JP2000177952A - エレベータの据付用作業床装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エレベータ据付現場で組立ておよび解体に要
する時間を低減できるとともに、据付作業時の安全を確
保できるエレベータの据付用作業床装置の提供。 【解決手段】 かご枠１の上部に設けられる作業床２
に、下方に突出するとともにかご枠１の上枠１ａを受入
れる凹型枠体９と、上枠１ａの長手方向に沿って延設さ
れる開口部と、この開口部を覆い、一様な平面を形成す
る蓋部とを設け、作業床２、支柱、手摺および保護天井
をあらかじめ組立てて一体ユニットを得て、この一体ユ
ニットをかご枠１内で吊上げ、このかご枠１の上枠１ａ
を作業床２の開口部を介して凹型枠体９内に受入れた
後、上枠１ａを挟圧部材２３および凹型枠体９で挟持す
ることにより前記の一体ユニットをかご枠１に連結した
後、作業床２の開口部を蓋部で覆うことにより一様な平
面を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、エレベータ据付時
に仮設状態のかご枠を利用して昇降路内作業を行うエレ
ベータの据付用作業床装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のエレベータの据付用作業
床装置としては、例えば特開昭５９−１６３２８２号公
報に開示されているように、昇降路の寸法およびエレベ
ータ形状に応じて伸縮自在な上部作業床を設け、この上
部作業床をエレベータかご枠の上枠にボルト等を介して
取付けるとともに、上部作業床の上方に落下物を受け止
める保護天井を取付けたものが提案されている。このよ
うな従来の据付用作業床装置にあっては、伸縮自在な上
部作業床により、多種にわたる昇降路の寸法およびエレ
ベータ形状に対応できる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した従
来のエレベータの据付用作業床装置では、当該作業床装
置をエレベータ据付現場で組立てる際、組立て箇所が比
較的多いため、組立ておよび解体作業にかなり多くの時
間を要するという問題があった。

【０００４】また、上述した組立ておよび解体作業を短
縮するため、あらかじめユニット化してエレベータ据付
現場で組立てを行う場合、かご枠上枠との干渉を避ける
ために、作業床がかご枠の上枠に沿って延設される開口
部を有する構造となり、この作業床上で作業者がエレベ
ータ据付作業を行なう際に安全面に問題が発生した。

【０００５】本発明はこのような従来技術における実状
を鑑みてなされたもので、その主な目的は、エレベータ
据付現場で組立ておよび解体に要する時間を低減するこ
とのできるエレベータの据付用作業床装置を提供するこ
とにある。

【０００６】また、他の目的は、組立てた作業床上でエ
レベータ据付作業を行なう際、作業者の安全を確保する
ことのできるエレベータの据付用作業床装置を提供する
ことにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記主な目的を達成する
ため、本発明の請求項１に係る発明は、エレベータかご
枠の上部に設けられる作業床と、この作業床の端部に立
設される支柱と、この支柱により支持される手摺と、前
記支柱の上端に取付けられ、前記作業床の上部を覆う保
護天井とがあらかじめ組立てられた一体ユニットを有
し、エレベータ据付時に前記作業床を作業用足場として
昇降路据付作業を行うエレベータの据付用作業床装置に
おいて、前記作業床に、下方に突出するとともに前記か
ご枠の上枠を受入れる凹型枠体を設け、この凹型枠体と
挟圧部材とで前記かご枠の上枠を挟圧することにより、
この上枠に前記作業床を連結する構成にしてある。

【０００８】このように構成した本発明の請求項１に係
る発明では、作業床、支柱、手摺および保護天井をあら
かじめ組立てて一体ユニットを得て、この一体ユニット
をかご枠内で吊上げ、作業床の開口部を介して凹型枠体
内にかご枠の上枠を受入れた後、この上枠を挟圧部材お
よび凹型枠体で挟持することにより、前記の一体ユニッ
トをかご枠に連結する。これによって、エレベータ据付
現場で組立てを要する箇所が少なくて済むので、当該作
業床装置の組立ておよび解体時間を低減できる。

【０００９】また、本発明の請求項２に係る発明は、請
求項１に係る発明において、前記作業床に、前記上枠の
長手方向に沿って延設される開口部と、この開口部を覆
い、一様な平面を形成する蓋部とを設け、この蓋部を取
外した状態で前記上枠に前記作業床を取付けた後、この
作業床に前記蓋部を取付ける構成にしてある。

【００１０】このように構成した本発明の請求項２に係
る発明では、組立て後の作業床上に蓋部により一様な平
面が形成され、すなわち作業床上が平面であるため、こ
の組み立てた作業床上で作業者が安全かつ円滑にエレベ
ータ据付作業を行なえる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明のエレベータの据付
用作業床装置の実施の形態を図に基づいて説明する。図
１は本発明の一実施形態に係るエレベータの据付用作業
床装置を示す斜視図、図２は作業床の枠体を分解した状
態を示す斜視図、図３は作業床の枠体を組み立てた状態
を示す斜視図、図４は作業床に蓋部を取付ける工程を説
明する斜視図である。

【００１２】図１に示すエレベータのかご枠１は、上部
を形成する上枠１ａと、この上枠１ａの下方に設けられ
るかご床１ｂと、これらの上枠１ａおよびかご床１ｂを
連結し、図示しないガイドレールと係合する一対の立枠
１ｃとを備えている。

【００１３】そして、本実施形態の据付用作業床装置
は、かご枠１上部に設けられる作業床２と、この作業床
２の四隅に立設される４本の支柱３と、この支柱３に取
付けられ、作業床２の各端部の上方を横切るように延設
される転落防止用手摺４と、支柱３の上端に取付けら
れ、作業床２の上部を覆い図示しない落下物を受け止め
る保護天井５とからなり、これらの作業床２、支柱３、
手摺４および保護天井５をあらかじめ組立てることによ
り一体ユニット化されている。

【００１４】作業床２は、図４に示すように、上枠１ａ
の長手方向に沿って延設される開口部６を中央に有する
主作業床７と、開口部６を覆い、一様な平面を形成する
長方形状の蓋部８とから主として構成されている。

【００１５】主作業床７は、図２に示すように、下方へ
突出する凹型枠体９を有する中央部床枠体１０と、この
中央部床枠体１０の前側（図示しない乗場側）に位置す
る前部床枠体１１と、中央部床枠体１０の右前側に位置
する右前部床枠体１２と、中央部床枠体１０の左前側に
位置する左前部床枠体１３と、中央部床枠体１０の後側
に位置する後部床枠体１４と、中央部床枠体１０の右後
側に位置する右後部床枠体１５と、中央部床枠体１０の
左後側に位置する左後部床枠体１６と、中央部床枠体１
０の左側に位置する左部主床枠体１７および左部床枠体
１８、１９と、中央部床枠体１０の右側に位置する右部
主床枠体２０および右部床枠体２１、２２とからなる枠
体を備えている。

【００１６】中央部床枠体１０は、それぞれ角形パイプ
により構成される前側連結部１０ａ、後側連結部１０ｂ
および側面連結部１０ｃを有している。前部床枠体１１
は前記の前側連結部１０ａよりやや小さい径の角形パイ
プにより構成される連結部１１ａを有し、この連結部１
１ａが前側連結部１０ａ内に収納可能であるため、前部
床枠体１１の連結部１１ａが中央部床枠体１０に出入り
することにより主作業床７の前部が伸縮するようになっ
ている。同様に、後部床枠体１４も、前記の前側連結部
１０ａよりやや小さい径の角形パイプにより構成される
連結部１４ａを有し、この連結部１４ａが後側連結部１
０ｂ内に収納可能であるため、後部床枠体１４の連結部
１４ａが中央部床枠体１０に出入りすることにより主作
業床７の後部が伸縮するようになっている。

【００１７】同様に、左部主床枠体１７および左部床枠
体１８、１９は、それぞれ前記の側面連結部１０ｃより
やや小さい径の角形パイプにより構成される連結部１７
ａ、１８ａ、１９ａを有し、これらの連結部１７ａ〜１
９ａが側面連結部１０ｃ内に収納可能であるため、連結
部１７ａ〜１９ａがそれぞれ中央部床枠体１０に出入り
することにより、主作業床７の左側部が伸縮するように
なっている。同様に、右部主床枠体２０および右部床枠
体２１、２２は、それぞれ前記の側面連結部１０ｃより
やや小さい径の角形パイプにより構成される連結部２０
ａ、２１ａ、２２ａを有し、これらの連結部２０ａ〜２
２ａが側面連結部１０ｃ内に収納可能であるため、連結
部２０ａ〜２２ａがそれぞれ中央部床枠体１０に出入り
することにより、主作業床７の右側部が伸縮するように
なっている。

【００１８】また、左前部床枠体１３は、前部床枠体１
１および左部床枠体１９のそれぞれと移動可能に連結さ
れ、右前部床枠体１２は、前部床枠体１１および右部床
枠体２２のそれぞれと移動可能に連結され、右後部床枠
体１５は、後部床枠体１４および右部床枠体２１のそれ
ぞれと移動可能に連結され、左後部床枠体１６は、後部
床枠体１４および左部床枠体１８のそれぞれと移動可能
に連結されている。

【００１９】凹型枠体９は、図３に示すように、上枠１
ａを受入れるように中央部床枠体１０より下方へ突出し
ている。また、この凹型枠体９上には、上枠１ａ上を横
切るように一対の挟圧部材２３が配置され、各挟圧部材
２３の両端および凹型枠体９がボルト２４およびナット
２５により締結されている。

【００２０】この実施形態にあっては、あらかじめ作業
床２、支柱３、手摺４および保護天井５を組立てること
により一体ユニットを得るとともに、支柱３および手摺
４をそれぞれ縮小し、保護天井５を縮小して２分割して
おく。この状態で前記の一体ユニットをかご床１ｂ上ま
で運搬した後、作業床２から蓋部８をあらかじめ取外し
て開口部６を露出させた状態で、前記の一体ユニットを
図示しない吊りロ−プを介して垂直に吊り上げる。

【００２１】次いで、かご枠１の上枠１ａを作業床２の
開口部６を介して凹型枠体９内に受入れて、この上枠１
ａの下面に凹型枠体９の底部が接する高さ位置まで作業
床２を吊上げて停止し、その状態を保持する。そして、
図３に示すように、一対の挟圧部材２３をかご枠１の上
枠１ａ上を横切るように設置し、各挟圧部材２３の両端
および凹型枠体９をボルト２４およびナット２５で締結
することにより、かご枠１の上枠１ａが挟圧部材２３お
よび凹型枠体９に挟圧・固定される。

【００２２】このようにして作業床２をかご枠１に連結
した後、図４に示すように、あらかじめ取外した蓋部８
をかご枠１の上枠１ａの上部、すなわち作業床２の開口
部６を覆うようにかぶせて、この蓋部８を左部主床枠体
１７および右部主床枠体２０に図示しないボルトを介し
て固定する。これにより、作業床２上に一様な平面が形
成される。

【００２３】このように構成した実施形態では、作業床
２、支柱３、手摺４および保護天井５をあらかじめ組立
てて一体ユニット化し、この一体ユニットのままかご枠
１に連結可能となり、エレベータ据付現場で組立てを要
する箇所が少なくて済むので、当該作業床装置の組立て
・解体に要する作業時間を低減できる。

【００２４】また本実施形態では、組立て後の作業床２
上に蓋部８により一様な平面が形成され、すなわち作業
床２上が平面であるため、この作業床２上で作業者が安
全かつ円滑にエレベータ据付作業を行なえる

【００２５】

【発明の効果】以上のように構成したので、本発明の請
求項１に係る発明は、作業床、支柱、手摺および保護天
井からなる一体ユニットを得、この一体ユニットをかご
枠に連結するようにしたため、エレベータ据付現場で組
立てを要する箇所が少なくて済み、したがって、組立て
および解体時間を低減できる作業床装置が得られるとい
う効果が得られる。

【００２６】また、本発明の請求項２に係る発明は、組
立て後の作業床上に蓋部で一様な平面が形成されるの
で、この作業床上で作業者が安全かつ円滑にエレベータ
据付作業を行なえるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係るエレベータの据付用
作業床装置を示す斜視図である。

【図２】作業床の枠体を分解した状態を示す斜視図であ
る。

【図３】作業床の枠体を組み立てた状態を示す斜視図で
ある。

【図４】作業床に蓋部を取付ける工程を説明する斜視図
である。

【符号の説明】

１ かご枠 １ａ 上枠 ２ 作業床 ３ 支柱 ４ 手摺 ５ 保護天井 ６ 開口部 ７ 主作業床 ８ 蓋部 ９ 凹型枠体 ２３ 挟圧部材 ２４ ボルト ２５ ナット

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エレベータかご枠の上部に設けられる作
   業床と、この作業床の端部に立設される支柱と、この支
   柱により支持される手摺と、前記支柱の上端に取付けら
   れ、前記作業床の上部を覆う保護天井とがあらかじめ組
   立てられた一体ユニットを有し、エレベータ据付時に前
   記作業床を作業用足場として昇降路据付作業を行うエレ
   ベータの据付用作業床装置において、 前記作業床に、下方に突出するとともに前記かご枠の上
   枠を受入れる凹型枠体を設け、この凹型枠体と挟圧部材
   とで前記かご枠の上枠を挟圧することにより、この上枠
   に前記作業床を連結するようにしたことを特徴としたエ
   レベータの据付用作業床装置。
2. 【請求項２】 前記作業床に、前記上枠の長手方向に沿
   って延設される開口部と、この開口部を覆い、一様な平
   面を形成する蓋部とを設け、この蓋部を取外した状態で
   前記上枠に前記作業床を取付けた後、この作業床に前記
   蓋部を取付けることを特徴とする請求項１記載のエレベ
   ータの据付用作業床装置。