JP2000179348A - ターボチャージャ - Google Patents

ターボチャージャ

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JP2000179348A
JP2000179348A JP10359406A JP35940698A JP2000179348A JP 2000179348 A JP2000179348 A JP 2000179348A JP 10359406 A JP10359406 A JP 10359406A JP 35940698 A JP35940698 A JP 35940698A JP 2000179348 A JP2000179348 A JP 2000179348A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気通路のバイパスに設けられた調節弁を不
要にするとともに、排気エネルギをさらに効率的に利用
できるようにする。 【解決手段】 内燃機関の排気通路に設けられ排気圧力
により回転駆動する第一のタービンの上流側と下流側と
を連通するバイパスを通過する排気により第二のタービ
ンを駆動し、この第二のタービンにより回転駆動する発
電機の回転速度、内燃機関の回転速度、およびブロア下
流側の過給圧力を制御情報として発電機に供給する界磁
電流を調節制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関に利用す
る。本発明は、内燃機関の吸気圧力をその内燃機関の排
気圧力を利用して加圧するターボチャージャの改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の排気通路に設けられ排気圧力
により回転駆動するタービンと、その内燃機関の吸気通
路に設けたブロアとを備え、このブロアの回転軸を前記
タービンの回転軸に連結し、排気圧力を利用して吸気圧
力を加圧することにより内燃機関の効率を改善するター
ボチャージャ(過給装置)が広く知られている。
【0003】このようなターボチャージャは、排気通路
に設けたタービンの上流側通路と下流側通路とを連通す
るバイパスと、このバイパスの流量を加減する調節弁
(ウエイスト・ゲートバルブ)とを設け、この調節弁を
加減することにより、タービンの回転速度を調節するよ
うに構成されている。すなわち、この調節弁を閉じる方
向に制御すると、バイパスを通過する流量が小さくなり
タービンを通過する排気流量が大きくなるからタービン
は高速に回転することになり、この調節弁を開く方向に
制御すると、バイパスを通過する排気流量が大きくなっ
て、相対的にタービンを通過する排気流量が小さくなる
からタービンは低速に回転するようになる。
【0004】一般に、このようなターボチャージャを設
けて、排気通路を通過する排気によるエネルギを吸気圧
力の加圧に利用しても、なお排気通路を通過する排気は
高温であり、その流速は大きく、排気通路で利用するこ
とができるエネルギを無駄に大気に排出していることに
なる。
【0005】これをさらに利用してエネルギ利用効率を
向上するために、図5(a)に示すように、前記バイ
パスにもう一つタービンを設けて、このタービンにより
内燃機関の主回転軸を駆動加速するように構成した装置
が提案された(実公昭62−46825号公報)。ま
た、図5(b)に示すように、同様にエネルギ利用効
率を向上させるために、ターボチャージャの回転軸に発
電機を連結する装置(特開平6−336933号公
報)、図5(c)に示すように、ターボチャージャの
タービンの供給路に第二のタービンを設けて、これに発
電機を連結する装置(特公平4−5804号公報)、あ
るいは本願出願人が提案した装置であって、図5
(d)に示すように、前記バイパスに第二のタービンを
設けて、この第二のタービンに発電機を連結する装置
(特願平9−609292号、本願出願時において未公
開)などが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来技術
は、ターボチャージャに利用してもなお排気通路で利用
できるエネルギを効率的に利用するものであるが、ター
ボチャージャの回転速度を優先的に制御するために、バ
イパスには調節弁(ウエイスト・ゲートバルブ)を必ず
設ける必要があった。
【0007】このように、バイパスに調節弁を設けるこ
とは、この調節弁を駆動するアクチュエータを設ける必
要があり機構的に複雑になる。また、調節弁は常時高温
にさらされるのでこの高温環境に対応できる耐久性のあ
るものが必要となり、さらに、排気ガスが調節弁を通過
することによるエネルギ損失を生じ利用効率を低下させ
る。
【0008】本発明は、このような背景に行われたもの
であって、排気通路で利用することができるエネルギを
効率的に利用するものであって、しかもバイパスに設け
る調節弁を不要にすることができるターボチャージャを
提供することを目的とする。本発明は、調節弁を不要と
することにより機構を簡単化するとともに、その調節弁
を駆動する機構を不要とするターボチャージャを提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ターボチャー
ジャの駆動用タービンに供給する排気圧力を調節するた
めに、開閉弁に代えて第二のタービンと、その第二のタ
ービンに連結された発電機とを備え、この発電機の負荷
電流を調節することにより、実質的に駆動用タービンに
供給する排気圧力を調節することを特徴とする。
【0010】すなわち、本発明は、内燃機関の排気通路
に設けられ排気圧力により回転する第一のタービンと、
このタービンの回転軸に連結され前記内燃機関の吸気を
加圧するブロアと、排気通路の前記タービンの上流側と
下流側とを連通するバイパスと、このバイパスの流量を
加減する調節弁とを備えたターボチャージャにおいて、
前記調節弁に代えて、前記バイパスを通過する排気圧力
により回転する第二のタービンと、この第二のタービン
の回転軸に連結された発電機と、この発電機の負荷電流
を調節する手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】前記負荷電流を調節する手段は、前記発電
機の界磁電流を調節する手段と、前記内燃機関の回転を
検出する第一の回転センサと、前記発電機の回転を検出
する第二の回転センサと、前記ブロアの下流側吸気圧力
を検出する圧力センサと、前記二つの回転センサおよび
この圧力センサの出力を取込み演算パラメタとする制御
回路とを含むことが望ましい。
【0012】さらに、前記発電機の負荷電流を前記内燃
機関の蓄電装置の充電電流として供給する電気回路を備
え、前記発電機は交流発電機であり、前記電気回路はイ
ンバータを含み、前記制御回路の制御出力はこのインバ
ータの制御入力に接続されることが望ましい。
【0013】内燃機関からの排気は、排気通路およびこ
の排気通路から分岐したバイパスに分流する。排気通路
に分流した排気は第一のタービンを回転駆動し、この第
一のタービンの駆動力によりブロアが回転して内燃機関
の吸気圧力を昇圧させ高密度の空気をシリンダ内に供給
する。
【0014】一方、バイパスに分流した排気は、第二の
タービンを回転駆動し、この第二のタービンの駆動力に
より発電機が回転して電気エネルギを発生する。この発
電機の負荷電流を調節することにより発生する電気エネ
ルギを制御して第二のタービンにかかる負荷を調節する
ことができる。
【0015】負荷電流の調節は発電機に与える界磁電流
を調節することにより行う。発電機の負荷を大きくする
ときは界磁巻線の電流位相の進角を大きくし、発電機の
負荷を小さくするときは供給する界磁巻線の電流位相の
進角を小さくする。これにより、第二のタービンにかか
る負荷を調節することができる。
【0016】すなわち、第二のタービンにかかる負荷を
大きくすると、バイパス側に流入した排気ガスの受ける
抵抗は大きくなり、実質的に管路が絞られたことと同じ
になってバイパス側への排気の流入量は減少する。ま
た、第二のタービンにかかる負荷を小さくすると、バイ
パス側に流入した排気ガスの受ける抵抗は小さくなり、
実質的に管路が開放されたことと同じになってバイパス
側への排気の流量は増大する。
【0017】このように発電機の負荷電流を調節するこ
とにより、実質的にバイパス側管路を開閉する機能をも
たせることができ、バイパス側に調節弁を設けなくて
も、バイパス側の排気の流量を制御することが可能とな
り、排気エネルギを効率的に利用することができる。さ
らに、調節弁が不要になるので開閉弁を駆動する機能が
不要となり、排気の分流制御に必要とされる機構全体を
簡単化することができる。
【0018】発電機の負荷電流の調節は制御回路の制御
にしたがって行う。制御回路は制御情報として、第一の
回転センサ、第二の回転センサおよび圧力センサから内
燃機関の回転速度、発電機の回転速度およびブロアの下
流側の吸気圧力を取込み、これらの検出出力を演算パラ
メタとして発電機の負荷電流を制御する。すなわち、内
燃機関への吸気量を増大させるときは発電機への界磁巻
線の電流位相を大きくし、内燃機関への吸気量を減少さ
せるときは界磁巻線の電流位相を小さくする制御を行
う。
【0019】発電機が発生した負荷電流は内燃機関の蓄
電装置に充電電流として供給する。発電機には交流発電
機を用い、発生した交流電気エネルギをインバータによ
り直流電気エネルギに変換し蓄電装置に充電する。この
ようにしてインバータを制御することにより発電機の負
荷電流を調節することができる。
【0020】本願出願人がHIMRの名称で実用化して
いるハイブリッド自動車に本発明を適用した場合は、す
でにインバータが実装されているので、そのインバータ
を利用し蓄電池への充電を行うことができる。また、内
燃機関の駆動力だけで走行する通常の自動車に適用した
場合には、従来装着されていた充電用発電機を廃止する
ことができ、装着を要することがあればその容量を小さ
くすることができる。
【0021】この蓄電装置への充電は、常に定格充電容
量まで充電させたのでは、第二のタービンにより駆動さ
れる発電機が発生する電気エネルギを効率的に回生させ
ることはできない。一方、そのために充電の目標容量を
あまり低く設定すると、運転状況によって始動を多数回
繰り返さなければならないことが発生したときなどに充
電されたエネルギを消費しきってしまう事態が起こり得
る。
【0022】このようなことから、本発明の装置では、
その目標容量を制動装置の性能、自動車の運転状態、蓄
電装置の絶対容量、使用温度、その他各種の条件により
選択設定し、蓄電装置の充電状態が定常状態においてそ
の定格充電容量より小さい所定の目標容量になるように
制御する。その目標容量としては50%〜70%が適当
である。
【0023】蓄電装置に充電された電気エネルギが次第
に大きくなり、目標容量を越えるようになると、制御回
路は内燃機関の回転駆動により発生する電気エネルギを
抑制するとともに、補助駆動力などにより積極的に消費
する制御を行い、充電量が設定された目標容量を越えな
いようにする。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の特徴とするところは、タ
ーボチャージャの駆動用タービンに供給する排気圧力を
調節するための手段として、開閉弁(ウエイスト・ゲー
トバルブ)に代えて、第二のタービン、およびこの第二
のタービンに連結された発電機を備え、この発電機の負
荷電流を調節することにより、内燃機関への過給を行う
第一のタービンへの排気圧力を実質的に調節することに
ある。
【0025】図1は本発明によるターボチャージャの基
本的構成を示す図である。
【0026】本発明によるターボチャージャは、内燃機
関3の排気通路4に設けられ排気圧力により回転する第
一のタービン1と、この第一のタービン1の回転軸に連
結され内燃機関3の吸気を加圧するブロア5と、排気通
路4の第一のタービン1の上流側と下流側とを連通する
バイパス6と、このバイパスの流量を加減する調節弁に
代えて備えられたバイパス6を通過する排気圧力により
回転する第二のタービン2、この第二のタービン2の回
転軸に連結された発電機7およびこの発電機7の負荷電
流を調節する制御回路10とにより基本的に構成され
る。
【0027】第一のタービン1は内燃機関3の排気通路
から排気される排気ガスの圧力により回転力を受けてブ
ロア5を回転駆動し過給を行う。一方、バイパス6に分
流した排気流は第二のタービン2に回転力を与え、この
回転力により発電機7を駆動する。制御回路10は第一
の回転センサ11、第二の回転センサ12および圧力セ
ンサ8の出力を取込み、これらの制御情報を演算パラメ
タとして発電機7の界磁巻線に与える電流位相を制御す
る。
【0028】すなわち、第一のタービン1による内燃機
関の過給を大きくする場合には、界磁巻線に与える電流
位相の進角を大きくする。これにより発電機7の負荷が
大きくなり、実質的にバイパス6の管路が絞られ、第一
のタービン1側への排気ガスの量が増加して、ブロア5
による過給量が増大する。
【0029】また、過給を小さくする場合には、界磁巻
線に与える電流位相の進角を小さくする。これにより、
発電機7の負荷が小さくなって実質的にバイパス6の管
路が開放され、第一のタービン1側への排気ガスの流量
が減少し過給量は小さくなる。
【0030】
【実施例】(第一実施例)次に、本発明第一実施例を図
面に基づいて説明する。図2は本発明第一実施例の要部
の構成を示すブロック図である。本第一実施例はハイブ
リッド自動車を例に説明する。
【0031】本発明第一実施例は、内燃機関3の排気通
路4に設けられ排気圧力により回転する第一のタービン
1と、この第一のタービン1の回転軸に連結され内燃機
関3の吸気を加圧するブロア5と、排気通路の第一のタ
ービン1の上流側と下流側とを連通するバイパス6と、
このバイパス6を通過する排気圧力により回転する第二
のタービン2と、この第二のタービン2の回転軸に連結
された発電機7と、この発電機7の負荷電流を調節する
手段とが備えられる。
【0032】前記負荷電流を調節する手段には、発電機
7の界磁電流を調節する手段と、内燃機関3の回転を検
出する第一の回転センサ11と、発電機7の回転を検出
する第二の回転センサ12と、ブロアの下流側吸気圧力
を検出する圧力センサ8と、第一の回転センサ11、第
二の回転センサ12およびこの圧力センサ8の出力を取
込み演算パラメタとする制御回路10とが含まれる。
【0033】さらに、発電機7の負荷電流を内燃機関3
の蓄電装置21の充電電流として供給する電気回路が備
えられ、発電機7には交流発電機が用いられ、前記電気
回路にはインバータ9が含まれる。制御回路10の制御
出力はこのインバータ9の制御入力に接続される。
【0034】内燃機関3の回転軸には電動発電機22が
直結され、この電動発電機22の交流回路と蓄電装置2
1の直流回路とを双方向に電気エネルギを変換して結合
する主インバータ23と、この主インバータ23を制御
するプログラム制御回路20とが備えられる。
【0035】制御回路10とプログラム制御回路20と
は通信手段24により接続され、ブロア5はクーラ25
を介して内燃機関3の吸気通路に接続される。
【0036】インバータ9を制御する制御回路10は、
主インバータ23を制御するプログラム制御回路20の
内部に設ける構成にすることもでき、このような一体構
成にすることによって制御系の統合をはかることができ
る。また、保守点検を行ないやすくし、かつ製造コスト
を低減することができる。
【0037】次に、このように構成された本発明第一実
施例の制御動作について説明する。
【0038】内燃機関3の排気流は排気通路4を通って
第一のタービン1に供給される。第一のタービン1はこ
の排気流の供給によって回転駆動し、直結されたブロア
5に回転力を与える。このブロア5の回転により外気が
取り込まれ、クーラ25により冷却されて高密度となっ
た空気が内燃機関3内のシリンダに供給される。
【0039】内燃機関3からの排気ガス量が増加すれば
第一のタービン1の駆動力が増大し、これにともなって
ブロア5の回転速度が増加し、内燃機関3への空気供給
量が増大する。排気ガスの量が減少すれば第一のタービ
ン1への排気量は少なくなり内燃機関3への空気の過給
量は減少する。
【0040】このようにして内燃機関3から排出される
排気を動力源として内燃機関3への過給を行う。この過
給時に、制御回路10は、制御情報として、第一の回転
センサ11、第二の回転センサ12、および圧力センサ
8から内燃機関3の回転速度、発電機7の回転速度、お
よびブロア5の下流側の吸気圧力を取込み、その検出出
力に基づいてインバータ9を制御して発電機7の界磁電
流を調節し、内燃機関3の低、中、高速回転域にマッチ
ングした過給を行う。
【0041】発電機7が発電する発電量とバイパス6か
ら第二のタービン2に供給する排気ガス量との関係はあ
らかじめ設定することができる。したがって、バイパス
6側に分岐させる排気ガス量は発電機7の発電量を調節
することによって制御することができる。
【0042】図3は本発明第一実施例における発電機の
発電量とバイパスへの排気ガス量との関係の一例を示す
図である。このように発電機7に発生させる発電量を増
大させるとバイパス6に流入する排気ガス量は減少す
る。発電機7に発生させる発電量を少なくするとバイパ
ス6に流入する排気ガス量は増加する。
【0043】一方、第二のタービン2にかかる負荷が大
きければ、バイパス6に流入した排気ガスの受ける抵抗
は大きくなり、内燃機関3から排出された排気ガスのバ
イパス6に流入する量は減少する。これにより第一のタ
ービン1への排気ガス量が増加して回転駆動力が大きく
なり、第一のタービン1に連結されたブロア5による内
燃機関3への過給量が大きくなる。すなわち調節弁を絞
った状態と同じになる。
【0044】また、第二のタービン2にかかる負荷が小
さければ、バイパス6に流入した排気ガスの受ける抵抗
は小さくなり、内燃機関3から排出された排気ガスのバ
イパス6に流入する量は増加する。これにより第一のタ
ービン1への排気ガス量は減少して回転駆動力は小さく
なり、ブロア5による内燃機関3への過給量が少なくな
る。すなわち調節弁を開放した状態と同じになる。
【0045】このような発電機7の発電量とバイパス6
への排気ガス量との関係を利用して、制御回路10は、
取込んだ内燃機関3の回転速度、発電機7の回転速度、
およびブロア5の下流側の圧力値を演算パラメタとし、
内燃機関3への過給量を演算し、その演算値に基づく制
御信号をインバータ9に送出する。インバータ9はこの
制御信号にしたがって、発電機7に供給する界磁電流を
調節する。
【0046】界磁電流の位相進角量を大きく制御すると
発電機7により発電される発電量は大きくなり、第二の
タービン2が受ける負荷は大きくなる。また、界磁電流
の位相進角量を小さくした場合には発電機7が発電する
発電量は小さくなり、第二のタービン2が受ける負荷は
小さくなる。このような制御を行うことにより内燃機関
3に供給する吸気の量を制御することができる。
【0047】発電機7が発生した交流電気エネルギは制
御回路10の制御にしたがってインバータ9で直流電気
エネルギに変換され蓄電装置21に充電される。
【0048】すなわち制御回路10は、通信手段24を
介してプログラム制御回路20から蓄電装置21の端子
電圧を取込み、発電機7からインバータ9に供給され変
換された直流電力の電圧が蓄電装置21の端子電圧を越
えたか否かを判定し、越えていればインバータ9を充電
側に制御し蓄電装置21への充電を行う。インバータ9
により変換された直流電力の電圧が蓄電装置21の端子
電圧を下回ったときには、インバータ9からの蓄電装置
21への充電を停止する。
【0049】蓄電装置21の端子電圧は一定ではなく常
時変動する。すなわち、プログラム制御回路20の制御
により、補助制動時には内燃機関3の回転軸に連結され
た電動発電機22からの交流出力が主インバータ23で
直流電力に変換され、蓄電装置21に回生充電される。
また、補助加速時には蓄電装置21から直流電力が取り
出され、主インバータ23で交流電力に変換され電動発
電機22が電動機として駆動し補助加速が行われる。そ
のために蓄電装置21の端子電圧は、通常走行時、補助
加速時および補助制動時によってその端子電圧の値がそ
れぞれ異なる。プログラム制御回路20は蓄電装置21
からその端子電圧の値を常時取込み、制御回路10は通
信手段24を介してこの値を入力し、発電出力をその端
子電圧に対し所定電圧だけ越えるように制御を行い、イ
ンバータ9により蓄電装置21への回生充電を行う。
【0050】発電機7による蓄電装置21への充電は、
常に定格充電容量まで充電させたのでは、満杯の状態に
あって第二のタービン2により駆動される発電機7の発
生する電気エネルギを効率的に回生させることはできな
い。また、充電の目標容量をあまり低く設定すると、運
転状況によって始動を多数回繰り返さなければならない
ことが発生したときなどに充電されたエネルギを消費し
きってしまう。
【0051】このようなことを回避するために、その目
標容量を制動装置の性能、自動車の運転状態、蓄電装置
21の絶対容量、使用温度、その他各種の条件により選
択設定し、蓄電装置21の充電状態が定常状態において
その定格充電容量より小さい所定の目標容量になるよう
に制御する。その目標容量としては50%〜70%が望
ましい。
【0052】蓄電装置21に充電された電気エネルギが
次第に大きくなり、目標容量を越えるようになると、制
御回路は内燃機関3の回転駆動により発生する電気エネ
ルギを抑制して、補助駆動力などにより積極的に消費さ
せ、充電量が設定された目標容量を越えないように制御
する。
【0053】(第二実施例)図4は本発明第二実施例の
要部の構成を示すブロック図である。本第二実施例は内
燃機関だけにより走行する車両に適用した例を示したも
のである。
【0054】本発明第二実施例は、図2に示す第一実施
例の構成から主インバータ23、この主インバータ23
を制御するプログラム制御回路20および通信手段24
が取除かれる。その他は第一実施例同様に構成され、制
御回路10による発電機7の界磁電流調節制御が同様に
行われる。第二実施例の場合は、従来実装されていた内
燃機関3により駆動される充電用発電機をなくすことが
でき、実装を要する場合でもその容量を小さくすること
ができる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、バ
イパス管路からの排気ガスにより回転駆動される発電機
の負荷電流を調節することにより、実質的にバイパス側
管路を開閉する機能をもたせることができ、バイパス側
に調節弁を設けなくても、バイパス側に分岐させる排気
の流量を制御することが可能となり、排気エネルギを効
率的に利用することができる。さらに、調節弁が不要に
なるので、開閉弁を駆動する機構が不要となり、排気の
分流制御に必要とされる機構全体を簡単化することがで
きる。内燃機関の駆動力だけで走行を行う通常の自動車
に適用した場合には、従来実装されていた充電用発電機
を廃止することができ、実装を要する場合にはその容量
を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるターボチャージャの基本的構成を
示す図。
【図2】本発明第一実施例の要部の構成を示すブロック
図。
【図3】本発明第一実施例における発電機の発電量とバ
イパスへの排気ガス量との関係の一例を示す図。
【図4】本発明第二実施例の要部の構成を示すブロック
図。
【図5】(a)〜(d)は従来例の要部の構成を示すブ
ロック図。
【符号の説明】
1 第一のタービン 2 第二のタービン 3 内燃機関 4 排気通路 5 ブロア 6 バイパス 7 発電機 8 圧力センサ 9 インバータ 10 制御回路 11 第一の回転センサ 12 第二の回転センサ 20 プログラム制御回路 21 蓄電装置 22 電動発電機 23 主インバータ 24 通信手段 25 クーラ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気通路に設けられ排気圧力
    により回転する第一のタービンと、このタービンの回転
    軸に連結され前記内燃機関の吸気を加圧するブロアと、
    排気通路の前記タービンの上流側と下流側とを連通する
    バイパスと、このバイパスの流量を加減する調節弁とを
    備えたターボチャージャにおいて、 前記調節弁に代えて、前記バイパスを通過する排気圧力
    により回転する第二のタービンと、この第二のタービン
    の回転軸に連結された発電機と、この発電機の負荷電流
    を調節する手段とを備えたことを特徴とするターボチャ
    ージャ。
  2. 【請求項2】 前記負荷電流を調節する手段は、前記発
    電機の界磁電流を調節する手段を含む請求項1記載のタ
    ーボチャージャ。
  3. 【請求項3】 前記負荷電流を調節する手段は、前記内
    燃機関の回転を検出する第一の回転センサと、前記発電
    機の回転を検出する第二の回転センサと、前記ブロアの
    下流側吸気圧力を検出する圧力センサと、前記二つの回
    転センサおよびこの圧力センサの出力を取込み演算パラ
    メタとする制御回路とを含む請求項2記載のターボチャ
    ージャ。
  4. 【請求項4】 前記発電機の負荷電流を前記内燃機関の
    蓄電装置の充電電流として供給する電気回路を備えた請
    求項2記載のターボチャージャ。
  5. 【請求項5】 前記発電機は交流発電機であり、前記電
    気回路はインバータを含み、前記制御回路の制御出力は
    このインバータの制御入力に接続された請求項4記載の
    ターボチャージャ。
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