JP2000170860A - 摩擦変速機 - Google Patents

摩擦変速機

Info

Publication number
JP2000170860A
JP2000170860A JP34247498A JP34247498A JP2000170860A JP 2000170860 A JP2000170860 A JP 2000170860A JP 34247498 A JP34247498 A JP 34247498A JP 34247498 A JP34247498 A JP 34247498A JP 2000170860 A JP2000170860 A JP 2000170860A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
disk
friction surface
idler
shaft
input
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34247498A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryoichi Otaki
大滝  亮一
Hiroyoshi Sasagai
博義 笹外
Kazuo Chikaraishi
一穂 力石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP34247498A priority Critical patent/JP2000170860A/ja
Publication of JP2000170860A publication Critical patent/JP2000170860A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Friction Gearing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな変速比を得る事ができ、しかも安定し
た性能を発揮できる構造を実現する。 【解決手段】 入力軸1及びアイドラシャフト27と出
力軸4とを、互いの中心軸α、βが交差する状態で配置
する。入力軸1と同心に固定した入力ディスク2の入力
摩擦面20及びアイドラシャフト27と同心に配置した
第二のアイドラディスク32の第二のアイドラ摩擦面3
3と、出力軸4と同心に支持した出力ディスク3の出力
摩擦面22及びアイドラディスク21のアイドラ摩擦面
24とを摩擦係合させる。皿板ばね18、31により、
各摩擦面同士の当接圧を確保する。上記入力摩擦面20
の母線の傾斜角度θを9.7度以下とし、入力摩擦面2
0の径と出力摩擦面22の径との比を大きくして、減速
機の減速比を大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る摩擦変速機
は、例えば自動車の操舵装置に組み込み、電動モータを
補助動力として、運転者がステアリングホイールを操作
する為に要する力の軽減を図る、電動式パワーステアリ
ング装置用の減速機として利用する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】それぞ
れの外周面を円すい凸面とした1対のディスクを交差方
向に配置した摩擦変速機が、特開平6−288453号
公報、実開昭58−193148号公報等に記載されて
いる様に、従来から知られている。この様な摩擦変速機
は、入力ディスクの外周面に形成した円すい凸面状の入
力摩擦面と、出力ディスクの外周面に形成した出力摩擦
面とを当接させ、これら両摩擦面同士の摩擦係合に基づ
き、上記入力ディスクから出力ディスクへのトルク伝達
を自在としている。
【0003】又、上記入力、出力両摩擦面同士が滑る事
を防止すべく、これら両摩擦面同士の当接圧を確保する
為、上記特開平6−288453号公報に記載された発
明の場合には、ローディングカム装置により出力ディス
クを入力ディスクに向け押圧している。又、上記実開昭
58−193148号公報に記載された発明の場合に
は、ねじの緊締により、入力ディスクを出力ディスクに
向け押圧している。ところが、これら各公報に記載され
た摩擦変速機は、工作機械等の一般的な機械装置に組み
込む事を前提として考えられたものであり、電動式パワ
ーステアリング装置用の減速機の様に、大きな減速比を
得る事、並びにその場合に発生する問題に就いての考慮
をしていない。
【0004】具体的に説明すると、大きな変速比を得る
べく、入力ディスクの径を小さくする為には、入力摩擦
面の傾斜角度を小さく(0度に近く)し、出力摩擦面の
傾斜角度を大きく(90度に近く)する必要がある。例
えば、入力ディスクと出力ディスクとを、これら両ディ
スクの中心軸同士が互いに直交する方向に配置し、各デ
ィスクの摩擦面の母線を同一の点で交差させる様にした
場合、入力摩擦面の母線の上記入力ディスクの中心軸に
対する傾斜角度をθとすれば、上記入力ディスクと出力
ディスクとの間の減速比kは、k=1/ tanθとなる。
例えば、摩擦変速機を電動式パワーステアリング装置用
の減速機として利用する場合、この摩擦変速機の減速比
を5.8以上確保する事が好ましい為、上記傾斜角度θ
を9.7度以下にする必要がある。
【0005】この様に入力摩擦面の傾斜角度を小さくし
た場合、上記特開平6−288453号公報に記載され
た発明の場合の様に、ローディングカム装置により出力
ディスクを入力ディスクに押圧するのでは、上記両摩擦
面同士の当接圧を確保する為には、上記ローディングカ
ム装置による押圧力を大きくする必要が生じる。この様
にローディングカム装置自体に大きな押圧力を発生させ
る事は、装置の大型化や動力伝達時の応答性低下の原因
となる為、好ましくない。
【0006】これに対して前記実開昭58−19314
8号公報に記載された発明の場合には、出力摩擦面に比
べて小さな傾斜角度を有する入力摩擦面を有する入力デ
ィスクを押圧する為、くさび作用により、小さな押圧力
で上記両摩擦面同士の当接圧を十分に高くできる。その
反面、少しの押圧力でも上記入力摩擦面を出力摩擦面に
押し付ける垂直力(上記当接圧に比例する)が大きく変
化する為、この当接圧を適正範囲に規制する事が難し
い。即ち、上記押圧力をTとし、上記垂直力をPとした
場合、これら両力T、Pと上記傾斜角度θとの関係は、
P=(T/ sinθ)/2となる。図6は、これら両力
T、Pの比P/Tと、上記傾斜角度θとの関係を示して
いる。上記式及びこの図6の記載から明らかな通り、摩
擦変速機の減速比を5.8以上確保すべく、上記傾斜角
度θを9.7度以下にすると、上記両力T、Pの比P/
Tが3若しくはそれ以上になる。
【0007】一方、上記実開昭58−193148号公
報に記載された発明の場合の様に、ねじの緊締に基づい
て上記押圧力Tを得る構造の場合には、この押圧力Tの
調節自体難しく、上記垂直力P及び当接圧を適性範囲に
規制する事は難しい。しかも、仮にこれら垂直力P及び
当接圧を適性範囲に規制したとしても、温度変化に基づ
いて構成各部材が膨張或は収縮した場合には、上記垂直
力P及び当接圧が適正範囲から外れ易い。本発明の摩擦
変速機は、上述の様な事情に鑑みて、大きな変速比を得
られる構造で、しかも大型化する事なく摩擦面同士の当
接圧を適正範囲に規制する事を容易に行なえる構造を実
現すべく発明したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の摩擦変速機は、
ハウジングと、このハウジングの内側に回転自在に設け
られた第一の回転軸と、この第一の回転軸の一部外周面
に、この第一の回転軸と同心に支持固定されてこの第一
の回転軸と共に回転する第一の動力伝達ディスクと、こ
の第一の動力伝達ディスクに設けられた、上記第一の回
転軸と同心で円すい凸面状の第一の摩擦面と、上記第一
の回転軸の一部外周面で上記第一の動力伝達ディスクに
隣接する部分に、この第一の回転軸と同心に且つこの第
一の回転軸に対する回転自在に支持されたアイドラディ
スクと、このアイドラディスクに設けられた、上記第一
の回転軸と同心で上記第一の摩擦面と同形状のアイドラ
摩擦面と、上記第一の回転軸の配設方向と交差する方向
に配置された第二の回転軸と、この第二の回転軸に対
し、この第二の回転軸と同心に支持固定されてこの第二
の回転軸と共に回転する第二の動力伝達ディスクと、こ
の第二の動力伝達ディスクに設けられた、上記第二の回
転軸と同心で、中心軸に対する母線の傾斜角度が9.7
度以下である円すい凸面状の第二の摩擦面と、上記第二
の動力伝達ディスクを上記第一のディスク及びアイドラ
ディスクの直径方向内方に向け弾性的に押圧する弾性押
圧手段とを備える。
【0009】
【作用】上述の様な本発明の摩擦式変速機の作動時に
は、第一の摩擦面と第二の摩擦面との摩擦係合に基づ
き、第一の動力伝達ディスクと第二の動力伝達ディスク
との間でトルクが伝達される。これら第一、第二の動力
伝達ディスク同士の間の変速比は、第一の摩擦面の径と
第二の摩擦面の径との比となる。本発明の摩擦変速機の
場合には、上記第一、第二の動力伝達ディスクを、これ
ら両ディスクの中心軸同士を交差させる方向に配置して
いるので、上記第一、第二の摩擦面の径を自由に設定で
きる。特に、第一の摩擦面の傾斜角度を小さくし、この
第一の摩擦面の径を相当に小さくする事も可能である
為、上記第一の摩擦面の径と第二の摩擦面の径との比を
大きくし、小型でしかも大きな変速比を得られる摩擦式
変速機を得られる。又、弾性押圧手段は、上記第一の動
力伝達ディスクを所定の力で押圧して、上記第一、第二
の摩擦面同士の当接圧を適正値にする。
【0010】
【発明の実施の形態】図1〜2は、本発明の実施の形態
の第1例を示している。本例は、本発明を減速機として
実施する場合に就いて示したもので、入力軸1の回転を
入力ディスク2及び出力ディスク3を介して出力軸4に
伝達する様に構成している。この出力ディスク3は、出
力軸4の基半部(図1の右半部)に、締り嵌め或は非円
形嵌合等により、この出力軸4と同期した回転自在に外
嵌固定したスリーブ5の中間部外周面に、このスリーブ
5と一体に形成している。このうち、第一の回転軸であ
る上記出力軸4及びスリーブ5は、ハウジング6の内側
中心部に、それぞれがシール付の深溝型の玉軸受であ
る、1対の転がり軸受7a、7bにより、回転及び軸方
向に亙る移動自在に支持している。
【0011】即ち、上記各転がり軸受7a、7bを構成
する外輪8a、8bを、上記ハウジング6の軸方向両端
開口部にねじ止め固定した蓋体9a、9bの内周縁部に
内嵌固定すると共に、上記各転がり軸受7a、7bを構
成する内輪10a、10bを、上記出力軸4の中間部或
は上記スリーブ5の基端部(図1の右端部)に、軸方向
に亙る摺動自在に外嵌している。従って、上記出力軸4
及びスリーブ5は上記ハウジング6に対し、回転及び軸
方向(図1の左右方向)に亙る変位自在に支持されてい
る。尚、上記出力軸4の中間部或は上記スリーブ5の基
端部の外周面と上記各内輪10a、10bの内周面との
間にはシールリングを設けて、上記ハウジング6内に封
入した潤滑油(トラクションオイル)の漏洩防止を図っ
ている。
【0012】又、上記ハウジング6の側方(図1の上
方)には、第二の回転軸である入力軸1を、それぞれが
シール付の深溝型の玉軸受である1対の転がり軸受1
2、12により、回転自在に支持している。上記入力軸
1は、これら両転がり軸受12、12を構成する内輪1
3、13に、軸方向(図1の上下方向)に亙る摺動自在
に嵌装している。そして、上記ハウジング6の側面部分
にねじ35、35により固定した、ホルダ14の内側に
上記入力軸1を、回転及び軸方向に亙る移動自在に支持
している。この様に上記入力軸1と上記出力軸4とを上
記ハウジング6に支持した状態で、これら入力軸1の中
心軸αと出力軸4の中心軸βとは、この出力軸4の中心
軸β上の点O部分で交差する。
【0013】上記入力軸1の基端部(図1の上端部)に
はスプライン部15を設け、このスプライン部15と駆
動入力軸16とを係合させて、上記入力軸1を回転駆動
自在としている。又、上記入力軸1の中間部外周面に
は、外向フランジ状の係止鍔部17を形成し、この係止
鍔部17の片側面(図1の上面)と、外側(図1の上
側)の転がり軸受12を構成する内輪13の内端面(図
1の下端面)との間に、弾性部材である皿板ばね18を
設けている。この構成により、上記入力軸1に、上記ハ
ウジング6の内方に向く弾力を付与している。尚、上記
皿板ばね18の弾性は、上記ホルダ14の外端開口部に
螺着したねじ筒34を回転させ、上記外側の転がり軸受
12の押圧量を変える事により調節自在である。
【0014】尚、上記皿板ばね18の軸方向に亙る高さ
18と、この皿板ばね18を構成するばね板の厚さの合
計T18との比(H18/T18)は、好ましくは1.3〜
1.7の範囲に規制する(1.3≦H18/T18≦1.
7)。この理由は、上記入力軸1の変位に拘らず、上記
皿板ばね18からこの入力軸1に付与される弾力の値が
大きく変化しない様にする為である。即ち、上記高さH
18と厚さT18との比が上記範囲にある皿板ばね18の特
性は、線形ではなく、特定の撓み量に対して荷重が極大
値を持つ様になる。この為、上記皿板ばね18の組み付
け状態を、この極大値付近に設定すれば、上記入力軸1
の変位に拘らず、上記皿板ばね18からこの入力軸1に
付与される弾力の値が大きく変化しない様にできる。
【0015】又、上記入力軸1の先端部(図1の下端
部)で上記ハウジング6の内面側に露出した部分には、
前記入力ディスク2を、上記入力軸1と一体に結合固定
している。この入力ディスク2は、先端部に向かう程外
径が細くなる先細の円すい台状に形成したもので、上記
入力軸1と同心に設けられて、この入力軸1と共に回転
する。そして、この様な入力ディスク2の外周面を構成
する、上記入力軸1と同心の円すい状凸面を、入力摩擦
面20としている。この入力摩擦面20の母線の、上記
入力ディスク2の中心軸αに対する傾斜角度θは、9.
7度以下としている。尚、この入力摩擦面20の母線の
延長線は、上記出力軸4の中心軸β上の点O部分で交差
する。
【0016】又、前記スリーブ5は、その中間部外周面
に前記出力ディスク3を一体に設けると共に、アイドラ
ディスク21を回転自在に支持している。上記出力ディ
スク3の軸方向両面のうち、このアイドラディスク21
と対向する面(図1の左面)の外径寄り部分には、出力
摩擦面22を形成している。この出力摩擦面22は、上
記入力摩擦面20との当接部がこの入力摩擦面20と平
行な円すい凸面とし、これら両摩擦面22、20の母線
同士が、これら母線のほぼ全長に亙り、互いに均一に当
接する様にしている。尚、図2に誇張して示す様に、上
記両摩擦面22、20のうち、一方(図示の例では出力
側摩擦面22)の母線形状を直線とし、他方(図示の例
では入力側摩擦面20)の母線形状を、当該摩擦面の中
央部が凸となる方向に僅かに湾曲した、大きな曲率半径
Rを有する曲線とすれば、上記両摩擦面22、20同士
の当接部にエッジロ−ドを生じさせる事なく、安定した
当接状態を実現できる為、好ましい。
【0017】又、上記アイドラディスク21は上記スリ
ーブ5の周囲に、アンギュラ型の玉軸受、テーパころ軸
受、ラジアル、スラスト両転がり軸受を組み合わせた軸
受ユニット等、ラジアル荷重及びスラスト荷重を支承自
在な転がり軸受23により、上記スリーブ5と同心に、
且つ、このスリーブ5に対する相対回転を自在に支持し
ている。そして、上記アイドラディスク21の軸方向両
面のうち、上記出力ディスク3と対向する面(図1の右
面)の外径寄り半部に、上記出力摩擦面22と同大、同
形の、アイドラ摩擦面24を形成している。このアイド
ラ摩擦面24は、前記入力摩擦面20との当接部をこの
入力摩擦面20と平行な円すい凸面とし、上記出力摩擦
面22と反対側部分でこの入力摩擦面20の母線と、こ
れら母線のほぼ全長に亙り均一に当接する様にしてい
る。尚、上記アイドラ摩擦面24と入力摩擦面20との
うちの一方の母線形状も、エッジロードが発生しない様
に、大きな曲率半径を有する曲線とする事が好ましい。
従って、好ましくは、上述した図2に示す様に、入力摩
擦面20の母線形状を、上記曲線とする。
【0018】尚、前記出力ディスク3及び上記アイドラ
ディスク21の軸方向両面のうち、出力摩擦面22或は
アイドラ摩擦面24を形成した面と反対面には、直径方
向に亙る補強リブ25a、25bを形成している。又、
上記出力ディスク3及び上記アイドラディスク21の軸
方向両面のうち、出力摩擦面22或はアイドラ摩擦面2
4を形成した面と反対面側の内周縁部(上記各補強リブ
25a、25bの基端部)には、断面形状の曲率半径が
大きな曲面部を形成して、上記各摩擦面22、24に加
わるスラスト荷重に拘らず、上記出力ディスク3及び上
記アイドラディスク21の内周縁部に大きな応力が加わ
る事を防止している。この為に上記各曲面部の断面の曲
率半径は、当該ディスクの摩擦面と前記入力摩擦面20
との接半径(前記中心軸βから当接部の中央位置までの
距離)の1/15以上確保する。
【0019】更に、前記ハウジング6の一部で、前記入
力軸1を設けたホルダ14に対し、上記出力ディスク3
及びアイドラディスク21の直径方向に関して反対位置
には第二のホルダ26を、ねじ35、35により固定し
ている。そして、この第二のホルダ26の内側にアイド
ラシャフト27を、それぞれがシール付の深溝型の玉軸
受である1対の転がり軸受28、28により、回転自在
に支持している。上記アイドラシャフト27は、これら
両転がり軸受28、28を構成する内輪29、29に、
軸方向(図1の上下方向)に亙る摺動自在に嵌装してい
る。そして、上記アイドラシャフト27を上記ハウジン
グ6の側面部分に設けた第二のホルダ26の内側に、回
転及び軸方向に亙る移動自在に支持している。
【0020】上記アイドラシャフト27の中間部外周面
には、前述した入力ディスク2の場合と同様に、外向フ
ランジ状の係止鍔部30を形成し、この係止鍔部30の
片側面(図1の下面)と、外側(図1の下側)の転がり
軸受28を構成する内輪29の内端面(図1の上端面)
との間に、弾性部材である皿板ばね31を設けている。
この構成により、上記アイドラシャフト27に、上記ハ
ウジング6の内方に向く弾力を付与している。この弾力
の大きさも、上記入力ディスク2の場合と同様、ねじ筒
34により調節自在である。
【0021】上述の様なアイドラシャフト27の先端部
(図1の上端部)で上記ハウジング6の内面側に露出し
た部分には、第二のアイドラディスク32を、上記アイ
ドラシャフト27と一体に結合固定している。この第二
のアイドラディスク32は、先端部に向かう程外径が細
くなる先細の円すい台状に形成したもので、上記アイド
ラシャフト27と同心に設けられて、このアイドラシャ
フト27と共に回転する。そして、この様な第二のアイ
ドラディスク32の外周面を構成する、上記アイドラシ
ャフト27と同心の円すい状凸面を、前記入力摩擦面2
0と同大、同形の、第二のアイドラ摩擦面33としてい
る。従って、この第二のアイドラ摩擦面33の母線の延
長線も、前記出力軸4の中心軸β上の点O部分で交差す
る。
【0022】上述の様に構成する本発明の減速機は、次
の様な機能により、前記入力軸1から出力軸4に回転力
を伝達する。電動モータ等、図示しない駆動源により前
記駆動入力軸16を介して上記入力軸1を回転駆動し、
この入力軸1と一体とされた前記入力ディスク2が回転
すると、前記入力摩擦面20と出力摩擦面22との摩擦
係合に基づき、前記出力ディスク3が回転する。そし
て、この出力ディスク3の回転が、前記スリーブ5を介
して前記出力軸4に伝わる。そして、この出力軸4が、
上記入力軸1よりも低速且つ高トルクで回転する。上記
入力摩擦面20と出力摩擦面22とは、前記皿板ばね1
8の弾力に基づき、始めから或る程度の当接圧で当接し
ている。従って、上記入力軸1から出力軸4への回転力
の伝達は、始めから滑る事なく、効率良く行なえる。
【0023】尚、前述した様に、上記入力ディスク2の
外周面に設けた入力摩擦面20の一部で、上記出力摩擦
面22との当接部に対して直径方向反対部分を、前記ア
イドラディスク21のアイドラ摩擦面24に当接させて
いる。従って、上述の様に上記入力軸1から出力軸4に
回転力を伝達する際、上記皿板ばね18が上記入力ディ
スク2を上記出力ディスク3に押し付けても、この入力
ディスク2が出力ディスク3から退避する事はない。こ
の為、上記皿板ばね18による上記入力摩擦面20と出
力摩擦面22との当接圧の確保を確実に行なえる。
【0024】又、上記アイドラディスク21は、減速機
の運転中、上記出力ディスク3と反対方向に、この出力
ディスク3と同速で回転し、前記第二のアイドラディス
ク32を回転させる。そして、この第二のアイドラディ
スク32の回転が、上記出力ディスク3に伝わる。即
ち、本発明の減速機の場合、上記入力ディスク2から上
記出力ディスク3へのトルク伝達を、2系統に分けて行
なう。従って、各系統毎に伝達するトルクを、上記入力
ディスク2から上記出力ディスク3に伝達すべき全トル
クの1/2に抑えて、各摩擦面同士の当接部での滑りを
抑えると共に、各摩擦面の転がり疲れ寿命の延長を図れ
る。又、前述の様に、上記入力摩擦面20の母線の延長
線を、上記出力軸4の中心軸β上の点O部分で交差させ
る為、上記入力摩擦面20と出力摩擦面22との当接部
で滑りを生じさせる事なく、効率の良い回転力伝達を行
なえる。
【0025】上述の様な本発明の減速機により実現でき
る減速比は、入力摩擦面20の径と出力摩擦面22の径
との比となる。本発明の減速機の場合には、入力軸1及
びアイドラシャフト27と出力軸4とを、これら各部材
1、27、4の中心軸同士を交差させる方向に配置して
いるので、上記入力摩擦面20及び第二のアイドラ摩擦
面33の径並びに出力摩擦面22及びアイドラ摩擦面2
4の径を自由に設定できる。特に、これら入力摩擦面2
0及び第二のアイドラ摩擦面33の母線のそれぞれの中
心軸αに対する傾斜角度θを9.7度以下として、これ
ら入力摩擦面20及び第二のアイドラ摩擦面33の径を
相当に小さくする事も可能である。この為、上記入力摩
擦面20及び第二のアイドラ摩擦面33の径と、出力摩
擦面22及びアイドラ摩擦面24の径との比を大きくし
て、小型でしかも大きな変速比を得られる摩擦式減速機
を実現できる。
【0026】又、弾性押圧手段を構成する前記各皿板ば
ね18、31は、前記入力ディスク2と出力ディスク3
との間でトルク伝達を行なわない状態でも、上記各摩擦
面20、22、24、33同士の当接圧を確保する。従
って、前記出力軸4の回転方向が変化する瞬間にも、上
記各摩擦面20、22、24、33同士の当接圧が低下
若しくは喪失する事がない。この為、上記出力軸4の回
転方向が変わる瞬間にも、上記入力摩擦面20及び第二
のアイドラ摩擦面33と、出力摩擦面22及びアイドラ
摩擦面24とが滑る事がなく、トルク伝達が連続して行
なわれる。
【0027】又、上記出力軸4は、前記2個の転がり軸
受7a、7bにより、前記ハウジング6の内側に、軸方
向に亙る変位自在に支持している。この為、上記入力デ
ィスク2及び第二のアイドラディスク32と、上記出力
ディスク3及びアイドラディスク21との軸方向に亙る
相対位置を、組み付け誤差等に拘らず正規位置に規制で
きる。即ち、この組み付け誤差等が存在しても、上記出
力軸4が軸方向に変位してこの誤差を吸収し、上記各摩
擦面20、22、24、33同士が均等に当接する様に
する。この為、ボールスプライン等の面倒な機構が不要
になり、特にコストを高くしたり大型化したりする事な
く、上記各ディスク2、3、21、32同士の間の伝達
効率を十分に確保できる。尚、図1に示した構造で、入
力軸と出力軸とを反対にすれば、増速機として利用する
事もできる。
【0028】次に、図3は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。上述した第1例の構造では、ハウジン
グ6に対して出力軸4の基端部を支持する為の転がり軸
受7bの内輪10bを、スリーブ5に外嵌していた。こ
れに対して本例の場合には、出力軸4の基端部をスリー
ブ5から露出させ、転がり軸受7bの内輪10bを、こ
の出力軸4の基端部に直接外嵌している。その他の構成
及び作用は、上述した第1例と同様であるから、同等部
分に関する図示並びに説明は省略する。
【0029】次に、図4は、本発明の実施の形態の第3
例を示している。本例の場合には、スリーブ5の周囲に
アイドラディスク21を回転自在に支持する為の転がり
軸受23aの構成部品を低減して、部品製作、部品管
理、組立作業の簡略化を図っている。即ち、本例の場合
には、上記転がり軸受23aを構成する内輪軌道19を
上記スリーブ5の外周面に、同じく外輪軌道36を上記
従動側アイドラディスク21の内周面に、それぞれ直接
形成している。その他の構成及び作用は、前述した第1
例の場合と同様であるから、同等部分に関する説明は省
略する。
【0030】次に、図5は、本発明の実施の形態の第4
例を示している。本例は、本発明の摩擦変速機を、自動
車の電動式パワーステアリング装置に組み込んだ状態の
1例を示している。図示しないステアリングホイールか
らステアリングシャフト37に加えられるトルクは、ト
ーションバー38とトルクセンサ39との組み合わせに
より検出する。そして、図示しない制御器が、このトル
クの値に応じて電動モータ11に通電し、上記摩擦変速
機の入力軸1を回転駆動する。そして、この電動モータ
11から入力軸1に加えられたトルクが、本発明の減速
機を介して、上記トーションバー38により上記ステア
リングシャフト37と直列に接続された出力軸4に、こ
のステアリングシャフト37から付与されるトルクに付
加する形で伝達される。そして、上記出力軸4の回転方
向及び回転量に応じた舵角を、図示しない操舵輪に付与
する。上記減速機の構成及び作用自体は、前述した第1
例と同様であるから、同等部分に関する説明は省略す
る。
【0031】
【発明の効果】本発明の摩擦変速機は、以上に述べた通
り構成され作用するが、運転時に騒音や振動が発生せ
ず、バックラッシュ若しくはそれに類似した違和感もな
く、大きな変速比を得る事もできる為、電動式パワース
テアリング装置など、各種機械装置の性能向上に寄与で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。
【図2】図1のA部拡大図。
【図3】本発明の実施の形態の第2例を示す部分断面
図。
【図4】同第3例を示す断面図。
【図5】同第4例を示す部分横断平面図。
【図6】入力摩擦面の傾斜角度が垂直力と押圧力との比
に及ぼす影響を示す線図。
【符号の説明】
1 入力軸 2 入力ディスク 3 出力ディスク 4 出力軸 5 スリーブ 6 ハウジング 7a、7b 転がり軸受 8a、8b 外輪 9a、9b 蓋体 10a、10b 内輪 11 電動モータ 12 転がり軸受 13 内輪 14 ホルダ 15 スプライン部 16 駆動入力軸 17 係止鍔部 18 皿板ばね 19 内輪軌道 20 入力摩擦面 21 アイドラディスク 22 出力摩擦面 23、23a 転がり軸受 24 アイドラ摩擦面 25a、25b 補強リブ 26 第二のホルダ 27 アイドラシャフト 28 転がり軸受 29 内輪 30 係止鍔部 31 皿板ばね 32 第二のアイドラディスク 33 第二のアイドラ摩擦面 34 ねじ筒 35 ねじ 36 外輪軌道 37 ステアリングシャフト 38 トーションバー 39 トルクセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 力石 一穂 群馬県前橋市鳥羽町78番地 日本精工株式 会社内 Fターム(参考) 3J051 AA01 BD05 BE05 EA01 EA03 EB01 EC02 EC07 FA02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングと、このハウジングの内側に
    回転自在に設けられた第一の回転軸と、この第一の回転
    軸の一部外周面に、この第一の回転軸と同心に支持固定
    されてこの第一の回転軸と共に回転する第一の動力伝達
    ディスクと、この第一の動力伝達ディスクに設けられ
    た、上記第一の回転軸と同心で円すい凸面状の第一の摩
    擦面と、上記第一の回転軸の一部外周面で上記第一の動
    力伝達ディスクに隣接する部分に、この第一の回転軸と
    同心に且つこの第一の回転軸に対する回転自在に支持さ
    れたアイドラディスクと、このアイドラディスクに設け
    られた、上記第一の回転軸と同心で上記第一の摩擦面と
    同形状のアイドラ摩擦面と、上記第一の回転軸の配設方
    向と交差する方向に配置された第二の回転軸と、この第
    二の回転軸に対し、この第二の回転軸と同心に支持固定
    されてこの第二の回転軸と共に回転する第二の動力伝達
    ディスクと、この第二の動力伝達ディスクに設けられ
    た、上記第二の回転軸と同心で、中心軸に対する母線の
    傾斜角度が9.7度以下である円すい凸面状の第二の摩
    擦面と、上記第二の動力伝達ディスクを上記第一のディ
    スク及びアイドラディスクの直径方向内方に向け弾性的
    に押圧する弾性押圧手段とを備えた摩擦変速機。
  2. 【請求項2】 弾性押圧手段が皿板ばねであり、この皿
    板ばねの高さHとこの皿板ばねを構成する金属板の厚さ
    の合計との比H/Tが1.3〜1.7である、請求項1
    に記載した摩擦変速機。
JP34247498A 1998-12-02 1998-12-02 摩擦変速機 Pending JP2000170860A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34247498A JP2000170860A (ja) 1998-12-02 1998-12-02 摩擦変速機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34247498A JP2000170860A (ja) 1998-12-02 1998-12-02 摩擦変速機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000170860A true JP2000170860A (ja) 2000-06-23

Family

ID=18354030

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34247498A Pending JP2000170860A (ja) 1998-12-02 1998-12-02 摩擦変速機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000170860A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004008003A1 (ja) * 2002-07-10 2004-01-22 Tadahiro Shimazu 無段変速機

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004008003A1 (ja) * 2002-07-10 2004-01-22 Tadahiro Shimazu 無段変速機
US7207918B2 (en) 2002-07-10 2007-04-24 Tadahiro Shimazu Continuously variable transmission

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2012111562A1 (ja) トロイダル型無段変速機
US10926792B2 (en) Cycloidal reducer with backlash self-adjustment and power steering system with such a reducer
GB2117083A (en) Speed reducer
JP4407281B2 (ja) 摩擦伝動装置
JP2000170860A (ja) 摩擦変速機
EP0456503A1 (en) Friction-type stepless speed change device
JP2002276749A (ja) 電動式駆動装置
EP3133316B1 (en) Toroidal continuously variable transmission
JPH11210773A (ja) ダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機の軸受
JP4947492B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2000177611A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP7002402B2 (ja) ダンパー装置
JPH1172152A (ja) 摩擦ローラ式変速機
KR200309520Y1 (ko) 유성 롤러 감속기.
JP3951733B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP6729105B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2000009193A (ja) 可変径プーリ
JP2000177608A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP3528509B2 (ja) 摩擦ローラ式変速機
JPH11223256A (ja) 摩擦変速機
JP2000291753A (ja) 摩擦変速機及び電動式パワーステアリング装置
EP2665947A1 (en) Torque fluctuation absorbing apparatus
JP2001039321A (ja) ローディングカム装置及び電動式パワーステアリング装置
WO2019119288A1 (en) Frictional cycloidal drive
JP3307069B2 (ja) トロイダル型無段変速機

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050111

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050628