JP2000169589A - 光学活性有機シリコン単独重合体および共重合体 - Google Patents

光学活性有機シリコン単独重合体および共重合体

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JP2000169589A
JP2000169589A JP35153898A JP35153898A JP2000169589A JP 2000169589 A JP2000169589 A JP 2000169589A JP 35153898 A JP35153898 A JP 35153898A JP 35153898 A JP35153898 A JP 35153898A JP 2000169589 A JP2000169589 A JP 2000169589A
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chiral
methyl
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Hiroshi Nakajima
寛 中島
Michiya Fujiki
道也 藤木
Hiromi Takigawa
裕美 瀧川
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Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規なエナンチオマー認識材料、特にHPL
CまたはGC用CSP用カラム材料として有用な、光学
活性シリコン単独重合体および共重合体を提供するこ
と。 【解決手段】 一般式(I)で表わされる光学活性シリ
コン単独重合体であって、R1 がアリール基、アラルキ
ル基、アリールオキシアルキル基、およびアルキルエー
テル基からなる群から選択され、R* がβ−位が不斉中
心であるキラルなアルキル基を含むアルキルオキシアリ
ール基の位置異性体からなる群から選択され、およびn
が10〜100000の範囲にあることを特徴とする光学活性有
機シリコン単独重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーモクロミズ
ム、ピエゾクロミズム、電界発光、エナンチオマー分子
認識能、あるいは一次元量子細線半導体、励起子物質と
しての物性や機能が期待される新規な光学活性有機シリ
コン単独重合体および共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】有機シリコン化合物は産業上有用なもの
が多く、表面処理剤、撥水・撥油剤、電気絶縁体、熱媒
体、セラミック材の前駆体など、いずれもシリコンを骨
格の一部に含む高分子である。近年、主鎖骨格がシリコ
ンのみから形成される、溶媒に可溶な有機ポリシランが
新しいタイプの機能材料として注目を集めてきており、
フォトレジスト、光導波路材科を指向した多くの研究が
進められている。
【0003】有機ポリシランは一般に300 から400nm 付
近にSi-Si 連鎖に特有の主鎖骨格に基づく紫外吸収帯を
持つ。従来のポリシランの主鎖吸収は室温溶液中、主鎖
骨格がランダムコイル状であるため、分子吸収係数が約
5000〜10000 (モノマー単位/リットル)-1cm-1、半
値幅0.5 〜 0.6V(約40〜60nm)程度の幅広い主鎖吸収
を示す。
【0004】それに対して、最近報告されたβ−位が分
枝構造であるアルキル基を持つ一連の有機ポリシラン類
は、主鎖骨格が剛直ロッド状であるため、分子吸収係数
が約4000〜110000(モノマー単位/リットル)-1
-1、半値幅0.1 〜 0.05 eV(約8〜4nm)程度の非常
に急峻な主鎖吸収を示す。例えば、(1)M.フジキ、ジ
ャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ
(J. Am. Chem. Soc. )、第116 巻、第6017ページ(19
94年)、(2)M.フジキ、ジャーナル・オブ・アメリカ
ン・ケミカル・ソサイエティ(J. Am. Chem. Soc. )、
第116 巻、第11976ページ(1994年)、(3)M.フジ
キ、アプライド・フィジックス・レターズ(Appl. Phy
s. Lett. )、第65巻、第3251ページ(1994年)、
(4)M.フジキ、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミ
カル・ソサイエティ(J. Am. Chem. Soc. )、第118
巻、第7424ページ(1996年)、(5) M. フジキ、ポリ
マー・プレプリント(Polym. Prepr.) 、第37巻、第454
頁(1996年)などがすでに報告されている。すなわち、
有機ポリシランの吸収スペクトル強度・半値幅は、主鎖
の形態によって著しく変化することが知られるようにな
った。
【0005】一方、種々のアルキル置換基を有する有機
ポリシランに対し、構造中に極性酸素を有する芳香族置
換基を導入した有機ボリシランに関する報告例は一例の
みであり(例えば、ポリ[p−メトキシフェニルメチル
シラン]に関する、J. M. Zeig1er ほか、マクロモレキ
ュールズ(Macromolecules)、第20巻、第601 ページ
(1987))、シリコン主鎖の光物性および形態に関する
系統だった研究はなされていない。芳香族置換基を有す
る有機ポリシランの光物性は、シリコン主鎖のσ共役に
基づく吸収・蛍光を示すのみでなく、芳香族置換基のπ
軌道とシリコンの3p軌道との相互作用にも左右される。
また極性酸素の導入は、主鎖を構成するシリコンの電子
構造をより大きく変化させることが期待できる。
【0006】これらのことは極性酸素を有する芳香族置
換基を側鎖に導入し、構造の変化により芳香族置換基の
π軌道準位を操作すれば、相互作用するシリコン主鎖の
吸収極大波長を数十nmほどの広域で容易に変化させるこ
とができる、いわばシリコン主鎖の光物性を置換基効果
によりリモートコントロールできる可能性を示してい
る。この効果は、将来、光機能性の精密制御という点に
おいて非常に興味がもたれるところである。また、この
有機ポリシランの形態に関しては、比較的バルキーな芳
香族置換基と種々のアルキル置換基との組み合わせによ
り、側鎖のバランスを変化させることができ、かなり収
縮したランダムコイル状から剛直ロッド状まで、置換基
に依存した幅広い形態をとることが考えられる。
【0007】有機ポリシランは、主鎖自身がシリコンの
みから構成される高分子であるため、紫外線照射により
比較的容易に主鎖分解を起こし、低分子量化、あるいは
シロキサン化が進行する。実際にこれを利用したフォト
レジストとしての応用例が報告されている。したがっ
て、有機ポリシランの主鎖吸収や発光現象を直接利用し
た非線形光学材料、発光材料など、光関連の機能材料と
しては寿命の点では不適である。しかしながら、もし有
機ポリシランの主鎖吸収帯よりも長波長側で機能する性
質が見つかれば、この欠点を克服することができる。な
ぜなら、有機ポリシラン自身は暗所では非常に安定であ
るからである。
【0008】一方、エナンチオマーを認識する高分子材
料として、これまでスパルテイン−n-ブチルリチウムを
重合開始剤にして合成したポリ(トリフェニルメチルメ
タクリレート)やポリ(ジフェニルピリジルメチルメタ
クリレート)など、主鎖が一方向のラセン巻き性を有す
る炭素骨格高分子が知られている(例えば、Y.オカモト
(Y.Okamoto )ほか、ジャーナル・オブ・アメリカン・
ケミカル・ソサイエティ(J. Am. Chem. Soc.) 、第103
巻、第6971頁(1981))。これらの一方向のラセン巻き
性を持つ有機高分子は、実際にシリカゲル表面に担持さ
れた形態で、エナンチオマーを分離分割する高速液体ク
ロマトグラフィー用カラム材として市販されている〔ダ
イセル化学(株)Chiralpak-OT,Chiralpak-OP〕。しか
しながら、これらポリ(トリフェニルメチルメタクリレ
ート)系材料は、主鎖ヘリックス構造を固定する側鎖部
が加水分解または加溶媒分解で脱離すると、エナンチオ
マー認識能も同時に失われるという欠点を有する。
【0009】有機ポリシランのシリコン主鎖骨格や炭化
水素系側鎖が加水分解や加溶媒分解に対して耐性がある
という特徴を活かせば、通常、暗所、脱酸素の条件下で
使用する高速液体クロマトグラフィー(HPLCと略)、ガ
スクロマトグラフィー(GCと略)用カラム材料としての
用途が開ける。現在HPLCによる分離分析手段として、逆
相条件でも使用できるエナンチオマー認識用カラム材の
多くは生体物質由来のものであり、その多くがアミド結
合を有するアルキル誘導体であるため、やはり加水分解
によるカラムの劣化という課題が残されている。ここで
もし、極性酸素を有する芳香族置換基を導入した全く人
工的な有機ポリシランをカラム担体として利用できれ
ば、外部刺激(酸・アルカリ、加水分解などの化学的変
化、熱、圧力などの物理的変化)に比較的安定で、長期
的な反復使用に対しても主鎖の一方向ラセン高分子の巻
き性に由来するエナンチオマー認識能が保持され、カラ
ムの劣化を抑制できるという点から考えても、過去に例
を見ない高機能HPLC用キラル固定相(CSP) あるいはGC用
CSP カラム材料が提供できる。
【0010】また認識対象のエナンチオマーとポリシラ
ン間のさまざまな相互作用(π−π相互作用、双極子−
双極子相互作用、水素結合、極性酸素のローンペアと基
質間の電子供与−吸引性など)による多点認識が可能に
なり、親和性が飛躍的に向上することも期待できる。こ
れは生体中における酵素が、体内に摂取された食物中の
栄養素を多点で認識し、必要なもののみを取捨選択して
単離する様子によく類似している。その他、導入したア
ルキル置換基の種類や芳香族置換基中の極性酸素の位置
により、有機ポリシランの光学特性・形態を精密に制御
することができれば、認識対象のエナンチオマーの性質
に応じたポリシランカラム担体を選択的に合成し、利用
することができる。
【0011】さらに光学活性基の導入により、室温溶液
中で主鎖自身が一方向ラセン高分子の巻き性構造を安定
に維持できれば、エナンチオマー認識高分子材料の実用
化への第一歩を踏み出すことができる。キラル試薬は医
薬・製薬業界をはじめとする各分野で今後もさらに開発
が進み、その数・性質ともに大いなる進展がみられるで
あろう。そこで、ポリシランカラムを利用して課題とさ
れている完全なエナンチオマー分離を行うことができれ
ば、技術的にも商業的にも大いなるメリットが期待され
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新規
なエナンチオマー認識材料、特にHPLCやGC用CSP カラム
材料として、また一次元半導体・量子細線構造研究用モ
デル標準物質として有用な、キラル中心を含む有機置換
基および極性酸素を有する芳香族置換基を側鎖に持ち、
室温溶液中で主鎖の一方向ヘリックスが安定に保持され
た新規な光学活性有機シリコン単独重合体および共重合
体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明の第1 の態様は光学活性有機シリコン単独重合体に
関する発明であって、下記一般式(I)で表わされる光
学活性シリコン単独重合体であり、
【0014】
【化3】
【0015】ここで、R1 がアルキル基、アラルキル
基、アリールオキシアルキル基、およびアルキルエーテ
ル基から選択され、R* がβ−位が不斉中心であるキラ
ルなアルキル基を含むアルキルオキシアリール基の位置
異性体から選択され、およびnが10から100000までの範
囲にある。
【0016】本発明の第2の態様は、一般式(I)にお
いて、R1 がメチル基であり、R*が(S)−m−(2
−メチルブトキシ)フェニル基および(R)−m−(2
−メチルブトキシ)フェニル基から選択され、およびn
が10から100000までの範囲にある光学活性有機シリコン
単独重合体である。
【0017】本発明の第3の態様は光学活性有機シリコ
ン共重合体に関する発明であって、下記一般式(II)
で表される光学活性でキラルな有機置換基が導入された
シリコン単位を主鎖骨格の一部に含み、nが10から1000
00までの範囲にある光学活性シリコン共重合体であり、
【0018】
【化4】
【0019】ここで、R1 がアルキル基、アラルキル
基、アリールオキシアルキル基、およびアルキルエーテ
ル基から選択され、R2 およびR3 が同一または異なる
アルキルオキシアリール基の位置異性体を表わし、R*
がβ−位が不斉中心であるキラルアルキル基を表わし、
xは0.001 ≦x≦0.999 を示す。
【0020】本発明の第4の態様は、一般式(II)に
おいて、R1 がメチル基であり、R2 およびR3 がm−
メトキシフェニル基であり、R* が(S)−2−メチル
ブチル基および(R)−2−メチルブチル基からなる群
から選択され、xが0.001 ≦x≦0.999 であり、および
nが10から100000までの範囲にある光学活性でキラルな
有機置換基が導入された前記有機シリコン共重合体であ
る。
【0021】本発明の第5の態様は、一般式(II)に
おいて、R1 がメチル基であり、R 2 およびR3 がp−
メトキシフェニル基であり、R* が(S)−2−メチル
ブチル基および(R)−2−メチルブチル基からなる群
から選択され、xが0.001 ≦x≦0.999 であり、および
nが10から100000までの範囲にある光学活性でキラルな
有機置換基が導入された前記有機シリコン共重合体であ
る。
【0022】本発明の第6の態様は、一般式(II)に
おいて、R1がメチル基であり、R2がp−メトキシフェ
ニル基であり、R3 がm−メトキシフェニル基であり、
*が(S)−2−メチルブチル基および(R)−2−
メチルブチル基からなる群から選択され、xが0.001 ≦
x≦0.999 であり、およびnが10から100000までの範囲
にある光学活性でキラルな有機置換基が導入された前記
有機シリコン共重合体である。
【0023】前記第1および第2の態様は、本発明の第
1の発明に関する。その特徴は、アルキル置換基とβ−
位が不斉中心であるキラルなアルキル基を含むアルキル
オキシアリール置換基両方を持つ光学活性有機シリコン
単独重合体である。
【0024】一方、前記第3から第6の態様は、本発明
の第2の発明に関する。その特徴は、アルキル置換基と
アルキルオキシアリール置換基とを持つシランモノマー
単位と、β−位が不斉中心であるキラルなアルキル基と
同一または異なるアルキルオキシアリール基の位置異性
体とを持つシランモノマー単位との光学活性有機シリコ
ン共重合体である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明で使用した非対称置換型クロロシラン類
は、下記一般反応式(III)に基づいて合成される。
【0026】
【化5】
【0027】THFはテトラヒドロフラン、Et2 Oは
ジエチルエーテルを示す。
【0028】本発明において、R1 で表される置換基の
うち、アルキル基の例としては、CH3 ,C2H5,n-C3H7
n-C4H9,n-C5H11 ,n-C6H13 ,n-C7H15 ,n-C8H17 ,n-
C9H19 ,n-C10H21,n-C11H23,n-C12H25,n-C13H27,n-
C14 H29 ,n-C15H31,n-C16H33、n-C17H35、n-C18H37
n-C19H39、n-C20H41などが挙げられる。またアラルキル
基の例としては、CH2Ph (Phはフェニル基を示す。以下
回じ。)、CH2CH2Ph,CH2CH2CH2Ph ,CH2CH2CH2CH2Phな
どが挙げられる。またアリールオキシアルキル基の例と
しては、CH2OPh,CH2CH2OPh ,CH2CH2CH2OPh,CH2CH2CH
2CH2OPh などが挙げられる。そしてアルキルエーテル基
の例としては、CH2CH2OCH2CH2OC2H5、CH2CH2O(CH2CH2O)
2C2H5 などが挙げられる。本発明において、R2 または
3 で表される置換基の例としては、o-(CH3O)Ph,m-(C
H3O)Ph,p-(CH3O)Phなどが挙げられる。
【0029】nは本発明の光学活性シリコン単独重合体
および共重合体の重合度を表わす。nは10から100
000の範囲にある。
【0030】xは本発明の光学活性シリコン共重合体中
の全モノマーに対するアキラルなモノマーの比を表す。
xは0.001〜0.999の範囲内にあることができ
る。
【0031】本発明で用いる光学活性ジクロロシランモ
ノマーは、99.6%e.e.の鏡像体過剰率(すなわち、
光学純度に対応している)を有するアルキルオキシアリ
ールハライドおよびアルキルハライドを用いた一般式
(III)の反応により合成された。また、M.フジ
キ、Polym. Prepr. ,第37巻,454-455 頁(1996)にお
いて、ジアルキル置換型光学活性有機ポリシラン類につ
いて、20%e.e.程度の低い光学純度を有するものにつ
いても、高い光学純度を有するものと同等の光学的性質
が得られることが報告されている。このことから、今回
の芳香族置換基を有する光学活性有機ポリシラン類につ
いても、低光学純度であっても、高い光学純度のものと
同等の光学的性質が得られるものと期待できる。
【0032】本発明の第1の発明において、一般式
(I)のR* で表される基のうち、(S)−体または
(R)−体のR* で表される基の例としては、下記式
(IV)で表される各基が挙げられる。
【0033】
【化6】
【0034】上記においては、m−体のみを示したが、
o−体、p−体も同様に有効な基である。
【0035】本発明の第2の発明において、R* で表さ
れる基のうち、(S)−R* で表される基の例として
は、下記式(V)で表される各基が挙げられる。
【0036】
【化7】
【0037】本発明の第2の発明において、R* で表さ
れる基のうち、(R)−R* で表される基の例として
は、下記式(VI)で表される各基が挙げられる。
【0038】
【化8】
【0039】ここで今回使用する有機ジクロロシラン類
13C-、29Si-NMR(CDC13 、30℃)、沸点、比旋光度の
各データを次にまとめる。
【0040】1)メチル−(S)−m−(2−メチルブ
トキシ)フェニルジクロロシラン13 C-NMR: 7.004, 11.253, 16.787, 26.113, 34.732,
73.104, 110.649,120.602, 133.727, 135.748, 163.497
ppm29 Si-NMR: 18.196ppm 沸点 110 ℃-115℃/0.80mmHg [α]D 6.23゜(ニート液体、22.0℃) 2)(S)−2−メチルブチル−m−メトキシフェニル
ジクロロシラン13 C-NMR : 11.147, 21.798, 28.361, 30.322, 32.30
9, 55.284, 117.088,118.578, 125.516, 129.630, 134.
746, 159.263ppm29 Si-NMR: 18.781ppm 沸点 80℃-85 ℃/0.18mmHg [α]D 14.91 ゜(ニート液体、25.0℃) 3)(S)−2−メチルブチル-p−メトキシフェニルジ
クロロシラン13 C-NMR : 11.156, 21.789, 28.614, 30.366, 32.30
9, 55.101, 114.020,124.330, 135.138, 162.209ppm29 Si-NMR: 19.069ppm 沸点 84℃-87 ℃/0.10mmHg [α]D 14.99 ゜(ニート液体、25.0℃) 4)メチル−m−メトキシフェニルジクロロシラン13 C-NMR : 5.495, 55.253, 117.282, 118.251, 125.
161, 129.708,134.730, 159.315ppm29 Si-NMR: 18.543ppm 沸点 87 ℃-90 ℃/3.50mmHg 5)メチル−p−メトキシフェニルジクロロシラン13 C-NMR : 5.702, 55.186, 114.057, 124.514, 134.
890, 162.333ppm29 Si-NMR: 18.704ppm 沸点 85 ℃-88 ℃/1.20mmHg 本発明の第1の発明における有機シリコン単独重合体
は、光学活性有機ジクロロシランをトルエン中金属ナト
リウムと脱塩縮合することで、対応する有機シリコン単
独重合体を合成するもので、下記一般式(VII)で表
される。
【0041】
【化9】
【0042】本発明の第2の発明における有機シリコン
共重合体は、光学活性有機ジクロロシランと光学不活性
有機ジクロロシランとを、トルエン中金属ナトリウムと
脱塩縮合することで、対応する有機ポリシラン共重合体
を合成するもので、下記一般式(VIII)で表され
る。その際に、得られる共重合体のラセン高分子の巻き
性は、使用した光学活性有機ジクロロシランの絶対配置
のみで決定される。すなわち、(S)−配置のキラルア
ルキル基を持つ光学活性有機ジクロロシランを共重合体
の一部に取り込めば、(S)−配置のキラルアルキル基
を持つ光学活性有機ジクロロシランのみから合成できる
単独重合体と同じラセン高分子の巻き性になる。
【0043】
【化10】
【0044】上記において、使用する光学活性有機ジク
ロロシラン類は、分岐部がβ−位にあるためNa脱塩縮合
反応過程でのラセミ化や転移反応の恐れがない。本発明
者らの知見では、極少量のβ−位キラル炭素が鎖状骨格
の有機シリコン単独重合体または共重合体全体の主鎖を
ほとんど一方向にかつ一定のピッチのヘリックスに固定
化する効果が顕著である。一方、α−位炭素の分岐構
造、例えばイソプロピル基、シクロヘキシル基では逆に
立体的要請が極めて高く、結果的には極めて低分子量、
通常1000以下でかつ主鎖吸収極大が300 〜320nm で吸収
幅が極めて広い有機ポリシラン単独重合体または共重合
体しか得られなかった。
【0045】
【実施例】本発明である光学活性有機シリコン単独重合
体または共重合体の具体的合成例を下記実施例により更
に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。
【0046】(実施例1)ポリ(メチル−(S)−m−
(2−メチルブトキシ)フェニルシラン)の合成例を示
す。反応容器内を十分に脱水脱気し、アルゴンガス置換
した後、金属ナトリウム0.66g 、ジグライム(ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル)の0.3mlとトルエン10m
lをフラスコに入れた。油浴温度110 ℃においてメチル
−(S)−m−(2−メチルブトキシ)フェニルジクロ
ロシランを少しずつ滴下してナトリウムを活性化させた
後、油浴温度を75℃に下げ、残りのメチル−(S)−m
−(2−メチルブトキシ)フェニルジクロロシランを一
気に滴下した。反応時間は2時間である。
【0047】その後、反応溶液中にエチルアルコールを
加え、未反応のナトリウムを処理した後、エチルアルコ
ールおよび水で十分洗浄し、吸引ろ過により白色の固体
生成物を得た。さらに精製のため、生成物をトルエン中
に再溶解し、溶液をろ過して不溶物を除去した後イソプ
ロパノール、エチルアルコールを用い分別再沈殿を行っ
た。生じた白色沈殿物を遠心分離機で回収し、90℃で5
時間真空乾燥した。収量は0.12g であり、収率はメチル
−(S)−m−(2−メチルブトキシ)フェニルジクロ
ロシランを基準として6.1 %であった。
【0048】GPC 法により重量平均分子量を測定した結
果、34万であった。得られたポリシランの紫外吸収スペ
クトルと円二色(CD)スペクトルを図1に示す。すな
わち、図1は、実施例1 で得られたポリ(メチル−
(S)−m−(2−メチルブトキシ)フェニルシラン)
の吸収、円二色吸収スペクトル(テトラヒドロフラン
中、25℃)を示すグラフである。図1において、横軸は
光子エネルギー(eV)、左縦軸は吸光係数[ε(モノマ
ー単位/リットル)-1cm-1]、右縦軸は円二色吸光係
数[Δε(モノマー単位/リットル)-1cm-1]を示
す。UVスペクトルでは、Si主鎖吸収極大(λmax)が3.
83eV(323.6nm )に観測され、その吸収係数(ε)は86
00となった。また4.13eV(300.6nm )付近に観測される
吸収極大は、芳香族置換基によるものであると思われ
る。
【0049】CDスペクトルでは、2つの吸収極大の中間
付近[3.86eV(321.2nm )]に負のコットンCD吸収帯が
現れ、主鎖吸収付近のUVスペクトルとCDスペクトルは相
似形でなくかつ吸収極大も一致していない。この理由に
ついては現在のところ不明である。円二色吸収スペクト
ルが極大値をとる光子エネルギーにおいて、ラセン性に
非常に敏感な非対称性因子(CD吸収帯をUV吸収帯で除し
た値)は、-4.7×10-5程度であった。(この場合は、3.
83eV(323.6nm )の吸収係数および3.86eV(321.2nm )
のCD吸収帯の強度を用いた。) (実施例2)ポリ[(メチル−m−メトキシフェニル)
0.8 −co−((S)−(2−メチルブチル)−m−メ
トキシフェニル)0.2 シラン]の合成例を示す。反応容
器内を十分に脱水脱気し、アルゴンガス置換した後、金
属ナトリウム1.66g 、ジグライム(ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル)の0.3ml とトルエン12mlをフラス
コに入れた。油浴温度110 ℃においてメチル−m−メト
キシフェニルジクロロシラン3.20g (80モル%)と
(S)−2−メチルブチル−m−メトキシフェニルジク
ロロシラン1.00g (20モル%)の混合物を少しずつ滴下
してナトリウムを活性化させた後、油浴温度を90℃に下
げ、残りのジクロロシランモノマーを一気に滴下した。
反応時間は3時間である。
【0050】その後、反応溶液中にエチルアルコールを
加え、未反応のナトリウムを処理した後、エチルアルコ
ールおよび水で十分洗浄し、吸引ろ過により白色の固体
生成物を得た。さらに精製のため、生成物をトルエン中
に再溶解し、溶液をろ過して不溶物を除去した後イソプ
ロパノール、エチルアルコールを用い分別再沈殿を行っ
た。生じた白色沈殿を遠心分離機で回収し、90℃で5時
間真空乾燥した。収量は0.02g あり、収率はジクロロシ
ランモノマー換算で0.5 %であった。
【0051】GPC 法により重量平均分子量を測定した結
果、45万と1万の二峰性であり、積分比で前者が10%、
後者が90%であった。得られたポリシランの紫外吸収ス
ペクトルと円二色スペクトルを図2に示す。すなわち、
図2は、実施例2で得られたポリ[(メチル−m−メト
キシフェニル)0.8 −co−((S)−2−メチルブチ
ル−m−メトキシフェニル)0.2 シラン]の吸収、円二
色吸収スペクトル(テトラヒドロフラン中、25℃)を示
すグラフである。図2において、横軸は光子エネルギー
(eV)、左縦軸は吸光係数[ε(モノマー単位/リット
ル)-1cm-1]、右縦軸は円二色吸光係数[Δε(モノ
マー単位/リットル)-1cm-1]を示す。UVスペクトル
では、Si主鎖吸収極大(λmax)が3.65eV(339.4nm )
に観測され、その吸収係数(ε)は7700となった。
【0052】CDスペクトルでは、3.62eV(342.5nm )付
近に正のコットンCD吸収帯が観測され、それは3.65eV
(339.4nm )での主鎖吸収帯のほぼ相似形でかつ極大吸
収がほぼ一致することが明らかとなった。円二色吸収ス
ペクトルが極大値をとる光子エネルギ−において、ラセ
ン性に非常に敏感な非対称性因子(CD吸収帯をUV吸収帯
で除した値)は、9.1 ×10-5程度であった。
【0053】以前に検討したポリ[(メチル−フェニ
ル)x −co−((S)−2−メチルブチル−フェニ
ル)1-x シラン]の非対称性因子のキラルモノマー濃度
依存性(トヨダ、フジキ特願平9-29947 号)(図3)で
は、キラルモノマー含有量が30%で非対称性因子がほぼ
飽和することがわかった。さらにポリ[(メチル−フェ
ニル)x −co−((S)−2−メチルブチル−フェニ
ル)1-x シラン]の非対称性因子の値を、一方向ラセン
を与えるポリ(n−ヘキシル−(S)−2−メチルブチ
ルシラン)のそれと比較すると、30%以上の(S)−キ
ラルシランが含まれた共重合体で同程度となり、単独重
合体ポリ((S)−2−メチルブチル−フェニルシラ
ン)と同一のラセン高分子の巻き性、ラセンピッチ、剛
直性高分子構造を取っていることが明らかとなった。
【0054】今回のポリ[(メチル−m−メトキシフェ
ニル)0.8 −co−((S)−2−メチルブチル−m−
メトキシフェニル)0.2 シラン]は、ポリ[(メチル−
フェニル)x −co−((S)−2−メチルブチル−フ
ェニル)1-x シラン]と非常に構造が類似しているため
同様な傾向を示すものと考えられ、30%程度の(S)−
キラルモノマー含有量で非対称性因子の値は飽和し、そ
の含有量では単独重合体ポリ((S)−2−メチルブチ
ル−m−メトキシフェニルシラン)と同一のラセン高分
子の巻き性、ラセンピッチ、剛直性高分子構造を取るよ
うになるものと推測される。
【0055】(実施例3)ポリ[(メチル−p−メトキ
シフェニル)0.8 −co−((S)−2−メチルブチル
−p−メトキシフェニル)0.2 シラン]を実施例2に準
じて合成した。ただし油浴温度は110 ℃に保ったままジ
クロロシランモノマーを滴下し、反応を行った。収量は
0.16g であり、収率はジクロロシランモノマー換算で1.
9 %であった。
【0056】GPC 法により重量平均分子量を測定した結
果、82万と2万の二峰性であり、積分比で前者が18%、
後書が82%であった。得られたポリシランの紫外吸収ス
ペクトルと円二色スペクトルを図4に示す。すなわち、
図4は実施例3で得られた、ポリ[(メチル−p−メト
キシフェニル)0.8 −co−((S)−2−メチルブチ
ル−p−メトキシフェニル)0.2 シラン]の吸収、円二
色吸収スペクトル(テトラヒドロフラン中、25℃)を示
すグラフである。図4において、横軸は光子エネルギー
(eV)、左縦軸は吸光係数[ε(モノマー単位/リット
ル)-1cm-1]、右縦軸は円二色吸光係数[Δε(モノ
マー単位/リットル)-1cm-1]を示す。UVスペクトル
では、Si主鎖吸収極大(λmax)が3.52eV(352.2nm )
に観測され、その吸収係数(ε)は8500となった。
【0057】CDスペクトルでは、3.50eV(354 ,3nm )
付近に正のコットンCD吸収帯が観測され、それは3.52eV
(352.2nm )での主鎖吸収帯のほぼ相似形でかつ極大吸
収がほぼ一致することが明らかとなった。円二色吸収ス
ペクトルが極大値をとる光子エネルギーにおいて、ラセ
ン性に非常に敏感な非対称性因子(CD吸収帯をUV吸収帯
で除した値)は、1.1 ×10-4程度であった。
【0058】今回のポリ[(メチル−p−メトキシフェ
ニル)0.8 −co−((S)−2−メチルブチル−p−
メトキシフェニル)0.2 シラン]は、前述のポリ[(メ
チル−フェニル)x −co−((S)−2−メチルブチ
ル−フェニル)1-x シラン](トヨダ、フジキ特願平9
−29947 号)と非常に構造が類似しているため同様な傾
向を示すものと考えられ、30%程度の(S)−キラルモ
ノマー含有量で非対称性因子の値は飽和し、その含有量
では単独重合体のポリ((S)−2−メチルブチル−p
−メトキシフェニルシラン)と同一のラセン高分子の巻
き性、ラセンピッチ、剛直性高分子構造を取るようにな
るものと推測される。
【0059】(実施例4 )ポリ[(メチル−p−メトキ
シフェニル)0.8 −co−((S)−2−メチルブチル
−m−メトキシフェニル)0.2 シラン]を実施例2 に準
じて合成した。ただし油浴温度は110 ℃に保ったままモ
ノマーを滴下し、反応を行った。収量は0.26g あり、収
率はジクロロシランモノマー換算で3.1 %であった。
【0060】GPC 法により、重量平均分子量が78万と1.
5 万の二峰性であり、積分比で前者が17%、後者が83%
であった。得られたポリシランの紫外吸収スペクトルと
円二色スペクトルを図5に示す。すなわち、図5は、実
施例5で得られたポリ[(メチル−p−メトキシフェニ
ル)0.8 −co−((S)−2−メチルブチル−m−メ
トキシフェニル)0.2 シラン]の吸収、円二色吸収スペ
クトル(テトラヒドロフラン中、25℃)を示すグラフで
ある。図5において、横軸は光子エネルギー(eV)、左
縦軸は吸光係数[ε(モノマー単位/リットル)-1cm
-1]、右縦軸は円二色吸光係数[Δε(モノマー単位/
リットル)-1cm-1]を示す。UVスペクトルでは、Si主
鎖吸収極大(λmax)が3.54eV(350.4nm )に観測さ
れ、その吸収係数(ε)は7400となった。
【0061】CDスペクトルでは、3.51eV(353.3nm )付
近に正のコットンCD吸収帯が観測され、それは3.54eV
(350.4nm )での主鎖吸収帯のほぼ相似形でかつ極大吸
収がほぼ一致することが明らかとなった。円二色吸収ス
ペクトルが極大値をとる光子エネルギーにおいて、ラセ
ン性に非常に敏感な非対称性因子(CD吸収帯をUV吸収帯
で除した値)は、9.5 ×10-5程度であった。
【0062】今回のポリ[(メチル−p−メトキシフェ
ニル)0.8 −co−((S)−2−メチルブチル−m−
メトキシフェニル)0.2 シラン]は、前述のポリ[(メ
チル−フェニル)x −co−((S)−2−メチルブチ
ル−フェニル)1-x シラン](トヨダ、フジキ特願平9-
29947号)と非常に構造が類似しているため同様の傾向
を示すものと考えられ、30%程度の(S)−キラルモノ
マー含有量で非対称性因子の値は飽和し、その含有量で
は単独重合体ポリ((S)−2−メチルブチル−m−メ
トキシフェニルシラン)と同一のラセン高分子の巻き
性、ラセンピッチ、剛直性高分子構造を取るようになる
ものと推測される。
【0063】
【発明の効果】本発明で示したように、アルキル置換基
とβ−位が不斉中心であるキラルなアルキル基を含むア
リールオキジアルキル置換基両方を持つ有機シリコン単
独重合体では、ポリ(メチル−(S)−m−(2−メチ
ルブトキシ)フェニルシラン)が光学活性を示した。ま
たβ−位が不斉中心であるキラルアルキル基およびメト
キシフェニル誘導体基を持つジクロロシランを原料に用
いた場合に、光学活性キラルモノマーがアキラルモノマ
ーに対して少量含まれていれば、純度100 %のキラルモ
ノマーから合成した単独重合体とほとんど同一のヘリッ
クス構造と主鎖吸収、円二色吸収スペクトル特性を与え
ることが明確になった。光学純度の低い光学活性キラル
モノマーを用いても、同様の結果が得られると期待され
る。すなわち、工業的には共重合体の合成原料として、
少量のキラルモノマーを利用できるため、ラセン高分子
の巻き性やラセンピッチが一様な極性酸素を含むフェニ
ル誘導体基を有する有機ポリシランを非常に安価に提供
することが可能になった。
【0064】このように全く人工的に作製した芳香族置
換基を有する光学活性有機ポリシランは、シリコン主鎖
骨格や炭化水素系側鎖が加水分解や加溶媒分解に対して
十分な耐性を有し、および芳香族基に由来する種々の相
互作用が期待できるという特徴を活かし、暗所、脱酸素
の条件下で使用するHPLCやGCカラム材料をはじめとす
る、新しいタイフのエナンチオマー認識高分子材料とし
ての利用が期待される。また、芳香族置換基のπ軌道順
位を変更することによって、相互作用するシリコン主鎖
の吸収極大波長を広域で容易に制御できる特徴を生かし
て、光機能性の精密制御という点においても非常に興味
が持たれている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたポリ(メチル−(S)−m
−(2−メチルブトキシ)フェニルシラン)の吸収、円
二色吸収スペクトル(テトラヒドロフラン中、25℃)を
示すグラフである。
【図2】実施例2で得られたポリ[(メチル−m−メト
キシフェニル)0.8 −co−((S)−2−メチルブチ
ル−m−メトキシフェニル)0.2 シラン]の吸収、円二
色吸収スペクトル(テトラヒドロフラン中、25℃)を示
すグラフである。
【図3】以前に検討したポリ[(メチル−フェニル)x
−co−((S)−2−メチルブチル−フェニル)1-x
シラン]の非対称性因子のキラルモノマー濃度依存性
(トヨダ、フジキ特願平9-29947 号)(テトラヒドロフ
ラン中、-10 ℃)を示すグラフである。
【図4】実施例3で得られたポリ[(メチル−p−メト
キシフェニル)0.8 −co−((S)−2−メチルブチ
ル−p−メトキシフェニル)0.2 シラン]の吸収、円二
色吸収スペクトル(テトラヒドロフラン中、25℃)を示
すグラフである。
【図5】実施例4で得られたポリ[(メチル−p−メト
キシフェニル)0.8 −co−((S)−2−メチルブチ
ル−m−メトキシフェニル)0.2 シラン]の吸収、円二
色吸収スペクトル(テトラヒドロフラン中、25℃)を示
すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀧川 裕美 東京都武蔵野市御殿山一丁目1番3号 エ ヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株 式会社内 Fターム(参考) 4J035 JA01 LA05 LB20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表わされる光学活性
    有機シリコン単独重合体。 【化1】 [ここで、R1 はアルキル基、アラルキル基、アリール
    オキシアルキル基、およびアルキルエーテル基からなる
    群から選択され、R* はβ−位が不斉中心であるキラル
    なアルキル基を含むアルキルオキシアリール基の位置異
    性体から選択され、およびnが10から100000までの範囲
    にある。]
  2. 【請求項2】 前記一般式(I)において、R1 がメチ
    ル基であり、R* は(S)−m−(2−メチルブトキ
    シ)フェニル基および(R)−m−(2−メチルブトキ
    シ)フェニル基からなる群から選択され、およびnが10
    から100000までの範囲にあることを特徴とする請求項1
    に記載の光学活性有機シリコン単独重合体。
  3. 【請求項3】 下記一般式(II)で表される光学活性
    でキラルな有機置換基が導入されたシリコン単位を主鎖
    骨格の一部に含み、nが10から100000までの範囲にある
    ことを特徴とする光学活性有機シリコン共重合体。 【化2】 [ここで、R1 はアルキル基、アラルキル基、アリール
    オキシアルキル基、およびアルキルエーテル基からなる
    群から選択され、R2 およびR3 は同一または異なるア
    ルキルオキシアリール基の位置異性体を表わし、R*
    β−位が不斉中心であるキラルアルキル基を表わし、x
    は0.001 ≦x ≦0.999 を示す。]
  4. 【請求項4】 前記一般式(II)において、R1 がメ
    チル基であり、R2およびR3 がm−メトキシフェニル
    基であり、R* が(S)−2−メチルブチル基または
    (R)−2−メチルブチル基からなる群から選択され、
    xは0.001 ≦x≦0.999 であり、およびnが10から1000
    00までの範囲にあることを特徴とする請求項3に記載の
    光学活性有機シリコン共重合体。
  5. 【請求項5】 前記一般式(II)において、R1 がメ
    チル基を表わし、R2 およびR3 がp−メトキシフェニ
    ル基であり、R* が(S)−2−メチルブチル基および
    (R)−2−メチルブチル基からなる群から選択され、
    xは0.001 ≦x≦0.999 であり、およびnが10から1000
    00までの範囲にあることを特徴とする請求項3に記載の
    光学活性有機シリコン共重合体。
  6. 【請求項6】 前記一般式(II)において、R1がメチ
    ル基であり、R2 がp−メトキシフェニル基であり、R
    3 がm−メトキシフェニル基であり、R* が(S)−2
    −メチルブチル基および(R)−2−メチルブチル基か
    らなる群から選択され、xは0.001 ≦x≦0.999 であ
    り、およびnが10から100000までの範囲にあることを特
    徴とする請求項3に記載の光学活性有機シリコン共重合
    体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1396516A1 (en) * 2002-09-03 2004-03-10 Nara Institute of Science and Technology Optically active polysilane, optically active film, and method of controlling optical characteristics of solid thin film

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1396516A1 (en) * 2002-09-03 2004-03-10 Nara Institute of Science and Technology Optically active polysilane, optically active film, and method of controlling optical characteristics of solid thin film

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