ像が非常にわかりずらいものになっている。こ
れをSエコーを基準にB−スコープ像を合成すると、図
8のようになり断層像が見やすくなる。
【0033】(第5実施形態)図9は請求項5の検査装
置の実施の形態(第5実施形態)を示す概略図である。
【0034】図9において13は被検査体であり、20
は重ね合わせシーム溶接部であり、19は重ね合わせ界
面、14はナゲット、11はラインフォーカス型探触
子、18は1軸スキャナーであり、16は超音波探傷器
である。B−スコープ装置17がB−スコープ像を得る
ところまでは、先述の請求項1の実施の形態(第1実施
形態)と同じである。
【0035】B−スコープ装置17は、B−スコープ画
像を界面エコー抽出装置21に転送し、界面エコー抽出
装置21は、ノイズを消すための孤立点除去処理を行
い、さらに表面エコーと底面エコーを消すことによって
界面エコーのみを残した画像をつくる。その画像は、溶
け込み比率算出装置22に送られ、溶け込み比率算出装
置22は、界面エコーの両端の距離、即ち重ね合わせ面
の全長と、界面エコーの消えている部分、すなわち溶け
込み部分の長さを測定し、溶け込み比率を算出する。溶
け込み比率は、溶接部良否判定装置23に転送されて、
溶接部良否判定装置23は、予めプリセットされた判定
基準値をもとに溶接部の良否を判定する。
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、超音波
で溶接部の断層像を取ることからオンラインで検査で
き、またその周波数は30MHz以上と高いことから重
ね合わせ部の完全な剥離から数ミクロン以下のブローホ
ール・ミクロポロシティに至る全有害欠陥を検出するこ
とができる。さらに、断層像からの判定を溶融部の比率
から行うことにより、鋼種や結晶粒径の成長の差に影響
されずに溶接部の良・不良を定性的でなく定量的に評価
し、判定にバラツキがない方法で判定できる。
【0036】その他、画像を合成する際に表面エコー基
準にすることにより溶接部の微小な外形状の変化で像を
乱すことなく合成できる。加えて、検査部位を両面から
探傷し断層像を得ることから表裏面の探傷感度の差や不
感体も少なくすることができる効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の検査方法を実施するための実施の形
態を示す概略図。
【図2】請求項1の検査で用いるラインフォーカス超音
波の様子を示した図。
【図3】(A−1)は界面エコーの検出できる部位での
探傷を示した図、(A−2)は(A−1)に示す位置で
のA−スコープ像の様子を示した図、(B−1)はナゲ
ット部(融合部)での探傷を示した図、(B−2)は
(B−1)に示す位置でのA−スコープ像の様子を示し
た図。
【図4】請求項1の検査方法で得られる薄板重ね合わせ
シーム溶接部のB−スコープ像を示す図。
【図5】請求項2の検査方法で使用する溶け込み比率を
示す概念図。
【図6】溶け込み比率と引張強度の関係を示す図。
【図7】請求項3の発明の検査方法を示す概念図。
【図8】請求項4の検査方法でとられたB−スコープ像
を示す図。
【図9】請求項5の実施の形態に係る薄板重ね合わせシ
ーム溶接部の検査装置を示す図。
【図10】(a)は従来技術の装置の概略図、(b)は
従来技術の装置において、シーム溶接用電極輪と超音波
検知手段と溶接部との配置関係を示す図、(c)は従来
技術において探触子オシレータの動作と軌跡を示す図。
【符号の説明】 1…台車、2…ローラ、3…ガイド、4…シリンダ、5
…シーム溶接用電極輪、6…加圧シリンダ、7…溶接ト
ランス、8…二次導体、10…探触子、11…ラインフ
ォーカス型探触子、12…振動子、13…被検査体、1
4…ナゲット、15…超音波ビーム、16…超音波探傷
器、17…B−スコープ装置、18…1軸スキャナー、
19…重ね合わせ界面、20…重ね合わせシーム溶接
部、21…界面エコー抽出装置、22…溶け込み比率算
出装置、23…溶接部良否判定装置、S…金属板、P…
パイプ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周波数が30MHz以上の超音波を、薄
    板重ね合わせシーム溶接部の溶接幅方向のみ集束させ、
    かつ溶接部肉厚中央部に焦点がくるように伝播させて、
    その被検査体内部の反射エコーのA−スコープ像を得る
    と同時に、当該超音波をビード幅方向に全幅スキャンし
    て、B−スコープ像を合成することにより、当該溶接部
    の断層像を得、この断層像に基づいて溶接部の溶融部の
    割合を判定することを特徴とする、薄板重ね合わせシー
    ム溶接部の検査方法。
  2. 【請求項2】 前記溶接部の断層像から薄板を重ね合わ
    せた界面付近のエコーを抽出し、その長さと溶接幅の割
    合から重ね合わせ部位中の溶融部の割合である溶接部の
    溶け込み比率を算出し、その比率から当該溶接部の良・
    否を判定することを特徴とする、請求項1に記載の薄板
    重ね合わせシーム溶接部の検査方法。
  3. 【請求項3】 溶接部の検査方法は、被検査体の表面と
    裏面との両方から行い、得られた2つの断層像を向きを
    あわせて合成することを特徴とする、請求項1に記載の
    薄板重ね合わせシーム溶接部の検査方法。
  4. 【請求項4】 B−スコープ像の合成は、被検査体の表
    面エコーを基準に行うことを特徴とする、請求項1に記
    載の薄板重ね合わせシーム溶接部の検査方法。
  5. 【請求項5】 発振周波数帯域が30MHz以上の広帯
    域超音波探触子を有する超音波探傷装置と、この超音波
    探傷装置からの探傷信号を探触子のスキャンと同時にB
    −スコープ像を画像化するB−スコープ装置と、B−ス
    コープ像から薄板を重ね合わせた界面付近のエコーを抽
    出する装置と、その長さと溶接幅の割合から溶接部の溶
    け込み比率を算出する装置と、その比率から当該溶接部
    の良・否を判定する良否判定装置とを具備することを特
    徴とする薄板重ね合わせシーム溶接部の検査装置。
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