JP2000180209A - オフセットを減少させた高精度誘導電流型絶対位置トランスデュ―サ及び絶対位置決定方法 - Google Patents

オフセットを減少させた高精度誘導電流型絶対位置トランスデュ―サ及び絶対位置決定方法

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JP2000180209A JP11357343A JP35734399A JP2000180209A JP 2000180209 A JP2000180209 A JP 2000180209A JP 11357343 A JP11357343 A JP 11357343A JP 35734399 A JP35734399 A JP 35734399A JP 2000180209 A JP2000180209 A JP 2000180209A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘導電流型絶対位置トランスデューサの出力
信号のDCオフセット成分を減少させる。 【解決手段】 測定軸212(図3)に沿って互に対し
て移動可能であるスケール202(図3)及び読取ヘッ
ド214を有し、読取ヘッド214が少なくとも1つの
磁束センサ(受信機巻線グループ224,226)を含
む。スケール202は、測定軸212に沿って延びる複
数の閉ループ結合ループ204(図3)を有する。複数
の閉ループ結合ループ204は、複数の第1のループ部
分206と複数の第2のループ部分208とを含む。複
数の第1のループ部分206は、測定軸212に沿って
第1の波長λ1の間隔で配置され、複数の第2のループ
部分208は、第1の波長とは異なる第2の波長λ2
間隔で配置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘導電流型リニア
及びロータリ絶対位置トランスデューサ及び絶対位置決
定方法に関する。特に本発明は、有用な出力信号成分の
割合、すなわち、トランスデューサ位置に関連しない出
力信号の外来(「オフセット」)成分に対する、トラン
スデューサ位置に関連する出力信号成分の割合を増加さ
せる改良された巻線構成を備えたリニア及びロータリ誘
導電流型絶対位置トランスデューサ及び該トランスデュ
ーサに適用される絶対位置決定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に誘導電流型位置トランスデュー
サは、スケール部材に対して移動可能な読取ヘッドを有
する。該位置トランスデューサは読取ヘッドを有し、1
つまたはそれ以上のトランスデューサの各々が送信機巻
線及び重なり受信機巻線を有することができる。各トラ
ンスデューサはスケール部材上にスケールを持つ。スケ
ール部材上のスケールは各々、複数の磁束変調器を含
む。重要なことは、各トランスデューサの受信機巻線
が、他の受信機巻線とは異なる波長を有することであ
る。同様に、磁束変調器が各々、測定軸に沿って測定さ
れた、対応する受信機巻線における波長の2分の1に等
しい長さを有する。
【0003】各トランスデューサは、スケール波長の4
分の1だけ離れて置かれた2つの重なり受信機巻線を使
用し、直角位相状態の出力信号を出力する。したがっ
て、受信機巻線から出力される信号は、位相が互いに9
0°ずれている。2つの受信機巻線からの信号同士の関
係から、移動方向を決定することができる。
【0004】受信機巻線の信号振幅は、スケールが測定
軸に沿って移動するとき、正弦波関数をたどる。受信機
巻線の各々が、交互に逆の巻線方向に応じたループを有
する。受信機巻線は各々、正極性の第1組のループと、
この第1組内の隣接する各ループ間にそれぞれ位置する
負極性の第2組のループとを有する。そのため、正極性
ループで誘導される起電力(EMF)が、負極性ループ
で誘導されるEMFの極性と反対の極性を有する。正極
性ループが一般に、負極性ループと同じ大きさの寸法面
積、したがって、公称で同一量の磁束を取り囲む。その
ため、正極性ループで発生するEMFの絶対量が、負極
性ループで発生するEMFと公称で同じである。
【0005】正極性ループの数もまた、負極性ループの
数と同じである。そのため、正極性ループで誘導される
正極性のEMFが、負極性ループで誘導される負極性の
EMFによって正確に相殺(オフセット)される。した
がって、受信機巻線の各々での正味公称EMFがゼロで
あり、送信機巻線から受信機巻線への直接結合の結果と
して、受信機巻線から信号が出力されないようになって
いる。
【0006】読取ヘッドがスケールに近接して置かれて
いるとき、受信機巻線によって発生された変化磁束も磁
束変調器を通過する。磁束変調器は、その変化磁束を変
調する。
【0007】図1Aは、磁束変調器が正極性ループに対
して移動するにつれて正極性ループから出力される位置
依存性出力を示す。磁束変調器が磁束減衰器(flux dis
rupter)であるとすると、最小信号振幅は、磁束減衰器
が正極性ループと正確に整合する位置に対応し、一方、
最大振幅位置は、磁束減衰器が負極性ループと整合する
位置に対応する。
【0008】図1Bは、負極性ループの各々から出力さ
れる信号を示す。図1Aに示される信号と同じように、
最小信号振幅は磁束減衰器が正極性ループと正確に整合
する位置に対応し、一方、最大信号出力は磁束減衰器が
負極性ループと正確に整合する位置に対応する。磁束減
衰器の代わりに磁束強化器(flux enhancer)を使用し
たならば、図1A及び図1Bでの信号振幅最小位置は、
磁束強化器が負極性ループと整合する位置に対応するこ
とになり、一方、信号振幅最大位置は、磁束強化器が正
極性ループと整合する位置に対応することになる。
【0009】図1Cは、重なり受信機巻線のいずれか一
方から出力される正味信号を示す。この正味信号は、正
極性ループ及び負極性ループから出力される信号の和、
すなわち図1A及び図1Bに示される信号の和に等し
い。図1Cに示される正味信号は理想的には、ゼロレベ
ルを中心に対称であるべきである。すなわち、正極性ル
ープと負極性ループとは正確にバランスされて、オフセ
ットがない対称的な出力を生成するべきである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現実の
装置においては、正味信号に、(位置非依存性の)「D
C」成分がしばしば現れる。このDC成分はオフセット
信号V0である。このオフセットV0は、信号処理を複雑
化し、有害な位置測定エラーを生じさせる外来信号成分
である。このオフセットは2つの大きな原因によって生
じる。
【0011】第1に、最大振幅の送信機磁界が受信機巻
線を通過する。上に概説したように、これは各ループで
電圧を誘導する。誘導された電圧は、ループが互いに逆
の巻線方向を有しているので、公称的には打ち消され
る。しかし、受信機巻線での誘導電圧を完全に打ち消す
には、正極性ループと負極性ループとが、完全にバラン
スされた結果となるよう完全に配置され、整形されるこ
とが要求される。送信機巻線によって受信機巻線ループ
中に直接誘導された電圧は、磁束変調器によってもたら
された誘導電圧の変調よりも格段に強いため、バランス
の誤差は重要である。実際問題として、製造誤差が完全
なバランスを常に妨げる。
【0012】第2に、磁束変調器によって生成された空
間変調磁界はまた、平均の位置非依存性オフセット成分
を示す。すなわち、送信機巻線によって生成された磁界
内の磁束変調器は全て、磁界に同極性の空間変調を生成
する。例えば、磁束減衰器が使用されるとき、送信機磁
界内の磁束減衰器が全て、同極性の2次磁界を生成する
ので、磁束変調器からの誘導された渦電流磁界がオフセ
ットを有する。同時に、磁束減衰器同士間の空間は2次
磁界を生成しない。
【0013】このように、受信機巻線の各正極性ループ
及び各負極性ループは、同極性をもつ最小値と最大値と
の間で変化する正味磁界を経験する。この作用の平均値
は、ゼロを中心にしたバランスがとれておらず、すなわ
ち、大きな公称オフセットを有する。同様に、磁束強化
器が使用されるとき、送信機巻線内の磁束強化器が全
て、同一の磁界変調を生成する一方、磁束変調器同士間
の空間では変調が行われないので、磁束強化器による磁
界変調がバイアスを有する。したがって、受信機巻線の
正極性ループ及び負極性ループの各々は、同極性をもつ
最小値と最大値との間で変化する空間変調磁界を経験す
る。この作用の平均値も大きな公称オフセットを有す
る。
【0014】等しい数の類似した正極性ループ及び負極
性ループを有する受信機巻線は、オフセット成分を除去
することに役立つ。しかし、正極性ループと負極性ルー
プとの間のバランスが不完全であると、上記説明したよ
うな、残留オフセットを生じさせる。
【0015】これらの両オフセット成分は単に、受信機
巻線の正極性ループと負極性ループとの間の対称性によ
って相殺されることが期待されるが、これは、受信機巻
線の製造精度に非常に厳しい要求を課することになる。
トランスデューサを製造した経験からは、誘導電流型位
置トランスデューサからこのエラー原因を取り除くこと
が実際上不可能であると言える。
【0016】本発明は、出力信号のDCオフセット成分
を減少させる改良された巻線構成を備えた誘導電流型絶
対位置トランスデューサ及び絶対位置決定方法を提供す
ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明によれば、第1の読取ヘッド部
材と、測定軸を有した第2のスケール部材であって、前
記第1の読取ヘッド部材及び該第2のスケール部材が互
いに相対して前記測定軸に沿って移動可能である第2の
スケール部材と、前記第1の読取ヘッド部材上の少なく
とも1つの磁界発生器であって、各々が駆動信号に応答
して第1の磁束領域に第1の変化磁束を生成する少なく
とも1つの磁界発生器と、前記第2のスケール部材上の
複数の磁束結合ループとを備え、前記複数の磁束結合ル
ープの各々が、少なくとも第1の結合ループ部分及び第
2の結合ループ部分であって、複数の前記第1の結合ル
ープ部分が第1の波長に関連した間隔で前記測定軸に沿
って配置され、複数の前記第2の結合ループ部分が第2
の波長に関連した間隔で前記測定軸に沿って配置され、
前記複数の磁束結合ループが前記複数の第1の結合ルー
プの前記第1の変化磁束に応答して前記複数の第2の結
合ループ部分の前記第1の磁束領域外に少なくとも第2
の変化磁束を生成するものと、前記第1の磁束領域外に
配置された少なくとも1つの磁束センサであって、前記
第2の変化磁束に応答して、前記少なくとも1つの磁束
センサと前記複数の磁束結合ループとの間の相対的位置
の関数であり且つ前記第2の波長で変化する出力信号を
発生するものとを有することを特徴とする誘導型絶対位
置検出装置が提供される。
【0018】また、請求項2記載の発明によれば、前記
誘導型絶対位置検出装置が第2の磁束センサを更に備え
ることを特徴とする。
【0019】また、請求項3記載の発明によれば、前記
誘導型絶対位置検出装置が、第1の接続導体と第2の接
続導体とを更に備え、前記少なくとも1つの磁界発生器
は単一の磁界発生器から成り、前記複数の磁束結合ルー
プは第3の結合ループ部分を更に備え、前記第1の接続
導体は前記第1の結合ループ部分を前記第3の結合ルー
プ部分に接続し、前記第2の接続導体は前記第2の結合
ループ部分を前記第3の結合ループ部分に接続し、前記
第1の結合ループ部分は前記測定軸に沿って前記第1の
磁束センサに誘導結合するように配置され、前記第2の
結合ループ部分は前記第2の磁束センサに誘導結合する
ように配置され、前記第3の結合ループ部分は前記磁界
発生器に誘導結合するように配置されることを特徴とす
る。
【0020】また、請求項4記載の発明によれば、前記
誘導型絶対位置検出装置が第3の磁束センサを更に備え
ることを特徴とする。
【0021】また、請求項5記載の発明によれば、前記
誘導型絶対位置検出装置が、第4の磁束センサと、第1
の部分及び第2の部分を有する第2の磁界発生器と、第
3の磁界発生器と、各々が第1の結合ループ部分及び第
2の結合ループ部分を有する第2の複数の磁束結合ルー
プと、各々が第1の結合ループ部分及び第2の結合ルー
プ部分を有する第3の複数の磁束結合ループとを更に備
え、前記第1の複数の結合ループの前記第1のループ部
分が前記第1の磁界発生器の前記第1の部分及び前記第
3の磁束センサに誘導結合するように配置され、前記第
2の複数の結合ループの前記第1のループ部分が前記第
1の磁界発生器の前記第2の部分及び前記第2の磁束セ
ンサに誘導結合するように配置され、前記第1の複数の
結合ループの前記第2のループ部分及び前記第2の複数
の結合ループが前記第2の磁界発生器及び前記第1の磁
束センサに誘導結合するように配置され、前記第1の複
数の結合ループの前記第2のループ部分が前記測定軸に
沿って前記第2の複数の結合ループの前記第2のループ
部分と交互に入れ替わり、前記第3の複数の結合ループ
の前記第1の複数の結合ループ部分が前記第3の磁界発
生器に誘導結合するように配置され、前記第4の磁束セ
ンサが前記第3の複数の結合ループの前記第2の複数の
結合ループ部分に誘導結合するように配置されることを
特徴とする。
【0022】また、請求項6記載の発明によれば、前記
誘導型絶対位置検出装置が、前記第1の結合ループ部分
と前記第2の結合ループ部分とを接続する接続導体を更
に備え、該接続導体が1つ置きに捩じられていることを
特徴とする。
【0023】また、請求項7記載の発明によれば、前記
誘導型絶対位置検出装置が、各々が第1のループ部分及
び第2のループ部分を有する第2の複数の磁束結合ルー
プを更に備えることを特徴とする。
【0024】また、請求項8記載の発明によれば、前記
誘導型絶対位置検出装置が、第2の磁界発生器と、前記
第1の複数の磁束結合ループの前記第1の結合ループ部
分と前記第2の結合ループ部分とを接続する第1の接続
導体と、前記第2の複数の磁束結合ループの前記第1の
結合ループ部分と前記第2の結合ループ部分とを接続す
る第2の接続導体とを更に備え、前記第1の磁界発生器
が前記第1の複数の磁束結合ループの前記第1の結合ル
ープ部分に誘導結合するように配置され、前記磁束セン
サが前記第1の複数の磁束結合ループの前記第2の結合
ループ部分及び前記第2の複数の磁束結合ループの前記
第2の結合ループ部分に誘導結合するように配置され、
前記第2の磁界発生器が前記第2の複数の磁束結合ルー
プの前記第1の結合ループ部分に誘導結合するように配
置されることを特徴とする。
【0025】また、請求項9記載の発明によれば、前記
第1の複数の結合ループの前記第1の結合ループ部分が
第1の受信機巻線グループ及び前記第1の磁界発生器の
第1の送信機巻線部分に誘導結合するように配置され、
前記第1及び第2の複数の結合ループの双方の前記第2
の結合ループ部分が第2の受信機巻線グループ及び前記
第2の磁界発生器に誘導結合するように配置され、前記
第2の複数の結合ループの前記第1の結合ループ部分が
第3の受信機巻線グループ及び前記第1の磁界発生器の
第2の送信機巻線部分に誘導結合するように配置される
ことを特徴とする。
【0026】また、請求項10記載の発明によれば、前
記誘導型絶対位置検出装置が、第2の磁界発生器と、第
2の磁束センサと、第3の磁束センサとを更に備え、前
記第1の磁界発生器及び前記第2の磁界発生器が各々、
第1の部分及び第2の部分を有し、前記第1の複数の磁
束結合ループの前記第1の結合ループ部分が前記第1の
磁界発生器の前記第1の部分及び前記第2の磁束センサ
に誘導結合するように配置され、前記第2の複数の磁束
結合ループの前記第1の結合ループ部分が前記第1の磁
界発生器の前記第2の部分及び前記第3の磁束センサに
誘導結合するように配置され、前記第1の複数の結合ル
ープ及び前記第2の複数の結合ループの双方の前記第2
の結合ループ部分が前記測定軸に沿って交互に差し挟ま
れるともに、前記第1の磁界発生器の前記第1の部分及
び前記第2の部分に誘導結合するように配置され、さら
に前記第1の磁束センサ及び前記第2の磁界発生器の双
方に誘導結合するように配置されることを特徴とする。
【0027】さらに、請求項11記載の発明によれば、
第1の部材と、測定軸を有した第2の部材であって、該
測定軸に沿って前記第1の部材が移動可能である第2の
部材と、少なくとも2つの磁界発生器であって、各磁界
発生器が少なくとも1つの磁束発生巻線部分から成り、
各磁界発生器が活性化可能であって駆動信号に応じて対
応する1次磁束領域に変化磁束を生成する少なくとも2
つの磁界発生器と、前記測定軸に沿って分布する少なく
とも1つの複数磁束結合ループと、少なくとも2組の磁
束センサであって、各組の磁束センサが対応する活性化
可能な2次磁束領域における前記変化磁束を検出するよ
うに配置された少なくとも2組の磁束センサとを備えた
誘導型絶対位置検出装置であって、前記複数結合ループ
の各磁束結合ループの少なくとも1つの受容器部分は少
なくとも1つの1次磁束領域内に位置可能であって、前
記少なくとも1つの1次磁束領域が活性化されていると
き、誘導電流が、前記少なくとも1つの活性化された1
次磁束領域の前記変化磁束に応じて前記少なくとも1つ
の受容器部分に生成され、且つ、各磁束結合ループの少
なくとも1つの2次磁束発生器部分は前記少なくとも1
つの活性化された1次磁束領域の外側に位置可能であっ
て、前記対応する少なくとも1つの受容器部分に発生す
る前記誘導電流が、少なくとも1つの対応する2次磁束
発生器部分を活性化して前記少なくとも1つの活性化さ
れた2次磁束発生器部分に2次変化磁束を生成し、複数
の活性化された2次磁束発生器部分が、各少なくとも1
つの活性化された2次磁束領域に、前記少なくとも1つ
の活性化された1次磁束領域から物理的に分離された空
間変調磁束を生成し、各空間変調磁束は所定の関数に従
って前記測定軸に沿って変調され、各磁束結合ループ
は、前記測定軸を横切る方向に互いに離れた少なくとも
第1及び第2の部分を有し、前記少なくとも2つの磁束
発生器及び前記少なくとも2組の磁束センサは前記第1
及び第2の部材の一方上に配置され、前記少なくとも1
つの複数磁束結合ループは前記第1及び第2の部材の他
方上に配置され、各組の磁束センサは前記検出された磁
束に基づき少なくとも1つの出力信号を生成し、各出力
信号は、前記第1の部材と第2の部材の前記測定軸に沿
った相対位置と、前記組の磁束センサと組み合った前記
活性化された2次磁束領域に存在する前記空間変調磁束
のパターンとのうちの少なくとも1つの関数であり、前
記第1の部材と前記第2の部材の如何なる相対位置にお
いても、前記誘導型絶対位置検出装置は、第1の磁束発
生器と、対応する受容器部分として動作する前記少なく
とも1つの複数磁束結合ループの少なくとも下位複数の
磁束結合ループの少なくとも前記第1の部分と、前記対
応する活性化された2次磁束発生器部分として動作する
前記少なくとも1つの複数磁束結合ループの前記下位複
数の磁束結合ループの少なくとも前記第2の部分と、少
なくとも対応する第1の出力信号を生成する少なくとも
第1の組の磁束センサとを活性化することにより、少な
くとも前記第1の組の磁束センサで少なくとも第1の出
力信号を生成可能であり、且つ前記誘導型絶対位置検出
装置は、第2の磁束発生器と、前記対応する受容器部分
として動作する前記少なくとも1つの複数磁束結合ルー
プの前記下位複数の磁束結合ループの少なくとも前記第
2の部分と、前記対応する活性化された2次磁束発生器
部分として動作する前記少なくとも1つの複数磁束結合
ループの前記下位複数の磁束結合ループの少なくとも前
記第1の部分と、少なくとも対応する第2の出力信号を
生成する少なくとも第2の組の磁束センサとを活性化す
ることによって、少なくとも前記第2の組の磁束センサ
で少なくとも前記第2の出力信号を生成可能であり、少
なくとも前記第1及び第2の出力信号間の関係を、前記
第1の部材と前記第2の部材の前記測定軸に沿った各相
対位置毎に特有のものとすることを特徴とする誘導型絶
対位置検出装置が提供される。
【0028】請求項18記載の発明によれば、第1の部
材と、前記第1の部材上に位置し、各々、少なくとも第
1の巻線から成る少なくとも2つの磁界発生器と、測定
軸を有した第2の部材であって、前記第1の部材が該第
2の部材に隣接して配置され、前記第1の部材と前記第
2の部材とが前記測定軸に沿って相対的に移動可能であ
り、前記第2の部材が1組の領域から成り、各領域は1
つの磁界発生器巻線に対応し、全領域が前記測定軸に沿
って延びるとともに前記測定軸を横切る方向に間隔を置
いて配置される第2の部材と、前記第1の部材上に位置
する少なくとも第1の複数磁束結合ループであって、各
結合ループは少なくとも第1の結合ループ部分と第2の
結合ループ部分とを有する少なくとも第1の複数磁束結
合ループと、前記第1の部材上に位置する少なくとも2
組の磁界センサとを備え、前記第1の部材が前記第2の
部材に隣接して位置するとき、各磁界発生器巻線が前記
第2の部材の前記対応する領域に隣接するように、前記
磁界発生器は前記第1の部材上に配置され、前記磁界発
生器巻線は、各々、駆動信号に応答して前記第2の部材
の前記対応する領域で変化磁束を生成し、少なくとも前
記第1の複数磁束結合ループの前記第1の結合ループ部
分は、第1の磁界発生器巻線に対応する前記第2の部材
の第1の領域に位置し、且つ前記測定軸に沿って第1の
波長に関連する間隔で配置され、少なくとも前記第1の
複数磁束結合ループの前記第2の結合ループ部分は、前
記測定軸に沿って第2の波長に関連する間隔で配置さ
れ、且つ前記測定軸を横切る方向に前記第1の領域から
離れた前記第2の部材の少なくとも1つの領域に配置さ
れ、前記第1の部材が前記第2の部材に隣接して位置す
るとき、前記少なくとも2組の磁界センサが前記第2の
部材の対応する領域にそれぞれ隣接するように、前記少
なくとも2組の磁界センサは前記第1の部材上に配置さ
れ、前記少なくとも2組の磁界センサは、各々、前記第
2の部材の前記対応する領域の変化磁束にそれぞれ応答
して検出信号を生成し、前記第1及び第2の組の磁束結
合ループの前記第1の複数結合ループ部分は、前記第1
及び第3の領域の前記変化磁束に応答して変化電流を生
成し、該変化電流は、前記第2の複数結合ループ部分を
流れて前記第2の領域に変化磁束を生成し、これによっ
て前記第2の組の磁界センサと前記第2の複数結合ルー
プ部分の相対位置の関数である出力信号を前記第2の組
の磁界センサに生成し、前記第2の組の磁界センサの前
記出力信号は前記第2の波長で変化し、前記第1及び第
2の組の磁束結合ループの前記第2の複数結合ループ部
分は、前記第2の領域の前記変化磁束に応答して変化電
流を生成し、該変化電流は、前記第1の複数結合ループ
部分を流れて前記第1及び第3の領域に変化磁束を生成
し、これによって前記第1及び第3の組の磁界センサと
前記第1の複数結合ループ部分の相対位置の関数である
出力信号を前記第1及び第3の組の磁界センサに生成
し、前記第1及び第3の組の磁界センサの前記出力信号
は前記第1の波長で変化することを特徴とする誘導型絶
対位置検出装置が提供される。
【0029】請求項24記載の発明によれば、測定軸に
沿って第1の部材の第2の部材に対する絶対位置を決定
する方法であって、第1の磁界発生器を変化電流で駆動
して前記第2の部材の第1の領域に第1の変化磁束を生
成し、前記第1の変化磁束に応じて、複数の磁束結合ル
ープであって、第1及び第2の組に分割され、該第1の
組の結合ループ部分が前記第1の領域に前記測定軸に沿
って第1の波長に対応する間隔で配置された複数の磁束
結合ループの各々の第1の結合ループ部分に誘導的に電
流を生成し、各磁束結合ループの前記第1の結合ループ
部分に生成された前記電流を、前記磁束結合ループの第
2の結合ループ部分であって、前記測定軸を横切る方向
に前記第1の結合ループ部分から延び、前記第1及び第
2の組の複数の磁束結合ループの各々の前記第2の結合
ループ部分が前記第2の部材の第2及び第3の領域にそ
れぞれ位置するとともに、第2の波長に対応する間隔で
前記測定軸に沿って配置されている前記磁束結合ループ
の第2の結合ループ部分に導き、前記第2の結合ループ
部分を前記電流で駆動して前記第2及び第3の領域の各
々に第2の変化磁束を生成し、前記第2の変化磁束に応
じて、第1の組の磁束センサ及び第2の組の磁束センサ
であって、前記第2及び第3の領域に隣接して配置され
るとともに前記測定軸に沿って延び、前記第2の波長に
対応する間隔で配置された第1の組の磁束センサ及び第
2の組の磁束センサの各々に誘導的に信号を生成し、前
記第1及び第2の組の磁束センサの各々に生成された信
号を検出し、第2の磁界発生器であって、前記第2の部
材の前記第2及び第3の領域に隣接して配置される第1
及び第2の部分を有して前記第2の部材の前記第2及び
第3の領域に第3の変化磁束を生成する第2の磁界発生
器を変化電流で駆動し、前記第3の変化磁束に応じて複
数の磁束結合ループの各々の前記第2の結合ループ部分
に誘導的に電流を生成し、各磁束結合ループの前記第2
の結合ループ部分に生成された電流を前記磁束結合ルー
プの前記第1の結合ループ部分に導き、前記第1の結合
ループ部分を前記電流で駆動して前記第1の領域に第4
の変化磁束を生成し、前記第4の変化磁束に応じて、第
3の組の磁束センサであって、前記第1の領域に隣接し
て配置されるとともに前記測定軸に沿って延び、前記第
1の波長に対応する間隔で配置された第3の組の磁束セ
ンサに誘導的に信号を生成し、前記第3の組の磁束セン
サの各々に生成された信号を検出し、前記第1、第2及
び第3の組の磁束センサの各々に生成された前記信号に
基づき、前記測定軸に沿った前記第2の部材に対する前
記第1の部材の絶対位置を決定することを特徴とする絶
対位置決定方法が提供される。
【0030】請求項25記載の発明によれば、測定軸に
沿って第1の部材の第2の部材に対する絶対位置を決定
する方法であって、第1の磁界発生器を変化電流で駆動
して前記第2の部材の第1の領域に第1の変化磁束を生
成し、前記第1の変化磁束に応じて、複数の磁束結合ル
ープであって、第1及び第2の組に分割され、該第1の
組の結合ループ部分が前記第1の領域に前記測定軸に沿
って第1の波長に対応する間隔で配置された複数の磁束
結合ループの各々の第1の結合ループ部分に誘導的に電
流を生成し、各磁束結合ループの前記第1の結合ループ
部分に生成された前記電流を、前記磁束結合ループの第
2の結合ループ部分であって、前記測定軸を横切る方向
に前記第1の結合ループ部分から延び、前記第1及び第
2の組の複数の磁束結合ループの各々の前記第2の結合
ループ部分が前記第2の部材の第2及び第3の領域にそ
れぞれ位置するとともに、第2の波長に対応する間隔で
前記測定軸に沿って配置されている前記磁束結合ループ
の第2の結合ループ部分に導き、前記第2の結合ループ
部分を前記電流で駆動して前記第2及び第3の領域の各
々に第2の変化磁束を生成し、前記第2の変化磁束に応
じて、第1の組の磁束センサ及び第2の組の磁束センサ
であって、前記第2及び第3の領域に隣接して配置され
るとともに前記測定軸に沿って延び、前記第2の波長に
対応する間隔で配置された第1の組の磁束センサ及び第
2の組の磁束センサの各々に誘導的に信号を生成し、前
記第1及び第2の組の磁束センサの各々に生成された信
号を検出し、第2の磁界発生器及び第3の磁界発生器を
変化電流で駆動して前記第2の部材の前記第2及び第3
の領域に第3の変化磁束を生成し、前記第3の変化磁束
に応じて複数の磁束結合ループの各々の前記第2の結合
ループ部分に誘導的に電流を生成し、各磁束結合ループ
の前記第2の結合ループ部分に生成された電流を前記磁
束結合ループの前記第1の結合ループ部分に導き、前記
第1の結合ループ部分を前記電流で駆動して前記第1の
領域に第4の変化磁束を生成し、前記第4の変化磁束に
応じて、第3の組の磁束センサであって、前記第1の領
域に隣接して配置されるとともに前記測定軸に沿って延
び、前記第1の波長に対応する間隔で配置された第3の
組の磁束センサに誘導的に信号を生成し、前記第3の組
の磁束センサの各々に生成された信号を検出し、前記第
1、第2及び第3の組の磁束センサの各々に生成された
前記信号に基づき、前記測定軸に沿った前記第2の部材
に対する前記第1の部材の絶対位置を決定することを特
徴とする絶対位置決定方法が提供される。
【0031】請求項26記載の発明によれば、第1の部
材と、第2の部材であって、前記第1の部材が測定軸に
沿って前記第2の部材に対して移動可能である第2の部
材と、第1の磁界発生器であって、変化電流で駆動され
ているとき、前記第2の部材の第1の領域に第1の変化
磁束を発生する第1の磁界発生器と、第1及び第2の組
の磁束センサであって、前記第2の部材の前記第1の領
域から物理的に分離された第2及び第3の領域に隣接し
て配置されるとともに前記測定軸に沿って延び、且つ、
第1の波長に対応する間隔で配置された第1及び第2の
組の磁束センサと、第1の組及び第2の組に分割された
複数の磁束結合ループであって、各磁束結合ループが第
1の結合ループ部分及び第2の結合ループ部分を有し、
前記第1の結合ループ部分は、第2の波長に対応する間
隔で前記測定軸に沿って前記第1の領域に配置され、前
記第2の結合ループ部分は、前記測定軸を横切る方向に
前記第1の結合ループ部分から延び、前記第1及び第2
の組の各々の前記第2の結合ループ部分は、前記第2の
部材の前記第2及び第3の領域にそれぞれ配置されると
ともに、前記第1の波長に対応する間隔で前記測定軸に
沿って配置される複数の磁束結合ループと、第1及び第
2の部分を有する第2の磁界発生器であって、変化電流
で駆動されているとき、前記第1及び第2の部分が前記
第2の部材の前記第2及び第3の領域に第3の変化磁束
をそれぞれ生成する第2の磁界発生器と、第3の組の磁
束センサであって、前記第1の領域に隣接して配置され
るとともに前記測定軸に沿って延び、前記第2の波長に
対応する間隔で配置された第3の組の磁束センサと、前
記第1、第2及び第3の組の磁束センサの各々に生成さ
れた信号に基づき、前記測定軸に沿った前記第2の部材
に対する前記第1の部材の絶対位置を決定する信号処理
回路とを備えた誘導型絶対位置検出装置であって、前記
第1の変化磁束に応じて前記複数の磁束結合ループの各
々の前記第1の結合ループ部分に誘導的に電流を生成
し、各磁束結合ループの前記第1の結合ループ部分に生
成された前記電流を当該磁束結合ループの前記第2の結
合ループ部分に導き、該第2の結合ループ部分を前記電
流で駆動して前記第2及び第3の領域の各々に第2の変
化磁束を生成し、前記第2の変化磁束に応じて前記第1
の組の磁束センサ及び前記第2の組の磁束センサの各々
に誘導的に信号を生成し、前記第3の変化磁束に応じて
前記複数の磁束結合ループの各々の前記第2の結合ルー
プ部分に誘導的に電流を生成し、各磁束結合ループの前
記第2の結合ループ部分に生成された前記電流を当該磁
束結合ループの前記第1の結合ループ部分に導き、該第
1の結合ループ部分を前記電流で駆動して前記第1の領
域に第4の変化磁束を生成し、前記第4の変化磁束に応
じて前記第3の組の磁束センサに誘導的に信号を生成す
ることを特徴とする誘導型絶対位置検出装置が提供され
る。
【0032】請求項27記載の発明によれば、第1の部
材と、第2の部材であって、前記第1の部材が測定軸に
沿って前記第2の部材に対して移動可能である第2の部
材と、第1の磁界発生器であって、変化電流で駆動され
ているとき、前記第2の部材の第1の領域に第1の変化
磁束を発生する第1の磁界発生器と、第1及び第2の組
の磁束センサであって、前記第2の部材の前記第1の領
域から物理的に分離された第2及び第3の領域に隣接し
て配置されるとともに前記測定軸に沿って延び、且つ、
第1の波長に対応する間隔で配置された第1及び第2の
組の磁束センサと、第1の組及び第2の組に分割された
複数の磁束結合ループであって、各磁束結合ループが第
1の結合ループ部分及び第2の結合ループ部分を有し、
前記第1の結合ループ部分は、第2の波長に対応する間
隔で前記測定軸に沿って前記第1の領域に配置され、前
記第2の結合ループ部分は、前記測定軸を横切る方向に
前記第1の結合ループ部分から延び、前記第1及び第2
の組の各々の前記第2の結合ループ部分は、前記第2の
部材の前記第2及び第3の領域にそれぞれ配置されると
ともに、前記第1の波長に対応する間隔で前記測定軸に
沿って配置される複数の磁束結合ループと、変化電流で
駆動されているとき、前記第2の部材の前記第2及び第
3の領域に第3の変化磁束をそれぞれ生成する第2及び
第3の磁界発生器と、第3の組の磁束センサであって、
前記第1の領域に隣接して配置されるとともに前記測定
軸に沿って延び、前記第2の波長に対応する間隔で配置
された第3の組の磁束センサと、前記第1、第2及び第
3の組の磁束センサの各々に生成された信号に基づき、
前記測定軸に沿った前記第2の部材に対する前記第1の
部材の絶対位置を決定する信号処理回路とを備えた誘導
型絶対位置検出装置であって、前記第1の変化磁束に応
じて前記複数の磁束結合ループの各々の前記第1の結合
ループ部分に誘導的に電流を生成し、各磁束結合ループ
の前記第1の結合ループ部分に生成された前記電流を当
該磁束結合ループの前記第2の結合ループ部分に導き、
該第2の結合ループ部分を前記電流で駆動して前記第2
及び第3の領域の各々に第2の変化磁束を生成し、前記
第2の変化磁束に応答して前記第1の組の磁束センサ及
び前記第2の組の磁束センサの各々に誘導的に電流を生
成し、前記第3の変化磁束に応じて前記複数の磁束結合
ループの各々の前記第2の結合ループ部分に誘導的に信
号を生成し、各磁束結合ループの前記第2の結合ループ
部分に生成された前記電流を当該磁束結合ループの前記
第1の結合ループ部分に導き、該第1の結合ループ部分
を前記電流で駆動して前記第1の領域に第4の変化磁束
を生成し、前記第4の変化磁束に応じて前記第3の組の
磁束センサに誘導的に信号を生成することを特徴とする
誘導型絶対位置検出装置が提供される。
【0033】本発明の改良巻線構成は、トランスデュー
サ製作精度を高くせずとも、出力信号の外来(「オフセ
ット」)成分に対する有用な出力信号成分の割合を増加
させる。さらに、巻線構成は、与えられた測定領域にお
ける単位変位量当たりの出力信号の変化度合を高める。
加えて、改良巻線構成は、絶対位置トランスデューサに
おいてオフセットを減少させた出力信号を提供する。
【0034】これは、送信機巻線と受信機巻線との間の
外来結合を最小化し無効化する巻線構成によって達成さ
れる。この巻線構成はまた、複数の巻線の空間変調と相
互作用するスケールの複数の結合巻線を通して巻線間の
位置依存結合を向上させる。
【0035】読取ヘッドは少なくとも1つの磁束センサ
を含む。さらに、読取ヘッドは、駆動信号に応答して第
1の磁束領域で第1の変化磁束を発生する少なくとも1
つの磁界発生器を含む。
【0036】スケール部材は、測定軸に沿って延びる複
数の磁束結合ループを有する。磁束結合ループは、少な
くとも第1の複数の結合ループ部分と第2の複数の結合
ループ部分とを含む。第1の複数の結合ループ部分は、
測定軸に沿って第1の波長の間隔で配置され、第2の複
数の磁束結合ループは、第1の波長とは異なる第2の波
長の間隔で測定軸に沿って配置される。磁束結合ループ
は、第1の複数の結合ループ部分及び第2の複数の結合
ループ部分のうちの一方における第1の変化磁束に応答
して、第1の磁束領域以外で、第1の複数の結合ループ
部分及び第2の複数の結合ループ部分のうちの他方にお
ける第2の変化磁束を発生する。
【0037】オフセットを減少させた誘導型絶対位置セ
ンサの読取ヘッドはまた、第1の磁束領域外に配置され
た磁束センサを含む。磁束センサは、第2の変化磁束に
応答して、磁束センサと磁束結合ループとの間の相対位
置の関数である出力信号を発生する。出力信号は、第2
の変化磁束を発生する第1の複数の結合ループ部分及び
第2の複数の結合ループ部分のうちの前記対応する他方
の第1または第2の波長で変化する。第1の波長で変化
する出力信号が第2の波長で変化する出力信号と比較さ
れ、絶対測定可能な距離の範囲を定義する粗(即ち合成
の)波長が提供される。この測定可能な距離を、横断粗
波長を連続的にカウントすることにより伸長するように
してもよい。
【0038】本発明の1つの好ましい実施の形態は、少
なくとも2つの部分を備えた磁束結合ループを有する。
この好ましい実施の形態では、該2つの部分の各々が、
2つの波長のうち対応する波長の2分の1の間隔で、測
定軸に沿ってスケール部材上に配置される。結合ループ
の第1の部分が第1の磁束領域に延びる。送信機巻線が
第1の磁束領域で第1の変化磁束を発生し、該第1の変
化磁束は磁束結合ループの第1の部分に電流を誘導す
る。該誘導された電流は、第1の磁束領域から空間的に
オフセットされた第2の磁束領域に配置された結合ルー
プの第2の部分を通過する。第2の部分の誘導電流は第
2の磁束領域で、空間変調された2次変化磁束を発生す
る。結合ループは、対応する結合ループ部分のうちの1
つ置きのものが測定軸に沿って間隔を持って配置される
際の波長で、2次磁束を空間的に変調する。第2の磁束
領域における磁束センサが2次磁束を検知して位置依存
出力信号を発生する。
【0039】第2の送信機巻線を第2の磁束領域に位置
づけてもよく、一方、対応する第2の受信機巻線が第1
の磁束領域に配置される。その場合、第2の送信機巻線
を選択的に付勢して、第2の受信機巻線が、第1のルー
プ部分のうちの1つ置きのものに測定軸に沿って間隔を
持って配置される際の波長で変化する位置依存出力信号
を発生するようにしてもよい。したがって、少なくとも
2つの異なる波長の出力が、同一磁束結合ループを使う
ことによって発生される。このように、異なる波長が絶
対位置感知システムを可能にする。また、結合ループの
同一の組が、2つの異なる波長を生成するので、高度の
空間効率が達成される。
【0040】本発明の上記及び他の特徴は、本発明に係
るオフセット減少トランスデューサの各種実施の形態に
ついての以下の詳細な説明に記載され、またそれから明
らかになる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るオフセット減
少トランスデューサの実施の形態を、図面を参照して詳
述する。
【0042】本願明細書に完全な形で引用される米国特
許第5,886,519号が誘導電流型絶対位置トラン
スデューサの全体構成を開示している。前記519号特
許はまた、本発明に係るオフセットを減少させた誘導電
流型絶対位置トランスデューサにおいて使用され得る誘
導電流型絶対位置トランスデューサ用の関連信号処理技
術を開示する。
【0043】図2は、前記519号特許の誘導電流型絶
対位置トランスデューサの動作の全体を示す。図2に示
すように、誘導電流型絶対位置トランスデューサ100
は、スケール部材132に対して移動可能である読取ヘ
ッド148を含む。スケール部材132及び読取ヘッド
148は、好ましくは、標準プリント回路基板技術を使
用してプリント回路基板の上に形成される。
【0044】誘導型絶対位置トランスデューサ100
は、平行トラックの上に配置された3つのトランスデュ
ーサ102,104及び106を含む。3つのトランス
デューサ102,104及び106の各々は送信機巻線
108,110及び112をそれぞれ含み、かつ2つの
重なった受信機巻線114及び116,118及び12
0、並びに122及び124をそれぞれ含む。トランス
デューサ102,104及び106の各々はまた、スケ
ール126,128及び130を含む。スケール12
6,128及び130は、誘導型絶対位置トランスデュ
ーサ100のスケール部材132上に形成される。スケ
ール126,128及び130の各々は複数の磁束変調
器134を含む。重要なことは、トランスデューサ10
2,104及び106の受信機巻線114及び116,
118及び120、並びに122及び124が、波長λ
1,λ2及びλ3をそれぞれ有することである。同様に、
スケール126,128及び130上の磁束変調器13
4が各々、測定軸142に沿って測定された長さ13
6,138及び140をそれぞれ有し、該長さは、対応
する波長λ1,λ2及びλ3の2分の1に等しい。
【0045】図2は、波長λ3の間隔で等間隔に配置さ
れたいくつかの垂直線と、破線で示す半波長の目印とを
示す。これらの垂直線及び破線は、波長λ1及びλ2が波
長λ 3とはいかに異なるかを確認できるように目視によ
る基準を与える。
【0046】好ましくは、波長λ1は2.54mm、波
長λ2は2.4094mm、波長λ3は2.56mmであ
る。トランスデューサ102及び106のいずれか一方
は、精密波長測定に使用することができる。波長λ
3(2.56mm)は、簡単なディジタル計算を考慮する
ので、ミリメータの測定に特に有用である。波長λ
1(2.54mm)は0.1インチである。したがって、
簡単なインチ/ミリメータ変換計算を考慮して、波長λ
1はインチ測定に用いられる。
【0047】波長λ1,λ2及びλ3は互いに差が小さい
異なった値を有する。したがって、これらの波長の対間
の空間位相差は、スケールに沿って変化し、個々の波長
λ1,λ2またはλ3のどれよりもはるかに長い空間長さ
に亘って全360°サイクルを呈する。したがって、ト
ランスデューサ102,104及び106のうちの2つ
のトランスデューサのような、異なる波長をもつ2つの
トランスデューサから得られる位置出力情報を組み合わ
ることで、長いレンジの測定に供することができる。
【0048】組み合わされた位置情報は、空間的「位相
関係」の計算に基づいた、「中波長」または「粗波長」
に亘る絶対位置情報を提供する。この「中」または
「粗」波長は360°の相対的な空間位相変化に対応
し、2つのトランスデューサの空間波長から導かれる。
この「中」または「粗」波長は、トランスデューサ10
2,104または106のいずれか1つだけによって達
成される絶対測定のレンジよりはるかに長い。
【0049】2つのトランスデューサの空間波長がだん
だんと似通ってくるにつれて、2つのトランスデューサ
からの信号を基に導かれる位相差が、だんだんと長くな
る「位相関係」波長に亘って全360°サイクルを呈す
る。これが、より大きい絶対測定レンジに対応する。
【0050】トランスデューサ102,104及び10
6の各波長間の許容可能な実際的な関係、従ってデバイ
スのトータルの絶対測定レンジは、波長/トランスデュ
ーサ3組の各々における測定精度に依存する。個々のト
ランスデューサ毎の高い測定精度は、位置をトランスデ
ューサ波長の小部分である分解能で正確に決定できるこ
とを意味する。
【0051】「内挿比」とは、波長以下の分解能又は精
度が得られる度合いを言う。すなわち、これは、位置分
解能の選択されたインクリメントに対する波長の比を指
している。この用語は、個々のトランスデューサの波長
にも、また上述した「中」または「粗」の実効波長にも
適用できる。
【0052】図2に示す誘導型絶対位置トランスデュー
サ100において、誘導型絶対位置トランスデューサ1
00は、相対位相計算のために、非常に控えめな“誤差
マージン”をもって構成されねばならない。すなわち、
最悪の条件のもとで、「中」または「粗」の相対位相計
算は、絶対システムの「次いで精密な」測定モードの特
定個別波長に対応する相対移動するトランスデューサエ
レメントの位置を特定しなければならない。さもない
と、「次いで精密な」測定モードの少なくとも1つの波
長に対応する誤差が、全体の絶対位置計算において生じ
ることになる。「波長比」は、例えば、粗/中または中
/密といった「次いで精密な」実効波長に対する、相対
的により粗い実効波長の比を意味する。
【0053】図2の誘導型絶対位置トランスデューサ1
00にとって、控えめな誤差マージンは、個々のトラン
スデューサの内挿比に比べて小さい波長比を用いること
により得られる。本願明細書において説明する本発明に
係る誘導型絶対位置トランスデューサの各種実施の形態
において用いられる波長比は僅か、中/密については1
6/1、粗/中については8/1である。これらの波長
比は、個々のトランスデューサ102,104及び10
6に期待される256/1の公称精度及び内挿比に対す
る十分な安全マージン、及びそれらの関連する精密波長
を与える。波長比は、システム設計の許容誤差や許容さ
れるコストに応じて大きくすることができる。しかしこ
れは、不正確な絶対測定読取りをもたらす誤差の発生リ
スク増大につながる。
【0054】波長λ1と波長λ3との間の位相差により、
325.12mmの実効粗波長が得られる。中波長λM
与えるために、2.56mmの波長λ3と2.409mmの
波長λ 2との差により、16×2.56mm及び17×
2.409mmに等しい40.96mmの波長が得られる。
したがって、粗/中の比は325.12/40.96、
すなわち約8である。粗/密の比は325.12/2.
54=128、または325.12/2.56=127
となる。誘導型絶対位置トランスデューサが十分な測定
レンジを持つことを確実にするためには、粗/密の比を
少なくとも100、中/密の比を少なくとも10とする
ことが好ましい。以下の定量的な説明では、本願明細書
において説明する本発明に係る誘導型絶対位置トランス
デューサの各種実施の形態において使用される密(ミリ
メータ及びインチ)、中及び粗の動作モードに対応する
設計ガイドラインを概説する。
【0055】特に、波長λ1,λ2及びλ3をそれぞれ、
λ1=2.54mm,λ2=2.4094mm,λ3=2.5
6mmとする。各トランスデューサ102,104及び1
06の空間位相位置をそれぞれ、φ1,φ2及びφ3とす
る。波長λ1と波長λ3とが密モード波長λFである。波
長λ3 がミリメータの密モード測定に用いられる。波長
λ1がインチの密モード測定に用いられる。中モード波
長λMは、下記数式により決定される。
【0056】λM=λ3*{λ2/(λ3−λ2)} したがって、中モード波長λMは40.96mmであ
る。
【0057】粗モード波長λC は、下記数式により決定
される。
【0058】λC=λ1*{λ3/(λ3−λ1)} したがって、λ1が2.54mmで、λ3が2.56mmであ
るとき、粗モード波長λ Cは325.12mmとなる。
【0059】粗波長λCにとっての位相位置はφ1−φ3
である。中波長λM3にとっての位相位置はφ2−φ3であ
る。一般的な位相位置φnの計算を以下に説明する。密
波長λ1,λ3のいずれかの位相位置は、以下のように直
角位相(quadrature)により決定される。
【0060】トランスデューサ102,104及び10
6の送信機巻線108,110及び110及び受信機巻
線114及び116,118及び120、並びに122
及び124はそれぞれ、好ましくは、先に述べたように
単一のプリント回路基板の2つの層上に形成される。
【0061】上述のように、トランスデューサ102,
104及び106はそれぞれ、2つの受信機巻線114
及び116,118及び120、並びに122及び12
4を使用する。これらをスケール波長の1/4だけ離す
ことにより、各2つの受信機巻線が直角位相関係とな
る。したがって、2つの受信機巻線から出力される各信
号は、空間的に位相が90°ずれる。2つの受信機巻線
からの各出力信号間の関係は、移動方向を決定し、密波
長内のどの波長でも明瞭な密位置測定の計算をすること
を可能にする。
【0062】図2の誘導型絶対位置トランスデューサ1
00において、受信機巻線の信号振幅は、スケール13
2が測定軸142に沿って移動するとき、正弦波関数を
たどる。リニア位置x及び位相位置φnはそれぞれ、対
応する受信機巻線に対するスケールの1ローカル波長内
で、下記数式によって得られる。
【0063】 x=tan-1(s1/s2)*(λn/360°) φn=tan-1(Sn1/Sn2) ここで、xはリニア位置、φnは空間位相位置であり、
n=1,2または3はトランスデューサ102,104
及び106にそれぞれ対応する。Sn1及びSn2は、対応
する受信機巻線からの出力信号の振幅であり、λnは、
対応する波長である。逆正接関数(tan-1)は、信号S
n1及びSn2の極性を用いて該信号に対応する波長の適切
な「直角位相」を特定するように、0°と360°との
間の角度に応答する。
【0064】加えて、各種実施の形態では、各トランス
デューサ102,104及び106における受信機巻線
の長さは、中波長λMに最も近くなる整数個の波長分で
あるべきである。好ましくは、中波長λMが、各トラン
スデューサ102,104及び106の波長の整数個に
等しくなるようにする。しかし、トランスデューサ10
2,104及び106のうち多くとも2つが、中波長λ
Mに等しい波長の整数個分を持つことになるであろう。
【0065】図3及び図4は、本発明に係るオフセット
を減少させた誘導電流型絶対位置トランスデューサ20
0の第1の実施の形態を示す。オフセットを減少させた
誘導電流型トランスデューサ200は、「絶対」と通常
呼ばれる種類の出力を生み出す。「絶対」は、トランス
デューサ200がトランスデューサの置換の範囲を越え
ては繰り返されることがない循環出力を生み出すことを
意味する。特に、図3は、トランスデューサ200の、
オフセットを減少させたスケール202の第1の実施の
形態を示している。図3に示されるように、オフセット
減少スケール202は複数の閉ループ結合ループ204
を含む。結合ループ204の各々は、結合ループ204
の他のループから電気的に絶縁されている。
【0066】複数の結合ループ204の各々は、1対の
接続導体210によって接続された第1のループ部分2
06及び第2のループ部分208を含む。第1のループ
部分206は、スケール202の1つの側縁に沿って配
置され、測定軸212に沿って整列される。第2のルー
プ部分208は、スケール202の他方の側縁に沿って
配置され、測定軸212に沿って整列される。接続導体
210は、測定軸212に概ね直角方向に延び、第1の
ループ部分206を第2のループ部分208に接続す
る。
【0067】図4に示すように、トランスデューサ20
0の読取ヘッド214は、第1の送信機巻線216及び
第2の送信機巻線218を含む。図4に示すように、第
1の送信機巻線216は読取ヘッド214の一方の側縁
に設けられる一方、第2の送信機巻線218は読取ヘッ
ド214の他方の側縁に設けられる。送信機巻線216
及び218の各々は、測定軸212に沿って延びる同じ
長さ寸法を有する。
【0068】第1の送信機巻線216の端子216A及
び216B、並びに第2の送信機巻線218の端子21
8A及び218Bは、送信機駆動信号発生器220に接
続される。送信機駆動信号発生器220は、第1の送信
機巻線216または第2の送信機巻線218のいずれか
に時間変化駆動信号を選択的に出力する。したがって、
第1の送信機巻線216または第2の送信機巻線218
に時間変化電流が流れる。
【0069】図4に示すように、送信機駆動信号発生器
220が時間変化駆動信号を出力して第1の送信機巻線
216に時計回り方向に電流を一瞬流すと、これに応答
して、第1の送信機巻線216が、第1の送信機巻線2
16の内側で図4の面に向かって下降し、第1の送信機
巻線216によって形成されたループの外側で、図4の
面から上昇する磁界を発生する。これに反応して、磁界
変化を妨げるように反時計回り方向の電流が第1のルー
プ部分206に誘導される。
【0070】したがって、第1のループ部分206の各
々に誘導された電流は、隣接する第1の送信機巻線21
6に流れる電流と反対方向に流れる。図4に示すよう
に、第2のループ部分208の隣接するもの同士は、極
性が反対のループ電流を有する。そのため、スケール2
02の第2のループ部分208を横切る測定軸に沿って
周期的に分布される反対極性の磁界部分を有した2次磁
界が生成される。この周期的な2次磁界の波長λ2は、
第2のループ部分208のうち同じ方向の電流が流れる
部分同士の間隔に等しい。
【0071】駆動信号発生器220が時間変化駆動信号
を出力して第2の送信機巻線218に時計回り方向に電
流を一瞬流すと、これに応答して、第2の送信機巻線2
18が、第2の送信機巻線218の内側で図4の面に向
かって下降し、第2の送信機巻線218によって形成さ
れたループの外側で、図4の面から上昇する第1次磁界
を発生する。これに反応して、磁界変化を妨げるように
反時計回り方向の電流が第2のループ部分208に誘導
される。
【0072】したがって、第2のループ部分208の各
々に誘導された電流は、各々が隣接する第2の送信機巻
線218に流れる電流と反対方向に流れる。スケール2
02の他方の縁にある第1のループ部分206の隣接す
るもの同士は、極性が反対のループ電流を有する。その
ため、スケールの他方の縁で周期的に分布される反対極
性の磁界部分を有した2次磁界が生成される。この周期
的な2次磁界の波長λ 1は、第1のループ部分206の
うち同じ方向の電流が流れる部分同士の間隔に等しい。
【0073】読取ヘッド214は第1の受信機巻線グル
ープ224及び第2の受信機巻線グループ226を含
む。第1の受信機巻線グループ224は第1の受信機巻
線224A及び第2の受信機巻線224Bを含む。第2
の受信機巻線グループ226は第1の受信機巻線226
A及び第2の受信機巻線226Bを含む。第1の受信機
巻線グループ224及び第2の受信機巻線グループ22
6は各々、読取ヘッド214を形成するプリント回路基
板の隣接する2つの層に形成された複数のループセグメ
ント228及び230によって形成される。
【0074】ループセグメント228及び230は給送
部232を介して連結され、受信機巻線224A,22
4B,226A,226Bの各々における互い違いとな
る正極性ループ234及び負極性ループ236を形成す
る。第1の受信機巻線グループ224は読取ヘッド21
4の第1の縁に沿って配置され、測定軸に沿って第1の
ループ部分206に誘導結合する。第2の受信機巻線グ
ループ226は読取ヘッド214の第2の縁に沿って配
置され、測定軸212に沿って第2のループ部分208
に誘導結合する。
【0075】第1のループ部分206の各々は、第1の
受信機巻線グループ224の波長λ 1の半分に等しいピ
ッチで配置される。さらに、第1のループ部分206は
各々、第2のループ部分が測定軸に沿って延びる距離に
匹敵する距離だけ測定軸212に沿って延びる。第2の
ループ部分208の各々は、第2の受信機巻線グループ
226の波長λ2の半分に等しいピッチで配置される。
さらに、第2のループ部分208は各々、波長λ2にで
きるだけ近い距離だけ、第2のループ部分208の隣接
同士間に絶縁空間240を確保できるように測定軸21
2に沿って延びる。加えて、第1及び第2のループ部分
206,208は測定軸212に直角な方向に距離d1
だけ拡大する。
【0076】図3及び図4に示すように、第2のループ
部分208は、対応する第1のループ部分206から距
離d2だけ離れ、第1及び第2の受信機巻線グループ2
24,226は互いに距離d2だけ離れている。したが
って、図4に示すように、読取ヘッド214をスケール
202に接近して置いたとき、第1の送信機巻線216
及び第1の受信機巻線グループ224は、複数の結合ル
ープ204の第1のループ部分206に誘導結合する。
同様に、第2の送信機巻線218及び第2の受信機巻線
グループ226は、複数の結合ループ204の第2のル
ープ部分208に誘導結合する。
【0077】作動時には、時間変化駆動信号が、送信機
駆動信号発生器220によって第1の送信機巻線216
または第2の送信機巻線218のいずれかに選択的に出
力される。第1の送信機巻線216を動作させた場合、
複数の結合ループ204の第1のループ部分206の各
々は、第1の送信機巻線216により生成した磁界によ
って第1の送信機巻線216に誘導結合される。これに
より、第1の送信機巻線216に流れる時計回り方向の
電流が、第1のループ部分206に流れる反時計回り方
向の電流を誘導する。
【0078】結合ループ204の第1のループ部分20
6の各々に瞬間的に流れる時計回り方向の電流は、第2
のループ部分208の1つ置きのループ部分内に、図4
の面に対して下降する磁界を生成し、そして第2のルー
プ部分208の前記1つ置きのループ部分以外のループ
部分内に、図4の面から上昇する磁界を生成する。した
がって、互い違いに、すなわち空間的に変調される正味
の磁界が、測定軸212に沿って形成される。この結合
ループ204の第2のループ部分208の空間変調磁界
は波長λ2を有する。
【0079】磁気ヘッド214がスケール202に対し
て移動するとき、第2の受信機巻線グループ226の正
極性ループ234からの正味出力が、スケール202に
沿った読取ヘッド214の位置「x」の周期的関数とな
る。同様に、磁気ヘッド214がスケール202に対し
て移動するとき、第2の受信機巻線グループ226の負
極性ループ236からの正味出力も、スケール202に
沿った読取ヘッド214の位置「x」の周期的関数とな
る。正極性ループ234及び負極性ループ236からの
EMF貢献分は位相が同じである。したがって、正極性
ループ234と負極性ループ236との結合により、図
1Cに対応する正味位置依存出力信号が発生され、外来
結合によるDCバイアスV0がオフセット減少絶対位置
トランスデューサ200において、取るに足らない程の
大きさに減少される。
【0080】時間変化駆動信号が第1の送信機巻線21
6に印加されたとき、結合ループ204の第1のループ
部分206に電流を誘導する第1の磁界が、第1の送信
機巻線216内で生成される。したがって、結合ループ
204の第1のループ部分206は第1の送信機巻線2
16に「誘導結合」される。第1のループ部分206に
誘導された電流は、結合ループ204の第2のループ部
分208をも流れる。したがって、第2のループ部分2
08は第1のループ部分206に「結合」される。第2
のループ部分208の電流は、測定軸212の方向に空
間変調された磁界を生成する。この空間変調磁界は第2
の受信機巻線グループ226によって感知される。した
がって、第2のループ部分208が第2の受信機巻線グ
ループ226に「誘導結合」される。
【0081】また、第2の受信機巻線グループ226を
横切って延び、第2の受信機巻線グループ226内に2
次電流を直接誘導する、第1の送信機巻線216の生成
した第1の磁界により、第1の送信機巻線216と第2
の受信機巻線グループ226との間に直接誘導結合が存
在する。しかし、第1の送信機巻線216と第2の受信
機巻線グループ226との間の空間的オフセットのた
め、この直接誘導結合は、第2のループ部分208と第
2の受信機巻線グループ226との間の誘導結合よりも
弱い。これは、第1の送信機巻線216からの距離が増
加するにつれて、第1の送信機巻線216によって生成
される磁界の強さが実質的に減少するので、間違いのな
いことである。したがって、直接結合によるDCバイア
スV0は空間的オフセットによって実質的に減少され
る。
【0082】時間変化駆動信号が第2の送信機巻線21
8に印加され、第1の受信器巻線グループ224が第1
のループ部分206によって生成された空間変調磁界を
感知することに使用されたとき、同様にDCバイアスV
0が減少される。
【0083】受信機信号プロセッサ242は、第2の受
信機巻線グループ226からの出力信号を受けてこれを
サンプリングし、ディジタル値に変換して制御ユニット
244へ出力する。制御ユニット244は、ディジタル
化された出力信号を処理して、波長λ2内である、読取
ヘッド214とスケール202との間の相対位置xを決
定する。
【0084】制御ユニット244が、波長λ2内の読取
ヘッド214とスケール202との間の相対位置xを決
定したあと、送信機駆動信号発生器220が第2の送信
機巻線218を選択し、時間変化駆動信号を第2の送信
機巻線218に印加する。
【0085】第2のループ部分208の各々は、第1の
送信機巻線218によって生成された磁界によって第1
の送信機巻線218に誘導結合する。したがって、第2
の送信機巻線218を流れる時計回り方向の瞬間電流
は、第2のループ部分208の各々を流れる反時計回り
方向の誘導電流を誘導する。第2のループ部分208の
各々における反時計回り方向の瞬間電流は、第1のルー
プ部分206の1つ置きのループ部分内に、図4の面に
対して下降する磁界を生成し、そして第1のループ部分
206の前記1つ置きのループ部分以外のループ部分内
に、図4の面から上昇する空間変調磁界を生成する。し
たがって、空間変調磁界が、測定軸212に沿って形成
される。この空間変調磁界は、結合ループ204の第1
のループ部分206の波長λ1を有する。
【0086】したがって、磁気ヘッド214がスケール
202に対して移動するとき、第1の受信機巻線グルー
プ224の正極性ループ234からの正味出力が、スケ
ール202に沿った読取ヘッド214の位置「x」の周
期的関数となる。同様に、磁気ヘッド214がスケール
202に対して移動するとき、第1の受信機巻線グルー
プ224の負極性ループ236からの正味出力も、スケ
ール202に沿った読取ヘッド214の位置「x」の周
期的関数となる。正極性ループ234及び負極性ループ
236からのEMF貢献分は位相が同じである。したが
って、正極性ループ234及び負極性ループ236は各
々、図1Cに対応する正味位置依存出力信号を生成し、
外来結合によるDCバイアスV0がオフセット減少絶対
位置トランスデューサ200において、取るに足らない
程の大きさに減少される。
【0087】受信機信号プロセッサ242は、第1の受
信機巻線グループ224からの出力信号を受けてこれを
サンプリングし、ディジタル値に変換して制御ユニット
244へ出力する。制御ユニット244は、ディジタル
化された出力信号を処理して、波長λ1内である読取ヘ
ッド214とスケール202との間の相対位置xを決定
する。
【0088】制御ユニット244はまた、時間変化駆動
信号を発生させるために、送信機駆動信号発生器220
に制御信号を出力する。受信機信号プロセッサ242、
送信機駆動信号発生機220及び制御ユニット244に
ついては、本願が引用する参考文献に示される信号発生
処理回路のいずれもが、これらの回路を実施するために
使用できるので、これらの回路の詳しい説明を省略す
る。
【0089】第1の送信機巻線216及び第2の送信機
巻線218のいずれかが、送信機駆動信号発生器220
によって印加される時間変化駆動信号を受けるように
し、一方、それぞれ対応する第2の受信機巻線グループ
226または第1の受信機巻線グループ224が密波長
測定を行うための出力信号を発生するようにしてもよ
い。
【0090】波長λ12は互いに接近した値を有す
る。そのため、2つの受信機巻線グループ224,22
6から出力される信号間の空間位相差は、個別の波長λ
12のいずれよりもはるかに長い空間長に亘って、全
360°サイクルを呈する。したがって、第1及び第2
の受信機巻線グループ224,226からの位置出力情
報は、長いレンジの測定のために結合して利用すること
ができる。そのような長レンジ測定を実現するための信
号処理は、先に引用した前記519特許に説明されてい
るので、当該信号処理技術の説明を省略する。
【0091】図5は、オフセットを減少させた誘導電流
型絶対位置トランスデューサ300の第2の実施の形態
を示す。絶対位置トランスデューサ300は、単一の送
信機巻線302、複数の結合ループ304、第1の受信
機巻線グループ306、及び第2の受信機巻線グループ
308を含む。複数の結合ループ304は各々、第1の
結合ループ部分310、第2の結合ループ部分312、
及び第3の結合ループ部分314を含む。第1の結合ル
ープ部分310は、接続導体316によって第2の結合
ループ部分312に接続され、第2の結合ループ部分3
12は、接続導体318によって第3の結合ループ部分
314に接続される。第1の接続導体316及び第2の
接続導体318は1つ置きに捩じられて、測定軸320
に沿って第1、第2及び第3の結合ループ部分310,
312,314の極性を空間変調する。
【0092】受信機巻線グループ306,308は各
々、第1及び第2の受信機巻線306A,306B,3
08A,308Bをそれぞれ有する。第1の結合ループ
部分310は、測定軸に沿って波長λ1の2分の1の間
隔で配置され、第3の結合ループ部分314は、測定軸
に沿って波長λ2の2分の1の間隔で配置される。
【0093】絶対位置トランスデューサ300の第2の
実施の形態は、波長λ1で変化する位置依存出力信号を
有する第1の受信機巻線グループ306と、波長λ2
変化する位置依存出力信号を有する第2の受信機巻線グ
ループ308とを同時に感知する能力を有する。時間変
化駆動信号が送信機巻線302に印加され、第1の受信
機巻線グループ306と第2の受信機巻線グループ30
8とが同時に感知され、スケールに沿った読取ヘッドの
位置を決定することができる。
【0094】第1の実施の形態と同様に、絶対位置トラ
ンスデューサ300の第2の実施の形態は、第1の受信
機巻線グループ306か第2の受信機巻線グループ30
8の一方の位置依存出力を使用して、密波長測定を行う
ようにしてもよい。
【0095】波長λ1及び波長λ2は互いに接近した値で
ある。そのため、これらの波長の空間位相差は、個別の
波長λ12のいずれよりもはるかに長い空間長に亘っ
て、全360°サイクルを呈する。したがって、第1及
び第2の受信機巻線グループ306,308からの位置
出力情報は、長いレンジの測定のために組み合わせて利
用することができる。
【0096】図6A-6Cは、絶対位置トランスデュー
サ400の第3の実施の形態を示す。絶対位置トランス
デューサ400の第3の実施の形態は絶対位置トランス
デューサ300の第2の実施の形態と類似している。た
だし、絶対位置トランスデューサ400の第3の実施の
形態は、第1の送信機巻線402及び第2の送信機巻線
404、並びに単一の受信機巻線グループ406を含
む。
【0097】絶対位置トランスデューサ400の第3の
実施の形態は、接続導体412によって第2のループ部
分414に接続された第1のループ部分410を有する
第1の複数の結合ループ408を含む。第2のループ部
分414は、測定軸416に沿って波長λ1の2分の1
の間隔で配置される。絶対位置トランスデューサ400
はまた、接続導体422によって第2のループ部分42
4に接続された第1のループ部分420を有する第2の
複数の結合ループ418を含む。第2のループ部分42
4は、測定軸416に沿って波長λ2の2分の1の間隔
で配置される。
【0098】図6Bは、分かり易くするため、第1の複
数の結合ループ408、受信機巻線グループ406、及
び第1の送信機巻線402のみを示す。同様に、図6C
は、分かり易くするため、第2の複数の結合ループ41
8、受信機巻線グループ406、及び第2の送信機巻線
404のみを示す。
【0099】作動時には、送信機駆動信号発生器(図示
せず)が、第1の送信機巻線402及び第2の送信機巻
線404のいずれか一方に選択的に時間変化駆動信号を
印加する。もし送信機駆動信号発生器が第1の送信機巻
線402に時間変化駆動信号を印加したならば、受信機
巻線グループ406が波長λ1で変化する位置依存出力
信号を感知する。同様に、もし送信機駆動信号発生器が
第2の送信機巻線404に時間変化駆動信号を印加した
ならば、受信機巻線グループ406が波長λ2で変化す
る位置依存出力信号を受信する。
【0100】絶対位置トランスデューサ400の第3の
実施の形態は、単一の受信機巻線グループを必要とする
だけのため、トランスデューサの簡略化を図れる。ただ
し、制御ユニットが、駆動すべき送信機巻線として送信
機巻線402,404のいずれかを選択しなければなら
ず、波長λ1,λ2の両方で変化する位置依存出力信号を
同時に受信することはできない。
【0101】図7は、本発明に係るオフセットを減少さ
せた絶対位置トランスデューサ500の第4の実施の形
態を示す。オフセット減少絶対位置トランスデューサ5
00は、第1の送信機巻線502及び第2の送信機巻線
504を含む。第2の送信機巻線504は第1の送信機
巻線部分506及び第2の送信機巻線部分508を含
む。オフセット減少絶対位置トランスデューサ500は
また、第1の受信機巻線グループ510、第2の受信機
巻線グループ512、及び第3の受信機巻線グループ5
14を含む。説明の簡単化のため、図7は、受信機巻線
グループ510,512,514の各々に単一の巻線の
みを示しているが、受信機巻線グループ510,51
2,514の各々は、前述の各実施の形態で示したよう
な、少なくとも2つの受信機巻線から構成される。
【0102】オフセット減少絶対位置トランスデューサ
500はまた、第1の複数の結合ループ518及び第2
の複数の結合ループ520を含む。第1の複数の結合ル
ープ518は、接続導体526で接続された第1のルー
プ部分522及び第2のループ部分524を含む。接続
導体526の組は1つ置きに「捩じられ」、これによっ
て、第1のループ部分522に流れる時計回り方向の電
流が、第2のループ部分524の1つ置きのループ部分
で反時計回り方向に流れる。よって、第2のループ部分
524の各ループ部分間で逆方向に電流が流れる。この
「捩じり」は、プリント回路基板の異なる層に結合ルー
プ518の各部分を形成し、図3及び図4に示すような
給送部を使用して結合ループ518の各層を接続するこ
とによって得ることができる。
【0103】第2の複数の結合ループ520の各々は、
接続導体532で接続された第1のループ部分528及
び第2のループ部分530を含む。接続導体532の組
は1つ置きに「捩じられ」、これによって、第1のルー
プ部分528に流れる時計回り方向の電流が、第2のル
ープ部分530の1つ置きのループ部分で反時計回り方
向に流れる。よって、第2のループ部分530の各ルー
プ部分間で逆方向に電流が流れる。この「捩じり」は、
プリント回路基板の異なる層に結合ループ520の各部
分を形成し、図3及び図4に示すような給送部を使用し
て結合ループ520の各層を接続することによって得る
ことができる。
【0104】第1の複数の結合ループ518の第1のル
ープ部分522は、測定軸516に沿って波長λ1の2
分の1の間隔で配置される。第2の複数の結合ループ5
20の第1のループ部分528は、測定軸516に沿っ
て波長λ2の2分の1の間隔で配置される。
【0105】第1の複数の結合ループ518の第2のル
ープ部分524には、測定軸516に沿って第2の複数
の結合ループ520の第2のループ部分530が差し挟
まれている。第1の複数の結合ループ518の第2のル
ープ部分524は、測定軸516に沿って波長λ3の2
分の1の間隔で配置され、そして、第2の複数の結合ル
ープ520の第2のループ部分530も、測定軸516
に沿って波長λ3の2分の1の間隔で配置され、その結
果、第1の複数の結合ループ518の第2のループ部分
524と第2の複数の結合ループ520の第2のループ
部分530とは、測定軸516に沿って波長λ3の4分
の1の間隔で配置される。
【0106】作動時には、送信機駆動信号発生器(図示
せず)が、第1の送信機巻線502及び第2の送信機巻
線504のいずれか一方に選択的に時間変化駆動信号を
印加する。送信機駆動信号発生器が第1の送信機巻線5
02に時間変化駆動信号を印加したとき、受信機信号プ
ロセッサ(図示せず)が、波長λ1で変化する第1の受
信機巻線グループ510からの位置依存出力信号、及び
波長λ2で変化する第2の受信機巻線グループ512か
らの位置依存出力信号を受信する。
【0107】第1の受信機巻線グループ510からの位
置依存出力信号は、第1の複数の結合ループ518によ
って発生され、接続導体526の組が1つ置きに捩じら
れていることで、波長λ1で空間変調される空間変調磁
界に依存する。同様に、第2の受信機巻線グループ51
2が、第2の複数の結合ループ520によって生成され
た空間変調磁界で変化し、また、接続導体532の組が
1つ置きに捩じれていることで、波長λ2で変化する位
置依存出力信号を出力する。したがって、時間変化駆動
信号が第1の送信機巻線502に印加されたとき、受信
機信号プロセッサが波長λ1及び波長λ2での位置依存出
力信号を同時に受信する。
【0108】図7に示すように、送信機駆動信号発生器
が時間変化駆動信号を第2の送信機巻線504に印加し
たとき、第1の送信機巻線部分506は、第1の複数の
結合ループ518の第1のループ部分522に時間変化
電流を誘導する。この時間変化電流は、第1の複数の結
合ループ518の第2のループ部分524に2次磁界を
生成する。同時に、第2の送信機巻線部分508は、第
2の複数の結合ループ520の第1のループ部分528
に時間変化電流を誘導し、この時間変化電流は、第2の
ループ部分530を流れて、第2のループ部分530内
に2次磁界を生成する。
【0109】送信機巻線部分506,508の各々を流
れる電流は互いに反対方向に流れるので、反対極性の磁
界が対応の第1のループ部分522,528にそれぞれ
生成される。第2のループ部分524,530で生成さ
れる2次磁界は、波長λ3で測定軸516に沿って空間
変調される。この空間変調磁界は第3の受信機巻線グル
ープ514によって感知され、第3の受信機巻線グルー
プ514が、スケールに沿った読取ヘッドの位置に応じ
て波長λ3で変化する位置依存出力信号を出力する。
【0110】同様に、送信機駆動信号発生器が時間変化
駆動信号を第1の送信機巻線502に印加したとき、第
1の送信機巻線部分502は、第2のループ部分52
4,530に時間変化電流を誘導する。第1の複数の結
合ループ518での時間変化電流は、第1のループ部分
522に第1の空間変調された2次磁界を生成する。こ
の第1の2次磁界は、測定軸に沿って波長λ1で空間変
調されている。第2の複数の結合ループ520での時間
変化電流も、第1のループ部分528に第2の空間変調
2次磁界を生成する。この第2の2次磁界は、測定軸に
沿って波長λ2で空間変調されている。
【0111】第4の実施の形態は、3つの異なる波長で
変化する位置依存信号を感知する能力を持つため、上記
3つの実施の形態よりも優れた利点を備える。この3波
長システムは一般に2波長システムに比べ、大きい測定
レンジを有する。3波長システムの信号処理は前記引用
519特許に説明されている。以下に説明される後続の
実施の形態の全てもまた、少なくとも3つの異なる波長
によって変化する位置依存出力を感知する。これらの実
施の形態の信号処理については、本願が引用する参考文
献が信号処理技術を説明しているので、説明を省略す
る。
【0112】この第4番目のオフセット減少絶対位置ト
ランスデューサ500は、オフセットが減少された位置
依存出力信号を有し、3つの異なる波長に従って変化す
る3つの異なる位置依存信号を感知することができる。
それらの波長のいずれもが密波長測定に使え、同時に、
それらの波長のどの組合わせでも、これらの密波長測定
のどれよりもはるかに長い中及び/または粗波長測定に
使える。
【0113】図8は、オフセットを減少させた絶対位置
トランスデューサ600の第5の実施の形態を示す。オ
フセット減少絶対位置トランスデューサ600は、第1
の送信機巻線602及び第2の送信機巻線604を含
み、必要に応じて第3の送信機巻線606を含むことも
できる。第1の送信機巻線602は第1の部分608及
び第2の部分610を含む。第1の部分608及び第2
の部分610は直列または並列に接続することができる
が、好ましくは、両部分において反対方向、つまり時計
回り方向及び反時計回り方向に電流が流れるように接続
する。
【0114】オフセット減少絶対位置トランスデューサ
600はまた、第1の受信機巻線グループ612、第2
の受信機巻線グループ614、及び第3の受信機巻線グ
ループ616を含む。オフセット減少絶対位置トランス
デューサ600が任意に設置される第3の送信機巻線6
06を含むならば、トランスデューサ600は第4の受
信機巻線グループ618をも含む。受信機巻線グループ
612,614,616,618の各々は、第1の受信
機巻線612A,614A,616A,618Aをそれ
ぞれ含み、また第2の受信機巻線612B,614B,
616B,618Bをそれぞれ含む。第1及び第2の受
信機巻線の対612A及び612B、614Aおよび6
14B、616Aおよび616B、並びに618Aおよ
び618Bは各々、90°の空間位相オフセットで測定
軸620に沿って配置される。これは、受信機巻線の各
対の第1及び第2の受信機巻線を直角位相状態に置く。
【0115】上述した直角位相状態にある受信巻線61
2A及び612B、614Aおよび614B、616A
および616B、並びに任意に設置される受信巻線61
8Aおよび618Bの代わりに、前記引用769出願の
図14に示すようなN−位相受信機巻線を使用するよう
にしてもよい。該N−位相受信機巻線において、n個の
受信機巻線が、受信機巻線グループ612、614及び
616、並びに任意に設置される受信機巻線グループ6
18の各々に含まれる。各受信機巻線グループ612、
614,616または618におけるn個の受信機巻線
は、互いにλ/n(λは特定の受信機巻線グループ61
2、614,616または618の空間波長)だけ離れ
て配置される。これは、n個の受信機巻線が互いに36
0°/nだけ離れて配置されることと等価であると言え
る。ただし、そのようなN−位相受信機巻線グループに
おいて、nは、2よりも大きい整数とすることができ
る。
【0116】オフセット減少絶対位置トランスデューサ
600はまた、第1の複数の結合ループ622及び第2
の複数の結合ループ624を含む。オフセット減少絶対
位置トランスデューサ600が任意設置の第3の送信機
巻線606を含むならば、該トランスデューサ600は
第3の複数の結合ループ626をも含む。第1の複数の
結合ループ622は各々、接続導体630によって第2
のループ部分632に接続された第1のループ部分62
8を含む。第2の複数の結合ループ624は各々、接続
導体636によって第2のループ部分638に接続され
た第1のループ部分634を含む。第3の複数の結合ル
ープ626は各々、接続導体642によって第2のルー
プ部分644に接続された第1のループ部分640を含
む。
【0117】第1のループ部分628は、測定軸620
に沿って波長λ3の間隔で配置される。第1のループ部
分634も、測定軸620に沿って波長λ3の間隔で配
置される。第2のループ部分632には、測定軸620
に沿って第2のループ部分638が差し挟まれる。第2
のループ部分632は、測定軸620に沿って波長λ 1
の間隔で配置される。第2のループ部分632を差し挟
まれた第2のループ部分638も、測定軸620に沿っ
て波長λ1の間隔で配置される。オフセット減少絶対位
置トランスデューサ600が任意設置の第3の送信機巻
線606を含み、したがって第1のループ部分640を
含むならば、第1のループ部分640は、測定軸620
に沿って波長λ2の間隔で配置される。
【0118】作動時には、送信機駆動信号発生器(図示
せず)が、第1の送信機巻線602か第2の送信機巻線
604かのどちらかに時間変化駆動信号を選択的に印加
する。第3の送信機巻線606がオフセット減少絶対位
置トランスデューサ600に含まれるならば、送信機駆
動信号発生器は、時間変化駆動信号を第3の送信機巻線
606にも印加してもよい。
【0119】送信機駆動信号発生器が時間変化駆動信号
を第1の送信機巻線602に印加したとき、第1の部分
608が、第1の複数の結合ループ622の第1のルー
プ部分628に時間変化電流を誘導する。これは、今度
は、第1の複数の結合ループ622における第2のルー
プ部分632に2次磁界を生成する。
【0120】同時に、送信機駆動信号発生器が同じ時間
変化駆動信号を第1の送信機巻線602における第2の
部分610に印加するので、第1の部分608を流れる
電流と反対方向に、例えば時計回り方向に対する反時計
回り方向のように電流が第2の部分610を流れる。こ
れは、第1の部分608と第2の部分610とに反対極
性の磁界を生成させることになる。第2の部分610に
よって生成された磁界は、第2の複数の結合ループ62
4の第1のループ部分634に時間変化電流を誘導す
る。これは、今度は、第2の複数の結合ループ624の
第2のループ部分638に2次磁界を生成する。
【0121】第2のループ部分632,638によって
生成された2次磁界の極性は逆極性となっている。した
がって、複数の結合ループ622,624の第2のルー
プ部分632,638の配列に従って、測定軸に沿った
波長λ1の空間変調磁界が生成される。この空間変調磁
界は、第1の受信機巻線グループ612の受信機巻線6
12A,612Bに信号を誘導する。これらの信号の振
幅は、波長λ1を持ったスケールに対する読取ヘッドの
位置の周期的関数となる。2つの受信機巻線612A,
612Bの振幅関数は、測定軸620に沿って波長λ1
の4分の1だけ位相移動される。第1の送信器巻線60
2の第1の部分608から出て受信機巻線612A,6
12Bを通過する漂遊磁界は、第1の送信器巻線602
の第2の部分610から出た漂遊磁界によって打ち消さ
れてしまう。なぜなら、第1の送信器巻線602におけ
る第1の部分608と第2の部分610とに流れる電流
の向きが反対である。
【0122】送信機駆動信号発生器が時間変化駆動信号
を第2の送信機巻線604に印加したとき、第2の送信
機巻線604を時間変化電流が流れ、この時間変化電流
は時間変化磁界を生成する。この時間変化磁界は、第2
のループ部分632,638に時間変化電流を誘導す
る。これらの誘導電流はループ部分632、638を、
第2の送信機巻線604を流れる時間変化電流に対して
反対方向に、つまり時計回り方向に対する反時計回り方
向のように流れる。
【0123】これらの時間変化電流は、ループ部分63
2、638、接続導体630,636、及び第1のルー
プ部分628,634を、第2のループ部分632,6
38におけると同じ方向に、かつ第2の送信機巻線60
4を流れる時間変化電流の方向と反対の方向に流れる。
第2の結合ループ部分632,638を流れる時間変化
電流は、第1のループ部分628,634によって囲ま
れた区画内に磁界を誘導し、第1のループ部分628,
634によって囲まれた区画外に反対極性の磁界を誘導
する。かくして、第1のループ部分628,634の双
方が測定軸620に沿って波長λ3の間隔で配置され、
測定軸620に沿って約λ3/2のみ延びているので、
空間変調磁界が両トラックに波長λ3で生成される。
【0124】第1のループ部分634は、第1のループ
部分628から測定軸620に沿って波長λ3の2分の
1だけオフセットされる。それとは対照的に、第3の受
信機巻線グループ616は、第2の受信機巻線グループ
614と同じ位置で測定軸620に沿って配置される。
受信機巻線グループ614,616に対するループ部分
628,634の測定軸620に沿った配置のため、受
信機巻線グループ614から測定軸620に沿った位置
による信号変調は、受信機巻線グループ616から測定
軸620に沿った位置による信号変調に対して、極性が
反対となる。
【0125】受信機巻線グループ614,616からの
信号は、第2の送信機巻線604からの漂遊磁界に起因
し、かつ、複数の結合ループ622,624が全て、同
一方向に循環する電流を運ぶことに起因するオフセット
を持つことになる。受信機巻線グループ614,616
からの信号に含まれるオフセットは同一極性となってい
るが、上記の測定軸に沿った位置による信号変調は極性
が反対である。受信機巻線グループ614,616を
「反直列」に接続することによって、つまり一方の巻線
に対して反転された他方の巻線への接続に直列に接続す
ることによって、測定軸620に沿った位置に関する変
調が加算され、オフセット同士が相殺することになる。
【0126】第3の送信機巻線606を含むオフセット
減少絶対位置トランスデューサ600の実施の形態にお
いて、送信機駆動信号発生器が時間変化駆動信号を出力
して第3の送信機巻線606に時計回り方向の電流を瞬
間流れるようにしたとき、それに応答して、第3の送信
機巻線606は1次磁界を生成する。この1次磁界は、
第3の送信機巻線606によって形成されるループの内
側で図8の面に対して下降し、第3の送信機巻線606
で形成されるループの外側で図8の面から上昇する。こ
れに応じて、第2のループ部分644に、磁界変化を妨
げるように反時計回り方向の電流が誘導される。
【0127】したがって、第2のループ部分644の各
々に誘導される電流は、隣接の第3の送信機巻線606
を流れる電流と反対方向に流れる。第2のループ部分6
44に誘導された時計回り方向の電流はまた、第1のル
ープ部分640を流れる。第1のループ部分640の各
々を流れる時計回り方向の電流は、第1のループ部分6
40の内側で図8の面から上昇し、第1のループ部分6
40の外側で図8の面に対して下降する2次磁界を生成
する。
【0128】したがって、第1のループ部分640が測
定軸620に沿って波長λ2の間隔で配置され、第1の
ループ部分640の個々が測定軸620に沿って波長λ
2の2分の1だけ延びるので、測定軸に沿って波長λ2
周期的に分布される空間変調磁界が生成される。この空
間変調磁界は、第3の送信機巻線606の外側に生じる
漂遊磁界に起因し、かつ、第1のループ部分640の信
号が全て、同一極性であることに起因するオフセットを
有する。このオフセットは、送信機巻線が、関連する受
信機巻線からある距離離れて位置するので、図2に示し
た従来技術のオフセットよりも小さい値になる。このオ
フセットは、受信機巻線618A,618Bにおける正
及び負ループのバランスによって公称的に除去される。
【0129】第5のオフセット減少絶対位置トランスデ
ューサ600の各種実施の形態では、λ1巻線の周りに
λ3巻線が対称に配置されているので、粗測定のための
λ1,λ3巻線の組合わせが、スケールに対する読取ヘッ
ドの取付の偏揺(yaw)に対して鈍感になる。
【0130】第5のオフセット減少絶対位置トランスデ
ューサ600の各種実施の形態は、結合ループ622,
624,626がプリント回路基板の単一の層に存在
し、層間を接続する給送部を必要とせず、そのためスケ
ールを製造するコストを下げられるので、スケール上の
結合ループ部分間に捩じられた接続導体を持つ上記説明
した各実施の形態に比べて有利である。
【0131】第1の送信機巻線602及び第2の送信機
巻線604のみを含む第5のオフセット減少絶対位置ト
ランスデューサ600の各種実施の形態で、第5のオフ
セット減少絶対位置トランスデューサ600の代表的な
実施の形態における2つの波長は、λ1=5.4mm,
λ3=5.27mmである。
【0132】λ1トラックとλ2トラックとの位相差は、
粗波長λCである距離(λ1*λ3)/(λ1−λ3)=2
19mmに亘って360°変化する。λ1波長は10μ
mの測定分解能で一様に弁別することができるので、密
波長λFに対して外側のλ1トラックを使用することは更
に有利である。
【0133】λ1トラックは密分解能測定を行うために
使用される。送信機ループ608、610が対称的に配
置され、それらを流れる電流が受信機612の両側にお
いて反対方向に流れ、それによって、送信機ループ60
8から受信機巻線612への直接結合と、送信機ループ
610から受信機巻線612への直接結合とが相殺され
るため、λ1トラックは最良品質の信号を有する。ま
た、送信機巻線608,610が並列に接続されている
ならば、信号強度はこのλ1トラックで最大となる。こ
の高品質、高振幅の信号は、例えば1/512の高内挿
率が、例えば10μmの密分解能を達成するために有利
である。λ1波長は10μmの密測定分解能で一様に弁
別することができるので、密波長λFに対して外側のλ1
トラックを使用することは更に有利である。
【0134】第3の送信機巻線606をも含む第5のオ
フセット減少絶対位置トランスデューサ600の各種実
施の形態において、第5のオフセット減少絶対位置トラ
ンスデューサ600の代表的な実施の形態における3つ
の波長は、λ1=5.12mm,λ2=5.461mm,
λ3=5.130mmである。
【0135】λ1トラックとλ2トラックとの位相差は、
中波長λMである距離(λ1*λ2)/(λ2−λ1)=1
6*λ1=82mmに亘って360°変化する。中波長
λMは全測定レンジに亘って他のトラックに対していく
つかの360°位相移動を呈するので、中波長λMに対
して第3の複数の結合ループ626を与えられた独立ト
ラックを使用することは有利である。精度や、中に対す
る密の最大可能波長比を制限する測定エラーを引き起こ
すような多数の波長比は、規則正しい間隔の結合ループ
列の中断無しに、互いに連結されたチャネルで実行する
ことはできない。
【0136】λ1トラックとλ3トラックとの位相差は、
粗波長λCである距離32*λM=512*λ1≒(λ1
λ3)/(λ3−λ1)=2627mmに亘って360°
の位相移動を生じる。
【0137】上述のように、λ1トラックは密測定に使
用される。このトラックは最上品質の信号を有する。こ
れは、送信機ループ608,610が対称に配置され、
受信機巻線612の両側で互いに反対方向となる電流が
流れ、これによって、送信機巻線608または送信機巻
線610から受信機巻線612へのどの直接結合も相殺
されるからである。また、送信機巻線608と送信機巻
線610とが並列に接続されていると、信号強度はこの
トラックで最大となる。この高品質、高振幅信号は、例
えば1/512の高い内挿率により、この例では10ミ
クロンの高分解能を達成するために有利である。
【0138】λ1チャネルの周りにλ3チャネルが対称に
配置されているので、粗測定のためのλ1,λ3チャネル
の組合わせが、スケールに対する読取ヘッドの取付の偏
揺(yaw)に対して鈍感になる。λ2トラックは偏揺に敏
感であり、スケールに対する読取ヘッドの懸架装置の偏
揺安定性に基き、比λ2/λ1が制限されることになる。
この制限は、λ1トラック及びλ3トラックの他方側に反
射されたもう1つのλ 2トラックを挿入することによっ
て除去することができる。
【0139】第5のオフセット減少絶対位置トランスデ
ューサ600のこれらの各種実施の形態は、結合ループ
622,624および、含まれていれば結合ループ62
6がプリント回路基板の単一の層に存在し、層間を接続
する給送部を必要とせず、そのためスケールを製造する
コストを下げられるので、スケール上の結合ループ部分
間に捩じられた接続導体を持つ上記説明した各実施の形
態に比べて有利である。
【0140】図9は、オフセットを減少させた絶対位置
トランスデューサ700の第6の実施の形態を示す。オ
フセット減少絶対位置トランスデューサ700は、第1
の送信機巻線702及び第2の送信機巻線704を含
む。第1の送信機巻線702は第1の部分706及び第
2の部分708を含む。第2の送信機巻線704は第1
の部分710及び第2の部分712を含む。
【0141】オフセット減少絶対位置トランスデューサ
700はまた、第1の受信機巻線グループ714、第2
の受信機巻線グループ716、及び第3の受信機巻線グ
ループ718を含む。受信機巻線グループ714,71
6,718の各々は、第1の受信機巻線714A,71
6A,718Aをそれぞれ含み、また第2の受信機巻線
714B,716B,718Bをそれぞれ含む。第1及
び第2の受信機巻線の対714A及び714B、716
A及び716B、並びに718A及び718Bの各巻線
は、対の相手の巻線から90°の空間位相オフセットを
もって測定軸720に沿ってそれぞれ配置される。これ
により、各対の受信機巻線の第1及び第2の受信機巻線
が直角位相状態に置かれる。
【0142】オフセット減少絶対位置トランスデューサ
700はまた、第1の複数の結合ループ722及び第2
の複数の結合ループ724を含む。第1の複数の結合ル
ープ722は各々、接続導体728によって第2のルー
プ部分730に接続された第1のループ部分726を含
む。第2の複数の結合ループ724の各々は、接続導体
734によって第2のループ部分736に接続された第
1のループ部分732を含む。第1の複数の結合ループ
722の第1のループ部分726は、測定軸720に沿
って波長λ1の間隔で配置される。第2の複数の結合ル
ープ724の第1のループ部分732も、測定軸720
に沿って波長λ1の間隔で配置される。
【0143】第1の複数の結合ループ722の第2のル
ープ部分730には、第2の複数の結合ループ724の
第2のループ部分736が測定軸720に沿って差し挟
まれる。第2のループ部分730,736はまた、第2
の送信機巻線704の第1の部分710または第2の部
分712にこれと誘導結合するように整合されることを
交互に繰り返す。第2のループ部分730,736は各
々、測定軸に沿って波長λ2の間隔で配置される。
【0144】作動時には、送信機駆動信号発生器(図示
せず)が、第1の送信機巻線702か第2の送信機巻線
704かのいずれかに時間変化駆動信号を選択的に印加
する。送信機駆動信号発生器が第1の送信機巻線702
に時間変化駆動信号を印加したとき、受信機信号プロセ
ッサ(図示せず)が、波長λ2で変化する第3の受信機
巻線グループ718からの位置依存出力信号を受信す
る。第3の受信機巻線グループ718からの位置依存出
力信号は、第2のループ部分730,736によって生
成された、波長λ2で空間変調された空間変調磁界に依
存する。
【0145】送信機駆動信号発生器が第2の送信機巻線
704に時間変化駆動信号を印加したとき、受信機信号
プロセッサは、波長λ1で変化する第1の受信機巻線グ
ループ714からの位置依存出力信号と、やはり波長λ
1で変化する第2の受信機巻線グループ716からの位
置依存出力信号とを受信する。
【0146】本発明の第5及び第6の実施の形態のオフ
セット減少絶対位置トランスデューサ600,700
は、先の4つのオフセット減少絶対位置トランスデュー
サ200−500に対して利点を有する。第5及び第6
の実施の形態のオフセット減少絶対位置トランスデュー
サ600,700における結合ループは全て、プリント
回路基板の同一層に存在する。そのため、給送部を必要
とせず、スケール部材を製造するコストを著しく低下で
きる。第6の実施の形態のオフセット減少絶対位置トラ
ンスデューサ700は、第1の結合ループ部分726、
732によって作られた2次磁界が双方とも、いかなる
DCオフセットも無い公称的に純粋な交番磁界である点
において、第5の実施の形態のオフセット減少絶対位置
トランスデューサ600に対して利点を有する。絶対位
置トランスデューサ700の不利な点は、スケール上の
比較的複雑な連結パターンが、比較的長い波長に対して
絶対位置トランスデューサ700を使用することを制限
する点である。
【0147】前述の各実施の形態では本発明のオフセッ
ト減少絶対位置トランスデューサをリニアのトランスデ
ューサとして示したが、その設計は、本願で完全な形で
引用する米国特許出願第08/441,769号におい
て説明されているようなロータリ型に適用するべく容易
に改造することができる。さらに、上記の各実施の形態
では、送信機巻線と名づけられた空間的に均一な巻線、
及び受信巻線と名づけられた空間変調巻線を示したが、
送信機巻線の役割と受信機巻線の役割とを適切な信号処
理に応じて「入れ替えた」としても、開示されたトラン
スデューサ巻線構成がそれらの発明性のある利点を全て
保有することは、当業者にとり自明である。そのような
適切な信号処理技術の1つが、上記769出願の図21
に示され、これを参照して説明されている。他の適用可
能な信号処理技術も当業者にとり自明である。
【0148】以上、本発明を上記に概説された各種実施
の形態と関連して説明したが、多くの代替案、変更、及
び変形が、当業者にとり可能であることが明らかであ
る。したがって、上記に明らかにした本発明の実施の形
態は例示的なものであって、本発明はこれに限定される
ものではない。各種の変更を、本発明の精神及び範囲を
逸脱することなく行うことができる。
【0149】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、誘
導型絶対位置検出装置が、第1の読取ヘッド部材と、測
定軸を有した第2のスケール部材であって、前記第1の
読取ヘッド部材及び該第2のスケール部材が互いに相対
して前記測定軸に沿って移動可能である第2のスケール
部材と、前記第1の読取ヘッド部材上の少なくとも1つ
の磁界発生器であって、各々が駆動信号に応答して第1
の磁束領域に第1の変化磁束を生成する少なくとも1つ
の磁界発生器と、前記第2のスケール部材上の複数の磁
束結合ループとを備え、前記複数の磁束結合ループの各
々が、少なくとも第1の結合ループ部分及び第2の結合
ループ部分であって、複数の前記第1の結合ループ部分
が第1の波長に関連した間隔で前記測定軸に沿って配置
され、複数の前記第2の結合ループ部分が第2の波長に
関連した間隔で前記測定軸に沿って配置され、前記複数
の磁束結合ループが前記複数の第1の結合ループの前記
第1の変化磁束に応答して前記複数の第2の結合ループ
部分の前記第1の磁束領域外に少なくとも第2の変化磁
束を生成するものと、前記第1の磁束領域外に配置され
た少なくとも1つの磁束センサであって、前記第2の変
化磁束に応答して、前記少なくとも1つの磁束センサと
前記複数の磁束結合ループとの間の相対的位置の関数で
あり且つ前記第2の波長で変化する出力信号を発生する
ものとを有する。
【0150】これにより、出力信号のDCオフセット成
分が減少され、したがって、従来のような信号処理の複
雑化や、有害な位置測定エラーの発生を防止できる。
【0151】また、本発明により改良された巻線構成
は、トランスデューサ製作精度を高くせずとも、出力信
号のオフセット成分に対する有用な出力信号成分の割合
を増加させることができる。さらに、巻線構成は、与え
られた測定領域における単位変位当たりの出力信号の変
化度合を高めることができる。加えて、改良巻線構成
は、絶対位置トランスデューサでオフセットを減少させ
た出力信号を提供する。
【0152】これは、送信機巻線と受信機巻線との間の
外来結合を最小化し無効化する巻線構成によって達成さ
れる。この巻線構成はまた、複数の巻線の空間変調と相
互作用するスケール部の複数の結合巻線を通して巻線間
の位置依存結合を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は誘導電流型位置トランスデューサの正
極性ループの位置依存性出力を示す図である。(B)は
誘導電流型位置トランスデューサの負極性ループの位置
依存性出力を示す図である。(C)は (A)及び
(B)の正極性ループ及び負極性ループの正味位置依存
性出力を示す図である。
【図2】望ましくない外来信号オフセット成分を有する
絶対位置トランスデューサを示す図である。
【図3】本発明に係るオフセットを減少させた誘導電流
型絶対位置トランスデューサの第1の実施の形態のスケ
ールを示す図である。
【図4】本発明に係るオフセットを減少させた誘導電流
型絶対位置トランスデューサの第1の実施の形態を示す
図である。
【図5】本発明に係るオフセットを減少させた誘導電流
型絶対位置トランスデューサの第2の実施の形態を示す
図である。
【図6】(A)は本発明に係るオフセットを減少させた
誘導電流型絶対位置トランスデューサの第3の実施の形
態を示す図である。(B)は(A)のオフセットを減少
させた誘導電流型絶対位置トランスデューサの第1のト
ランスデューサを示す図である。(C)は(A)のオフ
セットを減少させた誘導電流型絶対位置トランスデュー
サの第2のトランスデューサを示す図である。
【図7】本発明に係るオフセットを減少させた誘導電流
型絶対位置トランスデューサの第4の実施の形態を示す
図である。
【図8】本発明に係るオフセットを減少させた誘導電流
型絶対位置トランスデューサの第5の実施の形態を示す
図である。
【図9】本発明に係るオフセットを減少させた誘導電流
型絶対位置トランスデューサの第6の実施の形態を示す
図である。
【符号の説明】
100 誘導電流型絶対位置トランスデューサ 102 トランスデューサ 104 トランスデューサ 106 トランスデューサ 108 送信機巻線 110 送信機巻線 112 送信機巻線 114 受信機巻線 116 受信機巻線 118 受信機巻線 120 受信機巻線 122 受信機巻線 124 受信機巻線 126 スケール 128 スケール 130 スケール 132 スケール部材 134 複数の磁束変調器 142 測定軸 148 読取ヘッド 200 誘導電流型絶対位置トランスデューサ 202 スケール(第2のスケール部材) 204 複数の閉ループ結合ループ(複数の磁束結合ル
ープ) 206 第1のループ部分(第1の結合ループ部分) 208 第2のループ部分(第2の結合ループ部分) 210 1対の接続導体 212 測定軸 214 読取ヘッド(第1の読取りヘッド部材) 216 第1の送信機巻線(磁界発生器) 218 第2の送信機巻線(磁界発生器) 220 送信機駆動信号発生器 224 第1の受信機巻線グループ(磁束センサ) 226 第2の受信機巻線グループ(磁束センサ) 228 ループセグメント 230 ループセグメント 242 受信機プロセッサ 244 制御ユニット

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の読取ヘッド部材と、 測定軸を有した第2のスケール部材であって、前記第1
    の読取ヘッド部材及び該第2のスケール部材が互いに相
    対して前記測定軸に沿って移動可能である第2のスケー
    ル部材と、 前記第1の読取ヘッド部材上の少なくとも1つの磁界発
    生器であって、各々が駆動信号に応答して第1の磁束領
    域に第1の変化磁束を生成する少なくとも1つの磁界発
    生器と、 前記第2のスケール部材上の複数の磁束結合ループとを
    備え、 前記複数の磁束結合ループの各々が、少なくとも第1の
    結合ループ部分及び第2の結合ループ部分であって、複
    数の前記第1の結合ループ部分が第1の波長に関連した
    間隔で前記測定軸に沿って配置され、複数の前記第2の
    結合ループ部分が第2の波長に関連した間隔で前記測定
    軸に沿って配置され、前記複数の磁束結合ループが前記
    複数の第1の結合ループの前記第1の変化磁束に応答し
    て前記複数の第2の結合ループ部分の前記第1の磁束領
    域外に少なくとも第2の変化磁束を生成するものと、前
    記第1の磁束領域外に配置された少なくとも1つの磁束
    センサであって、前記第2の変化磁束に応答して、前記
    少なくとも1つの磁束センサと前記複数の磁束結合ルー
    プとの間の相対的位置の関数であり且つ前記第2の波長
    で変化する出力信号を発生するものとを有することを特
    徴とする誘導型絶対位置検出装置。
  2. 【請求項2】 第2の磁束センサを更に備えることを特
    徴とする請求項1記載の誘導型絶対位置検出装置。
  3. 【請求項3】 第1の接続導体と、 第2の接続導体とを更に備え、 前記少なくとも1つの磁界発生器は単一の磁界発生器か
    ら成り、前記複数の磁束結合ループは第3の結合ループ
    部分を更に備え、前記第1の接続導体は前記第1の結合
    ループ部分を前記第3の結合ループ部分に接続し、前記
    第2の接続導体は前記第2の結合ループ部分を前記第3
    の結合ループ部分に接続し、前記第1の結合ループ部分
    は前記測定軸に沿って前記第1の磁束センサに誘導結合
    するように配置され、前記第2の結合ループ部分は前記
    第2の磁束センサに誘導結合するように配置され、前記
    第3の結合ループ部分は前記磁界発生器に誘導結合する
    ように配置されることを特徴とする請求項2記載の誘導
    型絶対位置検出装置。
  4. 【請求項4】 第3の磁束センサを更に備えることを特
    徴とする請求項2記載の誘導型絶対位置検出装置。
  5. 【請求項5】 第4の磁束センサと、 第1の部分及び第2の部分を有する第2の磁界発生器
    と、 第3の磁界発生器と、 各々が第1の結合ループ部分及び第2の結合ループ部分
    を有する第2の複数の磁束結合ループと、 各々が第1の結合ループ部分及び第2の結合ループ部分
    を有する第3の複数の磁束結合ループとを更に備え、 前記第1の複数の結合ループの前記第1のループ部分が
    前記第1の磁界発生器の前記第1の部分及び前記第3の
    磁束センサに誘導結合するように配置され、前記第2の
    複数の結合ループの前記第1のループ部分が前記第1の
    磁界発生器の前記第2の部分及び前記第2の磁束センサ
    に誘導結合するように配置され、前記第1の複数の結合
    ループの前記第2のループ部分及び前記第2の複数の結
    合ループが前記第2の磁界発生器及び前記第1の磁束セ
    ンサに誘導結合するように配置され、前記第1の複数の
    結合ループの前記第2のループ部分が前記測定軸に沿っ
    て前記第2の複数の結合ループの前記第2のループ部分
    と交互に入れ替わり、前記第3の複数の結合ループの前
    記第1の複数の結合ループ部分が前記第3の磁界発生器
    に誘導結合するように配置され、前記第4の磁束センサ
    が前記第3の複数の結合ループの前記第2の複数の結合
    ループ部分に誘導結合するように配置されることを特徴
    とする請求項4記載の誘導型絶対位置検出装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の結合ループ部分と前記第2の
    結合ループ部分とを接続する接続導体を更に備え、該接
    続導体が1つ置きに捩じられていることを特徴とする請
    求項1記載の誘導型絶対位置検出装置。
  7. 【請求項7】 各々が第1のループ部分及び第2のルー
    プ部分を有する第2の複数の磁束結合ループを更に備え
    ることを特徴とする請求項1記載の誘導型絶対位置検出
    装置。
  8. 【請求項8】 第2の磁界発生器と、 前記第1の複数の磁束結合ループの前記第1の結合ルー
    プ部分と前記第2の結合ループ部分とを接続する第1の
    接続導体と、 前記第2の複数の磁束結合ループの前記第1の結合ルー
    プ部分と前記第2の結合ループ部分とを接続する第2の
    接続導体とを更に備え、 前記第1の磁界発生器が前記第1の複数の磁束結合ルー
    プの前記第1の結合ループ部分に誘導結合するように配
    置され、前記磁束センサが前記第1の複数の磁束結合ル
    ープの前記第2の結合ループ部分及び前記第2の複数の
    磁束結合ループの前記第2の結合ループ部分に誘導結合
    するように配置され、前記第2の磁界発生器が前記第2
    の複数の磁束結合ループの前記第1の結合ループ部分に
    誘導結合するように配置されることを特徴とする請求項
    7記載の誘導型絶対位置検出装置。
  9. 【請求項9】 前記第1の複数の結合ループの前記第1
    の結合ループ部分が第1の受信機巻線グループ及び前記
    第1の磁界発生器の第1の送信機巻線部分に誘導結合す
    るように配置され、前記第1及び第2の複数の結合ルー
    プの双方の前記第2の結合ループ部分が第2の受信機巻
    線グループ及び前記第2の磁界発生器に誘導結合するよ
    うに配置され、前記第2の複数の結合ループの前記第1
    の結合ループ部分が第3の受信機巻線グループ及び前記
    第1の磁界発生器の第2の送信機巻線部分に誘導結合す
    るように配置されることを特徴とする請求項6記載の誘
    導型絶対位置検出装置。
  10. 【請求項10】 第2の磁界発生器と、 第2の磁束センサと、 第3の磁束センサとを更に備え、 前記第1の磁界発生器及び前記第2の磁界発生器が各
    々、第1の部分及び第2の部分を有し、前記第1の複数
    の磁束結合ループの前記第1の結合ループ部分が前記第
    1の磁界発生器の前記第1の部分及び前記第2の磁束セ
    ンサに誘導結合するように配置され、前記第2の複数の
    磁束結合ループの前記第1の結合ループ部分が前記第1
    の磁界発生器の前記第2の部分及び前記第3の磁束セン
    サに誘導結合するように配置され、前記第1の複数の結
    合ループ及び前記第2の複数の結合ループの双方の前記
    第2の結合ループ部分が前記測定軸に沿って交互に差し
    挟まれるともに、前記第1の磁界発生器の前記第1の部
    分及び前記第2の部分に誘導結合するように配置され、
    さらに前記第1の磁束センサ及び前記第2の磁界発生器
    の双方に誘導結合するように配置されることを特徴とす
    る請求項7記載の誘導型絶対位置検出装置。
  11. 【請求項11】 第1の部材と、 測定軸を有した第2の部材であって、該測定軸に沿って
    前記第1の部材が移動可能である第2の部材と、 少なくとも2つの磁界発生器であって、各磁界発生器が
    少なくとも1つの磁束発生巻線部分から成り、各磁界発
    生器が活性化可能であって駆動信号に応じて対応する1
    次磁束領域に変化磁束を生成する少なくとも2つの磁界
    発生器と、 前記測定軸に沿って分布する少なくとも1つの複数磁束
    結合ループと、 少なくとも2組の磁束センサであって、各組の磁束セン
    サが対応する活性化可能な2次磁束領域における前記変
    化磁束を検出するように配置された少なくとも2組の磁
    束センサとを備えた誘導型絶対位置検出装置であって、 前記複数結合ループの各磁束結合ループの少なくとも1
    つの受容器部分は少なくとも1つの1次磁束領域内に位
    置可能であって、前記少なくとも1つの1次磁束領域が
    活性化されているとき、誘導電流が、前記少なくとも1
    つの活性化された1次磁束領域の前記変化磁束に応じて
    前記少なくとも1つの受容器部分に生成され、且つ、各
    磁束結合ループの少なくとも1つの2次磁束発生器部分
    は前記少なくとも1つの活性化された1次磁束領域の外
    側に位置可能であって、前記対応する少なくとも1つの
    受容器部分に発生する前記誘導電流が、少なくとも1つ
    の対応する2次磁束発生器部分を活性化して前記少なく
    とも1つの活性化された2次磁束発生器部分に2次変化
    磁束を生成し、複数の活性化された2次磁束発生器部分
    が、各少なくとも1つの活性化された2次磁束領域に、
    前記少なくとも1つの活性化された1次磁束領域から物
    理的に分離された空間変調磁束を生成し、各空間変調磁
    束は所定の関数に従って前記測定軸に沿って変調され、 各磁束結合ループは、前記測定軸を横切る方向に互いに
    離れた少なくとも第1及び第2の部分を有し、 前記少なくとも2つの磁束発生器及び前記少なくとも2
    組の磁束センサは前記第1及び第2の部材の一方上に配
    置され、前記少なくとも1つの複数磁束結合ループは前
    記第1及び第2の部材の他方上に配置され、 各組の磁束センサは前記検出された磁束に基づき少なく
    とも1つの出力信号を生成し、各出力信号は、前記第1
    の部材と第2の部材の前記測定軸に沿った相対位置と、
    前記組の磁束センサと組み合った前記活性化された2次
    磁束領域に存在する前記空間変調磁束のパターンとのう
    ちの少なくとも1つの関数であり、 前記第1の部材と前記第2の部材の如何なる相対位置に
    おいても、前記誘導型絶対位置検出装置は、第1の磁束
    発生器と、対応する受容器部分として動作する前記少な
    くとも1つの複数磁束結合ループの少なくとも下位複数
    の磁束結合ループの少なくとも前記第1の部分と、前記
    対応する活性化された2次磁束発生器部分として動作す
    る前記少なくとも1つの複数磁束結合ループの前記下位
    複数の磁束結合ループの少なくとも前記第2の部分と、
    少なくとも対応する第1の出力信号を生成する少なくと
    も第1の組の磁束センサとを活性化することにより、少
    なくとも前記第1の組の磁束センサで少なくとも第1の
    出力信号を生成可能であり、且つ前記誘導型絶対位置検
    出装置は、第2の磁束発生器と、前記対応する受容器部
    分として動作する前記少なくとも1つの複数磁束結合ル
    ープの前記下位複数の磁束結合ループの少なくとも前記
    第2の部分と、前記対応する活性化された2次磁束発生
    器部分として動作する前記少なくとも1つの複数磁束結
    合ループの前記下位複数の磁束結合ループの少なくとも
    前記第1の部分と、少なくとも対応する第2の出力信号
    を生成する少なくとも第2の組の磁束センサとを活性化
    することによって、少なくとも前記第2の組の磁束セン
    サで少なくとも前記第2の出力信号を生成可能であり、 少なくとも前記第1及び第2の出力信号間の関係を、前
    記第1の部材と前記第2の部材の前記測定軸に沿った各
    相対位置毎に特有のものとすることを特徴とする誘導型
    絶対位置検出装置。
  12. 【請求項12】 前記少なくとも2組の磁束センサは2
    組の磁束センサから成り、少なくとも第1の組の磁束セ
    ンサは2組の巻線部分から成ることを特徴とする請求項
    11記載の誘導型絶対位置検出装置。
  13. 【請求項13】 前記第1の組の磁束センサの前記2組
    の巻線部分は、前記測定軸を横切る方向で前記磁束セン
    サの第2の組の両側に対称位置に配設されていることを
    特徴とする請求項12記載の誘導型絶対位置検出装置。
  14. 【請求項14】 前記少なくとも2つの磁束発生器のう
    ち第1の磁束発生器は第1の期間に活性化され、前記少
    なくとも2つの磁束発生器のうち第2の磁束発生器は前
    記第1の期間の後に生じる第2の期間に活性化されるこ
    とを特徴とする請求項11記載の誘導型絶対位置検出装
    置。
  15. 【請求項15】 前記少なくとも2つの磁束発生器のう
    ち第1の磁束発生器は、前記第1の磁束発生器が活性化
    されたときに同時に活性化される第1の巻線部分及び第
    2の巻線部分から成ることを特徴とする請求項11記載
    の誘導型絶対位置検出装置。
  16. 【請求項16】 前記少なくとも2組の磁束センサは、
    各々、直角位相状態に配置された第1の受信機巻線及び
    第2の受信機巻線から成ることを特徴とする請求項11
    記載の誘導型絶対位置検出装置。
  17. 【請求項17】 前記少なくとも2組の磁束センサは、
    各々、360°/n(nは2より大きい値)の間隔で配
    置されたn個の受信機巻線から成ることを特徴とする請
    求項11記載の誘導型絶対位置検出装置。
  18. 【請求項18】 第1の部材と、 前記第1の部材上に位置し、各々、少なくとも第1の巻
    線から成る少なくとも2つの磁界発生器と、 測定軸を有した第2の部材であって、前記第1の部材が
    該第2の部材に隣接して配置され、前記第1の部材と前
    記第2の部材とが前記測定軸に沿って相対的に移動可能
    であり、前記第2の部材が1組の領域から成り、各領域
    は1つの磁界発生器巻線に対応し、全領域が前記測定軸
    に沿って延びるとともに前記測定軸を横切る方向に間隔
    を置いて配置される第2の部材と、 前記第1の部材上に位置する少なくとも第1の複数磁束
    結合ループであって、各結合ループは少なくとも第1の
    結合ループ部分と第2の結合ループ部分とを有する少な
    くとも第1の複数磁束結合ループと、 前記第1の部材上に位置する少なくとも2組の磁界セン
    サとを備え、 前記第1の部材が前記第2の部材に隣接して位置すると
    き、各磁界発生器巻線が前記第2の部材の前記対応する
    領域に隣接するように、前記磁界発生器は前記第1の部
    材上に配置され、 前記磁界発生器巻線は、各々、駆動信号に応答して前記
    第2の部材の前記対応する領域で変化磁束を生成し、 少なくとも前記第1の複数磁束結合ループの前記第1の
    結合ループ部分は、第1の磁界発生器巻線に対応する前
    記第2の部材の第1の領域に位置し、且つ前記測定軸に
    沿って第1の波長に関連する間隔で配置され、 少なくとも前記第1の複数磁束結合ループの前記第2の
    結合ループ部分は、前記測定軸に沿って第2の波長に関
    連する間隔で配置され、且つ前記測定軸を横切る方向に
    前記第1の領域から離れた前記第2の部材の少なくとも
    1つの領域に配置され、 前記第1の部材が前記第2の部材に隣接して位置すると
    き、前記少なくとも2組の磁界センサが前記第2の部材
    の対応する領域にそれぞれ隣接するように、前記少なく
    とも2組の磁界センサは前記第1の部材上に配置され、 前記少なくとも2組の磁界センサは、各々、前記第2の
    部材の前記対応する領域の変化磁束にそれぞれ応答して
    検出信号を生成し、 前記第1及び第2の組の磁束結合ループの前記第1の複
    数結合ループ部分は、前記第1及び第3の領域の前記変
    化磁束に応答して変化電流を生成し、該変化電流は、前
    記第2の複数結合ループ部分を流れて前記第2の領域に
    変化磁束を生成し、これによって前記第2の組の磁界セ
    ンサと前記第2の複数結合ループ部分の相対位置の関数
    である出力信号を前記第2の組の磁界センサに生成し、
    前記第2の組の磁界センサの前記出力信号は前記第2の
    波長で変化し、 前記第1及び第2の組の磁束結合ループの前記第2の複
    数結合ループ部分は、前記第2の領域の前記変化磁束に
    応答して変化電流を生成し、該変化電流は、前記第1の
    複数結合ループ部分を流れて前記第1及び第3の領域に
    変化磁束を生成し、これによって前記第1及び第3の組
    の磁界センサと前記第1の複数結合ループ部分の相対位
    置の関数である出力信号を前記第1及び第3の組の磁界
    センサに生成し、前記第1及び第3の組の磁界センサの
    前記出力信号は前記第1の波長で変化することを特徴と
    する誘導型絶対位置検出装置。
  19. 【請求項19】 前記第1及び第3の磁界発生器は互い
    に電気的に接続されることを特徴とする請求項18記載
    の誘導型絶対位置検出装置。
  20. 【請求項20】 前記第1及び第3の組の磁界センサは
    互いに電気的に接続されることを特徴とする請求項18
    記載の誘導型絶対位置検出装置。
  21. 【請求項21】 前記第1、第2及び第3の組の磁界セ
    ンサは、各々、直角位相状態に配置された第1の受信機
    巻線及び第2の受信機巻線から成ることを特徴とする請
    求項18記載の誘導型絶対位置検出装置。
  22. 【請求項22】 前記第1、第2及び第3の組の磁界セ
    ンサは、各々、λ/n(λは対応する組の磁界センサの
    波長)の間隔で配置されたn個の受信機巻線から成るこ
    とを特徴とする請求項18記載の誘導型絶対位置検出装
    置。
  23. 【請求項23】 前記第2の部材は更に第4の領域及び
    第5の領域から成り、該第4及び第5の領域は前記測定
    軸に沿って延びるとともに互いに離れて配置され、 前記少なくとも2つの磁界発生器は、前記第1の部材上
    に位置する第4の磁界発生器から成り、該第4の磁界発
    生器は、記第1の部材が前記第2の部材に隣接して位置
    するとき、前記第4の磁界発生器が前記第2の部材の前
    記第4の領域にそれぞれ隣接するように前記第1の部材
    上に配置され、且つ前記第4の磁界発生器は駆動信号に
    応答して前記第2の部材の前記第4の領域に変化磁束を
    生成し、 前記少なくとも2つの磁界センサは、前記第1の部材上
    に位置する第4の磁界センサから成り、該第4の磁界セ
    ンサは、記第1の部材が前記第2の部材に隣接して位置
    するとき、前記第4の磁界センサが前記第2の部材の前
    記第5の領域にそれぞれ隣接するように前記第1の部材
    上に配置され、且つ前記第4の磁界センサは前記第2の
    部材の前記第5の領域の変化磁束に応答して検出信号を
    生成し、 前記複数の磁束結合ループは更に第3の組の磁束結合ル
    ープに分割され、該第3の組の磁束結合ループの前記第
    1の複数結合ループ部分は、前記第2の部材の前記第4
    の領域に位置するとともに前記測定軸に沿って間隔を持
    って配置され、且つ前記第3の組の磁束結合ループの前
    記第2の複数結合ループ部分は、前記第2の部材の前記
    第5の領域に位置するとともに前記測定軸に沿って第3
    の波長に関連する間隔で配置され、 前記第3の組の磁束結合ループの前記第1の複数結合ル
    ープ部分は、前記第4の領域の前記変化磁束に応答して
    変化電流を生成し、該変化電流は、前記第3の組の磁束
    結合ループの前記第2の複数結合ループ部分を流れて前
    記第5の領域に変化磁束を生成し、これによって前記第
    4の組の磁界センサと前記第3の組の磁束結合ループの
    前記第2の複数結合ループ部分の相対位置の関数である
    出力信号を前記第4の組の磁界センサに生成し、前記第
    4の組の磁界センサの前記出力信号は前記第3の波長で
    変化することを特徴とする請求項18記載の誘導型絶対
    位置検出装置。
  24. 【請求項24】 測定軸に沿って第1の部材の第2の部
    材に対する絶対位置を決定する方法であって、 第1の磁界発生器を変化電流で駆動して前記第2の部材
    の第1の領域に第1の変化磁束を生成し、 前記第1の変化磁束に応じて、複数の磁束結合ループで
    あって、第1及び第2の組に分割され、該第1の組の結
    合ループ部分が前記第1の領域に前記測定軸に沿って第
    1の波長に対応する間隔で配置された複数の磁束結合ル
    ープの各々の第1の結合ループ部分に誘導的に電流を生
    成し、 各磁束結合ループの前記第1の結合ループ部分に生成さ
    れた前記電流を、前記磁束結合ループの第2の結合ルー
    プ部分であって、前記測定軸を横切る方向に前記第1の
    結合ループ部分から延び、前記第1及び第2の組の複数
    の磁束結合ループの各々の前記第2の結合ループ部分が
    前記第2の部材の第2及び第3の領域にそれぞれ位置す
    るとともに、第2の波長に対応する間隔で前記測定軸に
    沿って配置されている前記磁束結合ループの第2の結合
    ループ部分に導き、 前記第2の結合ループ部分を前記電流で駆動して前記第
    2及び第3の領域の各々に第2の変化磁束を生成し、 前記第2の変化磁束に応じて、第1の組の磁束センサ及
    び第2の組の磁束センサであって、前記第2及び第3の
    領域に隣接して配置されるとともに前記測定軸に沿って
    延び、前記第2の波長に対応する間隔で配置された第1
    の組の磁束センサ及び第2の組の磁束センサの各々に誘
    導的に信号を生成し、 前記第1及び第2の組の磁束センサの各々に生成された
    信号を検出し、 第2の磁界発生器であって、前記第2の部材の前記第2
    及び第3の領域に隣接して配置される第1及び第2の部
    分を有して前記第2の部材の前記第2及び第3の領域に
    第3の変化磁束を生成する第2の磁界発生器を変化電流
    で駆動し、 前記第3の変化磁束に応じて複数の磁束結合ループの各
    々の前記第2の結合ループ部分に誘導的に電流を生成
    し、 各磁束結合ループの前記第2の結合ループ部分に生成さ
    れた電流を前記磁束結合ループの前記第1の結合ループ
    部分に導き、 前記第1の結合ループ部分を前記電流で駆動して前記第
    1の領域に第4の変化磁束を生成し、 前記第4の変化磁束に応じて、第3の組の磁束センサで
    あって、前記第1の領域に隣接して配置されるとともに
    前記測定軸に沿って延び、前記第1の波長に対応する間
    隔で配置された第3の組の磁束センサに誘導的に信号を
    生成し、 前記第3の組の磁束センサの各々に生成された信号を検
    出し、 前記第1、第2及び第3の組の磁束センサの各々に生成
    された前記信号に基づき、前記測定軸に沿った前記第2
    の部材に対する前記第1の部材の絶対位置を決定するこ
    とを特徴とする絶対位置決定方法。
  25. 【請求項25】 測定軸に沿って第1の部材の第2の部
    材に対する絶対位置を決定する方法であって、 第1の磁界発生器を変化電流で駆動して前記第2の部材
    の第1の領域に第1の変化磁束を生成し、 前記第1の変化磁束に応じて、複数の磁束結合ループで
    あって、第1及び第2の組に分割され、該第1の組の結
    合ループ部分が前記第1の領域に前記測定軸に沿って第
    1の波長に対応する間隔で配置された複数の磁束結合ル
    ープの各々の第1の結合ループ部分に誘導的に電流を生
    成し、 各磁束結合ループの前記第1の結合ループ部分に生成さ
    れた前記電流を、前記磁束結合ループの第2の結合ルー
    プ部分であって、前記測定軸を横切る方向に前記第1の
    結合ループ部分から延び、前記第1及び第2の組の複数
    の磁束結合ループの各々の前記第2の結合ループ部分が
    前記第2の部材の第2及び第3の領域にそれぞれ位置す
    るとともに、第2の波長に対応する間隔で前記測定軸に
    沿って配置されている前記磁束結合ループの第2の結合
    ループ部分に導き、 前記第2の結合ループ部分を前記電流で駆動して前記第
    2及び第3の領域の各々に第2の変化磁束を生成し、 前記第2の変化磁束に応じて、第1の組の磁束センサ及
    び第2の組の磁束センサであって、前記第2及び第3の
    領域に隣接して配置されるとともに前記測定軸に沿って
    延び、前記第2の波長に対応する間隔で配置された第1
    の組の磁束センサ及び第2の組の磁束センサの各々に誘
    導的に信号を生成し、 前記第1及び第2の組の磁束センサの各々に生成された
    信号を検出し、 第2の磁界発生器及び第3の磁界発生器を変化電流で駆
    動して前記第2の部材の前記第2及び第3の領域に第3
    の変化磁束を生成し、 前記第3の変化磁束に応じて複数の磁束結合ループの各
    々の前記第2の結合ループ部分に誘導的に電流を生成
    し、 各磁束結合ループの前記第2の結合ループ部分に生成さ
    れた電流を前記磁束結合ループの前記第1の結合ループ
    部分に導き、 前記第1の結合ループ部分を前記電流で駆動して前記第
    1の領域に第4の変化磁束を生成し、 前記第4の変化磁束に応じて、第3の組の磁束センサで
    あって、前記第1の領域に隣接して配置されるとともに
    前記測定軸に沿って延び、前記第1の波長に対応する間
    隔で配置された第3の組の磁束センサに誘導的に信号を
    生成し、 前記第3の組の磁束センサの各々に生成された信号を検
    出し、 前記第1、第2及び第3の組の磁束センサの各々に生成
    された前記信号に基づき、前記測定軸に沿った前記第2
    の部材に対する前記第1の部材の絶対位置を決定するこ
    とを特徴とする絶対位置決定方法。
  26. 【請求項26】 第1の部材と、 第2の部材であって、前記第1の部材が測定軸に沿って
    前記第2の部材に対して移動可能である第2の部材と、 第1の磁界発生器であって、変化電流で駆動されている
    とき、前記第2の部材の第1の領域に第1の変化磁束を
    発生する第1の磁界発生器と、 第1及び第2の組の磁束センサであって、前記第2の部
    材の前記第1の領域から物理的に分離された第2及び第
    3の領域に隣接して配置されるとともに前記測定軸に沿
    って延び、且つ、第1の波長に対応する間隔で配置され
    た第1及び第2の組の磁束センサと、 第1の組及び第2の組に分割された複数の磁束結合ルー
    プであって、各磁束結合ループが第1の結合ループ部分
    及び第2の結合ループ部分を有し、前記第1の結合ルー
    プ部分は、第2の波長に対応する間隔で前記測定軸に沿
    って前記第1の領域に配置され、前記第2の結合ループ
    部分は、前記測定軸を横切る方向に前記第1の結合ルー
    プ部分から延び、前記第1及び第2の組の各々の前記第
    2の結合ループ部分は、前記第2の部材の前記第2及び
    第3の領域にそれぞれ配置されるとともに、前記第1の
    波長に対応する間隔で前記測定軸に沿って配置される複
    数の磁束結合ループと、 第1及び第2の部分を有する第2の磁界発生器であっ
    て、変化電流で駆動されているとき、前記第1及び第2
    の部分が前記第2の部材の前記第2及び第3の領域に第
    3の変化磁束をそれぞれ生成する第2の磁界発生器と、 第3の組の磁束センサであって、前記第1の領域に隣接
    して配置されるとともに前記測定軸に沿って延び、前記
    第2の波長に対応する間隔で配置された第3の組の磁束
    センサと、 前記第1、第2及び第3の組の磁束センサの各々に生成
    された信号に基づき、前記測定軸に沿った前記第2の部
    材に対する前記第1の部材の絶対位置を決定する信号処
    理回路とを備えた誘導型絶対位置検出装置であって、 前記第1の変化磁束に応じて前記複数の磁束結合ループ
    の各々の前記第1の結合ループ部分に誘導的に電流を生
    成し、 各磁束結合ループの前記第1の結合ループ部分に生成さ
    れた前記電流を当該磁束結合ループの前記第2の結合ル
    ープ部分に導き、該第2の結合ループ部分を前記電流で
    駆動して前記第2及び第3の領域の各々に第2の変化磁
    束を生成し、 前記第2の変化磁束に応じて前記第1の組の磁束センサ
    及び前記第2の組の磁束センサの各々に誘導的に信号を
    生成し、 前記第3の変化磁束に応じて前記複数の磁束結合ループ
    の各々の前記第2の結合ループ部分に誘導的に電流を生
    成し、 各磁束結合ループの前記第2の結合ループ部分に生成さ
    れた前記電流を当該磁束結合ループの前記第1の結合ル
    ープ部分に導き、該第1の結合ループ部分を前記電流で
    駆動して前記第1の領域に第4の変化磁束を生成し、 前記第4の変化磁束に応じて前記第3の組の磁束センサ
    に誘導的に信号を生成することを特徴とする誘導型絶対
    位置検出装置。
  27. 【請求項27】 第1の部材と、 第2の部材であって、前記第1の部材が測定軸に沿って
    前記第2の部材に対して移動可能である第2の部材と、 第1の磁界発生器であって、変化電流で駆動されている
    とき、前記第2の部材の第1の領域に第1の変化磁束を
    発生する第1の磁界発生器と、 第1及び第2の組の磁束センサであって、前記第2の部
    材の前記第1の領域から物理的に分離された第2及び第
    3の領域に隣接して配置されるとともに前記測定軸に沿
    って延び、且つ、第1の波長に対応する間隔で配置され
    た第1及び第2の組の磁束センサと、 第1の組及び第2の組に分割された複数の磁束結合ルー
    プであって、各磁束結合ループが第1の結合ループ部分
    及び第2の結合ループ部分を有し、前記第1の結合ルー
    プ部分は、第2の波長に対応する間隔で前記測定軸に沿
    って前記第1の領域に配置され、前記第2の結合ループ
    部分は、前記測定軸を横切る方向に前記第1の結合ルー
    プ部分から延び、前記第1及び第2の組の各々の前記第
    2の結合ループ部分は、前記第2の部材の前記第2及び
    第3の領域にそれぞれ配置されるとともに、前記第1の
    波長に対応する間隔で前記測定軸に沿って配置される複
    数の磁束結合ループと、 変化電流で駆動されているとき、前記第2の部材の前記
    第2及び第3の領域に第3の変化磁束をそれぞれ生成す
    る第2及び第3の磁界発生器と、 第3の組の磁束センサであって、前記第1の領域に隣接
    して配置されるとともに前記測定軸に沿って延び、前記
    第2の波長に対応する間隔で配置された第3の組の磁束
    センサと、 前記第1、第2及び第3の組の磁束センサの各々に生成
    された信号に基づき、前記測定軸に沿った前記第2の部
    材に対する前記第1の部材の絶対位置を決定する信号処
    理回路とを備えた誘導型絶対位置検出装置であって、 前記第1の変化磁束に応じて前記複数の磁束結合ループ
    の各々の前記第1の結合ループ部分に誘導的に電流を生
    成し、 各磁束結合ループの前記第1の結合ループ部分に生成さ
    れた前記電流を当該磁束結合ループの前記第2の結合ル
    ープ部分に導き、該第2の結合ループ部分を前記電流で
    駆動して前記第2及び第3の領域の各々に第2の変化磁
    束を生成し、 前記第2の変化磁束に応答して前記第1の組の磁束セン
    サ及び前記第2の組の磁束センサの各々に誘導的に電流
    を生成し、 前記第3の変化磁束に応じて前記複数の磁束結合ループ
    の各々の前記第2の結合ループ部分に誘導的に信号を生
    成し、 各磁束結合ループの前記第2の結合ループ部分に生成さ
    れた前記電流を当該磁束結合ループの前記第1の結合ル
    ープ部分に導き、該第1の結合ループ部分を前記電流で
    駆動して前記第1の領域に第4の変化磁束を生成し、 前記第4の変化磁束に応じて前記第3の組の磁束センサ
    に誘導的に信号を生成することを特徴とする誘導型絶対
    位置検出装置。
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