JP2000169966A - 化学蒸着からの銅膜堆積のための銅化合物の溶液およびその合成方法 - Google Patents

化学蒸着からの銅膜堆積のための銅化合物の溶液およびその合成方法

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Hyun-Koock Shin
ヒュン−クック・シン
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化学蒸着からの銅膜堆積のための銅化合物の
溶液およびその合成方法を提供する。 【解決手段】 式 【化1】 〔式中、Rは水素、フッ素、パーフルオロアリール、ま
たは炭素数1〜4のアルキルまたはパーフルオロアルキ
ル基;RおよびRは、炭素数1〜7のアルキルまた
はパーフルオロアルキル基からそれぞれ独立して選択さ
れ;およびLは、非共有電子対を銅中心金属に提供する
ことができる有機化合物または有機金属化合物から選択
されるルイス塩基である。〕の有機金属化合物;および
1以上のルイス塩基、1以上のルイス酸またはこれらの
混合物から選択される溶媒を含む蒸着先駆物質組成物が
開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、概して、金属膜の化学蒸着に使
用される化合物に関する。特に、本発明は、銅膜の化学
蒸着に使用するための先駆物質化合物に関する。
【0002】半導体産業においては、技術的および材料
的発達は、半導体集積回路のような、小型化、高信頼
性、高速、高機能、および高集積のデバイスをもたらし
た。この半導体デバイスの小型化はより狭いライン幅を
必要とする。
【0003】現在、64メガDRAM(ダイナミックラ
ンダムアクセスメモリ)デバイスはアルミニウム金属配
線回路を使用し、これらの回路幅は0.25、0.18
および0.15ミクロン(「μm」)と、より狭くなっ
ている。256メガクラスのメモリデバイス、1ギガ
(G)および4Gクラスの高メモリデバイスのような次
世代メモリデバイスにおいては、アルミニウム配線が銅
配線に置き換えられることが期待されている。
【0004】アルミニウムはエレクトロマイグレーショ
ン(electromigration)(「EM」)
現象に対する耐久性が低い。よって、高密度電流が狭い
アルミニウム電導体を通って流れる場合には、配線は容
易に切断され、結果として半導体装置が低信頼性とな
る。この問題は頻繁に起こる。銅配線については、エレ
クトロマイグレーションに対する耐久性はアルミニウム
配線の耐久性よりも高く、よって、回路の切断は防止さ
れ、高信頼性が達成される。アルミニウムの電気抵抗
(Rs=2.56マイクロオーム−cm)に比較する
と、銅の電気抵抗(Rs=1.67マイクロオーム−c
m)は低く、その結果、信号伝達が速くなり、半導体デ
バイスの伝達を最終的に速くする。
【0005】現在、64メガDRAMデバイス製造にお
ける金属配線は、単に、金属ワイヤ蒸着法における金属
ターゲットを使用するスパッタリング法によって形成さ
れる。上述の次世代メモリデバイスにおいては、回路ラ
イン幅は0.25ミクロン(μm)より小さくなり、金
属蒸着の間に形成されるコンタクトホール(conta
ct and via hole)の縦横比(深さ/直
径)が大きいので、蒸着法におけるスパッタリング法は
適さないだろう。
【0006】この問題を克服するために、化学蒸着法
(CVD)が長期間研究されてきた。CVD法の非常に
有利な点は、CDV法が高いステップカバレージを有
し、また改良されたコンタクトホールの埋め込み方法を
有することである。研究の結果、次世代クラスのメモリ
デバイスの製造における蒸着による銅(Cu)配線は、
必要な技術の基礎となるであろう。この銅(Cu)−C
VD法は避けられない方法であると考えられる。
【0007】薄金属膜蒸着法においては、主として金属
化合物がソース、すなわち先駆物質として使用される。
化合物の化学特性および選択はCVD法に非常に大きく
影響する。よって、先駆物質の選択および開発は、堆積
方法の選択の前に考慮されるべき第1の要素である。先
駆物質の役割の重要性に拘わらず、Cu−CVDのため
の実際の先駆物質の開発はむしろ遅れて始まった。この
理由は、CVD法を使用する薄金属膜蒸着の要求が、次
世代メモリデバイスの開発の要求および半導体産業から
の要求により生じているからである。
【0008】化学蒸着法による銅薄膜堆積の初期段階に
おいて、2価銅(Cu+2)化合物が先駆物質として使
用された。2価銅化合物先駆物質は大気中で安定であ
り、取り扱いが容易であり、さらにそれらは広範囲に市
販されており、容易に入手できる。しかし、これらの化
合物は銅(Cu)−CVDにおいては、低い蒸気圧、遅
い堆積速度、高い蒸着温度、および蒸着膜層中の不純物
の存在のようないくつかの欠点を有している。
【0009】2価銅化合物におけるそのような問題を克
服するために、1990年代には、多くの1価銅化合物
(Cu+)がCu−CVDにおける先駆物質として使用
されている。1価銅化合物の例としては、(CHO
)Cu(PC)〔または1,1,1,5,
5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオネート
(トリメチルホスフィン)銅(I)またはC10
CuFPまたは(hfac)Cu(PMe)〕の
化学式を有する化合物、(CHO)Cu(C
12)〔または、1,1,1,5,5,5−ヘキサフ
ルオロ−2,4−ペンタンジオネート(1,5−シクロ
オクタジエン)銅(I)または(C13 13Cu
)、または以降、(hfac)Cu(1.5−CO
D)〕の化学式を有する化合物、(CHO)C
u(C12Si)〔または、1,1,1,5,5,
5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオネート(ビ
ニルトリメチルシラン)銅(I)またはC1013
CuFSi、または以降、(hfac)Cu(VT
MS)〕の化学式を有する化合物、(CHO
Cu(C12Si)〔または、1,1,1,
5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオネ
ート(ビニルトリメトキシシラン)銅(I)またはC
1013CuFSi、または以降、(hfa
c)Cu(VTMOS)〕の化学式を有する化合物、お
よび(CHO)Cu(C10)〔または、
1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペ
ンタンジオネート(1−ペンテン)銅(I)またはC
1011CuF、または以降、(hfac)C
u(1−ペンテン)〕の化学式を有する化合物が挙げら
れる。これらの1価銅化合物は、2価銅化合物を超える
改良物であったが、実際にCu−CVD先駆物質として
使用された場合に問題点も有していた。
【0010】H.−K.ShinらによってChemi
stry of Materials,1990,2,
636および1992,4,788において報告される
ように、(hfac)Cu(1,5−COD)は(hf
ac)Cu(PMe)とともに銅薄膜化学蒸着法にお
いて長期間、先駆物質として使用され、低温での高純度
銅薄膜の形成を可能にした。これらの化合物は、先駆物
質として好適な特性を有するが、それらは固体の化合物
であり、先駆物質の移送速度の制御が困難であるという
欠点がある。
【0011】米国特許第5085731号(Norma
n)は、改良された液相先駆物質化合物、(hfac)
Cu(VTMS)を開示する。韓国特許出願95−17
120号(Shin)は、(hfac)Cu(VTMO
S)を開示する。さらに、(hfac)Cu(1−ペン
テン)がCu−CVD先駆物質として使用される他の液
体化合物と共に、Hyun−Kook Shinらによ
って、Material Research Soci
ety Symposium Proceeding,
Volume427の219頁に報告された。
【0012】液体化合物(hfac)Cu(VTM
S)、(hfac)Cu(VTMOS)および(hfa
c)Cu(1−ペンテン)は、低温で、高純度の銅膜を
堆積する銅薄膜化学蒸着先駆物質である。先駆物質の特
性は、先に述べた固体先駆物質の特性と同様である。し
かし、化合物(hfac)Cu(VTMS)および(h
fac)Cu(1−ペンテン)は室温で徐々に分解し、
半導体デバイスの製造における製造の再現性について、
先駆物質として重大な問題を有する。これらと比べる
と、本発明者による特許に用いられている先駆物質化合
物(hfac)Cu(VTMOS)は、先駆物質化合物
として優れた特性を示すが、その相対的蒸気圧が低く、
よってその蒸着速度が遅い。蒸着速度の増加のために、
先駆物質の温度は70℃に上げられ、そしてこの加熱処
理が徐々に分解を引き起こすという問題がある。
【0013】Cu−CVD法のための最適な先駆物質を
製造するために、熱不安定性および低蒸着速度などの欠
点が改良されることが必要であり、さらに高純度銅薄膜
の表面はなめらかであるべきである。そのような目標に
到達するために、平衡状態が崩れる場合に、崩れが低減
する方へ平衡が移るという、ルシャトリエの法則が用い
られる。すなわち、この場合、化学的化合物の製造方法
において使用されるリガンドである、ルイス酸または塩
基が、先駆物質化合物を溶解するのに使用され、先駆物
質溶液を製造する。得られた銅化合物溶液は、液体先駆
物質気化器(以後、LPV)から、所定の供給速度で、
貯蔵タンクから気化器に供給され、次いで、フラッシュ
気化を行うことができる。そのような方法で、熱安定
性、蒸着および定量的な先駆物質の供給速度のような従
来の先駆物質の問題が(hfac)Cu(VTMS)を
用いる研究を通して解決される。研究は肯定的であった
が、熱安定性の問題は未だ解決されていない。この理由
から、気化器の詰まりおよびフィルムの粗い表面が依然
改良されていない。
【0014】特定の銅化合物がCu−CVD用途のため
の公知の先駆物質の問題を解決し、ルイス酸または塩基
溶媒の使用を通じて先駆物質の広範囲の選択を提供し、
気化器の詰まりを防ぐことが見いだされた。
【0015】本発明は、式
【0016】
【化5】
【0017】〔式中、Rは水素、フッ素、パーフルオロ
アリール、または炭素数1〜4のアルキルまたはパーフ
ルオロアルキル基;RおよびRは、炭素数1〜7の
アルキルまたはパーフルオロアルキル基からそれぞれ独
立して選択され;およびLは、非共有電子対を銅中心金
属(copper metal center)に提供
することができる有機化合物または有機金属化合物から
選択されるルイス塩基である。〕の有機金属化合物;お
よび1以上のルイス塩基、1以上のルイス酸またはこれ
らの混合物から選択される溶媒を含む蒸着先駆物質組成
物を提供する。
【0018】本発明は、銅膜のソースが式
【0019】
【化6】
【0020】〔式中、Rは水素、フッ素、パーフルオロ
アリール、または炭素数1〜4のアルキルまたはパーフ
ルオロアルキル基;RおよびRは、炭素数1〜7の
アルキルまたはパーフルオロアルキル基からそれぞれ独
立して選択され;およびLは、非共有電子対を銅中心金
属に提供することができる有機化合物または有機金属化
合物から選択されるルイス塩基である。〕の有機金属化
合物;および1以上のルイス塩基、1以上のルイス酸ま
たはこれらの混合物から選択される溶媒を含む蒸着先駆
物質組成物である、基板上に銅膜を蒸着する工程を含む
銅膜形成方法も提供する。
【0021】本発明は、半導体デバイス上の配線として
銅膜の蒸着に有用な先駆物質組成物および銅膜を蒸着す
る方法に関する。特に、先駆物質は拡散バリア層上また
はシリコン基板上の付着層の上の銅金属膜層形成に使用
できる。本発明は、銅膜蒸着に使用される公知の先駆物
質化合物および先駆物質溶液における問題を解決し、ル
イス酸または塩基溶媒の使用を通じて先駆物質の広範囲
の選択を提供し、気化器の詰まりを防ぐ。本発明は、銅
膜蒸着方法において再現性を与えるのに有効なモル濃度
の先駆物質組成物、および組成物を使用する銅薄膜蒸着
方法をさらに提供する。
【0022】本発明は、銅金属薄膜蒸着のための新規の
銅化合物組成物に関し、さらに本発明は、従来の先駆物
質化合物の欠点を改良しながら、その利点を維持してい
る。そのような化合物は式Iによって示され、化合物
は、式II〜Vに示される化合物から選択されるルイス
塩基の1以上、式VIに示されるルイス酸の1以上、ま
たはこれらの混合物に溶解される。
【0023】
【化7】
【0024】式Iにおいては、Rは水素、フッ素、パー
フルオロアリール、または炭素数1〜4のアルキルまた
はパーフルオロアルキル基;RおよびRは、独立し
て、炭素数1〜7のアルキルまたはパーフルオロアルキ
ル基であり;およびLは、非共有電子対を銅中心金属に
提供することができる、有機化合物または有機金属化合
物から選択されるルイス塩基である。ルイス塩基の例と
しては、式IIに示されるアルケン、式IIIに示され
るアルキン、および式IVまたはVに示されるシランが
挙げられる。
【0025】
【化8】
【0026】上述の式IIにおいては、R、R、R
およびRは、それぞれ独立して水素、フッ素または
炭素数1〜6のアルキル、パーフルオロアルキルまたは
アルコキシ基である。式IIIにおいては、Rおよび
は、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜6の
アルキル、パーフルオロアルキルまたはアルコキシ基で
ある。
【0027】
【化9】
【0028】上述の式IVにおいては、R、R10
11およびR12は、それぞれ独立して水素、フッ素
または炭素数1〜4のアルキルまたはパーフルオロアル
キル基であり、nは0〜3の整数である。式Vにおいて
は、R10、R11およびR 12は、それぞれ独立し
て、水素または炭素数1〜4のアルキルまたはパーフル
オロアルキル基であり、nは0〜3の整数である。
【0029】
【化10】
【0030】上述の式VIにおいては、R、Rおよび
は、式Iで示されたものと同じである。式IIに示
される化合物の中では、好ましい化合物は式VIIに示
される1−アルケンである。式IIIに示される化合物
の中では、好ましい化合物は式VIIIに示される1−
アルキンである。式IVに示される化合物の中では、好
ましい化合物は式IXに示されるトリアルコキシビニル
シランである。
【0031】
【化11】
【0032】上述の式VIIにおいては、R13は炭素
数1〜6のアルキル、パーフルオロアルキルまたはアル
コキシ基である。上述の式VIIIにおいては、R14
は炭素数1〜6のアルキル、パーフルオロアルキルまた
はアルコキシ基である。上述の式IXにおいては、R
15は炭素数1〜4のアルキルまたはパーフルオロアル
キル基である。
【0033】上述のように、式Iの化合物は、式II〜
Vおよび式VII〜IXに示される1以上のルイス塩基
「L」、または式VIに示される1以上のルイス酸に溶
解される。また、化合物は1以上のルイス塩基および1
以上のルイス酸の混合物に溶解されることもできる。得
られた銅化合物組成物は銅薄膜蒸着方法に使用できる。
これらの組成物の製造方法は以下に示される。反応の過
程では、窒素またはアルゴンのような不活性ガスストリ
ームの下で反応を行うとともに、Schlenkライン
技術を用いることによって空気への暴露が妨げられた。
【0034】ジエチルエーテル中の水素化ナトリウム懸
濁液がドライアイスで冷却され、式VIのルイス酸が滴
下され、ジケトンナトリウム塩(式X)が得られ、次い
で、貯蔵された。
【0035】
【化12】
【0036】独立して、塩化銅(I)(CuCl)の白
色粉体が、式II〜式Vのルイス塩基に溶解され、反応
されて、錯塩が製造され、次いで、錯塩はヘキサン、ペ
ンタンまたはジエチルエーテルのような溶媒中で式Xの
化合物と反応され、式Iの化合物が得られた。上述の方
法によって製造された式Iの化合物は、式II〜式Vの
ルイス塩基の1以上、または式VIのルイス酸の1以上
に溶解された。別法としては、式Iの化合物は1以上の
ルイス塩基と1以上のルイス酸の混合溶液に溶解される
こともできる。この方法で、銅化合物、銅蒸着先駆物
質、および本発明の組成物が製造された。
【0037】本発明の組成物中の溶媒は1以上のルイス
塩基と1以上のルイス酸の混合物であることが好まし
い。溶媒が、1−ペンテンと1,1,1,5,5,5−
ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオンの混合物、ま
たはビニルトリメトキシシランと1,1,1,5,5,
5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオンの混合物
であることがより好ましい。本発明の組成物が1−ペン
テンと1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,
4−ペンタンジオンの混合物を含む場合には、1−ペン
テンが組成物の20〜50重量%の量で存在し、1,
1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタ
ンジオンが組成物の10重量%より少ない量で存在する
ことが好ましい。本発明の組成物がビニルトリメトキシ
シランと1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−
2,4−ペンタンジオンの混合物を含む場合には、ビニ
ルトリメトキシシランが組成物の50重量%より少ない
量で存在し、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ
−2,4−ペンタンジオンが組成物の10重量%より少
ない量で存在することが好ましい。
【0038】上述の反応においては、ヘキサンまたはペ
ンタンのような非極性溶媒が使用され、生成物の収率を
改良し、さらに生成物中のナトリウム濃度が溶媒の使用
によって減少されることができる。上述の製造方法は反
応式1〜4に示される。
【0039】
【化13】
【0040】上述の反応式においては、R、Rおよび
は式Iで示されるのと同じであり、xおよびyは0
〜100の整数である。よって、xまたはyの一方が0
の場合には、他方は0になることはできない。これは数
式〔B/(A+B)〕×100=x(y)によって計算
される。式中、Aは指定された化合物の重量、Bはルイ
ス塩基、ルイス酸、またはこれらの混合物の重量であ
る。
【0041】反応式1〜4で使用されるルイス塩基は、
式VIIおよびIXに示される。そのようなルイス塩基
の例としては、1−アルケンである1−ペンテン(CH
=CHCHCHCH)、およびトリアルコキシ
ビニルシランであるトリメトキシビニルシラン(VTM
OS;HC=CHSi(OCH)が含まれる。
式VIに示されるルイス酸の例としては、1,1,1,
5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタン(以降
「hfacH」)が含まれる。これらの酸と塩基は銅膜
蒸着のための先駆物質溶液の製造に特に適する。
【0042】式Iの化合物であり、トリメトキシビニル
シランを用いて製造される(hfac)Cu(VTMO
S)から製造される溶液の、半導体デバイスの回路配線
材料としての使用について、本発明は詳細に説明する。
銅蒸着方法における、化合物(hfac)Cu(VTM
OS)の反応は、銅膜の蒸着での反応式5および6の段
階によって示される。
【0043】
【化14】
【0044】上述の機構を検討すると、(hfac)C
u(VTMOS)化合物は、反応器に入れた後に銅膜で
蒸着されるべき基板上に吸着され、律速段階である反応
式5の段階でルイス塩基であるVTMOSが解離され、
コアの中心に非共有電子対を提供する。解離によって、
2モルの不安定な銅中間体2(hfac)Cuを生
じ、第2段階において、2(hfac)Cuが不均化
反応をして、Cu+2(hfac)およびCuを生
じ、次いで、Cu+2(hfac)は蒸発により除か
れ、得られたCuが銅膜として基板上に堆積される。
【0045】反応式5で示されるように、式Iの化合物
が有利に形成される。しかし、本発明の組成物の場合に
は、反応式5に示される第1段階反応においては、フリ
ーリガンドであるルイス塩基、ルイス酸、またはルイス
塩基とルイス酸の混合物が式Iの化合物に添加される場
合には、反応はルシャトリエの法則によって、逆方向に
有利に進む。
【0046】よって、リガンドを含む本発明の組成物
は、溶液移送装置の気化器中で先駆物質溶液が加熱され
る場合には、反応式5に示される反応を抑制する。化合
物が幾分、熱不安定であるとしても、抑制機能は気化器
における反応式5の反応を妨げる。これは、最終的に、
気化器内での分解を抑制し、よって、気化器のつまりも
抑制される。より熱安定な化合物を含む溶液、または適
当な重量比率(%)の溶液の使用は、結果として、気化
器内での分解の最大抑制、およびより良好な膜の蒸着を
もたらす。
【0047】上述の例においては、VTMOS中の銅膜
蒸着先駆物質組成物(hfac)Cu(VTMOS)溶
液は、Schumacher Co.により開発された
VTMS中の(hfac)Cu(VTMS)溶液よりも
安定である。この理由は、(hfac)Cu(VTMO
S)がより熱に安定だからである。これは、Schum
acher溶液が使用される場合に起こる、気化器の詰
まりを軽減する。
【0048】本発明の先駆物質組成物の他の利点は、気
化器内での化合物の分解が抑制され、これが薄膜の蒸着
に悪影響を有する副生成物の形成を最小化することであ
る。最終的には、これは蒸着による優れた品質の銅薄膜
を生じさせる。1−ペンテン溶液中の、化合物(hfa
c)Cu(1−ペンテン)の場合には、化合物自体は熱
に不安定であるが、重量比20−50%の1−ペンテン
を化合物に添加すると、気化器内での化合物の分解は最
大程度まで妨げられることができる。よって、研究にお
ける溶液の配合比率は銅薄膜蒸着方法において重要な役
割を有する。
【0049】半導体デバイス製造での薄膜形成における
本発明の先駆物質組成物の使用は、最も重要な因子であ
る、再現性のある銅膜蒸着方法の開発を可能にした。本
発明の組成物は室温での長いシェルフライフを有し、お
よびリガンド、溶媒およびルイス塩基として使用される
添加剤であるVTMOSおよび1−ペンテンのコスト
は、(hfac)Cu(VTMS)配合物中で使用され
るVTMSよりも低い。製造コストについては、(hf
ac)Cu(VTMS)溶液の製造コストよりも、はる
かに低くなる。本発明の溶液は経済的であると共に、優
れた品質の蒸着先駆物質溶液を提供する。
【0050】上述のように、本発明の銅膜蒸着先駆物質
溶液は、式Iに示される化合物および1以上のルイス塩
基、1以上のルイス酸、またはこれらの混合物から構成
される。先駆物質組成物においては、好ましい、Lで示
されるルイス塩基としては、式XIに示される1−アル
ケン、式XIIIに示される1−アルキン、式XIVお
よび式XVに示されるシラン、および式XVIおよび式
XVIIに示されるシランが含まれる。特に好ましい1
−アルケンは式XIIに示されるものである。より好ま
しいシランは式XVIIIに示され、特に好ましいシラ
ンは式XIXに示される。
【0051】
【化15】
【0052】上述の式XIにおいては、R13は炭素数
1〜6のアルキル、パーフルオロアルキルまたはアルコ
キシ基である。本発明の組成物が式XIの銅化合物を含
んでいる場合には、溶媒は1−ペンテンと1,1,1,
5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン
の混合物であることが好ましい。1−ペンテンは、組成
物の20重量%〜50重量%の量で存在し、1,1,
1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジ
オンは組成物の10重量%よりも少ない量で存在するこ
とがより好ましい。
【0053】
【化16】
【0054】上述の式XIIIにおいては、R14は炭
素数1〜6のアルキル、パーフルオロアルキルまたはア
ルコキシ基である。式XIVおよびXVIIIにおいて
は、R11およびR12は、それぞれ独立して水素、フ
ッ素または炭素数1〜4のアルキルまたはパーフルオロ
アルキル基であり、nは0〜3の整数である。本発明の
組成物が式XVの銅化合物を含んでいる場合には、溶媒
はビニルトリメトキシシランと1,1,1,5,5,5
−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオンの混合物で
あることが好ましい。ビニルトリメトキシシランは組成
物の50重量%よりも少ない量で存在し、1,1,1,
5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン
は組成物の10重量%よりも少ない量で存在することが
より好ましい。
【0055】本発明の組成物は、任意の化学蒸着方法に
おいて、銅膜形成のための先駆物質として使用されるこ
とができる。そのような蒸着方法の例としては、プロセ
スガスの励起のためのエネルギーが熱エネルギー、プラ
ズマにより、または基板へのバイアスポテンシャルの適
用により達成される方法が含まれる。典型的には、アル
ゴン、ヘリウム、窒素および水素が、本発明の組成物と
共に、キャリアガスおよびプロセスガスとして使用され
ることができる。蒸着方法において基板は100℃〜2
50℃に加熱されることが好ましい。本発明の先駆物質
組成物の製造は以下の実施例で述べられる。
【0056】実施例1:VTMOS中の(hfac)C
u(VTMOS)溶液の製造 24g(1モル)の水素化ナトリウム(NaH)を含む
ジエチルエーテル懸濁液がアセトン−ドライアイス混合
物(−78℃)で冷却された反応器に入れられ、撹拌し
つつ、208g(1モル)の1,1,1,5,5,5−
ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン(hfac
H)が滴下された。沈殿した白−灰色のNa−hfac
および生じた水素が反応系から除かれた。
【0057】1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ
−2,4−ペンタンジオンの添加完了後、反応を完了す
るために、反応器内の混合物は徐々に室温まで加熱され
た。混合物は、水素が発生しなくなるまで、さらに約3
時間撹拌された。次いで、混合物中の揮発成分が真空下
で除かれ、Nahfacである白−灰色の固体残留
物が続く処理のために貯蔵された。
【0058】別個に、99g(1モル)の白−灰色粉体
の塩化銅(I)(CuCl)が148g(1モル)のビ
ニルトリメトキシシラン(VTMOS)を有する、0℃
に冷却された反応器に撹拌しつつ添加され、混合物は暗
褐色に変化した。添加に続き、混合物の温度は室温に上
げられ、次いで、3時間の間撹拌され(VTMOS)C
uClの形成を完了し、続いて、ヘキサン中で上述のN
hfacと反応された。次いで、混合物は黄緑色
に変化した。混合と反応を完了するために、混合物は約
6時間、室温で撹拌され、得られた混合物は窒素ストリ
ーム下で濾過され、第1の黄緑色濾液を得た。フィルタ
ー上の残査は各50ミリリットル(mL)のヘキサンで
2回リンスされ、第2の濾液を得、次いで、第2の濾液
は第1の濾液と一緒にされた。混合濾液中の揮発成分は
真空下、室温で除かれ、320gの明緑色の液体化合物
(hfac)Cu(VTMOS)が得られた。
【0059】(hfac)Cu(VTMOS)は、50
℃、10−4トルで減圧蒸留され、蒸留物は液体窒素
(−196℃)で冷却されたレシーバーに集められ、高
純度の凝縮液を得た。精製された化合物に、所定量のビ
ニルトリメトキシシランが添加され、本発明の明緑色先
駆物質組成物を得た。
【0060】様々な混合比率で得られた溶液の熱安定性
および特性を試験するために、ビニルトリメトキシシラ
ンが100%までの範囲内の量で添加され、溶液が製造
された。得られた様々な溶液はプロトン核磁気共鳴(N
MR)にかけられ、生成物を確認した。結果は表1に示
す。加えられたビニルトリメトキシシランの量が0%〜
90%に増加するにつれて、ビニルトリメトキシシラン
溶液のプロトンスペクトルの化学シフトの位置は、下フ
ィールドサイド(down field side)か
ら上フィールドサイド(up field side)
に移動した。このシフトは、ビニルトリメトキシシラン
のそれと類似する。特に、メトキシ基のプロトンスペク
トルはほとんどシフトを見せなかったが、ビニル基のプ
ロトンスペクトルは大きなシフトを見せ、これは、ビニ
ルトリメトキシシランの電子対が、銅中心金属への結合
を形成するのに利用されていることを意味する。
【0061】ビニルトリメトキシシランのプロトンスペ
クトルのシフト位置は1つになり、これは、室温で、ビ
ニルトリメトキシシラン溶媒と(hfac)Cu(VT
MOS)の間で素速い交換反応が起こっていることを意
味する。さらに、これは、ビニルトリメトキシシラン溶
媒が化合物(hfac)Cu(VTMOS)の安定性の
改良を助けることを意味する。
【0062】
【表1】
【0063】実施例2:1−ペンテン中の(hfac)
Cu(1−ペンテン)溶液の製造 Nahfacが実施例1の方法に従って製造され
た。105g(1.5モル)の1−ペンテンが99g
(1モル)のCuCl白色粉末に添加され、混合物が約
3時間、0℃で撹拌され、ClCu(1−ペンテン)を
得た。前述のNahfacおよびClCu(1−ペ
ンテン)は、溶媒としてのペンタン中で、0℃で混合さ
れ、次いで、実施例1に従って、明緑色(hfac)C
u(1−ペンテン)の製造を進め、次いで0℃、10
−4トルの真空下で精製した。精製された化合物(hf
ac)Cu(1−ペンテン)に、精製された無色の1−
ペンテンが、所定の比率で添加され、本発明の先駆物質
組成物を製造した。様々な比率の先駆物質組成物はプロ
トン核磁気共鳴分析によって確認され、結果は表2に示
される。
【0064】
【表2】
【0065】実施例および表に示されるように、本発明
の銅化合物は容易に合成されることができる。実施例1
および2は、本発明を説明するための例として選択さ
れ、本発明の合成方法は実施例1および2の方法に限定
されるものではない。
【0066】実施例3 製造された(hfac)Cu(VTMOS)のVTMO
S溶液および(hfac)Cu(1−ペンテン)の1−
ペンテン溶液が、それらの熱安定性および銅薄膜蒸着の
ための試験に供された。
【0067】試験1 実施例1において様々な比率で製造された先駆物質化合
物溶液のそれぞれ20グラムが純度99.9999%の
窒素ストリーム下のガラス容器に置かれ、ガラス容器は
80℃に加熱された。リガンドVTMOSが溶媒として
添加されない場合には、(hfac)Cu(VTMO
S)化合物は30分以内に分解した。これに対して、1
0重量%の比率の上述の溶液は、加熱した場合でさえ分
解しなかった。これは化合物の熱安定性が向上したこと
の証拠となった。
【0068】他の試験においては、5gの化合物溶液が
透明なガラス管内に置かれ、80℃に加熱され、10
−2トルまで排気された。リガンド溶媒としてVTMO
Sを含まない(hfac)Cu(VTMOS)は分解し
たが、VTMOSを10重量%の比率で有する溶液はわ
ずかに分解しただけであり、20重量%以上の比率でV
TMOS有する溶液においては、分解は認められなかっ
た。結果は表3に示される。
【0069】
【表3】
【0070】これらの結果に基づいて、20%のVTM
OSを含む(hfac)Cu(VTMOS)溶液は、化
学蒸着方法による基板上への銅薄膜蒸着の試験に供され
た。基板としては、900オングストロームの厚さのT
iN(窒化チタン)層が蒸着された、2,000オング
ストロームの厚さのSiOが使用された。基板温度は
100℃〜250℃に維持された。使用された反応容器
は、閉ざされた一方の端と真空ポンプ(10−2トル)
に結合される開放された端を有していた。反応器の内径
および長さは、それぞれ、5cmおよび30cmであっ
た。先駆物質溶液5mLが同様の容量の容器内におか
れ、容器は、反応器内の閉ざされた端に置かれ、反応器
の中心部にはいくつかの小さなシリコン片が置かれた。
【0071】先駆物質組成物および基板が独立した加熱
線を用いて、それぞれ、80℃および100〜250℃
まで加熱され、次いで、10−2トルの真空にしつつ高
純度銅膜が堆積された。蒸着銅膜はオージェ電子分光法
(「AES」)にかけられ、膜中の不純物の量を決定
し、走査型電子顕微鏡(「SEM」)によって表面の粗
さが決定された。膜の抵抗は4点プローブ法によって測
定された。結果は表4に示される。
【0072】
【表4】
【0073】試験2 実施例2の方法に従って製造された、様々な重量比率の
1−ペンテン中の(hfac)Cu(1−ペンテン)溶
液が使用され、それぞれの先駆物質溶液の熱安定性が試
験1の方法に従って35℃で溶液を加熱することにより
決定された。1−ペンテンが添加されない(hfac)
Cu(1−ペンテン)化合物が、窒素雰囲気下で密封さ
れた容器中に置かれた場合、それは数分以内に分解し
た。また、真空下(10−2トル)のガラス管内に置か
れた場合に、著しい分解が観察された。これに対して、
10%以上の1−ペンテンを含む化合物は、表1におい
て評価された(hfac)Cu(VTMOS)溶液と同
様に、8時間の間、密封された容器内での分解を抑制し
た。20%以上の溶媒を含む溶液の全てについては、密
封された容器またはガラス管のいずれにおいても、溶液
の分解は観察されなかった。結果は表5に示される。
【0074】
【表5】
【0075】これらの結果に基づいて、20%の1−ペ
ンテンを含む(hfac)Cu(1−ペンテン)溶液
が、30℃で、蒸着条件および反応器は試験1で使用さ
れたものと同じ、すなわち、シリコン基板温度は100
℃〜250℃、であった化学蒸着法による銅薄膜蒸着の
試験に供された。5mLの先駆物質溶液が同容量の容器
中におかれ、容器は反応器内に置かれ、いくつかの小さ
いシリコン片が反応器内に置かれた。蒸着銅薄膜はAE
S、SEMおよび4点プローブ分析にかけられた。これ
らの結果は表6に示される。
【0076】
【表6】
【0077】試験1および2で観察されるように、本発
明の化合物溶液は、100〜250℃の低い蒸着温度で
の銅蒸着に使用されることができる。本発明の溶液を使
用する蒸着方法においては、溶液は結果として、公知の
化合物およびその溶液と比較して、シリコン基板への蒸
着速度、抵抗、不純物含量、付着強度、および反射率を
より優れるものにする。特に、20重量%以上の溶媒を
含む溶液においては、熱安定性が著しく、よって、溶液
は液体先駆物質気化器、ダイレクトリキッドインジェク
タまたは液体移送系で処理されることができ、これらは
再現性のある銅薄膜蒸着方法の開発に使用される。これ
らが本発明の先駆物質の利点である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 〔式中、Rは水素、フッ素、パーフルオロアリール、ま
    たは炭素数1〜4のアルキルまたはパーフルオロアルキ
    ル基;RおよびRは、炭素数1〜7のアルキルまた
    はパーフルオロアルキル基からそれぞれ独立して選択さ
    れ;およびLは、非共有電子対を銅中心金属に提供する
    ことができる有機化合物または有機金属化合物から選択
    されるルイス塩基である。〕の有機金属化合物;および
    1以上のルイス塩基、1以上のルイス酸またはこれらの
    混合物から選択される溶媒を含む蒸着先駆物質組成物。
  2. 【請求項2】 Lが、式II〜V 【化2】 〔式中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立
    して水素、フッ素、または炭素数1〜6のアルキル、パ
    ーフルオロアルキルまたはアルコキシ基であり;R
    よびRは、それぞれ独立して水素、または炭素数1〜
    6のアルキル、パーフルオロアルキルまたはアルコキシ
    基であり;R、R10、R11およびR12は、それ
    ぞれ独立して水素、フッ素、または炭素数1〜4のアル
    キル、パーフルオロアルキルまたはアルコキシ基であ
    り;さらにnは0〜3の整数である。〕から選択される
    1以上の化合物である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 Lが1−ペンテンまたはビニルトリメト
    キシシランから選択される請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】 溶媒が、式II〜VI 【化3】 〔式中、Rは水素、フッ素、パーフルオロアリール、ま
    たは炭素数1〜4のアルキルまたはパーフルオロアルキ
    ル基から選択され;RおよびRは、独立して炭素数
    1〜7のアルキルまたはパーフルオロアルキル基であ
    り;R、R、RおよびRは、それぞれ独立して
    水素、フッ素、または炭素数1〜6のアルキル、パーフ
    ルオロアルキルまたはアルコキシ基であり;Rおよび
    は、それぞれ独立して水素、または炭素数1〜6の
    アルキル、パーフルオロアルキルまたはアルコキシ基で
    あり;R、R10、R11およびR12は、それぞれ
    独立して水素、フッ素、または炭素数1〜4のアルキ
    ル、パーフルオロアルキルまたはアルコキシ基であり;
    さらにnは0〜3の整数である。〕から選択される1以
    上の化合物である請求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】 溶媒が1−ペンテンおよび1,1,1,
    5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン
    の混合物である請求項1記載の組成物。
  6. 【請求項6】 1−ペンテンの量が組成物の20重量%
    〜50重量%であり、1,1,1,5,5,5−ヘキサ
    フルオロ−2,4−ペンタンジオンの量が組成物の10
    重量%より少ない請求項5記載の組成物。
  7. 【請求項7】 溶媒がビニルトリメトキシシランおよび
    1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペ
    ンタンジオンの混合物である請求項1記載の組成物。
  8. 【請求項8】 ビニルトリメトキシシランの量が組成物
    の50重量%より少なく、1,1,1,5,5,5−ヘ
    キサフルオロ−2,4−ペンタンジオンの量が組成物の
    10重量%より少ない請求項7記載の組成物。
  9. 【請求項9】 銅膜のソースが、式 【化4】 〔式中、Rは水素、フッ素、パーフルオロアリール、ま
    たは炭素数1〜4のアルキルまたはパーフルオロアルキ
    ル基;RおよびRは、炭素数1〜7のアルキルまた
    はパーフルオロアルキル基からそれぞれ独立して選択さ
    れ;およびLは、非共有電子対を銅中心金属に提供する
    ことができる有機化合物または有機金属化合物から選択
    されるルイス塩基である。〕の有機金属化合物;および
    1以上のルイス塩基、1以上のルイス酸またはこれらの
    混合物から選択される溶媒を含む蒸着先駆物質組成物で
    ある、基板上に銅膜を蒸着する工程を含む銅膜形成方
    法。
  10. 【請求項10】 先駆物質組成物が熱エネルギー、プラ
    ズマまたは基板に適用されるバイアスポテンシャルによ
    って気化される請求項9記載の方法。
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