JP2000178726A - 光記録媒体保護膜形成用スパッタリングターゲット - Google Patents

光記録媒体保護膜形成用スパッタリングターゲット

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JP2000178726A
JP2000178726A JP10360706A JP36070698A JP2000178726A JP 2000178726 A JP2000178726 A JP 2000178726A JP 10360706 A JP10360706 A JP 10360706A JP 36070698 A JP36070698 A JP 36070698A JP 2000178726 A JP2000178726 A JP 2000178726A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザーを用いて情報の記録および消去を行
う光ディスクなどの光メディアに用いられる保護膜を形
成するための、カルコゲン化亜鉛−二酸化ケイ素焼結体
からなる高出力スパッタリングを行っても割れが発生し
ない機械的強度の優れた光記録媒体保護膜形成用スパッ
タリングターゲットを提供する。 【解決手段】 カルコゲン化亜鉛素地中に平均粒径が
0.0005〜0.1μmの範囲内にありかつ比表面積
値が50〜150m2 /gの範囲内にある無定型二酸化
ケイ素粉末が分散している光記録媒体保護膜形成用スパ
ッタリングターゲット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、レーザーを用い
て情報の記録および消去を行う相変化型光ディスクなど
の保護膜を形成するためのカルコゲン化亜鉛−二酸化ケ
イ素焼結体からなる光記録媒体保護膜形成用スパッタリ
ングターゲットに関するものであり、特に高出力スパッ
タリングを行っても割れ発生のない光記録媒体保護膜形
成用スパッタリングターゲットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザーを用いて情報の記録および消去
を行う相変化型光ディスクなどの保護膜を形成するため
のスパッタリングターゲットとして、純度:99.99
9重量%以上の二酸化ケイ素と純度:99.999重量
%以上のカルコゲン化亜鉛からなり、相対密度が90%
以上有する焼結体からなるスパッタリングターゲットを
用いることは知られている(特開平6−65725号公
報参照)。この従来の光記録媒体保護膜形成用スパッタ
リングターゲットは、純度:99.999重量%以上の
カルコゲン化亜鉛粉末に対し、純度:99.999重量
%以上の二酸化ケイ素粉末:10〜30mol%添加し
均一に混合して、得られた混合粉末を加圧後焼結するこ
とにより製造することも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、光記録媒体の製
造効率を向上させるために大型の光記録媒体保護膜形成
用スパッタリングターゲットを用いて高出力スパッタリ
ングすることにより高速で効率良く光記録媒体保護膜を
形成し、それによって光ディスクの生産効率の向上およ
びコスト削減を行おうとしている。しかし、従来のカル
コゲン化亜鉛−二酸化ケイ素焼結体からなる大型の光記
録媒体保護膜形成用スパッタリングターゲットを用いて
高出力スパッタリングを行うとターゲットに割れ発生し
(以下、スパッタリング中にターゲットに割れ発生する
現象を「スパッタ割れ」という)、そのために高出力ス
パッタリングを行うことはできなかった。また、従来の
カルコゲン化亜鉛−二酸化ケイ素焼結体からなる光記録
媒体保護膜形成用スパッタリングターゲットは、曲げ応
力に対する強度(抗折強度)が不足しているところか
ら、ターゲットの大型化には限界があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
高出力スパッタリングを行ってもスパッタ割れがなくか
つ高い抗折強度を有する大型の光記録媒体保護膜形成用
スパッタリングターゲットを得るべく研究を行なった結
果、(a)カルコゲン化亜鉛−二酸化ケイ素焼結体から
なるターゲットの抗折強度および高出力スパッタリング
時のスパッタ割れの発生は、カルコゲン化亜鉛素地中に
に分散している二酸化ケイ素粉末の形態および形状が大
きく影響を及ぼし、従来の光記録媒体保護膜形成用スパ
ッタリングターゲットのカルコゲン化亜鉛素地中に分散
している二酸化ケイ素粉末は結晶状態の二酸化ケイ素粉
末であったが、これを無定型(アモルファス)状態の二
酸化ケイ素粉末に代えると、高出力スパッタリングを行
ってもスパッタ割れが発生することはなく、従来よりも
高い抗折強度を有するターゲットを得ることができる、
(b)前記無定型(アモルファス)状態の二酸化ケイ素
粉末は、微細になるほど作りやすく、したがって、カル
コゲン化亜鉛素地中に分散している二酸化ケイ素粉末は
平均粒径:0.0005〜0.1μmの超微細無定型
(アモルファス)二酸化ケイ素粉末であることが一層好
ましい、などの知見を得たのである。
【0005】この発明は、かかる知見に基づいて成され
たものであって、(1)カルコゲン化亜鉛素地中に無定
型二酸化ケイ素粉末が分散している組織を有する光記録
媒体保護膜形成用スパッタリングターゲット、(2)カ
ルコゲン化亜鉛素地中に超微細無定型二酸化ケイ素粉末
が分散している組織を有する光記録媒体保護膜形成用ス
パッタリングターゲット、(3)カルコゲン化亜鉛素地
中に平均粒径:0.0005〜0.1μmの超微細無定
型二酸化ケイ素粉末が分散している組織を有する光記録
媒体保護膜形成用スパッタリングターゲット、に特徴を
有するものである。
【0006】前記カルコゲン化亜鉛素地中に分散する無
定型(アモルファス)二酸化ケイ素粉末は、比表面積値
が50〜150m2 /gの範囲内にあることが好まく、
さらに比表面積値が50〜150m2 /gでかつ平均粒
径:0.0005〜0.1μmの超微細無定型二酸化ケ
イ素粉末が一層好ましい。したがって、この発明は、
(4)前記カルコゲン化亜鉛素地中に分散している二酸
化ケイ素粉末は、比表面積値:50〜150m2 /gの
二酸化ケイ素粉末である(1)、(2)または(3)記
載の光記録媒体保護膜形成用スパッタリングターゲッ
ト、に特徴を有するものである。
【0007】この発明でにおいてカルコゲン化亜鉛と
は、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)ま
たはテルル化亜鉛(ZnTe)であり、この中でも硫化
亜鉛(ZnS)が最も好ましい。
【0008】この発明の光記録媒体保護膜形成用スパッ
タリングターゲットは、平均粒径:4〜6μmの市販の
純度:99.999重量%以上を有するカルコゲン化亜
鉛粉末に対し、比表面積値:50〜150m2 /g(一
層好ましくは、70〜120m2 /g)を有する純度:
99.999重量%以上の無定型(アモルファス)二酸
化ケイ素粉末を10〜30mol%添加し、これらを均
一に混合して得られた混合粉末をホットプレスすること
により製造することが好ましい。前記無定型(アモルフ
ァス)二酸化ケイ素粉末は、微細であるほど作りやすい
ところから、平均粒径:0.0005〜0.1μmの超
微細無定型(アモルファス)二酸化ケイ素粉末を使用す
ることが好ましく、平均粒径:0.005〜0.05μ
mの超微細無定型(アモルファス)二酸化ケイ素粉末を
使用することが一層好ましい。
【0009】前記ホットプレスは、真空またはArガス
雰囲気中、圧力:150〜300kgf/cm2 、温
度:850〜950℃(好ましくは、900〜950
℃)、3〜5時間保持し、この保持温度から冷却速度:
1〜3℃/minで常温まで冷却することにより無定型
二酸化ケイ素粉末が結晶化しない条件で行われる。
【0010】この様にして製造したホットプレス焼結体
からなるこの発明の光記録媒体保護膜形成用スパッタリ
ングターゲットは、抗折強度が大きところから直径を大
きくすることができ、さらに高出力スパッタリングを行
ってもターゲットに割れが発生しにくいところから成膜
効率を一層向上させることができる。この発明の光記録
媒体保護膜形成用スパッタリングターゲットのカルコゲ
ン化亜鉛素地中に分散する無定型二酸化ケイ素粉末は、
原料粉末として添加した無定型二酸化ケイ素粉末の比表
面積値および平均粒径と同じ値を示す。これは、この発
明の光記録媒体保護膜形成用スパッタリングターゲット
の組織をSEM(走査型電子顕微鏡)またはこれより一
層高解像度を有するTEM(透過型電子顕微鏡)により
確認することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】実施例1 ZnS粉末に含まれるガスを除去する目的で市販の純
度:99.999重量%以上有するZnS粉末をAr雰
囲気中で昇温速度:2.2℃/minで加熱し、650
℃で1時間保持の熱処理を施すことにより、純度:9
9.999重量%以上、平均粒径:4μmを有するZn
S原料粉末を作製した。さらに、表1に示される平均粒
径および比表面積値を有し純度:99.999重量%以
上有するレオロシールの超微細無定型SiO2 粉末を用
意した。これらZnS原料粉末と超微細無定型SiO2
粉末を表1に示される割合になるように配合し、この配
合粉末をエタノールと共にポリポットの中に入れ、1時
間湿式混合してスラリーとし、得られた混合粉末のスラ
リーを乾燥することによりエタノールを蒸発させ、その
後、軽く解砕を行った後、ホットプレスの黒鉛型に充填
し、Arガス雰囲気中において圧力:250kgf/c
2 、表1に示される温度および時間保持することより
ホットプレスし、次いで表1に示される冷却速度で冷却
することによりホットプレス体を作製し、このホットプ
レス体を機械加工することにより直径:200mm、厚
さ:5mmの寸法を有しZnS素地中に超微細無定型S
iO2 粉末が分散している組織を有する円盤状の本発明
光記録媒体保護膜形成用スパッタリングターゲット(以
下、本発明ターゲットという)1〜7を作製した。
【0012】さらに、比較のために、平均粒径:12μ
m、比表面積値:7.5m2 /gを有し純度:99.9
99重量%以上有する結晶SiO2 粉末を用意し、この
結晶SiO2 粉末を前記ZnS原料粉末に対して表1に
示される割合になるように配合し混合して混合粉末を作
製し、この混合粉末をホットプレスの黒鉛型に充填し、
Arガス雰囲気中において圧力:250kgf/c
2 、表1に示される温度および時間保持することより
ホットプレスし、次いで表1に示される冷却速度で冷却
することによりホットプレス体を作製し、このホットプ
レス体を機械加工することにより直径:200mm、厚
さ:5mmの寸法を有しZnS素地中に結晶SiO2
末が分散している組織を有する円盤状の従来光記録媒体
保護膜形成用スパッタリングターゲット(以下、従来タ
ーゲットという)1を作製した。
【0013】このようにして得られた本発明ターゲット
1〜7のZnS素地中に均一分散する超微細無定型Si
2 粉末の平均粒径、比表面積値および分散量は、ホッ
トプレス前の表1に示される超微細無定型SiO2 粉末
の平均粒径、比表面積値および配合量と同じであった。
また、従来ターゲット1のZnS素地中に均一分散する
結晶SiO2 粉末の平均粒径、比表面積値および分散量
は、ホットプレス前の表1に示される結晶SiO2 粉末
の平均粒径、比表面積値および配合量と同じであった。
このことは、SEM(走査型電子顕微鏡)により確認す
ることができた。
【0014】これら本発明ターゲット1〜7および従来
ターゲット1の抗折強度を測定し、その結果を表1に示
したのち、これらターゲットをモリブデン製の冷却用バ
ッキングプレートに純度:99.999重量%のイリジ
ウムろう材にてハンダ付けし、これを高周波マグネトロ
ンスパッタリング装置にセットし、 ・スパッタガス:Ar、 ・スパッタガス圧力:5×10-3Torr、 ・スパッタ電力:13.56MHzの高周波電力150
0Kw(約8.5W/cm2 )、 の条件でスパッタを行い、ターゲットにスパッタ割れが
発生したか否かを目視にて観察し、その結果を表1に示
した。
【0015】
【表1】
【0016】表1に示される結果から、本発明ターゲッ
ト1〜7は従来ターゲット1に比べて、抗折強度が高
く、さらに高出力の高周波マグネトロンスパッタを行っ
てもスパッタ割れが発生しないことが分かる。
【0017】実施例2 ZnSe粉末に含まれるガスを除去する目的で市販の純
度:99.999重量%以上有するZnSe粉末をAr
雰囲気中で昇温速度:2.2℃/minで加熱し、65
0℃で1時間保持の熱処理を施すことにより、純度:9
9.999重量%以上、平均粒径:4μmを有するZn
Se原料粉末を作製した。さらに、表2に示される平均
粒径および比表面積値を有し純度:99.999重量%
以上有するレオロシールの超微細無定型SiO2 粉末を
用意した。これらZnSe原料粉末と無定型SiO2
末を表2に示される割合になるように配合し、この配合
粉末をエタノールと共にポリポットの中に入れ、1時間
湿式混合してスラリーとし、得られた混合粉末のスラリ
ーを乾燥することによりエタノールを蒸発させ、その
後、軽く解砕を行った後、ホットプレスの黒鉛型に充填
し、Arガス雰囲気中において圧力:250kgf/c
2 、表2に示される温度および時間保持することより
ホットプレスし、次いで表2に示される冷却速度で冷却
することによりホットプレス体を作製し、このホットプ
レス体を機械加工することにより直径:200mm、厚
さ:5mmの寸法を有しZnSe素地中に無定型SiO
2 粉末が分散している組織を有する円盤状の本発明ター
ゲット8〜14を作製した。
【0018】さらに、比較のために、平均粒径:10μ
m、比表面積値:8.0m2 /gを有し純度:99.9
99重量%以上有する結晶SiO2 粉末を用意し、この
結晶SiO2 粉末を前記ZnSe原料粉末に対して表2
に示される割合になるように配合し混合し、得られた混
合粉末をホットプレスの黒鉛型に充填し、Arガス雰囲
気中において圧力:250kgf/cm2 、表2に示さ
れる温度および時間保持することよりホットプレスし、
次いで表2に示される冷却速度で冷却することによりホ
ットプレス体を作製し、このホットプレス体を機械加工
することにより直径:200mm、厚さ:5mmの寸法
を有しZnSe素地中に結晶SiO2 粉末が分散してい
る組織を有する円盤状の従来ターゲット2を作製した。
【0019】このようにして得られた本発明ターゲット
8〜14のZnSe素地中に均一分散する超微細無定型
SiO2 粉末の平均粒径、比表面積値および分散量は、
ホットプレス前の表2に示される超微細無定型SiO2
粉末の平均粒径、比表面積値および配合量と同じであっ
た。また、従来ターゲット2のZnSe素地中に均一分
散する結晶SiO2 粉末の平均粒径、比表面積値および
分散量は、ホットプレス前の表2に示される結晶SiO
2 粉末の平均粒径、比表面積値および配合量と同じであ
った。このことは、SEM(走査型電子顕微鏡)により
確認することができた。
【0020】これら本発明ターゲット8〜14および従
来ターゲット2の抗折強度を測定し、その結果を表2に
示したのち、これらターゲットをモリブデン製の冷却用
バッキングプレートに純度:99.999重量%のイリ
ジウムろう材にてハンダ付けし、これを高周波マグネト
ロンスパッタリング装置にセットし、実施例1と同じ条
件のスパッタを行い、ターゲットにスパッタ割れが発生
したか否かを目視にて観察し、その結果を表2に示し
た。
【0021】
【表2】
【0022】表2に示される結果から、本発明ターゲッ
ト8〜14は従来ターゲット2に比べて、抗折強度が高
く、さらに高出力の高周波マグネトロンスパッタを行っ
てもスパッタ割れが発生しないことが分かる。
【0023】実施例3 ZnTe粉末に含まれるガスを除去する目的で市販の純
度:99.999重量%以上有するZnTe原料粉末を
Ar雰囲気中で昇温速度:2.2℃/minで加熱し、
650℃で1時間保持の熱処理を施すことにより、純
度:99.999重量%以上、平均粒径:6μmを有す
るZnTe粉末を作製した。さらに、表3に示される平
均粒径および比表面積値を有し純度:99.999重量
%以上有するレオロシールの超微細無定型SiO2 粉末
を用意した。これらZnTe粉末と無定型SiO2 粉末
を表3に示される割合になるように配合し、この配合粉
末をエタノールと共にポリポットの中に入れ、1時間湿
式混合してスラリーとし、得られた混合粉末のスラリー
を乾燥することによりエタノールを蒸発させ、その後、
軽く解砕を行った後、ホットプレスの黒鉛型に充填し、
Arガス雰囲気中において圧力:250kgf/c
2 、表3に示される温度および時間保持することより
ホットプレスし、次いで表3に示される冷却速度で冷却
することによりホットプレス体を作製し、このホットプ
レス体を機械加工することにより直径:200mm、厚
さ:5mmの寸法を有しZnTe素地中に無定型SiO
2 粉末が分散している組織を有する円盤状の本発明ター
ゲット14〜21を作製した。
【0024】さらに、比較のために、平均粒径:10μ
m、比表面積値:8.0m2 /gを有し純度:99.9
99重量%以上有する結晶SiO2 粉末を用意し、この
結晶SiO2 粉末を前記ZnTe粉末に対して表3に示
される割合になるように配合し混合し、得られた混合粉
末をホットプレスの黒鉛型に充填し、Arガス雰囲気中
において圧力:250kgf/cm2 、表3に示される
温度および時間保持することよりホットプレスし、次い
で表3に示される冷却速度で冷却することによりホット
プレス体を作製し、このホットプレス体を機械加工する
ことにより直径:200mm、厚さ:5mmの寸法を有
しZnTe素地中に結晶SiO2 粉末が分散している組
織を有する円盤状の従来ターゲット3を作製した。
【0025】このようにして得られた本発明ターゲット
14〜21のZnTe素地中に均一分散する超微細無定
型SiO2 粉末の平均粒径、比表面積値および分散量
は、ホットプレス前の表3に示される超微細無定型Si
2 粉末の平均粒径、比表面積値および配合量と同じで
あった。また、従来ターゲット2のZnTe素地中に均
一分散する結晶SiO2 粉末の平均粒径、比表面積値お
よび分散量は、ホットプレス前の表3に示される結晶S
iO2 粉末の平均粒径、比表面積値および配合量と同じ
であった。このことは、SEM(走査型電子顕微鏡)に
より確認することができた。
【0026】これら本発明ターゲット14〜21および
従来ターゲット3の抗折強度を測定し、その結果を表3
に示したのち、これらターゲットをモリブデン製の冷却
用バッキングプレートに純度:99.999重量%のイ
リジウムろう材にてハンダ付けし、これを高周波マグネ
トロンスパッタリング装置にセットし、実施例1と同じ
条件のスパッタを行い、ターゲットにスパッタ割れが発
生したか否かを目視にて観察し、その結果を表3に示し
た。
【0027】
【表3】
【0028】表3に示される結果から、本発明ターゲッ
ト14〜21は従来ターゲット3に比べて、抗折強度が
高く、さらに高出力の高周波マグネトロンスパッタを行
ってもスパッタ割れが発生しないことが分かる。
【0029】
【発明の効果】上述のように、カルコゲン化亜鉛素地中
に無定型(アモルファス)二酸化ケイ素粉末が分散した
この発明の光記録媒体保護膜形成用スパッタリングター
ゲットは、抗折強度が高いところから従来よりも大型に
成形することができ、また高出力スパッタを行ってもス
パッタ割れが発生しないので従来よりも効率良く相変化
型光ディスクなどの保護膜を形成することができ、した
がって光ディスクの生産効率の向上およびコスト削減を
行うことができて光メディア産業の発展に大いに貢献し
得るものである。
【0030】なお、この発明は、前記実施例に限定され
るものではなく、カルコゲン化亜鉛素地中に無定型(ア
モルファス)二酸化ケイ素粉末以外に結晶質の二酸化ケ
イ素粉末が一部分散している光記録媒体保護膜形成用ス
パッタリングターゲットもこの発明の範囲に含まれるも
のであり、その場合は、結晶質の二酸化ケイ素粉末の分
散量は無定型(アモルファス)二酸化ケイ素粉末の分散
量より多くなってはならない。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G030 AA37 AA55 AA56 BA14 CA04 GA29 4K029 BA41 BD00 DC05 DC09 5D121 AA04 EE03 EE10 EE14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルコゲン化亜鉛素地中に無定型二酸化
    ケイ素粉末が分散している組織を有することを特徴とす
    る光記録媒体保護膜形成用スパッタリングターゲット。
  2. 【請求項2】 カルコゲン化亜鉛素地中に超微細無定型
    二酸化ケイ素粉末が分散している組織を有することを特
    徴とする光記録媒体保護膜形成用スパッタリングターゲ
    ット。
  3. 【請求項3】 カルコゲン化亜鉛素地中に平均粒径:
    0.0005〜0.1μmの超微細無定型二酸化ケイ素
    粉末が分散している組織を有することを特徴とする光記
    録媒体保護膜形成用スパッタリングターゲット。
  4. 【請求項4】 前記カルコゲン化亜鉛素地中に分散して
    いる二酸化ケイ素粉末は、比表面積値:50〜150m
    2 /gの二酸化ケイ素粉末であることを特徴とする請求
    項1、2または3記載の光記録媒体保護膜形成用スパッ
    タリングターゲット。
  5. 【請求項5】 前記カルコゲン化亜鉛素地中に前記無定
    型二酸化ケイ素粉末が10〜30mol%分散している
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の光記
    録媒体保護膜形成用スパッタリングターゲット。
  6. 【請求項6】 前記カルコゲン化亜鉛は、硫化亜鉛、セ
    レン化亜鉛またはテルル化亜鉛であることを特徴とする
    請求項1、2、3、4または5記載の光記録媒体保護膜
    形成用スパッタリングターゲット。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5または6記載
    のスパッタリングターゲットを用いて形成した光記録媒
    体保護膜。
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