JP2000178837A - 炭素繊維の賦活炉 - Google Patents

炭素繊維の賦活炉

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JP2000178837A
JP2000178837A JP10357898A JP35789898A JP2000178837A JP 2000178837 A JP2000178837 A JP 2000178837A JP 10357898 A JP10357898 A JP 10357898A JP 35789898 A JP35789898 A JP 35789898A JP 2000178837 A JP2000178837 A JP 2000178837A
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carbon fiber
furnace
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fiber molded
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Yutaka Taoka
豊 田岡
Yoshiki Tsuchida
芳樹 土田
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Osaka Gas Engineering Co Ltd
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Osaka Gas Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マット状又はシート状に成形してある炭素繊
維成形体4を炭素繊維受入部6から炉内に受け入れ、搬
送装置7で搬送しながら賦活して、賦活処理後の活性炭
素繊維成形体9を活性炭素繊維送出部8から逐次送出す
る炭素繊維の賦活炉を、コンパクトで簡単な構成にしつ
つ、その搬送装置7が熱膨張、クリープ変形、摩耗等の
悪影響を抑制して、長寿命で、メンテナンスの容易なも
のとする。 【解決手段】 炭素繊維切断装置5aで長さ方向に所定
寸法に切断して炭素繊維受入部6に受け入れた炭素繊維
成形体4を受け入れる、横軸方向の回転軸21の軸芯P
回りに放射状の、通気性を備える複数の支持部24で構
成した搬送装置7を、相隣る支持部24同士の間に、炭
素繊維成形体4を収容自在な収容空間30を形成して、
収容した炭素繊維成形体4を、所定角度回転後に下方の
活性炭素繊維送出部8に向けて自然落下させるように構
成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素繊維をガス賦
活法により活性化させる賦活炉に関し、詳しくは、炉内
を賦活ガス雰囲気下で高温に維持自在な雰囲気調整機構
を備え、マット状又はシート状に成形してある炭素繊維
成形体を炉内に受け入れる炭素繊維受入部と、賦活処理
後の活性炭素繊維成形体を送出する活性炭素繊維送出部
とを設け、前記炭素繊維受入部から供給される前記炭素
繊維成形体を、炉内で保持しながら前記活性炭素繊維送
出部に向けて搬送する搬送装置を設けて、駆動装置によ
り前記搬送装置を駆動して、前記炭素繊維成形体を、前
記搬送装置で搬送しながら炉内雰囲気中で所定温度・所
定時間加熱処理することで賦活して、前記賦活処理後の
活性炭素繊維成形体を前記活性炭素繊維送出部から逐次
送出するように構成した炭素繊維の賦活炉に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、炭素繊維の賦活炉は、図10に示
すように、トンネル炉に形成されており、炭素繊維受入
部6と、炉主室1と、活性炭素繊維送出部8とを、順次
低くなるように階段状に設けてある。前記炭素繊維受入
部6には、炭素繊維供給装置10として無端ベルトを備
える供給コンベア10aを設けてあり、この供給コンベ
ア10aに載置された、炭化処理或いは不融化処理等の
前処理を施してある、連続する綿状のマットに成形され
た炭素繊維成形体4を前記炉主室1内に送り込むように
構成してある。前記炉主室1内には、搬送装置7として
網状の無端ベルト32を備えるベルトコンベア31を設
けてある。前記供給コンベア10aから供給される前記
炭素繊維成形体4は、前記無端ベルト32上で搬送され
ながら前記炉主室1内に所定時間保持され、炉内の賦活
ガス雰囲気下で加熱されて活性化される。前記無端ベル
ト32上の炭素繊維成形体4は、この賦活処理により活
性炭素繊維成形体9と化して、前記活性炭素繊維送出部
8の送出ネットコンベア34bに渡され、前記送出ネッ
トコンベア34b上で活性炭素繊維冷却機構35により
冷却された後、炉外に送出される。前記炉主室1には、
賦活ガス雰囲気に維持するために、水蒸気と窒素ガスと
を供給する雰囲気調整機構3を備えており、水蒸気供給
管3aと窒素ガス供給管3bとを前記炉主室1の入口部
に開口させ、前記炉主室1の出口部に炉内ガス吸引管3
dを開口させて、炉内を賦活ガス雰囲気に維持するよう
に構成すると共に、前記炉主室1の壁部2には、ラディ
アントチューブからなる炉内加熱管3cを設けて、炉内
温度を賦活温度(例えば950℃、この場合の水蒸気の
供給温度は940℃)に維持するように構成してある。
前記水蒸気供給管3aからの水蒸気供給量と窒素ガス供
給管3bからの窒素ガス供給量及び前記炉内ガス吸引管
3dからの炉内ガス吸引量は、酸化活性制御装置により
制御され、前記炉内加熱管3cへのガス供給量は、温度
制御装置により制御される。前記炉主室1の入口部及び
出口部には、前記炭素繊維受入部6との間及び前記活性
炭素繊維送出部8との間の雰囲気の流通を抑制するため
に、シール機構11として蒸気を用いたガスカーテン1
1aを設けてある。
【0003】前記炉主室1に備える搬送装置7としての
ベルトコンベア31は、複雑な構造のものであって、押
し送り機構で間欠的に搬送方向Fに向けて所定距離宛押
し送られるように構成されている。つまり、前記押し送
り機構は、前記無端ベルト32は、チェーンで受けてあ
るが、そのチェーンのリンクにピンを設けて、そのピン
に取り付け、両側に配列された複数の突片(図示省略)
に接当可能な複数のプッシャ(図示省略)を備えてお
り、前記プッシャが同時に上昇操作されて送り動作レベ
ルに位置し、この動作レベルで搬送方向Fに向けて移動
することで、搬送する炭素繊維成形体4を載置自在な繊
維載置面部7aの側方に突出する前記複数の突片に同時
に接当し、所定距離だけ搬送方向Fに前記無端ベルト3
2を移動させる。前記プッシャは、その後同時に下降操
作されて前記複数の突片から離脱して後退レベルに位置
し、前記上昇操作された位置まで後退する。こうした動
作を繰り返して、前記プッシャは、矩形状の軌跡を描き
ながら前記ベルトコンベア31を、搬送方向Fに間欠的
に駆動するのである。こうした間欠駆動を採用している
のは、炉内温度が高いために、搬送装置7の架構部や無
端ベルト32等の熱膨張が大きく、しかも、これが等し
く膨張するものでないから、前記無端ベルト32を緊張
させておく張力手段を設けてあっても、この無端ベルト
32を駆動するのに、ベルトラインが長いから、例え
ば、前記ベルトコンベア31のチェーンを駆動するスプ
ロケット機構を複数箇所に配置しても、夫々を同期して
連動させることが困難になり、また、高温の酸化性雰囲
気内で摺動する使用条件下では部品の寿命が極めて短い
という問題も有している。因みに、前記リンクをインコ
ネルのような超合金を用いていても、その寿命は2年程
度である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来構成において
は、トンネル炉形式の炉型であることから、炉の容積が
大きく、従って、賦活ガスとしての蒸気の消費量が多く
なり、嵩張る上に燃料消費量が高く、しかも、炉主室1
における搬送装置7が極めて複雑な構成であり、殊に、
その搬送装置7並びに無端ベルト32を駆動する際の応
力によるクリープ変形や高温酸化雰囲気内での摩耗等の
ために、そのメンテナンス間隔が短く、酸化、摩耗等の
損傷が激しいために部品交換等を頻繁に行わねばならな
いという問題を有している。さらに、供給コンベア10
a並びに送出ネットコンベア34bと、炉主室1内のベ
ルトコンベア31との同期が、後者が間欠駆動であるが
為に、極めて面倒であるという問題も有していた。
【0005】そこで、本発明の目的は、コンパクトで簡
単な構成でありながら、炉内の搬送装置が炉内温度によ
る熱膨張、クリープ変形、摩耗等の悪影響を抑制し、し
かも、長寿命で、メンテナンスの容易な炭素繊維の賦活
炉を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】〔本発明の特徴構成〕請
求項1に係わる本発明の炭素繊維の賦活炉の第1特徴構
成は、炭素繊維受入部に、マット状又はシート状に形成
された炭素繊維成形体を、その長さ方向に所定寸法で切
断する炭素繊維切断装置を設け、且つ、前記切断した炭
素繊維成形体を受け入れて炉内に供給する炭素繊維供給
装置を設け、横軸芯回りに駆動回転自在な回転軸と、そ
の回転軸の軸芯回りに放射状に形成され、且つ、通気性
を備える複数の支持部とで構成して、回転方向に相隣る
前記支持部同士の間に、前記切断された炭素繊維成形体
を収容自在な収容空間を形成し、前記搬送装置の下方に
前記活性炭素繊維送出部を配置して、前記回転軸の回転
に伴い、前記炭素繊維供給装置から供給される炭素繊維
成形体を前記収容空間内に受け入れ、所定角度回転後
に、前記収容空間内に収容した炭素繊維成形体を、前記
活性炭素繊維送出部に向けて自然落下させるように、搬
送装置を構成してある点にある。
【0007】請求項2に係わる本発明の炭素繊維の賦活
炉の第2特徴構成は、炭素繊維受入部を炉天井部に配置
して、上記第1特徴構成の炭素繊維供給装置を構成する
に、前記炉天井部に、軸芯を横に配置された円柱状の回
転収容体を、その軸芯回りに回転自在に内嵌する部分円
筒面で形成されたシール面部を形成すると共に、前記シ
ール面部と前記回転収容体の外周面との間に前記賦活ガ
スを供給するシールガス供給口を設けると共に、前記シ
ール面部と前記回転収容体の外周面との間から排出され
る賦活ガスを吸引するシールガス吸引口を設けてシール
機構を構成し、前記回転収容体の外周面に、軸芯方向に
沿って深く削設した前記炭素繊維形成体を折り曲げるこ
となく収容可能な収容溝部を形成し、前記回転収容体を
前記軸芯回りに回動駆動する回動機構を設けて、前記回
動機構による駆動で、前記収容溝部の前記外周面への開
口部を上向きにした状態で、前記切断した炭素繊維成形
体を前記収容溝部に受け入れ、前記回転収容体を一方に
回動させて、前記開口部が下方に向かう姿勢で、前記受
け入れた炭素繊維成形体を、前記収容溝部から重力によ
り放出し、前記搬送装置の収容空間内に受け渡せるよう
に構成してある点にある。
【0008】請求項3に係わる本発明の炭素繊維の賦活
炉の第3特徴構成は、上記第1特徴構成又は第2特徴構
成において、先端部に向けて幅狭く形成した支持部材
を、円筒状の回転胴に、その軸芯方向に複数立設して、
支持部を形成し、複数の前記支持部材間に、前記炭素繊
維成形体を接当支持可能な網状物を張設して前記支持部
を形成してある点にある。
【0009】請求項4に係わる本発明の炭素繊維の賦活
炉の第4特徴構成は、上記第1〜第3の何れかの特徴構
成において、複数の前記搬送装置を横に併設し、夫々の
搬送装置の下方に、活性炭素繊維送出部を設けてある点
にある。
【0010】請求項5に係わる本発明の炭素繊維の賦活
炉の第5特徴構成は、上記第1〜第4の何れかの特徴構
成において、回転軸を縦に併設して、搬送装置を上下に
亘る多段に構成してある点にある。
【0011】〔特徴構成の作用及び効果〕上記本発明に
係わる炭素繊維の賦活炉の第1特徴構成によれば、炉内
に摺動部がないから摩耗もなく、炉内の搬送装置を長期
安定して使用することが可能になる。つまり、炭素繊維
受入部に、炭素繊維切断装置を設けてあるから、マット
状又はシート状に形成された連続帯状の炭素繊維成形体
を、その炭素繊維成形体の幅を長さとして、所定寸法に
揃えた短冊状のものとできるから、炉内での処理がほぼ
同一条件で行えるようになる。従って、炉内に供給する
炭素繊維供給装置は、前記切断した炭素繊維成形体を容
易に受け入れることができ、炉内の搬送装置についても
同様である。この点を利用して、横軸芯回りに形成され
た通気性を備える複数の支持部に、前記切断した炭素繊
維成形体を支持させることができるから、炭素繊維供給
装置から供給される炭素繊維成形体を収容空間内に受け
入れ、その収容空間に、個々に前記切断した炭素繊維成
形体を保持させた状態で回転させれば、その繊維載置面
部が安息角を超えれば自然に前記切断した炭素繊維成形
体が自然落下する。従って、その搬送装置の下方に活性
炭素繊維送出部を配置しておけば、前記自然落下するま
での間の賦活雰囲気への暴露により前記炭素繊維成形体
が活性化され、前記自然落下する活性炭素繊維成形体を
炉外に排出できるのである。ここで、前記複数の支持部
は、放射状に形成されているから、仮にそれが大きく熱
膨張したとしても、前記収容空間の位置に変化はなく、
夫々の支持部同士の間で相互干渉がない。しかも、前記
炭素繊維成形体を受ける以外に、炉内の高温雰囲気内で
外力を受ける機構を備えておらず、摩擦を受ける要素も
ないから、従来のようなクリープ変形、摩耗等の損傷の
おそれもない。さらに、炉の入口で前記炭素繊維成形体
を切断するから、炉外の炭素繊維成形体の搬送装置と、
炉内の搬送装置の間の同期を必要とせず、炉外への搬出
についても同様であり、炭素繊維成形体の供給速度に対
して独立して炭素繊維成形体の炉内滞留時間を設定する
ことも可能になる。そして、炭素繊維受入部と活性炭素
繊維送出部とを上下に配置することで、前記炭素繊維受
入部から前記搬送装置へ、及び、前記搬送装置から前記
活性炭素繊維送出部への受け渡しに重力を利用できる。
【0012】上記本発明に係わる炭素繊維の賦活炉の第
2特徴構成によれば、上記第1特徴構成の作用効果に加
えて、炉外とのシールを確実にしながら、容易且つ確実
に炉内の搬送装置に切断後の炭素繊維成形体を供給でき
るようになる。つまり、炉天井部に配置した炭素繊維受
入部に、軸芯を横に配置された円柱状の回転収容体を設
けて、その外周面に、軸芯方向に沿って深く削設した収
容溝部を形成してあるから、切断された炭素繊維成形体
が、炭素繊維切断装置から落下すれば、その外周面への
開口部を上向きにした状態で、そのまま容易に収容で
き、前記回転収容体を一方に回動させて、前記開口部が
下方に向かう姿勢にすれば、前記受け入れた炭素繊維成
形体を重力により放出できる。その下に搬送装置を配置
しておけば、落下した炭素繊維形成体を、前記搬送装置
の収容空間内に受け止めることは容易である。しかも、
前記炉天井部に、前記回転収容体を内嵌する部分円筒面
で形成されたシール面部を形成すると共に、前記シール
面部と前記回転収容体の外周面との間にシールガスを供
給し、前記シール面部と前記回転収容体の外周面との間
から排出される前記シールガスを吸引するようにしたシ
ール機構を設けてあるから、前記部分円筒面と前記外周
面との間の間隔を密にしなくても、十分にシールでき
る。前記シールガスには、比較的低温の水蒸気を用いて
も良く、不活性ガス(例えば窒素ガス)を用いても良
く、上記賦活ガスと同様の成分のガスを用いても良く、
さらには、賦活炉からの排気その他燃焼炉の排気を用い
ても良い。
【0013】上記本発明に係わる炭素繊維の賦活炉の第
3特徴構成によれば、上記第1特徴構成又は第2特徴構
成の作用効果に加えて、炭素繊維の賦活処理に際して、
安定した保持が可能になる。つまり、収容空間が搬送装
置の外側に向けて広く形成されることで、炭素繊維供給
装置からの炭素繊維成形体を一層受け入れやすくなる。
しかも、支持部材の間に亘って、網状物を張設してあれ
ば、前記支持部材の間に前記炭素繊維成形体が撓み込む
ことを防止でき、且つ、通気性も維持できる。
【0014】上記本発明に係わる炭素繊維の賦活炉の第
4特徴構成によれば、上記第1〜第3の何れかの特徴構
成の作用効果に加えて、処理量の増大を図りながら、全
体として蒸気消費量を節減できるようになる。つまり、
複数の搬送装置を横に併設することで、複数経路での炭
素繊維成形体の同時賦活処理が可能になる。この際、炉
内空間は、横方向に前記搬送装置の幅程度を拡大するだ
けでよく、高さを変化させなくてもよい。従って、炉内
の容積を小さく維持しながら、処理量を増加できる。
【0015】上記本発明に係わる炭素繊維の賦活炉の第
5特徴構成によれば、上記第1〜第4の何れかの特徴構
成の作用効果に加えて、炉の制御がさらに容易になる。
つまり、搬送装置を上下多段に構成することによって、
炉内における炭素繊維成形体の搬送の自由度が増し、炉
外からの炭素繊維成形体の供給速度に独立して炉内滞留
時間を設定することが可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる炭素繊維の
賦活炉について説明する。図1は本発明に係る賦活炉の
一例を示す正面視縦断面図であり、図2はその要部の拡
大図であり、図3はその側面視縦断面図であり、図4は
その搬送回転体の要部を説明する側面視縦断面図であ
り、図5はその作用説明図であり、図6はその搬送回転
体の一例の要部の斜視図であり、図7はこの搬送回転体
の正面視縦断面図であり、図8はその支持部材の例を示
す要部正面図である。尚、上記従来の技術に用いた図1
0における要素と同一の要素乃至同様の機能を果たす要
素については、先の図10に付した符号と同一の、或い
は関連する符号を付し、詳細の説明の一部を省略する。
【0017】搬送装置を横に2基配置してある賦活炉の
例を図1に示す。賦活炉の本体である炉主室1には、炉
内に2基の搬送装置7(第一搬送装置7A及び第二搬送
装置7B)を横に併設してある。前記炉主室1の炉天井
部2Cには、炭素繊維供給機構5からの炭素繊維成形体
4を受け入れる炭素繊維受入部6を設けてある。また、
夫々の前記搬送装置7A,7Bの下方の炉底部には、活
性炭素繊維送出機構34を備える活性炭素繊維送出部8
を形成してある。前記炭素繊維供給機構5は、炭素繊維
切断装置5aを備えており、連続するマット状又はシー
ト状に成形された、綿状乃至布状の炭素繊維成形体4
を、長さ方向の所定寸法に逐次切断する切断刃を備えて
いる。前記炭素繊維切断装置5aにより切断された後の
炭素繊維成形体4は、連続する炭素繊維成形体4の幅と
同じ長さで、前記所定寸法の幅に揃えられた短冊状炭素
繊維成形体4Aとなる。この短冊状炭素繊維成形体4A
は、炭素繊維供給装置10により前記炭素繊維受入部6
上方に搬送される。前記活性炭素繊維送出部8の下方に
は、前記炉主室1から排出された活性炭素繊維成形体9
を冷却しながら送出する送出ネットコンベア34bが配
置されている。前記炉主室1内を賦活雰囲気に維持する
ための雰囲気調整機構3として、前記炉主室1の側壁部
2A及び前後壁部2Bにラディアントチューブからなる
炉内加熱管3cを随所に配置すると同時に、前記側壁部
2Aに、水蒸気供給管3aと窒素ガス供給管3bとを開
口させておく。
【0018】前記炭素繊維受入部6には、図1に示した
ように、前記炉天井部2Cに形成された、上部に全長に
亘るスリット6aを有し、下方も長方形状に開口する部
分円筒面からなるシール面部12に、円柱状の回転収容
体15を内嵌してある。この回転収容体15は、図3に
示すように、その回動軸16を前記炉主室1の前後壁部
2Bの外に延出して軸支されており、その回動軸16の
一方には電気サーボモータからなる回動機構18を連結
してある。さらに、図1及び図2に示す前記回転収容体
15の外周面15aには、その軸方向に沿って深く削設
した第一収容溝部17Aと第二収容溝部17Bとの二つ
の収容溝部17を有しており、両収容溝部17は、前記
外周面15a上に、所定の円周角をもって開口する開口
部17aを形成している。前記所定の円周角は、前記収
容溝部17に収容される短冊状炭素繊維成形体4Aの安
息角の余角に対する補角に近く、やや大きくしてある。
前記回転収容体15は、前記所定の円周角を振幅として
前記回動機構18によって往復駆動される。こうして、
一方の収容溝部17(例えば第一収容溝部17A)が鉛
直姿勢にあるときには、他方の収容溝部17(例えば第
二収容溝部17B)は、前記安息角よりもやや大きい傾
斜を有しており、第二収容溝部17Bに収容された短冊
状炭素繊維成形体4Aは、自然落下して放出される。こ
の位置で、前記供給コンベア10aから短冊状炭素繊維
成形体4Aが落下すれば、前記スリット6aの上方に設
けてあるガイド面6bに沿って案内されて、前記第一収
容溝部17A内に折り曲げられることなく収容される。
上記のように、二つの収容溝部17A,17Bを形成し
てあれば、一方の収容溝部17(例えば第二収容溝部1
7B)が短冊状炭素繊維成形体4Aを受入可能な状態に
あるときに、他方の収容溝部17(例えば第一収容溝部
17A)から、先に収容した短冊状炭素繊維成形体4A
を放出できるから、一回の回動動作で、炭素繊維成形体
4の受入と放出とを同時に行えるから、回動機構18の
動作を簡略化できると同時に、炭素繊維供給装置10か
ら供給される炭素繊維成形体4の受入動作を迅速にで
き、前記回転収容体15の回動速度を急速にしなくてよ
いから、短冊状炭素繊維成形体4Aに無理な外力を及ぼ
すことなく、安定して、受入動作を行えるようになる。
【0019】前記シール面部12には、図1及びその詳
細を示す図2に示すように、前記スリット6aの両側
で、前記スリット6aから離れた炉天井部2Cの位置に
シールガスとして賦活ガスを供給するシールガス供給口
13が、前記回動軸16の方向に沿って複数設けられて
おり、また、前記スリット6aの近傍で、前記スリット
6aの両側に、前記シール面部12と前記回転収容体1
5の外周面15aとの間から排出されるシールガスを吸
引するシールガス吸引口14を開口させた膨出空間12
aを形成してある。こうして、前記シールガス供給口1
3から賦活ガスを供給し、前記シール面部12と前記外
周面15aとの間に炉内から漏れ出す雰囲気ガスと共に
前記賦活ガスを充満させ、前記膨出空間12aに充満す
るシールガスを前記シールガス吸引口14から吸引する
ことで、前記シール面部12と前記外周面15aとの間
を、十分な隙間を維持しながら、確実にシールできるよ
うにしたシール機構11を構成してある。前記膨出空間
12aの周方向の開口幅は、前記収容溝部17の開口幅
よりも大きくしてあることが、前記回転収容体15が回
動する際に、前記シール機構11がシール効果を発揮す
る上で好ましい。尚、前記回転収容体15は、前記炉天
井部2Cの長方形状の開口を介して炉内雰囲気に曝され
るから、過熱を防止するために、例えば図2に示すよう
に、内部に冷却水流路15bを形成して、水冷するよう
にしておけばよい。
【0020】前記炭素繊維供給装置10は、図1に示す
ように、ベルトコンベアからなる供給コンベア10aで
構成すればよい。前記短冊状炭素繊維成形体4Aは、前
記供給コンベア10aの端部から落下するようになる。
上記のように前記炭素繊維受入部6にはガイド面6bを
備えているから、落下する短冊状炭素繊維成形体4A
は、そのガイド面6bに沿って案内されて、折り曲げら
れることなく、無理なく直立して、前記回転収容体15
の収容溝部17に収容されるようになる。
【0021】前記搬送装置7は、夫々前記回転収容体1
5の回動軸16に平行な軸芯Pを有する、横方向に配置
された回転軸21を軸支してある搬送回転体20を備
え、前記回転軸21は、前記炉主室1の前後壁部2Bを
貫通して、炉外で回転自在に支持され、回転駆動機構3
3Aにより回転駆動される(図3参照)。前記搬送回転
体20は、図3及び図4に示すように、前記回転軸21
の炉内部分は、外径を大きくした中空大径軸部22に形
成してあり、その内部空間を冷却水流路22aに形成し
てある。前記冷却水流路22aへの冷却水は、前記回転
軸21の両端部に軸芯Pに沿って形成された一方の通水
路21aから供給され、他方の通水路21aから排出さ
れる。前記中空大径軸部22の周囲には、回転胴23
を、一端側の前記回転軸21に固定された断熱体からな
る断熱環27に取り付けて配置してある。前記回転胴2
3には、図6に示すように、軸方向に間隔を設けて複数
の支持部24を外嵌配置し、複数列の支持部材24aを
周方向に全周に亘って配置して、軸方向に配置された各
支持部材24aに亘って、支持ワイヤ26を張り渡し、
前記支持部材24aの側端縁部とで網状物25を形成
し、前記環状部材24bの周方向に隣接する前記網状物
25の間で、装入される短冊状炭素繊維成形体4Aを収
容する収容空間30を形成する。
【0022】前記回転胴23は、前記回転軸21の軸芯
P方向に分割された複数の、夫々円筒状に形成された断
熱筒部23Aを軸方向に連結して形成されており、夫々
金属製のフランジ部23bと、外筒23cと、内筒23
dとでセラミックウールからなる断熱材23aを被覆し
て形成される。前記フランジ部23bの内径は、前記中
空大径軸部22の外形に合わせてあり、両端に位置する
前記フランジ部23bの内周側には、夫々前記中空大径
軸部22の外面に形成されたキー溝に嵌入されるキーK
に外嵌する切り欠きを形成して、前記中空大径軸部22
に対する相対回転を阻止するように構成してある。ま
た、前記内筒23dの内径は、前記フランジ部23bの
内径よりも幾分大きくしてあり、前記中空大径軸部22
に外嵌することで、前記中空大径軸部22との間に空隙
を維持できる。隣接する前記断熱筒部23A同士は、前
記外筒23cの突き合わせ端部同士を溶接若しくは機械
的接合により連結する。一端側の前記断熱筒部23A
は、前記中空大径軸部22の一端側に固定され、他端に
位置する前記フランジ部23bは、前記中空大径軸部2
2の長さ方向に相対移動可能に前記キーKに係止され
る。尚、前記回転胴22の他端部に位置する前記断熱筒
部23Aの他端側には、突出する環状断熱体28を設け
て、その環状断熱体28の内側の凹状部と前記中空大径
軸部22の他端部に固定されている断熱環29との間に
空間を形成しておき(図4参照)、前記回転胴23を、
常温においては前記中空大径軸部22よりも短寸に形成
しておくことで、賦活温度(例えば950℃)において
は、前記回転胴23が全体として熱膨張して、前記他端
部の断熱筒部23Aが前記断熱環29に近接することを
許容している(図5参照)から、前記中空大径軸部22
のほぼ全長に亘って前記回転胴23が位置するようにな
る。上述のように、回転胴23と中空大径軸部22との
間に空隙を設けるのは、前記回転胴23と前記中空大径
軸部22との間に断熱空気層を形成するためである。ま
た、上述のように、前記回転胴23を断熱筒部23Aに
分割形成してあるのは、短寸に分割することで、内外の
熱膨張差に伴い生ずる寸法差を小さくして、前記フラン
ジ部23bに及ぼされる熱応力を軽減することを目的と
している。尚、前記断熱環27,29及び前記環状断熱
体28は、何れもセラミックウールからなる断熱材を金
属被覆体で被覆して環状に形成される。
【0023】前記支持部24は、図6及び図7に示すよ
うに、環状部材24bと前記支持部材24aとからな
り、前記環状部材24bが、前記断熱筒部23A夫々に
外嵌固定されるように構成しておけば、組み立てが容易
でありながら、熱膨張に伴う部材の変形が支持部24の
形状維持に影響を及ぼすことがなくて好都合である。
尚、図5においては、見やすくするために、一部の支持
部材24a及びその支持部材24aの間に掛け渡して網
状体25を形成する支持ワイヤ26を省略してある。つ
まり、前記環状部材24bには、周囲に全周に亘って複
数の係合切り欠きを形成して、その係合切り欠きに夫々
前記支持部材24aの基端部を係合させて放射状の支持
部24を形成することができる(図7参照)。前記支持
部材24aは、先端部に向けて次第に細くなるように形
成して、夫々長さ方向に前記支持ワイヤ26を挿通する
孔を配列し(図8(イ)参照)、これを前記環状部材2
4bに固定した後、前記各孔に前記支持ワイヤ26を挿
通して両端部を固定するようにすれば、短冊状炭素繊維
成形体4Aを保持する繊維載置面部7aを網状物25に
形成できる。
【0024】上記のように搬送装置7を構成することに
より、図1に示すように、前記搬送回転体20が回転す
るに伴って、前記炭素繊維受入部6から落下供給される
短冊状炭素繊維成形体4Aを、上方に向けて開口する収
容空間30内に受け入れ、前記網状物25で保持しなが
ら、前記網状物25を通じて賦活ガスを流通させ、前記
短冊状炭素繊維成形体4Aを活性化する。こうして活性
炭素繊維成形体9に転じさせて、対面する側の網状物2
5が保持された活性炭素繊維成形体9の安息角を超える
角度にまで前記搬送回転体20が回転すると、保持され
ていた活性炭素繊維成形体9は、前記網状物25で形成
される繊維載置面部7aから離脱して活性炭素繊維送出
部8へ向けて自然落下する。
【0025】図1に例示した賦活炉においては、上記搬
送装置7を2基備えている。一方の第一搬送装置7Aの
搬送回転体20は、図上では左回りに、他方の第二搬送
装置7Bの搬送回転体20は、図上では右回りに、夫々
駆動装置33である前記回転駆動機構33Aによって回
転駆動される。つまり、共に外側に向けて回転する。そ
して、夫々の搬送回転体20の外側寄りの、前記活性炭
素繊維成形体9が落下する底部に、前記両搬送装置7に
対応する活性炭素繊維送出部8を配置してある。このよ
うに二基の搬送装置7を備えることで、例えば一方の搬
送装置7Aのみを使用し、その回転速度を倍増すれば、
賦活処理時間を半分にできる。また、収容空間30を間
欠的に使用することで、搬送装置7の回転速度を遅くし
て、賦活処理時間を長くすることもできる。
【0026】前記活性炭素繊維送出部8には、活性炭素
繊維送出機構34を備えており、炉底部に活性炭素繊維
成形体9を排出するとき以外は閉鎖してある排出口ダン
パ34aを設けてあり、前記搬送装置7から活性炭素繊
維成形体9が落下すると、前記排出口ダンパ34aを下
方に傾動して開き、その上に載っている前記活性炭素繊
維成形体9を下方に配置された送出ネットコンベア34
b上に落下させて、再び前記排出口ダンパ34aは閉じ
る。前記送出ネットコンベア34bは、両排出口ダンパ
34aの下方に位置するように共通で設けて、夫々の排
出口ダンパ34aが開いて落下する活性炭素繊維成形体
9を、活性炭素繊維冷却機構35を経由して冷却した後
に外部に送出するように構成する。前記活性炭素繊維冷
却機構35には、低温度の不活性ガスを吹き付ける冷風
吹き付けノズル35aを備えさせておけばよい。
【0027】以上のように構成した賦活炉について、一
例を具体的に説明すれば、ピッチを原料として紡糸され
た炭素繊維は、綿状で連続した、幅約2800mm、厚
さ約30mmのマット状に成形されており、これに不融
化処理を施して可燃性の揮発成分を除去した後、連続し
た炭素繊維成形体4として炭素繊維供給機構5に送り込
まれる。ここで、切断刃を備える炭素繊維切断装置5a
によって、例えば長さ方向に400mm間隔で前記炭素
繊維成形体4を切断し、幅400mm、長さ約2800
mmの短冊状炭素繊維成形体4Aを形成する。炭素繊維
供給装置10は、この短冊状炭素繊維成形体4A(切断
された炭素繊維成形体4)を供給コンベア10aによ
り、前記供給コンベア10a上で200mmの間隔を空
けて炭素繊維受入部6に送り込む。
【0028】前記供給コンベア10aの終端部から落下
する短冊状炭素繊維成形体4Aは、ガイド面6bで姿勢
を整えられて、炉主室1の炉天井部2Cに形成されたス
リット6aから回転収容体15の収容溝部17内に折り
曲げられることなく横向きに立った姿勢で収容される。
尚、図1には第二収容溝部17Bに収容されようとする
状態を示した。例えば第一収容溝部17Aに前記短冊状
炭素繊維成形体4Aが収容された場合は、前記短冊状炭
素繊維成形体4Aを収容した回転収容体15が、一方
(図1においては左方向)に向けて回動し、前記第二収
容溝部17Bがその開口部17aを、上に向けて前記ス
リット6aに合わせて開口するようになる。この姿勢
で、前記第一収容溝部17Aに収容された短冊状炭素繊
維成形体4Aは、前記第一収容溝部17Aの側壁面の傾
斜が安息角を超えるようになるから、自然に放出され落
下する。前記収容溝部17は、深さを400mm以上
に、長さを2800mmより長くして、幅は、前記炭素
繊維成形体4の最大厚さ以上にしておく(上記例示した
炭素繊維成形体の寸法に対しては、少なくとも30mm
より広くしておくことが必要である)。
【0029】前記短冊状炭素繊維成形体4Aは、落下す
る過程で第一搬送装置7Aに向けて炭素繊維成形体4を
案内するシュート19の案内面に接し、第一搬送装置7
Aの搬送回転体20の内側の支持部24上に形成される
収容空間30内に滑落する。前記搬送回転体20は、一
方(図1においては左方向)に向けて徐々に回転してお
り、網状物25で形成された繊維載置面部7a上に保持
され、賦活ガスの流通する炉内で、950℃に加熱され
て、次第に活性化される。前記搬送回転体20が回転を
続けると、前記短冊状炭素繊維成形体4Aは、横向きに
立った状態から対向する繊維載置面部7a側に倒れる。
前記搬送回転体20がさらに回転を続ける間に、前記短
冊状炭素繊維成形体4Aは活性化されて、活性炭素繊維
成形体9に転じ、前記対向する繊維載置面部7aの傾斜
が大きくなると、前記活性炭素繊維成形体9は前記収容
空間30から離脱して、活性炭素繊維送出部8に向けて
落下する。前記搬送回転体20の炉内寸法は、例えば外
径を約1900mm、支持部材24aの高さを約420
mmとして、回転胴23の全長は約3000mmにして
おく。支持部24を構成する環状部材24bの寸法は、
外径1000mm、内径700mm、厚さ12mmと
し、外周面上に前記支持部材24aを係合させる幅約5
0mmの係合切り欠きを周方向に等間隔に36個を形成
しておく(図7参照)。前記環状部材24bは、前記係
合切り欠きを直線上に配置するように、前記回転胴23
に外嵌固定する。前記係合切り欠きに係合させて立設す
る支持部材24aは、例えば図8(イ)に示すように、
左右対称の矢型に形成し、中央部に長手方向に沿って直
径6.2mmの貫通孔を複数設けて、最大幅54mmで
先端側を細く、長さ約456mm、厚さ6mmに形成し
ておく。前記貫通孔夫々に直径6mmの支持ワイヤ26
を通して、両端部を両端の前記支持部材24aに固定し
ておく。
【0030】前記活性炭素繊維成形体9は、前記搬送装
置7から離脱して落下すると、活性炭素繊維送出機構3
4の排出口ダンパ34a上に載るようになる。この排出
口ダンパ34aを下方に揺動すれば、炉底部から下方の
送出ネットコンベア34bに向けて前記活性炭素繊維成
形体9が落下し、前記送出ネットコンベア34b上で運
ばれながら、前記送出ネットコンベア34bを水冷ジャ
ケットで包囲して、水蒸気供給部35aからの供給蒸気
により冷却雰囲気にしてある活性炭素繊維冷却機構35
内で冷却されて、炉外に運び出される。
【0031】以上は、一方の搬送装置7である第一搬送
装置7Aに係わる説明をしたが、上記第二収容溝部17
Bに収容された短冊状炭素繊維成形体4Aは、前記回転
収容体15が他方(図1においては右方向)に向けて回
動し、前記第一収容溝部17Aが上方に向けて開口する
位置に至ると、他方に向けて設けてあるシュート19に
案内されて、第二搬送装置7Bの搬送回転体20の内側
(図1においては左側)寄りの収容空間30内に収容さ
れる。前記第二搬送回転体20Bは、他方(図1におい
ては右方向)に向けて回転しているから、上述の経緯を
経て、活性炭素繊維成形体9が、前記搬送回転体20の
外側寄り(図1においては右寄り)の位置にある排出口
ダンパ34aから前記送出ネットコンベア34b上に落
とされて、冷却の後炉外に送り出される。
【0032】上記の過程において、供給された短冊状炭
素繊維成形体4Aが活性化されて、活性炭素繊維成形体
9として炉底部から排出されるまでの間に要する炉内滞
留時間は約1時間である。従って、前記搬送回転体20
は、2時間に1回の回転速度であればよい。つまり、上
記例によれば、36本の支持部24が放射状に立設され
ているから、隣接する支持部24間の角度は10°であ
り、約180°の回転角の間で活性化処理を完了すると
すれば、1時間に半回転するようにすればよい。従っ
て、上記のように、一対の搬送装置7に交互に短冊状炭
素繊維成形体4Aを供給することで、大きな空間を占有
することなく、また、炭素繊維成形体4の供給速度に対
して可変の賦活処理時間を設定できるようになる。前記
搬送回転体20は、連続回転していてもよく、また、例
えば10°毎に間欠駆動されるものでもよい。間欠駆動
すれば、活性炭素繊維送出部8への活性炭素繊維成形体
9の落下位置を安定させることができる。
【0033】〔別実施形態〕 〈1〉 上記実施の形態においては、炉内に一対の搬送
装置7を横に並べて設けた例について説明したが、前記
搬送装置7は、単一のものであってもよく、3基以上併
設されていてもよい。併設数が多くなれば、処理量を多
くでき、また、例えば、一部の搬送装置7のみを使用し
て、その回転速度を調節することにより、賦活処理時間
の調節がさらに容易になる。 〈2〉 上記実施の形態においては、回転胴23を、複
数の断熱筒部23Aに分割した例について説明したが、
前記回転胴23は一体に形成されていてもよい。また、
回転軸21に一体に形成されていてもよい。 〈3〉 上記実施の形態においては、支持部24を、環
状部材24bと支持部材24aとに分割形成した例につ
いて説明したが、前記支持部材24aを一体に形成して
あってもよい。 〈4〉 上記実施の形態においては、支持部材24aと
これを貫通させた支持ワイヤ26で網状物25を形成す
る例について説明したが、前記網状物25を形成するこ
となく、前記支持部材24aの軸芯P方向の配置間隔を
狭めてもよい。また、繊維載置面部7aを一体の金網で
形成してあってもよい。 〈5〉 前記支持部材24aは、図8(イ)に例示した
形状のものに限らず、例えば、同図(ロ)或いは(ハ)
に示すように、透かし孔を有する形状に形成してあって
もよい。図示の両例には、一方の側部に沿って貫通孔を
設けた例を示してあるが、両方の側部に沿って貫通孔を
設けるようにしてもよい。両側部に貫通孔を設ければ、
炭素繊維成形体4を保持する繊維載置面部7aの凹凸を
小さくできる。 〈6〉 上記実施の形態においては、回転胴23を、分
割した断熱筒部23Aを軸芯P方向に連設して形成した
例について説明したが、両端部のフランジ部23bと外
筒23cとで構成した被覆体と中空大径軸部22との間
にセラミックウール等の断熱材を充填して形成してあっ
てもよい。 〈7〉 上記実施の形態においては、断熱環27、環状
断熱体28及び断熱環29を、夫々、セラミックウール
からなる断熱材を金属被覆体で被覆して形成してある例
について説明したが、前記断熱環17、前記環状断熱体
28、前記断熱環29の何れか又は全てを、焼成した固
形の断熱材からなる環状物で形成してあってもよい。 〈8〉 上記実施の形態においては、断熱環27,29
を、回転軸21の一端側及び他端側に固定してある例に
ついて説明したが、これら断熱環27,29の中の何れ
か一方を、または両者を共に、前後壁部2Bの何れか一
方または両者に固定し、内側に前記回転軸21を挿通す
るようにしてあってもよい。 〈9〉 上記実施の形態においては、活性炭素繊維冷却
機構35が、送出ネットコンベア34bを水冷ジャケッ
トで包囲して、水蒸気供給部35aからの供給蒸気によ
り冷却雰囲気にしたものとして説明したが、前記活性炭
素繊維冷却機構35は、前記送出ネットコンベア34b
を備える、外気を遮断した冷却空間であればよく、前記
水冷ジャケットは省略可能である。また、水蒸気供給部
35aに代えて、不活性ガスを供給する手段を設けてあ
ってもよい。 〈10〉上記実施の形態においては、夫々単一の搬送回
転体20を備える一対の搬送装置7を横に並べて設けた
例について説明したが、前記搬送装置7を、複数の搬送
回転体20を上下に配置して構成してあってもよい。例
えば、図9に示すように、左右に配置した一対の搬送装
置7を、夫々上から第一搬送回転体20A、第二搬送回
転体20B、第三搬送回転体20C、第四搬送回転体2
0Dで構成してあってもよい。この場合、前記第一搬送
回転体20Aと第三搬送回転体20Cとは同一方向に回
転させ、前記第二搬送回転体20Bと第四搬送回転体2
0Dとは逆方向に回転させれば、夫々の搬送回転体20
の輸送効率を高められる。尚、夫々の搬送回転体20
は、同一構造であってもよく、一部異ならせてあっても
よい。例えば、支持部24の数を変えてあってもよい。 〈11〉上記実施の形態においては、回転収容体15
に、第一収容溝部17Aと第二収容溝部17Bとの二つ
の収容溝部17を形成してある例について説明したが、
例えば図9に示したように、前記回転収容体15には単
一の収容溝部17を設け、上方に向けて開口する受入位
置と斜め下方に向かう放出位置との間を往復回動するよ
うに構成してあってもよい。殊に、単一の搬送装置7が
配置されている場合には、上記構造で十分である。 〈12〉上記実施の形態においては、回転収容体15の
収容溝部17から放出される短冊状炭素繊維成形体4A
を、搬送装置7の収容空間30に向けて誘導するシュー
ト19を設けた例について説明したが、例えば図9に示
したように、放出位置で放出される短冊状炭素繊維成形
体4Aを受けて、左右下方の一対の搬送装置7に振り分
ける振り分け装置36を設けてもよい。 〈13〉上記実施の形態においては、複数のシールガス
供給口13をシール面部12のスリット6aの両側に、
夫々に二箇所開口させてある例を図2に示して説明した
が、このシールガス供給口13は、膨出空間12aに対
して一箇所に設けたものであってもよい。尚、前記スリ
ット6aの両側に夫々、二組のシールガス供給口13と
シールガス吸引口14を形成してあれば、前記シール面
部12のシール効果はさらに向上する。 〈14〉上記実施の形態においては、各部の寸法を幅約
2800mm、厚さ約30mmの炭素繊維成形体を処理
するべく、特定の条件の下に設定した寸法を示したが、
これらの寸法は、被処理物の寸法並びに処理の内容に応
じて変化させるものであり、上記各部の寸法及び寸法関
係が本発明を構成するものではない。〈15〉上記実施
の形態においては、短冊状炭素繊維成形体を形成するの
に、幅を400mmに切断する例について説明したが、
この切断幅は任意であり、これより幅広であってもよ
く、また、これより狭い幅であってもよい。要するに、
収容溝部内、或いは収容空間内で短冊状の形状を維持で
きる寸法であればよい。従って、上記例示したよりも厚
い炭素繊維成形体を処理する場合には、さらに広い幅に
切断してもよい。当然ながら、上記例示した収容溝部の
深さ、回転収容体の寸法並びに周囲に形成される収容空
間の数等はこれに合わせて適宜変更されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る賦活炉の一例を示す一部切り欠き
正面図
【図2】図1の部分拡大断面図
【図3】図1に示した賦活炉の側面視縦断面図
【図4】図3の部分拡大断面図
【図5】図4に示した部分拡大断面図における作用説明
【図6】搬送装置の一例を説明する要部斜視図
【図7】図6に示した搬送装置の正面視縦断面図
【図8】図7に示した搬送装置の部材を例示する平面図
【図9】本発明に係る賦活炉の他の例を示す正面視縦断
面図
【図10】従来の賦活炉を説明する構成説明図
【符号の説明】
2C 炉天井部 3 雰囲気調整機構 4 炭素繊維成形体 5a 炭素繊維切断装置 6 炭素繊維受入部 7 搬送装置 8 活性炭素繊維送出部 9 活性炭素繊維成形体 10 炭素繊維供給装置 11 シール機構 12 シール面部 13 シールガス供給口 14 シールガス吸引口 15 回転収容体 15a 回転収容体の外周面 17 収容溝部 18 回動機構 21 回転軸 23 回転胴 24 支持部 24a 支持部材 25 網状物 30 収容空間 33 駆動装置 P 軸芯

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉内を賦活ガス雰囲気下で高温に維持自
    在な雰囲気調整機構を備え、マット状又はシート状に成
    形してある炭素繊維成形体を炉内に受け入れる炭素繊維
    受入部と、賦活処理後の活性炭素繊維成形体を送出する
    活性炭素繊維送出部とを設け、前記炭素繊維受入部から
    供給される前記炭素繊維成形体を、炉内で保持しながら
    前記活性炭素繊維送出部に向けて搬送する搬送装置を設
    けて、駆動装置により前記搬送装置を駆動して、前記炭
    素繊維成形体を、前記搬送装置で搬送しながら炉内雰囲
    気中で所定時間加熱処理することで賦活して、前記賦活
    処理後の活性炭素繊維成形体を前記活性炭素繊維送出部
    から逐次送出する炭素繊維の賦活炉であって、 前記炭素繊維受入部に、前記マット状又はシート状に形
    成された炭素繊維成形体を、その長さ方向に所定寸法で
    切断する炭素繊維切断装置を設け、且つ、前記切断した
    炭素繊維成形体を受け入れて炉内に供給する炭素繊維供
    給装置を設け、 前記搬送装置を、横軸芯回りに駆動回転自在な回転軸
    と、その回転軸の軸芯回りに放射状に形成され、且つ、
    通気性を備える複数の支持部とで構成して、回転方向に
    相隣る前記支持部同士の間に、前記切断された炭素繊維
    成形体を収容自在な収容空間を形成し、 前記搬送装置の下方に前記活性炭素繊維送出部を配置し
    て、 前記回転軸の回転に伴い、前記炭素繊維供給装置から供
    給される炭素繊維成形体を前記収容空間内に受け入れ、
    所定角度回転後に、前記収容空間内に収容した炭素繊維
    成形体を、前記活性炭素繊維送出部に向けて自然落下さ
    せるように構成してある炭素繊維の賦活炉。
  2. 【請求項2】 前記炭素繊維受入部を炉天井部に配置し
    て、 前記炭素繊維供給装置を構成するに、前記炉天井部に、
    軸芯を横に配置された円柱状の回転収容体を、その軸芯
    回りに回転自在に内嵌する部分円筒面で形成されたシー
    ル面部を形成すると共に、前記シール面部と前記回転収
    容体の外周面との間に前記賦活ガスを供給するシールガ
    ス供給口を設けると共に、前記シール面部と前記回転収
    容体の外周面との間から排出される賦活ガスを吸引する
    シールガス吸引口を設けてシール機構を構成し、 前記回転収容体の外周面に、軸芯方向に沿って深く削設
    した前記炭素繊維形成体を折り曲げることなく収容可能
    な収容溝部を形成し、 前記回転収容体を前記軸芯回りに回動駆動する回動機構
    を設けて、 前記回動機構による駆動で、前記収容溝部の前記外周面
    への開口部を上向きにした状態で、前記切断した炭素繊
    維成形体を前記収容溝部に受け入れ、前記回転収容体を
    一方に回動させて、前記開口部が下方に向かう姿勢で、
    前記受け入れた炭素繊維成形体を、前記収容溝部から重
    力により放出し、前記搬送装置の収容空間内に受け渡せ
    るように構成してある請求項1記載の炭素繊維の賦活
    炉。
  3. 【請求項3】 先端部に向けて幅狭く形成した支持部材
    を、円筒状の回転胴に、その軸芯方向に複数立設して、
    前記支持部を形成し、複数の前記支持部材間に、前記炭
    素繊維成形体を接当支持可能な網状物を張設して前記支
    持部を形成してある請求項1又は2に記載の炭素繊維の
    賦活炉。
  4. 【請求項4】 複数の前記搬送装置を横に併設し、夫々
    の前記搬送装置の下方に、前記活性炭素繊維送出部を設
    けてある請求項1〜3の何れか1項に記載の炭素繊維の
    賦活炉。
  5. 【請求項5】 前記回転軸を縦に併設して、前記搬送装
    置を上下に亘る多段に構成してある請求項1〜4の何れ
    か1項に記載の炭素繊維の賦活炉。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008297080A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Fuji Seisakusho:Kk ワーク搬送装置
JP2012184535A (ja) * 2011-02-18 2012-09-27 Toray Ind Inc 炭素繊維基材およびその製造方法

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