JP2000176319A - 散水体、散水体の製造方法、灌水用チューブ及び灌水用チューブの製造方法 - Google Patents
散水体、散水体の製造方法、灌水用チューブ及び灌水用チューブの製造方法Info
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Abstract
高さを余り必要とせずに灌水用チューブ近傍位置に適正
な灌水強度を確保し得る散水孔を有する灌水用チューブ
及び灌水用チューブの製造方法を提供する。 【解決手段】 灌水用チューブ1は、水圧による水の半
径方向への飛翔方向を変化させる傾斜面11が開孔壁面
15に形成された散水孔10を有する。
Description
ルとして使用されたり、軟弱野菜等の栽培や水稲等の育
苗栽培における灌水作業に使用される散水体、散水体の
製造方法、灌水用チューブ及び灌水用チューブの製造方
法に関するものである。
ニールハウスにおいて軟弱野菜等の栽培、水稲等の育苗
栽培が行われている。
毎日の灌水作業が欠かせない。
ャワー状の散水が得られる散水具等を取り付け、ハウス
内を移動しながら灌水を行う方法が一般的であった。
高くなる3月頃から開始され、特に、夏場7月〜9月末
頃の高温期に最も必要とされる。夏場、ハウス内の温度
は40度以上となり、農作業の中でも負担の大きい作業
の1つであった。
た灌水用チューブ(例えば、住化農業資材株式会社製の
商品名「スミサンスイRハウス」)が開発されている。
この灌水用チューブ70は、図26に示すように、ビニ
ールハウス71の例えば中央部に設置され、これによっ
て、以前のように散水具をもってビニールハウス71内
を移動することなく、短時間に必要な灌水が行われるよ
うになっている。
一性を高めるために、散水孔の孔径と散水孔の仰角との
組み合わせを工夫する手法が取り入れられている。例え
ば、実公平3−26376号公報等に開示されているも
のでは、ホース頂部より離れるに伴って、散水孔の孔径
を徐々に大きくすることにより、ホース近傍及び離れた
領域への散水分布の改善を図っている。
て、散水孔80を穿設するときには、図27(a)に示
すように、偏平状の原料シートに対して鉛直方向からポ
ンチ、穿孔用針又はレーザー光の照射等により、散水孔
80を穿設する方法が取られてきた。
27(b)に示すように、灌水用チューブ70の中心に
対する仰角にしたがった噴射角度で散水が行われる。す
なわち、散水孔80では、水を水圧により半径方向へ飛
翔させるべく開孔壁面に垂直面が形成されたものとなっ
ており、水は水圧によって管状の灌水用チューブ70に
おける管内面接線Lに垂直、つまり管状チューブでは半
径方向に飛翔する。
ら噴射された後しばらくは、棒状の散水流が維持される
が、空気抵抗により徐々に微細な液滴が分離し始め、あ
る時点から急激に液滴の分散が開始される。
孔80における開孔壁面に垂直面を有している必要はな
く、例えば、図28(a)(b)に示すように、垂直穿
孔することにより、開孔壁面に表面に対して末広がりと
なる円錐台面(同図においては台形)が形成されていて
もよい。これによって、水圧により水を半径方向の延長
線上へ飛翔させる際に、その飛翔方向を妨げるものがな
いので、水が棒状に飛翔するものとなる。
来の灌水用チューブでは、以下の散水高さの問題と灌水
強度ピークの問題とを有している。
技術では、特に灌水用チューブ近傍への散水には、仰角
の高い位置に散水孔を設けて、一旦、例えば3m程の高
さに散水を吹き上げた後、灌水用チューブ近傍へ液滴を
落下させる方法が用いられることが多い。これは、従来
の灌水用チューブに用いられている散水孔から噴射され
る散水流は、上述したように、噴射された後しばらく
は、棒状の散水流が維持され、その後徐々に空気抵抗に
より微細な液滴が分離し始め、ある時点から分散が開始
される性質を持つため、棒状水流が分散されるまでの
間、吹き上げる必要があるためである。
ューブ近傍への散水が可能となるが、図29(a)
(b)に示すように、ビニールハウス71の天井までの
高さが十分でない場合や、図30に示すように、ビニー
ルハウス71内部の気温抑制のため寒冷紗72つまり黒
色系の薄布を設置した場合等には、散水を必要な高さま
で吹き上げることができないため、灌水用チューブ近傍
への十分な灌水ができないという問題点があった。
チューブ近傍への散水可能な散水孔が求められていた。
ク、つまり散水分布の均一化に関するものである。
水用チューブ近傍への散水では、散水の分布が狭い範囲
に集中し、灌水強度(mm/hr)が他の散水領域と比
較して強くなる傾向が見られる。この点に関して、前記
実公平3−26376号公報では、ホース近傍への散水
孔を他の散水孔よりも小さく設定することにより、流量
を減少させ、灌水強度のピークを抑える方法が示されて
いる。
くなればなるほど散水範囲が狭くなる傾向がみられる。
したがって、灌水用チューブ近傍への散水の均一性を確
保するためにはより多くの散水孔が必要となる。
でより広い領域に散水可能な散水孔が求められていた。
たものであって、その目的は、より広い領域への散水を
可能とし、かつ散水高さを余り必要とせずに散水体又は
灌水用チューブ近傍位置に適正な灌水強度を確保し得る
散水孔を有する散水体、散水体の製造方法、灌水用チュ
ーブ及び灌水用チューブの製造方法を提供することにあ
る。
水体は、上記課題を解決するために、水圧による水の飛
翔方向を一部遮蔽して変化させる傾斜面がシート開孔壁
面に形成された散水孔を有することを特徴としている。
なお、ここで、シートとは、0.1mm〜4mm程度の
厚みを有するものとする。好ましくは、0.2mm〜1
mmである。また、シートの材質は、樹脂に限らず金属
やゴムであっても良い。また、シートは必ずしも広いも
のとする場合に限らず、噴霧器の先端等に使用されるノ
ズルとして小さいものであってもよい。
チューブ等の散水体は、一般に、シートにおける散水孔
の開孔壁面がシート断面に対して垂直又は表面に向かっ
て末広がりとなる円錐台となった散水孔、つまり通常は
シートに対して垂直円筒状、又は表面に対して末広がり
となる円錐台状の散水孔を有している。そして、この散
水孔から水圧によって飛翔される水は、半径方向の延長
線上へその飛翔方向が妨げられることなく飛翔されるの
で、その放出された水は棒状に散水されるものとなって
いた。このため、遠方には散水できるものの、散水体の
近傍における広い領域に散水することができなかった。
る水の飛翔方向を一部遮蔽して変化させる傾斜面がシー
ト開孔壁面に形成された散水孔を有している。
飛翔しようとするときに水の方向がこの傾斜面によって
一部遮蔽されて変化する。また、このとき、水の勢いが
この傾斜面で抑制される。したがって、この抑制によっ
て、散水距離が低減される。
状に飛翔しようとする水が乱されて飛翔するので、水が
分散し、散水領域が広がる。
り広い領域への散水を可能とする散水体を提供すること
ができる。
は、上記課題を解決するために、水圧による水の飛翔方
向を一部遮蔽して変化させる傾斜面がシート開孔壁面に
形成される散水孔を穿設することを特徴としている。
る水の飛翔方向を一部遮蔽して変化させる傾斜面がシー
ト開孔壁面に形成される散水孔を穿設することにより、
製造される。
り広い領域への散水を可能とする散水体の製造方法を提
供することができる。
上記課題を解決するために、水圧による水の半径方向へ
の飛翔方向を変化させる傾斜面が開孔壁面に形成された
散水孔を有することを特徴としている。
半径方向へ飛翔させるべく開孔壁面に垂直面又は表面に
向かって末広がりとなる円錐台面が形成された散水孔で
は、水は半径方向の延長線上へ棒状に飛翔する。したが
って、水圧に応じて水は遠距離に散水される。
は、水圧による水の半径方向への飛翔方向を変化させる
傾斜面が開孔壁面に形成された散水孔を有しているの
で、水圧がかかって水が灌水用チューブの半径方向へ飛
翔しようとするときに水の方向が傾斜面によって変化さ
れる。また、このとき、水の勢いがこの傾斜面で抑制さ
れる。したがって、この抑制によって、散水距離が低減
されると共に、散水高さも低減する。さらに、この傾斜
面による抑制によって、棒状に飛翔しようとする水が乱
されて飛翔するので、水が分散し、散水領域が広がる。
し、かつ散水高さを余り必要とせずに灌水用チューブ近
傍位置に適正な灌水強度を確保し得る散水孔を有する灌
水用チューブを提供することができる。
上記課題を解決するために、請求項3記載の灌水用チュ
ーブにおいて、前記散水孔における傾斜面の対向面は、
上記散水孔の断面において傾斜面の傾斜角度と平行又は
傾斜面の傾斜角度よりもチューブ表面に向かって開いた
角度を有していることを特徴としている。
際に、散水孔における傾斜面の対向面が、上記散水孔の
断面において傾斜面の傾斜角度よりもチューブ表面に向
かって閉じた角度に設定されていると、分散及び拡散し
て飛翔しようとする水が、対向面によってその分散及び
拡散が防止され再び整流されることになる。
面の対向面は、上記散水孔の断面において傾斜面の傾斜
角度と平行又は傾斜面の傾斜角度よりもチューブ表面に
向かって開いた角度を有している。
翔方向を変化させる傾斜面の作用が遮られることがない
ので、水が自由に分散及び拡散できる。また、対向面の
開き角度によって、水の分散及び拡散度合いを調整する
ことも可能となる。
を可能とし、かつ散水高さを余り必要とせずに灌水用チ
ューブ近傍位置に適正な灌水強度を確保し得る散水孔を
有する灌水用チューブを提供することができる。
上記課題を解決するために、請求項3又は4記載の灌水
用チューブにおいて、前記散水孔における傾斜面の平面
状態でのチューブ断面における傾斜角度は、平面状態で
のチューブ断面におけるチューブ裏面開口長さbに対す
るチューブ表面遮孔長さmの比を遮孔率S(%)とする
と、10<遮孔率S(=m/b×100)<200の関
係を有することを特徴としている。
面の平面状態でのチューブ断面における傾斜角度は、平
面状態でのチューブ断面におけるチューブ裏面開口長さ
bに対するチューブ表面遮孔長さmの比を遮孔率S
(%)とすると、10<遮孔率S(=m/b×100)
<200の関係を有する。
散水を可能とし、かつ散水高さを余り必要とせずに灌水
用チューブ近傍位置に適正な灌水強度を確保し得る散水
孔を有する灌水用チューブを提供することができる。
価できるので、製造に際して利便性の向上を図ることが
できる。
上記課題を解決するために、請求項3、4又は5記載の
灌水用チューブにおいて、前記散水孔は、管状状態での
チューブ断面における第2象限に設けられていることを
特徴としている。
でのチューブ断面における第2象限に設けられている。
水の半径方向への飛翔方向を変化させるように傾斜して
いるので、必ずしも、管状状態でのチューブ断面におけ
る第1象限に設けられる必要はなく、第2象限に設ける
ことも可能である。
位置に散水することが可能となる。
上記課題を解決するために、請求項3〜6のいずれか1
項に記載の灌水用チューブにおいて、前記傾斜面が形成
された散水孔と、水を水圧により半径方向へ飛翔させる
べく開孔壁面に垂直面又は表面に向かって末広がりとな
る錐台面が形成された散水孔とを組み合わせて有するこ
とを特徴としている。
は、傾斜面が形成された散水孔と、水を水圧により半径
方向へ飛翔させるべく開孔壁面に垂直面又は表面に向か
って末広がりとなる錐台面が形成された散水孔つまり従
来方式の散水孔とが組み合わせて設けられている。な
お、従来方式の散水孔と傾斜面が形成された散水孔との
組み合わせは、必ずしも1種類の傾斜面が形成された散
水孔との組み合わせに限らず、複数種類の傾斜面が形成
された散水孔と従来方式の散水孔との組み合わせであっ
ても良い。
散水は、傾斜面が形成された散水孔にて行い、灌水用チ
ューブから離れた位置への散水は、水を水圧により半径
方向へ飛翔させるべく開孔壁面に垂直面又は表面に向か
って末広がりとなる錐台面が形成された散水孔にて行う
ことによって、灌水用チューブの近傍から遠方までの幅
広い領域に散水することができる。
水を可能とし、かつ散水高さを余り必要とせずに灌水用
チューブ近傍位置に適正な灌水強度を確保し得る散水孔
を有する灌水用チューブを提供することができる。
広がりとなる錐台面が形成された散水孔のみによって、
ある程度の散水領域を確保しようとすると、灌水用チュ
ーブに孔径の異なる多数の散水孔を穿設する必要があっ
たが、本発明のように、傾斜面が形成された散水孔との
組み合わせにおいては、従来に比べて少ない個数の散水
孔を穿設するだけでよい。
造方法は、上記課題を解決するために、灌水用チューブ
における平面状態でのチューブに対して、斜め方向から
筒状開口を穿設することにより、水圧による水の半径方
向への飛翔方向を変化させる傾斜面が開孔壁面に形成さ
れた散水孔を形成することを特徴としている。
水孔を形成するに際して、灌水用チューブにおける平面
状態でのチューブに対して、斜め方向から筒状開口を穿
設する。なお、筒状開口としては、円筒状が一般的であ
るが、必ずしもこれに限らず、例えば多角筒状であって
も良い。
による水の半径方向への飛翔方向を変化させる傾斜面を
容易に形成することができる。
し、かつ散水高さを余り必要とせずに灌水用チューブ近
傍位置に適正な灌水強度を確保し得る散水孔を有する灌
水用チューブの製造方法を提供することができる。
造方法は、上記課題を解決するために、灌水用チューブ
における平面状態でのチューブに対して、チューブ表面
からチューブ裏面に向かって先細りとなる錐台状開口を
斜め方向からレーザー光を照射して穿設することによ
り、水圧による水の半径方向への飛翔方向を変化させる
傾斜面が開孔壁面に形成された散水孔を形成することを
特徴としている。
水孔を形成するに際して、灌水用チューブにおける平面
状態でのチューブに対して、チューブ表面からチューブ
裏面に向かって先細りとなる錐台状開口を斜め方向から
穿設する。なお、錐台状開口としては、円錐台状が一般
的であるが、必ずしもこれに限らず、例えば多角錐台状
であっても良い。
による水の半径方向への飛翔方向を確実に変化させる傾
斜面を容易に形成することができる。
を可能とし、かつ散水高さを余り必要とせずに灌水用チ
ューブ近傍位置に適正な灌水強度を確保し得る散水孔を
有する灌水用チューブの製造方法を提供することができ
る。
水圧による水の半径方向への飛翔方向を変化させる傾斜
面を形成する際には、レーザー光を照射して穿設する。
に所望の傾斜面を形成することができる。
一形態について図1ないし図12に基づいて説明すれ
ば、以下の通りである。なお、本実施の形態において
は、散水体としての灌水用チューブについて説明する
が、散水体は必ずしもこれに限らず、例えば、噴霧器に
おける散水用のノズル等に用いられるものであっても良
い。
に示すように、例えば、薄肉のポリエチレン等の熱可塑
性合成樹脂フィルムからなるシート2・2を2枚重ね合
わせ、これら重ね合わされたシート2・2の互いの幅方
向の周縁部をヒートシール等することにより、密着状態
とし、一対の耳状部3・3を有するチューブ状に形成さ
れている。このシート2の厚さは、例えば0.5mm程
度あるが、必ずしもこれに限らず、例えば0.1mm〜
3.0mm程度の厚さに対しても適用可能である。
つまり通水時には水圧にて膨らんで例えば直径30mm
〜40mm程度の管状となる一方、非通水時には偏平と
なる。なお、本実施の形態の灌水用チューブ1は必ずし
も耳状部3・3を有する必要はない。また、灌水用チュ
ーブ1の直径は、特に限定されるものではなく、灌水用
チューブ1に供給される水量や水圧等に応じて、適宜設
定することが可能である。
疲労強度が優れると共に、耐膨潤性、耐熱性、耐寒性、
耐引裂性及び耐衝撃性を備えている。また、灌水用チュ
ーブ1には、その表面に、長さ方向に沿って延びる複数
のリブ4…が形成されており、これによって、通水時に
灌水用チューブ1が容易に捩じれないようになってい
る。
プに接続されており、通水時にはこのポンプにより例え
ば2kg/cm2 程度の水圧がかかるようになってい
る。
きの上部には、散水孔10…が長さ方向に沿って所定間
隔を置いて複数穿設されている。なお、これら散水孔1
0…は、同図においては、管状断面の第1象限において
灌水用チューブ1の長手方向に所定間隔を置いて一条に
穿設したものとなっているが、必ずしもこれに限らず、
断面円の第1象限において灌水用チューブ1の長手方向
に所定間隔を置いて複数条に穿設したものでも良く、さ
らに、後述するように、管状断面の第1象限だけでな
く、第2象限にも散水孔10…を一条又は複数条に形成
することが可能である。また、散水孔10…の間隔は、
植物栽培の植苗の間隔等を考慮して所定間隔に設定する
ものとなっている。さらに、同図においては、個々の散
水孔10…が略等間隔をおいて穿設されているが、必ず
しもこれに限らず、散水孔10…を例えば2〜4個の群
単位に穿設し、これらを略等間隔に形成することも可能
である。
おける散水孔10は、図3(a)に示すように、灌水用
チューブ1の製造時において、平面状の原料としてのシ
ート2、つまり耳状部3・3をヒートシールしない段階
において、鉛直方向ではなく穿孔角度γの角度にて穿設
される。この穿孔角度γについては、20〜80度が適
用可能とすることができるが、望ましくは30〜60度
が良い。これによって、水の散水距離や散水範囲が変わ
ってくる。
水用チューブ1に水を通すと、図3(b)に示すよう
に、灌水用チューブ1は管状になる。
は、例えばレーザー光の照射にて行われている。ただ
し、必ずしもこれに限らず、例えばポンチや穿孔用針等
により、穿設することも可能である。
(b)に示すように、シート2の表面からレーザー光が
入射され、かつシート2の裏面側に貫通されて穿設され
ると共に、その開孔壁面(シート開口壁面)15にはシ
ート2の表面からシート2の裏面側にかけて徐々に孔径
が小さくなる傾斜面11及び対向面としてのテーパー面
12を有している。
1における平面状態でのチューブに対して、チューブ表
面からチューブ裏面に向かって先細りとなる例えば円錐
台状開口を斜め方向から穿設することにより、水圧によ
る水の半径方向への飛翔方向を変化させる傾斜面11が
開孔壁面15に形成されたものとなっている。
ンズを通した断面円形のレーザー光が、シート2の表面
側から穿孔角度γにて斜めに入射されることによって、
シート2を貫通する。このため、図4(a)に示すよう
に、シート2の表面側においては、円に近い楕円13と
なっている一方、シート2の裏面側においては、孔径が
小さくかつ長楕円形状14となっている。
ブ裏面に向かって先細りとなる円錐台状開口を斜め方向
から穿設できるのは、凸レンズを通すことにも因るが、
主としてレーザー光のエネルギーが次第に減衰していく
ことに因っている。
かなように、鉛直線側の傾斜面11は、穿孔角度γより
も大きい傾斜角度αを有する一方、これに対向するテー
パー面12は、穿孔角度γよりも小さい傾斜角度βを備
えている。
方から鉛直方向に散水孔10を臨んだときには、シート
2の裏側の裏面散水孔14の一部は、傾斜面11によっ
て一部マスクつまり遮孔されている。
は、レーザー光を、先細り状態でシート2に対して貫通
させているが、必ずしもこれに限らず、レーザー光が断
面円形の平行線であっても良い。すなわち、灌水用チュ
ーブ1における平面状態でのチューブに対して、斜め方
向から例えば筒状開口を穿設することにより、水圧によ
る水の半径方向への飛翔方向を変化させる傾斜面11が
開孔壁面15に形成された散水孔を形成することも可能
である。このように穿孔するためには、例えば、レーザ
ー光のエネルギーを大きくすることにより行うことがで
きる。
ーブ1の近傍で微細水滴となる散水を行うことが可能で
ある。
合、つまり遮孔率Sを以下のように定義する。
÷チューブ裏面開口長さb×100すなわち、遮孔率S
は、穿孔面に対して垂直方向から見たときの遮孔径比を
表すものである。
散水孔10における傾斜面11の平面状態でのチューブ
断面における傾斜角度αは、 10<遮孔率S(=m/b×100)<200 となっているのが好ましい。さらに、望ましくは30〜
80%が良い。
きる。
孔10を穿設することによって、灌水用チューブ1から
放出される水流の方向は、図1に示すように、穿孔角度
γに対して散水仰角σが、 散水仰角σ>穿孔角度γ の関係となる。また、この散水仰角σは、水圧による水
の半径方向への飛翔方向よりも小さい傾斜角度を有する
ものとなっている。
チューブ1が、水圧による水の半径方向への飛翔方向を
変化させる傾斜面11が開孔壁面15に形成された散水
孔10を有しているためであり、水圧がかかって水が灌
水用チューブ1の半径方向へ飛翔しようとするときに一
部の水の方向が傾斜面11によって遮蔽されて変化し、
水の勢いがこの傾斜面で抑制されるためである。
は、図5に示すように、散水孔10の極近傍において
は、長さ約数cmの偏平水流域を経て直ちに霧状に分散
するようになる。
水用チューブ1の中心に対する散水仰角σに応じた噴射
角度で散水が行われる。ここで、従来の灌水用チューブ
における垂直穿孔又は表面に向かって末広がりとなる円
錐台面に穿孔した散水孔80の散水パターンは、図6
(a)に示すように、散水孔80から噴射された後、し
ばらくは、棒状の散水流が維持されるが、空気抵抗によ
り徐々に微細な液滴が分離し始め、ある時点から急激に
液滴の分散が開始される。
を穿設した灌水用チューブ1における散水パターンは、
図6(b)に示すように、棒状の散水流の期間が非常に
短く、散水孔10から噴射された散水は、直ぐに分散始
点となり、その後、微細水滴領域及び細水滴領域が形成
される。そして、散水距離は、図6(a)に示す従来方
式の垂直穿孔又は表面に向かって末広がりとなる円錐台
面に穿孔された散水孔80の散水領域よりも極めて近く
で散水幅が形成される。また、散水孔80の散水水滴
は、本実施の形態の灌水用チューブ1による散水水滴に
比べて粗いものである。
では、散水高さも従来方式に比べて、例えば約1/2以
下に抑えることができる。したがって、灌水用チューブ
1を使用することによって、散水高さを大幅に低く設定
することができる。例えば、遮孔率Sの選定により、高
角度散水においても、散水高さを例えば約1m程度に抑
えることが可能となる。
用チューブ1の近傍位置に散水することができる。
(b)に示すように、傾斜面11の一部がひさし状に突
き出しているため、散水孔10の一部がマスク(遮孔)
されていることから生じるものとすることもできる。マ
スクの範囲としては、上述したように、遮孔率S(%)
の値が10〜200%の範囲内であれば上記の散水を得
ることができる。すなわち、穿孔角度γ及び遮孔率S
(%)の組み合わせで散水距離を制御できることができ
る。
は、図7(a)に示すように、従来形式の散水孔80に
よる散水においては灌水用チューブ1の位置から約2.
2m〜約4.8mの範囲に灌水強度(mm/hr)が見
られるのに対し、図7(b)に示すように、散水孔10
においては灌水用チューブ1の位置から約0.2m〜約
3.8mの近距離範囲に灌水強度(mm/hr)が見ら
れる。なお、この灌水強度(mm/hr)は、1時間当
たりにどのぐらいの量の水が散水されるかについて高さ
で示したものであり、いわゆる雨量と同じ算出方法をと
っており、単位も同じである。
を平面的に示すとそれぞれ図8(a)(b)のように示
される。なお、これらの散水は、散水孔10及び散水孔
80についていずれも同一散水仰角σ及び同一散水孔径
で散水させたものであり、詳細には、散水仰角σ=50
度であり、散水孔径は例えば0.4mmΦである。ま
た、給水圧力は共に2.0kg/cm2 である。
とは、前記図4(a)に示すように、孔径が小さくかつ
長楕円形状14について長軸b及び短軸aとの関係から
求めた真円相当径をいう。
σ=50度の散水では、散水孔10は散水孔80よりも
近距離領域への散水が可能であることが分かる。
て散水範囲が広くなっていることが分かる。
5mを超えると棒状であった散水が徐々に分散が始ま
り、2.5mから4.0m付近にかけて灌水強度5mm
/hr以上の灌水強度を示す。散水孔80での散水は棒
状の散水であるため、散水範囲は縦長に広がっている。
一方、散水孔10の散水は、霧状散水となるため、散水
距離はあまり伸びないが灌水強度5mm/hr以上の領
域が散水孔80と比較して広くなっている。このため、
灌水強度は緩やかに変化する。
分布が均一となるので、従来のように、均一な散水分布
を得るために多数の散水孔80を穿設するという必要が
なくなる。
エネルギーが減少されるので、つまり霧状の微粒子水滴
による散水によって微粒子水滴の落下速度が小さくなる
ので、作物に優しいマイルドな灌水を行うことができ
る。また、飛翔慣性エネルギーが減少されるので、散水
距離及び散水高さが小さくなるものでもある。さらに、
水滴の大きさも微細粒子から細粒子まで幅の広いものと
することができる。
kg/cm2 であるが、例えば0.1〜0.5kg/c
m2 程度の低圧では、水の分散効果は小さくなるが、水
流の変角作用は大きくなることがわかっている。
射角度つまり穿孔角度γは、図3(a)及び図4に示し
たような、0度<穿孔角度γ<90度の範囲に限らな
い。例えば、図9(a)に示すように、90度<穿孔角
度γ<180度に設定した散水孔20とすることも可能
である。
に、テーパー面22が水圧による水の半径方向への飛翔
方向を変化させる傾斜面としての機能を果たすので、前
記レーザー光の穿孔角度γが0度<穿孔角度γ<90度
の場合と同様の散水状況を得ることが可能である。した
がって、散水範囲又はチューブの仕様に応じて散水孔2
0を選択しても良い。
ブ1の頂部に散水孔20を穿設しても散水流が鉛直方向
に進まない性質を利用して、図10(a)(b)に示す
ように、散水領域反対側における灌水用チューブ1の表
面、つまり灌水用チューブ1の断面において第2象限の
位置に散水孔30を穿設し、反散水面側からチューブ中
心線を超えて散水面側に至る散水を行うことにより、散
水面側の灌水用チューブ1近傍への散水を行うことも可
能である。
の灌水用チューブ1は、水圧による水の半径方向への飛
翔方向を変化させる傾斜面11が開孔壁面15に形成さ
れた散水孔10を有している。
は、水圧による水の半径方向への飛翔方向を変化させる
傾斜面11が開孔壁面15に形成される散水孔10を穿
設することによって製造される。
半径方向へ飛翔させるべく開孔壁面15に垂直面又は表
面に向かって末広がりとなる円錐台面が形成された散水
孔80では、水は半径方向の延長線上へ棒状に飛翔す
る。したがって、水圧に応じて水は遠距離に散水され
る。
ューブ1は、水圧による水の半径方向への飛翔方向を変
化させる傾斜面11が開孔壁面15に形成された散水孔
10を有しているので、水圧がかかって水が灌水用チュ
ーブ1の半径方向へ飛翔しようとするときに水の方向が
傾斜面11によって変化される。また、このとき、水の
勢いがこの傾斜面11で抑制される。したがって、この
抑制によって、散水距離が低減されると共に、散水高さ
も低減する。さらに、この傾斜面11による抑制によっ
て、棒状に飛翔しようとする水が乱されて飛翔するの
で、水が分散し、散水領域が広がる。
し、かつ散水高さを余り必要とせずに灌水用チューブ1
近傍位置に適正な灌水強度を確保し得る散水孔10を有
する散水体としての灌水用チューブ1を提供することが
できると共に、散水体の製造方法を提供することができ
る。
れる際に、散水孔10における傾斜面11の対向面であ
るテーパー面12が、散水孔10の断面において傾斜面
11の傾斜角度αよりもチューブ表面に向かって閉じた
角度に設定されていると、分散及び拡散して飛翔しよう
とする水が、テーパー面12によってその分散及び拡散
が防止され再び整流されることになる。
おける傾斜面11の対向面であるテーパー面12は、散
水孔10の断面において傾斜面11の傾斜角度αと平行
又は傾斜面11の傾斜角度αよりもチューブ表面に向か
って開いた角度である傾斜角度βを有している。
翔方向を変化させる傾斜面11の作用が遮られることが
ないので、水が自由に分散及び拡散できる。また、テー
パー面12の傾斜角度βによって、水の分散及び拡散度
合いを調整することも可能となる。
を可能とし、かつ散水高さを余り必要とせずに灌水用チ
ューブ1近傍位置に適正な灌水強度を確保し得る散水孔
10を有する灌水用チューブ1を提供することができ
る。
は、散水孔10における傾斜面11の平面状態でのチュ
ーブ断面における傾斜角度αは、平面状態でのチューブ
断面におけるチューブ裏面開口長さbに対するチューブ
表面遮孔長さmの比を遮孔率S(%)とすると、10<
遮孔率S(=m/b×100)<200の関係を有して
いる。
広い領域への散水を可能とし、かつ散水高さを余り必要
とせずに灌水用チューブ1近傍位置に適正な灌水強度を
確保し得る散水孔10を有する灌水用チューブ1を提供
することができる。
にて評価できるので、製造に際して利便性の向上を図る
ことができる。
よる水の半径方向への飛翔方向を変化させるように傾斜
しているので、必ずしも、管状状態でのチューブ断面に
おける第1象限に設ける必要はなく、散水孔30のよう
に、第2象限に設けることも可能である。
傍位置に散水することが可能となる。
1は、水圧による水の半径方向への飛翔方向を変化させ
るように傾斜しているので、穿孔角度γとして90度<
穿孔角度γ<180度に設定した散水孔20とすること
も可能である。
設けて、灌水用チューブ1のより近傍位置に散水するこ
とが可能となる。
の製造方法では、灌水用チューブ1に散水孔10を形成
するに際して、灌水用チューブ1における平面状態での
チューブに対して、チューブ表面からチューブ裏面に向
かって先細りとなる円錐台状開口を斜め方向から穿設す
る。なお、必ずしもこれに限らず、例えば多角錐台状で
あっても良い。
に、水圧による水の半径方向への飛翔方向を確実に変化
させる傾斜面11を容易に形成することができる。
を可能とし、かつ散水高さを余り必要とせずに灌水用チ
ューブ1近傍位置に適正な灌水強度を確保し得る散水孔
10を有する灌水用チューブ1の製造方法を提供するこ
とができる。
の製造方法では、灌水用チューブ1に散水孔を形成する
に際して、灌水用チューブ1における平面状態でのチュ
ーブに対して、斜め方向から筒状開口を穿設することも
可能である。なお、筒状開口としては、円筒状が一般的
であるが、必ずしもこれに限らず、例えば多角筒状であ
っても良い。
に、水圧による水の半径方向への飛翔方向を変化させる
傾斜面11を容易に形成することができる。
し、かつ散水高さを余り必要とせずに灌水用チューブ1
近傍位置に適正な灌水強度を確保し得る散水孔を有する
灌水用チューブ1の製造方法を提供することができる。
製造方法では、散水孔10の開孔壁面15に、水圧によ
る水の半径方向への飛翔方向を変化させる傾斜面11を
形成する際には、レーザー光を照射して穿設する。
に所望の傾斜面11を形成することができる。
されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可
能である。例えば、上記実施の形態では、灌水用チュー
ブ1の散水孔10における傾斜面11は、図3(a)
(b)に示すように、周回りに傾くようになっている。
図11(a)(b)に示すように、灌水用チューブ1の
長手方向から穿孔角度τで穿設し、これによって灌水用
チューブ1の長手方向に傾く傾斜面11を有する散水孔
10であってもよい。
とができるものとなる。
ブ1は、薄肉のポリエチレン等の熱可塑性合成樹脂フィ
ルムからなるシート2・2を2枚重ね合わせ、重ね合わ
された互いの幅方向の周縁部をヒートシールしたものか
らなっている。
図12に示すように、厚肉のパイプ又はホースからなる
灌水用チューブ1aとすることが可能である。
2.0mm〜4.0mmのパイプ又はホースからなって
おり、材質としては例えばポリエチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリエステル等
の熱可塑性樹脂、天然ゴム、合成ゴム、又はエラストマ
ー等を挙げることができる。これら材料は、適宜単独で
又は組み合わせて選択される。なお、必要に応じてこれ
ら材料には、紫外線防止剤、抗酸化剤、着色剤、その他
の添加剤を含有させることができる。
の散水状況を得ることができるものとなる。
について図13ないし図16に基づいて説明すれば、以
下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形
態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材につ
いては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
前記実施の形態1で述べた散水孔10、散水孔20、散
水孔80を組み合わせた灌水用チューブ1bとなってい
る。
りとなる円錐台面を穿設したものを使用している。これ
によっても、前述したように、水圧により水が半径方向
の延長線上へ飛翔する際に、この飛翔方向を妨げるもの
がないので、水が棒状に飛翔するものである。ただし、
表面に対して垂直面を有する散水孔80でも良いことは
いうまでもない。
散水孔80を組み合わせた灌水用チューブ1bを用いた
ときの散水状態を把握すべく、実験を行った。
孔20、散水孔80を組み合わせた灌水用チューブ1b
として、図14に示すように、これら散水孔10、散水
孔20、散水孔80をチューブ上の第1象限における略
35度の位置に一直線上に配したものを使用した。
散水孔80について散水孔径0.4mmΦ、散水孔10
について散水孔径0.5mmΦ、散水孔20について散
水孔径0.3mmΦとした。
bにおける各散水孔20・10・80の散水分布は、図
15(a)に示すようになる。また、これを合成するこ
とによって、図15(b)を得る。なお、このときの給
水圧力は約2.0kg/cm2 であり、測定時間は20
分である。
位置から遠くの位置まで比較的均一に散水強度確保する
ことができる。
ニールハウス5内での散水状況は、図16に示すように
なり、散水孔20が灌水用チューブ1bの近傍位置、散
水孔10が灌水用チューブ1bからやや遠方位置、散水
孔80が灌水用チューブ1bから遠方位置を担うことが
できる。なお、図16に示す灌水用チューブ1bにおい
ては、第2象限にも第1象限と対称になるように各散水
孔80・10・20を穿設したものについての散水状態
を示している。
ついても、ビニールハウス5に対して十分余裕のある散
水高さにて散水し得るものとなっている。
ブ1bには、傾斜面11が形成された散水孔10と、水
を水圧により半径方向へ飛翔させるべく開孔壁面15に
垂直面又は表面に向かって末広がりとなる円錐台面が形
成された従来方式の散水孔80とが組み合わせて設けら
れている。
が形成された散水孔10との組み合わせは、必ずしも1
種類の傾斜面11が形成された散水孔10との組み合わ
せに限らず、複数種類の傾斜面11が形成された散水孔
10・20と従来方式の散水孔80との組み合わせであ
っても良い。
への散水は、傾斜面11が形成された散水孔10・20
にて行い、灌水用チューブ1bから離れた位置への散水
は、水を水圧により半径方向へ飛翔させるべく開孔壁面
15に垂直面又は表面に向かって末広がりとなる円錐台
面が形成された散水孔80にて行うことによって、灌水
用チューブ1bの近傍から遠方までの幅広い領域に散水
することができる。
水を可能とし、かつ散水高さを余り必要とせずに灌水用
チューブ1b近傍位置に適正な灌水強度を確保し得る散
水孔10・20を有する灌水用チューブ1bを提供する
ことができる。
広がりとなる円錐台面が形成された散水孔80のみによ
って、ある程度の散水領域を確保しようとすると、灌水
用チューブ1bに孔径の異なる多数の散水孔80…を穿
設する必要があったが、本実施の形態のように、傾斜面
11が形成された散水孔10・20との組み合わせにお
いては、従来に比べて少ない個数の散水孔10・20・
80を穿設するだけでよい。
の形態について図17ないし図20に基づいて説明すれ
ば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実
施の形態1及び実施の形態2の図面に示した部材と同一
の機能を有する部材については、同一の符号を付し、そ
の説明を省略する。
前記実施の形態1で述べた散水孔10、散水孔30及び
散水孔80を組み合わせた灌水用チューブ1cとなって
いる。
して末広がりとなる円錐台面を穿設したものを使用して
いる。ただし、表面に対して垂直面を有する散水孔80
でも良いことはいうまでもない。
散水孔80を組み合わせた灌水用チューブ1bを用いた
ときの散水状態を把握すべく、実験を行った。
孔20、散水孔80を組み合わせた灌水用チューブ1c
として、図18に示すように、これら散水孔10、散水
孔80をチューブ上の第1象限における略35度の位置
に一直線上に配すると共に、散水孔30については略1
00度の位置、つまりチューブ上の第2象限に穿設した
ものを使用した。
80について散水孔径0.4mmΦ、散水孔10につい
て散水孔径0.5mmΦ、散水孔30について散水孔径
0.3mmΦとした。
cにおける各散水孔30・10・80の散水分布は、図
19(a)に示すようになる。また、これを合成するこ
とによって、図19(b)を得る。なお、このときの給
水圧力は約2.0kg/cm2 であり、測定時間は20
分である。
位置から遠くの位置まで比較的均一に散水強度を確保す
ることができる。
ニールハウス5内での散水状況は、図20に示すように
なり、散水孔30が灌水用チューブ1cの近傍位置、散
水孔10が灌水用チューブ1cからやや遠方位置、散水
孔80が灌水用チューブ1cから遠方位置を担うことが
できる。なお、図20に示す灌水用チューブ1cにおい
ては、第2象限にも第1象限と対称になるように各散水
孔80・10・30を穿設したものについての散水状態
を示している。
ついても、ビニールハウス5に対して十分余裕のある散
水高さにて散水し得るものとなっている。
ブ1cには、傾斜面11が形成された散水孔10・30
と、水を水圧により半径方向へ飛翔させるべく開孔壁面
15に垂直面又は表面に向かって末広がりとなる円錐台
面が形成された従来方式の散水孔80散水孔とが組み合
わせて設けられている。
への散水は、傾斜面11が形成された散水孔10・30
にて行い、灌水用チューブ1cから離れた位置への散水
は、水を水圧により半径方向へ飛翔させるべく開孔壁面
15に垂直面又は表面に向かって末広がりとなる円錐台
面が形成された散水孔80にて行うことによって、灌水
用チューブ1cの近傍から遠方までの幅広い領域に散水
することができる。
水を可能とし、かつ散水高さを余り必要とせずに灌水用
チューブ1c近傍位置に適正な灌水強度を確保し得る散
水孔10・20を有する灌水用チューブ1cを提供する
ことができる。
広がりとなる円錐台面が形成された散水孔80のみによ
って、ある程度の散水領域を確保しようとすると、灌水
用チューブ1cに孔径の異なる多数の散水孔80…を穿
設する必要があったが、本実施の形態のように、傾斜面
11が形成された散水孔10・30との組み合わせにお
いては、従来に比べて少ない個数の散水孔10・30・
80を穿設するだけでよい。
の形態について図21ないし図25に基づいて説明すれ
ば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実
施の形態1〜実施の形態3の図面に示した部材と同一の
機能を有する部材については、同一の符号を付し、その
説明を省略する。
取り付け位置について説明する。
ニールハウス5の取り付け位置は、必ずしも、前記実施
の形態1〜3に示したように、地面における畝の近傍と
することはなく、他の位置に取り付けることが可能であ
る。
ウス5の両壁面に取り付けることが可能である。これに
よって、各畝6…への散水を、図22(a)(b)に示
すように、均一に行うことができる。
ように、灌水用チューブ70をビニールハウス71の両
壁面に取り付けた場合には、前記開孔壁面15に垂直面
又は表面に向かって末広がりとなる円錐台面が形成され
た散水孔80では、独自の灌水用チューブ70の近傍へ
は散水ができないために、互いに対向壁面近傍の畝への
散水を行うものであった。このため、散水孔径の大きい
散水孔80が必要となると共に、灌水用チューブ70の
単位長さ当たりの流量が増大し、70m程度の長さまで
しか灌水用チューブ70の均一散水性を得ることができ
なかった。また、灌水用チューブ70への流量が大きい
ので、必然的に大きなポンプが必要となり、灌漑施設の
設置コストが大きくなるという問題を有していた。
cでは、散水孔80と共に散水孔30及び散水孔10を
使用するので、大きな散水孔径の散水孔80・30・1
0を必要とすることがなくなる。
たりの流量を減少することができると共に、灌水用チュ
ーブ1cの均一散水性も確保することが可能となった。
は、ビニールハウス5におけるさらに他の場所にも行う
ことができる。
ハウス5の天井に1個の灌水用チューブ1cを取り付け
た頭上灌水を行うことができる一方、図24に示すよう
に、ビニールハウス5の天井に2個の灌水用チューブ1
c・1cを取り付けた頭上灌水を行うことが可能とな
る。
ように、灌水用チューブ1cを用いる際に、散水孔80
・30・10における各散水孔径を小さくすることによ
り、細霧状の散水を行うことができる。これによって、
気化熱によるビニールハウス5内の気温を下げる細霧冷
房として利用することが可能となる。
ブ1cは、取り扱い性の向上及び機能性の向上を図るこ
とも可能となる。
ように、水圧による水の飛翔方向を一部遮蔽して変化さ
せる傾斜面がシート開孔壁面に形成された散水孔を有す
るものである。
飛翔しようとするときに水の方向がこの傾斜面によって
一部遮蔽されて変化する。また、このとき、水の勢いが
この傾斜面で抑制される。したがって、この抑制によっ
て、散水距離が低減される。
状に飛翔しようとする水が乱されて飛翔するので、水が
分散し、散水領域が広がる。
り広い領域への散水を可能とする散水体を提供すること
ができるという効果を奏する。
は、以上のように、水圧による水の飛翔方向を一部遮蔽
して変化させる傾斜面がシート開孔壁面に形成される散
水孔を穿設することを特徴としている。
り広い領域への散水を可能とする散水体の製造方法を提
供することができるという効果を奏する。
以上のように、水圧による水の半径方向への飛翔方向を
変化させる傾斜面が開孔壁面に形成された散水孔を有す
るものである。
ーブの半径方向へ飛翔しようとするときに水の方向が傾
斜面によって変化される。また、このとき、水の勢いが
この傾斜面で抑制される。したがって、この抑制によっ
て、散水距離が低減されると共に、散水高さも低減す
る。さらに、この傾斜面による抑制によって、棒状に飛
翔しようとする水が乱されて飛翔するので、水が分散
し、散水領域が広がる。
し、かつ散水高さを余り必要とせずに灌水用チューブ近
傍位置に適正な灌水強度を確保し得る散水孔を有する灌
水用チューブを提供することができるという効果を奏す
る。
以上のように、請求項3記載の灌水用チューブにおい
て、前記散水孔における傾斜面の対向面は、上記散水孔
の断面において傾斜面の傾斜角度と平行又は傾斜面の傾
斜角度よりもチューブ表面に向かって開いた角度を有し
ているものである。
翔方向を変化させる傾斜面の作用が遮られることがない
ので、水が自由に分散及び拡散できる。また、対向面の
開き角度によって、水の分散及び拡散度合いを調整する
ことも可能となる。
を可能とし、かつ散水高さを余り必要とせずに灌水用チ
ューブ近傍位置に適正な灌水強度を確保し得る散水孔を
有する灌水用チューブを提供することができるという効
果を奏する。
以上のように、請求項3又は4記載の灌水用チューブに
おいて、前記散水孔における傾斜面の平面状態でのチュ
ーブ断面における傾斜角度は、平面状態でのチューブ断
面におけるチューブ裏面開口長さbに対するチューブ表
面遮孔長さmの比を遮孔率S(%)とすると、10<遮
孔率S(=m/b×100)<200の関係を有するも
のである。
を可能とし、かつ散水高さを余り必要とせずに灌水用チ
ューブ近傍位置に適正な灌水強度を確保し得る散水孔を
有する灌水用チューブを提供することができる。
価できるので、製造に際して利便性の向上を図ることが
できるという効果を奏する。
以上のように、請求項3、4又は5記載の灌水用チュー
ブにおいて、前記散水孔は、管状状態でのチューブ断面
における第2象限に設けられているものである。
に散水することが可能となる。
以上のように、請求項3〜6のいずれか1項に記載の灌
水用チューブにおいて、前記傾斜面が形成された散水孔
と、水を水圧により半径方向へ飛翔させるべく開孔壁面
に垂直面又は表面に向かって末広がりとなる錐台面が形
成された散水孔とを組み合わせて有するものである。
散水は、傾斜面が形成された散水孔にて行い、灌水用チ
ューブから離れた位置への散水は、水を水圧により半径
方向へ飛翔させるべく開孔壁面に垂直面又は表面に向か
って末広がりとなる錐台面が形成された散水孔にて行う
ことによって、灌水用チューブの近傍から遠方までの幅
広い領域に散水することができる。
水を可能とし、かつ散水高さを余り必要とせずに灌水用
チューブ近傍位置に適正な灌水強度を確保し得る散水孔
を有する灌水用チューブを提供することができるという
効果を奏する。
穿設するだけでよいという効果を奏する。
造方法は、以上のように、灌水用チューブにおける平面
状態でのチューブに対して、斜め方向から筒状開口を穿
設することにより、水圧による水の半径方向への飛翔方
向を変化させる傾斜面が開孔壁面に形成された散水孔を
形成する方法である。
る水の半径方向への飛翔方向を変化させる傾斜面を容易
に形成することができる。
し、かつ散水高さを余り必要とせずに灌水用チューブ近
傍位置に適正な灌水強度を確保し得る散水孔を有する灌
水用チューブの製造方法を提供することができるという
効果を奏する。
造方法は、以上のように、灌水用チューブにおける平面
状態でのチューブに対して、チューブ表面からチューブ
裏面に向かって先細りとなる錐台状開口を斜め方向から
レーザー光を照射して穿設することにより、水圧による
水の半径方向への飛翔方向を変化させる傾斜面が開孔壁
面に形成された散水孔を形成する方法である。
る水の半径方向への飛翔方向を確実に変化させる傾斜面
を容易に形成することができる。
を可能とし、かつ散水高さを余り必要とせずに灌水用チ
ューブ近傍位置に適正な灌水強度を確保し得る散水孔を
有する灌水用チューブの製造方法を提供することができ
るという効果を奏する。
よる水の半径方向への飛翔方向を変化させる傾斜面を形
成する際には、レーザー光を照射して穿設する。
所望の傾斜面を形成することができるという効果を奏す
る。
を示すものであり、灌水用チューブにおける散水孔の傾
斜面によって、水圧による水の半径方向への飛翔方向を
変化させる原理を示す断面図である。
レーザー光を0°<穿孔角度γ<90°にて照射して散
水孔を穿孔した状態を示す断面図であり、(b)は
(a)の方法で穿孔した散水孔を備えた灌水用チューブ
の通水時における状態を示す断面図である。
状態における平面図、(b)は灌水用チューブにおける
散水孔の平面状態における断面図である。
水孔から放出される水流の分散状態を示す斜視図であ
る。
水孔と垂直穿孔された散水孔との散水パターンの相違を
示す説明図であり、(a)は垂直穿孔された散水孔の散
水パターンを示すもの、(b)は斜め穿孔された散水孔
の散水パターンを示すものである。
水孔と垂直穿孔された散水孔との散水分布の相違を示す
グラフであり、(a)は垂直穿孔された散水孔の灌水強
度と散水距離との関係を示すもの、(b)は斜め穿孔さ
れた散水孔の灌水強度と散水距離との関係を示すもので
ある。
水孔と垂直穿孔された散水孔との散水分布の相違を示す
平面状態の分布図であり、(a)は垂直穿孔された散水
孔による散水領域を示すもの、(b)は斜め穿孔された
散水孔による散水領域を示すものである。
レーザー光を90°<穿孔角度γ<180°にて照射し
て散水孔を穿孔した状態を示す断面図であり、(b)は
(a)の方法で穿孔した散水孔を備えた灌水用チューブ
の通水時における状態を示す断面図である。
て、反散水面側へレーザー光を0°<穿孔角度γ<90
°にて照射して散水孔を穿孔した状態を示す断面図であ
り、(b)は(a)の方法で穿孔した散水孔を備えた灌
水用チューブの通水時における状態を示す断面図であ
る。
を穿設した状態を示すものであり、(a)は斜視図、
(b)は(a)におけるB−B線断面図である。
灌水用チューブを示す斜視図である。
形態を示すものであり、2種の斜め穿孔された散水孔と
垂直穿孔された散水孔とを組み合わせてなる灌水用チュ
ーブを示す断面図である。
された散水孔とを組み合わせて一直線上に配してなる灌
水用チューブを示す斜視図である。
された散水孔とを組み合わせてなる灌水用チューブの散
水分布を示すグラフであり、(a)は各散水孔による個
別の散水分布を示すもの、(b)は(a)の各散水孔に
よる個別の散水分布を合成した散水分布を示すものであ
る。
された散水孔とを組み合わせてなる灌水用チューブのビ
ニールハウス内での散水状態を示す説明図である。
実施の形態を示すものであり、反散水面側にも斜め穿孔
された散水孔を穿設したものと散水面側に斜め穿孔され
た散水孔を穿設したものと垂直穿孔された散水孔とを組
み合わせてなる灌水用チューブを示す断面図である。
穿設したものと散水面側に斜め穿孔された散水孔を穿設
したものと垂直穿孔された散水孔とを組み合わせてなる
灌水用チューブを示す斜視図である。
穿設したものと散水面側に斜め穿孔された散水孔を穿設
したものと垂直穿孔された散水孔とを組み合わせてなる
灌水用チューブの散水分布を示すグラフであり、(a)
は各散水孔による個別の散水分布を示すものであり、
(b)は(a)の各散水孔による個別の散水分布を合成
した散水分布を示すものである。
穿設したものと散水面側に斜め穿孔された散水孔を穿設
したものと垂直穿孔された散水孔とを組み合わせてなる
灌水用チューブのビニールハウス内での散水状態を示す
説明図である。
実施の形態を示すものであり、反散水面側にも斜め穿孔
された散水孔を穿設したものと散水面側に斜め穿孔され
た散水孔を穿設したものと垂直穿孔された散水孔とを組
み合わせてなる灌水用チューブをビニールハウスの壁面
に取り付けて散布した状態を示す説明図である。
穿設したものと散水面側に斜め穿孔された散水孔を穿設
したものと垂直穿孔された散水孔とを組み合わせてなる
灌水用チューブをビニールハウスの壁面に取り付けて散
布したときの散水分布を示すグラフであり、(a)は各
散水孔による個別の散水分布を示すものであり、(b)
は(a)の各散水孔による個別の散水分布を合成した散
水分布を示すものである。
穿設したものと散水面側に斜め穿孔された散水孔を穿設
したものと垂直穿孔された散水孔とを組み合わせてなる
灌水用チューブをビニールハウス内で頭上灌水として用
いた状態を示す説明図である。
穿設したものと散水面側に斜め穿孔された散水孔を穿設
したものと垂直穿孔された散水孔とを組み合わせてなる
灌水用チューブをビニールハウス内で2個取り付けて頭
上灌水として用いた状態を示す説明図である。
面側にも斜め穿孔された散水孔を穿設したものと散水面
側に斜め穿孔された散水孔を穿設したものと垂直穿孔さ
れた散水孔とを組み合わせてなる灌水用チューブをビニ
ールハウス内で取り付けて細霧冷房として用いた状態を
示す説明図である。
スでの散水状態を示す説明図である。
て、レーザー光を垂直に照射して筒状散水孔を穿孔した
状態を示す断面図であり、(b)は(a)の方法で穿孔
した散水孔を備えた灌水用チューブの通水時における状
態を示す断面図である。
て、レーザー光を垂直に照射して円錐台状散水孔を穿孔
した状態を示す断面図であり、(b)は(a)の方法で
穿孔した散水孔を備えた灌水用チューブの通水時におけ
る状態を示す断面図である。
ハウスでの散水状態を示す説明図であり、(a)は灌水
用チューブ近傍に灌水を十分に行うためには、散水がビ
ニールハウスの天井に接触する状態を示すもの、(b)
はビニールハウスの天井に接触しないように散水したと
きには未散水領域が生じる状態を示すものである。
する状態を示す説明図である。
ューブをビニールハウスの壁面に取り付けて散水する状
態を示す説明図である。
Claims (9)
- 【請求項1】水圧による水の飛翔方向を一部遮蔽して変
化させる傾斜面がシート開孔壁面に形成された散水孔を
有することを特徴とする散水体。 - 【請求項2】水圧による水の飛翔方向を一部遮蔽して変
化させる傾斜面がシート開孔壁面に形成される散水孔を
穿設することを特徴とする散水体の製造方法。 - 【請求項3】水圧による水の半径方向への飛翔方向を変
化させる傾斜面が開孔壁面に形成された散水孔を有する
ことを特徴とする灌水用チューブ。 - 【請求項4】前記散水孔における傾斜面の対向面は、上
記散水孔の断面において傾斜面の傾斜角度と平行又は傾
斜面の傾斜角度よりもチューブ表面に向かって開いた角
度を有していることを特徴とする請求項3記載の灌水用
チューブ。 - 【請求項5】前記散水孔における傾斜面の平面状態での
チューブ断面における傾斜角度は、平面状態でのチュー
ブ断面におけるチューブ裏面開口長さbに対するチュー
ブ表面遮孔長さmの比を遮孔率S(%)とすると、 10<遮孔率S(=m/b×100)<200 の関係を有することを特徴とする請求項3又は4記載の
灌水用チューブ。 - 【請求項6】前記散水孔は、管状状態でのチューブ断面
における第2象限に設けられていることを特徴とする請
求項3、4又は5記載の灌水用チューブ。 - 【請求項7】前記傾斜面が形成された散水孔と、水を水
圧により半径方向へ飛翔させるべく開孔壁面に垂直面又
は表面に向かって末広がりとなる錐台面が形成された散
水孔とを組み合わせて有することを特徴とする請求項3
〜6のいずれか1項に記載の灌水用チューブ。 - 【請求項8】灌水用チューブにおける平面状態でのチュ
ーブに対して、斜め方向から筒状開口を穿設することに
より、水圧による水の半径方向への飛翔方向を変化させ
る傾斜面が開孔壁面に形成された散水孔を形成すること
を特徴とする灌水用チューブの製造方法。 - 【請求項9】灌水用チューブにおける平面状態でのチュ
ーブに対して、チューブ表面からチューブ裏面に向かっ
て先細りとなる錐台状開口を斜め方向からレーザー光を
照射して穿設することにより、水圧による水の半径方向
への飛翔方向を変化させる傾斜面が開孔壁面に形成され
た散水孔を形成することを特徴とする灌水用チューブの
製造方法。
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