JP2000176537A - 可変断面押出し用ダイスおよび可変断面押出し成形方法 - Google Patents

可変断面押出し用ダイスおよび可変断面押出し成形方法

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JP2000176537A JP10349603A JP34960398A JP2000176537A JP 2000176537 A JP2000176537 A JP 2000176537A JP 10349603 A JP10349603 A JP 10349603A JP 34960398 A JP34960398 A JP 34960398A JP 2000176537 A JP2000176537 A JP 2000176537A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウエブの長さとフランジの幅寸法が適宜調節
された所望の断面形状を有する成形部材を容易に成形で
きる可変断面押出し用ダイスおよび可変断面押出し成形
方法を提供する。 【解決手段】 第1ダイスには、第1ウエブ形成孔4
と、第1ウエブ形成孔4の一端に設けられた第1フラン
ジ形成孔5と、第1ウエブ形成孔4の他端に設けられ
て、幅寸法が第1ウエブ形成孔4の穿設部分から離れる
に従って変化する第2フランジ連通孔6とが設けられ、
第2ダイスには、第2ウエブ形成孔7と、第2ウエブ形
成孔7の一端に設けられた第2フランジ形成孔8と、第
2ウエブ形成孔7の他端に設けられて、幅寸法が第2ウ
エブ形成孔7の穿設部分から離れるに従って変化する第
1フランジ連通孔9とが設けられ、これらのダイスを相
対移動させながら押出し成形することによって、成形部
材のウエブ長さとフランジ幅寸法を変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウエブの少なくと
も一端にフランジを有し、長手方向の各部でウエブ長さ
とフランジ幅寸法が変化する成形部材の押出し加工に用
いられる可変断面押出し用ダイスおよび可変断面押出し
成形方法に関する。
【従来の技術】近年、一般乗用車やトラック等の各種車
両に使用されているシャーシ部材、車体部材、バンパー
材等の構成部材は、車体の軽量化、耐久性の向上または
優れたリサイクル性等に優れるという要求に伴って、従
来の鉄製のものに代えてアルミニウムまたはアルミニウ
ム合金製のものが多用されつつある。アルミニウムまた
はアルミニウム合金は融点が低いので、上記の構成部材
は、通常、押出し加工によって製造されている。押出し
加工は、塑性状態の材料を押出し用ダイスを通して押出
し、その押出し用ダイスに設けられた押出し孔と同じ断
面形状の長尺物を製作する加工法である。従って、この
ような一般的な押出し加工法によって得られる成形部材
は、長手方向の全長に渡って一定の断面形状を有してい
る。しかしながら、得られた成形部材の断面形状が一定
であることが、かえって不都合となる場合がある。例え
ば、上述のシャーシ部材においては、そこに作用する曲
げ応力は長手方向の各部で異なっている。そのため、成
形部材の各部は、作用する曲げ応力に応じた断面形状で
あればよく、必ずしも一定の断面形状である必要はな
い。しかし、上述の一般的な押出し加工法によれば、シ
ャーシ部材の各部は、常に一定の断面形状となるので、
シャーシ部材の構造を設計する際には、最大曲げ応力が
係る部分で必要とされる断面形状を全体の断面形状とし
て設計することとなる。そのため、曲げ応力が小さくて
もよい部分では、必要以上の寸法および強度を有するこ
ととなり、得られたシャーシ部材には、不必要な部分が
設けられていることになる。その結果、得られたシャー
シ部材は、無駄な材料によって構成されるので不経済で
あり、更に、設置スペースのコンパクト化および軽量化
を妨げるという問題がある。本出願人は、こうした問題
を解決するため、成形部材を長手方向に沿って異なる断
面形状を有するように押出し成形する可変断面押出し法
および可変断面押出し用ダイスについて幾つか提案して
いる。例えば、特開平8−192221号公報には、ウ
エブの両端部にフランジを有する部材を成形することが
できる押出し用ダイスについて記載されている。図16
は、その押出し用ダイスの押出し孔の形状を示す正面図
である。押出し用ダイス160は、固定される第1ダイ
ス161と、移動可能な第2ダイス162とからなり、
第1ダイス161の押出し孔163と第2ダイス162
の押出し孔164との重複部分(ハッチングの重複部
分)165から材料が押し出されることによって、所望
の断面形状を有する成形部材を得ることができる。そし
て、第2ダイス162がウエブ長さhを伸縮させる方向
Xに沿って移動することによって、第1ダイス161と
第2ダイス162とのウエブの重複部分165の長さが
変化し、その結果、得られた成形部材は、長手方向の各
部でウエブ長さが異なることとなる。しかしながら、こ
うした押出し用ダイス160を使用した押出し成形方法
では、ウエブの長さhを変化させることはできるが、フ
ランジの寸法、特にフランジの幅寸法Wを変化させて成
形部材の長手方向の断面係数をより小さく変化させた
り、他の部材に干渉する部分を凹ますように成形するこ
とはできなかった。フランジの幅寸法Wを小さく変化さ
せるために、従来は、フランジの一部を切削加工してい
たが、その加工に手間を要するという問題があった。す
なわち、上述した可変断面押出し成形方法では、第2ダ
イス162が移動する方向Xに沿ってウエブの長さhを
伸縮することはできるが、第2ダイス162が移動する
方向Xと交差する方向の断面寸法、例えばフランジの幅
寸法Wを変化させることができないという問題があっ
た。特開平8−243632号公報は、こうした問題を
解決するためになされたものであって、ウエブの両端部
にフランジを有する部材を成形することができる押出し
用ダイスについて記載され、ウエブの長さhとフランジ
の幅寸法Wを適宜調節することができる可変断面押出し
成形方法について記載されている。図17は、その押出
し用ダイスの配置と、押出し孔の形状を示す正面図であ
る。押出し用ダイス170は、固定される第1ダイス1
71と、ウエブ長さhを伸縮させる方向Xに沿って移動
可能な第2ダイス172と、さらに、第2ダイス172
が移動する方向Xと交差する方向Yに移動してフランジ
の幅寸法Wを伸縮することができる第3ダイス176、
177とによって構成されている。そして、この3つの
ダイスの押出し孔の重複部分(ハッチングの重複部分)
175から材料が押出されることによって、ウエブの長
さhとフランジの幅寸法Wが適宜調節された所望の断面
形状を有する成形部材を得ることができる。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
特開平8−243632号公報に記載された可変断面押
出し成形方法は、成形部材が3つのダイスの押出し孔の
重複部分175から押出される方法であるので、上述の
特開平8−192221号公報に記載された可変断面押
出し成形方法に比べて、第3ダイスおよび第3ダイスを
移動させる制御機構(図示しない)が必要となる。その
ため、押出しダイスおよび押出し装置の管理や制御が煩
雑となり、設備のメンテナンスや段取り作業に時間を要
するといった不都合もあった。そこで、本発明の目的
は、上述したような押出しダイスおよび押出し装置の管
理や制御が簡単であり、且つ簡便な機構によって、ウエ
ブの長さとフランジの幅寸法が適宜調節された所望の断
面形状を有する成形部材を容易に成形することができる
可変断面押出し用ダイスおよび可変断面押出し成形方法
を提供することにある。
【課題を解決するための手段】以下、本発明の実施形態
を示す図面に対応付けて本発明を説明する。但し、本発
明は図示の形態に限定されない。請求項1の可変断面押
出し用ダイスの発明は、ウエブ91の少なくとも一端に
フランジを有し、長手方向の各部でウエブの長さとフラ
ンジの幅寸法が変化する成形部材95を成形するための
第1ダイス2と第2ダイス3とを備え、第1ダイス2お
よび第2ダイス3それぞれに設けられた押出し孔の重複
部分62が押出し成形孔をなすと共に、第1ダイス2お
よび第2ダイス3を相対移動して重複部分62を変化さ
せることにより、前記押出し成形孔の形状を変化させる
ことができる可変断面押出し用ダイス1において、第1
ダイス2には、第1ウエブ形成孔4と、第1ウエブ形成
孔4の一端に設けられた第1フランジ形成孔5と、第1
ウエブ形成孔4の他端に設けられて、幅寸法が第1ウエ
ブ形成孔4の穿設部分から離れるに従って変化する第2
フランジ連通孔6とからなる第1押出し孔40が設けら
れ、第2ダイス3には、第2ウエブ形成孔7と、第2ウ
エブ形成孔7の一端に設けられた第2フランジ形成孔8
と、第2ウエブ形成孔7の他端に設けられて、幅寸法が
第2ウエブ形成孔7の穿設部分から離れるに従って変化
する第1フランジ連通孔9とからなる第2押出し孔50
が設けられ、第1ダイス2と第2ダイス3とは、第1押
出し孔40の第1フランジ形成孔5が第2押出し孔50
の第1フランジ連通孔9と重複するように配置し、且つ
第2押出し孔50の第2フランジ形成孔8が第1押出し
孔40の第2フランジ連通孔6と重複するように配置す
ると共に、第1ウエブ形成孔4と第2ウエブ形成孔7の
少なくとも一部分が重複するように成形部材の押出し方
向に配設し、第1ウエブ形成孔4と第2ウエブ形成孔7
とから成形される成形部材95のウエブ91の長さ方向
に沿って相対的に移動自在に設けられていることに特徴
を有する。この発明によれば、第1ダイス2の第2フラ
ンジ連通孔6の幅寸法および第2ダイス3の第1フラン
ジ連通孔9の幅寸法が、それぞれに設けられたウエブ形
成孔4、7の穿設部分から離れるに従って変化している
ので、第1ダイス2と第2ダイス3とを相対移動するこ
とによって変化する第1フランジ形成孔5と第1フラン
ジ連通孔9との重複部分および第2フランジ形成孔8と
第2フランジ連通孔6との重複部分が変化する。従っ
て、その重複部分が変化することにより、そこから押出
し成形される成形部材のフランジ幅寸法は連続的に変化
する。また、第1ウエブ形成孔4と第2ウエブ形成孔7
の少なくとも一部分が重複するように配置されるので、
得られる成形部材は、フランジ幅寸法と共に、ウエブ長
さも連続的に変化する。その結果、従来は3つのダイス
を用いることによって、ウエブ長さとフランジ幅寸法が
変化した成形部材を成形していたが、本発明によれば、
各フランジ連通孔6、9の形状を適宜所望の形状にする
ことによって、2つのダイスからなる可変断面押出し用
ダイスを用いて、ウエブの少なくとも一端にフランジを
有し、長手方向の各部でウエブ長さとフランジ幅寸法が
変化する成形部材を成形することができる。こうした可
変断面押出し用ダイスを用いることによって、押出しダ
イスおよび押出し装置の管理や制御が簡単で、設備のメ
ンテナンスや段取り作業に無駄な時間を要することがな
い。請求項2の発明は、請求項1に記載の可変断面押出
し用ダイスにおいて、第1フランジ形成孔5のフランジ
幅寸法W1が、第1フランジ連通孔9の最小幅寸法W
min よりも大きく穿設され、第2フランジ形成孔8のフ
ランジ幅寸法W1が、第2フランジ連通孔6の最小幅寸
法Wmin よりも大きく穿設されていることに特徴を有す
る。この発明によれば、各フランジ形成孔5、8が、そ
れぞれに重複するフランジ連通孔6、9の最小幅寸法W
min よりも大きい幅寸法で穿設されているので、それぞ
れのフランジ連通孔6、9の幅方向の側面が押出し孔を
構成することになる。従って、幅寸法が変化したフラン
ジを有する成形部材の形状は、それぞれのフランジ連通
孔6、9の幅方向の側面形状を変化させたダイスを適宜
選定して用いることによって、容易に変化させることが
できる。請求項3の発明は、請求項1または請求項2に
記載の可変断面押出し用ダイスにおいて、第1フランジ
連通孔9と第2フランジ連通孔6の幅寸法Wが、第1ウ
エブ形成孔4および第2ウエブ形成孔7それぞれの穿設
部分から離れるに従って拡大するように変化することに
特徴を有する。この発明によれば、各フランジ連通孔
6、9の幅寸法Wが、各ウエブ形成孔4、7それぞれの
穿設部分から離れるに従って拡大するように変化してい
るので、第1ダイス2と第2ダイス3を相対的に移動さ
せて押出し成形した成形部材95の断面は、ウエブ長さ
が長いほどフランジ幅寸法の大きい形状となる。従っ
て、得られる成形部材に係る曲げ応力に応じて、その曲
げ応力に対応した断面係数となるように断面形状を変化
させることができる。請求項4の発明は、請求項1乃至
請求項3の何れかに記載の可変断面押出し用ダイスにお
いて、第1ウエブ形成孔4および第2ウエブ形成孔7の
それぞれが、第1フランジ形成孔5および第2フランジ
形成孔8それぞれの中央部に穿設するように設けられて
いることに特徴を有する。この発明によれば、各ウエブ
形成孔4、7がそれぞれに対応したフランジ形成孔5、
8の中央部に穿設されているので、断面係数の大きい略
H字形の断面形状を有する成形部材を、その成形部材の
長手方向の各部でウエブ長さとフランジ幅寸法を変化さ
せて押出し成形することができる。請求項5の発明は、
請求項1乃至請求項4の何れかに記載の可変断面押出し
用ダイスにおいて、第1ダイス2には、第1ウエブ形成
孔4の長さ方向に平行で、且つ成形部材の押出し方向と
交差する方向に延びる案内孔22が形成されていると共
に、その案内孔22に第2ダイス3が摺動自在に挿入さ
れていることに特徴を有する。この発明によれば、第2
ダイス3は、第1ダイスの案内孔22内でがたつきを起
こさないので、寸法精度に優れた成形部材を得ることが
できる。請求項6の可変断面押出し成形方法の発明は、
請求項1乃至請求項5の何れかに記載の可変断面押出し
用ダイス1を用い、その可変断面押出し用ダイス1に向
けて押出し材を押出しつつ第1ダイス2と第2ダイス3
とを相対的に移動させることによって、ウエブ91の少
なくとも一端にフランジを有し、長手方向の各部でウエ
ブ91の長さとフランジの幅寸法が変化する成形部材9
5を成形する可変断面押出し成形方法であって、第1押
出し孔40の第1ウエブ形成孔4と、第2押出し孔50
の第2ウエブ形成孔7との重複部分62を最も小さくし
てウエブ長さhを最も大きくするように配置すると共
に、第1フランジ形成孔5および第2フランジ形成孔8
を、第1フランジ連通孔9および第2フランジ連通孔6
の幅寸法Wが最も大きい位置にそれぞれ配置して押出し
成形する最大断面形成工程と、第1押出し孔40の第1
ウエブ形成孔4と、第2押出し孔50の第2ウエブ形成
孔7との重複部分62を最も大きくしてウエブ長さhを
最も小さくするように配置すると共に、第1フランジ形
成孔5および第2フランジ形成孔8を、第1フランジ連
通孔9および第2フランジ連通孔6の幅寸法Wが最も小
さい位置にそれぞれ配置して押出し成形する最小断面形
成工程と、第1押出し孔40の第1ウエブ形成孔4と、
第2押出し孔50の第2ウエブ形成孔7との重複部分6
2を変化させると共に、第1フランジ形成孔5および第
2フランジ形成孔8を、第1フランジ連通孔9および第
2フランジ連通孔6の幅寸法Wが変化する方向に移動さ
せることによって、ウエブ長さhとフランジ幅寸法Wと
が伸縮変化した成形部材95を押出し成形する可変断面
形成工程と、を少なくとも有し、長手方向に向けてウエ
ブ長さhとフランジ幅寸法Wが伸縮変化した断面形状を
有する成形部材95を押出し加工することに特徴を有す
る。この発明によれば、ウエブ長さとフランジ幅寸法を
最も大きくした部分を成形する最大断面形成工程と、ウ
エブ長さとフランジ幅寸法を最も小さくした部分を成形
する最小断面形成工程と、それらの中間の大きさを有し
た部分を成形する可変断面形成工程とを有しているの
で、得られる成形部材の断面形状を、成形部材の長さ方
向に沿って、大きな断面係数となるように変化させた
り、小さな断面係数となるように変化させたりすること
ができる。請求項7の発明は、請求項6に記載の可変断
面押出し成形方法において、前記可変断面形成工程が、
第1押出し孔40の第1ウエブ形成孔4と、第2押出し
孔50の第2ウエブ形成孔7との重複部分62を大きく
して、成形後の成形部材95のウエブ長さhを徐々に小
さくすると共に、第1フランジ形成孔5および第2フラ
ンジ形成孔8を、第1フランジ連通孔9および第2フラ
ンジ連通孔6の幅寸法Wが小さく変化する方向に移動す
ることによってフランジ92、93の幅寸法Wが徐々に
小さくなる成形部材95を押出し成形する縮小断面形成
工程と、第1押出し孔40の第1ウエブ形成孔4と、第
2押出し孔50の第2ウエブ形成孔7との重複部分62
を小さくして、成形後の成形部材95のウエブ長さhを
徐々に大きくすると共に、第1フランジ形成孔5および
第2フランジ形成孔8を、第1フランジ連通孔9および
第2フランジ連通孔6の幅寸法Wが大きく変化する方向
に移動することによってフランジ92、93の幅寸法W
が徐々に大きくなる成形部材95を押出し成形する拡大
断面形成工程と、の何れかを少なくとも有することに特
徴を有する。この発明によれば、可変断面形成工程が、
縮小断面形成工程と拡大断面形成工程の何れかを少なく
とも有するので、成形部材の断面形状を、そこに係る曲
げ応力に応じた断面係数となるように変化させることが
できる。請求項8の発明は、請求項6または請求項7に
記載の可変断面押出し成形方法において、成形部材が、
アルミニウムまたはアルミニウム合金であることに特徴
を有する。この発明によれば、得られる成形部材の軽量
化を達成することができる。また、曲げ応力が小さい部
分の断面形状を小さくすることができることとも相まっ
て、自重によるたわみを小さくすることができる。本発
明によって成形された成形部材は、長手方向に沿って外
形寸法を漸次変化させることができるので、得られた成
形部材を使用する環境や周囲の配置環境等の種々の事情
に応じて、得られる成形部材の外形寸法を適宜変化させ
ることができる。
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の一実施形態を説明する。図1〜図3は、本発明の可変
断面押出し用ダイス1の一例を示すものである。可変断
面押出し用ダイスは、ウエブの少なくとも一端にフラン
ジを有し、長手方向の各部でウエブ長さとフランジ幅寸
法が変化する成形部材を成形するための第1ダイス2と
第2ダイス2とを備えている。この第1ダイス2と第2
ダイス3とを重なるように組み合わせることによって、
第1ダイス2に設けられた第1押出し孔40と第2ダイ
ス3に設けられた第2押出し孔50との重複部分が押出
し成形孔となる。そして、第1ダイス2および第2ダイ
ス3を相対移動して重複部分を変化させることにより、
押出し成形孔の形状を変化させることができる。その結
果、押出し成形の途中で変化した押出し成形孔から押出
し材が押出されることによって、最大断面寸法(図9を
参照。)と最小断面寸法(図11を参照。)とを有し
て、その最大断面寸法と最小断面寸法との間で可変断面
(図10を参照。)を有する成形部材を成形することが
できる。可変断面押出し用ダイスは、第1ダイス2と、
この第1ダイス2の案内孔22(図2を参照。)内に移
動可能に係合される第2ダイス3(図3を参照。)とに
よって構成される。第1ダイス2は、通常、固定ダイス
として作用し、図1および図2に示すように、その中央
部に第1押出し孔40が形成されている。その第1押出
し孔40は、第1ウエブ形成孔4と、第1ウエブ形成孔
4の一端に設けられて成形すべき成形部材95の第1フ
ランジ92(図9を参照。)と同一の形状寸法を有する
第1フランジ形成孔5と、第1ウエブ形成孔4の他端に
設けられて幅寸法が第1ウエブ形成孔4の穿設部分から
離れるに従って拡大するように変化する第2フランジ連
通孔6とで構成されている。ここで、第1ウエブ形成孔
4の長さは、図11に示すウエブ91の長さh2と同じ
長さで形成されている。尚、この時、第2フランジ連通
孔6の幅寸法が、第1ウエブ形成孔4の穿設部分から離
れるに従って縮小するように変化する形状とすることも
できる。第1ダイス2は、熱間工具鋼によって略外観方
形板状に形成されている。第1ダイス2の上面12は、
押出し材が収納されるコンテナ21側に位置し、第1ダ
イス2の中央に位置する第1押出し孔40の周囲には、
押出し材を第1押出し孔40に円滑に導くための流路で
あって、その上面12側から内側に向かって絞られた凹
部13が形成されている。特に、第1ウエブ形成孔4の
両側には、押出し材を円滑に第1ウエブ形成孔4に導く
ための傾斜面18が形成されている。さらに、第1ダイ
ス2の上面12には、そこから突出してコンテナ21の
下面と嵌合する円形の段差部19が形成されており、こ
の段差部19の内側には、コンテナ21内と凹部13と
を連通させる大径の案内部20が形成されている。ま
た、図2に示すように、第1ダイス2内の中央部には、
第1ウエブ形成孔4の長さ方向と平行で、且つ成形部材
の押出し方向と交差する方向に延びる案内孔22が第1
ダイス2を貫通して穿設されている。この案内孔22に
は、第2ダイス3が移動自在に収納され、案内孔22の
側面には、第2ダイス3の側面31を密に摺動自在に案
内するための案内壁23が形成されている。その結果、
第2ダイス3は、案内孔22内でがたつきを起こさない
ので、成形部材の寸法精度を向上させることができる。
第2ダイス3は、通常、移動ダイスとして作用し、図3
に示すように、その中央部に第2押出し孔50が形成さ
れている。その第2押出し孔50は、第2ウエブ形成孔
7と、第2ウエブ形成孔7の一端に設けられて成形すべ
き成形部材95の第2フランジ93(図9を参照。)と
同一の形状寸法を有する第2フランジ形成孔8と、第2
ウエブ形成孔7の他端に設けられて幅寸法が第2ウエブ
形成孔7の穿設部分から離れるに従って拡大するように
変化する第1フランジ連通孔9とで構成されている。こ
こで、第2ウエブ形成孔7の長さは、図11に示すウエ
ブ91の長さh2と同じ長さで形成されている。尚、こ
の時、第1フランジ連通孔9の幅寸法が、第2ウエブ形
成孔7の穿設部分から離れるに従って縮小するように変
化する形状とすることもできる。第2ダイス3も、第1
ダイス2と同様に、熱間工具鋼等によって外観略方形板
状に形成されている。そして、図3に示すように、案内
孔22内に挿入される頭部25と、頭部25を案内孔2
2内で摺動させるための油圧シリンダ等の駆動手段(図
示せず)が連結されるクランプ部26を有している。第
2ダイス3は、その第2フランジ形成孔8が第1ダイス
2の第2フランジ連通孔6と重複し、且つその第1フラ
ンジ連通孔9が第1ダイス2の第1フランジ形成孔5と
重複するように配置して、第1ダイス2の案内孔22内
に収納される。そして、第1ダイス2の第1ウエブ形成
孔4と第2ダイス3の第2ウエブ形成孔7の少なくとも
一部分が重複するように、第1ダイス2の案内孔22内
の案内壁23に沿って摺動し、所定の位置に配置する。
このように配設された第2ダイス3は、得られる成形部
材95のウエブ91の長さ方向に沿って移動自在となっ
ている。このように配置した第1ダイス2と第2ダイス
3から構成される押出しダイスに、コンテナ21から押
出し材が導入されると、第1ダイス2の第1押出し孔4
0と第2ダイス3の第2押出し孔50の重複部分62を
通って、押出し材が押し出される。その時、第2ダイス
3を摺動させることによって、図9〜図11に示すよう
な、ウエブの長さとフランジの幅寸法が適宜調節された
所望の断面形状を各部で備えた成形部材95を容易に製
造することができる。このとき、第1ダイス2の第1ウ
エブ形成孔4と第2ダイス3の第2ウエブ形成孔7は、
少なくとも一部分が重複するように配置されているの
で、第1ウエブ形成孔4から押出されるウエブと第2ウ
エブ形成孔7から押出されるウエブは、途切れることの
ない一体のウエブ91として押出し成形される。次に、
第1押出し孔40および第2押出し孔50の各部の形状
について更に説明する。図4〜図8に示すように、第1
ダイス2の押出し孔40と第2ダイス3の押出し孔50
は、同じ形状で穿設され、さらに、第1ウエブ形成孔4
および第2ウエブ形成孔7のそれぞれが、第1フランジ
形成孔5および第2フランジ形成孔8それぞれの中央部
に穿設するように設けられている。このように穿設する
ことによって、断面係数の大きい略H字形の断面形状を
有する成形部材を、その成形部材の長手方向の各部でウ
エブ長さとフランジ幅寸法を変化させて押出し成形する
ことができる。第1押出し孔40において、第1フラン
ジ形成孔5の幅寸法W1は、第2押出し孔50の第1フ
ランジ連通孔9の左端に形成される最小幅寸法Wmin
りも大きく穿設され、且つ第2フランジ連通孔6の右端
に形成される最小幅寸法Wminは、第2押出し孔50の
第2フランジ形成孔8の幅寸法W1よりも小さく穿設さ
れている。さらに、第2フランジ連通孔6の最大幅寸法
max は、図6に示すように、第2押出し孔50の第2
フランジ形成孔8とほぼ同じ幅寸法で穿設されている。
そして、第2フランジ連通孔6の幅寸法Wは、第1ウエ
ブ形成孔4の穿設部分から離れるに従って拡大するよう
に穿設されている。また、第1押出し孔40の第2フラ
ンジ連通孔6において、連通孔の幅を構成する最小幅寸
法Wmin となる部分の側面と最大幅寸法Wmax となる部
分の側面は、第2押出し孔50の第2フランジ形成孔8
の縦長さH以上の縦長さで第1ウエブ形成孔4と平行に
形成されている。従って、連通孔の幅を構成する最小幅
寸法Wmin となる部分の側面と最大幅寸法Wmax となる
部分の側面との中間部分の側面は、連続的にその幅寸法
Wが拡大するように形成されている。一方、第2押出し
孔50も、上述の第1押出し孔40の場合と同様であ
り、第2フランジ形成孔8の幅寸法W1は、第1押出し
孔40の第2フランジ連通孔6の最小幅寸法Wmin より
も大きく穿設され、且つ第1フランジ連通孔9の最小幅
寸法Wmin は、第1押出し孔40の第1フランジ形成孔
5の幅寸法W1よりも小さく穿設されている。さらに、
第1フランジ連通孔9の最大幅寸法Wmax は、図6に示
すように、第1押出し孔40の第1フランジ形成孔5と
ほぼ同じ幅寸法で穿設されている。そして、第1フラン
ジ連通孔9の幅寸法Wは、第2ウエブ形成孔7の穿設部
分から離れるに従って拡大するように穿設されている。
また、第2押出し孔50の第1フランジ連通孔9におい
ても、上述の第2フランジ連通孔6の場合と同様であ
り、連通孔の幅を構成する最小幅寸法Wmin となる部分
の側面と最大幅寸法Wmax となる部分の側面は、第1押
出し孔40の第1フランジ形成孔5の縦長さH以上の縦
長さで第2ウエブ形成孔7と平行に形成されている。従
って、連通孔の幅を構成する最小幅寸法Wmin となる部
分の側面と最大幅寸法Wmax となる部分の側面との中間
部分の側面は、連続的にその幅寸法Wが拡大するように
形成されている。次に、以上の構成からなる可変断面押
出し用ダイス1を用いた可変断面押出し成形方法につい
て具体的に説明する。ウエブの少なくとも一端にフラン
ジを有し、長手方向の各部でウエブ長さhとフランジ幅
寸法Wが変化する断面形状を有する成形部材95は、上
述した可変断面押出し用ダイス1に向けて押出し材を押
出しつつ第1ダイス2と第2ダイス3とを相対的に移動
させることによって成形される。こうした可変断面を有
する成形部材95は、最も大きな断面係数を有する部分
を形成することができる最大断面形成工程と、最も小さ
な断面係数を有する部分を形成することができる最小断
面形成工程と、その最大断面を有する部分と最小断面を
有する部分との間で、必要に応じた断面係数を有する部
分を形成することができる可変断面形成工程と、によっ
て押出し成形される。通常、こうした成形部材は、その
両端の支持部で大きな曲げ応力が係り、中間部分で小さ
い曲げ応力が係るので、以下の説明においては、両端部
と中間部分とを有する成形部材について説明する。図6
〜図8に示すハッチング部分は、第1ダイス2の押出し
孔40と第2ダイス3の押出し孔50の相互の重なり状
態を示すものである。各々のダイスのハッチングが重複
する部分62が、押出し加工によって成形される成形部
材95の断面形状を示している。先ず、最大断面形成工
程について説明する。図6に示すように、第1ダイス2
と第2ダイス3とを、第2ダイス3の第1フランジ連通
孔9が第1ダイス2の第1フランジ形成孔5と重複し、
且つ第2ダイス3の第2フランジ形成孔8が第1ダイス
2の第2フランジ連通孔6と重複するように配置する。
この時、第1ウエブ形成孔4と第2ウエブ形成孔7との
重複部分62が最も小さくなるように、第1ダイス2の
案内孔22内で第2ダイス3を摺動させる。その結果、
第1フランジ形成孔5の上面側から第2フランジ形成孔
8の下面側までの長さを最大にすることができる。さら
にこの時、第1フランジ形成孔5は、第1フランジ連通
孔9の最大幅寸法Wmax 位置に配置され、第2フランジ
形成孔8は、第2フランジ連通孔6の最大幅寸法Wmax
位置にそれぞれ配置される。このように配置された押出
しダイスに押出し材を導入することによって、図9に示
すような最大断面形状を有する成形部材95を所定の長
さだけ形成することができる。また、この時形成される
略H字形の断面形状を有する成形部材のウエブの長さ
は、おおむね第1ウエブ形成孔の長さと第2ウエブ形成
孔の長さとを加えた長さである。こうした最大断面を有
する部分は、通常、成形部材の両端の支持部となり、大
きな曲げ応力にも耐えうる断面係数を有することとな
る。次に、可変断面形成工程のうち、その断面形状が徐
々に小さくなる縮小断面形成工程について説明する。図
7に示すように、第2ダイス3の第1フランジ連通孔9
が第1ダイス2の第2フランジ連通孔6から遠のいて、
第1ウエブ形成孔4と第2ウエブ形成孔7との重複部分
62が大きくなるように、第2ダイス3を第1ダイス2
の案内孔22内で摺動させる。この時、ウエブ91(図
11を参照。)が押出し成形されるハッチングの重複部
分は、第2ダイス3の摺動と共に徐々に短くなる。さら
にこの時、第1フランジ形成孔5は、第1フランジ連通
孔9の最大幅寸法Wmax 位置から最小幅寸法Wmin 位置
に向かって移動するので、第1フランジ92が成形され
るハッチングの重複部分は、その幅寸法が徐々に小さく
なる。また、第2フランジ形成孔8も同様に、第2フラ
ンジ連通孔6の最大幅寸法Wmax 位置から最小幅寸法W
min 位置に向かって移動するので、第2フランジ93が
成形されるハッチングの重複部分は、その幅寸法が徐々
に小さくなる。このようにウエブ長さとフランジ幅寸法
が徐々に小さくなるように変化する押出しダイス1に押
出し材を導入することによって、図7に示すような断面
形状を有する成形部材95を、その断面寸法を変化させ
ながら形成することができる。こうした可変断面を有す
る部分は、通常、成形部材の両端の支持部から中間部分
の間の領域を構成し、曲げ応力が徐々に小さくなるのに
応じた断面係数を有することとなる。この際、第2ダイ
ス3の移動速度と押出し材の押出し速度とを、それぞれ
所定の速度に設定することによって、所定の長さが押し
出されれる間に、ウエブ長さとフランジ幅寸法とを均一
の割合で小さくさせることができる。次に、最小断面形
成工程について説明する。上述した縮小断面形成工程に
よって、第1フランジ形成孔5および第2フランジ形成
孔8が、それぞれ、第1フランジ連通孔9の最小幅寸法
min 位置および第2フランジ連通孔6の最小幅寸法W
min 位置に至った後、第2ダイス3の移動を停止する。
この時、図8に示すように、第1ウエブ形成孔4と第2
ウエブ形成孔7との重複部分62が最も大きくなり、ウ
エブ91が押出し成形されるハッチングの重複部分の長
さhは最も小さくなるように配置される。さらにこの
時、第1フランジ形成孔5は、第1フランジ連通孔9の
最小幅寸法Wmin 位置に配置され、第2フランジ形成孔
8は、第2フランジ連通孔6の最小幅寸法Wmin 位置に
それぞれ配置される。このように配置された押出しダイ
ス1に押出し材を導入することによって、図11に示す
ような最小断面形状を有する部分を所定の長さだけ形成
することができる。こうした最小断面を有する部分は、
通常、成形部材の中間部分を構成し、小さい曲げ応力に
対応すると共に、少なくともその部分に係るせん断力に
耐えうる断面係数を有することとなる。次いで、このよ
うに形成した最小断面を有する成形部材95の中間部分
から、その両端の支持部に向かって、さらに断面形状を
拡大するように可変させる拡大断面形成工程について説
明する。この拡大断面形成工程は、上述の縮小断面形成
工程とは逆の手順で行われる。すなわち、第2ダイス3
の第1フランジ連通孔9が第1ダイス2の第2フランジ
連通孔6に近づいて、第1ウエブ形成孔4と第2ウエブ
形成孔7との重複部分62が小さくなるように、第2ダ
イス3を第1ダイス2の案内孔22内で摺動させる。こ
の時、ウエブ91が押出し成形されるハッチングの重複
部分は、第2ダイス3の摺動と共に徐々に長くなる。さ
らにこの時、第1フランジ形成孔5は、第1フランジ連
通孔9の最小幅寸法Wmin 位置から最小幅寸法Wmax
置に向かって移動するので、第1フランジ92が成形さ
れるハッチングの重複部分は、その幅寸法が徐々に大き
くなる。また、第2フランジ形成孔8も同様に、第2フ
ランジ連通孔6の最小幅寸法Wmin 位置から最大幅寸法
max 位置に向かって移動するので、第2フランジ93
が成形されるハッチングの重複部分は、その幅寸法が徐
々に大きくなる。このようにウエブ長さとフランジ幅寸
法が徐々に大きくなるように変化する押出しダイス1に
押出し材を導入することによって、図7に示すような断
面形状を有する成形部材95を、その断面寸法を変化さ
せながら形成することができる。この際、第2ダイス3
の移動速度と押出し材の押出し速度とを、それぞれ所定
の速度に設定することによって、所定の長さが押し出さ
れれる間に、ウエブ長さとフランジ幅寸法とを均一の割
合で大きくさせることができる。次いで、再び、上述の
最大断面形成工程によって成形部材95の両端の支持部
を形成する。すなわち、図6に示すように、第1ウエブ
形成孔4と第2ウエブ形成孔7との重複部分62が最も
小さくなるように、第1ダイス2の案内孔22内で第2
ダイス3を摺動させて、第1フランジ形成孔5の上面側
から第2フランジ形成孔8の下面側までの長さが最大と
なる位置に至った後、第2ダイスを停止する。この時、
第1フランジ形成孔5は、第1フランジ連通孔9の最大
幅寸法Wma x 位置に配置され、第2フランジ形成孔8
は、第2フランジ連通孔6の最大幅寸法Wmax 位置にそ
れぞれ配置される。このように配置された押出しダイス
1に押出し材を導入することによって、図9に示すよう
な最大断面形状を有する成形部材95が所定の長さだけ
形成される。以上説明したように、本発明の可変断面押
出し成形方法によれば、得られる成形部材95の各部
を、そこに作用する曲げ応力に応じた断面係数となるよ
うに成形することができる。従って、最も大きな曲げ応
力が係る部分は、ウエブ長さhとフランジ幅寸法Wを最
も大きく成形する最大断面形成工程によって押出し成形
され、最も小さな曲げ応力が係る部分は、ウエブ長さh
とフランジ幅寸法Wを最も小さく成形する最小断面形成
工程によって押出し成形され、それらの中間の曲げ応力
が係る部分は、ウエブ長さhとフランジ幅寸法Wを適宜
調節して成形される可変断面形成工程によって押出し成
形される。このようにして得られた成形部材95は、そ
の各部において、少なくともせん断力に耐えうる程度の
断面係数を有し、且つそれらの各部に係る曲げ応力に対
応した断面係数を有した成形部材とすることができる。
そのため、第3ダイスを使用することなくウエブ長さと
フランジ幅寸法を伸縮させることができるので、押出し
ダイスおよび押出し装置の管理や制御が簡単であり、且
つ第3ダイスを用いないという簡便な機構で押出し成形
できる。また、本発明では、図9から図11に示す断面
形状を有する成形部材について具体的に説明したが、そ
の断面形状は上述したものに限定されるものではない。
例えば、可変断面形成工程によって形成される部分のよ
うに、断面形状が変化する部分が全体に渡っているもの
でもよく、また、異なった断面形状を有する部分が、所
定の長さで段階的に設けられているような形状のもので
あってもよい。例えば、ダイスの形状を変化させたり、
ダイスの移動速度と押出し速度を調整したりして、断面
形状を変化させたりすることもできる。押出し速度に対
してダイスの移動速度を小さくした場合には、断面形状
が徐々に変化する成形部材を形成することができる。そ
の逆に、押出し速度に対してダイスの移動速度を大きく
した場合には、断面形状の変化の程度が大きい部分を有
する成形部材を成形することができる。また、上述の可
変断面押出し用ダイスの形状としては、第1ウエブ形成
孔4および第2ウエブ形成孔7のそれぞれを、第1フラ
ンジ形成孔5および第2フランジ形成孔8それぞれの中
央部に穿設するように設けているが、穿設位置は中央部
に限定されるものではなく、中央部以外の位置、例えば
第1フランジ形成孔5および第2フランジ形成孔8の何
れか一端方向にずれた位置または端部に穿設するように
設けてもよい。その一例を図12に示す。なお、この場
合であっても、第1ウエブ形成孔4と第2ウエブ形成孔
7とは、少なくともその一部分が重複してウエブを形成
するように、穿設されていることが必要である。本発明
の可変押出し用ダイスおよび可変押出し成形方法によっ
て、ウエブ91の少なくとも一端にフランジを有し、長
手方向の各部でウエブ91の長さとフランジの幅寸法が
変化する成形部材、例えば一般乗用車やトラック等の各
種車両に使用されているシャーシ部材、車体部材、バン
パー材等の構成部材、を得ることができる。こうした形
状の成形部材は、図13や図14に示したように、第1
ダイスおよび第2ダイスに穿設された各フランジ連通孔
6、9の幅方向の寸法や、各フランジ形成孔5、8の幅
方向の寸法を変化させることによって、異なる断面形状
を有する成形部材を成形でき、さらに、その成形部材の
長さ方向に沿って断面形状を変化させることができる。
具体的な成形部材の形状としては、ウエブ91の一端ま
たは両端部分から、一方または二方にフランジが延びる
ように適宜成形された断面形状のものを得ることがで
き、図15の(a)〜(i)に示すような断面形状を有
する成形部材を容易に得ることができる。なお、図15
中の断面形状は、JISに基づく断面形状の名称で表し
ている。成形部材の断面形状は、上述した略H字形の断
面形状を有するものを好ましく用いることができるが、
その成形部材の断面の中立軸から離れた位置に配置した
断面形状を有したものであれば特に限定されるものでは
ない。例えば、略T字形の断面形状を有するものなどで
あってもよく、また、可変断面押出し法によって、はり
の長手方向に沿って異なる形状に変化した断面形状、例
えば略T字形から略H字形に連続的に変化した断面形状
を有するものであってもよい。断面形状を、できるだけ
中立軸から離れた位置に配置するような形状とすること
によって断面係数を大きくすることができるので、アル
ミニウムまたはその合金のようなヤング率の小さい材料
を用いた場合であっても、必要な断面係数を備えた状態
で、その軽量化を達成することができる。なお、押出し
材としては、アルミニウムまたはアルミニウム合金を使
用することが好ましいが、その他の軽量材料を用いても
よい。このような軽量材料を使用することによって、得
られる成形部材の軽量化を達成することができる。ま
た、曲げ応力が小さい部分の断面形状を小さくすること
ができることとも相まって、自重によるたわみを小さく
することができる。
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
の可変断面押出し用ダイスによれば、第1ダイス2のと
第2ダイス3のとを相対的に移動させることによって、
成形部材のウエブ長さとフランジ幅寸法を形成するそれ
ぞれの押出し孔40、50の重複部分を変化させること
ができるので、そこから押出し成形される成形部材のフ
ランジ幅寸法を変化させることができる。その結果、従
来は3つのダイスを用いることによって、ウエブ長さと
フランジ幅寸法を変化させていたが、本発明によれば、
各フランジ連通孔の形状を適宜所望の形状にすることに
よって、2つのダイスからなる可変断面押出し用ダイス
によって、ウエブ長さとフランジ幅寸法を変化させるこ
とができる。こうした可変断面押出し用ダイスを用いる
ことによって、押出しダイスおよび押出し装置の管理や
制御が簡単で、設備のメンテナンスや段取り作業に無駄
な時間を要することがない。請求項2の発明によれば、
各フランジ形成孔5、8が、それぞれに重複するフラン
ジ連通孔6、9の最小幅寸法Wmin よりも大きい幅寸法
で穿設されているので、それぞれのフランジ連通孔6、
9の幅方向の側面が押出し孔を構成することになる。従
って、幅寸法が変化したフランジを有する成形部材の形
状は、それぞれのフランジ連通孔6、9の幅方向の側面
形状を変化させたダイスを適宜選定して用いることによ
って、容易に変化させることができる。請求項3の発明
によれば、各フランジ連通孔6、9の幅寸法Wが、各ウ
エブ形成孔4、7それぞれの穿設部分から離れるに従っ
て拡大するように変化しているので、第1ダイス2と第
2ダイス3を相対的に移動させて押出し成形した成形部
材95の断面は、ウエブ長さが長いほどフランジ幅寸法
の大きい形状となる。従って、得られる成形部材に係る
曲げ応力によって、その曲げ応力に対応する断面係数と
なるように断面形状を変化させることができる。請求項
4の発明によれば、各々のウエブ形成孔がそれぞれに対
応したフランジ形成孔の中央部に穿設されているので、
断面係数の大きい略H字形の断面形状を有する成形部材
を、その成形部材の長手方向の各部でウエブ長さとフラ
ンジ幅寸法を変化させて押出し成形することができる。
請求項5の発明によれば、第2ダイス3は、第1ダイス
の案内孔22内でがたつきを起こさないので、寸法精度
に優れた成形部材を得ることができる。また、本発明の
請求項6の可変断面押出し成形方法によれば、ウエブ長
さとフランジ幅寸法を最も大きくした部分を成形する最
大断面形成工程と、ウエブ長さとフランジ幅寸法を最も
小さくした部分を成形する最小断面形成工程と、それら
の中間の大きさを有した部分を成形する可変断面形成工
程とを有しているので、得られる成形部材の断面形状
を、成形部材の長さ方向に沿って、大きな断面係数を有
する部分に連続的に変化させたり、小さな断面係数を有
する部分に連続的に変化させたりすることができる。請
求項6の発明によれば、可変断面形成工程が、縮小断面
形成工程と拡大断面形成工程の何れかを少なくとも有す
るので、成形部材の断面形状を、そこに係る曲げ応力に
応じた断面係数となるように変化させることができる。
請求項7の発明によれば、得られる成形部材の軽量化を
達成することができる。また、曲げ応力が小さい部分の
断面形状を小さくすることができることとも相まって、
自重によるたわみを小さくすることができる。こうして
形成された成形部材は、長手方向に沿って外形寸法を漸
次変化させることができるので、得られた成形部材を使
用する環境や周囲の配置環境等の種々の事情に応じて、
得られる成形部材の外形寸法を適宜変化させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】可変断面押出しに使用される第1ダイスの一例
を示す平面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】可変断面押出しに使用される第2ダイスの一例
を示す平面図である。
【図4】第1ダイスの押出し孔の形状を示す平面図であ
る。
【図5】第2ダイスの押出し孔の形状を示す平面図であ
る。
【図6】最大断面を有した部分を押出し成形する場合に
おける第1ダイスと第2ダイスの押出し孔の位置関係を
示す平面図である。
【図7】最大断面と最小断面との中間の可変断面を有し
た部分を押出し成形する場合における第1ダイスと第2
ダイスの押出し孔の位置関係を示す平面図である。
【図8】最小断面を有した部分を押出し成形する場合に
おける第1ダイスと第2ダイスの押出し孔の位置関係を
示す平面図である。
【図9】可変断面押出し用ダイスを用いて押出し成形さ
れた部材の最大断面を有する部分の断面図である。
【図10】可変断面押出し用ダイスを用いて押出し成形
された部材の可変断面を有する部分の断面図である。
【図11】可変断面押出し用ダイスを用いて押出し成形
された部材の最小断面を有する部分の断面図である。
【図12】第1ダイスと第2ダイスの押出し孔の他の一
例を示す平面図である。
【図13】第1ダイスと第2ダイスの押出し孔の他の一
例を示す平面図である。
【図14】第1ダイスと第2ダイスの押出し孔の他の一
例を示す平面図である。
【図15】本発明の可変押出し用ダイスおよび可変押出
し成形方法で成形できる成形部材の断面形状である。
【図16】ウエブの両端部にフランジ部を有する部材を
成形することができる押出し用ダイスの押出し孔の形状
を示す正面図である。
【図17】ウエブ長さとフランジ幅を適宜調節すること
ができる可変断面押出し成形方法で使用される押出し用
ダイスの配置と、押出し孔の形状を示す正面図である。
【符号の説明】
2 第1ダイス 3 第2ダイス 4 第1ウエブ形成孔 5 第1フランジ形成孔 6 第2フランジ連通孔 7 第2ウエブ形成孔 8 第2フランジ形成孔 9 第1フランジ連通孔 40 第1押出し孔 50 第2押出し孔 62 重複部分(ハッチング部分) 91 ウエブ 92 第1フランジ 93 第2フランジ 95 成形部材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年12月10日(1998.12.
10)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウエブの少なくと
も一端にフランジを有し、長手方向の各部でウエブ長さ
とフランジ幅寸法が変化する成形部材の押出し加工に用
いられる可変断面押出し用ダイスおよび可変断面押出し
成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、一般乗用車やトラック等の各種車
両に使用されているシャーシ部材、車体部材、バンパー
材等の構成部材は、車体の軽量化、耐久性の向上または
優れたリサイクル性等に優れるという要求に伴って、従
来の鉄製のものに代えてアルミニウムまたはアルミニウ
ム合金製のものが多用されつつある。
【0003】アルミニウムまたはアルミニウム合金は融
点が低いので、上記の構成部材は、通常、押出し加工に
よって製造されている。押出し加工は、塑性状態の材料
を押出し用ダイスを通して押出し、その押出し用ダイス
に設けられた押出し孔と同じ断面形状の長尺物を製作す
る加工法である。従って、このような一般的な押出し加
工法によって得られる成形部材は、長手方向の全長に渡
って一定の断面形状を有している。
【0004】しかしながら、得られた成形部材の断面形
状が一定であることが、かえって不都合となる場合があ
る。例えば、上述のシャーシ部材においては、そこに作
用する曲げ応力は長手方向の各部で異なっている。その
ため、成形部材の各部は、作用する曲げ応力に応じた断
面形状であればよく、必ずしも一定の断面形状である必
要はない。しかし、上述の一般的な押出し加工法によれ
ば、シャーシ部材の各部は、常に一定の断面形状となる
ので、シャーシ部材の構造を設計する際には、最大曲げ
応力が係る部分で必要とされる断面形状を全体の断面形
状として設計することとなる。そのため、曲げ応力が小
さくてもよい部分では、必要以上の寸法および強度を有
することとなり、得られたシャーシ部材には、不必要な
部分が設けられていることになる。その結果、得られた
シャーシ部材は、無駄な材料によって構成されるので不
経済であり、更に、設置スペースのコンパクト化および
軽量化を妨げるという問題がある。
【0005】本出願人は、こうした問題を解決するた
め、成形部材を長手方向に沿って異なる断面形状を有す
るように押出し成形する可変断面押出し法および可変断
面押出し用ダイスについて幾つか提案している。例え
ば、特開平8−192221号公報には、ウエブの両端
部にフランジを有する部材を成形することができる押出
し用ダイスについて記載されている。図16は、その押
出し用ダイスの押出し孔の形状を示す正面図である。押
出し用ダイス160は、固定される第1ダイス161
と、移動可能な第2ダイス162とからなり、第1ダイ
ス161の押出し孔163と第2ダイス162の押出し
孔164との重複部分(ハッチングの重複部分)165
から材料が押し出されることによって、所望の断面形状
を有する成形部材を得ることができる。そして、第2ダ
イス162がウエブ長さhを伸縮させる方向Xに沿って
移動することによって、第1ダイス161と第2ダイス
162とのウエブの重複部分165の長さが変化し、そ
の結果、得られた成形部材は、長手方向の各部でウエブ
長さが異なることとなる。
【0006】しかしながら、こうした押出し用ダイス1
60を使用した押出し成形方法では、ウエブの長さhを
変化させることはできるが、フランジの寸法、特にフラ
ンジの幅寸法Wを変化させて成形部材の長手方向の断面
係数をより小さく変化させたり、他の部材に干渉する部
分を凹ますように成形することはできなかった。フラン
ジの幅寸法Wを小さく変化させるために、従来は、フラ
ンジの一部を切削加工していたが、その加工に手間を要
するという問題があった。すなわち、上述した可変断面
押出し成形方法では、第2ダイス162が移動する方向
Xに沿ってウエブの長さhを伸縮することはできるが、
第2ダイス162が移動する方向Xと交差する方向の断
面寸法、例えばフランジの幅寸法Wを変化させることが
できないという問題があった。
【0007】特開平8−243632号公報は、こうし
た問題を解決するためになされたものであって、ウエブ
の両端部にフランジを有する部材を成形することができ
る押出し用ダイスについて記載され、ウエブの長さhと
フランジの幅寸法Wを適宜調節することができる可変断
面押出し成形方法について記載されている。図17は、
その押出し用ダイスの配置と、押出し孔の形状を示す正
面図である。押出し用ダイス170は、固定される第1
ダイス171と、ウエブ長さhを伸縮させる方向Xに沿
って移動可能な第2ダイス172と、さらに、第2ダイ
ス172が移動する方向Xと交差する方向Yに移動して
フランジの幅寸法Wを伸縮することができる第3ダイス
176、177とによって構成されている。そして、こ
の3つのダイスの押出し孔の重複部分(ハッチングの重
複部分)175から材料が押出されることによって、ウ
エブの長さhとフランジの幅寸法Wが適宜調節された所
望の断面形状を有する成形部材を得ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
特開平8−243632号公報に記載された可変断面押
出し成形方法は、成形部材が3つのダイスの押出し孔の
重複部分175から押出される方法であるので、上述の
特開平8−192221号公報に記載された可変断面押
出し成形方法に比べて、第3ダイスおよび第3ダイスを
移動させる制御機構(図示しない)が必要となる。その
ため、押出しダイスおよび押出し装置の管理や制御が煩
雑となり、設備のメンテナンスや段取り作業に時間を要
するといった不都合もあった。
【0009】そこで、本発明の目的は、上述したような
押出しダイスおよび押出し装置の管理や制御が簡単であ
り、且つ簡便な機構によって、ウエブの長さとフランジ
の幅寸法が適宜調節された所望の断面形状を有する成形
部材を容易に成形することができる可変断面押出し用ダ
イスおよび可変断面押出し成形方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】以下、本発明の実施形態
を示す図面に対応付けて本発明を説明する。但し、本発
明は図示の形態に限定されない。
【0011】請求項1の可変断面押出し用ダイスの発明
は、ウエブ91の少なくとも一端にフランジを有し、長
手方向の各部でウエブの長さとフランジの幅寸法が変化
する成形部材95を成形するための第1ダイス2と第2
ダイス3とを備え、第1ダイス2および第2ダイス3そ
れぞれに設けられた押出し孔の重複部分62が押出し成
形孔をなすと共に、第1ダイス2および第2ダイス3を
相対移動して重複部分62を変化させることにより、前
記押出し成形孔の形状を変化させることができる可変断
面押出し用ダイス1において、
【0012】第1ダイス2には、第1ウエブ形成孔4
と、第1ウエブ形成孔4の一端に設けられた第1フラン
ジ形成孔5と、第1ウエブ形成孔4の他端に設けられ
て、幅寸法が第1ウエブ形成孔4の穿設部分から離れる
に従って変化する第2フランジ連通孔6とからなる第1
押出し孔40が設けられ、
【0013】第2ダイス3には、第2ウエブ形成孔7
と、第2ウエブ形成孔7の一端に設けられた第2フラン
ジ形成孔8と、第2ウエブ形成孔7の他端に設けられ
て、幅寸法が第2ウエブ形成孔7の穿設部分から離れる
に従って変化する第1フランジ連通孔9とからなる第2
押出し孔50が設けられ、
【0014】第1ダイス2と第2ダイス3とは、第1押
出し孔40の第1フランジ形成孔5が第2押出し孔50
の第1フランジ連通孔9と重複するように配置し、且つ
第2押出し孔50の第2フランジ形成孔8が第1押出し
孔40の第2フランジ連通孔6と重複するように配置す
ると共に、第1ウエブ形成孔4と第2ウエブ形成孔7の
少なくとも一部分が重複するように成形部材の押出し方
向に配設し、第1ウエブ形成孔4と第2ウエブ形成孔7
とから成形される成形部材95のウエブ91の長さ方向
に沿って相対的に移動自在に設けられていることに特徴
を有する。
【0015】この発明によれば、第1ダイス2の第2フ
ランジ連通孔6の幅寸法および第2ダイス3の第1フラ
ンジ連通孔9の幅寸法が、それぞれに設けられたウエブ
形成孔4、7の穿設部分から離れるに従って変化してい
るので、第1ダイス2と第2ダイス3とを相対移動する
ことによって変化する第1フランジ形成孔5と第1フラ
ンジ連通孔9との重複部分および第2フランジ形成孔8
と第2フランジ連通孔6との重複部分が変化する。従っ
て、その重複部分が変化することにより、そこから押出
し成形される成形部材のフランジ幅寸法は連続的に変化
する。また、第1ウエブ形成孔4と第2ウエブ形成孔7
の少なくとも一部分が重複するように配置されるので、
得られる成形部材は、フランジ幅寸法と共に、ウエブ長
さも連続的に変化する。その結果、従来は3つのダイス
を用いることによって、ウエブ長さとフランジ幅寸法が
変化した成形部材を成形していたが、本発明によれば、
各フランジ連通孔6、9の形状を適宜所望の形状にする
ことによって、2つのダイスからなる可変断面押出し用
ダイスを用いて、ウエブの少なくとも一端にフランジを
有し、長手方向の各部でウエブ長さとフランジ幅寸法が
変化する成形部材を成形することができる。こうした可
変断面押出し用ダイスを用いることによって、押出しダ
イスおよび押出し装置の管理や制御が簡単で、設備のメ
ンテナンスや段取り作業に無駄な時間を要することがな
い。
【0016】請求項2の発明は、請求項1に記載の可変
断面押出し用ダイスにおいて、第1フランジ形成孔5の
フランジ幅寸法W1が、第1フランジ連通孔9の最小幅
寸法Wmin よりも大きく穿設され、第2フランジ形成孔
8のフランジ幅寸法W1が、第2フランジ連通孔6の最
小幅寸法Wmin よりも大きく穿設されていることに特徴
を有する。
【0017】この発明によれば、各フランジ形成孔5、
8が、それぞれに重複するフランジ連通孔6、9の最小
幅寸法Wmin よりも大きい幅寸法で穿設されているの
で、それぞれのフランジ連通孔6、9の幅方向の側面が
押出し孔を構成することになる。従って、幅寸法が変化
したフランジを有する成形部材の形状は、それぞれのフ
ランジ連通孔6、9の幅方向の側面形状を変化させたダ
イスを適宜選定して用いることによって、容易に変化さ
せることができる。
【0018】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2に記載の可変断面押出し用ダイスにおいて、第1フラ
ンジ連通孔9と第2フランジ連通孔6の幅寸法Wが、第
1ウエブ形成孔4および第2ウエブ形成孔7それぞれの
穿設部分から離れるに従って拡大するように変化するこ
とに特徴を有する。
【0019】この発明によれば、各フランジ連通孔6、
9の幅寸法Wが、各ウエブ形成孔4、7それぞれの穿設
部分から離れるに従って拡大するように変化しているの
で、第1ダイス2と第2ダイス3を相対的に移動させて
押出し成形した成形部材95の断面は、ウエブ長さが長
いほどフランジ幅寸法の大きい形状となる。従って、得
られる成形部材に係る曲げ応力に応じて、その曲げ応力
に対応した断面係数となるように断面形状を変化させる
ことができる。
【0020】請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3
の何れかに記載の可変断面押出し用ダイスにおいて、第
1ウエブ形成孔4および第2ウエブ形成孔7のそれぞれ
が、第1フランジ形成孔5および第2フランジ形成孔8
それぞれの中央部に穿設するように設けられていること
に特徴を有する。
【0021】この発明によれば、各ウエブ形成孔4、7
がそれぞれに対応したフランジ形成孔5、8の中央部に
穿設されているので、断面係数の大きい略H字形の断面
形状を有する成形部材を、その成形部材の長手方向の各
部でウエブ長さとフランジ幅寸法を変化させて押出し成
形することができる。
【0022】請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4
の何れかに記載の可変断面押出し用ダイスにおいて、第
1ダイス2には、第1ウエブ形成孔4の長さ方向に平行
で、且つ成形部材の押出し方向と交差する方向に延びる
案内孔22が形成されていると共に、その案内孔22に
第2ダイス3が摺動自在に挿入されていることに特徴を
有する。
【0023】この発明によれば、第2ダイス3は、第1
ダイスの案内孔22内でがたつきを起こさないので、寸
法精度に優れた成形部材を得ることができる。
【0024】請求項6の可変断面押出し成形方法の発明
は、請求項1乃至請求項5の何れかに記載の可変断面押
出し用ダイス1を用い、その可変断面押出し用ダイス1
に向けて押出し材を押出しつつ第1ダイス2と第2ダイ
ス3とを相対的に移動させることによって、ウエブ91
の少なくとも一端にフランジを有し、長手方向の各部で
ウエブ91の長さとフランジの幅寸法が変化する成形部
材95を成形する可変断面押出し成形方法であって、
【0025】第1押出し孔40の第1ウエブ形成孔4
と、第2押出し孔50の第2ウエブ形成孔7との重複部
分62を最も小さくしてウエブ長さhを最も大きくする
ように配置すると共に、第1フランジ形成孔5および第
2フランジ形成孔8を、第1フランジ連通孔9および第
2フランジ連通孔6の幅寸法Wが最も大きい位置にそれ
ぞれ配置して押出し成形する最大断面形成工程と、
【0026】第1押出し孔40の第1ウエブ形成孔4
と、第2押出し孔50の第2ウエブ形成孔7との重複部
分62を最も大きくしてウエブ長さhを最も小さくする
ように配置すると共に、第1フランジ形成孔5および第
2フランジ形成孔8を、第1フランジ連通孔9および第
2フランジ連通孔6の幅寸法Wが最も小さい位置にそれ
ぞれ配置して押出し成形する最小断面形成工程と、
【0027】第1押出し孔40の第1ウエブ形成孔4
と、第2押出し孔50の第2ウエブ形成孔7との重複部
分62を変化させると共に、第1フランジ形成孔5およ
び第2フランジ形成孔8を、第1フランジ連通孔9およ
び第2フランジ連通孔6の幅寸法Wが変化する方向に移
動させることによって、ウエブ長さhとフランジ幅寸法
Wとが伸縮変化した成形部材95を押出し成形する可変
断面形成工程と、を少なくとも有し、長手方向に向けて
ウエブ長さhとフランジ幅寸法Wが伸縮変化した断面形
状を有する成形部材95を押出し加工することに特徴を
有する。
【0028】この発明によれば、ウエブ長さとフランジ
幅寸法を最も大きくした部分を成形する最大断面形成工
程と、ウエブ長さとフランジ幅寸法を最も小さくした部
分を成形する最小断面形成工程と、それらの中間の大き
さを有した部分を成形する可変断面形成工程とを有して
いるので、得られる成形部材の断面形状を、成形部材の
長さ方向に沿って、大きな断面係数となるように変化さ
せたり、小さな断面係数となるように変化させたりする
ことができる。
【0029】請求項7の発明は、請求項6に記載の可変
断面押出し成形方法において、前記可変断面形成工程
が、第1押出し孔40の第1ウエブ形成孔4と、第2押
出し孔50の第2ウエブ形成孔7との重複部分62を大
きくして、成形後の成形部材95のウエブ長さhを徐々
に小さくすると共に、第1フランジ形成孔5および第2
フランジ形成孔8を、第1フランジ連通孔9および第2
フランジ連通孔6の幅寸法Wが小さく変化する方向に移
動することによってフランジ92、93の幅寸法Wが徐
々に小さくなる成形部材95を押出し成形する縮小断面
形成工程と、
【0030】第1押出し孔40の第1ウエブ形成孔4
と、第2押出し孔50の第2ウエブ形成孔7との重複部
分62を小さくして、成形後の成形部材95のウエブ長
さhを徐々に大きくすると共に、第1フランジ形成孔5
および第2フランジ形成孔8を、第1フランジ連通孔9
および第2フランジ連通孔6の幅寸法Wが大きく変化す
る方向に移動することによってフランジ92、93の幅
寸法Wが徐々に大きくなる成形部材95を押出し成形す
る拡大断面形成工程と、の何れかを少なくとも有するこ
とに特徴を有する。
【0031】この発明によれば、可変断面形成工程が、
縮小断面形成工程と拡大断面形成工程の何れかを少なく
とも有するので、成形部材の断面形状を、そこに係る曲
げ応力に応じた断面係数となるように変化させることが
できる。
【0032】請求項8の発明は、請求項6または請求項
7に記載の可変断面押出し成形方法において、成形部材
が、アルミニウムまたはアルミニウム合金であることに
特徴を有する。この発明によれば、得られる成形部材の
軽量化を達成することができる。また、曲げ応力が小さ
い部分の断面形状を小さくすることができることとも相
まって、自重によるたわみを小さくすることができる。
【0033】本発明によって成形された成形部材は、長
手方向に沿って外形寸法を漸次変化させることができる
ので、得られた成形部材を使用する環境や周囲の配置環
境等の種々の事情に応じて、得られる成形部材の外形寸
法を適宜変化させることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の一実施形態を説明する。
【0035】図1〜図3は、本発明の可変断面押出し用
ダイス1の一例を示すものである。可変断面押出し用ダ
イスは、ウエブの少なくとも一端にフランジを有し、長
手方向の各部でウエブ長さとフランジ幅寸法が変化する
成形部材を成形するための第1ダイス2と第2ダイス2
とを備えている。この第1ダイス2と第2ダイス3とを
重なるように組み合わせることによって、第1ダイス2
に設けられた第1押出し孔40と第2ダイス3に設けら
れた第2押出し孔50との重複部分が押出し成形孔とな
る。そして、第1ダイス2および第2ダイス3を相対移
動して重複部分を変化させることにより、押出し成形孔
の形状を変化させることができる。その結果、押出し成
形の途中で変化した押出し成形孔から押出し材が押出さ
れることによって、最大断面寸法(図9を参照。)と最
小断面寸法(図11を参照。)とを有して、その最大断
面寸法と最小断面寸法との間で可変断面(図10を参
照。)を有する成形部材を成形することができる。
【0036】可変断面押出し用ダイスは、第1ダイス2
と、この第1ダイス2の案内孔22(図2を参照。)内
に移動可能に係合される第2ダイス3(図3を参照。)
とによって構成される。
【0037】第1ダイス2は、通常、固定ダイスとして
作用し、図1および図2に示すように、その中央部に第
1押出し孔40が形成されている。その第1押出し孔4
0は、第1ウエブ形成孔4と、第1ウエブ形成孔4の一
端に設けられて成形すべき成形部材95の第1フランジ
92(図9を参照。)と同一の形状寸法を有する第1フ
ランジ形成孔5と、第1ウエブ形成孔4の他端に設けら
れて幅寸法が第1ウエブ形成孔4の穿設部分から離れる
に従って拡大するように変化する第2フランジ連通孔6
とで構成されている。ここで、第1ウエブ形成孔4の長
さは、図11に示すウエブ91の長さh2と同じ長さで
形成されている。尚、この時、第2フランジ連通孔6の
幅寸法が、第1ウエブ形成孔4の穿設部分から離れるに
従って縮小するように変化する形状とすることもでき
る。
【0038】第1ダイス2は、熱間工具鋼によって略外
観方形板状に形成されている。第1ダイス2の上面12
は、押出し材が収納されるコンテナ21側に位置し、第
1ダイス2の中央に位置する第1押出し孔40の周囲に
は、押出し材を第1押出し孔40に円滑に導くための流
路であって、その上面12側から内側に向かって絞られ
た凹部13が形成されている。特に、第1ウエブ形成孔
4の両側には、押出し材を円滑に第1ウエブ形成孔4に
導くための傾斜面18が形成されている。さらに、第1
ダイス2の上面12には、そこから突出してコンテナ2
1の下面と嵌合する円形の段差部19が形成されてお
り、この段差部19の内側には、コンテナ21内と凹部
13とを連通させる大径の案内部20が形成されてい
る。
【0039】また、図2に示すように、第1ダイス2内
の中央部には、第1ウエブ形成孔4の長さ方向と平行
で、且つ成形部材の押出し方向と交差する方向に延びる
案内孔22が第1ダイス2を貫通して穿設されている。
この案内孔22には、第2ダイス3が移動自在に収納さ
れ、案内孔22の側面には、第2ダイス3の側面31を
密に摺動自在に案内するための案内壁23が形成されて
いる。その結果、第2ダイス3は、案内孔22内でがた
つきを起こさないので、成形部材の寸法精度を向上させ
ることができる。
【0040】第2ダイス3は、通常、移動ダイスとして
作用し、図3に示すように、その中央部に第2押出し孔
50が形成されている。その第2押出し孔50は、第2
ウエブ形成孔7と、第2ウエブ形成孔7の一端に設けら
れて成形すべき成形部材95の第2フランジ93(図9
を参照。)と同一の形状寸法を有する第2フランジ形成
孔8と、第2ウエブ形成孔7の他端に設けられて幅寸法
が第2ウエブ形成孔7の穿設部分から離れるに従って拡
大するように変化する第1フランジ連通孔9とで構成さ
れている。ここで、第2ウエブ形成孔7の長さは、図1
1に示すウエブ91の長さh2と同じ長さで形成されて
いる。尚、この時、第1フランジ連通孔9の幅寸法が、
第2ウエブ形成孔7の穿設部分から離れるに従って縮小
するように変化する形状とすることもできる。
【0041】第2ダイス3も、第1ダイス2と同様に、
熱間工具鋼等によって外観略方形板状に形成されてい
る。そして、図3に示すように、案内孔22内に挿入さ
れる頭部25と、頭部25を案内孔22内で摺動させる
ための油圧シリンダ等の駆動手段(図示せず)が連結さ
れるクランプ部26を有している。
【0042】第2ダイス3は、その第2フランジ形成孔
8が第1ダイス2の第2フランジ連通孔6と重複し、且
つその第1フランジ連通孔9が第1ダイス2の第1フラ
ンジ形成孔5と重複するように配置して、第1ダイス2
の案内孔22内に収納される。そして、第1ダイス2の
第1ウエブ形成孔4と第2ダイス3の第2ウエブ形成孔
7の少なくとも一部分が重複するように、第1ダイス2
の案内孔22内の案内壁23に沿って摺動し、所定の位
置に配置する。このように配設された第2ダイス3は、
得られる成形部材95のウエブ91の長さ方向に沿って
移動自在となっている。
【0043】このように配置した第1ダイス2と第2ダ
イス3から構成される押出しダイスに、コンテナ21か
ら押出し材が導入されると、第1ダイス2の第1押出し
孔40と第2ダイス3の第2押出し孔50の重複部分6
2を通って、押出し材が押し出される。その時、第2ダ
イス3を摺動させることによって、図9〜図11に示す
ような、ウエブの長さとフランジの幅寸法が適宜調節さ
れた所望の断面形状を各部で備えた成形部材95を容易
に製造することができる。
【0044】このとき、第1ダイス2の第1ウエブ形成
孔4と第2ダイス3の第2ウエブ形成孔7は、少なくと
も一部分が重複するように配置されているので、第1ウ
エブ形成孔4から押出されるウエブと第2ウエブ形成孔
7から押出されるウエブは、途切れることのない一体の
ウエブ91として押出し成形される。
【0045】次に、第1押出し孔40および第2押出し
孔50の各部の形状について更に説明する。
【0046】図4〜図8に示すように、第1ダイス2の
押出し孔40と第2ダイス3の押出し孔50は、同じ形
状で穿設され、さらに、第1ウエブ形成孔4および第2
ウエブ形成孔7のそれぞれが、第1フランジ形成孔5お
よび第2フランジ形成孔8それぞれの中央部に穿設する
ように設けられている。このように穿設することによっ
て、断面係数の大きい略H字形の断面形状を有する成形
部材を、その成形部材の長手方向の各部でウエブ長さと
フランジ幅寸法を変化させて押出し成形することができ
る。
【0047】第1押出し孔40において、第1フランジ
形成孔5の幅寸法W1は、第2押出し孔50の第1フラ
ンジ連通孔9の左端に形成される最小幅寸法Wmin より
も大きく穿設され、且つ第2フランジ連通孔6の右端に
形成される最小幅寸法Wminは、第2押出し孔50の第
2フランジ形成孔8の幅寸法W1よりも小さく穿設され
ている。さらに、第2フランジ連通孔6の最大幅寸法W
max は、図6に示すように、第2押出し孔50の第2フ
ランジ形成孔8とほぼ同じ幅寸法で穿設されている。そ
して、第2フランジ連通孔6の幅寸法Wは、第1ウエブ
形成孔4の穿設部分から離れるに従って拡大するように
穿設されている。
【0048】また、第1押出し孔40の第2フランジ連
通孔6において、連通孔の幅を構成する最小幅寸法W
min となる部分の側面と最大幅寸法Wmax となる部分の
側面は、第2押出し孔50の第2フランジ形成孔8の縦
長さH以上の縦長さで第1ウエブ形成孔4と平行に形成
されている。従って、連通孔の幅を構成する最小幅寸法
min となる部分の側面と最大幅寸法Wmax となる部分
の側面との中間部分の側面は、連続的にその幅寸法Wが
拡大するように形成されている。
【0049】一方、第2押出し孔50も、上述の第1押
出し孔40の場合と同様であり、第2フランジ形成孔8
の幅寸法W1は、第1押出し孔40の第2フランジ連通
孔6の最小幅寸法Wmin よりも大きく穿設され、且つ第
1フランジ連通孔9の最小幅寸法Wmin は、第1押出し
孔40の第1フランジ形成孔5の幅寸法W1よりも小さ
く穿設されている。さらに、第1フランジ連通孔9の最
大幅寸法Wmax は、図6に示すように、第1押出し孔4
0の第1フランジ形成孔5とほぼ同じ幅寸法で穿設され
ている。そして、第1フランジ連通孔9の幅寸法Wは、
第2ウエブ形成孔7の穿設部分から離れるに従って拡大
するように穿設されている。
【0050】また、第2押出し孔50の第1フランジ連
通孔9においても、上述の第2フランジ連通孔6の場合
と同様であり、連通孔の幅を構成する最小幅寸法Wmin
となる部分の側面と最大幅寸法Wmax となる部分の側面
は、第1押出し孔40の第1フランジ形成孔5の縦長さ
H以上の縦長さで第2ウエブ形成孔7と平行に形成され
ている。従って、連通孔の幅を構成する最小幅寸法W
min となる部分の側面と最大幅寸法Wmax となる部分の
側面との中間部分の側面は、連続的にその幅寸法Wが拡
大するように形成されている。
【0051】次に、以上の構成からなる可変断面押出し
用ダイス1を用いた可変断面押出し成形方法について具
体的に説明する。
【0052】ウエブの少なくとも一端にフランジを有
し、長手方向の各部でウエブ長さhとフランジ幅寸法W
が変化する断面形状を有する成形部材95は、上述した
可変断面押出し用ダイス1に向けて押出し材を押出しつ
つ第1ダイス2と第2ダイス3とを相対的に移動させる
ことによって成形される。こうした可変断面を有する成
形部材95は、最も大きな断面係数を有する部分を形成
することができる最大断面形成工程と、最も小さな断面
係数を有する部分を形成することができる最小断面形成
工程と、その最大断面を有する部分と最小断面を有する
部分との間で、必要に応じた断面係数を有する部分を形
成することができる可変断面形成工程と、によって押出
し成形される。
【0053】通常、こうした成形部材は、その両端の支
持部で大きな曲げ応力が係り、中間部分で小さい曲げ応
力が係るので、以下の説明においては、両端部と中間部
分とを有する成形部材について説明する。
【0054】図6〜図8に示すハッチング部分は、第1
ダイス2の押出し孔40と第2ダイス3の押出し孔50
の相互の重なり状態を示すものである。各々のダイスの
ハッチングが重複する部分62が、押出し加工によって
成形される成形部材95の断面形状を示している。
【0055】先ず、最大断面形成工程について説明す
る。図6に示すように、第1ダイス2と第2ダイス3と
を、第2ダイス3の第1フランジ連通孔9が第1ダイス
2の第1フランジ形成孔5と重複し、且つ第2ダイス3
の第2フランジ形成孔8が第1ダイス2の第2フランジ
連通孔6と重複するように配置する。この時、第1ウエ
ブ形成孔4と第2ウエブ形成孔7との重複部分62が最
も小さくなるように、第1ダイス2の案内孔22内で第
2ダイス3を摺動させる。その結果、第1フランジ形成
孔5の上面側から第2フランジ形成孔8の下面側までの
長さを最大にすることができる。さらにこの時、第1フ
ランジ形成孔5は、第1フランジ連通孔9の最大幅寸法
max 位置に配置され、第2フランジ形成孔8は、第2
フランジ連通孔6の最大幅寸法Wmax 位置にそれぞれ配
置される。
【0056】このように配置された押出しダイスに押出
し材を導入することによって、図9に示すような最大断
面形状を有する成形部材95を所定の長さだけ形成する
ことができる。また、この時形成される略H字形の断面
形状を有する成形部材のウエブの長さは、おおむね第1
ウエブ形成孔の長さと第2ウエブ形成孔の長さとを加え
た長さである。こうした最大断面を有する部分は、通
常、成形部材の両端の支持部となり、大きな曲げ応力に
も耐えうる断面係数を有することとなる。
【0057】次に、可変断面形成工程のうち、その断面
形状が徐々に小さくなる縮小断面形成工程について説明
する。図7に示すように、第2ダイス3の第1フランジ
連通孔9が第1ダイス2の第2フランジ連通孔6から遠
のいて、第1ウエブ形成孔4と第2ウエブ形成孔7との
重複部分62が大きくなるように、第2ダイス3を第1
ダイス2の案内孔22内で摺動させる。この時、ウエブ
91(図11を参照。)が押出し成形されるハッチング
の重複部分は、第2ダイス3の摺動と共に徐々に短くな
る。さらにこの時、第1フランジ形成孔5は、第1フラ
ンジ連通孔9の最大幅寸法Wmax 位置から最小幅寸法W
min 位置に向かって移動するので、第1フランジ92が
成形されるハッチングの重複部分は、その幅寸法が徐々
に小さくなる。また、第2フランジ形成孔8も同様に、
第2フランジ連通孔6の最大幅寸法Wmax 位置から最小
幅寸法Wmin 位置に向かって移動するので、第2フラン
ジ93が成形されるハッチングの重複部分は、その幅寸
法が徐々に小さくなる。
【0058】このようにウエブ長さとフランジ幅寸法が
徐々に小さくなるように変化する押出しダイス1に押出
し材を導入することによって、図7に示すような断面形
状を有する成形部材95を、その断面寸法を変化させな
がら形成することができる。こうした可変断面を有する
部分は、通常、成形部材の両端の支持部から中間部分の
間の領域を構成し、曲げ応力が徐々に小さくなるのに応
じた断面係数を有することとなる。
【0059】この際、第2ダイス3の移動速度と押出し
材の押出し速度とを、それぞれ所定の速度に設定するこ
とによって、所定の長さが押し出されれる間に、ウエブ
長さとフランジ幅寸法とを均一の割合で小さくさせるこ
とができる。
【0060】次に、最小断面形成工程について説明す
る。上述した縮小断面形成工程によって、第1フランジ
形成孔5および第2フランジ形成孔8が、それぞれ、第
1フランジ連通孔9の最小幅寸法Wmin 位置および第2
フランジ連通孔6の最小幅寸法Wmin 位置に至った後、
第2ダイス3の移動を停止する。この時、図8に示すよ
うに、第1ウエブ形成孔4と第2ウエブ形成孔7との重
複部分62が最も大きくなり、ウエブ91が押出し成形
されるハッチングの重複部分の長さhは最も小さくなる
ように配置される。さらにこの時、第1フランジ形成孔
5は、第1フランジ連通孔9の最小幅寸法Wmin 位置に
配置され、第2フランジ形成孔8は、第2フランジ連通
孔6の最小幅寸法Wmin 位置にそれぞれ配置される。
【0061】このように配置された押出しダイス1に押
出し材を導入することによって、図11に示すような最
小断面形状を有する部分を所定の長さだけ形成すること
ができる。こうした最小断面を有する部分は、通常、成
形部材の中間部分を構成し、小さい曲げ応力に対応する
と共に、少なくともその部分に係るせん断力に耐えうる
断面係数を有することとなる。
【0062】次いで、このように形成した最小断面を有
する成形部材95の中間部分から、その両端の支持部に
向かって、さらに断面形状を拡大するように可変させる
拡大断面形成工程について説明する。この拡大断面形成
工程は、上述の縮小断面形成工程とは逆の手順で行われ
る。すなわち、第2ダイス3の第1フランジ連通孔9が
第1ダイス2の第2フランジ連通孔6に近づいて、第1
ウエブ形成孔4と第2ウエブ形成孔7との重複部分62
が小さくなるように、第2ダイス3を第1ダイス2の案
内孔22内で摺動させる。この時、ウエブ91が押出し
成形されるハッチングの重複部分は、第2ダイス3の摺
動と共に徐々に長くなる。さらにこの時、第1フランジ
形成孔5は、第1フランジ連通孔9の最小幅寸法Wmin
位置から最小幅寸法Wmax 位置に向かって移動するの
で、第1フランジ92が成形されるハッチングの重複部
分は、その幅寸法が徐々に大きくなる。また、第2フラ
ンジ形成孔8も同様に、第2フランジ連通孔6の最小幅
寸法Wmin 位置から最大幅寸法Wmax 位置に向かって移
動するので、第2フランジ93が成形されるハッチング
の重複部分は、その幅寸法が徐々に大きくなる。
【0063】このようにウエブ長さとフランジ幅寸法が
徐々に大きくなるように変化する押出しダイス1に押出
し材を導入することによって、図7に示すような断面形
状を有する成形部材95を、その断面寸法を変化させな
がら形成することができる。
【0064】この際、第2ダイス3の移動速度と押出し
材の押出し速度とを、それぞれ所定の速度に設定するこ
とによって、所定の長さが押し出されれる間に、ウエブ
長さとフランジ幅寸法とを均一の割合で大きくさせるこ
とができる。
【0065】次いで、再び、上述の最大断面形成工程に
よって成形部材95の両端の支持部を形成する。すなわ
ち、図6に示すように、第1ウエブ形成孔4と第2ウエ
ブ形成孔7との重複部分62が最も小さくなるように、
第1ダイス2の案内孔22内で第2ダイス3を摺動させ
て、第1フランジ形成孔5の上面側から第2フランジ形
成孔8の下面側までの長さが最大となる位置に至った
後、第2ダイスを停止する。この時、第1フランジ形成
孔5は、第1フランジ連通孔9の最大幅寸法Wma x 位置
に配置され、第2フランジ形成孔8は、第2フランジ連
通孔6の最大幅寸法Wmax 位置にそれぞれ配置される。
【0066】このように配置された押出しダイス1に押
出し材を導入することによって、図9に示すような最大
断面形状を有する成形部材95が所定の長さだけ形成さ
れる。
【0067】以上説明したように、本発明の可変断面押
出し成形方法によれば、得られる成形部材95の各部
を、そこに作用する曲げ応力に応じた断面係数となるよ
うに成形することができる。従って、最も大きな曲げ応
力が係る部分は、ウエブ長さhとフランジ幅寸法Wを最
も大きく成形する最大断面形成工程によって押出し成形
され、最も小さな曲げ応力が係る部分は、ウエブ長さh
とフランジ幅寸法Wを最も小さく成形する最小断面形成
工程によって押出し成形され、それらの中間の曲げ応力
が係る部分は、ウエブ長さhとフランジ幅寸法Wを適宜
調節して成形される可変断面形成工程によって押出し成
形される。このようにして得られた成形部材95は、そ
の各部において、少なくともせん断力に耐えうる程度の
断面係数を有し、且つそれらの各部に係る曲げ応力に対
応した断面係数を有した成形部材とすることができる。
そのため、第3ダイスを使用することなくウエブ長さと
フランジ幅寸法を伸縮させることができるので、押出し
ダイスおよび押出し装置の管理や制御が簡単であり、且
つ第3ダイスを用いないという簡便な機構で押出し成形
できる。
【0068】また、本発明では、図9から図11に示す
断面形状を有する成形部材について具体的に説明した
が、その断面形状は上述したものに限定されるものでは
ない。例えば、可変断面形成工程によって形成される部
分のように、断面形状が変化する部分が全体に渡ってい
るものでもよく、また、異なった断面形状を有する部分
が、所定の長さで段階的に設けられているような形状の
ものであってもよい。例えば、ダイスの形状を変化させ
たり、ダイスの移動速度と押出し速度を調整したりし
て、断面形状を変化させたりすることもできる。押出し
速度に対してダイスの移動速度を小さくした場合には、
断面形状が徐々に変化する成形部材を形成することがで
きる。その逆に、押出し速度に対してダイスの移動速度
を大きくした場合には、断面形状の変化の程度が大きい
部分を有する成形部材を成形することができる。
【0069】また、上述の可変断面押出し用ダイスの形
状としては、第1ウエブ形成孔4および第2ウエブ形成
孔7のそれぞれを、第1フランジ形成孔5および第2フ
ランジ形成孔8それぞれの中央部に穿設するように設け
ているが、穿設位置は中央部に限定されるものではな
く、中央部以外の位置、例えば第1フランジ形成孔5お
よび第2フランジ形成孔8の何れか一端方向にずれた位
置または端部に穿設するように設けてもよい。その一例
を図12に示す。なお、この場合であっても、第1ウエ
ブ形成孔4と第2ウエブ形成孔7とは、少なくともその
一部分が重複してウエブを形成するように、穿設されて
いることが必要である。
【0070】本発明の可変押出し用ダイスおよび可変押
出し成形方法によって、ウエブ91の少なくとも一端に
フランジを有し、長手方向の各部でウエブ91の長さと
フランジの幅寸法が変化する成形部材、例えば一般乗用
車やトラック等の各種車両に使用されているシャーシ部
材、車体部材、バンパー材等の構成部材、を得ることが
できる。こうした形状の成形部材は、図13や図14に
示したように、第1ダイスおよび第2ダイスに穿設され
た各フランジ連通孔6、9の幅方向の寸法や、各フラン
ジ形成孔5、8の幅方向の寸法を変化させることによっ
て、異なる断面形状を有する成形部材を成形でき、さら
に、その成形部材の長さ方向に沿って断面形状を変化さ
せることができる。具体的な成形部材の形状としては、
ウエブ91の一端または両端部分から、一方または二方
にフランジが延びるように適宜成形された断面形状のも
のを得ることができ、図15の(a)〜(i)に示すよ
うな断面形状を有する成形部材を容易に得ることができ
る。なお、図15中の断面形状は、JISに基づく断面
形状の名称で表している。
【0071】成形部材の断面形状は、上述した略H字形
の断面形状を有するものを好ましく用いることができる
が、その成形部材の断面の中立軸から離れた位置に配置
した断面形状を有したものであれば特に限定されるもの
ではない。例えば、略T字形の断面形状を有するものな
どであってもよく、また、可変断面押出し法によって、
はりの長手方向に沿って異なる形状に変化した断面形
状、例えば略T字形から略H字形に連続的に変化した断
面形状を有するものであってもよい。断面形状を、でき
るだけ中立軸から離れた位置に配置するような形状とす
ることによって断面係数を大きくすることができるの
で、アルミニウムまたはその合金のようなヤング率の小
さい材料を用いた場合であっても、必要な断面係数を備
えた状態で、その軽量化を達成することができる。
【0072】なお、押出し材としては、アルミニウムま
たはアルミニウム合金を使用することが好ましいが、そ
の他の軽量材料を用いてもよい。このような軽量材料を
使用することによって、得られる成形部材の軽量化を達
成することができる。また、曲げ応力が小さい部分の断
面形状を小さくすることができることとも相まって、自
重によるたわみを小さくすることができる。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
の可変断面押出し用ダイスによれば、第1ダイス2のと
第2ダイス3のとを相対的に移動させることによって、
成形部材のウエブ長さとフランジ幅寸法を形成するそれ
ぞれの押出し孔40、50の重複部分を変化させること
ができるので、そこから押出し成形される成形部材のフ
ランジ幅寸法を変化させることができる。その結果、従
来は3つのダイスを用いることによって、ウエブ長さと
フランジ幅寸法を変化させていたが、本発明によれば、
各フランジ連通孔の形状を適宜所望の形状にすることに
よって、2つのダイスからなる可変断面押出し用ダイス
によって、ウエブ長さとフランジ幅寸法を変化させるこ
とができる。こうした可変断面押出し用ダイスを用いる
ことによって、押出しダイスおよび押出し装置の管理や
制御が簡単で、設備のメンテナンスや段取り作業に無駄
な時間を要することがない。
【0074】請求項2の発明によれば、各フランジ形成
孔5、8が、それぞれに重複するフランジ連通孔6、9
の最小幅寸法Wmin よりも大きい幅寸法で穿設されてい
るので、それぞれのフランジ連通孔6、9の幅方向の側
面が押出し孔を構成することになる。従って、幅寸法が
変化したフランジを有する成形部材の形状は、それぞれ
のフランジ連通孔6、9の幅方向の側面形状を変化させ
たダイスを適宜選定して用いることによって、容易に変
化させることができる。
【0075】請求項3の発明によれば、各フランジ連通
孔6、9の幅寸法Wが、各ウエブ形成孔4、7それぞれ
の穿設部分から離れるに従って拡大するように変化して
いるので、第1ダイス2と第2ダイス3を相対的に移動
させて押出し成形した成形部材95の断面は、ウエブ長
さが長いほどフランジ幅寸法の大きい形状となる。従っ
て、得られる成形部材に係る曲げ応力によって、その曲
げ応力に対応する断面係数となるように断面形状を変化
させることができる。
【0076】請求項4の発明によれば、各々のウエブ形
成孔がそれぞれに対応したフランジ形成孔の中央部に穿
設されているので、断面係数の大きい略H字形の断面形
状を有する成形部材を、その成形部材の長手方向の各部
でウエブ長さとフランジ幅寸法を変化させて押出し成形
することができる。
【0077】請求項5の発明によれば、第2ダイス3
は、第1ダイスの案内孔22内でがたつきを起こさない
ので、寸法精度に優れた成形部材を得ることができる。
【0078】また、本発明の請求項6の可変断面押出し
成形方法によれば、ウエブ長さとフランジ幅寸法を最も
大きくした部分を成形する最大断面形成工程と、ウエブ
長さとフランジ幅寸法を最も小さくした部分を成形する
最小断面形成工程と、それらの中間の大きさを有した部
分を成形する可変断面形成工程とを有しているので、得
られる成形部材の断面形状を、成形部材の長さ方向に沿
って、大きな断面係数を有する部分に連続的に変化させ
たり、小さな断面係数を有する部分に連続的に変化させ
たりすることができる。
【0079】請求項7の発明によれば、可変断面形成工
程が、縮小断面形成工程と拡大断面形成工程の何れかを
少なくとも有するので、成形部材の断面形状を、そこに
係る曲げ応力に応じた断面係数となるように変化させる
ことができる。
【0080】請求項8の発明によれば、得られる成形部
材の軽量化を達成することができる。また、曲げ応力が
小さい部分の断面形状を小さくすることができることと
も相まって、自重によるたわみを小さくすることができ
る。
【0081】こうして形成された成形部材は、長手方向
に沿って外形寸法を漸次変化させることができるので、
得られた成形部材を使用する環境や周囲の配置環境等の
種々の事情に応じて、得られる成形部材の外形寸法を適
宜変化させることができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウエブの少なくとも一端にフランジを有
    し、長手方向の各部で当該ウエブの長さと当該フランジ
    の幅寸法が変化する成形部材を成形するための第1ダイ
    スと第2ダイスとを備え、当該第1ダイスおよび第2ダ
    イスそれぞれに設けられた押出し孔の重複部分が押出し
    成形孔をなすと共に、当該第1ダイスおよび第2ダイス
    を相対移動して前記の重複部分を変化させることによ
    り、前記押出し成形孔の形状を変化させることができる
    可変断面押出し用ダイスにおいて、 前記第1ダイスには、第1ウエブ形成孔と、該第1ウエ
    ブ形成孔の一端に設けられた第1フランジ形成孔と、該
    第1ウエブ形成孔の他端に設けられて、幅寸法が前記第
    1ウエブ形成孔の穿設部分から離れるに従って変化する
    第2フランジ連通孔とからなる第1押出し孔が設けら
    れ、 前記第2ダイスには、第2ウエブ形成孔と、該第2ウエ
    ブ形成孔の一端に設けられた第2フランジ形成孔と、該
    第2ウエブ形成孔の他端に設けられて、幅寸法が前記第
    2ウエブ形成孔の穿設部分から離れるに従って変化する
    第1フランジ連通孔とからなる第2押出し孔が設けら
    れ、 前記の第1ダイスと第2ダイスとは、前記第1押出し孔
    の第1フランジ形成孔が前記第2押出し孔の第1フラン
    ジ連通孔と重複するように配置し、且つ前記第2押出し
    孔の第2フランジ形成孔が前記第1押出し孔の第2フラ
    ンジ連通孔と重複するように配置すると共に、前記第1
    ウエブ形成孔と前記第2ウエブ形成孔の少なくとも一部
    分が重複するように成形部材の押出し方向に配設し、前
    記第1ウエブ形成孔と第2ウエブ形成孔とから成形され
    るウエブの長さ方向に沿って相対的に移動自在に設けら
    れていることを特徴とする可変断面押出し用ダイス。
  2. 【請求項2】 前記第1フランジ形成孔のフランジ幅寸
    法が、前記第1フランジ連通孔の最小幅寸法よりも大き
    く穿設され、前記第2フランジ形成孔のフランジ幅寸法
    が、前記第2フランジ連通孔の最小幅寸法よりも大きく
    穿設されていることを特徴とする請求項1に記載の可変
    断面押出し用ダイス。
  3. 【請求項3】 前記の第1フランジ連通孔と第2フラン
    ジ連通孔の幅寸法が、前記の第1ウエブ形成孔および第
    2ウエブ形成孔それぞれの穿設部分から離れるに従って
    拡大するように変化することを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載の可変断面押出し用ダイス。
  4. 【請求項4】 前記の第1ウエブ形成孔および第2ウエ
    ブ形成孔のそれぞれが、前記の第1フランジ形成孔およ
    び第2フランジ形成孔それぞれの中央部に穿設するよう
    に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項
    3の何れかに記載の可変断面押出し用ダイス。
  5. 【請求項5】 前記第1ダイスには、前記第1ウエブ形
    成孔の長さ方向に平行で、且つ成形部材の押出し方向と
    交差する方向に延びる案内孔が形成されていると共に、
    当該案内孔に前記第2ダイスが摺動自在に挿入されてい
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記
    載の可変断面押出し用ダイス。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5の何れかに記載の
    可変断面押出し用ダイスを用い、当該可変断面押出し用
    ダイスに向けて押出し材を押出しつつ前記第1ダイスと
    前記第2ダイスとを相対的に移動させることによって、
    ウエブの少なくとも一端にフランジを有し、長手方向の
    各部で当該ウエブの長さと当該フランジの幅寸法が変化
    する部材を成形する可変断面押出し成形方法であって、 前記第1押出し孔の第1ウエブ形成孔と、前記第2押出
    し孔の第2ウエブ形成孔との重複部分を最も小さくして
    ウエブ長さを最も大きくするように配置すると共に、前
    記の第1フランジ形成孔および第2フランジ形成孔を、
    前記の第1フランジ連通孔および第2フランジ連通孔の
    幅寸法が最も大きい位置にそれぞれ配置して押出し成形
    する最大断面形成工程と、 前記第1押出し孔の第1ウエブ形成孔と、前記第2押出
    し孔の第2ウエブ形成孔との重複部分を最も大きくして
    ウエブ長さを最も小さくするように配置すると共に、前
    記の第1フランジ形成孔および第2フランジ形成孔を、
    前記の第1フランジ連通孔および第2フランジ連通孔の
    幅寸法が最も小さい位置にそれぞれ配置して押出し成形
    する最小断面形成工程と、 前記第1押出し孔の第1ウエブ形成孔と、前記第2押出
    し孔の第2ウエブ形成孔との重複部分を変化させると共
    に、前記の第1フランジ形成孔および第2フランジ形成
    孔を、前記の第1フランジ連通孔および第2フランジ連
    通孔の幅寸法が変化する方向に移動させることによっ
    て、ウエブ長さとフランジ幅寸法とが伸縮変化した成形
    部材を押出し成形する可変断面形成工程と、を少なくと
    も有し、 長手方向に向けてウエブ長さとフランジ幅寸法が伸縮変
    化した断面形状を有する成形部材を押出し加工すること
    を特徴とする可変断面押出し成形方法。
  7. 【請求項7】 前記可変断面形成工程が、 前記第1押出し孔の第1ウエブ形成孔と、前記第2押出
    し孔の第2ウエブ形成孔との重複部分を大きくして、成
    形後の成形部材のウエブ長さを徐々に小さくすると共
    に、前記の第1フランジ形成孔および第2フランジ形成
    孔を、前記の第1フランジ連通孔および第2フランジ連
    通孔の幅寸法が小さく変化する方向に移動することによ
    って第1フランジの幅寸法が徐々に小さくなる成形部材
    を押出し成形する縮小断面形成工程と、 前記第1押出し孔の第1ウエブ形成孔と、前記第2押出
    し孔の第2ウエブ形成孔との重複部分を小さくして、成
    形後の成形部材のウエブ長さを徐々に大きくすると共
    に、前記の第1フランジ形成孔および第2フランジ形成
    孔を、前記の第1フランジ連通孔および第2フランジ連
    通孔の幅寸法が大きく変化する方向に移動することによ
    って第1フランジの幅寸法が徐々に大きくなる成形部材
    を押出し成形する拡大断面形成工程と、の何れかを少な
    くとも有することを特徴とする請求項6に記載の可変断
    面押出し成形方法。
  8. 【請求項8】 前記成形部材が、アルミニウムまたはア
    ルミニウム合金であることを特徴とする請求項6または
    請求項7に記載の可変断面押出し成形方法。
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