JP2000171631A - 偏光子及びそれを用いた光アイソレータ - Google Patents

偏光子及びそれを用いた光アイソレータ

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JP2000171631A
JP2000171631A JP10342084A JP34208498A JP2000171631A JP 2000171631 A JP2000171631 A JP 2000171631A JP 10342084 A JP10342084 A JP 10342084A JP 34208498 A JP34208498 A JP 34208498A JP 2000171631 A JP2000171631 A JP 2000171631A
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Yasushi Sato
恭史 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便で且つ高精度に位置決めできる偏光子及
びそれを用いた光アイソレータを提供すること。 【解決手段】 誘電体3中に光吸収異方性を有する金属
体2aが多数分散配列されて成る偏光子Pの少なくとも
一主面に、金属体2aの光吸収方向と一致する長軸を備
えた形状の位置決め用マーカー5を1箇所以上に形成せ
しめたものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信機器、光記
録用機器、センサー等に使用される偏光子に関するもの
であり、特に光通信用機器に用いられる光アイソレータ
に好適に使用される偏光子及びそれを用いた光アイソレ
ータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の偏光子Jの一例を図14に示す。
この偏光子Jは、ガラス51中に回転楕円体状を成す金
属粒子52が分散されており、入射光L1に対して金属
粒子52の長軸方向の偏光成分を吸収し、短軸方向の偏
光成分をほとんど透過させることで、偏光子として動作
させるものである。
【0003】このような偏光子Jは、光吸収異方性を有
する微細な金属粒子52をガラス51中に分散させるこ
とで偏光特性を得るものであり、偏光フィルム等よりも
損失が小さく、しかも耐久性が高いため、光通信の分野
で活用されている。
【0004】上記偏光子Jは、例えば次のようにして作
製される。まず、ハロゲン化銀を含むガラス中に熱処理
によりハロゲン化銀を凝集させ、次いで熱塑性加工によ
り微細なハロゲン化銀粒子の回転楕円体への変形と、該
回転楕円体の長軸方向の配向を同時に行なった後に、ハ
ロゲン化銀を金属銀に還元して偏光特性を生じるように
して偏光子を得る(例えば、特開昭56−169140
号公報等を参照、以下、溶融法という)。
【0005】同じくガラス中に金属微粒子を分散させた
偏光子として、次のようなものが提案されている。すな
わち、ガラス等の誘電体基板上に真空蒸着等の薄膜形成
法を利用して金属を島状に成膜した島状金属粒子の膜
と、ガラス等から成る誘電体膜とを交互に形成し、熱塑
性加工により島状金属粒子に対して異方性を付与した偏
光子が提案されている(以下、薄膜法という)。このよ
うな薄膜法は、上記溶融法と比較すると還元が不要でプ
ロセスが簡便となる等のメリットを有している(例え
ば、1990年電子情報通信学会秋期全国大会予稿集C
−212等を参照)。
【0006】これらの偏光子は、主に図15に示すよう
な光アイソレータに構成され、光通信、光計測等の分野
で利用される。偏光子J1と偏光子J2との間に、ファ
ラデー回転子Fを挟み、入射側の偏光子J1の消光方向
に対し、出射側の偏光子J2はその消光方向が磁界方向
に対し右ネジ方向に45度の角度となるように配設され
ている。これにより、入射側の偏光子J1の消光方向に
対し直交する偏光面を有する入射光K1は、偏光子J2
を通過し、その偏光面がファラデー回転子Fにより磁界
方向に対し右ネジ方向に45度回転させられる。この入
射光K1は出射側偏光子の消光方向に対しても直交する
ので、ほとんど減衰せずに通過し出射光K2として出射
される。一方、逆光K3は出射側の偏光子J2の消光方
向と直交する偏光のみを通過する。この直線偏光は偏光
面がファラデー回転子により磁界方向に対し右ネジ方向
に45度回転するので、入射側偏光子J1の消光方向と
同一になり大きく減衰する。
【0007】以上述べたように、偏光子は光アイソレー
タに好適に利用されるが、組み立て時の消光方向の相対
的な角度合わせは、光アイソレータのアイソレーション
を決定する際のもっとも重要な事項となる。
【0008】図16は、消光比40dB程度の偏光子に
おいて、入射する直線偏光の偏光方向が偏光子の消光方
向からずれた場合の光減衰量を示したグラフである。光
アイソレータの実装上のずれで考えると、横軸は2つの
偏光子の消光方向の相対角度の45度からのずれを示す
ことになる。
【0009】この図からわかるように、例えば消光比4
0dBの偏光子を用いた場合でも、相対角度が1度ずれ
るとアイソレーションは34dBに劣化してしまう。消
光比40dBの偏光子を用いて、アイソレーションが3
5dB以上の光アイソレータを量産する場合は、素子毎
の特性ばらつき等を考慮し、相対角度差は0.5度以下
に抑える必要がある。
【0010】一般的には、ファラデー回転子も素子毎に
回転角のばらつきがあるので、実際に光アイソレータを
仮組みした状態で光を通し、アイソレーションが最大に
なる状態に位置合わせを行い瞬間的にYAG溶接等で固
定する。この工程は完成品1つずつ全てに行う必要があ
り、煩雑で高価格化の原因となっていた。
【0011】この煩雑さの問題を解消するために、偏光
子の消光方向と外形の一辺を予め0度(又は90度)と
45度になるように加工しておき、同一平面上に配設す
るだけで偏光子の消光方向が互いに45度を成すように
したものが提案されている(特開平10−186280
号公報を参照)。
【0012】また、正方形に成形した偏光子の消光方向
と偏光子の外形の1辺が平行に、もう1辺が直交するよ
うに加工しておき、設置面が45度回転した位置にある
部品に搭載することで、偏光子の消光方向が互いに45
度異なる方向にしたものも提案されている(特開平10
−68907号公報を参照)。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した溶
融法及び薄膜法で形成した偏光子は、内包する金属粒子
に異方性を持たせるために加熱して引き伸ばす工程が不
可欠であり、この工程の後に切断し、成形することにな
る。したがって、光アイソレータを組み立てる場合に
は、偏光子の外形形状と消光方向は切断、成形時に調整
して、偏光子のホルダに実装しなければならないが、こ
れまで、簡便で且つ精度良く行える偏光子の実装方法が
なかった。
【0014】また、偏光子に実際に光を通し消光比を測
定しながら方向を決めた後、治具等を工夫してずれない
ように加工器に固定し切削することになるが、現在の技
術では消光比を測定しながら同時に切削を行うことは非
常に困難で、たとえ可能であったとしても作業が煩雑な
り問題である。
【0015】さらに、上記のような加工では消光比の測
定による位置決めと加工を別に行うため、偏光子の消光
方向と外形の辺との精度は1度程度が限界である。した
がって、上述した0.5度以内の組み立て誤差(相対角
度差)は実質不可能であり、偏光子の消光比が高い場合
でも、光アイソレータとしてのアイソレーションは低く
なり、また高アイソレーションの光アイソレータを生産
するためには、さらに高価な高消光比の偏光子が必要に
なる。
【0016】以上のような従来の諸問題に鑑み、本発明
では簡便で且つ高精度に位置決めできる偏光子及びそれ
を用いた光アイソレータを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の偏光子は、誘電体中に光吸収異方性を有す
る金属体が多数分散配列されて成る偏光子の少なくとも
一主面に、前記金属体の光吸収方向と一致する長軸を備
えた形状の位置決め用マーカーを1箇所以上に形成せし
めた。
【0018】また、誘電体中に光吸収異方性を有する金
属体が多数分散配列されて成り外形が曲面を成す偏光子
の側面に、前記金属体の光吸収方向に平行な位置決め用
平面を形成せしめた。
【0019】ここで特に、位置決め用マーカーが金属
膜、開口、もしくは凸形状を成すことを特徴とする。
【0020】また、本発明の光アイソレータは、ホルダ
に配設したファラデー回転子の光入射側及び光出射側の
少なくとも一方に、上記偏光子をホルダに対して位置決
め配設して成るものとする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態につい
て、図面に基づき詳細に説明する。
【0022】本発明の偏光子Pの基本構成の斜視図を図
1に示す。同図に示すように偏光子Pは、ガラス等から
なる透明な誘電体基板1の一主面上に偏光層4を設けた
ものである。この偏光層4は、熱塑性加工により光吸収
異方性と配向性が付与された金属粒子2aが誘電体層中
に分散配列された金属粒子層2と誘電体基板1と同一材
質の誘電体層3とが交互に積層されて成るものであり、
この偏光層4の表面に金属等の薄膜により形成された位
置決め用マーカー5が1箇所以上に形成されている。な
お、この位置決め用マーカー5は偏光子Pの少なくとも
一主面に形成されていればよい。
【0023】位置決め用マーカー5は金属体である金属
粒子2aの光吸収異方性と一致する長軸を備えたもので
あり、金属薄膜、開口、もしくは凸形状を成すものと
し、後熱塑性加工により金属粒子とほぼ同一のアスペク
ト比(長軸長さ/短軸長さ)の形状に形成できる。
【0024】偏光子Pは、偏光層4を構成する金属粒子
2aが、形状異方性(即ち光吸収異方性)及び配向性を
有することによって偏光子として機能する。例えば、図
1に示すように、X方向(金属粒子2aの長軸方向)と
Y方向(金属粒子2aの短軸方向)の偏光成分を持つ入
射光L1は、偏光層4を通過することでX方向の偏光成
分がほとんど吸収され、出射光L2はY方向に偏光した
光になる。したがってX方向が消光方向(光吸収方向)
となる。
【0025】ここで、位置決め用マーカー5は、熱塑性
加工により金属粒子2aと同様にして異方性が付与され
るので、X方向とのずれがほぼ0度であるが、消光方向
と位置決め用マーカー5の長軸方向の角度ずれは0.2
度以下であれば、後記する光アイソレータの組み立て時
における偏光子の位置決めを正確に行うことができ、消
光比がほとんど低下しない。
【0026】ここで、位置決め用マーカー5は以下のよ
うに活用することができる。まず、光アイソレータ実装
時に位置決め用マーカー5を目安に位置合わせが可能で
あり、特に偏光子の外形が円形状等の曲面を有する場合
に有効である。
【0027】また、この位置決め用マーカー5を基準に
して、外形の一辺と位置決め用マーカー5が平行になる
ように成形する。従来のように消光比を測定しながら切
削するのは実質上無理であるが、表面の位置決め用マー
カー5をCCD等でモニターしながら切削方向を調整す
るのは極めて容易である。
【0028】また、偏光子をはんだ固定する部材(ホル
ダ)に、同様の略長方形の金属パターン(例えば、はん
だ濡れの悪いSUS部材上にNi/Au等の針状のめっ
きパターン)を形成すれば、はんだは偏光子上の針状の
位置決め用マーカー5とホルダ上の針状の金属パターン
にのみ濡れるため、偏光子の位置合わせパターンとホル
ダ上の金属パターンのずれが最小になるように、はんだ
の表面張力で自動的にアライメントされる。
【0029】また、位置決め用マーカー5に作用する表
面張力は、位置決め用マーカー5の外周の長さに比例す
るので、位置決め用マーカー5の外周の長さをL(μ
m)とし、偏光子の重さをM(g)とし、偏光子に働く
重力の10倍以上でアライメントする場合、下記式
(A)を満足する位置決め用マーカーを作製すれば、表
面張力で偏光子の位置決めが充分可能である。
【0030】 L>1.1×105 ×M ・・・ (A) ここで、偏光子に働く重力の10倍以上を基準としたの
は、偏光子によるまさつ等も考慮し、それに打ち勝って
移動させるのに必要な力を導き出すためである。
【0031】また、金属粒子2aのアスペクト比と位置
決め用マーカー5のアスペクト比とはほぼ一致するの
で、アスペクト比と消光させる光の中心波長との線形関
係より位置決め用マーカーに偏光子の特性を示すマーカ
ーとしても兼用することができる。
【0032】次に、偏光子の代表的な作製方法につい
て、以下の工程(1)〜(6)に基づいて説明する。
【0033】(1)透光性を有する誘電体基板1上に島
状微粒子から成る金属粒子層2をスパッタ法により被着
形成させる工程。
【0034】(2)誘電体基板1全体を誘電体基板1を
構成する誘電体材料のガラス徐冷点より低い温度で加熱
して、島状微粒子を凝集させて所望の寸法の金属粒子2
aに成長させる工程。
【0035】(3)多数の金属粒子2aから成る層上に
スパッタ法により誘電体層3を膜状に形成させる工程。
【0036】所望の消光比を得るために、上記(1)か
ら(3)を数回繰り返しすことにより、図2に示すよう
に、誘電体基板1上に偏光層4が形成される。
【0037】(4)図3に示すように、偏光層4の表面
に微小エッチングによる段差や金属薄膜により直径20
0μm程度の円形位置決め用マーカー5を形成する。
【0038】(5)次に、ガラス軟化点と除冷点の間の
温度で加熱し一定方向に張力を加えることで延伸せしめ
(熱塑性加工)、偏光層4中に分散した金属粒子2aに
異方性と配向性を付与する。また、図4に示すように、
表面の円形位置決め用マーカー5も偏光層4中の金属粒
子2aと全く同一の方向に引き伸ばされた楕円状(針
状)の形状になる。
【0039】(6)最後に、偏光子Pの両主面に洗浄等
を施し、さらに両主面の位置決め用マーカー5を除く領
域に、TiO2 ,SiO2 ,MgO等の誘電体材料から
なる単層もしくは多層膜からなる反射防止膜を形成す
る。
【0040】なお、誘電体基板1にはホウ珪酸ガラスの
一種である、BK−7ガラス(ホーヤ社製、SiO2
約69重量%、B2 3 が約10重量%)、パイレック
スガラス(コーニング社製#7740、SiO2 が約8
3重量%、B2 3 が約13重量%)、石英ガラス等が
好適である。
【0041】また、金属粒子2aは、Cu,Ag,A
u,Pt,Cr等が光吸収性が高いため好ましい。特に
Cu,Ag,Au,Ptは酸化しにくい上に粒子化し易
いのでより好適である。
【0042】また、位置決め用マーカー5は、予めガラ
ス膜や金属等を略円形に成膜したり、微小な径にエッチ
ングすれば良い。金属を用いる場合は加熱延伸で酸化し
難いAu,Ag,Pt等が適当である。また、位置決め
用マーカー5は上記金属膜や開口としての凹部だけでな
く、貫通孔等の開口や凸形状に形成してもよい。
【0043】また、薄膜法による偏光子を用いて説明し
ているが、溶融法の偏光子に位置決め用マーカーを形成
して適用することも可能である。延伸による工程を含む
ものはすべて本発明の位置決め用マーカーを用いること
ができる。ただし、偏光子表面への金属薄膜によるマー
カーの形成は、薄膜法ならば偏光子作製のための従来の
製造装置の中において、ほとんど工程を増加させること
がないのでより好適である。
【0044】さらに、熱塑性加工時に、多数の偏光子に
対して位置決め用マーカーを作製でき、個々の偏光子位
置決め用マーカーを形成させる必要がないので、多数の
偏光子の作製を非常に簡便に行うことができる。
【0045】次に、他の実施形態について説明する。上
記位置決め用マーカーは、金属体の光吸収方向と一致す
る長軸を備えた形状とし、例えば金属膜、開口、もしく
は凸形状を成すものとしたが、特に、円盤状の偏光子な
どのように、曲面を成す偏光子の側面に、偏光層を構成
する金属体の光吸収方向に平行な位置決め用平面を形成
して偏光子としてもよい。
【0046】そして、光アイソレータを構成するファラ
デー回転子を配設したホルダに、少なくとも偏光子の位
置決め用平面を当接させる平面を備えた支持台を設け、
この支持台と偏光子の位置決め用平面とで、偏光子のフ
ァラデー回転子に対する(ホルダに対する)位置を決定
するようにして、偏光子の消光方向位置を正確に位置決
めできるようにしてもよい。
【0047】この方法によれば、ホルダに位置合わせ用
のパターンを形成する必要がなく、偏光子をホルダの支
持台に載置するだけで、偏光子の消光比方向位置を正確
に決定することができる。
【0048】
【実施例】次に具体的な実施例について説明する。
【0049】〔例1〕図1に示す誘電体基板1,誘電体
薄膜層3に、それぞれホウ珪酸ガラスの一種であるBK
−7を用い、金属粒子2aとしてCuを用いた。また、
位置決め用マーカー5にはAuを用いた。
【0050】まず、各金属粒子層2の厚さは約24n
m、誘電体薄膜層3の厚さは約200nmとし、交互に
10層ずつ成膜し、誘電体基板1上に偏光層4を形成し
た。なお、誘電体薄膜層3は200℃で成膜した。
【0051】次に、偏光層4の表面にAu薄膜による直
径200μmの円形状の位置決め用マーカー5を対称位
置に形成した。
【0052】次に、偏光層4を含む誘電体基板1の全体
を、材料であるBK−7の軟化点と徐冷点の間の温度で
ある約620℃に加熱し延伸を行い、全体の厚さを約1
/3とした。また、位置決め用マーカー5は長さ1.8
mm、幅約70μmの楕円状もしくは針状に変形させ
た。
【0053】次に、図5に示す偏光子P0の両主面(表
裏面)に洗浄を施し、さらに両主面で位置決めマーカー
5を除く領域に、TiO2 ,SiO2 の合計5層からな
る反射防止膜を形成した。このように、反射防止膜を形
成する際に、位置決め用マーカー5上にはマスクを施
し、反射防止膜が付着しないようにしている。これは位
置決め用マーカー5をはんだづけに利用するためであ
る。なお、位置決め用マーカー5はもともと有効径の外
側にあるので、反射防止膜が無くとも問題はない。ま
た、位置決め用マーカー5を形成するためのマスクは、
成膜装置への固定治具をの形状をちょうど位置決め用マ
ーカー上を抑える形状にしたり、テープを貼着したり、
レジストを塗布等してもよく、この際の厳密な位置合わ
せは不要である。
【0054】最後に、光アイソレータに実装するため
に、直径1.2mmの円盤状に切削した。この切削加工
は、円筒形の金型をワークに押し当て遊離砥粒を流しな
がら超音波加工機で行ったもので、正確に金型形状に切
削できた。
【0055】〔例2〕例1と同様に、誘電体基板1、誘
電体薄膜層3にそれぞれホウ珪酸ガラスの一種であるB
K−7、金属粒子2aにCuを用い、表面の位置決め用
マーカーにはAuを用いた。
【0056】例1と同様に、各金属粒子層2の厚さは約
24nm、誘電体薄膜層3の厚さは約200nmとし、
交互に10層ずつ成膜し誘電体基板1上に偏光層4を形
成した後、その表面にAu薄膜による直径200μmの
円形の位置決め用マーカー5を形成した。
【0057】次に、偏光層4を含む誘電体基板1全体
を、材料であるBK−7の軟化点と除冷点の間の温度で
ある約620℃に加熱し延伸を行い、全体の厚さを約1
/3とした。
【0058】次に、偏光子Pの両主面(表裏面)に洗浄
を施し、さらに両主面に、TiO2,SiO2 から成り
合計5層からなる反射防止膜を形成した。
【0059】最後に、光アイソレータに実装するために
切削を行うが、位置決め用マーカー5を基準に外形の一
部を位置決め用マーカーと平行に成形した。
【0060】ここでは、図6,7に示すように、全体を
正方形にし、その一辺が位置決め用マーカーと平行に切
削した偏光子P1及び、角部に位置決め用マーカーを設
けた偏光子P2を作製した。
【0061】〔例3〕図8に後記する光アイソレータH
1を構成するSUS等から成るホルダ7を示す。図9に
は例1の偏光子P0をホルダ7に実装した光アイソレー
タH1である。ホルダ(マウント)7には偏光子搭載用
の搭載用マーカー11が形成されている。この搭載用マ
ーカー11は、所定方向が長軸となった針状に形成され
た金属薄膜(Ni/Au)の上面にはんだ層を形成して
成る。
【0062】この搭載用マーカー11に偏光子P0の位
置決め用マーカー5を合わせた状態ではんだを溶融させ
れば、はんだの表面張力で自動的にアライメントされ
る。なお、偏光子P0の固定はホルダ7の偏光子搭載面
を上面として行う。
【0063】〔例4〕図10は例2の偏光子P1,P2
を例3と同様な材質のホルダ7に搭載した光アイソレー
タH2である。ホルダ7には偏光子搭載部8,9、ファ
ラデー回転子搭載部10を設け、偏光子搭載部8、9の
底部を、偏光子の搭載面と平行な面に形成されている。
偏光子P1、P2がそれぞれ位置決め用マーカー5に対
し、その外形が0度と45度の角度を成し切削されてい
るので、ファラデー回転子10,偏光子P1,P2をそ
れぞれ搭載するだけで自動的に角度合わせが可能であ
る。
【0064】〔例5〕図11に示すように、例1に示し
た円盤状の偏光子P0において、位置決め用マーカー5
を一箇所だけ設け、この位置決め用マーカー5に平行に
切削し(位置決め用マーカー5を通る切削線Cまで切削
してもよい)、位置決め用平面12を形成した偏光子P
3を作製した。
【0065】この偏光子P0を搭載する例3と同様な材
質のホルダ14の前後両面には、偏光子P0を搭載する
ための傾斜面14a,14cを正確に形成し、さらに、
偏光子P3を支持する傾斜面14bを形成したものであ
る。
【0066】この実施例によれば、ホルダ14側に偏光
子の搭載用のマーカーを設ける必要がなく、ホルダ側に
支持台となる傾斜面14a,14cを正確に形成すれ
ば、偏光子P3を正確かつ簡便に位置決めできる。
【0067】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
偏光子の消光方向(光吸収方向)を示す位置決め用マー
カーを消光比の測定を行うこと無しに簡便に形成でき
る。
【0068】また、偏光子の消光方向と位置決め用マー
カーとのずれを無くすことができるので、偏光子をホル
ダに精度良く位置合わせして光アイソレータに組み立て
ることが簡便にでき、消光比の低下がないアイソレーシ
ョンの高い優れた光アイソレータを提供できる。
【0069】また、円盤状の偏光子に対しても消光方向
(光吸収方向)の指示が可能であり、位置決め用マーカ
ーに基づいてホルダに偏光子を精度良く位置合わせする
ことが簡便に行える。
【0070】さらに、熱塑性加工時に、多数の偏光子に
対して位置決め用マーカーを作製でき、個々の偏光子位
置決め用マーカーを形成させる必要がないので、多数の
偏光子の作製を非常に簡便に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る偏光子の斜視図である。
【図2】本発明に係る偏光子の位置決め用マーカーの形
成過程を説明するための図であり、偏光子の斜視図であ
る。
【図3】本発明に係る偏光子の位置決め用マーカーの形
成過程を説明するための図であり、偏光子の斜視図であ
る。
【図4】本発明に係る偏光子の位置決め用マーカーの形
成過程を説明するための図であり、偏光子の斜視図であ
る。
【図5】本発明に係る他の偏光子を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る他の偏光子を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る他の偏光子を示す斜視図である。
【図8】本発明の偏光子を用いた光アイソレータを構成
するホルダを示す斜視図である。
【図9】本発明の偏光子を用いた光アイソレータを示す
斜視図である。
【図10】本発明の偏光子を用いた他の光アイソレータ
を示す斜視図である。
【図11】本発明の他の偏光子を用いた光アイソレータ
を構成するホルダを示す斜視図である。
【図12】本発明の他の偏光子を用いた光アイソレータ
を示す斜視図である。
【図13】本発明の他の偏光子を用いた他の光アイソレ
ータを示す斜視図である。
【図14】従来の偏光子の動作を模式的に説明する斜視
図である。
【図15】従来の偏光子を用いた光アイソレータを示す
断面図である。
【図16】偏光子に入射する直線偏光の角度ずれと特性
変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1:誘電体基板 2:金属粒子層 2a:金属粒子 3:誘電体薄膜層 4:偏光層 5:位置決め用マーカー 12:位置決め用平面 F:ファラデー回転子 H1,H2:光アイソレータ P,P0,P1,P2,P3:偏光子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体中に光吸収異方性を有する金属体
    が多数分散配列されて成る偏光子の少なくとも一主面
    に、前記金属体の光吸収方向と一致する長軸を備えた形
    状の位置決め用マーカーを1箇所以上に形成せしめた偏
    光子。
  2. 【請求項2】 誘電体中に光吸収異方性を有する金属体
    が多数分散配列されて成り外形が曲面を成す偏光子の側
    面に、前記金属体の光吸収方向に平行な位置決め用平面
    を形成せしめた偏光子。
  3. 【請求項3】 前記位置決め用マーカーが金属膜、開
    口、もしくは凸形状を成すことを特徴とする請求項1に
    記載の偏光子。
  4. 【請求項4】 ホルダに配設したファラデー回転子の光
    入射側及び光出射側の少なくとも一方に、請求項1又は
    請求項2に記載の偏光子を前記ホルダに対して位置決め
    配設して成る光アイソレータ。
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