JP2000171981A - スクリーン印刷用製版の製造方法 - Google Patents

スクリーン印刷用製版の製造方法

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JP2000171981A
JP2000171981A JP10347385A JP34738598A JP2000171981A JP 2000171981 A JP2000171981 A JP 2000171981A JP 10347385 A JP10347385 A JP 10347385A JP 34738598 A JP34738598 A JP 34738598A JP 2000171981 A JP2000171981 A JP 2000171981A
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light
plate
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JP10347385A
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English (en)
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Kazuhiro Uchiyama
和宏 内山
Ichiro Kuroda
一朗 黒田
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Noritake Co Ltd
Noritake Electronics Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
Noritake Electronics Ltd
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】パターン焼付け位置の精度を高め得るスクリー
ン印刷用製版の製造方法を提供する。 【解決手段】マスク作製工程において、所定の相対位置
関係にある光透過領域Bおよび複数の位置合わせマーク
22を備えたポジ・フィルム20が作製され、スクリー
ン配置工程において、位置決めピン34と、光透過領域
Bと位置合わせマーク22との相対位置に応じて版枠1
2との相対位置が定められた複数の光射出位置30から
スクリーン16に向かって光を射出するための発光装置
とを備えた版・原版セット台24の載置面26に、位置
決めピン34で版枠12を位置決めしてスクリーン16
が配置され、露光マスク固定工程において、光射出位置
30から射出された光と位置合わせマーク22とが重な
るようにポジ・フィルム20がスクリーン16上に固定
され、更に、露光工程において、スクリーン16の一面
に塗着された感光性樹脂層42がポジ・フィルム20を
通して露光される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、版枠の内側に張設
されたスクリーンの一面に感光性樹脂でパターン形成さ
れたスクリーン印刷用製版の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】スクリーン印刷を利用して厚膜材料を印
刷することにより、導体や絶縁体の厚膜パターンを有す
る厚膜式PDP(Plasma Display Panel)基板、プラズ
マ・アドレス液晶パネル(Plasma Addressd Liquid Cry
stal Panel)のプラズマ・スイッチング用基板、VFD
(Vacuum Fluorescent Display)の厚膜陽極基板、或い
は厚膜配線基板などが製造されることが知られている。
これらの厚膜基板では、印刷パターンの大型化および高
精細化への要求が年々高まる傾向にある。例えば、PD
P基板やプラズマ・スイッチング基板においては、HD
TV等の大型且つ高解像度の表示装置が望まれており、
また、VFDの厚膜陽極基板や厚膜配線基板等では、表
示密度或いは配線密度を高めると共に多数個取りにより
製造効率を高めることが望まれているためである。特
に、基板上に突設されたリブ状壁の頂部にグリッド電極
が備えられるリブ・グリッド型のVFDでは、陽極配線
やグリッド配線が高密度で設けられるだけでなく、それ
らグリッド電極およびリブ状壁が複雑な曲線で構成され
ることから、線間隔を小さくして有効な表示面積を大き
くするためにも高精細化への要求が大きい。
【0003】一般に、上記スクリーン印刷用製版は、所
定メッシュのスクリーンが版枠に張設された後、そのス
クリーンの一面に液状の感光性樹脂(エマルジョン)を
所定の厚さで塗布して乾燥させ、フィルムやガラス板等
の透光性の基板に遮光性の材料で露光パターンが形成さ
れた露光マスクを介して紫外線等の露光用の光を感光性
樹脂に照射することによりパターンを焼付け、更に、未
露光部分を洗浄除去することで作製される。このとき、
スクリーンは、形成される印刷領域すなわちパターン・
エリアの寸法延いては露光マスクの寸法よりも十分に大
きい寸法に構成されており、上記の露光(焼付け)処理
の際には、露光マスクがスクリーンの略中央に位置する
ように目視による位置合わせが行われる。このため、ス
クリーン印刷用製版のパターン焼付け位置の精度は低く
且つ製版毎に相違しており、厚膜印刷を施すに際して
は、印刷機においてスクリーンの一面に備えられた印刷
領域と基板等の被印刷体との相対位置を調節していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スクリ
ーン印刷をするに際して、スクリーン印刷用製版のスク
リーンは被印刷体の表面から離れた位置に配置され、ス
キージで基板に向かって押圧されることにより被印刷体
の表面に接触する位置まで弾性的に伸ばされる。このと
き、スクリーン上に形成されているパターンはその弾性
伸びの大きさに応じて印刷面に対して水平方向に変位さ
せられるが、その変位量はスクリーン全体で一様とはな
らず版枠の角に近づくほど小さくなるため、印刷された
パターンにスクリーン上の位置に応じた大きさの歪みが
生じる。そのため、印刷領域がスクリーンの中央からず
れた位置に設けられていると、前記のように印刷機上で
印刷領域と被印刷体との位置合わせを行っても、位置ず
れのためにスクリーン中央から遠ざかった部分では歪み
が大きくなってパターンの形状や寸法等の精度が低下す
ることから、高精細化が困難になるという問題があっ
た。このことは、例えばPALCパネルにおいてスイッ
チング基板に放電空間を区画形成するために設けられる
隔壁と、液晶の表面に設けられるカラー・フィルタとの
位置ずれを発生させる。また、厚膜回路基板において
は、回路パターンが変形することによって回路部品の実
装が困難になる。更に、リブ・グリッドVFDやPDP
等の基板のように、被印刷体に複数種類の厚膜を積層形
成する目的で複数種類のパターンのスクリーン印刷用製
版が用いられる場合には、スクリーンに焼き付けられた
パターンすなわち印刷領域の版枠に対する位置が相互に
異なると、印刷領域内の同一位置における歪みの大きさ
が相違することに起因して、それぞれで形成されるパタ
ーンの相対位置精度が低下するという問題もある。この
ような相対位置精度の低下は、印刷領域が大きくなるほ
ど上記の歪みが大きくなることに起因して著しくなるた
め、印刷パターンの大型化および高精細化を図る上で大
きな障害になっていた。
【0005】以上のことから、印刷機におけるパターン
と被印刷体との相対位置の調節だけでは高精度の印刷を
成し得ないため、一層高精度のスクリーン印刷を可能と
するためには、スクリーンと印刷領域との相対位置精度
を高めることが望まれるのである。本発明はこのような
事情を背景として為されたものであり、その目的は、パ
ターン焼付け位置の精度を高め得るスクリーン印刷用製
版の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、版枠に張設されたス
クリーンの一面に塗着された感光性樹脂を露光によりパ
ターン形成するスクリーン印刷用製版の製造方法であっ
て、(a) 所定の相対位置関係にある露光パターンおよび
複数の位置合わせマークを備えた露光マスクを用意する
工程と、(b) 前記版枠を載置面の所定位置に位置させる
ための位置決め装置と、前記位置合わせマークの位置に
応じてその版枠との相対位置が定められた複数の光射出
位置からその載置面上に配置された前記スクリーンに向
かって光を射出するための発光装置とを備えた露光マス
ク取付台において、その載置面の所定位置にその位置決
め装置でその版枠を位置決めしてそのスクリーンを配置
するスクリーン配置工程と、(c) 前記光射出位置から射
出された光と前記位置合わせマークとが重なるように前
記露光マスクを前記スクリーン上に載置して固定する露
光マスク固定工程と、(d) 前記スクリーンの一面に塗着
された前記感光性樹脂をそのスクリーン上に固定された
前記露光マスクを通して露光する露光工程とを、含むこ
とにある。
【0007】
【発明の効果】このようにすれば、スクリーン印刷用製
版を製造するに際しては、露光マスクを用意する工程に
おいて、所定の相対位置関係にある露光パターンおよび
複数の位置合わせマークを備えた露光マスクが用意さ
れ、スクリーン配置工程において、版枠を載置面の所定
位置に位置させるための位置決め装置と、位置合わせマ
ークの位置に応じてその版枠との相対位置が定められた
複数の光射出位置からその載置面上に配置されたスクリ
ーンに向かって光を射出させるための発光装置とを備え
た露光マスク取付台のその載置面の所定位置に、位置決
め装置で版枠を位置決めしてスクリーンが配置され、露
光マスク固定工程において、光射出位置から射出された
光と位置合わせマークとが重なるように露光マスクがス
クリーン上に載置されて固定され、更に、露光工程にお
いて、スクリーンの一面に塗着された感光性樹脂がその
スクリーン上に固定された露光マスクを通して露光され
る。そのため、光射出位置に対して、位置合わせマーク
の位置に応じて定められた所定の相対位置に版枠が位置
するように露光マスク取付台の載置面にスクリーンが載
置された状態で、光射出位置から射出された光と位置合
わせマークとが重なるようにそのスクリーン上に露光マ
スクが固定されることから、その露光マスクに備えられ
る露光パターンとスクリーンとは、位置合わせマーク、
光射出位置、および版枠相互の位置関係に基づく一定の
相対位置に位置させられる。したがって、その後に行わ
れる感光性樹脂の露光処理では、スクリーンの一定の位
置に露光パターンが焼き付けられるため、パターン焼付
け位置の精度を高められる。
【0008】上記により、スクリーン印刷用製版の版枠
に対する印刷領域の相対位置精度が高められるので、ス
クリーン印刷により被印刷体の表面に厚膜を形成した際
にもパターン形状や寸法等の変化が小さくなるため、被
印刷体延いては印刷領域の大型化および高精細化が容易
になる。しかも、被印刷体の表面に相互に異なるパター
ンを有する複数のスクリーン印刷用製版を用いて厚膜を
積層形成する場合にも、個々のスクリーン印刷用製版の
パターン形成を上記のように高精度で行うことにより、
製版毎に形成される厚膜相互の相対位置精度が高められ
るため、印刷領域の大型化および高精細化が容易にな
る。更に、版枠に対する印刷領域の相対位置精度が高め
られることにより、印刷時における版枠の適切な配設位
置が一定に保たれるため、それが版枠毎に相違する場合
に比較して印刷領域と被印刷体との相対位置合わせが容
易になる。また、複数のスクリーン印刷用製版を用いて
被印刷体に複数の厚膜パターンを順次形成する場合に
も、印刷領域内の同位置における歪みの程度が同様にな
ることから複数のパターンの相対位置精度が高められる
ため、印刷時におけるパターン相互の位置合わせも容易
になる。
【0009】因みに、印刷工程におけるスクリーン印刷
用製版の印刷領域と被印刷体との位置合わせは、その被
印刷体上に試し刷りすることにより行われている。この
とき、版枠に対するパターン焼付け位置精度が低い場合
には、スクリーン印刷用製版を印刷機に取り付けた後、
目視により位置合わせ、試し刷りによる粗合わせ、およ
び試し刷りによる微調整を順次実施する必要があり、粗
合わせおよび微調整の目的で試し刷りが繰り返されるた
め多大な時間を必要としていた。これに対して、パター
ン焼付け位置精度が高い場合には、印刷機の版枠の取付
位置を一定に保って、実質的に取り付けるだけで比較的
精度の高い粗合わせが為されるようにできる。そのた
め、粗合わせの時間が不要になると共に、微調整に必要
な試し刷り回数も減じられることから、位置合わせに必
要な時間が飛躍的に短くなるのである。
【0010】
【発明の他の態様】ここで、好適には、(b-2) 前記発光
装置は、前記露光マスク取付台の内部から前記載置面に
向かって光を発する発光器と、その発光器から発せられ
た光を透過させるための光透過部を前記光射出位置に有
する光透過装置とを、含むものである。このようにすれ
ば、露光マスク取付台の内部から発光器によって発せら
れた光が、光透過装置の光透過部を通して光射出位置か
ら選択的に射出される。そのため、その光透過部から射
出された光と前記の位置合わせマークとを重ね合わせる
ことにより、容易に露光マスクをスクリーンの一定位置
に位置させることができる。
【0011】また、好適には、(b-3) 前記発光装置の光
射出位置は、前記スクリーンの前記載置面側に位置する
裏面に略接する高さ位置に設けられているものである。
このようにすれば、光射出位置がスクリーンの裏面に略
接する高さ位置に設けられていることから、そのスクリ
ーンの上に載置される露光マスクと光射出位置との距離
は略零になる。そのため、露光マスクの裏面側から観察
して位置合わせマークと光射出位置とを一定の相対位置
に位置させるに際して、発光装置から発せられる光の指
向性が低く或いは射出方向が載置面に垂直でない場合に
も、その光の特性に起因して相対位置の誤差が生じるこ
とが抑制される。
【0012】また、好適には、前記のスクリーン印刷用
製版の製造方法は、複数種類のパターンの厚膜をスクリ
ーン印刷によって被印刷体の表面に順次形成するために
用いられるスクリーン印刷用製版を製造するに際して、
寸法および形状が同様な複数の版枠にそれぞれ張設され
た複数のスクリーンの一面に塗着された感光性樹脂をそ
れぞれ露光することにより互いに異なる複数種類のパタ
ーンをそれぞれ形成するスクリーン印刷用製版の製造方
法であって、(a) 露光パターンが形成された光透過領域
および複数の位置合わせマークを所定の相対位置関係で
それぞれ備えた複数の露光マスクを用意する工程と、
(b) 前記版枠を載置面の所定位置に位置させるための位
置決め装置と、前記位置合わせマークの位置に応じてそ
の版枠との相対位置が定められた複数の光射出位置から
その載置面上に配置された前記スクリーンに向かって光
を射出するための発光装置とを備えた露光マスク取付台
において、その載置面の所定位置にその位置決め装置で
前記複数の版枠を順次位置決めしてそのスクリーンを配
置するスクリーン配置工程と、(c) 前記光射出位置から
射出された光と前記位置合わせマークとが重なるよう
に、前記載置面に順次配置される前記複数のスクリーン
の各々の上に前記複数の露光マスクを順次載置して固定
する露光マスク固定工程と、(d) 前記複数のスクリーン
の一面にそれぞれ塗着された前記感光性樹脂をそれら複
数のスクリーンの各々の上にそれぞれ固定された前記複
数の露光マスクを通して露光する露光工程とを、含むも
のである。
【0013】このようにすれば、複数の露光マスクを用
意する工程において、露光パターンが形成された光透過
領域および複数の位置合わせマークを所定の相対位置関
係でそれぞれ備えた複数の露光マスクが用意される一
方、スクリーン配置工程において、版枠を載置面の所定
位置に位置させるための位置決め装置と、位置合わせマ
ークの位置に応じて版枠との相対位置が定められた複数
の光射出位置からその載置面上に配置されたスクリーン
に向かって光を射出するための発光装置とを備えた露光
マスク取付台において、その載置面の所定位置に位置決
め装置で複数の版枠を順次位置決めしてスクリーンが配
置され、次いで、露光マスク固定工程において、光射出
位置から射出された光と位置合わせマークとが重なるよ
うに、前記載置面に順次載置される複数のスクリーンの
各々の上に複数の露光マスクが順次載置されて固定さ
れ、続く露光工程において、複数のスクリーンの一面に
それぞれ塗着された感光性樹脂がそれら複数のスクリー
ンの各々の上に固定された複数の露光マスクを通して露
光される。そのため、光射出位置に対して、位置合わせ
マークの位置に応じて定められた所定の相対位置に版枠
が位置するように露光マスク取付台の載置面にスクリー
ンが載置された状態で、光射出位置から射出された光と
位置合わせマークとが重なるように、複数のスクリーン
の各々の上に複数の露光マスクの各々が固定されること
から、それら複数の露光マスクにそれぞれ備えられる光
透過領域とスクリーンとは、位置合わせマーク、光射出
位置、および版枠相互の位置関係に基づく一定の相対位
置に位置させられる。したがって、その後に行われる感
光性樹脂の露光処理では、複数のスクリーンの一定の位
置に光透過領域にそれぞれ形成された露光パターンが焼
き付けられるため、複数のスクリーン印刷用製版相互の
パターン焼付け位置の精度を高めることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例におい
て、各部の寸法比等は必ずしも正確に描かれていない。
【0015】図1は、本発明の一適用例により製造され
た大型基板に用いられる比較的大型の厚膜スクリーン印
刷用製版10の全体を示す斜視図、図2はその厚膜スク
リーン印刷用製版10の要部断面図を示している。この
製版10は、対辺が互いに平行な4辺により囲まれた矩
形枠であって、たとえば縦方向および横方向がそれぞれ
1 〜2(m)程度の枠寸法を有する軽合金製の版枠12と、
エポキシ樹脂などの接着剤14を用いてその版枠12の
一面に固着されたスクリーン16とを備えている。この
スクリーン16は、たとえばステンレス鋼製の金属細線
或いはナイロン、ポリエステルなどの合成樹脂製の細線
を縦糸および横糸として織られたメッシュ(網)であ
り、たとえば50メッシュ(#50)や80メッシュ
(#80)などが用いられる。また、上記スクリーン1
6は、上記版枠12よりも十分に大きな図示しない枠に
おいてたとえば紗張機を用いて50メッシュで0.40(m
m)、80メッシュで0.90(mm)の張力が付与されつつ、上
記版枠12に接着されることにより、その張力が維持さ
れた状態で上記版枠12に接着されている。なお、上記
張力は、株式会社トープロテック社製のSTG−75G
型テンションゲージを用いて版枠12の中央位置を測定
して得た値である。
【0016】上記スクリーン16の全面には、図2に示
すように、たとえば数十乃至百数十(μm)の厚みを備え
た感光性樹脂18が固着されている。この感光性樹脂1
8は、印刷時において厚膜印刷ペーストを通過させない
レジスト層として機能するものであって、露光されるこ
とにより重合が進行して機械的強度が高められている
が、スクリーン16の中央部には、上記感光性樹脂18
が除去された所定パターンの厚膜ペースト通過領域Aす
なわち印刷領域が形成されている。この所定パターンの
厚膜ペースト通過領域Aは、原画が形成されたポジ・フ
ィルム20(図4参照)などにより露光時に遮光された
非露光領域であって、感光性樹脂乳液(エマルジョン)
が乾燥により塗着されたままの状態であるため、たとえ
ば水に浸漬し、更に必要に応じて水を噴霧或いは噴射す
ることにより除去されたものである。
【0017】以上のように構成された厚膜スクリーン印
刷用製版10は、たとえば図3(a)、(b) に示す工程を
経て製造される。なお、大型基板の一面に隔壁や放電電
極等を構成する複数種類の厚膜パターンを順次形成する
場合には、一定の大きさを有する前記の印刷領域Aにそ
れら複数種類の厚膜パターンの各々が備えられた複数の
製版10が用意される。それら複数の製版10は、何れ
も寸法および形状が同一の版枠12を用いて、以下に説
明する同様な工程を経て製造される。図3(a)におい
て、先ず、スクリーン固定工程S1では、所定の張力が
付与された50メッシュ(#50)程度のスクリーン1
6が、接着剤14を用いて版枠12の一面に接着され
る。続く洗浄工程S2では、版枠12に接着されたスク
リーン16が、苛性ソーダ或いはクレゾールなどのアル
カリを用いて脱脂された後、溶剤、洗剤、水などを用い
て洗浄される。
【0018】次いで、感光性樹脂層塗着工程S3では、
版枠12に張設されたスクリーン16の一面すなわち印
刷時に基板と接触する側の面に、たとえばジアゾ系の感
光性樹脂乳剤(感光性樹脂液)を塗布して乾燥を行う塗
着作業を繰り返すことにより、スクリーン16の開口を
閉じるすなわちスクリーン16の目を塞ぐ所望厚みの感
光性樹脂層42(後述する図6(b) 等を参照)を塗着す
る。たとえば、 30(μm)程度の膜厚を得る場合には、上
記の塗着作業が5乃至6回繰り返される。
【0019】次いで、原版貼付工程S4では、別途作製
されたポジ・フィルム20がスクリーン16の中央部で
あって感光性樹脂層42の上に密着状態で貼り付けられ
る。なお、原版貼付工程S4および後述する露光工程S
5における全作業は、感光性樹脂42を露光しないよう
に、たとえば暗室内で行われる。図4に示すように、ポ
ジ・フィルム20は、印刷パターンに対応する露光パタ
ーンを有する光透過領域Bを略中央部に備えたものであ
って、その光透過領域Bの周囲には、たとえば直径0.8
(mm) 程度の大きさの円形の位置合わせマーク22が6
箇所に設けられている。この位置合わせマーク22は、
後述する露光工程S5においてスクリーン16に焼き付
けられる印刷パターンの焼付け位置精度を高める目的で
設けられたものであって、ポジ・フィルム20は、位置
合わせマーク22を利用して図3(b) に示される工程に
従ってスクリーン16に貼り付けられる。本実施例にお
いては、ポジ・フィルム20が露光マスクに相当する。
【0020】上記の図3(b) において、マスク作製工程
S41では、露光パターンおよび位置合わせマーク22
が同時に焼き付けられた前記のポジ・フィルム20を作
製する。複数種類のパターンを備えた複数の製版10を
製造する場合には、同時に形成された露光パターンおよ
び位置合わせマーク22をそれぞれ備えた複数のポジ・
フィルム20がそのパターン毎に用意される。このと
き、それぞれの露光パターンが設けられている光透過領
域Bと位置合わせマーク22との相対的な位置は、複数
のポジ・フィルム20相互に同様に設定される。すなわ
ち、複数のポジ・フィルム20は、それぞれに備えられ
ている複数の位置合わせマーク22の位置が一致するよ
うに重ね合わせた場合に光透過領域Bの位置が一致する
ように作製される。本実施例においては、この工程が露
光マスクを用意する工程或いは複数の露光マスクを用意
する工程に対応する。次いで、スクリーン配置工程S4
2では、図5に示す版・原版セット台24の載置面26
の所定位置にスクリーン16を配置する。
【0021】上記の版・原版セット台24は、超高圧水
銀灯やメタルハライドランプ等の前記の感光性樹脂18
を感光しない光を発生させる発光器として機能するラン
プ28を図6(b) に示されるように内部に備えて、載置
面26から上方に光を射出するように構成されたライト
・テーブルである。図5に示すように、その載置面26
上には、板状を成して光が選択的に射出される光射出位
置30をその上面の6箇所に備えた位置合わせ治具32
が略中央部に固定されると共に、版枠12をその載置面
26上の一定の位置に位置させるための3本の位置決め
ピン34がその位置合わせ治具32の側方に備えられて
いる。上記の6箇所の光射出位置30は、相互の中心間
隔が前記のポジ・フィルム20の位置合わせマーク22
の中心間隔と同様に設定されており、光射出位置30と
位置決めピン34との相対位置は、版枠12がその位置
決めピン34によって位置決めされた際に光射出位置3
0がスクリーン16の適切な位置に位置するように、後
述するように位置合わせマーク22の位置に応じて、或
いはそれと光透過領域Bとの相対位置をも考慮して設定
されている。本実施例においては、上記の位置決めピン
34が位置決め装置に相当する。
【0022】また、位置合わせ治具32は、光透過装置
として機能するものであって、図6(b) に示すようにラ
ンプ28から発せられる光が透過させられる透明部36
と、直径1.0(mm) 程度の円形の光透過穴38を上記の光
射出位置30に有してその透明部36の一面に設けられ
た遮光部40とから構成される。すなわち、位置合わせ
マーク22の直径は、相対値で穴38の0.8 程度であ
る。透明部36は、例えばガラス板から成るものであ
り、遮光部40は、例えば金属或いは樹脂製の膜或いは
薄板等から成るものである。そのため、版・原稿セット
台24の内部から載置面26に向かって発せられた光
は、6箇所の光透過位置30すなわちその位置合わせ治
具32の6箇所に設けられた光透過穴38内だけから射
出されることとなる。本実施例においては、ランプ28
および位置合わせ治具32で発光装置が構成されてお
り、光透過穴38が光透過部に相当する。
【0023】前記のスクリーン配置工程S42において
スクリーン16を載置面26上に配置するに際しては、
スクリーン16が版枠12の上側に位置する向きで位置
合わせ治具32を覆うようにその載置面26上に載置
し、版枠12の二辺を前記の3本の位置決めピン34に
押し当てる。これにより、それら3本の位置決めピン3
4によって予め定められた載置面26上の定位置に版枠
12が位置させられ、その版枠12の内側に備えられて
いるスクリーン16は、その中央に位置決め治具32が
位置するように配置される。図6(a) は、このようにし
てスクリーン16が載置面26上に配置された状態を示
しており、光射出位置30は、版枠12に対して、その
光射出位置30と位置決めピン34との相対位置によっ
て定められた相対位置に位置させられている。このと
き、位置決め治具32の厚さは版枠12の厚さと略等し
くされていることから、図6(b) に示されるように、位
置決め治具32の上面はスクリーン16の裏面に略接す
ることとなる。なお、図6(a)、(b) に示されるよう
に、スクリーン16の全面には感光性樹脂層42が塗着
されて目が塞がれていることから、ランプ28が消灯さ
せられている状態では、位置決め治具32はスクリーン
16越しには殆ど見えていない。
【0024】図3(b) に戻って、マスク載置工程S43
では、前記のポジ・フィルム20をスクリーン16に載
せる。この段階では、ポジ・フィルム20は目視によっ
てスクリーン16の略中央に位置させられる。続く、マ
スク位置決め工程S44においては、版・原稿セット台
24の内部に備えられているランプ28が点灯させられ
ることにより光透過穴38を通った光が6箇所の光射出
位置30から射出された状態で、ポジ・フィルム20と
スクリーン16との位置合わせを行う。上述したように
スクリーンの目は感光性樹脂層42によって塞がれてい
るが、光の強さを適宜設定することによってその感光性
樹脂42を通してポジ・フィルム20まで光を到達させ
ることが可能である。なお、ランプ28は、ポジ・フィ
ルム20をスクリーン16に載せる際に予め点灯させて
も差し支えない。また、ランプ28の光では感光性樹脂
42は感光しないため、この位置合わせの際に感光性樹
脂42の重合が進行することはない。
【0025】上記の位置合わせは、例えば10倍程度の
倍率のルーペでポジ・フィルム20の上面側から観察し
て、位置合わせマーク22と光射出位置30から射出さ
れた光とが同軸に重なるようにポジ・フィルム20の位
置を調節することによって行われる。前述したように、
6箇所の位置合わせマーク22および6箇所の光射出位
置30は相互の中心間隔が同様に設定されており、位置
合わせマーク22は光透過穴38よりも僅かに小さい直
径に形成されている。そのため、それらの間に幅0.1(m
m) 程度の円環状の隙間が形成されることから、高倍率
のルーペで観察して全ての位置合わせマーク22の各々
の回りから一様に光が漏れる位置にポジ・フィルム20
を位置させることにより、ポジ・フィルム20の光透過
領域Bは、スクリーン16上において光射出位置30と
の相対位置が、その光透過領域Bと位置合わせマーク2
2との相対位置と同様となるように位置させられる。図
7は、このようにしてポジ・フィルム20の位置合わせ
を行った状態を表しており、図8にその断面の要部を拡
大して示すように、ポジ・フィルム20の位置合わせマ
ーク22は、光透過穴38の真上に位置させられてい
る。
【0026】このとき、光射出位置30および位置決め
ピン34は載置面26の一定の位置に固定されているた
め、その位置決めピン34によって位置決めされた版枠
12と光射出位置30との相対位置は、光射出位置30
と位置決めピン34との相対位置で決定される。この結
果、上記のように位置合わせされることによって光射出
位置30との相対位置が位置合わせマーク22との相対
位置に基づいて決定されている光透過領域Bは、版枠1
2およびスクリーン16に対して一定の相対位置に位置
させられる。すなわち、版枠12と光透過領域Bとの相
対位置は、位置決めピン34、光射出位置30、位置合
わせマーク22、および光透過領域B相互の位置関係に
基づいて一義的に決定される。前記の光射出位置30と
位置決めピン34との相対位置は、光透過領域Bと位置
合わせマーク22との相対位置に応じて、上記のように
ポジ・フィルム20が配置された際に版枠12と光透過
領域Bとの相対位置がスクリーン16の中央に光透過領
域Bの配置される位置関係となるように設定されている
のである。このようにして、ポジ・フィルム20の光透
過領域B延いては露光パターンをスクリーン16に対し
て高精度に位置決めした後、続く貼付工程S45におい
て、図7に一点鎖線で示されるように、その位置関係で
ポジ・フィルム20がスクリーン16に粘着テープ44
等によって貼り付けられて固定される。本実施例におい
ては、マスク載置工程S43乃至貼付工程S45が露光
マスク固定工程に対応する。
【0027】複数の製版10が製造される場合には、同
一の版・原稿セット台24および位置合わせ治具32を
用いて、上記のマスク位置決めおよび固定が製版10毎
に、複数の版枠12を載置面26上で順次位置決めし
て、ルーペで観察して光射出位置30から射出された光
とポジ・フィルム20の位置合わせマーク22とを重ね
合わせることで行われる。そのため、複数のポジ・フィ
ルム20にそれぞれ備えられている位置合わせマーク2
2が各々の光透過領域Bに対して一定の位置関係で設け
られていることから、上記のように位置合わせ治具32
から射出された光と位置合わせマーク22とが重なるよ
うに位置合わせをすることにより、複数のスクリーン1
6の同一位置に光透過領域Bが位置するようにポジ・フ
ィルム20がそれぞれ固定されることとなる。
【0028】図3(a) に戻って、露光工程S5では、ア
ーク灯、或いはキセノン・ランプなどの紫外線を含む光
源を用いて所定時間の露光が行われる。このとき、前記
のようにポジ・フィルム20がスクリーン16の中央に
正確に位置させられていることから、そのスクリーン1
6へのパターン焼付けは、中央位置に高精度で為される
こととなる。更に、複数の製版10を製造する場合には
露光工程S5が順次実施されるが、何れの製版10にも
スクリーン16上の同一位置にパターンが焼付けられる
こととなる。続く現像工程S6では、必要に応じて版枠
12ごと水中に浸漬された後、水をスプレすることによ
り、未露光部分の感光性樹脂層42が除去され、仕上工
程S7では、全面露光により感光性樹脂層42から成る
レジスト膜すなわち感光性樹脂18が強化される。これ
らの処理は、複数の製版10を製造する場合には、製版
10毎に順次実施される。
【0029】ここで、図9は、ライン状の二種類の厚膜
パターン、例えば3電極型AC−PDPに備えられる隔
壁46と書込電極48とを、上記のようにして製造した
二枚のスクリーン印刷用製版10を用いて基板上にスク
リーン印刷によって順次形成した状態を模式的に示す図
である。図に示される位置は、印刷領域Aの周縁部に対
応しており、隔壁46および書込電極48は、それらの
長手方向における中央部が図示しない版枠12に向かっ
て凸になるように湾曲させられている。しかしながら、
その変形状態(湾曲状態)は、隣接して位置するもの相
互に略同様になっているため、隔壁46と書込電極48
との相互間隔は、スクリーン16上に形成されている印
刷領域A内における値に略保たれている。前述のよう
に、複数の製版10の各々に備えられる印刷領域Aはス
クリーン16の同一位置に高い位置精度で形成されてい
ることから、そのスクリーン16の周縁部を固定してい
る版枠12との距離に基づくパターンの変形が複数の製
版10相互に同様となっているため、相互間隔が保たれ
て順次形成される厚膜の層間相対位置精度が高められる
のである。
【0030】これに対して、図10に一点鎖線α,βで
例示されるように印刷領域Aが実線で示されるスクリー
ン16の中央位置からずれて形成されている場合には、
その実線で示される位置に印刷領域Aがある製版10
と、一点鎖線α等で示されるように中央からずれた位置
に印刷領域Aがある製版10とでは、印刷領域A内の対
応する部分がスクリーン16上の異なる位置に位置する
こととなる。そのため、スクリーン印刷をするに際して
スキージでスクリーン16を基板に向かって押し付けた
ときのパターンの変形は、そのスクリーン16内におけ
る位置に応じて変化することから、上記のように印刷領
域Aが異なる位置にある製版10によってそれぞれ形成
される厚膜パターンは、変形状態が相違する。そのた
め、前記の図9に一点鎖線で書込電極48の形成位置を
示すように、隔壁46と湾曲状態が相違して、相互間隔
や相対的な位置関係を製版10上における状態に維持し
得なくなる。したがって、このような場合には、変形の
許容幅を大きく設計する必要があって、大型化や高精細
化が困難になるのである。このことは、一辺が1 〜2(m)
程度と極めて大きな製版10において、PDPに要求さ
れる数 (μm)、例えば、S−VGAであれば±3(μm)程
度の精度を実現するための大きな障害となる。なお、図
9においては湾曲状態が誇張して描かれている。
【0031】なお、上記のように印刷するに際して、印
刷領域Aと基板との相対位置を位置合わせする必要があ
るが、その位置合わせは、目視により大まかに版枠12
の取付位置を定めて印刷機に製版10を固定した後、パ
ターン焼付け時に同時に製版10に形成される「とん
ぼ」と称される印を基準として、試し刷りを繰り返すこ
とで行われる。この場合において、製版10の印刷領域
Aは、スクリーン16の中央に高い位置精度で形成され
ているため、版枠12を固定するだけで十分に高い位置
精度が得られる。そのため、粗合わせを必要とすること
なく、1回、多くとも2回程度の試し刷りを行って版枠
12の固定位置の微調整を行うだけで印刷領域Aを所望
の位置に位置させることができる。したがって、製版1
0を印刷機に取り付けて位置調節を実施するために必要
な時間が著しく短くなって、生産効率が高められるとい
う利点もある。例えば、従来においては、1 〜2(m)四方
程度の大きさの製版を印刷機で位置決めするために10〜
15分程度の時間を要していたが、製版10のようにパタ
ーン焼付け位置の精度を高めることにより、その所要時
間は1 〜2 分程度に減じられる。因みに、層間相対位置
精度が低い場合には、図9における隔壁46と一点鎖線
で示される書込電極48との位置関係から明らかなよう
に、厚膜の相互間隔が一様になるように基板と印刷領域
Aとの位置合わせを行うことが困難になる。従来におい
て位置決めに必要な時間が長くなっていたのは、このこ
とも一因となっている。なお、上記の「とんぼ」は、位
置合わせマーク22で兼ねても差し支えない。
【0032】要するに、本実施例によれば、スクリーン
印刷用製版10を製造するに際しては、マスク作製工程
S41において、所定の相対位置関係にある光透過領域
Bおよび複数の位置合わせマーク22を備えたポジ・フ
ィルム20が作製され、スクリーン配置工程S42にお
いて、版枠12を載置面26の所定位置に位置させるた
めの位置決めピン34と、位置合わせマーク22の位置
に応じてその版枠12との相対位置が定められた複数の
光射出位置30からその載置面26上に配置されたスク
リーン16に向かって光を射出させるためのランプ28
および位置合わせ治具32によって構成される発光装置
とを備えた版・原版セット台24において、その載置面
26の所定位置に位置決めピン34で版枠12を位置決
めしてスクリーン16が配置され、露光マスク固定工程
において、光射出位置30から射出された光と位置合わ
せマーク22とが重なるようにポジ・フィルム20がス
クリーン16上に載置されて固定され、更に、露光工程
S5において、スクリーン16の一面に塗着された感光
性樹脂層42がそのスクリーン16上に固定されたポジ
・フィルム20を通して露光される。そのため、光射出
位置30に対して、位置合わせマーク22の位置に応じ
て定められた所定の相対位置に版枠12が位置するよう
に版・原版セット台24の載置面26にスクリーン16
が載置された状態で、光射出位置30から射出された光
と位置合わせマーク22とが重なるようにそのスクリー
ン16上にポジ・フィルム20が固定されることから、
そのポジ・フィルム20に備えられる光透過領域Bとス
クリーン16とは、位置合わせマーク22、光射出位置
30、および版枠12相互の位置関係に基づく一定の相
対位置に位置させられる。したがって、その後に行われ
る感光性樹脂層42の露光処理では、スクリーン16の
一定の位置に光透過領域Bが焼き付けられるため、パタ
ーン焼付け位置の精度を高めることができる。
【0033】上記により、基板の表面に相互に異なるパ
ターンを有する複数のスクリーン印刷用製版10を用い
て隔壁46や書込電極48等の複数種類の厚膜を順次印
刷形成する場合にも、個々のスクリーン印刷用製版10
のパターン形成を上記のように高精度で行うことによ
り、製版10毎に形成される厚膜相互の相対位置精度が
高められるため、印刷領域Aの大型化および高精細化が
容易になる。しかも、版枠12に対する印刷領域Aの相
対位置精度が高められることにより、印刷時における版
枠12の適切な配設位置が一定に保たれるため、それが
版枠12毎に相違する場合に比較して印刷領域Aと基板
との相対位置合わせが容易になる。また、複数のスクリ
ーン印刷用製版10を用いて被印刷体に複数の厚膜パタ
ーンを順次形成する場合にも、印刷領域A内の同位置に
おける歪みの程度が同様になることから複数のパターン
の相対位置精度が高められるため、印刷時におけるパタ
ーン相互の位置合わせも容易になる。また、基板等の被
印刷体に一つの製版10で設けられる個々の厚膜につい
ても、版枠12に対する印刷領域Aの相対位置精度が高
められるので、パターン形状や寸法等の変化が小さくな
るため、この点でも印刷領域の大型化および高精細化が
容易になる。
【0034】また、本実施例においては、光射出位置3
0がスクリーン16の裏面に略接する高さ位置に設けら
れていることから、そのスクリーン16の上に載置され
るポジ・フィルム20と光射出位置30との距離は略零
(厳密に言えば、それらの間に感光性樹脂層42を塗着
されたスクリーン16が存在する)になる。そのため、
ポジ・フィルム20の裏面側から観察して位置合わせマ
ーク22と光射出位置30とを一定の相対位置に位置さ
せるに際して、ランプ28のように発せられる光の指向
性が低い場合にも、相対位置の誤差が生じることが抑制
される。
【0035】また、本実施例においては、基板上に複数
種類のパターンの厚膜を順次形成するために用いられる
複数の製版10が、マスク作製工程S41において、光
透過領域Bおよび複数の位置合わせマーク22を所定の
相対位置関係でそれぞれ表面に備えた複数のポジ・フィ
ルム20が用意される一方、スクリーン配置工程S42
において、版・原版セット台24の載置面26の所定位
置に位置決めピン34で複数の版枠12を順次位置決め
してスクリーン16が配置され、次いで、露光マスク固
定工程において、光射出位置30から射出された光と位
置合わせマーク22とが重なるように、載置面26に順
次載置される複数のスクリーン16の各々の上に複数の
ポジ・フィルム20が順次載置されて固定され、続く露
光工程S5において、複数のスクリーン16の一面にそ
れぞれ塗着された感光性樹脂層42がそれら複数のスク
リーン16の各々の上に固定された複数のポジ・フィル
ム20を通して露光される。そのため、光射出位置30
に対して、光透過領域Bと位置合わせマーク22との相
対位置に応じて定められた所定の相対位置に版枠12が
位置するように版・原版セット台24の載置面26にス
クリーン16が載置された状態で、光射出位置30から
射出された光と位置合わせマーク22とが重なるよう
に、複数のスクリーン16の各々の上に複数のポジ・フ
ィルム20の各々が固定されることから、それら複数の
ポジ・フィルム20にそれぞれ備えられる光透過領域B
とスクリーン16とは、位置合わせマーク22、光射出
位置30、および版枠12相互の位置関係に基づく一定
の相対位置に位置させられる。したがって、その後に行
われる感光性樹脂層42の露光処理では、複数のスクリ
ーン16の一定の位置に光透過領域Bにそれぞれ形成さ
れたパターンが焼き付けられるため、複数のスクリーン
印刷用製版10相互のパターン焼付け位置の精度を高め
ることができる。
【0036】以上、本発明の一適用例を図面を用いて説
明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
【0037】たとえば、前述の実施例において、光射出
位置30は、スクリーン16の裏面に略接する高さに備
えられていたが、そこから射出される光が位置合わせマ
ーク22との位置合わせに支障のない程度の指向性を有
していれば、スクリーン16の裏面から離れた位置に備
えられていても差し支えない。
【0038】また、実施例においては、発光装置がラン
プ28および位置合わせ治具32で構成されていたが、
版・原版セット台24内の光射出位置30の直下の位置
等に、指向性の高いレーザ等から成る複数の光源を備え
て発光装置を構成することもできる。
【0039】また、実施例においては、版枠12を載置
面26の所定位置に位置させるための位置決め装置が3
本の位置決めピン34で構成されていたが、これに代え
て、版枠12の内周面と位置合わせ治具32の外周面と
を当接させることによって版枠12が位置決めされるよ
うに構成することもできる。すなわち、位置決め装置
は、実施例においては位置決め治具32に備えられてい
る光射出位置30との相対位置が一定となるように版枠
12を固定するものであれば、適宜変更することができ
る。
【0040】また、実施例においては、位置合わせマー
ク22および光透過穴38が何れも円形に構成されてい
たが、それらの形状は、予め定められた重なり状態を容
易に判別できる範囲で適宜変更される。また、位置合わ
せマーク22および光射出位置30の数は、2つ以上で
あれば任意に変更できる。
【0041】また、実施例においては、露光マスクがポ
ジ・フィルム20で構成されていたが、ガラス等にクロ
ム等の適当な遮光材料でパターン形成して露光マスクを
構成してもよい。
【0042】また、実施例においては、露光パターンが
設けられている光透過領域Bの外側に位置合わせマーク
22が備えられていたが、基板等の被印刷体の機能に支
障がない位置を適宜選択することにより、光透過領域B
内に位置合わせマーク22を設けても差し支えない。
【0043】また、実施例においては、透明部36と光
透過穴38を備えた遮光部40とで位置決め治具32が
構成されていたが、位置決め治具32は、光射出位置3
0に貫通穴を備えて全体が遮光性の材料で構成されたも
のであってもよい。
【0044】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々の変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一適用例の工程により製造された厚膜
スクリーン印刷用製版を示す斜視図である。
【図2】図1の厚膜スクリーン印刷用製版の要部を拡大
して示す断面図である。
【図3】(a) 、(b) は、図1の厚膜スクリーン印刷用製
版の製造工程の要部を説明する工程図である。
【図4】図3のマスク製造工程で製造されたポジ・フィ
ルムを示す図である。
【図5】図3の原版貼付工程で用いられる版・原版セッ
ト台を示す斜視図である。
【図6】(a) は、図5の版・原版セット台に版枠に固定
されたスクリーンを載置した状態を示す図であり、(b)
は、(a) におけるb−b視断面図である。
【図7】図5の版・原版セット台に配置されたスクリー
ン上にポジ・フィルムを固定した状態を示す図である。
【図8】図7におけるVIII−VIII視断面の要部を拡大し
て示す図である。
【図9】図3の製造工程に従って製造された2枚の製版
を用いてライン状の二種類の厚膜パターンを形成した状
態を説明する図である。
【図10】製版のスクリーン上における印刷領域の位置
関係を説明する図である。
【符号の説明】
10:厚膜スクリーン印刷用製版 12:版枠 16:スクリーン 18:感光性樹脂 20:ポジ・フィルム(露光マスク) 22:位置合わせマーク 24:版・原版セット台(露光マスク取付台) 26:載置面 28:ランプ(発光器) 30:光射出位置 32:位置合わせ治具 34:位置決めピン(位置決め装置) 42:感光性樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒田 一朗 福岡県朝倉郡夜須町大字三並字八ツ並2160 番地九州ノリタケ株式会社内 Fターム(参考) 2H096 AA19 AA26 AA27 AA28 EA13 JA02 2H097 GA06 GA32 KA05 KA12 KA28 LA05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 版枠に張設されたスクリーンの一面に塗
    着された感光性樹脂を露光によりパターン形成するスク
    リーン印刷用製版の製造方法であって、 所定の相対位置関係にある露光パターンおよび複数の位
    置合わせマークを備えた露光マスクを用意する工程と、 前記版枠を載置面の所定位置に位置させるための位置決
    め装置と、前記位置合わせマークの位置に応じて該版枠
    との相対位置が定められた複数の光射出位置から該載置
    面上に配置された前記スクリーンに向かって光を射出す
    るための発光装置とを備えた露光マスク取付台におい
    て、その載置面の所定位置に該位置決め装置で該版枠を
    位置決めして該スクリーンを配置するスクリーン配置工
    程と、 前記光射出位置から射出された光と前記位置合わせマー
    クとが重なるように前記露光マスクを前記スクリーン上
    に載置して固定する露光マスク固定工程と、 前記スクリーンの一面に塗着された前記感光性樹脂を該
    スクリーン上に固定された前記露光マスクを通して露光
    する露光工程とを、含むことを特徴とするスクリーン印
    刷用製版の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記発光装置は、前記露光マスク取付台
    の内部から前記載置面に向かって光を発する発光器と、
    該発光器から発せられた光を透過させるための光透過部
    を前記光射出位置に有する光透過装置とを、含むもので
    ある請求項1のスクリーン印刷用製版の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記発光装置の光射出位置は、前記スク
    リーンの前記載置面側に位置する裏面に略接する高さ位
    置に設けられているものである請求項1または2のスク
    リーン印刷用製版の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006122898A (ja) * 2004-09-30 2006-05-18 Ricoh Printing Systems Ltd 薄膜形成装置および薄膜形成方法
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JP2016153222A (ja) * 2013-03-15 2016-08-25 エムアンドアール プリンティング エクイップメント,インコーポレイティド スクリーン印刷用スクリーンを作成する方法及び装置
EP3200011A4 (en) * 2014-09-24 2018-05-30 Boe Technology Group Co. Ltd. Alignment device and aligning method

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