JP2000169728A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JP2000169728A
JP2000169728A JP34946598A JP34946598A JP2000169728A JP 2000169728 A JP2000169728 A JP 2000169728A JP 34946598 A JP34946598 A JP 34946598A JP 34946598 A JP34946598 A JP 34946598A JP 2000169728 A JP2000169728 A JP 2000169728A
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Toshiro Hirukawa
敏郎 蛭川
Yoshinori Yamada
芳範 山田
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】難燃剤として赤燐を用いた難燃性樹脂が、その
加工時及び樹脂成形品の使用時に発生する不快臭気を低
減させることができる難燃性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】赤燐を含有させた難燃性樹脂に、銅、亜鉛
又はマンガンを少なくとも1種含有する金属又は化合物
からなる消臭剤を配合した難燃性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃剤として赤燐
を添加することにより難燃性を付与した樹脂が使用され
る分野の中で特に不快臭気の低減が要求される分野にお
いて有効に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリオレフィン、ABS、ポリ
カーボネート、ナイロンなどの樹脂は燃えやすいという
欠点を有する為、種々の難燃化が施されている。特にこ
れらの樹脂が冷蔵庫や空調器などの電気製品、建材に使
用される場合には難燃化に対する消費者の要望は大き
い。これらの樹脂の難燃化の方法の一つにハロゲン系化
合物、リン系化合物、赤燐及び三酸化アンチモン等のい
わゆる難燃剤叉は難燃助剤を添加する方法が提案されて
いる。しかしながら、難燃剤として赤燐を用いた場合
は、難燃剤を含有した樹脂が高温下におかれた時などに
不快な臭気を発生する問題があった。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、難燃剤と
して赤燐を用いた難燃性樹脂が、その加工時及び樹脂成
形品の使用時に発生する不快臭気を低減させることがで
きる難燃性樹脂組成物を提供することを課題とするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討し
た結果、赤燐を含有させた難燃性樹脂の臭気を低減させ
るには、ある特定の金属又はその化合物を難燃性樹脂に
配合することが極めて有効であり、更に特定の水酸化物
を配合することにより、機械的特性の劣化を抑制して、
表面の手ざわり感が良好な樹脂成形品を得ることができ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本
発明は、赤燐を含有させた難燃性樹脂に、銅、亜鉛又は
マンガンを少なくとも1種含有する金属又は化合物から
なる消臭剤を配合したことを特徴とする難燃性樹脂組成
物、及び前記の難燃性樹脂組成物に、2価又は3価の金
属を有する金属水酸化物を配合したことを特徴とする難
燃性樹脂組成物である。以下に本発明について詳細に説
明する。
【0005】
【発明の実施の形態】(1)難燃性樹脂 本発明における難燃性樹脂は赤燐を難燃剤として含有す
るものである。 ○赤燐 本発明における赤燐は、平均粒径1〜50μmのものが好
ましく、必要に応じて表面被覆処理されたものであって
も良い。表面被覆処理された赤燐としては、オレフィン
被覆赤燐、カルボン酸重合体被覆赤燐、酸化チタン被覆
赤燐、チタンアルミニウム縮合物被覆赤燐、チタン−コ
バルト複合水和酸化物被覆赤燐及び熱硬化性樹脂被覆赤
燐等が好ましい例としてあげられる。表面被覆処理剤の
好ましい添加量は、赤燐100重量部(以下、単に部と
略す)あたり約0.1〜10部である。難燃性を賦与する
ための好ましい赤燐の添加割合は、樹脂100部当たり
1〜10部である。
【0006】赤燐を含有させる樹脂に特に制限はない。
好ましい樹脂として成形品用として用いられる以下の樹
脂がある。即ち、ポリカーボネート樹脂、ナイロン樹
脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン、ABS系樹
脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビ
ニル、フェノキシ樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、
ポリイミド、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキサイ
ド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフ
タレ−ト、メタクリル樹脂等の熱可塑性樹脂や、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、アルキド樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性樹脂
および、ブチルゴム、イソプレンゴム、SBR、NB
R、NIR、ウレタンゴム、ブタジエンゴム、アクリル
ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の合成ゴム等があ
る。これらの中で特に好ましい樹脂としてポリオレフィ
ン樹脂、ABS系樹脂、ポリカーボネート樹脂及びナイ
ロン樹脂がある。以下のこれらの樹脂について説明す
る。
【0007】○ポリオレフィン樹脂 本発明におけるポリオレフィン樹脂は、特に種類の制限
はなく、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブテン、
ペンテン又はメチルペンテン等のオレフィン類の単独重
合物或いは共重合物である。これらの重合物の分子量或
いは密度等の各種物性は、必要に応じて適宜選択すれば
良く、例えばポリエチレンは密度により0.910〜
0.929g/cm3の低密度ポリエチレン、0.93
0〜0.941g/cm3 の中密度ポリエチレン及び
0.942g/cm3 以上の高密度ポリエチレンに分類
でき、製造法、分子構造叉は分子量を考慮すると、低密
度ポリエチレン、超高密度ポリエチレン、直鎖状低密度
ポリエチレン、超低密度ポリエチレン等に分類できる
が、本発明においてこれらいずれのものも使用できる。
また、オレフィン類と他の単量体を共重合させたり、ポ
リオレフィンに他の樹脂を配合した変性ポリオレフィン
を使用することもできる。変性ポリオレフィンの好まし
い具体例として、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、アイオノ
マー及びエチレン−プロピレン−ジエン類のターポリマ
ー等がある。ポリオレフィン樹脂組成物の物性を改善す
るために、必要に応じて種々の他の添加剤を配合するこ
ともできる。具体例としては顔料、染料、酸化防止剤、
耐光安定剤、帯電防止剤、発泡剤、耐衝撃強化剤、ガラ
ス繊維、防湿剤及び増量剤等がある。ポリオレフィン樹
脂は粉末状では成形が困難なため、ペレット状の成形体
を用いても良い。ペレットの形状には特に制限はなく、
例えば球状、角柱状、円柱状及び円盤状がある。
【0008】○ABS系樹脂 本発明におけるABS系樹脂は、樹脂の連続相にゴム質
が分散した構造を有する熱可塑性樹脂である。ABSの
略号は、原料成分であるアクリロニトリル(Acryl
onitrile)、ブタジエン(Butadien
e)及びスチレン(Styrene)の頭文字を重ねた
ものであり、これらの3成分はABS系樹脂の構成成分
として代表的なものであるが、本発明におけるABS系
樹脂は、必ずしもこれらの3成分からなる樹脂に限定さ
れない。好ましい具体例としては、ジエン系ゴムに代表
されるゴム状エラストマー成分の存在下に、スチレン及
びアクリロニトリルを主成分とするビニルモノマーをラ
ジカルグラフト重合して得られるグラフト重合体が挙げ
られる。
【0009】ABS系樹脂の構成成分となるエラストマ
ー成分としては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、
ポリイソプレン、ポリクロロプレン等のジエン系ゴムの
他、エチレン−ポリピレン共重合体、エチレン−ポリピ
レン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエンモノマ−
三元共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリイソブチレン
等のオレフィン系ゴム、(メタ)アクリル酸アルキルを
主成分とするアクリル系ゴム等が挙げられ、ジエン系ゴ
ムがより好ましい。
【0010】上記の各種エラストマー成分を使用して製
造したグラフト共重合体は、エラストマーの種類によ
り、ABS樹脂、AES樹脂、ACS樹脂、AAS樹脂
等と略称されることがあるが、本発明ではこれらを総称
してABS系樹脂という。上記エラストマーにグラフト
重合されるビニルモノマーは、スチレン及びアクリロニ
トリルを主成分とするが、必要に応じてビニルモノマ
ー、例えばα−メチルスチレン、芳香族置換スチレン
類、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニ
トリル、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、フェニ
ルマレイミドに代表されるN置換マレイミド類を併用し
ても良い。全ビニルモノマー中のスチレンの好ましい割
合は50〜90重量%であり、60〜85重量%が更に
好ましい。アクリロニトリルの好ましい割合は40〜1
0重量%であり35〜15重量%が更に好ましい。
【0011】重合の方法としては、乳化重合法、塊状重
合法、懸濁重合法、溶液重合法等が採用され、これらを
組み合わせた重合法も採用できる。
【0012】ABS系樹脂中のエランストマー成分の好
ましい重合割合は5〜40重量%であり、更に好ましく
は10〜30重量%である。また、ABS系樹脂は他の
樹脂との相溶性が良いため、ABS系樹脂が有する耐熱
性、耐衝撃性等の固有の性質を損なわない範囲で、種々
の樹脂或いは、ラバーとブレンドすることもでき、例え
ば塩化ビニル、ポリカーボネイト、ポリウレタン、ナイ
ロン等とブレンドすることもできる。これらの樹脂或い
はラバーの好ましい配合割合は、通常ABS系樹脂10
0部当たり100部までである。
【0013】更に、ABS系樹脂組成物の物性を改善す
るために、必要に応じて種々の他の添加剤を配合するこ
ともできる。具体例としては顔料、染料、酸化防止剤、
耐光安定剤、帯電防止剤、発泡剤、耐衝撃強化剤、ガラ
ス繊維、防湿剤及び増量剤等がある。
【0014】ABS系樹脂は粉末状では成形が困難なた
め、ペレット状の成形体を用いても良い。ペレットの形
状には特に制限はなく、例えば球状、角柱状、円柱状及
び円盤状がある。
【0015】○ポリカーボネート樹脂 本発明におけるポリカーボネート樹脂は主鎖中に炭酸エ
ステル結合−0−R−O−CO−を持つ線状高分子をい
う。Rの種類を変えることにより、多くの種類が存在す
るが、大きく分けて以下の3つがある。Rが芳香族ジオ
キシ化合物よりなる脂肪族ポリカーボネート、Rが芳香
族を含む脂肪族ジオキシ化合物残基よりなる芳香族−脂
肪族ポリカーボネート、およびRが芳香族ジオキシ化合
物残基よりなる芳香族ポリカーボネートである。変成ポ
リカーボネートとしてこれらの3つの異なったジオキシ
化合物を原料としたコポリカーボネート(ホモ結合共重
合体)や、カーボネート結合の他にエステル結合、ウレ
タン結合、あるいはシクロヘキサン結合などを主鎖中に
有するヘテロ結合共重合体などの変性ポリカーボネート
も本発明のポリカーボネート樹脂に含まれる。更に、ポ
リカーボネート樹脂組成物の物性を改善するために、必
要に応じて種々の他の添加剤を配合することもできる。
具体例としては顔料、染料、酸化防止剤、耐光安定剤、
帯電防止剤、発泡剤、耐衝撃強化剤、ガラス繊維、防湿
剤及び増量剤等がある。ポリカーボネート樹脂は粉末状
では成形が困難なため、ペレット状の成形体を用いても
よい。ペレットの形状には特に制限はなく、例えば球
状、角柱状、円柱状及び円盤状がある。
【0016】○ナイロン樹脂 本発明におけるナイロン樹脂は、ポリアミド系の高分子
であり、具体例としては、ナイロン6、ナイロン66、
ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12、および
これらの共重合物が挙げられる。更に、ナイロン樹脂組
成物の物性を改善するために、必要に応じて種々の他の
添加剤を配合することもできる。具体例としては顔料、
染料、酸化防止剤、耐光安定剤、帯電防止剤、発泡剤、
耐衝撃強化剤、ガラス繊維、アスベスト、グラファイ
ト、防湿剤及び増量剤等がある。
【0017】(2)消臭剤 本発明の樹脂組成物は、上記の難燃性樹脂に銅(1価又
は2価)、亜鉛又はマンガンを少なくとも1種含有する
金属又は化合物からなる消臭剤を配合したものである。
銅、亜鉛又はマンガンを少なくとも1種含有する好まし
い化合物は、酸化物、水酸化物、リン酸、塩酸、硫酸等
の無機酸の塩、酢酸、蓚酸、アクリル酸等の有機酸の
塩、銅、亜鉛又はマンガンを少なくとも1種担持させた
無機化合物等である。無機化合物に担持させる金属の中
で、消臭能が高いことから、銅又は亜鉛が好ましく、特
に銅が好ましい。銅、亜鉛又はマンガンを担持させる担
体として好ましい無機化合物は、4価金属リン酸塩、ゼ
オライト及び多孔質二酸化ケイ素等である。
【0018】○4価金属リン酸塩 本発明における4価金属リン酸塩は、水に対して不溶性
叉は難溶性の4価金属リン酸塩である。好ましい具体例
として、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン、リン酸ス
ズ等がある。これらの化合物には、α型結晶、β型結
晶、γ型結晶、ナシコン型結晶等、種々の結晶系を有す
る結晶質のものと非晶質のものがあるが、イオン交換性
を有するものは、いずれも本発明において好適に使用で
きる。4価金属リン酸塩に銅、亜鉛又はマンガンを担持
させるには、4価金属リン酸塩を、これらの金属イオン
塩溶液に接触させ、イオン交換により担持させればよ
い。金属イオンの担持量は、4価金属リン酸塩のイオン
交換容量内であれば、100%まで所望により自由に調整
することができる。
【0019】○ゼオライト 本発明におけるゼオライトはアルミノシリケート骨格か
らなる三次元構造の陽イオン交換体である。Al/Si
比、結晶系により様々な種類が存在するが、本発明では
公知のものはすべて用いることができる。例えば、アナ
ルサイトなどのアナルサイト群、シャバサイト、グメリ
ナイト、エリオナイト等のシャバサイト群、モルデナイ
ト、ZMS−5などのモルデナイト群、フォージャサイ
ト、A型などのフォージャサイト群などがある。ゼオラ
イトに銅、亜鉛又はマンガンを担持させるには、ゼオラ
イトを、金属イオンの塩溶液に接触させ、イオン交換に
より担持させればよい。金属イオンの担持量は、ゼオラ
イトのイオン交換容量内であれば、100%まで所望に
より自由に調整することができる。
【0020】○多孔質二酸化ケイ素 好ましい多孔質二酸化ケイ素は比表面積が400〜900m2
gであり且つ平均細孔径が0.1〜10nmである。より好
ましい比表面積は、500〜900m2/gであり、より好まし
い平均細孔径は、2〜8nmである。多孔質二酸化ケイ
素の市販品として、シリカゲルやニップシール(微粒子
含水二酸化ケイ素)等がある。多孔質二酸化ケイ素に
銅、亜鉛又はマンガンを担持させるには、多孔質二酸化
ケイ素を、金属イオンの塩溶液に接触させればよい。金
属イオンの担持量は、多孔質二酸化ケイ素が担持できる
量内であれば、100%まで所望により自由に調整するこ
とができる。
【0021】本発明における消臭剤は、通常粉体状で得
られ、好ましい平均粒径は0.01〜20μmであり、より好
ましくは0.01〜10μmであり、さらに好ましくは0.01〜
5μmである。平均粒径が前記の好ましい範囲にあるも
のは、樹脂への分散性が良好であり、樹脂に配合して得
られる成形品の機械的強度、表面外観等も良好である。
【0022】本発明における消臭剤の樹脂に対する好ま
しい添加割合は、樹脂100部あたり0.01〜5部である。
添加割合が0.01部より少ないと、樹脂成形時の臭気を十
分除去することは難しい。また、添加割合が5部より多
くしても、添加量に対する臭気除去の効果向上の程度が
小さく、また機械的強度が低下するため好ましくない。
【0023】(3)金属水酸化物 上記のように難燃剤として赤燐を含有する樹脂に、本発
明における特定の消臭剤を配合すると、樹脂成形品の成
形時および使用時の臭気を顕著に低減でき、更に2価又
は3価の金属を有する金属水酸化物を添加すると、機械
的特性の劣化を抑制して表面の手ざわり感が良好な樹脂
成形品を容易に得ることができる。
【0024】本発明における金属水酸化物の好ましい具
体例は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム及び
水酸化カルシウム等である。金属水酸化物の好ましいB
ET比表面積は1〜30m2/gであり、より好ましくは1
〜10m2/gであり、好ましい平均2次粒子径は0.1〜2
0μmであり、さらに好ましくは0.2〜5μmである。比表
面積又は平均粒径が前記の好ましい範囲内であるもの
は、樹脂への分散性が良好であり、樹脂に配合して得ら
れた成形品の機械的特性及び表面手ざわり感も良好であ
る。
【0025】本発明における金属水酸化物は、表面被覆
処理剤で処理したものでも良く、好ましい表面被覆処理
剤として以下の化合物がある。即ち、オレイン酸、ステ
アリン酸等の高級脂肪酸またはそのアルカリ金属塩類、
ステアリルアルコール、オレイルコール等の高級アルコ
ールの硫酸エステル塩、エステル結合アルキルアリール
スルホン酸塩、アミド結合アルキルアリールスルホン酸
塩等のアニオン系界面活性剤類、ビニルエトキシシラ
ン、ビニル−トリス(2−メトキシ)シラン、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシ−プロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤
類、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イ
ソプロピルトリス(ジオクチルパイロフォスフェート)
チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−ア
ミノエチル)チタネート、イソプロピルトリプロピルト
リデシルベンゼンスルホニルチタネート等のチタネート
系カップリング剤類、アセトアルコキシアルミニウムジ
イソプロピレート等のアルミニウム系カップリング剤、
オルトリン酸とオレイルアルコール、ステアリルアルコ
ールとのモノまたはジエステルであって、それらの酸ま
たはアルカリ金属塩またはアミン塩等のリン酸部分エス
テル類がある。表面被覆処理剤の好ましい添加割合は、
金属水酸化物100部あたり約0.1〜10部である。
【0026】本発明における金属水酸化物の樹脂に対す
る好ましい添加割合は、樹脂100部あたり0.001〜5部で
ある。添加割合が0.001部より少ないと、得られる樹脂
成形品において表面の手ざわり感が悪くなったり、樹脂
成形品の機械的特性が劣化するため好ましくない。ま
た、添加割合を5部より多くしても、得られる樹脂成形
品において表面の手ざわり感、機械的特性の維持、向上
が認められない。
【0027】(4)難燃性樹脂組成物の調製方法 上記の各成分を定法により混合することにより本発明の
難燃性樹脂組成物を容易に得ることができる。混合に用
いる装置、混合条件に特に制限はない。
【0028】(5)樹脂成形品の形状と用途 本発明の難燃性樹脂組成物は樹脂の種類に応じた定法に
より任意の形状に成形でき、その成形形態は特に制限さ
れることはない。具体例として例えば、ブロック、フィ
ルム、繊維、板、棒及び筒等がある。又、樹脂成形品を
用いる分野として電化製品、OA機器、自動車部品、家
内装飾品、カーテン、不織布等の繊維製品等がある。
【0029】以下、本発明を実施例及び比較例により具
体的に説明する。
【実施例1〜9】ポリカーボネート樹脂(三菱化学株式
会社製、三菱タフロンA-2200、以下PC樹脂と略称す
る)100部に、平均粒径が13μmの赤燐を3部、本発
明における各種消臭剤を0.5部及び表面処理水酸化マク
゛ネシウム(協和化学工業株式会社製商品名キスマ5A)を
0.2部それぞれ添加し、これらを均一に混合した後、
名機製作所製M−50AII−DMを用いて270℃で
射出成形し、10cm×11cm×2mmのプレートを
作製した。各実施例において配合した成分の種類を下記
表1に示した。
【0030】
【比較例1〜4】PC樹脂100部に、赤燐を3部、
銅、亜鉛又はマンガンの何れの金属も担持させていない
担体を0.5部又は金属水酸化物を0.2部配合し、こ
れらを均一に混合した後、名機製作所製M−50AII
−DMを用いて270℃で射出成形し、10cm×11
cm×2mmのプレートを作製した。各比較例において
配合した添加剤の種類を下記表2に示した。
【0031】
【比較例5】PC樹脂100部に対して、本発明におけ
る消臭剤及び金属水酸化物を一切配合せず、赤燐のみを
3部配合し、これらを均一に混合した後、名機製作所製
M−50AII−DMを用いて270℃で射出成形し、
10cm×11cm×2mmのプレートを作製した。
【0032】<臭気テスト>上記のようにして得たプレ
ートの成形直後のにおいを事務系の職員10人に嗅いで
もらい、消臭剤を配合していない比較例5のプレートに
比べ臭気が著しく低減したと感じたものを「○」、臭気
が低減したと感じたものを「△」、臭気の低減が感じら
れず添加剤を添加していないものと同程度の臭気を感じ
たものを「×」と表した。その結果を下記表3に示し
た。
【0033】<表面の手ざわり感>上記のようにして得
たプレートを温度70℃、湿度95%で24時間静置後、プ
レートの表面を素手で触り、べとつき感があるかどうか
を調べた。その結果を下記表3に示した。
【0034】<引張特性>上記のようにして得たプレー
トの引張特性をJIS K 7113に準じて、試験片として2
号試験片を用い、試験速度を10mm/minで測定した。引
張強さおよび試験片が破断した時の伸び率を下記表3に
示した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】上記表3から以下のことが明らかである。 ・比較例1〜4では臭気が全く抑制されていないが、実
施例1〜9では成形時の臭気が顕著に抑制されている。
これらの結果は、本発明における特定の消臭剤を含有さ
せることは難燃性性樹脂の臭気を抑制するのに極めて有
効であることを示している。 ・試験片の伸び率を比較例5と比較すると、実施例1〜
4ではやや小さくなったのに対して、実施例5〜9では
伸び率の低下が抑制されている。これらの結果は、難燃
性樹脂組成物の成形品が添加剤の配合により機械的特性
の劣化を引き起こす現象を抑制する手段として、金属水
酸化物の配合が有効であることを示している。又、銅を
担持させた化合物を消臭剤として配合した場合には、金
属水酸化物を配合することにより、樹脂成形品の表面手
ざわり感が良好になるという利点が加わる。
【0039】
【本発明の効果】本発明の難燃性樹脂組成物は、加工時
及び得られる樹脂成形品の使用時において、赤燐に由来
する不快な臭気が顕著に少ない。本発明における特定の
消臭剤に加えて更に特定の金属水酸化物を配合した場
合、得られる難燃性樹脂組成物の成形品は、機械的特性
の劣化がなく、表面手ざわり感の良好なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AC031 AC061 AC071 AC081 AC121 BB031 BB051 BB061 BB071 BB121 BB151 BB171 BB181 BB231 BC031 BD031 BD101 BF021 BG041 BG051 BN061 BN101 BN121 BN151 CB001 CC031 CC161 CC181 CD001 CF011 CF061 CF211 CG001 CH071 CK021 CL001 CL011 CL031 CL051 CM041 CN021 CN031 CP031 DA057 DA076 DA106 DA116 DD076 DE078 DE088 DE096 DE106 DE148 DG046 DH046 EG046 FB088 FB098 FB168 FB238 FB248 FD137 FD138 GK01 GN00 GQ00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】赤燐を含有させた難燃性樹脂に、銅、亜鉛
    又はマンガンを少なくとも1種含有する金属又は化合物
    からなる消臭剤を配合したことを特徴とする難燃性樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の難燃性樹脂組成物に、2価
    又は3価の金属を有する金属水酸化物を配合したことを
    特徴とする難燃性樹脂組成物。
JP34946598A 1998-12-09 1998-12-09 難燃性樹脂組成物 Pending JP2000169728A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012128340A1 (ja) * 2011-03-24 2012-09-27 住友化学株式会社 ポリスルホン組成物および成形体
CN104761877A (zh) * 2014-12-26 2015-07-08 上海普利特复合材料股份有限公司 一种低散发、耐水解pc/abs材料及其制备方法

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