JP2000172433A - ポインティングデバイス及び電子機器 - Google Patents
ポインティングデバイス及び電子機器Info
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Abstract
置で直交する2つの直交線(X軸、Y軸)に配置された
4つの歪みセンサについて、トリミング加工を行うこと
によりX軸及びY軸に関して軸対称とすることが可能で
あり、もってディスプレイ上でポインタやカーソルを高
精度で移動させることが可能なポインティングデバイス
を提供する。 【解決手段】 センサ基板3に設けられたスティック部
材4の中心位置(原点O)を通る相互に直交するX軸及
びY軸上に配置された4つの歪みセンサ2に対して、各
X軸、Y軸に関して軸対称となるように、各歪みセンサ
2の両側縁からX軸、Y軸に向かってレーザ加工により
切り込み7を形成することによりトリミング加工を施し
て、X軸とY軸に関して、各トランスデューサ2x、2
yを軸対称に配置するように構成する。
Description
ードプロセッサ等の電子機器におけるディスプレイ上で
ポインタやカーソルを任意の位置に移動させる際に使用
されるポインティングデバイスに関し、特に、基板上に
設けられたスティック部材の中心位置で直交する2つの
直交線(以下、X軸、Y軸と称する)に配置された4つ
の歪みセンサが、X軸及びY軸に関して軸対称となるよ
うに、いわゆる、トリミング加工を行うことにより、デ
ィスプレイ上でポインタやカーソルを高精度で移動させ
ることが可能なポインティングデバイスに関するもので
ある。
タイプのパーソナルコンピュータやワードプロセッサ等
の電子機器に組み込まれて使用される各種のポインティ
ングデバイスが提案されている。
は、弾性板の中央に立設された操作部に加えた力により
弾性板が変形し、この変形を弾性板に直接形成された二
対の歪み抵抗検出素子の抵抗値変化で検知し、各一対の
歪み抵抗検出素子における抵抗値変化の差を演算して、
操作部の力の方向と大きさを検出することにより、XY
2軸方向についての座標入力を可能とするものが開示さ
れている。また、この操作部に対するZ軸方向の座標入
力をも可能とするものとして、特開平10−15349
9号公報には、4個又は8個の歪み抵抗検出素子でブリ
ッジ回路を構成し、各端子の出力電圧によりXYZ3軸
方向の座標入力を行うものが開示されている。
複数の歪み抵抗素子によりブリッジ回路を構成するため
に、各々の歪み抵抗素子の抵抗値を調整する必要がある
が、これに関して、例えば、特開平8−87375号公
報には、柔軟性を有する基板の一面で互いに90度ずつ
ずれた位置に4つの歪みゲージを形成するとともに、基
板の中心部分に接続されて先端部が任意の方向へ変位可
能なスティック部とを備え、スティック部の先端部の変
位方向及び変位量を歪みゲージの出力から検出するポイ
ンティングデバイスが記載されている。かかるポインテ
ィングデバイスでは、基板に歪みゲージパターンを形成
するについて、歪みゲージパターンと共にトリミング用
パターンを形成しておき、必要に応じてトリミング用パ
ターンを切断するように構成されている。
75号公報に記載されたポインティングデバイスでは、
基板に歪みゲージパターンを形成するについて、歪みゲ
ージパターンと共にトリミング用パターンを形成してお
き、必要に応じてトリミング用パターンを切断するよう
に構成しているので、歪みゲージパターンの抵抗値を調
整することが可能ではある。
スでは、上述のように、スティック部を任意の方向に操
作した際に、4つ又は8つの歪みゲージパターンからな
る二対の歪みセンサにおける抵抗値の変化を検出し、そ
の抵抗値の変化に基づくブリッジ回路の各端子出力電圧
により、ディスプレイ上におけるポインタやカーソルの
移動方向及び移動距離を検出するように構成されている
ところ、基板上における各歪みゲージパターンが、ステ
ィック部を中心として相互に直交するX軸及びY軸に関
して軸対称に構成されていないと、以下のような不具合
を生じる。
を与えた場合でも、ブリッジ回路にY軸方向成分の端子
電圧が出力されてしまうため、カーソル等がX軸方向の
みならずY軸方向にも幾分移動してしまうこととなり、
操作者にとって操作しづらいものとなっていた。あるい
は、操作者が意図する正しい方向にカーソル等を移動さ
せるようにするために、このような副次的な端子出力電
圧を補正するための複雑な制御回路構成が必要となり、
回路構成が複雑となっていた。
て、XYの2軸方向にしか操作されていなくても、z軸
方向成分の端子電圧が出力されてしまうことがあった。
このタイプのものにおいては、Z軸方向入力は、従来の
マウスでいうところの「クリック」に相当し、コマンド
等の確定入力に用いられるものであるが、操作者が「ク
リック」したくなくてもカーソルをXY方向に移動させ
るだけで勝手にクリックされてしまったのでは、操作者
が意図しない誤作動が生じることとなり、このタイプの
ポインティングデバイスにおける所期の目標を達成する
ことはできない。
グ加工により歪みゲージパターンの抵抗値を所定値に調
整可能な技術は存在したものの、基板に形成されるステ
ィック部を中心として相互に直交するX軸、Y軸に関し
て、歪みゲージパターンを軸対称に形成する点について
は何ら考慮されていなかった。
ーンを形成する時点において、スティック部を中心とす
るX軸、Y軸に関して軸対称の関係からずれていたので
は、この後に、いくら歪みゲージパターンに対してトリ
ミング加工を施したとしても、最早各歪みパターンを軸
対称の関係に調整することはできないものである。
になされたものであり、基板上に設けられたスティック
部材の中心位置で直交する2つの直交線(X軸、Y軸)
に配置された4つの歪みセンサについて、トリミング加
工を行うことによりX軸及びY軸に関して軸対称とする
ことが可能であり、もってディスプレイ上でポインタや
カーソルを高精度で移動させることが可能なポインティ
ングデバイス、及びかかるポインティングデバイスを搭
載した、極めて携帯性や操作性に優れる電子機器を提供
することを目的とする。
本願の請求項1に係るポインティングデバイスは、平面
状の基板に立設されたスティック部材と、前記基板上に
前記スティック部材を挟んで対称となるよう配設された
少なくとも一対の歪みセンサとを有し、前記スティック
部材の操作時に、スティック部材の変位方向及び変位量
を前記各歪みセンサからの出力に基づいて検出する構成
のものを対象とし、特に、前記歪みセンサは、対向する
一対の電極と、その一対の電極間に設けられた電気抵抗
体とからなり、前記一対の歪みセンサは、その各々につ
き前記電気抵抗体に対してトリミング加工を行うことに
より、前記スティック部材に何ら外力を与えない無負荷
状態における抵抗値が、前記スティック部材を挟んで対
称となるように構成されたことを特徴とするものであ
る。
いて、スティック部材を中心として抵抗値が対象となる
ようにすることが可能となり、スティック部材が操作さ
れていない方向における各歪みセンサの出力端子電圧が
発生することはなくなるので、スティック部材を操作し
た際にディスプレイ上でポインタやカーソルを高精度で
移動させることが可能となるとともに、操作者が意図し
ない誤作動等が発生することがない。
イスは、平面状の基板に立設されたスティック部材と、
前記基板上に前記スティック部材を挟んで対称となるよ
う配設された一対の歪みセンサと、その一対の歪みセン
サに対して前記スティック部材を中心として90度回転
した位置に設けられた他の一対の歪みセンサとを有し、
前記スティック部材の操作時に、スティック部材の変位
方向及び変位量を前記各歪みセンサからの出力に基づい
て検出する構成のものを対象とし、特に、前記歪みセン
サは、対向する一対の電極と、その一対の電極間に設け
られた電気抵抗体からなるとともに、前記スティック部
材の中心位置を通るとともに相互に直交する2つの直交
線上に配置されており、前記各歪みセンサは、前記ステ
ィック部材に何ら外力を与えない無負荷状態において、
その各々の抵抗値が前記直交線に関して線対称となり、
且つ前記スティック部材を挟んで対称となるように、前
記電気抵抗体に対してトリミング加工が施されてなるこ
とを特徴とするものである。
るX軸とY軸に関して、各歪みセンサを軸対称に配置す
ることが可能となり、スティック部材が操作されていな
い方向における各歪みセンサの出力端子電圧が発生する
ことはなくなるので、スティック部材を操作した際にデ
ィスプレイ上でポインタやカーソルを高精度で移動させ
ることが可能となるとともに、操作者が意図しない誤作
動等が発生することがない。
イスは、請求項2に記載のポインティングデバイスにお
いて、前記トリミング加工は、前記電気抵抗体の少なく
とも一端部側から、当該一端部に対向する前記直交線に
向かって切り込みを形成して行われることを特徴とする
ものである。
各歪みセンサを軸対称に配置することが可能となる。こ
こで、トリミングを行う方法としては、切り込み精度等
を考慮すると、レーザ加工によることが望ましい。
イスは、請求項3のポインティングデバイスにおいて、
前記トリミング加工は、前記電気抵抗体の抵抗値が所定
値となるように、前記電気抵抗体の一端側から切り込み
を形成した後、他端側からさらに切り込みを形成して行
われることを特徴とする。
グを行うについて、電気抵抗体の抵抗値が、当該電気抵
抗体における初期抵抗値の3/4の値となるように歪み
検出素子の一側から切り込みを形成した後、同様に他側
から切り込みを形成して、電気抵抗体における初期抵抗
値の1/2の値となるようにする。
ードを有する本体部と、その本体部の一端において、当
該本体部に対して開閉可能に枢支された表示部とを備え
るとともに、前記本体部に、請求項1ないし4のいずれ
かに記載のポインティングデバイスを搭載したものであ
る。
グデバイスについて、本発明を具体化した実施の形態に
基づき、図面を参照しつつ詳細に説明する。
るポインティングデバイスの概略斜視図であり、図7
は、当該実施の形態のポインティングデバイスを搭載し
た電子機器の概略斜視図である。
ルコンピュータやワードプロセッサである電子機器10
0は、本体部101と、その本体部101の一端部に設
けられたヒンジ部107において本体部101に対し開
閉可能に枢支された表示部104とから構成されるとと
もに、本体部101には、キーボード部102と、補助
入力部103とを備え、さらに、キーボード部102の
略中央部、例えば、通常の英数字キー配列における
「G」キーと「H」キーとの間の位置にスティック部材
4(図1参照)が配設されるように、ポインティングデ
バイス1が搭載されている。なお、スティック部材4が
上述の位置にあって、かつその先端がキーボード部10
2の非押下時におけるキートップ最上部よりも若干突出
するようにポインティングデバイス1を本体部101に
対して配置することにより、極めて操作性に優れたもの
となる。
ック部材4の略先端部をキーボード面と平行の2軸方向
に押圧することにより、当該電子機器100の表示部1
04における表示画面上に表示されたカーソルを上下・
左右方向に移動させるとともに、スティック部材4に対
して、キーボード面に向けて圧縮するような方向の荷重
を加える(スティック部材4の略先端部を押し下げる)
ことにより、マウスでいうところの「左クリック」の機
能を持たせたものである。
は、基本的に、4つの歪みセンサ2からなる2組のトラ
ンスデューサ2x、2yが設けられる平面状のセンサ基
板3と、センサ基板3の中心位置に立設されるスティッ
ク部材4とから構成されるデバイスユニット5、及び当
該デバイスユニット5が取り付けられるベース基板6か
らなる。各トランスデューサ2x、2yは、それぞれ互
いに90度ずつずれた位置に配置されている。また、各
トランスデューサ2x、2yにおいて、一対の歪みセン
サ2、2は、スティック部材4を挟んで対称となるよう
配設されている。
に形成されてもよく、また、センサ基板3と別体に形成
して接着剤等により接着固定してもよい。
と、その一対の電極間に設けられた、応力に従って抵抗
値が変化する電気抵抗体とからなる。そして、トランス
デューサ2xについて、各歪みセンサ2の電気抵抗体に
対してトリミング加工を行うことにより、スティック部
材4に何ら外力を与えない無負荷状態における抵抗値
が、スティック部材4を挟んで対称となるように構成さ
れる。トランスデューサ2yについても同様である。
れており、その上面には、センサ基板3に形成された接
続端子(例えば、各歪みセンサ2における各電極に対す
る入出力端子)と接続される接続端子を含む所定の回路
パターンが形成されている。また、ベース基板6の裏面
には、スティック部材4が任意の方向に操作された際
に、各歪みセンサ2における電極間の抵抗値の変化に基
づいて所定の端子間に電圧が検出されるように、各種の
回路素子が搭載されている。
れぞれに形成された接続端子同士を半田付けすることに
より、相互に取り付けられている。このとき、センサ基
板3の下面とベース基板6の上面との間には、所定間隙
(0.1mm程度)が形成されており、これによりセン
サ基板3は、スティック部材4の操作に対応して曲げ若
しくは撓み変形状態となるものである。
各トランスデューサ2x、2yの詳細な構成、及びステ
ィック部材4と各歪みセンサ2との配置関係についての
実施例を説明する。
の裏面図、図3は、第一の実施例に係る歪みセンサを拡
大して示す説明図である。
て、図2における左右方向にX軸、上下方向にY軸をと
り、紙面と鉛直な方向にZ軸をとるものとする。また、
X軸の右側をプラス(+)側、左側をマイナス(−)側
とし、Y軸の上側をプラス(+)側、下側をマイナス
(−)側とし、Z軸の紙面奥側をプラス(+)側、紙面
手前側をマイナス(−)側とする。更に、このように決
定されるX、Y座標において、図2に示すように、ステ
ィック部材4の中心点を原点Oとする。
3は、セラミック基板等から構成されており、その裏面
には、対向する一対の電極201の間に電気抵抗体
(膜)202を設けてなる4つの歪みセンサ2、及び各
歪みセンサ2に接続される接続端子(図示せず)が形成
されている。
板3上に、銅や金等の薄膜からなる電極201、及び二
酸化ルテニウム等の抵抗材料(応力に従って抵抗値が変
化する)からなる電気抵抗体202を、印刷や蒸着等に
より形成することによって得られる。
サ2xは、X軸上に配置された左右一対の2つの歪みセ
ンサ2からなる。各歪みセンサ2には、その両側縁から
X軸に向かってトリミング加工が施されている。かかる
トリミング加工は、電気抵抗体202の両側縁から切り
込み7を形成することにより行われる。同様に、トラン
スデューサ2yは、Y軸上に配置された上下一対の2つ
の歪みセンサ2からなり、各歪みセンサ2には、その両
側縁からY軸に向かってx軸と平行に切り込み7を形成
することによりトリミング加工が施されている。これに
より、各トランスデューサ2x、2yには、X軸、Y軸
に関して、それらに応力がかからない無負荷状態におけ
る抵抗値が軸対称の関係となるようにトリミング加工が
施されることとなる。
202に対してその両側縁から切り込み7を形成するこ
との意味について図3に基づき説明する。電気抵抗体2
02の両側縁からX、Y軸に向かって切り込み7を形成
した場合、切り込み7の長さに対応する歪みセンサ2の
領域A1、A2(歪みセンサ2の両側に形成される)
は、歪み抵抗素子としての有効感知領域とはならない。
一方、切り込み7が形成されていないX軸、Y軸の両側
に残存する領域B1と領域B2とを合わせた領域(斜線
にて示す)のみが歪み抵抗素子としての有効感知領域と
なる。このことは、切り込み7の長さを種々変化させる
ことにより、各歪みセンサ2が有するセンサとしての有
効に作用する抵抗値を調整できることを意味する。ま
た、電気抵抗体202の両側縁から切り込み7を形成す
るのは、X軸、Y軸の両側に形成される有効領域B1と
有効領域B2とを同一領域として、各有効領域B1、B
2をX軸、Y軸に関して軸対称の関係にするためであ
る。
する具体的方法としては、例えば、レーザ加工が適して
いる。具体的には、次のように切り込み7が形成され
る。ここでは、図3に示すように一例として、前記有効
領域B1とB2とを合わせた抵抗値が、切り込み7を形
成する前における歪みセンサ2の抵抗値(切り込み前抵
抗値)の1/2となるようにトリミングを行う場合につ
いて説明する。
を測定しながら、レーザ装置によりレーザ光を当該歪み
センサ2の電気抵抗体202に照射して、その一側縁か
ら切り込み7を形成していく。そして、測定される抵抗
値が、切り込み前抵抗値の3/4になった時点で切り込
み7の形成を停止する。この後、同様に、歪みセンサ2
の抵抗値を測定しながら、レーザ光を当該歪みセンサ2
の電気抵抗体202に照射し、歪みセンサ2の他側縁か
ら切り込み7を形成していく。そして、測定される抵抗
値が、切り込み前抵抗値の1/2になった時点で切り込
み7の形成を停止する。これにより、有効領域B1とB
2とを合わせた抵抗値を、切り込み前抵抗値の1/2と
することができる。
ついて施すことにより、全ての歪みセンサ2について、
有効領域B1とB2とを合わせた抵抗値を切り込み前抵
抗値の1/2の抵抗値とすることができる。
ングデバイス1の動作について図4に基づき説明する。
図4はポインティングデバイス1の等価回路を示す回路
図である。ここで、図4において、抵抗R1は、X軸上
でプラス側に配置された歪みセンサ2の抵抗値、抵抗R
2は、X軸上でマイナス側に配置された歪みセンサ2の
抵抗値である。また、抵抗R3は、Y軸上でプラス側に
配置された歪みセンサ2の抵抗値、抵抗R4は、Y軸上
でマイナス側に配置された歪みセンサ2の抵抗値であ
る。尚、いずれの抵抗値も前記トリミング加工により切
り込み7を形成した後の有効領域B1とB2とを合わせ
た抵抗値である。
3と抵抗R4は、いわゆる、ブリッジ回路を構成してお
り、かかるブリッジ回路の電圧印加端子Vccには5V
が印加され、他端子は接地されている。更に、抵抗R1
とR2との間には、X側出力端子10が設けられ、抵抗
R3とR4との間にはY側出力端子11が設けられてい
る。
出力端子10によりトランスデューサ2xが構成され、
抵抗R3及びR4、並びにY側出力端子11によりトラ
ンスデューサ2yが構成され、さらに、抵抗R1〜R4
による電圧印加端子VccとGNDとのブリッジ合成抵
抗変化によりZ軸方向の歪みセンサが構成される。
ず、如何なる応力も加えられていない状態(無負荷状
態)においては、各歪みセンサ2の両側縁から切り込み
7が形成されて有効領域B1とB2とが同一領域で、且
つ、X軸、Y軸に関して軸対称に構成されていることに
基づき、各歪みセンサ2に抵抗値の変化は発生していな
い。従って、X側出力端子10で検出される電圧は2.
5Vとなり、また同様に、Y側出力端子11で検出され
る電圧は2.5Vとなる。
軸方向のプラス側(図1中、右側方向)に操作された場
合には、抵抗R1に対応する歪みセンサ2には引っ張り
歪みが発生して抵抗値が増加し、また、抵抗R2に対応
する歪みセンサ2には圧縮歪みが発生して抵抗値が減少
する。更に、抵抗R3に対応する歪みセンサ2におい
て、Y軸よりも右側部分では、引っ張り歪みに基づき抵
抗値が増加する一方、Y軸よりも左側部分では、圧縮歪
みに基づき抵抗値が減少する。また同様に、抵抗R4に
対応する歪みセンサ2において、Y軸よりも右側部分で
は、引っ張り歪みに基づき抵抗値が増加する一方、Y軸
よりも左側部分では、圧縮歪みに基づき抵抗値が減少す
る。
2と抵抗R2に対応する歪みセンサ2とは、Y軸に関し
て対称の関係にあり、従って、両歪みセンサ2で発生す
る抵抗値の増減は相互に相殺されることとなり、この結
果、X側出力端子10で検出される電圧は2.5Vとな
る。また、抵抗R3に対応する歪みセンサ2について、
Y軸の両側部分はY軸に関して軸対称であることから、
この両側部分で発生する抵抗値の増減は相互に相殺さ
れ、同様に、抵抗R4に対応する歪みセンサ2につい
て、Y軸の両側部分はY軸に関して軸対称であることか
ら、この両側部分で発生する抵抗値の増減は相互に相殺
される。従って、Y側出力端子11で検出される電圧は
2.5Vとなる。
における+Z方向)に押下された場合、R1とR2、及
びR3とR4は、共に同一の引っ張り歪みを受け、それ
ぞれ同一の抵抗値変化を示すところ、図4のブリッジ回
路のVcc−CND間のブリッジ合成抵抗が変化するの
で、これが所定のスレッショルド値を越える場合にZ軸
方向の入力があったものとみなされ、従来でいうところ
のクリックやダブルクリックの入力が可能となるもので
あるが、ここで、上述のように、トランスデューサ2x
及び2yを構成するすべての歪みセンサ2について、そ
の有効部分がX軸及びY軸について対称に構成されてい
るので、操作者がスティック部材4をZ軸方向に押下す
る意思無くXY2軸方向に操作した場合でも、誤ってV
cc−GND間のブリッジ合成抵抗が変化することがな
く、不用意にクリック操作が為されることがない。
た動作は、スティック部材4が、X軸のマイナス側(図
1中、左方向)に操作された場合、Y軸のプラス側(図
1中、上方向)に操作された場合、及び、Y軸のマイナ
ス側(図1中、下方向)に操作された場合のいずれの場
合においても、同一のものとなる。
インティングデバイス1では、センサ基板3に設けられ
たスティック部材4の中心位置(原点O)を通る相互に
直交するX軸及びY軸上に配置された4つの歪みセンサ
2に対して、各X軸、Y軸に関して軸対称となるよう
に、各歪みセンサ2の両側縁からX軸、Y軸に向かって
切り込み7を形成することによりトリミング加工が施さ
れているので、X軸とY軸に関して、各歪みセンサ2を
軸対称に配置することができる。これにより、スティッ
ク部材4が操作されていない状態では各歪みセンサ2に
おける抵抗値の変化が発生することはなく、この結果、
スティック部材4を操作した際にディスプレイ上でポイ
ンタやカーソルを高精度で移動させることができる。
Y軸に向かって切り込み7を形成するについて、レーザ
加工により精度良く切り込み7を形成することができ、
これにより比較的簡単にセンサ基板3上において各歪み
センサ2を軸対称に配置することができる。
る各トランスデューサ2x、2yの構成についての第二
の実施例について、図面を参照しつつ説明する。尚、上
述した第一の実施例と同一の作用・効果を奏する部材に
ついては、以下同一の符号を引用するものとする。
ンティングデバイスにおけるセンサ基板3の裏面図であ
る。
は、X軸上に配置された左右一対の2つの歪みセンサ2
からなる。各歪みセンサ2には、その一側縁からY軸に
向かってx軸と平行にトリミング加工が施されている。
かかるトリミング加工は、電気抵抗体202の一側縁か
ら切り込み7を形成することにより行われる。同様に、
トランスデューサ2yは、Y軸上に配置された上下一対
の2つの歪みセンサ2からなり、各歪みセンサ2には、
その一側縁からX軸に向かってy軸と平行に切り込み7
を形成することによりトリミング加工が施されている。
そして、切り込み7の長さに対応する歪みセンサ2の領
域Aは、歪み抵抗素子としての有効感知領域とはならな
い。一方、切り込み7が形成されていない領域B領域の
みが歪み抵抗素子としての有効感知領域となる。これに
より、各トランスデューサ2x、2yには、X軸、Y軸
に関して、それらに応力がかからない無負荷状態におけ
る抵抗値が軸対称の関係となるようにトリミング加工が
施されることとなる。
2xを一例とすると、当該トランスデューサ2xにおい
て、一対の歪みセンサ2、2がy軸に関して正確に対称
な位置には配置・形成されないが、各歪みセンサ2が当
該x軸に関しては正確に対称となるよう配置・形成され
ている場合に、加工工数が少なくて済む点で好適に採用
されうるものである。けだし、一対の歪みセンサ2、2
は、スティック部材4を挟んで相当離れた位置に配置・
形成されるので、その対称性の誤差も大きくなりがちで
あるからである。ただし、各歪みセンサ2がx軸に関し
ても対称性に誤差が生じやすいような製造条件において
は、第一の実施例を用いるのが最も好適である。
されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内
で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
ィングデバイスでは、一対の歪みセンサの各々につい
て、スティック部材を中心として抵抗値が対象となるよ
うにすることが可能となり、スティック部材が操作され
ていない方向における各歪みセンサの出力端子電圧が発
生することはなくなるので、スティック部材を操作した
際にディスプレイ上でポインタやカーソルを高精度で移
動させることが可能となるとともに、操作者が意図しな
い誤作動等が発生することがない、という効果がある。
これにより、2つの直交線により定義されるX軸とY軸
に関して、各歪みセンサを軸対称に配置することが可能
となり、スティック部材が操作されていない方向におけ
る各歪みセンサの出力端子電圧が発生することはなくな
るので、スティック部材を操作した際にディスプレイ上
でポインタやカーソルを高精度で移動させることが可能
となるとともに、操作者が意図しない誤作動等が発生す
ることがない、という効果がある。
では、比較的簡単に基板上において各歪みセンサを軸対
称に配置することが可能となるという効果がある。
に記載のポインティングデバイスを搭載した、請求項5
の電子機器では、極めて携帯性及び操作性に優れ、且つ
文字以外の図形入力や文書編集作業においてマウスと比
べて遜色のない入力の正確性を備えた電子機器を提供す
ることができるという効果がある。
バイスの概略斜視図である。
である。
して示す説明図である。
図である。
バイスにおけるセンサ基板の裏面図である。
して示す説明図である。
子機器の概略斜視図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 平面状の基板に立設されたスティック部
材と、前記基板上に前記スティック部材を挟んで対称と
なるよう配設された少なくとも一対の歪みセンサとを有
し、 前記スティック部材の操作時に、スティック部材
の変位方向及び変位量を前記各歪みセンサからの出力に
基づいて検出するポインティングデバイスにおいて、 前記歪みセンサは、対向する一対の電極と、その一対の
電極間に設けられた電気抵抗体とからなり、 前記一対の歪みセンサは、その各々につき前記電気抵抗
体に対してトリミング加工を行うことにより、前記ステ
ィック部材に何ら外力を与えない無負荷状態における抵
抗値が、前記スティック部材を挟んで対称となるように
構成されたことを特徴とするポインティングデバイス。 - 【請求項2】 平面状の基板に立設されたスティック部
材と、前記基板上に前記スティック部材を挟んで対称と
なるよう配設された一対の歪みセンサと、その一対の歪
みセンサに対して前記スティック部材を中心として90
度回転した位置に設けられた他の一対の歪みセンサとを
有し、 前記スティック部材の操作時に、スティック部
材の変位方向及び変位量を前記各歪みセンサからの出力
に基づいて検出するポインティングデバイスにおいて、 前記歪みセンサは、対向する一対の電極と、その一対の
電極間に設けられた電気抵抗体からなるとともに、前記
スティック部材の中心位置を通るとともに相互に直交す
る2つの直交線上に配置されており、 前記各歪みセンサは、前記スティック部材に何ら外力を
与えない無負荷状態において、その各々の抵抗値が前記
直交線に関して線対称となり、且つ前記スティック部材
を挟んで対称となるように、前記電気抵抗体に対してト
リミング加工が施されてなることを特徴とするポインテ
ィングデバイス。 - 【請求項3】 前記トリミング加工は、前記電気抵抗体
の少なくとも一端部側から、当該一端部に対向する前記
直交線に向かって切り込みを形成して行われるものであ
ることを特徴とする請求項2に記載のポインティングデ
バイス。 - 【請求項4】 前記トリミング加工は、前記電気抵抗体
の抵抗値が所定値となるように、前記電気抵抗体の一端
側から切り込みを形成した後、他端側からさらに切り込
みを形成して行われるものであることを特徴とする請求
項3に記載のポインティングデバイス。 - 【請求項5】 キーボードを有する本体部と、その本体
部の一端において、当該本体部に対して開閉可能に枢支
された表示部とを備えるとともに、前記本体部に、請求
項1ないし4のいずれかに記載のポインティングデバイ
スを搭載した電子機器。
Priority Applications (1)
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1999
- 1999-04-23 JP JP11655799A patent/JP3584779B2/ja not_active Expired - Fee Related
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