JP2001146519A - 光学活性有機シリコン高分子 - Google Patents
光学活性有機シリコン高分子Info
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Abstract
CやGC用のCSP用材料として、室温溶液中で主鎖の
一方向螺旋巻き性が安定に保持された光学活性有機シリ
コン高分子を提供する。 【解決手段】 一般式[1] 【化1】 (R* は、β−位が不斉中心であるキラルなアルキルフ
ェニル基またはその位置異性体で、nは10〜100000で重
合度を示す)で表されることを特徴とする光学活性有機
シリコン高分子。
Description
による光学特性の変化(サーモクロミズム)、圧力変化
による光学特性の変化(ピエゾクロミズム)、電界発
光、エナンチオマーの立体化学に依存する該分子に対す
る相互作用変化(エナンチオマー分子認識能)を有し、
一次元量子細線半導体、励起子分子などとして利用可能
な光学活性有機シリコン高分子に関するものである。
上有用なものが多く、表面処理剤、撥水・撥油剤、電気
絶縁体、熟媒体、セラミック材の前駆体などは、いずれ
もシリコン(Si)を骨格の一部に含む高分子である。近
年、主鎖骨格がシリコンのみから構成される溶媒に可溶
な有機ポリシランが新しいタイプの機能材料として注目
を集めており、フォトレジストや光導波路材料への応用
が研究されている。
にSi−Si連鎖に基づく紫外吸収帯を有する。従来の
ポリシランは主鎖骨格がランダムコイル状であるため、
室温溶液中で分子吸収係数が5000〜10000 (モノマー単
位/リットル)-1cm -1 、半値幅0.5 〜0.6 eV(約40〜
60nm)程度の幅広い主鎖吸収を示す。一方、最近報告さ
れたβ−位が分岐構造であるアルキル基を有する一連の
有機ポリシラン類は、主鎖骨格が剛直ロッド状で、分子
吸収係数が約40000 〜110000(モノマー単位/リット
ル)-1cm -1 、半値幅0.1 〜0.05eV(約8 〜4nm )の非
常にシャープな主鎖吸収を示すことが分かっている。す
なわち、有機ポリシランの吸収スペクトル強度と半値幅
は主鎖の形態によって著しく変化することが知られるよ
うになった。(Journal of American Chemical Societ
y, 1994, 116, 6017 、Journal of American Chemical
Society, 1994, 116, 11976、Applied Physics Letter
s, 1994, 65, 3251 、Journal of American Chemical S
ociety, 1996, 118, 7424 、Polymer Preprint, 1996,
118, 7424 など) 有機ポリシランは主鎖がシリコンのみから構成される高
分子であるため、紫外線照射により主鎖分解を起こしや
すく、低分子量化、シロキサン化が進行する。この性質
を利用してフォトレジストとすることが報告されている
が、反対に非線形光学材料、発光材料など光関連の機能
材料としては、寿命が短いために不適当とされてきた。
しかし、有機ポリシランが暗所、すなわち主鎖骨格の紫
外吸収領域以外の領域では非常に安定であることから考
えれば、有機ポリシランの主鎖吸収帯よりも長波長側で
の機能を見出すことができれば、発光現象を直接利用す
ることが可能となるといえる。
料としては、スパルティン−n−ブチルリチウムを開始
剤として合成したポリ(トリフェニルメチルメタクリレ
ート)やポリ(ジフェニルピリジルメチルメタクリレー
ト)など、主鎖が一方向の螺旋巻き性を持つ炭素骨格材
料が知られている(Journal of American Chemical Soc
iety, 1981, 6971)。これら一方向の螺旋巻き性を有す
る炭素骨格高分子はシリカゲルに担持された形態でエナ
ンチオマーを分離する高速液体クロマトグラフィー用カ
ラム材として市販されている(ダイセル化学(株)Chir
alpak-OT、Chiralpak-OP)。しかしながら、これらポリ
(トリフェニルメチルメタクリレート)系材料には、主
鎖ヘリックス構造を固定する側鎖部が加水分解や加溶媒
分解により脱離するとエナンチオマー認識能も同時に失
われるという欠点がある。また、現在の逆相条件でも使
用できるHPLCのエナンチオマー認識用カラム材の多
くは生体物質由来のもので、アミド結合を有するアルキ
ル誘導体であるため、加水分解による劣化が起こりやす
いのが実状である。
水素系側鎖が、加水分解や加溶媒分解に対して耐性があ
るという特徴を活かし、有機ポリシランを、通常、暗
所、脱酸素の条件下で使用される高速液体クロマトグラ
フィー(以下HPLC)やガスクロマトグラフィー(以
下GC)用カラム材料として用いることが考えられる。
光学活性置換基を有する有機ポリシランをカラム担体と
して利用することができれば、外部刺激(酸、アルカ
リ、加水分解などの化学的変化、熱、圧力などの物理的
変化)に比較的安定で、長期的な反復使用後も主鎖の一
方向ヘリシティに由来するエナンチオマー認識能が保持
される、HPLC用キラル固定相(以下CSP)、ある
いはGC用CSPとしての用途が開ける。さらに、温度
変化によって可逆的な構造変化(右螺旋から左螺旋、左
螺旋から右螺旋)を起こすことができれば、カラム温度
の変化だけでエナンチオマーの溶出順序を逆転させるこ
とが可能になる。溶出溶媒の極性の変化を利用してエナ
ンチオマーの溶出順序を逆転させる例が知られている
が、カラム温度のみで逆転させるような例はこれまで知
られていないのが実状である。
事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、新規な
エナンチオマー認識材料、特にHPLCやGC用のCS
P用材料として、室温溶液中で主鎖の一方向螺旋巻き性
が安定に保持された光学活性有機シリコン高分子を提供
することにある。また、この出願の発明は温度により可
逆的に右旋性・左旋性変化を示す光学活性なスイッチメ
モリー材料としても利用可能な有機シリコン高分子を提
供する。
課題を解決するものとして、第1の発明では、一般式
[1]
なアルキルフェニル基またはその位置異性体で、nは10
〜100000で重合度を示す。)で表されることを特徴とす
る光学活性有機シリコン高分子を提供する。
において、R* がp-{(S)-2-メチルブチル}フェニル基
またはp-{(R)-2-メチルブチル}フェニル基であること
を態様としている。
なアルキルフェニル基またはその位置異性体で、R1 は
アキラルなアルキルフェニル基またはその位置異性体で
ある。xは光学活性シリコン共重合体の全モノマーに対
するアキラルなモノマーの比を表わし、0.001 ≦x≦0.
999 、nは、10〜100000で重合度を示す。)で表される
ことを特徴とする光学活性有機シリコン高分子を提供す
る。
は、一般式[2]において、R* がp-{(S)-2-メチルブ
チル}フェニル基またはp-{(R)-2-メチルブチル}フェ
ニル基で、R1 はp-(n- ブチル) フェニル基であること
を態様としている。
[3]
なアルキルフェニル基またはその位置異性体で、R1 は
アキラルなアルキルフェニル基またはその位置異性体で
ある。xは光学活性シリコン共重合体の全モノマーに対
するアキラルなモノマーの比を表わし、0.001 ≦x≦0.
999 、nは、10〜100000で重合度を示す)で表されるこ
とを特徴とする光学活性有機シリコン高分子を提供す
る。
おいてR* がp-{(S)-2-メチルブチル}フェニル基また
はp-{(R)-2-メチルブチル}フェニル基で、R1 はp-(n
- ブチル) フェニル基であることをも態様としている。
態について詳しく説明する。この出願の発明の有機シリ
コン高分子は対称置換型、または非対称置換型の光学活
性基を含むクロロシラン類や対称置換型アルキルフェニ
ル基を含むクロロシラン類をモノマーとして用い、ナト
リウム脱塩縮合により得られる直鎖有機シリコン高分子
である。
ロモノマーとしては、20%e.e. 以上、好ましくは50%e.
e. 以上、より好ましくは80%e.e. 以上の鏡像異性体過
剰率(すなわち光学純度)を有するものを用いることが
できる。これらの対称置換型、非対称置換型光学活性基
を含むクロロシラン類および対称置換型アルキルフェニ
ル基を含むクロロシランは、下記一般反応式[4]に基
づいて合成される。
n-ヘキサンを示す。また、RはR1あるいはR* のいず
れかを表わし、R1 で表わされる置換基のうち、アキラ
ルなアルキルフェニル基の例としては、p-C2H5Ph(Phは
フェニル基を示す。以下同じ)、p-(n-C4H9)Ph、p-(n-C
6H13)Ph などが挙げられるが、パラ体に限らず、オルト
体(o-体) やメタ体( m-体)などの位置異性体でもよ
い。また、この出願の発明の光学活性有機シリコン高分
子の側鎖にあるR* で表わされる置換基のうち、(S)-体
または(R)-体の例としては、下記[5]式で表わされる
各基が挙げられる。
この出願の発明の光学活性有機シリコン高分子の側鎖の
構造はこれに限られるものではない。側鎖のアルキルフ
ェニル基がキラルな場合、不斉中心はα−位にあっても
β−位にあってもよいが、β−位にある場合、光学活性
有機ジクロロシランが脱塩縮合する際にラセミ化や転移
反応の恐れがなく、また、β−位キラル炭素は、鎖状骨
格の有機シリコン高分子に含まれることにより、高分子
の主鎖をほとんど一方向に、一定のピッチでヘリックス
に固定する効果を示すので好ましい。さらに、α−位炭
素が分岐構造を有する基(例えばイソプロピル基やシク
ロヘキシル基)では逆に立体的要請が高いために低分子
量体しか得られない場合が多い。これらのことから、R
* としては、β−位炭素に不斉中心を有するキラルなア
ルキルフェニル基や、その位置異性体が好ましい。
分子は、その主鎖骨格にSiのみを有し、側鎖にキラルな
アルキルフェニル基を有していればどのようなものであ
ってもよく、光学活性有機シリコン単独重合体(一般式
[6]、ここでR* とRは同一であっても異なっていて
もよく、どちらか一方または両方が光学活性を有してい
ればよい。)であっても、光学活性有機ジクロロシラン
と光学不活性有機ジクロロシランとの共重合体(一般式
[7])であってもよい。
体および共重合体の重合度を表わし、10〜100000の範囲
にある。xは光学活性シリコン共重合体の全モノマーに
対するアキラルなモノマーの比を表わし、0.001 〜0.99
9 の範囲内にある。
用した光学活性ジクロロシランの絶対配置のみで決定さ
れる。すなわち、(S)-配置のキラルアルキルフェニル基
を持つ光学活性有機ジクロロシランを共重合体の一部に
取り込めば、(S)-配置のキラルアルキルフェニル基を持
つ光学活性有機ジクロロシランのみから合成される単独
重合体と同じ螺旋巻き性になる。
説明する。なお、本発明は実施例に限定されないことは
いうまでもないことである。
合成)前述の一般反応式[4]に基づいて、対称置換
型、非対称置換型光学活性基を含むクロロシラン類およ
び対称置換型アルキルフェニル基を含むクロロシランを
合成する。なお、これは1例に過ぎず、この出願の発明
はこの例に限定されるものではない。また、反応式
[4]は(i) 〜(iv)のすべての式を含む。
Si-NMR(CDCl3、30℃) 、沸点、比旋光度の各データを次
にまとめる。
チルブチル}フェニル]シラン) 反応容器内を十分に脱水脱気し、アルゴンガス置換した
後、金属ナトリウム0.55g 、ジグライム(ジエチレング
リコールジメチルエーテル)12μl およびトルエン15ml
をフラスコに入れた。110 ℃の油浴で加熱しながら、ビ
ス[p-{(S)-2-メチルブチル}フェニル]ジクロロシラ
ンを少量ずつ滴下し、ナトリウムを活性化させた後、油
浴温度を70℃に下げ、残りのビス[p-{(S)-2-メチルブ
チル}フェニル]ジクロロシランを一気に滴下し、4時
間反応させた。その後、反応混合溶液を加圧ろ過し、イ
ソプロピルアルコールを加え、分別再沈殿する。生じた
白色沈殿を遠心分離機で回収し、100 ℃で20時間真空乾
燥した。収量は0.09g であり、収率はビス[p-{(S)-2-
メチルブチル}フェニル]ジクロロシランを基準として
1.0%であった。
結果、300,000 の単峰性であった。得られた(ビス[p-
{(S)-2-メチルブチル}フェニル]シラン)の紫外可視
吸収(UV-vis)スペクトルおよび円二色(CD)吸収スペクト
ル(トルエン中、-10.0, 25.0, 80.0 ℃)を図1に、蛍
光スペクトルおよび蛍光異方性(トルエン中、25.0℃)
を図2に示す。
収モーメントと蛍光モーメントのなす角αにおける異方
性を表わす。αが0〜90°に変化するにつれ、ポリシ
ラン類における蛍光異方性値は0.4 〜-0.2まで変化する
ことが知られている。蛍光異方性の値とポリシランの巨
視的形態には相関があり、蛍光異方性値が0.4 に近づく
ほど、つまり吸収モーメントと蛍光モーメントとが同方
向に生じるほど、ポリシランの形態が屈曲部の少ない、
一方向に伸びる「剛直ロッド」であることを示し、反対
に-0.2に近づくほど、すなわち吸収モーメントと蛍光モ
ーメントの間に角度を生じるほど、ポリシランの主鎖に
屈曲部が多く存在する「ランダムコイル」であることを
示す。また、「半屈曲性」とは、剛直ロッドとランダム
コイルの中間の構造を有することを意味する。) 図1において、UV-visスペクトルを比較すると、−10℃
では320nm 付近および390nm 付近に二つの主鎖吸収極大
(λmax )が存在する。一方、25℃、80℃では320nm 付
近の吸収強度は減少し、390 ℃付近の吸収強度が増加す
る。これはポリ(ビス[p-{(S)-2-メチルブチル}フェ
ニル]シラン)では吸収スペクトルにおいて顕著な温度
依存性があること、すなわちサーモクロミズムを示すこ
とを表わしている。また−10℃の定温領域では、エネル
ギー的に安定な二つの構造をとることができ、一つは32
0nm の短波長側の吸収ピークに由来する螺旋ピッチが短
く、きつく巻いた螺旋構造であり、もう一方は、390nm
のピークに由来する螺旋ピッチが長く、トランスプラナ
ーに近い、緩い螺旋構造であるといえる。そして、温度
を上昇させていくと、長波長側の吸収ピークに由来する
主鎖構造に安定化していくといえる。
長波長領域に正および負のコットンCD吸収帯が重なっ
て観測されていることから、螺旋の巻き性が異なり、か
つ螺旋ピッチも異なる二種類の螺旋構造が共存している
と考えられる。
蛍光ピークの形状はともに線幅が狭く、完全な鏡像関係
となった。また390nm のシリコン主鎖付近の蛍光異方性
値が緩やかな勾配の増加を示し、その値が0.2 〜0.3 付
近にまで増加していることから得られたポリ(ビス[p-
{(S)-2-メチルブチル}フェニル]シラン)が室温にお
いてよく伸びた半屈曲性〜剛直ロッドに近い構造である
ことが分かる。
ル)-p-{(S)-2-メチルブチル}フェニル]シラン 実施例1と同様の方法でポリ[p-(n- ブチルフェニル)-
p-{(S)-2-メチルブチル}フェニル]シランを合成し
た。収量は0.08g であり、収率はp-(n- ブチルフェニ
ル)-p-{(S)-2-メチルブチル}フェニルジクロロシラン
を基準として3.3%であった。GPC法により重量平均分
子量を求めたところ、330,000 の単峰性であった。
{(S)-2-メチルブチル}フェニル]シランの紫外可視吸
収(UV-vis)スペクトル、円二色(CD)吸収スペクトル(ト
ルエン中、-10, 25, 80 ℃)を図3に、主鎖吸収極大
(λmax )および非対称性因子(g abs )の温度依存性
(-80 〜80℃)を図4に、蛍光スペクトルおよび蛍光異
方性(トルエン中、25.0℃)図5に示す。
abs )」とは、ポリシランのλmax における円二色性
吸光係数[Δε(Si-unit)1dm3cm -1]で除算した値をい
う。非対称性因子の絶対値の大きさはら旋巻き性の純度
を示し、その符号は螺旋が巻いている方向(右または
左)を示す。ほぼ完全に一方向のら旋巻き性を有する剛
直ロッド状ポリ[n-アルキル- {(S)-2-メチルブチル}
シラン]の非対称性因子が約2×10-4程度であることが
知られている。(1: J.Am.Chem.Soc., 1994, 6017; 2:A
pplied Physics Letters, 1994, 3251 参照)) 図3のUV-visスペクトルを比較すると、390nm 付近の主
鎖吸収極大(λmax )が存在する。これらのピークは温
度上昇とともにやや長波長シフトし、吸収係数(ε)も
減少する。しかし、実施例1のような温度変化に伴う32
0nm 付近の吸収の大きな変化は見られず、強いサーモク
ロミズムは確認されなかった。
付近に正のコットンCD吸収帯が観測され、吸収スペク
トルと同様に温度上昇とともにその強度(Δε)は減少
する。また、非対称性因子(図4)から、ポリ[p-(n-
ブチルフェニル)-p-{(S)-2-メチルブチル}フェニルシ
ラン]は室温付近において、約57% が(+)コットンC
Dピークに起因する一方向螺旋巻き性に誘起されてお
り、残りの約43% は逆向きの巻き性となっているといえ
る。
ニル)-p-{(S)-2-メチルブチル}フェニルシラン]の室
温での主鎖形態は、実施例1よりもやや屈曲の多い半屈
曲性〜剛直ロッドに近い構造であることがわかる。
ルフェニル) }シラン)0.8 −コ(co)−( ビス{p-[(S)
-2- メチルブチル] フェニル}シラン)0.2 ] 反応容器内を十分に脱水脱気し、アルゴンガス置換した
後、金属ナトリウム0.59g 、ジグライム(ジエチレング
リコールジメチルエーテル)13μl とn −オクタン19ml
をフラスコに入れた。油浴温度110 ℃で加熱しながら、
ビス{p-(n-ブチルフェニル)}ジクロロシラン3.01g
(80モル% )とビス[p- {(S)-2-メチルブチル}フェニ
ル]ジクロロシラン0.81g (20モル% )の混合物を少し
ずつ滴下してナトリウムを活性化させた後、油浴温度を
70℃に下げ、残りのジクロロシランモノマーを一気に
滴下した。反応時間は4時間であった。その後、反応混
合溶液を加圧ろ過し、イソプロピルアルコールを加え、
分別再沈殿して、生じた白色沈殿を遠心分離機で回収
し、100 ℃で20時間真空乾燥した。
ンを基準として1.6%であった。GPC法により、重量平
均分子量を測定した結果、130,000 の単峰性であった。
このポリシランの紫外吸収スペクトル(図6)の変化の
傾向は実施例2のそれと類似しており、実施例2同様
に、実施例1のような顕著なサーモクロミズムは確認さ
れなかった。
m 付近に正のコットンCD吸収帯が観測され、吸収スペ
クトルと同様に温度上昇とともにその強度(Δε)は減
少する。図7よりポリ[(ビス{p-(n- ブチルフェニ
ル) }シラン)0.8 −コ(co)−( ビス[p- {(S)-2-メチ
ルブチル}フェニル]シラン)0.2 ]は室温付近におい
て約57% が(+)コットンCDピークに起因する一方向
の螺旋巻き性に誘起されており、残りの約43% は逆向き
の巻き性になっているといえる。
蛍光ピークの形状はともに線幅が狭く、完全な鏡像関係
となった。また390nm のシリコン主鎖付近の蛍光異方性
値は単調増加の傾向を示し、その値は0.2 〜0.3 付近に
増加した。これより、得られたポリ[(ビス{p-(n- ブ
チルフェニル) }シラン)0.8 −コ(co)−( ビス[p-
{(S)-2-メチルブチル}フェニル]シラン)0.2 ]の室
温での主鎖形態が半屈曲性から剛直ロッドに近い構造で
あることが分かる。
またはアキラルな置換基をもつジアリル基をポリシラン
側鎖に導入した高分子において、単独重合体、共重合体
に関わらず、光学活性を示すポリマーが得られる。
ランでは顕著なサーモクロミズムが確認される。温度に
よって右螺旋/左螺旋の割合が変化するこれらの有機ポ
リシラン類は、ポリシラン主鎖分解波長よりも長波長側
で右旋性、左旋性変化を用いたメモリ・スイッチ現象を
示すことから、新しいタイプの機能素子材料が提供され
る。さらにポリシランの主鎖吸収帯よりもはるかに長波
長である近赤外域光通信波長帯において、温度誘起メモ
リ・スイッチ素子としても利用できる。
有機ポリシランは、エナンチオマー認識高分子材料とし
て、HPLCやGCカラム材料として使用できる。ま
た、芳香族置換基のπ軌道準位を変化させることによっ
て、光機能性の精密制御も可能となりうる。
ル]シラン)の紫外可視吸収(UV-vis)スペクトルおよび
円二色(CD)スペクトル(トルエン中、-10 、25、80℃、
C = 1 ×10-4)を示した図である。
ル]シラン)の紫外可視吸収(UV-vis)スペクトルおよび
蛍光スペクトル(トルエン中、25℃)を示した図であ
る。
ルブチル}フェニル]シランの紫外可視吸収(UV-vis)ス
ペクトルおよび円二色(CD)スペクトル(トルエン中、-1
0 、25、80℃、C = 1 ×10-4)を示した図である。
ルブチル}フェニル]シランの紫外可視吸収(UV-vis)ス
ペクトルにおける最大吸収波長(λmax )と非対称性因
子の温度依存性を示した図である。
ルブチル}フェニル]シランの紫外可視吸収(UV-vis)ス
ペクトルおよび蛍光スペクトル(トルエン中、25℃)を
示した図である。
ン)0.8 −コ−( ビス{p-[(S)-2- メチルブチル] フェ
ニル}シラン)0.2 ]の紫外可視吸収(UV-vis)スペクト
ルおよび円二色(CD)スペクトル(トルエン中、-10 、2
5、80℃、C = 1 ×10-4)を示した図である。
ン)0.8 −コ−( ビス{p-[(S)-2- メチルブチル] フェ
ニル}シラン)0.2 ]の紫外可視吸収(UV-vis)スペクト
ルにおける最大吸収波長(λmax )と非対称性因子の温
度依存性を示した図である。
ン)0.8 −コ−( ビス{p-[(S)-2- メチルブチル] フェ
ニル}シラン)0.2 ]の紫外可視吸収(UV-vis)スペクト
ルおよび蛍光スペクトル(トルエン中、25℃)を示した
図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 一般式[1] 【化1】 (R* は、β−位が不斉中心であるキラルなアルキルフ
ェニル基またはその位置異性体で、nは10〜100000で重
合度を示す)で表されることを特徴とする光学活性有機
シリコン高分子。 - 【請求項2】 R* がp-{(S)-2-メチルブチル}フェニ
ル基またはp-{(R)-2-メチルブチル}フェニル基である
請求項1の光学活性有機シリコン高分子。 - 【請求項3】 一般式[2] 【化2】 (R* は、β−位が不斉中心であるキラルなアルキルフ
ェニル基またはその位置異性体で、R1 はアキラルなア
ルキルフェニル基またはその位置異性体である。nは、
10〜100000で重合度を示す。)で表されることを特徴と
する光学活性有機シリコン高分子。 - 【請求項4】 R* がp-{(S)-2-メチルブチル}フェニ
ル基またはp-{(R)-2-メチルブチル}フェニル基で、R
1 はp-(n- ブチル) フェニル基である請求項3の光学活
性有機シリコン高分子。 - 【請求項5】 一般式[3] 【化3】 (R* は、β−位が不斉中心であるキラルなアルキルフ
ェニル基またはその位置異性体で、R1 はアキラルなア
ルキルフェニル基またはその位置異性体である。xは光
学活性シリコン共重合体の全モノマーに対するアキラル
なモノマーの比を表わし、0.001 ≦x≦0.999 、nは10
〜100000で重合度を示す。)で表されることを特徴とす
る光学活性有機シリコン高分子。 - 【請求項6】 R* がp-{(S)-2-メチルブチル}フェニ
ル基またはp-{(R)-2-メチルブチル}フェニル基で、R
1 はp-(n- ブチル) フェニル基である請求項5の光学活
性有機シリコン高分子。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33070199A JP2001146519A (ja) | 1999-11-19 | 1999-11-19 | 光学活性有機シリコン高分子 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP33070199A JP2001146519A (ja) | 1999-11-19 | 1999-11-19 | 光学活性有機シリコン高分子 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6716373B2 (en) * | 2002-09-03 | 2004-04-06 | Nara Institute Of Science And Technology | Optically active polysilane, optically active film, and method of controlling optical characteristics of solid thin film |
JP2004341427A (ja) * | 2003-05-19 | 2004-12-02 | Japan Science & Technology Agency | ポリシラン光学活性反転薄膜の製造方法 |
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1999
- 1999-11-19 JP JP33070199A patent/JP2001146519A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6716373B2 (en) * | 2002-09-03 | 2004-04-06 | Nara Institute Of Science And Technology | Optically active polysilane, optically active film, and method of controlling optical characteristics of solid thin film |
JP2004341427A (ja) * | 2003-05-19 | 2004-12-02 | Japan Science & Technology Agency | ポリシラン光学活性反転薄膜の製造方法 |
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