JP2000173846A - インダクタンス素子及びその製造方法 - Google Patents

インダクタンス素子及びその製造方法

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JP2000173846A
JP2000173846A JP10345102A JP34510298A JP2000173846A JP 2000173846 A JP2000173846 A JP 2000173846A JP 10345102 A JP10345102 A JP 10345102A JP 34510298 A JP34510298 A JP 34510298A JP 2000173846 A JP2000173846 A JP 2000173846A
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winding
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alloy
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光男 上米良
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広実 崎田
Kenzo Isozaki
賢蔵 磯崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、巻線と端子部との接合強度を向上
させ、安定した実装性を得ることが出来る巻線型のイン
ダクタンス素子及び製造方法を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 基体7の両端に端子部14,15を設
け、端子部14,15の間に巻線13を巻回したインダ
クタンス素子であって、端子部14,15を端子電極と
接合層から構成し、端子電極を少なくとも導電膜101
aと導電膜101bで構成し、導電膜101aと導電膜
101bの間に巻線13の接合部を設けるとともに、少
なくとも導電膜101bを融点が260℃以上の材料で
構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体通信器,電
源および他の電子機器に用いられるインダクタンス素子
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は従来のインダクタンス素子を示す
斜視図である(実開昭61−144616号公報)。図
7において、1は基体で、基体1は両端部に鍔部2,3
がそれぞれ設けられており、鍔部2と鍔部3の間には巻
部4が形成されている。また、鍔部2,3にはそれぞれ
溝部5が設けられている。6は基体1に巻回された巻線
で、巻線6の端部はそれぞれ溝部5に保持されている。
この様な構成によって、回路基盤等にインダクタンス素
子を実装する場合に方向性が存在せず、実装性が向上
し、回路基盤の生産性が向上する。また、巻線が接合部
分となる鍔部よりはみ出さないので、実装性を向上させ
ることができる。
【0003】他の従来例としては、例えば特開平8−1
24748号公報,特開平8−124749号公報,特
開平8−213248号公報および実開平3−1510
号公報,特開平9−306744号公報等が存在する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら以上のよ
うな構成では、鍔部2,3に大きな溝部5を設けなけれ
ばならず基体1を設計する際に自由度が小さくなるとい
う問題点があった。また、巻線6の巻き始め部と巻き終
わり部を溝部5に収納するメカ動作が必要になり、巻線
5を巻回する工程の生産性が大幅に低下するという問題
点があった。
【0005】また、上述の様に溝部5を設けることで、
端子部と巻線6との接合強度を大きくできるが、溝部5
を大きく設けてしまうと上述の様な問題点が生じる。
【0006】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、巻線と端子部の接合強度を向上させることができる
インダクタンス素子及びその製造方法を提供することを
目的としている。
【0007】また、本発明は、上記目的に加えて実装性
を向上させる事ができるインダクタンス素子及びその製
造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、巻線と導電膜
の接合部分を2つの導電膜で挟み込み、しかも上部に形
成される導電膜を260℃以上の融点を有する材料で構
成した。
【0009】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、基体と、
前記基体に巻回された巻線と、前記基体に設けられ前記
巻線と接合される端子部とを備えたインダクタンス素子
であって、前記端子部に少なくとも2層の導電膜を積層
して設け、前記2層の導電膜の間に巻線接合部を設け、
前記2層の導電膜の内少なくとも前記端子部から離れた
導電膜を260℃以上の融点を有する材料で構成した事
によって、導電膜と巻線接合部との接合強度を大きくで
きると共に、高温下における接合強度を向上させること
ができ、巻線の外れによる断線等を防止でき、しかも巻
線接合部によって生じる段差を緩和できるので、素子を
回路基板などに実装した際に、素子の実装姿勢を良くす
ることができる。
【0010】請求項2記載の発明は、基体と、前記基体
に巻回された巻線と、前記基体に設けられ前記巻線と接
合される端子部とを備えたインダクタンス素子であっ
て、前記端子部に銀,銅,銀合金,銅合金,半田,錫,
ニッケル,ニッケル合金,金,金合金の少なくとも一つ
で構成された第1の導電膜を形成し、前記第1の導電膜
の上に銀,銅,銀合金,銅合金,ニッケル,ニッケル合
金,金,金合金,錫−銀合金,錫−ビスマス合金,錫−
銀−ビスマスの少なくとも一つで構成された第2の導電
膜を形成し前記第1の導電膜と第2の導電膜の間に巻線
接合部を設けた事によって、導電膜と巻線接合部との接
合強度を大きくできると共に、第2の導電膜を高融点に
材料を選択したので、高温下における接合強度を向上さ
せることができ、巻線の外れによる断線等を防止でき、
しかも巻線接合部によって生じる段差を緩和できるの
で、素子を回路基板などに実装した際に、素子の実装姿
勢を良くすることができる。
【0011】請求項3記載の発明は、基体と、前記基体
に巻回された巻線と、前記基体に設けられ前記巻線と接
合される端子部とを備えたインダクタンス素子であっ
て、前記端子部に端子部上に下地膜を設け、前記下地膜
の上に第1の導電膜を設け、前記第1の導電膜上に第2
の導電膜を設け、前記第1の導電膜と前記第2の導電膜
の間に巻線接合部を設け、前記第2の導電膜を260℃
以上の融点を有する材料で構成した事によって、導電膜
と巻線接合部との接合強度を大きくできると共に、高温
下における接合強度を向上させることができ、巻線の外
れによる断線等を防止でき、しかも巻線接合部によって
生じる段差を緩和できるので、素子を回路基板などに実
装した際に、素子の実装姿勢を良くすることができる。
また、下地膜を設けたことによって、基体と密着性など
の面で相性の悪い材料を導電膜に用いたい場合、下地膜
を設けることによって、特性の良い良好な導電膜を設け
ることができる。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項1〜3にお
いて、基体の両端部に鍔部を設け、前記鍔部に端子部を
設けた事によって、実装の際に、巻線の巻部が基板と接
触することを防止できるので、実装性が良くなる。
【0013】請求項5記載の発明は、請求項1〜3にお
いて、導電膜上に耐食層と接合層を順に積層した事によ
って、端子部の耐食性と接合性を向上させて、回路基板
などに良好に実装固定される。
【0014】請求項6記載の発明は、請求項1〜3にお
いて、巻線を覆う保護材を設けた事によって、巻線の保
護を実現できるので、巻線のバラケによるL値,Q値の
少なくとも一つの経時変化の防止でき、しかも断線等を
防止でき、特性劣化を防止できる。
【0015】請求項7記載の発明は、基体の両端に第1
の導電膜を形成し、前記基体に巻線を巻回し、前記巻線
を前記第1の導電膜に接合し、前記巻線を覆うようにし
かも第1の導電膜を露出するように保護材を設け、前記
第1の導電膜上に融点が260℃以上の材料で構成され
た第2の導電膜を形成した事によって、巻線に他の膜を
付着させずに、巻線接合部を第2の導電膜によって覆う
ことができるので、量産性に富み、確実な巻線と導電膜
の接合を行う事ができる。
【0016】請求項8記載の発明は請求項7において、
第2の導電膜の上に耐食層と接合層を順に積層した事に
よって、耐食性と接合性を向上させることができる。
【0017】請求項9記載の発明は、請求項7によっ
て、巻線と第1の導電膜を熱圧着,超音波溶接,レーザ
ー溶接,スポット溶接,導電性接着在による接合の少な
くとも一つの手法で接合した事によって、確実でしかも
接合強度の強い巻線と導電膜の接合を実現できる。
【0018】請求項10記載の発明は、請求項7におい
て、基体の上に下地膜を形成した後に第1の導電膜を設
けた事により、基体と相性の悪い導電膜を容易に基体上
に設けることができる。
【0019】以下、本発明におけるの実施の形態につい
て説明する。図1は本発明の一実施の形態におけるイン
ダクタンス素子を示す斜視図である。
【0020】図1において、7は基体で、基体7はアル
ミナ等の非磁性材料やフェライト(具体的にはNi−M
n系フェライト,Ni−Zn系フェライト等)等の磁性
材料などが用いられる。基体7の構成材料としてアルミ
ナ等の非磁性材料を用いる場合には、対応周波数が10
0MHz以上が好ましく、特に非磁性材料として前述の
アルミナ若しくはアルミナを含む材料を用いると、特性
面およびコスト面等で非常に有利になる。また、基体7
の構成材料としてフェライト等の磁性材料を用いる場合
には、特性面,加工性の面およびコスト面で有利にな
る。
【0021】図2は本発明の一実施の形態におけるイン
ダクタンス素子の基体7のみを示した斜視図である。図
2に示す様に、基体7は後述する巻線を巻回する巻部8
と巻部8の両端にそれぞれ設けられた鍔部9,10より
構成されている。巻部8および鍔部9,10の断面形状
は略正方形状の直方体である。また、巻部8は鍔部9,
10より段落ちしており、巻部8の径は鍔部9,10の
径よりも小さくなっている。巻部8は後述する巻線が巻
回されるので、巻線の被膜等に傷が入り、ショート等を
防止する等の目的で角部8aに面取りやテーパー加工な
どを施した方が好ましい。
【0022】また、例えば鍔部10と巻部8の境界には
テーパー部11を設けることによって、巻線を巻きやす
くしたり、巻線の被覆に傷が入ったりすることを防止す
ることができる。同様に鍔部9と巻部8の境界部にもテ
ーパー部12を設けた。
【0023】13は基体7に巻回された巻線で、巻線1
3は巻部8上に巻かれており、巻線13は、隙間を設け
て巻かれるか、密着して巻かれている。巻線13を隙間
を設けて巻部8上に巻回する事で、Q値の劣化などを防
止し、巻線13を密着して巻くことで、巻数を増やしイ
ンダクタンスを高くすることができる。
【0024】14,15は鍔部9,10にそれぞれ設け
られた端子部で、端子部14,15は端子電極と接合層
から構成されている。
【0025】図3,図4に示す様に、端子電極は、基体
7の上に導電材料で構成された下地膜100と、下地膜
100の上に形成され導電材料にて構成された導電膜1
01aと、導電膜101aの上に積層された導電膜10
1bとを含む構成となっている。この場合、特に下地膜
100を基体7上に無電解メッキにて形成するかもしく
は導電ペーストを基体7の上に塗布し、焼き付けで形成
する事によって、電解メッキを行いにくいセラミック
(アルミナやフェライト等)で構成された基体7上に容
易に下地膜100を形成することができ、その下地膜1
00の上に電解メッキによって、導電膜101aを形成
することによって、短時間でしかも厚い膜厚の端子電極
を形成することができる。
【0026】更に、導電膜101aと導電膜101bの
間には、巻線13のつぶされた端部が挟み込まれてい
る。この時、少なくとも導電膜101bは260℃(好
ましくは300℃)で溶融しない材料(融点が260℃
以上)で構成されている。すなわち、導電膜101bは
融点が260℃以上好ましくは300℃以上である金属
材料で構成することが好ましい。この様な構成によっ
て、巻線13の端部は導電膜101aと導電膜101b
に挟み込まれる構成とすることによって、接合強度が大
幅に増すことになり、巻線13の端子部14,15から
の脱落等の発生する確率が極めて少なくなる。なお、本
実施の形態では、導電膜101a,101bの双方を2
60℃で溶融しない材料で構成した。
【0027】また、導電膜101bを260℃(好まし
くは300℃)で溶融しない材料で構成することによっ
て、通常電子部品等を回路基板等に接合するときの接合
材が溶融する温度で導電膜101bが溶融しにくいよう
に構成されているので、リフロー等で熱処理されても、
巻線13の外れ等は生じることはない。
【0028】なお、本実施の形態では、端子電極を3層
(下地膜100,導電膜101a,導電膜101b)で
構成したが、2層でも4層以上でもよい。端子電極を2
層で構成する場合には、例えば、下地膜100と導電膜
101aを兼用する一つの導電膜で構成し、その導電膜
の上に導電膜101bを設けた構成としたり、下地膜1
00が不要な場合には、基体7上に直接導電膜101a
と導電膜101bを順に積層する構成である。また、端
子電極自体に耐候性を持たせたい場合や、基体7の保護
を行う場合、或いは端子電極と基体7との密着強度を向
上させる場合には、3層以上の多層膜にすることが好ま
しい。
【0029】下地膜100,導電膜101a,導電膜1
01bの構成材料としては、銅,銀,金等の導電性金属
材料や銅合金、銀合金,金合金などの導電性合金材料及
びそれら導電性材料に他の元素を添加したものなどが用
いられる。特に、下地膜100に銀或いは銀合金を焼き
付けで形成し、下地膜100の上に銅或いは銅合金を電
解メッキ等にて導電膜101aを形成することが、生産
性やコストの面で非常に有利であり、しかも基体7と端
子電極との接合強度を大きくすることができる。
【0030】また、導電膜101aは銀,銅,銀合金,
銅合金,半田,錫,ニッケル,ニッケル合金,金,金合
金の少なくとも一つで構成される事が好ましく、導電膜
101bは銀,銅,銀合金,銅合金,ニッケル,ニッケ
ル合金,金,金合金,錫−銀合金,錫−ビスマス合金,
錫−銀−ビスマスの少なくとも一つで構成する事が好ま
しい。なお、導電膜101bを特に錫−銀合金,錫−ビ
スマス合金,錫−銀−ビスマスの少なくとも一つで構成
する事によって、鉛を不要とするいわゆる鉛フリーの合
金で構成することによって、環境に非常に優しい電子部
品を供給できる。
【0031】また、特に好ましい実施の形態としては、
下地膜100として銀或いは銀合金を焼き付けなどによ
って形成し、その上に電解メッキ等のメッキ法にて、銀
或いは銀合金で構成される導電膜101aを形成する。
次に、導電膜101a上に熱圧着や超音波溶接などによ
って、巻線13を接合し、その後に、融点が260℃以
上である銅或いは銅合金によって、導電膜101bを形
成する構成がある。
【0032】なお、本実施の形態では、下地膜100の
厚さとして2μm〜30μm(更に好ましくは2μm〜
10μm)とする事が好ましく、導電膜101aとして
は、10μm〜30μm(更に好ましくは18μm〜2
2μm)とする事が好ましく、導電膜101bとして
は、3μm〜100μm(更に好ましくは20μm〜3
0μm)とする事が好ましい。
【0033】端子電極の上に接合層を形成するが、この
接合層は、配線パターン等に素子と電気的な接合を行う
ための半田等が付着している等の場合には、不要となる
が、一般的には、回路基板との接合強度を増すために、
接合層を設けることが好ましい。
【0034】接合層は耐食層102と接合表層103か
ら構成されており、少なくとも接合層としては接合表層
103は必要になり、耐食層102は時と場合によって
必要に応じて設ける。耐食層102としてはNi,T
i,パラジウム等の耐食性のある金属かもしくはそれら
の合金をメッキ法等によって形成する。この耐食層10
2を設けることによって、端子電極の耐食性を飛躍的に
向上させることができる。耐食層102上には、半田等
の導電性接合材で構成され、メッキ法等などで形成され
た接合表層103が設けられている。
【0035】16は巻線13の端部を除いてほぼ全てを
覆うを覆うように設けられた保護材で、保護材16はエ
ポキシ樹脂等の耐候性を有する材料で構成されている。
保護材16の構成材料としては他にレジストが用いるこ
とができ、レジストを用いる事によって容易に保護材1
6の形成が可能になり生産性が向上する。また、保護材
16としてカチオン系またはアニオン系樹脂によって構
成された電着膜で作製することもでき、電着膜を用いる
事によって、一度に大量の素子に保護材16を形成する
ことが出きるので、非常に生産性を向上させることがで
きる。この様に巻線13を覆うように保護材16を設け
る事によって、実装機のノズルで素子を吸着し易くな
り、しかもノズル等によって巻線13が変形したり、時
には切れたりすることは、発生しない。なお、保護材1
6として絶縁材料を用いることによって巻線13間の確
実な絶縁を行うことができる。また、保護材16として
表面が滑らかな樹脂材料を用いることによって、更にノ
ズルでの吸着特性を向上させることができ、実装ミスな
どを抑制できる。この様に、従来では実装部品として不
向きであった巻線タイプのインダクタンス素子におい
て、保護材16を設ける構成とすることによって、飛躍
的に実装性を向上させることができる。
【0036】また、保護材16としては、熱収縮性を有
する樹脂材料で構成されたチューブ状体を基体7に挿入
する構成でも良い。この様な構成によって、寸法精度を
非常に向上させることができ、確実な巻線保護を行うこ
とができるとともに、工程を簡略化でき、不良品の発生
を抑制できる。具体的な方法としては、まず、基体7よ
りも径の大きなチューブ状体(断面が円形状,方形状,
楕円形状等)を熱収縮性材料で構成し、そのチューブ状
体を基体7に挿入し、熱処理することで、チューブ状体
を収縮させ、確実にチューブ状体を基体7に設ける。
【0037】次にインダクタンス素子の製造方法につい
て説明する。まず、乾式プレスや押し出し成形などによ
って、基体7を作製する。このとき押し出し法等で基体
7を作製する場合には切削加工等を用いて巻部8及び鍔
部9,10を作製する。次に鍔部9の全面(本実施の形
態では4つの側面9a及び一つの端面9b)に下地膜1
00を形成し、その後に下地膜100の上に電解メッキ
などによって導電膜101aを形成する。この時、下地
膜100及び導電膜101aは鍔部9の全面に形成した
が、側面9aにのみに形成する構成や、端面9bのみに
形成する構成や、側面9aの一部にしかも環状に形成す
る構成等Q値や実装性を考慮して様々な形態をとること
ができる、鍔部10についても同様に鍔部10の全面
(本実施の形態では4つの側面10a及び一つの端面1
0b)に下地膜100を形成し、その後に下地膜100
の上に電解メッキなどによって導電膜101aを形成す
る。
【0038】次に、巻線13を巻部8に巻回する。この
時、巻回数は、素子のインダクタンス等を考慮して決定
される。また、Q値を向上させるために、巻線13と巻
線13の間に隙間を設けて、Q値を向上させることも可
能となる。更に、この時下地膜100,導電膜101a
と巻線13は巻線13の端部を除いて所定の間隔を設け
る事が好ましい。
【0039】次に、巻線13の端部と導電膜101aを
熱圧着等で接合する。なお、巻線13と導電膜101a
の接合には他にレーザ溶接やスポット溶接,導電性接着
剤(半田,導電性の樹脂)による接合などを用いること
ができる。
【0040】次に、巻線13上に保護材16を設ける。
この時、少なくとも端子部14,15を露出させるよう
に保護材16は設けられる。この時、保護材16とし
て、熱収縮性のある材料で構成されたチューブ状体を用
いる場合には、チューブ状体を基体7に挿入した後に熱
処理して、チューブ状体を収縮させる。
【0041】次に、電解メッキ等のメッキ法にて、26
0℃で溶融しない材料によって、導電膜101bを形成
し、巻線13と導電膜101aの接合部を覆う。この様
な構成によって、巻線13の導電膜101aとの接合部
は高融点の材料で覆われることになるので、熱が加わっ
ても、容易に外れることはなく、しかも接合強度を非常
に大きくすることができる。また、巻線13と導電膜1
01aの接合部を導電膜101bで覆うことによって、
その接合部によって、生じる段差を緩和できるので、素
子を回路基板などに実装した際に、素子の座りが良くな
り、実装性が向上する。
【0042】接合層を要しない場合には、ここまでの工
程でよいが、接合層を必要とする場合には以下の工程が
必要になる。
【0043】まず、図7に示す様にNiやTi等の耐食
性のある材料で耐食層102をメッキ法やスパッタリン
グ法で形成し、その耐食層102の上に半田,鉛レス半
田等の導電性接合材で構成された接合表層103がメッ
キ法等で形成される。本実施の形態の場合この耐食層1
02と接合表層103で接合層が形成されている。な
お、接合層としては、耐食層102は使用環境等によっ
て省略することができるので、少なくとも接合表層10
3が必要になる。
【0044】この接合層を端子電極の上に設けること
で、巻線13は確実に端子電極との接合強度を増すこと
ができる。この様に端子電極と接合電極で端子部14,
15が形成され、素子が完成する。
【0045】なお、本実施の形態では、鍔部9,10及
び巻部8の断面形状を略正方形となるように構成した
が、正五角形,正六角形などの略正多角形状になるよう
に構成しても良いし、略円形状となるようにしても良
い。すなわち、素子を回路基板上に実装したときに方向
性のない断面形状であればよい。
【0046】なお、今まで説明してきた素子のサイズ
(図1に示す高さP1,幅P2,長さP3)は、以下の
範囲にすることが好ましい。
【0047】0.4mm<P1<1.2mm(好ましく
は0.7mm<P1<1.2mm) 0.4mm<P2<1.2mm(好ましくは0.7mm
<P2<1.2mm) 0.9mm<P3<2.0mm(好ましくは1.5mm
<P3<2.0mm) P1及びP2が0.4mm以下であれば、基体7の機械
的強度が弱くなり、巻線13する際に素子折れなどが発
生することがあるとともに、巻線13の巻径が小さくな
ってしまい所定の特性が得られなく、更には、巻線13
が急激に曲げられることになるので、巻線13の破損が
発生しやすく、しかも皮膜の剥がれ等の起こりやすくな
る。なお、P1,P2が0.7mm以上であれば、上記
不具合は更に発生する確率が低くなる。また、P1,P
2が1.2mm以上であると、素子自体が大きくなり過
ぎて、実装面積が広くなってしまい、回路基盤等の小型
化が行えず、ひいては装置の小型化を行うことは出来な
い。また、P3が0.9mm以下であると、巻線13の
巻数が制限されることになり、所定のインダクタンスを
得ることは出来ず、しかも巻線13の巻数を多くしよう
とすると、巻線13の径を細くしなければならず、自動
巻線機等で巻線13を基体7際に巻線13の切れなどが
発生する。なお、P3が1.5mm以上であれば、更に
上記不具合が発生する確率が低くなる。また、P3が
2.0mm以上であると、素子自体が大きくなり過ぎ
て、実装面積が広くなってしまい、回路基盤等の小型化
が行えず、ひいては装置の小型化を行うことは出来な
い。
【0048】次に、本実施の形態の巻線13と端子電極
の接合強度について説明する。図5及び図6はそれぞれ
引張断線強度とサンプル個数の関係を示すグラフであ
る。ここで、サンプルとして、導電膜101bを設けた
サンプルと導電膜101bを設けないサンプルをそれぞ
れ同数個作製し、その引張断線強度を求めた。図5では
非常に引張断線強度の弱いものが存在しているのに対し
て、図6では引張断線強度が非常に弱いものが存在せ
ず、導電膜101aと導電膜101bで巻線13の端部
を挟み込んだ構成が非常に接合強度が安定していること
が判る。
【0049】
【発明の効果】本発明は、巻線と導電膜の接合部分を2
つの導電膜で挟み込み、しかも上部に形成される導電膜
を260℃以上の融点を有する材料で構成した事によっ
て、導電膜と巻線接合部との接合強度を大きくできると
共に、高温下における接合強度を向上させることがで
き、巻線の外れによる断線等を防止でき、しかも巻線接
合部によって生じる段差を緩和できるので、素子を回路
基板などに実装した際に、素子の実装姿勢を良くするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子を示す斜視図
【図2】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子の基体のみを示した斜視図
【図3】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子を示す部分断面図
【図4】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子を示す部分断面図
【図5】引張断線強度とサンプル個数の関係を示すグラ
【図6】引張断線強度とサンプル個数の関係を示すグラ
【図7】従来のインダクタンス素子を示す斜視図
【符号の説明】
7 基体 8 巻部 9,10 鍔部 13 巻線 14,15 端子部 100 下地膜 101a 導電膜 101b 導電膜 102 耐食層 103 接合表層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 崎田 広実 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 磯崎 賢蔵 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E062 FF01 FG04 FG12 5E070 AA01 AB02 CB16 CB18 DA04 EA01 EA06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体と、前記基体に巻回された巻線と、前
    記基体に設けられ前記巻線と接合される端子部とを備え
    たインダクタンス素子であって、前記端子部に少なくと
    も2層の導電膜を積層して設け、前記2層の導電膜の間
    に巻線接合部を設け、前記2層の導電膜の内少なくとも
    前記端子部から離れた導電膜を260℃以上の融点を有
    する材料で構成した事を特徴とするインダクタンス素
    子。
  2. 【請求項2】基体と、前記基体に巻回された巻線と、前
    記基体に設けられ前記巻線と接合される端子部とを備え
    たインダクタンス素子であって、前記端子部に銀,銅,
    銀合金,銅合金,半田,錫,ニッケル,ニッケル合金,
    金,金合金の少なくとも一つで構成された第1の導電膜
    を形成し、前記第1の導電膜の上に銀,銅,銀合金,銅
    合金,ニッケル,ニッケル合金,金,金合金,錫−銀合
    金,錫−ビスマス合金,錫−銀−ビスマスの少なくとも
    一つで構成された第2の導電膜を形成し前記第1の導電
    膜と第2の導電膜の間に巻線接合部を設けた事を特徴と
    するインダクタンス素子。
  3. 【請求項3】基体と、前記基体に巻回された巻線と、前
    記基体に設けられ前記巻線と接合される端子部とを備え
    たインダクタンス素子であって、前記端子部に端子部上
    に下地膜を設け、前記下地膜の上に第1の導電膜を設
    け、前記第1の導電膜上に第2の導電膜を設け、前記第
    1の導電膜と前記第2の導電膜の間に巻線接合部を設
    け、前記第2の導電膜を260℃以上の融点を有する材
    料で構成した事を特徴とするインダクタンス素子。
  4. 【請求項4】基体の両端部に鍔部を設け、前記鍔部に端
    子部を設けた事を特徴とする請求項1〜3いずれか1記
    載のインダクタンス素子。
  5. 【請求項5】導電膜上に耐食層と接合層を順に積層した
    事を特徴とする請求項1〜3いずれか1記載のインダク
    タンス素子。
  6. 【請求項6】巻線を覆う保護材を設けた事を請求項1〜
    3いずれか1記載のインダクタンス素子。
  7. 【請求項7】基体の両端に第1の導電膜を形成し、前記
    基体に巻線を巻回し、前記巻線を前記第1の導電膜に接
    合し、前記巻線を覆うようにしかも第1の導電膜を露出
    するように保護材を設け、前記第1の導電膜上に融点が
    260℃以上の材料で構成された第2の導電膜を形成し
    た事を特徴とするインダクタンス素子の製造方法。
  8. 【請求項8】第2の導電膜の上に耐食層と接合層を順に
    積層した事を特徴とする請求項7記載のインダクタンス
    素子。
  9. 【請求項9】巻線と第1の導電膜を熱圧着,超音波溶
    接,レーザー溶接,スポット溶接,導電性接着在による
    接合の少なくとも一つの手法で接合した事を特徴とする
    請求項7記載のインダクタンス素子の製造方法。
  10. 【請求項10】基体の上に下地膜を形成した後に第1の
    導電膜を設けた事を特徴とする請求項7記載のインダク
    タンス素子の製造方法。
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