JP2000174279A - 薄膜トランジスタの製造方法及び該方法により製造した薄膜トランジスタ - Google Patents
薄膜トランジスタの製造方法及び該方法により製造した薄膜トランジスタInfo
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Abstract
ランジスタにおいて、トランジスタの高信頼性と低リー
ク電流を保つ高品質のゲート絶縁膜を有しながら、ソー
ス、ドレイン領域への高濃度イオン注入をプロセスばら
つきを抑えながら行う、薄膜トランジスタ製造方法を提
供する。 【解決手段】 燐を含む酸化シリコン膜が燐を含まない
酸化シリコン膜よりも弗酸溶液に対するエッチングレー
トが大きいことを利用し、ゲート酸化膜を通した燐のイ
オン注入後に弗酸溶液中で領域選択エッチングを行い、
チャネル領域上のゲート絶縁膜を残して、ソース、ドレ
イン領域上の酸化シリコン膜のみを除去、または所望の
膜厚にする。この後、ソース、ドレイン領域へ高濃度イ
オン注入を行う。選択性の悪いドライエッチングで酸化
シリコン膜の領域選択エッチングをしてチャネル領域の
ゲート絶縁膜をサイドエッチングしたり、ソース、ドレ
イン領域上のゲート絶縁膜を残したりすることがない。
Description
造方法に関し、特にLDDを有する薄膜トランジスタの
製造方法及び該方法により製造した薄膜トランジスタに
関する。
ロセスで多結晶シリコン薄膜トランジスタを形成する技
術は、駆動回路一体型液晶ディスプレイまたは液晶ライ
トバルブ、および他のデバイスの駆動回路などを低コス
トで作製する技術として期待されている。これらのデバ
イスでは、多結晶シリコン薄膜トランジスタの逆バイア
ス条件下でのリーク電流が低いことが要求されている。
多結晶シリコン薄膜トランジスタでは、チャネル領域側
のドレイン端付近の結晶欠陥を介してキャリアが移動す
るために、ドレイン電圧に依存した大きなリーク電流が
流れやすく、これを解決するためにチャネル領域とドレ
イン領域の間に低濃度に不純物を導入した抵抗領域を
0.5〜1μmの長さで設けるLDD構造を採用し、ド
レイン電界を緩和してリーク電流を抑えている。また、
ゲート絶縁膜厚が薄くなると前記ドレイン端電界がゲー
ト電界によって大きくなるほか、ゲート絶縁膜自体のリ
ーク電流も無視できなくなるため、液晶スイッチング素
子のように特にリーク電流を嫌うデバイスではゲート絶
縁膜厚を例えば100nm程度に厚くする。
ンジスタの作製例を以下に示す。まず第1の従来例を図
6に示すnチャネルトランジスタ作製工程の模式的断面
図を用いて説明する。図6(a)に示すようにガラス基
板1上に非晶質シリコン膜2を形成し、次に図6(b)
に示すようにエキシマレーザ3を照射して前記非晶質シ
リコン膜2を溶融再結晶化して多結晶シリコン膜4を形
成した後、図6(c)に示すように40nm程度の膜厚
の第1の酸化シリコン膜5を形成する。この一連の工程
は図7に示すような真空一貫プロセス装置で行われ、大
気に曝されることが無いため、レーザアニール工程前に
シリコン膜表面に不純物が付着するのを抑制して活性層
シリコン膜の不純物汚染を最小限にとどめるとともに、
清浄なMOS界面を形成することができるため、高性
能、高信頼性の多結晶シリコン薄膜トランジスタを形成
することができる。続いてレジストマスク6を形成し
て、ソース、ドレイン領域8となる領域に燐イオン7を
イオン注入法などにより高濃度に導入する。第1の酸化
シリコン膜5を40nm程度としているのは、これ以上
の膜厚に設定すると注入濃度のピーク値が酸化シリコン
膜中に存在してしまい、低抵抗のソース、ドレイン領域
を形成するのに必要なドーズ量の燐イオンが導入されな
いからである。レジストマスクを除去した後、図6
(d)に示すようにソース、ドレイン領域8の形成され
た多結晶シリコン膜4と第1の酸化シリコン膜5をアイ
ランド化し、続いて60nm程度の膜厚の第2の酸化シ
リコン膜9を形成した後、ゲート電極10とゲート配線
電極17をレジストマスク6を用いてパターン形成す
る。第2の酸化シリコン膜9を60nm程度としている
のは、ゲート電極10と多結晶シリコン膜4の間のリー
ク電流を抑えるためである。また第1の酸化シリコン膜
5と併せてゲート絶縁膜の厚さを100nm程度として
いるのは、ドレイン端電界が大きくなってドレイン端で
のリーク電流が増加するのを防ぐとともに、トランジス
タのゲート絶縁膜を通して流れるゲートリーク電流を抑
えるためでもある。ここで、第1の酸化シリコン膜5を
除去してから100nm程度の一層の酸化シリコン膜を
形成する方法を取らないのは、前述の真空一貫プロセス
で形成した清浄なMOS界面を保つためである。その後
このレジストマスク6とゲート配線電極17とゲート電
極10をマスクとして燐イオン7を低濃度に導入する。
このとき、レジストマスク6とゲート電極10の端位置
は、ソース、ドレイン領域8の端位置よりも1μmゲー
ト電極下のチャネル領域側に寄っているためLDD領域
11が形成される。最後に図6(e)に示すように層間
絶縁膜12を形成し、コンタクトホール14を開口し、
このコンタクトホールを通してソース、ドレイン領域8
と接続するソース配線電極18とドレイン配線電極13
を形成し、LDD構造多結晶シリコン薄膜トランジスタ
が完成する。
トランジスタ作製工程の模式的断面図を用いて説明す
る。図8(a)に示すようにガラス基板1上に形成した
シリコン膜にエキシマレーザ3を照射してシリコン膜を
溶融再結晶化し、多結晶シリコン膜4を形成した後、図
8(b)に示すように膜厚100nm程度のゲート絶縁
膜15を形成する。この一連の工程は第1の従来例と同
様に、図7に示すような真空一貫プロセス装置で行わ
れ、大気に曝されることが無いため、レーザアニール工
程前にシリコン膜表面に不純物が付着するのを抑制して
活性層シリコン膜の不純物汚染を最小限にとどめるとと
もに、清浄なMOS界面を形成することができるため、
高性能、高信頼性の多結晶シリコン薄膜トランジスタを
形成することができる。続いてレジストマスク6を形成
して、後にソース、ドレイン領域8となる領域に燐イオ
ン7をイオン注入法などにより低濃度に導入し、低濃度
注入領域16を形成する。この低濃度注入領域16の一
部は後のLDD領域11となるため、LDD用の注入量
となっている。図8(c)に示すように、注入と同じレ
ジストマスク6を用いてプラズマドライエッチングによ
りレジストマスク以外の部分、すなわち低濃度注入領域
16の上のゲート絶縁膜15の膜厚すべてをエッチング
除去する。ゲート絶縁膜15が酸化シリコン膜の場合、
エッチングガスはCF4ガスとO2ガスの混合ガスなどが
用いられる。続いてレジストマスクを除去した後、図8
(d)に示すように低濃度注入領域16の形成された多
結晶シリコン膜4をアイランド化し、LDD領域形成用
のレジストマスク6を形成し、リンイオン7を高濃度に
注入してソース、ドレイン領域8とLDD領域11を形
成する。LDD領域11の長さは1μm程度である。こ
こで図8(d)に示すようにリンの注入領域には膜厚1
00nmのゲート絶縁膜15が存在しないため、高濃度
のイオン注入を簡単に行うことができる。最後に図8
(e)に示すようにゲート電極10を形成し、層間絶縁
膜12を形成した後コンタクトホール14を開口してゲ
ート配線電極17を形成する。続いて第2の層間絶縁膜
35を形成し、コンタクトホール14を通してソース、
ドレイン領域8と接続するソース配線電極18とドレイ
ン配線電極13を形成し、LDD構造多結晶シリコン薄
膜トランジスタが完成する。
は、図6(e)に示すように、薄膜トランジスタの最終
形態においてゲート絶縁膜が2層になっており、ゲート
絶縁膜中に界面が存在する。界面のトラップ準位密度は
絶縁膜バルク内より高いため、トランジスタ動作中にこ
の絶縁膜中準位に電荷がトラップされたり、絶縁膜中準
位を介してリーク電流が流れやすくなったりする。電荷
のトラップはトランジスタのしきい値シフトを起こすだ
けでなく、違うエネルギー準位に新たなトラップ準位を
誘起してリーク電流が流れやすくなったり、新たな電荷
をトラップしたりするため、非常に問題となる。また、
絶縁膜中準位を介してのリーク電流のみだけでも液晶ス
イッチング素子などリーク電流を嫌うデバイスでは非常
に問題となる。これらの問題を回避するためには、第1
の酸化シリコン膜5をウエットエッチング除去してから
100nm程度の一層のゲート絶縁膜を形成すればよい
が、前述したように真空一貫プロセスで形成した清浄な
MOS界面を大気に曝して汚染されやすくしてしまう。
酸化シリコン膜5の除去をプラズマエッチングで行い、
一層のゲート絶縁膜成膜と真空一貫で行う方法もある
が、この場合、プラズマダメージがMOS界面に入って
しまうため問題となる。
にエッチングか高精度上の問題が生じる。弗酸溶液など
のウエットエッチングであれば酸化シリコン膜とシリコ
ン膜との選択比は高く、選択エッチングは簡単に行うこ
とができるが、プラズマドライエッチングの場合、選択
比をあげようとするとエッチング圧力をあげなければな
らず、この条件では図9(c)に示すようにレジストマ
スク6下にサイドエッチングが生じやすくなってしま
う。逆に、サイドエッチングを抑制しようとしてエッチ
ング圧力を低くすると、選択比が低くなり、図9
(a)、(b)に示すように、エッチング残りやオーバ
ーエッチングが生じることになってしまう。
るLDD構造薄膜トランジスタにおいて、トランジスタ
の高信頼性と低リーク電流を保つ高品質なゲート絶縁膜
を有しながら、ソース、ドレイン領域への高濃度イオン
注入をプロセスばらつきを抑えながら行う、薄膜トラン
ジスタ製造方法を提供することにある。
段によって達成される。
tly Doped Drain)構造薄膜トランジス
タの製造方法において、絶縁性基板上に活性層となるシ
リコン層、ゲート絶縁膜を順次形成した後、ソース、ド
レインとなる領域に燐を含むイオンの導入を行い、その
後弗酸を含む溶液によるウエットエッチングによって前
記ゲート絶縁膜のうち前記イオン導入工程で燐が導入さ
れた領域の膜厚全体をエッチング除去した後、LDD領
域を形成するためのイオン導入工程を行うことを特徴と
する薄膜トランジスタの製造方法及びLDD構造薄膜ト
ランジスタの製造方法において、絶縁性基板上に活性層
となるシリコン層、ゲート絶縁膜を順次形成した後、ソ
ース、ドレインとなる領域に燐を含むイオンの導入を行
い、続いてソース、ドレインとなる領域上のゲート絶縁
膜の膜厚内に濃度ピークを持つよう燐を含むイオンの導
入を行った後、弗酸を含む溶液によるウエットエッチン
グによって前記ゲート絶縁膜のうち前記イオン導入工程
で燐が導入された領域の膜厚の一部をエッチング除去し
た後、LDD領域を形成するためのイオン導入工程を行
うことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法を提案
するものであり、前記の弗酸を含む溶液が、弗酸と水の
混合溶液であること、前記の弗酸を含む溶液が、弗酸と
弗化アンモニウムを含む混合溶液であること、前記の弗
酸を含む溶液が、弗酸と硝酸を含む混合溶液であるこ
と、前記の薄膜トランジスタの活性層が多結晶シリコン
膜であること、前記の薄膜トランジスタの活性層が非晶
質シリコン膜であること、前記の薄膜トランジスタの活
性層が単結晶シリコン膜であることを含む。また、本発
明は前記の方法によって製造することを特徴とする薄膜
トランジスタを提案するものである。
化シリコン膜よりも弗酸溶液や弗硝酸溶液に対するエッ
チングレートが大きく、かつ後にゲート絶縁膜となる酸
化シリコン膜を通してシリコン膜へのリンイオンのイオ
ン注入をする場合に、マスク下の酸化シリコン膜には燐
が含まれずマスク開口部の酸化シリコン膜には燐が含ま
れていることを利用して、弗酸溶液中で領域選択エッチ
ングを行い、チャネル領域上のゲート絶縁膜をエッチン
グ除去したり、多層化することなく、ソース、ドレイン
領域上の酸化シリコン膜のみを除去、または所望の膜厚
にし、その後に高濃度イオン注入を行うことを特徴とし
ている。
コン薄膜トランジスタの作製プロセスにおける素子断面
図にもとづいて説明する。図1は本発明の第1の実施の
形態を示す素子断面図で、多結晶シリコン薄膜トランジ
スタの作製プロセスを示す。図1(a)に示すようにガ
ラス基板1上に形成した膜厚75nmシリコン膜に実効
照射強度500mJ/cm2でエキシマレーザ3を照射
してシリコン膜を溶融再結晶化し、多結晶シリコン膜4
を形成した後、図1(b)に示すように膜厚100nm
程度のゲート絶縁膜15をプラズマCVD法で形成す
る。この一連の工程は図7に示すような真空一貫プロセ
ス装置で行われ、大気に曝されることが無いため、レー
ザアニール工程前にシリコン膜表面に不純物が付着する
のを抑制して活性層シリコン膜の不純物汚染を最小限に
とどめるとともに、清浄なMOS界面を形成することが
できるため、高性能、高信頼性の多結晶シリコン薄膜ト
ランジスタを形成することができる。ゲート絶縁膜15
の厚さを100nm程度としているのは、ドレイン端電
界が大きくなってドレイン端でのリーク電流が増加する
のを防ぐとともに、トランジスタのゲート絶縁膜を通し
て流れるゲートリーク電流を抑えるためでもある。な
お、前記シリコン膜は非晶質シリコン膜、微結晶シリコ
ン膜、多結晶シリコン膜のいずれでも良い。またゲート
絶縁膜15の形成法はプラズマCVD法に限らず、真空
一貫プロセス装置に適用可能であれば、低圧CVD法、
常圧CVD法、光CVD法、スパッタ法などいずれでも
良い。続いてレジストマスク6を形成して、後にソー
ス、ドレイン領域8となる領域に燐イオン7をイオン注
入法などにより低濃度に導入し、低濃度注入領域16を
形成する。イオンの導入は質量分離を行わないイオンシ
ャワー法でもよい。この低濃度注入領域16の一部は後
のLDD領域11となるため、LDD用の注入量となっ
ている。リンイオン注入の場合の条件例としては、例え
ば加速電圧50keV、ドーズ量1×1012-2cmが
良い。続いて図1(c)に示すように、弗酸溶液10中
に浸してゲート絶縁膜のエッチングを行う。ここで、ゲ
ート絶縁膜15には燐の含まれるゲート絶縁膜36と燐
の含まれないゲート絶縁膜37が存在し、弗酸に対する
エッチングレートは燐の含まれるゲート絶縁膜36の方
が大きいため、燐の含まれるゲート絶縁膜37のみが残
ることになる。なお、上記弗酸溶液10は、弗酸と弗化
アンモニウムの混合溶液や弗酸と硝酸の混合溶液(硝弗
酸溶液)でもよい。図2にプラズマCVD酸化シリコン
膜の弗酸溶液エッチングレートの膜中リン濃度依存性を
示す。燐濃度が多いほどエッチングレートが早い。ま
た、弗酸溶液と硝弗酸溶液のリン濃度依存性が強い。た
だし硝弗酸溶液はシリコンに対するエッチャントである
ため、下地シリコン膜との選択性が低く、リン濃度によ
る領域選択性と酸化シリコン/シリコンの選択性を有す
るエッチャントである弗酸溶液が最も本エッチングに適
している。さらに、燐の含まれるゲート絶縁膜36中の
リン濃度を高くするほど燐の含まれないゲート絶縁膜3
7との選択性が高くなってサイドエッチングを防ぐこと
ができるため、リンイオン注入の条件は図3に示すよう
に、リンの濃度ピークがゲート絶縁膜15中でシリコン
膜と反対側に寄るような条件を選んだ方が良い。そうす
ることで燐の含まれるゲート絶縁膜36中のリン濃度が
高くなる。続いてレジストマスクを除去した後、図1
(d)に示すように低濃度注入領域16の形成された多
結晶シリコン膜4をアイランド化し、LDD領域形成用
のレジストマスク6を形成し、リンイオン7を高濃度に
注入してソース、ドレイン領域8とLDD領域11を形
成する。LDD領域11の長さは0.5μm〜1μm程
度である。ここで図1(d)に示すようにリンの注入領
域には膜厚100nmのゲート絶縁膜15が存在しない
ため、シリコン膜に対して高濃度のイオン注入を簡単に
行うことができる。最後に図1(e)に示すようにゲー
ト電極10を形成し、層間絶縁膜12を形成した後コン
タクトホール14を開口してゲート配線電極17を形成
する。続いて第2の層間絶縁膜35を形成し、コンタク
トホール14を通してソース、ドレイン領域8と接続す
るソース配線電極18とドレイン配線電極13を形成
し、LDD構造多結晶シリコン薄膜トランジスタが完成
する。
子断面図で、多結晶シリコン薄膜トランジスタの作製プ
ロセスを示す。図4(a)に示すようにガラス基板1上
に形成した膜厚75nmシリコン膜に実効照射強度50
0mJ/cm2でエキシマレーザ3を照射してシリコン
膜を溶融再結晶化し、多結晶シリコン膜4を形成した
後、図4(b)に示すように膜厚100nm程度のゲー
ト絶縁膜15をプラズマCVD法で形成する。この一連
の工程は図7に示すような真空一貫プロセス装置で行わ
れ、大気に曝されることが無いため、レーザアニール工
程前にシリコン膜表面に不純物が付着するのを抑制して
活性層シリコン膜の不純物汚染を最小限にとどめるとと
もに、清浄なMOS界面を形成することができるため、
高性能、高信頼性の多結晶シリコン薄膜トランジスタを
形成することができる。ゲート絶縁膜15の厚さを10
0nm程度としているのは、ドレイン端電界が大きくな
ってドレイン端でのリーク電流が増加するのを防ぐとと
もに、トランジスタのゲート絶縁膜を通して流れるゲー
トリーク電流を抑えるためでもある。なお、前記シリコ
ン膜は非晶質シリコン膜、微結晶シリコン膜、多結晶シ
リコン膜のいずれでも良い。またゲート絶縁膜15の形
成法はプラズマCVD法に限らず、真空一貫プロセス装
置に適用可能であれば、低圧CVD法、常圧CVD法、
光CVD法、スパッタ法などいずれでも良い。続いてレ
ジストマスク6を形成して、後にソース、ドレイン領域
8となる領域に燐イオン7をイオン注入法などにより低
濃度に導入し、低濃度注入領域16を形成する。イオン
の導入は質量分離を行わないイオンシャワー法でもよ
い。この低濃度注入領域16の一部は後のLDD領域1
1となるため、LDD用の注入量となっている。リンイ
オン注入の場合の条件例としては、例えば加速電圧50
keV、ドーズ量1×1012cm-2が良い。続いて図
4(c)に示すように、エッチングストップ用のリンイ
オン注入を行う。これは図5のプロファイルに示すよう
に、シリコン膜領域にはほとんどイオンの届かないよう
な条件で、ゲート絶縁膜15中に濃度ピークが存在する
ような低い加速条件が良い。例えば、80keV、ドー
ズ量1×1013cm-2が適している。続いて図4
(d)に示すように弗酸溶液10中に浸してゲート絶縁
膜のエッチングを行う。ここで、ゲート絶縁膜15には
燐の含まれるゲート絶縁膜36と燐の含まれないゲート
絶縁膜37が存在し、弗酸に対するエッチングレートは
燐の含まれるゲート絶縁膜36の方が大きい。また、前
述したように燐の含まれるゲート絶縁膜36の深さ方向
でリンの濃度が大きく変化しており、ゲート絶縁膜上面
から70nm程度が非常に燐濃度が高くなっている。こ
のため、この70nmの深さまでエッチングが早く進
み、燐の含まれるゲート絶縁膜36の30nm程度と燐
の含まれるゲート絶縁膜37のみが残ることになる(図
4(e))。このように薄い絶縁膜を残す利点は、第1
の実施の形態では高濃度のイオン注入を行う時に多結晶
シリコン膜表面が露出しているために汚染されやすく、
汚染物質がチャネル領域まで拡散する恐れがあるが、本
実施の形態では膜表面が絶縁膜で覆われているため多結
晶シリコン膜は汚染されないことである。なお、上記弗
酸溶液10は、弗酸と弗化アンモニウムの混合溶液や弗
酸と硝酸の混合溶液(硝弗酸溶液)でもよい。続いてレ
ジストマスクを除去した後、図4(e)に示すように低
濃度注入領域16の形成された多結晶シリコン膜4と3
0nmで残ったゲート絶縁膜をアイランド化し、LDD
領域形成用のレジストマスク6を形成し、リンイオン7
を高濃度に注入してソース、ドレイン領域8とLDD領
域11を形成する。LDD領域11の長さは0.5μm
〜1μm程度である。ここで図4(e)に示すようにリ
ンの注入領域には膜厚30nmの絶縁膜が存在するのみ
であるため、シリコン膜に対して高濃度のイオン注入を
簡単に行うことができる。最後に図4(f)に示すよう
にゲート電極10を形成し、層間絶縁膜12を形成した
後コンタクトホール14を開口してゲート配線電極17
を形成する。続いて第2の層間絶縁膜35を形成し、コ
ンタクトホール14を通してソース、ドレイン領域8と
接続するソース配線電極18とドレイン配線電極13を
形成し、LDD構造多結晶シリコン薄膜トランジスタが
完成する。
燐が含まれないゲート絶縁膜が存在することを利用し
て、弗酸溶液中で領域選択エッチングを行い、チャネル
領域上のゲート絶縁膜はエッチング除去したり、多層化
することなく、ソース、ドレイン領域上の酸化シリコン
膜のみを除去することで、トランジスタの高信頼性と低
リーク電流を保つゲート絶縁膜を有しながら、ソース、
ドレイン領域への高濃度イオン注入をプロセスばらつき
を抑えながら行う、薄膜トランジスタ製造方法を提供す
ることができる。
性と低リーク電流を保つ高品質な厚いゲート絶縁膜を有
するnチャネルLDD構造薄膜トランジスタの製造過程
において、ソース、ドレイン領域への高濃度イオン注入
をプロセスばらつきを抑えながら行うことができること
である。その理由は、燐を含む酸化シリコン膜が燐を含
まない酸化シリコン膜よりも弗酸溶液に対するエッチン
グレートが大きいことを利用し、燐のイオン注入後に弗
酸溶液中で領域選択エッチングを行い、チャネル領域上
のゲート絶縁膜を残して、ソース、ドレイン領域上の酸
化シリコン膜のみを除去、または所望の膜厚にし、この
後に高濃度イオン注入を行うためであり、ゲート絶縁膜
を多層化してゲート絶縁膜中のトラップ準位を増加させ
たり、清浄なMOS界面を有するゲート絶縁膜を全面除
去して初期特性や信頼性に影響を及ぼすMOS界面特性
を劣化させたり、選択性の悪いドライエッチングで酸化
シリコン膜の領域選択エッチングをしてチャネル領域の
ゲート絶縁膜をサイドエッチングしたり、ソース、ドレ
イン領域上のゲート絶縁膜を残したりすることがないか
らである。
トランジスタの作製法の第1例を示す模式的断面図であ
る。
チングレートの膜中リン濃度依存性を示した図である。
のイオン注入プロファイルを示した図である。
トランジスタの作製法の第2例を示す模式的断面図であ
る。
ァイルの例を示す図である。
コン薄膜トランジスタの作製法を示す模式的断面図であ
る。
コン薄膜トランジスタの作製法を示す模式的断面図であ
る。
示す、薄膜トランジスタの模式的断面図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 LDD構造薄膜トランジスタの製造方法
において、絶縁性基板上に活性層となるシリコン層、ゲ
ート絶縁膜を順次形成した後、ソース、ドレインとなる
領域に燐を含むイオンの導入を行い、その後弗酸を含む
溶液によるウエットエッチングによって前記ゲート絶縁
膜のうち前記イオン導入工程で燐が導入された領域の膜
厚全体をエッチング除去した後、LDD領域を形成する
ためのイオン導入工程を行うことを特徴とする薄膜トラ
ンジスタの製造方法。 - 【請求項2】 LDD構造薄膜トランジスタの製造方法
において、絶縁性基板上に活性層となるシリコン層、ゲ
ート絶縁膜を順次形成した後、ソース、ドレインとなる
領域に燐を含むイオンの導入を行い、続いてソース、ド
レインとなる領域上のゲート絶縁膜の膜厚内に濃度ピー
クを持つよう燐を含むイオンの導入を行った後、弗酸を
含む溶液によるウエットエッチングによって前記ゲート
絶縁膜のうち前記イオン導入工程で燐が導入された領域
の膜厚の一部をエッチング除去した後、LDD領域を形
成するためのイオン導入工程を行うことを特徴とする薄
膜トランジスタの製造方法。 - 【請求項3】 前記の弗酸を含む溶液が、弗酸と水の混
合溶液である。 - 【請求項4】 前記の弗酸を含む溶液が、弗酸と弗化ア
ンモニウムを含む混合溶液である請求項1または2に記
載の薄膜トランジスタの製造方法。 - 【請求項5】 前記の弗酸を含む溶液が、弗酸と硝酸を
含む混合溶液である請求項1または2に記載の薄膜トラ
ンジスタの製造方法。 - 【請求項6】 前記の薄膜トランジスタの活性層が多結
晶シリコン膜である請求項1または2に記載の薄膜トラ
ンジスタの製造方法。 - 【請求項7】 前記の薄膜トランジスタの活性層が非晶
質シリコン膜である請求項1または2に記載の薄膜トラ
ンジスタの製造方法。 - 【請求項8】 前記の薄膜トランジスタの活性層が単結
晶シリコン膜である請求項1または2に記載の薄膜トラ
ンジスタの製造方法。 - 【請求項9】 請求項1〜8のうち、いずれか1項に記
載の方法によって製造することを特徴とる薄膜トランジ
スタ。
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---|---|---|---|
JP34158798A JP3216712B2 (ja) | 1998-12-01 | 1998-12-01 | 薄膜トランジスタの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP34158798A JP3216712B2 (ja) | 1998-12-01 | 1998-12-01 | 薄膜トランジスタの製造方法 |
Publications (2)
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JP2000174279A true JP2000174279A (ja) | 2000-06-23 |
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