JP2000178998A - 建設機械 - Google Patents

建設機械

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JP2000178998A
JP2000178998A JP10351820A JP35182098A JP2000178998A JP 2000178998 A JP2000178998 A JP 2000178998A JP 10351820 A JP10351820 A JP 10351820A JP 35182098 A JP35182098 A JP 35182098A JP 2000178998 A JP2000178998 A JP 2000178998A
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compressed air
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hollow
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JP10351820A
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Inventor
Yasuhisa Yabuki
泰久 矢吹
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業中であってもブームに発生するクラック
の場所を早期に確定し、ブームの損傷が大きくなる前に
修理をすることができる。 【解決手段】 ブームを構成する下側フランジ35と隔
壁板40Cとは溶接ビード42によって固着され、この
溶接ビード42には半固形塗料44が塗布される。ま
た、各板で画成される中空室41B,41C内には圧縮
空気が供給される。これにより、作業中にクラックCが
発生した場合には、このクラックCからブームの表面塗
装とは異なった色となった半固形塗料44がしみ出す。
この結果、オペレータはクラックCが発生した場所を早
期に確定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車体と該車体に設
けられたフロントとを備えてなる形式の建設機械に関
し、特に、車体、フロント等を溶接手段によって内部が
中空室となった中空構造体として形成してなる建設機械
に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、従来技術による建設機械として油
圧ショベルを例に挙げ、図7ないし図10を参照しつつ
説明する。
【0003】1は油圧ショベルで、該油圧ショベル1
は、下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭
載された上部旋回体3と、該上部旋回体3の前側に俯仰
動可能に設けられたフロント4とによって大略構成され
ている。
【0004】ここで、下部走行体2は、左,右に位置し
て前後方向に延びる一対のサイドフレーム2A(一方の
み図示)と、該各サイドフレーム2A間に跨いで設けら
れたセンタフレーム2Bとからなり、前記各サイドフレ
ーム2A、センタフレーム2Bの一部または全部には、
溶接手段によって内部に中空室が画成された中空構造体
として構成されている。
【0005】また、上部旋回体3は、旋回フレーム3A
上に設けられた機械室を画成する建屋カバー3Bと、該
建屋カバー3Bの前部左側にベッドフレーム3Cを介し
て設けられた運転室を画成するキャブ3Dと、前記建屋
カバー3Bの後側に位置して前記旋回フレーム3Aの後
部に設けられたカウンタウエイト3Eとによって大略構
成されている。
【0006】また、フロント4は、中空構造体をなすブ
ーム5と、同じく中空構造体をなすアーム6と、該アー
ム6の先端に取付けられた作業具としてのバケット7
と、ブーム5,アーム6,バケット7を作動させるため
に設けられたアクチュエータとしてのブームシリンダ
8,アームシリンダ9,バケットシリンダ10とにより
大略構成されている。そして、ブーム5,アーム6,バ
ケット7は、オペレータがキャブ3D内の運転席に着座
して操作レバー(いずれも図示せず)を操作することに
よって作動し、土砂の掘削作業等を行うものである。
【0007】図8は中空構造体の一例として、フロント
4を構成するブーム5を示したもので、ブーム5は、略
「へ」字状に形成された左側ウェブ11と、該左側ウェ
ブ11と対向して同じく略「へ」字状に形成された右側
ウェブ12と、該ウェブ11,12の上側に位置して設
けられた上側フランジ13と、前記ウェブ11,12の
下側に位置して設けられた下側フランジ14と、前記
左,右のウェブ11,12の基端側に位置して形成さ
れ、上部旋回体3の取付位置(図示せず)に俯仰動可能
にピン結合されるブームフート部15と、前記左,右の
ウェブ11,12の先端側に位置して形成され、アーム
6を俯仰動可能にピン結合するブーム先端部16とによ
って大略構成されている。そして、上側フランジ13の
上側には、アームシリンダ9が取付けられるアームシリ
ンダ取付部17が設けられ、左,右のウェブ11,12
には、ブームシリンダ8が取付けられるブームシリンダ
取付部18が設けられている。
【0008】19A,19B,…,19Eはブーム5内
の適宜の位置に設けられる例えば5枚の隔壁板(全体と
して隔壁板19という)で、該隔壁板19A〜19E
は、図9に示すように、左,右のウェブ11,12、上
側フランジ13、下側フランジ14で囲まれたボックス
内に嵌め込まれ、当該ブーム5の強度を高めるようにし
ている。
【0009】20A,20B,20C,20Dはブーム
5内に画成された中空室(全体として中空室20とい
う)で、該中空室20A〜20Dは、ウェブ11,1
2、上側フランジ13、下側フランジ14および隔壁板
19A〜19Eによって、ブーム5内を例えば4個の部
屋に分けて画成されている。
【0010】21,21,…は溶接部位となる溶接ビー
ドで、該各溶接ビード21は、左,右のウェブ11,1
2、上側フランジ13、下側フランジ14および隔壁板
19A〜19Eの端部を互いに接合するものである。
【0011】なお、11Aは隔壁板19の4辺をウェブ
11,12、上側フランジ13、下側フランジ14に溶
接によって固着するため、ウェブ11に形成された溶接
施工用の穴を塞ぐ板材である。
【0012】このように構成される油圧ショベル1で
は、オペレータがキャブ3D内のレバー、ペダル(いず
れも図示せず)等を操作し、建屋カバー3B内の油圧ポ
ンプ(図示せず)から流出される圧油を下部走行体2に
供給することにより、該下部走行体2を走行させる。ま
た、油圧ショベルは、油圧ポンプからの圧油を各給排配
管(図示せず)を経由してフロント4のシリンダ8,
9,10を作動させることにより、バケット7によって
土砂の掘削作業等を行う。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、油圧ショベ
ルは、種々の作業現場で稼働するため、比較的長い機械
寿命を持たせるように設計、製造されている。しかし、
油圧ショベルによっては、過酷な作業条件で長い年月稼
働するような場合もある。このため、例えばブーム5等
の中空構造体には、高応力が加わった状態が長く続くこ
ともあり、応力疲労を起こし、ブーム5の溶接ビード2
1近傍にクラックCが発生する場合もある。また、下部
走行体2のサイドフレーム2A、センタフレーム2B等
も溶接による中空構造体であるから、これらにもクラッ
クが発生する場合がある。
【0014】例えば、図10に示すように、下側フラン
ジ14と隔壁板19Cとを固着した溶接ビード21近傍
の下側フランジ14に応力疲労によってクラックCが発
生した場合、この種のクラックCは、初めに溶接ビード
21の近傍に発生した後、時間経過に伴って溶接ビード
21に沿って進展し、ブーム5に大きな損傷を与えてし
まうこともある。そして、このクラックCを気づかずに
放置しておくと、ブーム5を破損してしまう虞れもあ
り、その後の修理に多大な時間と労力を費やすことにな
る。
【0015】このため、ブーム5等にクラックCが発生
した場合には、クラックCをできるだけ早期に発見して
損傷が少ないうちに修理することが望ましい。しかし、
油圧ショベル等の建設機械は、絶えず野天に晒され、し
かも土埃の中で駆動しているため、ブーム5等の表面に
は埃が付着し易く、クラックCの発生を初期状態で発見
することは非常に困難であった。
【0016】また、通常ブーム5等の表面には塗装が施
されているが、長い年月稼働していると、ブーム5の表
面の塗装にひび割れや剥離が発生することもある。この
ため、ブーム5の表面を見ただけでは、ブーム5にクラ
ックCが発生しているのか、塗装剥離が発生しているの
か、両者の判別が非常に困難となる。この結果、オペレ
ータが目視によってクラックCを発見することは非常に
難しく、クラックCを早期に発見することは殆どできな
いのが実情であった。
【0017】一方、ブーム5に発生したクラックCを発
見する方法として、ブーム5の表面に付着した埃をウエ
ス等で払った上で、その表面に探傷用塗料を塗って、ク
ラックCに浸透した塗料を見てクラックCを発見する方
法や、ベテランの整備士が目視で検査する方法等が定期
点検として採用されている。しかし、いずれの方法でも
時間と労力を費やしてしまい、簡単な点検でクラックC
を探査することは不可能であった。
【0018】さらに、前述した方法でブーム5等のクラ
ックCを点検するためには、一時的に作業を休止して点
検を実施しなくてはならず、いずれの方法でも、作業中
に発生したクラックCを早期に発見することはできなか
った。
【0019】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明はフロントを構成する中空構造体
にクラックが発生した場合、これを早期に発見すること
のできる建設機械を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1に記載の発明は、車体と、該車体に設
けられたフロントとを備え、該フロント、車体の一部を
溶接手段によって接合され内部に中空室が画成された中
空構造体として形成してなる建設機械において、前記中
空構造体には、溶接部位のクラックを探査するために中
空室内に圧縮空気を供給する気体供給口を設けたことを
特徴としている。
【0021】このように構成したことにより、中空構造
体に設けた気体供給口を用いて中空室内に圧縮空気を供
給しておくと、中空構造体にクラックが発生した場合、
このクラックによる微小な隙間から圧縮空気が勢いよく
噴き出し、シューシューという音が発生する。このよう
に、オペレータは、圧縮空気がクラックから漏れるとき
のシューシュー音によって、中空構造体にクラックが発
生したことを探査することができる。
【0022】請求項2の発明は、中空構造体の接合部位
に、内側から少なくともその接合部位に半固形塗料を塗
布したことにある。これにより、中空構造体にクラック
が発生した場合、半固形塗料は圧縮空気に押されてこの
クラックからしみ出し、中空構造体の表面に滲み出す。
これにより、オペレータは、中空構造体に生じたクラッ
クの位置を特定することができる。
【0023】請求項3の発明は、圧縮空気に、着色され
た発煙空気を混入したことにある。これにより、中空構
造体にクラックが発生した場合には、このクラックによ
る微小な隙間から着色された発煙空気が混入した圧縮空
気が勢いよく噴き出す。このとき、漏れ出す圧縮空気は
着色されているから、オペレータはクラックから噴き出
すシューシュー音を聞くのみでなく、着色された圧縮空
気が漏れるのを目視することによってもクラックの位置
を特定することができる。
【0024】請求項4の発明は、中空構造体に中空室内
に供給された圧縮空気の圧力を検出するための圧力セン
サを設けたことにある。
【0025】このように、中空構造体にクラックが発生
した場合には、このクラックから中空室内の圧縮空気が
噴き出し、中空室内の圧力が低下するから、圧力センサ
から出力される信号を例えば運転室内でモニタすること
により、オペレータはモニタによって、クラックの発生
を知ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るの実施の形態
を、図1ないし図6を参照しつつ詳細に説明する。な
お、本実施の形態では前述した従来技術と同一の構成要
素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとす
る。
【0027】まず、図1ないし図3に基づいて、本発明
による第1の実施の形態について述べる。
【0028】31は本実施の形態に適用されるフロント
の中空構造体をなすブームで、該ブーム31は、従来技
術で述べたブーム5とほぼ同様に、略「へ」字状に形成
した左,右のウェブ32,33と、該ウェブ32,33
の上,下側に設けられた上側フランジ34,下側フラン
ジ35と、基端側に位置して形成されたブームフート部
36と、先端側に位置して形成されたブーム先端部37
と、中間部に位置して形成されたアームシリンダ取付部
38、ブームシリンダ取付部39とによって大略構成さ
れている。なお、32Aは溶接施工用の穴を塞ぐ板材で
ある。
【0029】40A,40B,…,40Eはブーム31
内に適宜の位置に設けられた例えば5枚の隔壁板(全体
として隔壁板40という)で、該隔壁板40A〜40E
は、左,右のウェブ32,33、上側フランジ34、下
側フランジ35との間でそれぞれ4個の中空室41A,
41B,41C,41D(全体として中空室41とい
う)を画成している。
【0030】42,42,…溶接部位となる溶接ビード
で、該各溶接ビード42は、左,右のウェブ32,3
3、上側フランジ34、下側フランジ35および隔壁板
40A〜40Eの端部を互いに接合することにより、ブ
ーム31内に画成される中空室41A〜41Dを気密な
状態とする。
【0031】43A,43B,43C,43Dは気体供
給口(全体として気体供給口43という)で、該気体供
給口43A〜43Dはブーム31の上側フランジ34に
設けられ、中空室41A〜41D毎にそれぞれ配置され
ている。また、気体供給口43内にはチェック弁が内蔵
され、外部から圧縮空気を中空室41に向けて供給し、
逆に中空室41内の圧縮空気が外部に排出されるのを規
制している。
【0032】44,44,…は半固形塗料で、該各半固
形塗料44は、左,右のウェブ32,33、上側フラン
ジ34、下側フランジ35および隔壁板40を内側から
溶接する溶接ビード42を囲むように塗布されている。
また、半固形塗料44はグリース等のゼリー状物質に顔
料を混ぜ合わせたもので、この顔料としては、ブーム3
1の表面塗装に用いた塗料に対して目立つ色が用いられ
ることが望ましい。さらに、中空室41内は、気体供給
口43を用いて供給される圧縮空気によって、所定圧力
(例えば、1〜数kgf/cm2程度)に設定されてい
るから、この圧縮空気によって塗布された半固形塗料4
4が外側に向けて常に押し付けられている(図3参
照)。
【0033】このように本実施の形態によるブーム31
は構成されるが、このブーム31を用いた油圧ショベル
の基本動作は従来技術とほぼ同様に作動する。
【0034】次に、ブーム31に発生するクラックの探
査について説明する。ブーム31内には、内部を5枚の
隔壁板40A〜40Eによって仕切ることにより、4個
の中空室41A〜41Dが画成され、中空室41A〜4
1D毎に気体供給口43A〜43Dがそれぞれ配設され
ている。そして、この気体供給口43A〜43Dにエア
供給管、コンプレッサ(いずれも図示せず)を接続して
圧縮空気を供給し、中空室41内を所定圧力に設定す
る。
【0035】一方、ウェブ32,33、上側フランジ3
4、下側フランジ35および隔壁板40の端部を固着し
た溶接ビード42のうち、ブーム31(中空室41)内
に位置した溶接ビード42には、該溶接ビード42を覆
うように半固形塗料44を塗布しておく。
【0036】これにより、ブーム31のうち、図3に示
すように、下側フランジ35にクラックCが発生した場
合には、中空室41内に供給された圧縮空気によって半
固形塗料44がクラックCから押し出され、下側フラン
ジ35の表面に滲み出る。これにより、オペレータは、
作業中であっても、ブーム31から滲み出た半固形塗料
44を目視することにより、クラックCがブーム31に
発生していることを検知することができる。そして、オ
ペレータはクラックCが発生している中空室41と、さ
らにクラックCが発生している場所を特定することがで
きる。
【0037】しかも、半固形塗料44が滲み出ると共
に、ブーム31内の圧縮空気が噴き出すから、圧縮空気
がクラックCを通過するときにシューシュー音が発生す
る。オペレータは、この音を聞くことによってもブーム
31にクラックCが発生したことを知ることができる。
【0038】このようにして、オペレータは、オペレー
タ自身の目と耳によって、ブーム31に発生したクラッ
クCを早期に探査することにより、ブーム31のクラッ
クCが原因となって大きな損傷となる前に修理を行うこ
とができ、コスト低減を図ることができる。
【0039】また、半固形塗料44はブーム31の表面
塗装に対して目立つ顔料を含んで構成されているから、
クラックCをより早く探査することができる。さらに、
ブーム31から滲み出した半固形塗料44により、クラ
ックCが発生している場所を特定することができる。
【0040】さらに、半固形塗料44の顔料に蛍光性を
有する顔料を用いることにより、暗い場所で作業を行っ
ている場合でも、ブーム31に発生するクラックCを探
査することができる。
【0041】次に、図4に基づいて、本発明による第2
の実施の形態について説明するに、本実施の形態の特徴
は、中空室内に供給される圧縮空気に着色された発煙空
気を混入したことにある。なお、本実施の形態では前述
した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を
付し、その説明を省略するものとする。
【0042】51は気体供給口43A〜43Dを接続す
るエア供給管で、該エア供給管51は上側フランジ34
の上側に配置された気体供給口43A〜43Dに接続さ
れ、端部が後述の着色圧縮空気供給装置53に接続され
る継手52となっている。
【0043】53は着色圧縮空気供給装置で、該着色圧
縮空気供給装置53は、エア供給管51の継手52に着
脱可能に接続されるエア配管54と、該エア配管54に
よって接続されるコンプレッサ55と発煙器56、エゼ
クタ58等により構成されている。
【0044】ここで、コンプレッサ55は、圧縮空気を
発煙器56、エゼクタ58に向けて供給するものであ
る。また、発煙器56は、コンプレッサ55から減圧弁
57を通して供給される圧縮空気に噴霧状の塗料で着色
した発煙空気をエゼクタ58に向けて供給するものであ
る。さらに、エゼクタ58は、コンプレッサ55から供
給される圧縮空気を利用して、発煙器56で着色された
発煙空気をエゼクタ58に向けて吸引し、着色された発
煙空気が混合された圧縮空気を継手52に向けて供給す
るものである。
【0045】このように構成される本実施の形態では、
着色圧縮空気供給装置53を用いて着色された圧縮空気
をエア供給管51、気体供給口43を通じてブーム31
の中空室41内に供給し、供給作業後は着色圧縮空気供
給装置53をエア供給管51から切り離す。
【0046】これにより、例えば掘削作業中にブーム3
1にクラックが発生した場合には、中空室41内に供給
された着色した圧縮空気がこのクラックから噴き出しク
ラックの外部表面に圧縮空気中の塗料が付着する。この
結果、オペレータは、作業中であってもブーム31から
噴き出す色の着いた圧縮空気を見てブーム31にクラッ
クが発生したことを知ると共に、クラックが発生した場
所を特定することができる。
【0047】しかも、圧縮空気がクラックを通過すると
きには、シューシュー音が発生すると共に、着色された
圧縮空気が噴き出すことにより、オペレータはクラック
が発生したことを知ることができる。
【0048】次に、図5に基づいて、本発明による第3
の実施の形態について説明するに、本実施の形態の特徴
は、各中空室内に供給された圧縮空気の圧力を検出する
ための圧力センサをそれぞれ設けたことにある。なお、
本実施の形態では前述した第1の実施の形態と同一の構
成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものと
する。
【0049】61,62,63,64はブーム31の上
側フランジ34上で中空室41A〜41D毎に設けられ
た圧力センサで、該圧力センサ61〜64は中空室41
A〜41D内に供給された圧縮空気の圧力を検出するも
ので、例えばストレンゲージ等の圧力センサが用いられ
る。そして、該圧力センサ61〜64から出力される個
々の信号は、上側フランジ34に添設されたリード線6
5を経由してキャブ3D(図7参照)内に導出される。
これにより、該キャブ3Dのオペレータは、中空室41
A〜41D内の圧力を個々にモニタする。
【0050】このように、本実施の形態では、予めブー
ム31の中空室41A〜41D内には圧縮空気を供給
し、この圧縮空気の圧力を圧力センサ61〜64を用い
てキャブ3D内のオペレータが監視する。
【0051】これにより、例えば掘削作業中にブーム3
1にクラックが発生した場合には、このクラックから圧
縮空気が噴き出し、この中空室41内の圧力が低下す
る。この結果、オペレータは、キャブ3D内で圧力セン
サ61〜64から出力される信号をモニタしているか
ら、低下した圧力から中空室41A〜41Dのうちクラ
ックが発生した部屋を確定することができる。
【0052】次に、図6に基づいて、本発明による第4
の実施の形態について説明するに、本実施の形態の特徴
は、中空構造体としてフロントを構成するアームに適用
したことにある。なお、本実施の形態では前述した第1
の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、そ
の説明を省略するものとする。
【0053】71は本実施の形態に適用される中空構造
体としてのアームで、該アーム71は、左,右のウェブ
72,72(一方のみ図示)と、該各ウェブ72の上,
下側に設けられた上側フランジ73,下側フランジ74
と、基端側に位置して設けられたアーム取付部75と、
先端側に位置して設けられたバケット取付部76と、前
記アーム取付部75の上側に設けられたアームシリンダ
取付部77、バケットシリンダ取付部78とによって大
略構成されている。
【0054】79A,79B,79Cはアーム71内に
適宜の位置に設けられた例えば3枚の隔壁板で、該隔壁
板79A〜79Cは、各ウェブ72、上側フランジ7
3、下側フランジ74との間でそれぞれ4個の中空室8
0A,80B,80C,80Dが画成されている。
【0055】81A,81B,81C,81Dはアーム
71の上側フランジ73に設けられた気体供給口で、該
気体供給口81A〜81Dには個々にチェック弁が内蔵
され、アーム71の上側フランジ73に設けることによ
って、中空室80A〜80D毎に配置されている。
【0056】このように構成されるアーム71であって
も、前述した第1の実施の形態のように、内側の溶接ビ
ードに半固形塗料を塗布した上で、中空室80A〜80
D内に気体供給口81A〜81Dを通じて圧縮空気を充
填しておくことにより、アーム71にクラックが発生し
た場合には、クラックの発生と発生場所を特定すること
ができる。
【0057】また、第2の実施の形態のように、着色圧
縮空気供給装置を用いて中空室80A〜80D内に着色
された圧縮空気を充填しておくことにより、アーム71
に発生するクラックの場所を特定することができる。
【0058】さらに、第3の実施の形態のように、中空
室80A〜80D毎に圧力センサを設け、該圧力センサ
を用いて中空室80A〜80D内の圧力をモニタするこ
とにより、アーム71に発生するクラックを監視するこ
とができる。
【0059】なお、第1の実施の形態では、溶接ビード
42を覆うように半固形塗料44を塗布するものとし、
第2の実施の形態では、中空室41内に供給される圧縮
空気を着色された発煙空気を混入したものとし、第3の
実施の形態では、中空室内に供給された圧縮空気の圧力
を監視するものとして述べた。しかし、本発明はこれに
限らず、第1〜第3の実施の形態を組合わせても、半固
形塗料44と着色圧縮空気とを組合せても、着色圧縮空
気と圧力センサとを組合せても、半固形塗料44と圧力
センサ61とを組合せてもよいことは勿論である。
【0060】また、第2の実施の形態では、常時着色さ
れた圧縮空気を中空室41内に供給するものとして述べ
たが、定期点検のときに着色された圧縮空気を供給して
ブーム31にクラックが発生しているか否かを検査する
ようにしてもよい。
【0061】また、第2の実施の形態では、エア供給管
51によって気体供給口43に着色した圧縮空気を同時
に供給するものとして述べたが、これに限らず、気体供
給口43毎に圧縮空気を供給するようにしてもよい。
【0062】また、各実施の形態では、中空構造体とし
てブーム31、アーム71について説明したが、本発明
はこれに限らず、下部走行体2、上部旋回体3を構成す
る中空構造に適用してもよく、溶接手段によって気密な
中空室が画成されている中空構造物であればよい。
【0063】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の本発明に
よれば、中空構造体に溶接部位のクラックを探査するた
め、中空室内に圧縮空気を供給する気体供給口を中空構
造体に設ける構成としたから、気体供給口を用いて中空
室内に圧縮空気を供給しておくと、中空構造体にクラッ
クが発生した場合、このクラックによる微小な隙間から
圧縮空気が噴き出し、シューシューという音が発生す
る。このように、オペレータは、作業中であっても圧縮
空気がクラックを通過するときのシューシュー音によっ
て、中空構造体にクラックが発生した場所を特定するこ
とができると共に、早期にクラックの発生を検知するこ
とができ、このクラック等が原因で大きな損傷となる前
に修理を行うことができる。
【0064】請求項2の発明は、中空構造体の接合部位
に、内側から少なくともその接合部位に半固形塗料を塗
布する構成としたから、中空構造体にクラックが発生し
た場合、半固形塗料は圧縮空気に押されてこのクラック
からしみ出し、中空構造体の表面に滲み出す。これによ
り、オペレータは、中空構造体に生じたクラックの場所
を早期に確定することができる。
【0065】請求項3の発明は、圧縮空気に着色された
発煙空気を混入したから、中空構造体にクラックが発生
した場合には、この中空構造体による微小な隙間から着
色された圧縮空気が勢いよく噴き出し、シューシュー音
が発生する。このとき、噴き出す圧縮空気は着色されて
いるから、オペレータはシューシュー音を聞くのみでな
く、圧縮空気が噴き出すのを目視することによってもク
ラックが発生した中空構造体の場所を特定することがで
きる。
【0066】請求項4の発明は、中空構造体に中空室内
に供給された圧縮空気の圧力を検出するための圧力セン
サを設けたから、中空構造体にクラックが発生した場合
には、このクラックから中空室内の圧縮空気が噴き出
し、中空室内の圧力が低下する。そして、圧力センサか
ら出力される信号を例えば運転室内でモニタすることに
より、クラックの発生を知ることができる。しかも、オ
ペレータは、圧力センサで中空室内の圧力を監視するこ
とによって、作業中であってもクラックの発生を直ちに
知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態によるブームを示す正面図で
ある。
【図2】図1のブームを矢示II−II方向から見た断面図
である。
【図3】図1中のa部を拡大して示す断面図である。
【図4】第2の実施の形態によるブームを着色圧縮空気
供給装置と一緒に示す正面図である。
【図5】第3の実施の形態によるブームを示す正面図で
ある。
【図6】第4の実施の形態によるアームを示す正面図で
ある。
【図7】従来技術による油圧ショベルを示す外観図であ
る。
【図8】図7中のブームを示す正面図である。
【図9】図8のブームを矢示IX−IX方向から見た断面図
である。
【図10】図8中のb部を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
31 ブーム(中空構造体) 32,33,72 ウェブ 34,73 上側フランジ 35,74 下側フランジ 40A,40B,40C,40D,40E,79A,7
9B,79C 隔壁板 41A,41B,41C,41D,80A,80B,8
0C,80D 中空室 42 溶接ビード(接合部位) 43A,43B,43C,43D,81A,81B,8
1C,81D 気体供給口 44 半固形塗料 51 エア供給管 53 着色圧縮空気供給装置 61,62,63,64 圧力センサ 71 アーム(中空構造体)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体と、該車体に設けられたフロントと
    を備え、該フロント、車体の一部を溶接手段によって接
    合され内部に中空室が画成された中空構造体として形成
    してなる建設機械において、 前記中空構造体には、溶接部位のクラックを探査するた
    めに中空室内に圧縮空気を供給する気体供給口を設けた
    ことを特徴とする建設機械。
  2. 【請求項2】 前記中空構造体の接合部位には、内側か
    ら少なくともその接合部位に半固形塗料を塗布してなる
    請求項1記載の建設機械。
  3. 【請求項3】 前記圧縮空気には、着色された発煙空気
    を混入してなる請求項1記載の建設機械。
  4. 【請求項4】 前記中空構造体には、中空室内に供給さ
    れた圧縮空気の圧力を検出するための圧力センサを設け
    てなる請求項1,2または3記載の建設機械。
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