JP2000174336A - GaN系半導体発光素子およびその製造方法 - Google Patents

GaN系半導体発光素子およびその製造方法

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JP2000174336A
JP2000174336A JP34623898A JP34623898A JP2000174336A JP 2000174336 A JP2000174336 A JP 2000174336A JP 34623898 A JP34623898 A JP 34623898A JP 34623898 A JP34623898 A JP 34623898A JP 2000174336 A JP2000174336 A JP 2000174336A
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Hiroaki Okagawa
広明 岡川
Yoichiro Ouchi
洋一郎 大内
Masahiro Koto
雅弘 湖東
Kazuyuki Tadatomo
一行 只友
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 InGaN発光層のみならず、In組成を含
むGaN系材料からなる発光層を有するGaN系発光素
子において、その製造過程において与えられる発光層の
劣化を低減し、発光特性、寿命特性に優れたGaN系発
光素子を提供し、その製造方法を提供すること。 【解決手段】 In組成を含むGaN系材料からなる発
光層を有するGaN系半導体発光素子を形成するに際し
て、発光層(活性層など)S3の成長に続いて、N2
ッチな雰囲気ガスのもとでGaN系結晶層(p型クラッ
ド層など)S4を発光層上に成長させ、発光層のIn組
成へのダメージを低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、GaN系半導体発
光素子(以下、「GaN系発光素子」)の技術分野に属
する。なかでも、発光層の材料にInを含む素子、およ
び、その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】GaN系発光素子は、GaN系材料を用
いた半導体発光素子であって、近年高輝度の発光ダイオ
ード(LED)が実現されたのを機会に研究が活発に行
われており、半導体レーザーの室温連続発振の報告も聞
かれる様になっている。
【0003】GaN系発光素子の一般的な製造方法で
は、結晶基板としてサファイア結晶基板を用い、Al
N、GaNなどの低温バッファ層を成長させ、その上に
続いて導電型の異なる種々のGaN系結晶層(発光層を
含む)を成長させて行き、素子の積層構造を形成し、さ
らにp型、n型の電極を形成するといった手順が用いら
れている。
【0004】GaN系発光素子のなかでも、緑色〜青色
の短い波長の発光が得られ、しかも高い発光効率が得ら
れるものとして、InGaNを発光層(活性層)の材料
として用いたものがある。特に、商品化された緑色・青
色発光素子では、発光層にInGaNの量子井戸構造が
用いられている。InGaN結晶中には、In組成の多
いところと少ないところが生じることが知られており、
膜厚3nm程度のInGaN井戸層においては、このI
n組成の不均一な分布によって、In組成リッチな場所
が量子ドット的になり発光効率が向上していると解釈さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、InGaN
は、熱力学的な問題から、GaNやAlGaNの成長温
度である1000℃付近では、Inを含む3元混晶とし
て成長させるのは難しく、In組成を含んだ結晶とする
ためにはこれよりも低温で成長させなければならない。
例えば、発光に係る構造として、InGaN活性層を含
むダブルヘテロ接合構造を形成する場合、一般的には、
InGaN活性層を750℃程度の低温で成長させ、そ
の後、成長温度を1000℃程度に昇温し、p−GaN
クラッド層やp−AlGaNクラッド層を成長させてい
る。
【0006】上記の様に、InGaN発光層の次に、ク
ラッド層など他の結晶層を成長させるためには、いった
ん昇温しなければならず、その昇温時に、先に形成され
たInGaN発光層が再蒸発するなどして、発光層の結
晶性が劣化し、十分な発光特性が得られないという問題
があった。
【0007】これに対し、特開平9−266326号公
報、特開平9−312416号公報、特開平9−644
19号公報では、InGaN発光層を保護する目的か
ら、InGaN層の上に成長させるAlGaN等の層
を、InGaN発光層と同じ温度で成長させることや、
InGaNとAlGaNの中間的な成長温度で成長させ
て保護層とするなどの対策を述べている。しかし、これ
ら公報に記載の対策によっても、InGaN発光層の劣
化は、未だ充分には解決されておらず、さらなる改善が
求められていた。
【0008】本発明の課題は、上記問題を解決し、In
GaN発光層のみならず、In組成を含むGaN系材料
からなる発光層を有するGaN系発光素子において、そ
の製造過程において与えられる発光層の劣化を低減し、
発光特性、寿命特性に優れたGaN系発光素子を提供
し、その製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の特徴を
有するものである。 (1)In組成を含むGaN系結晶からなる発光層を有
し、該発光層に続いて形成されているGaN系結晶層
が、N2 リッチな雰囲気ガスのもとでの結晶成長によっ
て形成されたGaN系結晶層であることを特徴とするG
aN系半導体発光素子。
【0010】(2)N2 リッチな雰囲気ガスが、窒素濃
度が50(w/w%)以上の雰囲気ガスである上記
(1)記載のGaN系半導体発光素子。
【0011】(3)発光層に続いて形成されているGa
N系結晶層が、発光層の成長温度と同じ温度での結晶成
長によって形成されたものである上記(1)記載のGa
N系半導体発光素子。
【0012】(4)In組成を含むGaN系材料からな
る発光層を形成し、該発光層に続いて、N2 リッチな雰
囲気ガスのもとでGaN系結晶層を発光層上に成長させ
る工程を有することを特徴とするGaN系半導体発光素
子の製造方法。
【0013】(5)N2 リッチな雰囲気ガスが、窒素濃
度が50(w/w%)以上の雰囲気ガスである上記
(4)記載のGaN系半導体発光素子の製造方法。
【0014】(6)発光層に続いて成長させるGaN系
結晶層を、発光層の成長温度と同じ温度で成長させるも
のである上記(4)記載のGaN系半導体発光素子の製
造方法。
【0015】本発明でいうGaN系材料、GaN系結晶
とは、Ina Gab Alc N(0≦a≦1、0≦b≦
1、0≦c≦1、a+b+c=1)で示される化合物半
導体材料およびその結晶である。
【0016】
【作用】本発明者等は、従来のGaN系発光素子の製造
工程において、サファイア結晶基板上に成長し積層され
ていくGaN系結晶層の成長条件を検討したところ、各
結晶層の薄膜成長には、MOCVD(有機金属気相成長
法)が用いられており、その結晶成長時にH2 リッチな
雰囲気ガスが用いられていることが、発光層の劣化の一
因となっていることを見いだした。
【0017】In組成を含む発光層上に、GaNクラッ
ド層など、他のGaN系結晶層を成長させる場合に、H
2 リッチな雰囲気ガスを用いると、例えば、InGaN
の場合では、〔InGaN+(3/2)H2 →In+G
a+NH3 〕の様に、先のInGaNの分解が進み、発
光層の結晶性は低下する。
【0018】これに対して、本発明では、発光層に続い
て成長させる結晶層(以下、「発光層の次の層」と呼ん
で説明する)を、N2 リッチな雰囲気下で成長させてい
るため、上記のようなInGaNの分解が生じることが
抑制され、発光層の結晶性が低下するといった問題が低
減される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、簡単な構造のGaN系発光
ダイオード(GaN系LED)を例として用い、本発明
の発光素子の構造を説明しながら同時に本発明の製造方
法を説明する。該素子は、図1に示すように、結晶基板
B1上に、バッファ層B2を介して、順に、n型コンタ
クト層S1、n型クラッド層S2、In組成を含むGa
N系結晶からなる発光層S3、p型クラッド層S4、p
型コンタクト層S5が結晶成長によって積み重ねられた
積層構造となっている。この素子では、p型クラッド層
S4が、発光層の次の層である。さらに、この積層体
は、上面から一部が除去されて、n型コンタクト層S1
が部分的に露出しており、その露出面にn型電極P2、
残った積層体の上面(p型コンタクト層S5の上面)に
p型電極P1が形成された構造となっている。
【0020】ここでは、素子の構造を説明するために、
便宜上、結晶基板が下層側に位置しこれにGaN系結晶
層が上方へ積み重ねられるものとして、素子の積層構造
に上下方向の区別を設け、「上層」「上面」「上方」な
どの語句を用いている。また、p型、n型の上下の位置
関係は限定されないが、結晶基板側(下層側)をn型と
する場合が一般的であり、下層側をn型とする態様で説
明する。これと関連して、電極の配置は、結晶基板に絶
縁体(例えば、サファイア結晶基板)を用いた態様で説
明しており、上記のようにn型コンタクト層を部分的に
露出させてn型電極を設けるという、一般的な電極の配
置となっている。しかし、p型、n型の上下が逆の態様
や、結晶基板が導電性を有するものである場合には、ベ
ース基板に電極を設ける態様なども自由に選択してよ
い。
【0021】結晶基板は、従来よりGaN系結晶を成長
させる際に汎用されている、サファイア、水晶、SiC
等を用いてもよい。特にC面サファイア基板が好まし
い。バッファ層は、結晶基板とGaN系結晶との格子定
数の違いを緩和するための層であって、ZnO、MgO
等を堆積させたものや、AlN、GaNなどのGaN系
材料を低温成長させた、所謂、GaN系低温バッファ層
が挙げられる。
【0022】各GaN系結晶層を低転位に成長させる方
法の1つとして、結晶成長させる基板面に部分的にマス
クを設けた状態で成長させる方法(Epitaxytial Latera
l Over Growth 、略してELOとも呼ばれる) を適用し
てもよい。この方法は、SiO2 など、GaN系結晶が
成長し得ない材料を用い、結晶成長させるべき面に特定
のパターンでマスク層を形成し、該面上のマスク層に覆
われていない領域を成長の出発面としてGaN系結晶が
マスク層を覆うまで成長させる方法である。このマスク
を用いる方法を、例えば、n型コンタクト層S1の成長
時など、積層の下層の段階で適用し、それよりも上層側
の結晶を低転位化するのが好ましい。
【0023】n型コンタクト層は、GaN系材料で形成
すれば良いが、発光した光を吸収させないために発光層
から発せられる光のエネルギーよりも大きなバンドギャ
ップを持つ材料で構成することが望ましい。また良好な
オーミックコンタクトを取るためにAlの組成は小さい
方が望ましい。
【0024】n型コンタクト層とn型クラッド層とは、
同じ材料で形成してもよいが、ホールを好ましく閉じ込
めるために、n型クラッド層を別途設けることが望まし
い。また、価電子帯側のヘテロ障壁を大きくできる点か
らはAlGaNで形成することが望ましい。
【0025】発光層の形態としては、単純なpn接合で
発生する空乏層であってもよいが、In組成を含む発光
層を上層の成長環境から保護するという、本発明の製造
方法の特徴を顕著に示す態様としては、ダブルヘテロ接
合(DH)構造によってクラッド層に挟まれた活性層、
SQW (Single Quantum Well)、MQW (Multiple Qua
ntum Well)、量子ドット、多重量子ドットなどの構造が
挙げられる。通常のDH構造とする場合は、活性層(発
光層)は50nm程度の厚さに設定すればよい。
【0026】発光層は、GaN系材料のなかでもIn組
成を必須に含む材料、即ち、InxGay Alz N(0
<x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)
で示される化合物半導体材料が、少なくとも発光する部
分に用いられたものであればよい。例えば、DH構造の
活性層のように発光層全体がInx Gay Alz Nから
なる層である態様だけでなく、量子井戸構造や量子ドッ
ト構造において(GaN/InGaN/GaN)とした
態様のように、極めて微小な部位だけに上記Inx Ga
y Alz Nが用いられた態様でもよい。また、InGa
Nウエル層を1つだけ含むようなMQW構造であって
も、このMQW構造全体が、本発明でいう「In組成を
含むGaN系結晶からなる発光層」である。
【0027】発光波長を、420nm〜550nm付近
の長い波長の光とする場合には、In組成を大きくする
ことになるが、そのためには、発光層の成長温度を下げ
る必要がある。逆に、In組成を少量として、発光波長
を、350nm〜420nm付近の短い長い波長とする
場合には、成長温度を高くすることができ、発光層の次
の層の最適成長温度との差が少なくて済む。従って、発
光層の結晶性低下をより効果的に抑制できるのは、発光
層のIn組成が少ない青紫色〜紫外線発光素子の場合で
ある。
【0028】発光層の形態によって、また、他の機能層
を付与する態様などによって異なるが、発光層の次の層
としては、クラッド層、コンタクト層、GaN系材料か
らなる反射層、電流狭窄構造などが挙げられ、特にクラ
ッド層が代表的である。発光層の次の層は、GaN系材
料で形成すればよいが、発光層から発せられた光を吸収
しない点、キャリアの閉じ込めが十分に行える点で、発
光層の光のエネルギーよりも大きなバンドギャップを持
つ材料、例えば、AlGaNなどで構成することが望ま
しい。
【0029】上記作用の説明で述べたように、本発明で
は、発光層の次の層の成長中に先に成長した発光層が分
解されないように、N2 リッチな雰囲気ガスのもとで成
長を行う。この雰囲気ガスの条件が有用となる結晶成長
方法は、気相成長法、特に、MOCVDである。ここで
いう、N2 リッチな雰囲気ガスとは、発光層の次の層の
成長時の全ガス流量〔単位はSLM、0℃、1atm 〕に
占める、N2 ガスの流量〔SLM〕の体積の割合が50
〔w/w%;容量パーセント〕以上の状態である。例え
ば、N2 ガスが10SLM、H2 が5SLM、NH3
5SLMの時、N2 ガスは50%であり、これよりもN
2 ガスの占める割合が多ければよい。発光層の劣化を抑
制するのにより好ましいのは、N2 ガスの占める割合が
70%以上の場合である。
【0030】本発明では、既に形成された発光層の結晶
性を保護すべく、発光層の次の層の成長雰囲気に着目し
ているが、発光層自体も、N2 リッチな雰囲気ガスのも
とで成長を行なってもよい。
【0031】また、発光層の結晶性を保護するために、
発光層の次の層を、N2 リッチな雰囲気ガスのもとで成
長を行うと同時に、その成長温度を、発光層と同じ温度
で成長させるのも好ましい態様である。これによって、
発光層成長後の昇温がないため、発光層が熱的に劣化す
ることがなく、発光効率が低下しない。
【0032】InGaNの成長温度は600℃〜900
℃であって、作製する構造、組成によって最適温度は変
化するが、適宜選択すればよい。例えば、厚さ50nm
のIn0.05Ga0.95N活性層を擁するDH構造を作製す
る場合、活性層の成長温度は820℃程度に設定すれば
よい。これに対して、p型GaNクラッド層を同じ82
0℃で成長させる。
【0033】発光層の次の層の材料であるGaN、Al
GaNの最適な成長温度は1000℃程度である。その
ために、発光層の次の層を、発光層の成長温度で成長さ
せると、発光層の次の層の結晶性がやや低下するが、重
要な発光層の劣化が軽減されているので、発光素子全体
としては発光特性が向上していることになる。
【0034】またさらに、成長温度を同一にすることに
よって、昇温するために必要であった成長中断をなくす
事が可能になる。成長中断をなくす事で、結晶性の低下
がより抑制される。成長中断は、発光層の完成後、Ga
N、AlGaNの最適な成長温度とするために、原料供
給をいったん止めて、温度だけを上昇させることであ
る。また、発光層の完成後、成長中断をせずに、そのま
ま次の層を成長させながら同時に昇温させていくと、発
光層に対する保護効果が増すので好ましい。
【0035】発光層上に形成するp型層には一般にMg
をドーピングする。通常の方法のように発光層よりも高
い成長温度でこのp型層を形成した場合には、Mgが発
光層へ拡散し発光効率を低下させるといった問題があっ
たが、本発明のように発光層の成長温度と同一温度で形
成すれば上述のMgの拡散が抑えられるため発光効率が
低下せず特性の良いものが出来る。
【0036】クラッド層の上にさらにコンタクト層を設
ける場合、該コンタクト層の材料は、発光層から発せら
れる光を吸収しない点で、AlGaNが望ましいが、コ
ンタクト抵抗が低くできる点ではGaNの方が望まし
い。コンタクト層の成長温度は通常用いられる1000
℃程度の高温でも良いが、発光層の保護の観点からは、
成長温度は発光層と同じにしてもよい。
【0037】
【実施例】実施例1 本実施例では、図1に示すGaN系LEDを実際に製作
し、発光層の次の層であるp型クラッド層の成長を、N
2 リッチな雰囲気ガスのもとで行った。発光層は、In
0.05Ga0.95Nバリア層とIn0.2 Ga0.8 Nウェル層
とからなるSQW構造とした。 〔結晶基板、バッファ層、n型コンタクト層〕図1に示
すサファイアC面基板B1を、MOCVD装置内に配置
し、雰囲気ガスを水素として、1100℃まで昇温し、
サーマルエッチングを行った。その後温度を500℃ま
で下げAl原料としてトリメチルアルミニウム(以下T
MA)、N原料としてアンモニアを流し、AlN低温バ
ッファ層B2を成長した。続いて、温度を1000℃に
昇温しGa原料としてトリメチルガリウム(以下TM
G)を、N原料としてアンモニアを流しGaN層を3μ
m成長し、n型GaNコンタクト層S1とした。
【0038】〔n型クラッド層〕雰囲気ガスを水素とし
たまま、TMA、TMG、アンモニア及びドーパント原
料としてシランを流し、厚さ0.1μmのn型Al0.2
Ga0.8 Nクラッド層S2を成長させた。
【0039】〔発光層(SQW構造)〕成長雰囲気ガス
を水素から、窒素20SLM、アンモニア5SLMで、
窒素80w/w%のN2 リッチな雰囲気ガスに変え、8
00℃まで成長温度を下げた。800℃に安定した後、
In原料としてのトリメチルインジュウム(以下TM
I)とTMG、アンモニアを流し、SQW構造における
In0.05Ga0.95Nバリア層(厚さ6nm)を形成し
た。原料供給量を変え、In0.2 Ga0.8 Nウェル層
(厚さ3nm)を形成した。更に原料供給量を変え、I
0.05Ga0.95Nバリア層(厚さ6nm)を成長した。
これによって、SQW構造の発光層S3を得た。なお、
このときのTMG、TMIのバブリングは窒素で行っ
た。
【0040】〔p型クラッド層〕前記の窒素雰囲気のま
ま温度を1000℃に昇温した後、雰囲気ガスを、窒素
15SLM、水素1SLM、アンモニア4SLMで、窒
素75w/w%のN2 リッチな雰囲気に変え、TMG、
TMA、アンモニア及びドーパント原料としてビスシク
ロペンタジエニルマグネシウム(以下Cp2Mg)を流
し、p型Al0.2Ga0.8 Nクラッド層S4を厚さ0.
1μm成長させた。
【0041】〔p型コンタクト層〕前記のN2 リッチな
雰囲気のまま、TMG、アンモニア及びドーパント原料
としてビスシクロペンタジエニルマグネシウム(以下C
p2Mg)を流し、p型GaNコンタクト層を厚さ0.
4μm成長させた。成長後、雰囲気を窒素100%に変
え室温までゆっくり冷却した。
【0042】このようにして得られた積層体を、上面か
ら部分的にドライエッチングし、n型コンタクト層S1
層の一部を露出させ、その露出面にn型電極を形成し、
続いてp型コンタクト層上面にp型電極を形成し、Ga
N系LEDを完成させた。この発光素子をTo−18ス
テム台にマウントし、発光出力の測定を行ったところ、
20mAで3mWであった。
【0043】比較例1 上記実施例1では、p型クラッド層を、1000℃、N
2 リッチな雰囲気ガスのもとで成長させた。これに対し
て、本比較例では、p型クラッド層を、1000℃、H
2 雰囲気下で成長させた。成長工程は、発光層の成長
後、1000℃に昇温し、p型Al0.2 Ga0.8 Nクラ
ッド層を、水素10SLM、NH3 10SLMの雰囲気
下で成長させたこと以外は、実施例1と同様に素子を形
成した。この発光素子をTo−18ステム台にマウント
し、発光出力の測定を行ったとことろ、20mAで0.
1mWの出力しか得られなかった。この素子の層構造を
透過電子顕微鏡で観察したところ、SQW発光層がエッ
チングされ、設計した厚みより薄くなっていることが確
認された。
【0044】比較例2 本比較例では、発光層の成長後、温度はそのままで、p
型クラッド層を、水素10SLM、NH3 10SLMの
雰囲気ガスのもとで成長させたこと以外は、実施例1と
同様に素子を形成した。この発光素子をTo−18ステ
ム台にマウントし、光度の測定を行ったところ、20m
Aで0.2mWのものしか得られなかった。原因を調査
したところ、p型クラッド層から発光層へのMgの拡散
が観察された。クラッド層成長中に発光層表面が水素に
よりダメージを受けたことが原因と考えられる。
【0045】実施例2 本発明では、発光層の成長後、成長温度を昇温せずにそ
のままの温度で、p型クラッド層、p型コンタクト層を
成長させたこと以外は、実施例1と同様に素子を形成し
た。このサンプルの特性を測ったところ20mAで3m
Wであった。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって、
水素雰囲気によるエッチングや昇温による発光層の劣化
を抑えることができ、発光・寿命特性に優れたGaN系
発光素子を提供できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のGaN系発光素子の構造例を示す図で
ある。
【符号の説明】
S3 発光層 S4 発光層に続いて形成されているGaN系結晶層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 湖東 雅弘 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 只友 一行 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 Fターム(参考) 5F041 AA11 CA04 CA05 CA34 CA40 CA46 CA65 CA67

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 In組成を含むGaN系結晶からなる発
    光層を有し、該発光層に続いて形成されているGaN系
    結晶層が、N2 リッチな雰囲気ガスのもとでの結晶成長
    によって形成されたGaN系結晶層であることを特徴と
    するGaN系半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 N2 リッチな雰囲気ガスが、窒素濃度が
    50(w/w%)以上の雰囲気ガスである請求項1記載
    のGaN系半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 発光層に続いて形成されているGaN系
    結晶層が、発光層の成長温度と同じ温度での結晶成長に
    よって形成されたものである請求項1記載のGaN系半
    導体発光素子。
  4. 【請求項4】 In組成を含むGaN系材料からなる発
    光層を形成し、該発光層に続いて、N2 リッチな雰囲気
    ガスのもとでGaN系結晶層を発光層上に成長させる工
    程を有することを特徴とするGaN系半導体発光素子の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 N2 リッチな雰囲気ガスが、窒素濃度が
    50(w/w%)以上の雰囲気ガスである請求項4記載
    のGaN系半導体発光素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 発光層に続いて成長させるGaN系結晶
    層を、発光層の成長温度と同じ温度で成長させるもので
    ある請求項4記載のGaN系半導体発光素子の製造方
    法。
JP34623898A 1998-12-04 1998-12-04 GaN系半導体発光素子およびその製造方法 Pending JP2000174336A (ja)

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