JP2000169134A - 球状シリカの製造方法 - Google Patents

球状シリカの製造方法

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JP2000169134A
JP2000169134A JP10350043A JP35004398A JP2000169134A JP 2000169134 A JP2000169134 A JP 2000169134A JP 10350043 A JP10350043 A JP 10350043A JP 35004398 A JP35004398 A JP 35004398A JP 2000169134 A JP2000169134 A JP 2000169134A
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sodium silicate
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Mutsuhiro Ito
睦弘 伊藤
Kunihiko Takeda
邦彦 武田
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Fuji Silysia Chemical Ltd
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Fuji Silysia Chemical Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分級等を行わなくても、比較的粒子径の揃っ
た球状シリカを得ることができる球状シリカの製造方法
を提供すること。 【解決手段】 混合槽15内のシリカゾルをノズル部1
7へ供給し、その下方にある回収槽19へと滴下する。
その際、ノズル部17内に満たされるシリカゾルに対し
て、ホーン25を介して振動子31からの超音波振動が
加えられる。この超音波振動により、ノズル部17から
流出するシリカゾルは、ほぼ等間隔に寸断され、同体積
の微小液滴となって回収槽19へと落下する。シリカゾ
ルは、pHを調節してゲル化時間がコントロールされて
おり、ノズル部17から流出した後、回収槽19へ到達
するまでの間にゲル化して球状シリカとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、球状シリカの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、球状シリカの製造方法としては、
例えば、シリカヒドロゲルをスプレーして、固化した球
状シリカを回収する方法や、シリカヒドロゾルを相溶性
のない液体中で乳濁させて球状シリカを得る方法等が知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の製造方法では、比較的粒子径のばらつきが大きく、
粒子径の揃った球状シリカを得ることが困難であった。
そのため、球状シリカの粒度分布をコントロールするに
は、シリカ粒子の製造後に分級処理などが必要となり、
球状シリカの製造コストが増大する要因となっていた。
【0004】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、分級等を行わなくても、
比較的粒子径の揃った球状シリカを得ることができる球
状シリカの製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段、および発明の効果】上述
の目的を達成するためになされた本発明の球状シリカの
製造方法は、請求項1記載の通り、一定流量のシリカゾ
ルをノズルから流出させつつ、前記ノズル内のシリカゾ
ルに一定周波数および一定振幅の振動を与えることによ
って、前記ノズルから流出するシリカゾルを液滴化し、
その液滴化によって略球状となるシリカゾルをゲル化さ
せて粒子化することを特徴とする。
【0006】この球状シリカの製造方法によれば、一定
流量のシリカゾルをノズルから流出させつつ、ノズル内
のシリカゾルに一定周波数および一定振幅の振動を与え
るので、ノズルから連続して流出して略柱状の形態とな
るシリカゾルに疎密波(縦波)が伝播し、これにより、
シリカゾルの液柱がほぼ等間隔で寸断されて液滴化す
る。そして、寸断されたほぼ同体積のシリカゾルは、表
面張力によってほぼ同径の略球状体となるので、そのシ
リカゾルをゲル化させて粒子化すると球状シリカとな
る。
【0007】このようにして得られた球状シリカは、分
級等を行わなくても、きわめて狭い粒度分布を示すもの
となるので、粒子径を揃える必要のある用途で使用する
際に、そのまま使用することができる。あるいは、分級
処理を施す場合であっても、処理が容易になり、歩留ま
りが向上する。
【0008】なお、この球状シリカの製造方法におい
て、振動を与えない条件下では、ノズルからシリカゾル
が概ね層流状態で流出するように調整されていることが
望ましい。これは、ノズルからシリカゾルが乱流状態で
流出すると、シリカゾルの液柱が等間隔で寸断されない
傾向が強くなるためである。但し、他の諸条件による影
響で、層流状態であってもシリカゾルの液柱が等間隔で
寸断されないことはあり、逆に、多少の乱流状態であっ
ても実用上問題がない粒度分布の球状シリカゲルを得る
ことは可能なので、実用上は、シリカゾルの流速、レイ
ノルズ数を調節して概ね層流状態となるようにし、後は
実際の状況に応じて適宜微調整を加えればよい。傾向と
しては、多少流速が高めであっても、シリカゾルの液柱
は良好に等間隔で寸断される。
【0009】ノズルから流出するシリカゾルの流速とし
ては、例えば0.1m/s〜100m/s程度の流速を
設定すると望ましい。これ以上流速を低下させても、ノ
ズル壁面に流体が広がり、液滴が得られにくいという欠
点、自然流下状態となり振動効果が得られないという欠
点が現れやすくなり、その一方、これ以上流速を高くし
ても、ノズルに加える圧力が非常に高くなって不経済で
あるという欠点、振動による液柱寸断が不十分となると
いう欠点が現れやすい。
【0010】シリカゾルに与える振動については、適宜
調整されればよく、周波数を高くするほど球状シリカは
微粒子化される。振動の振幅については、特に限定され
ないが、あまり小さすぎてもエネルギーが小さくて、液
柱の寸断が困難になる(減衰により液柱が寸断されなく
なる)という点で問題があり、あまり大きすぎてもノズ
ル等の機械的破壊が生じやすく必要エネルギーが大きく
なるという点で問題があるので、例えば1μm〜5mm
程度の範囲内で調節するとよい。
【0011】ノズルの流出口は1個に限らず、複数個の
流出口が形成されていてもよく、ノズルの直径は、約数
μm〜数mm程度に設定されているとよい。このノズル
の直径が大きいほど、球状シリカの粒径が大きくなる。
次に、請求項2に記載の球状シリカの製造方法は、前記
ノズルの流出口の中心軸線が延びる方向に対して略直交
する振動面を、前記流出口に対向する位置に配置して、
該振動面を前記ノズル内流路が延びる方向へ振動させ
て、前記シリカゾルに振動を与えることを特徴とする。
【0012】この球状シリカの製造方法によれば、シリ
カゲルの粒度分布をより狭くすることができる。請求項
2に記載の構成を採用することによって、シリカゲルの
粒度分布が狭くなる理由は定かではないが、例えば、振
動面を振動させて発生させた疎密波が、シリカゾル中を
まっすぐにノズルの流出口へ向かって進行するため、振
動が減衰しにくく、ノズル外へ流出したシリカゾルにま
で効率よく振動が伝わる、あるいは、反射波などのノイ
ズ的な振動による悪影響が少なくなる、といった理由に
より、シリカゾルの液柱がより良好に等間隔で寸断され
るようになると推察される。
【0013】なお、この球状シリカの製造方法におい
て、振動面と流出口との間の距離は、過剰に近づけると
流出口へのシリカゾルの流動を妨げる原因となり、その
一方、過剰に遠ざけると振動が減衰しやすいので、これ
らを考慮すると例えば0.1mm〜100mm程度の範
囲内に設定することが望ましい。また、複数個の流出口
を形成する場合には、複数個の流出口のすべてが、振動
面に対向する範囲内に形成されているとよい。
【0014】次に、請求項3に記載の球状シリカの製造
方法は、前記振動の波形が、正弦波であることを特徴と
する。この球状シリカの製造方法によっても、シリカゲ
ルの粒度分布をより狭くすることができる。請求項3に
記載の構成を採用することによって、シリカゲルの粒度
分布が狭くなる理由も定かではないが、これは実験的に
確認した事実であり、パルス波やその他の波形を与えた
場合に比べて、振動の波形が正弦波である場合に、シリ
カ粒子の粒度分布が最も狭くなっていた。したがって、
粒度分布をより厳密にコントロールしたい場合には、振
動の波形を正弦波とすることが効果的であると考えられ
る。
【0015】なお、請求項2および請求項3に記載の構
成は同時に採用することができ、その場合は、双方の効
果によって粒度分布をきわめて狭くすることができるの
で、より一層望ましい。次に、請求項4に記載の球状シ
リカの製造方法は、第1の流路を介して一定流量の無機
酸を供給する一方、第2の流路を介して一定流量のアル
カリ金属ケイ酸塩を供給し、前記第1,第2の流路を合
流させてシリカゾルを生成させ、そのシリカゾルを前記
ノズルに供給し、その際、前記無機酸と前記アルカリ金
属ケイ酸塩の流量比を調節することによってシリカゾル
のpHを調整し、該pH調整により、シリカゾルのゲル
化までにかかる時間を、シリカゾルが液滴化されてから
所定の回収位置へ到達するまでの期間内にゲル化するよ
うに制御することを特徴とする。
【0016】この球状シリカの製造方法において、無機
酸としては、硫酸、塩酸、または硝酸などを考え得る
が、工業的には硫酸を用いるのが一般的である。また、
アルカリ金属ケイ酸塩としては、ケイ酸ソーダ、ケイ酸
カリウム、またはケイ酸リチウムなどを考え得るが、工
業的にはケイ酸ソーダを用いるのが一般的である。これ
らの無機酸またはアルカリ金属ケイ酸塩を流路を介して
供給するに当たっては、適当な溶媒(通常は水)を加え
て適切な濃度まで希釈すればよい。なお、第1,第2の
流路を合流させてシリカゾルを生成させる箇所では、無
機酸溶液中にアルカリ金属ケイ酸塩を注入混合する、も
しくは、無機酸およびアルカリ金属ケイ酸塩を同時に衝
突混合するとよい。このようにすると、シリカゾルとし
て長時間にわたって安定な酸性溶液中へケイ酸ソーダが
拡散するので、部分的なゲル化が起こりにくく、均一な
シリカゾルが得られやすい。但し、最終的なシリカゾル
のpHは、無機酸とアルカリ金属ケイ酸塩の流量比によ
って変わる。
【0017】本製造方法では、この流量比を調節するこ
とによってシリカゾルのpHを調整し、このpH調整に
より、シリカゾルのゲル化までにかかる時間(以下、ゲ
ル化時間という)をコントロールする。ゲル化時間は諸
条件に応じて変わる可能性があるが、目安としては、p
H4程度のシリカゾルは、約10秒〜30秒程度でゲル
化する。そして、このphを高くする(具体的には、p
H7〜9程度にする)とゲル化時間は短くなり、pHを
低くする(具体的には、pH2〜4にする)とゲル化時
間は長くなる傾向がある。
【0018】無機酸とアルカリ金属ケイ酸塩を混合した
後、シリカゾルが流路を通ってノズルに至り、ノズル外
へ流出するまでにかかる時間は、その流路の合計距離と
流速から割り出すことができるので、シリカゾルのpH
を最適化しておけば、シリカゾルがノズル外へ流出して
からゲル化が起こるようにすることができる。あるい
は、あるpHに調整されたシリカゾルであれば、ノズル
外へ流出してからゲル化が起こるように、シリカゾルの
流速を調整することもできる。つまり、シリカゾルのp
Hと流速との兼ね合いによって、シリカゾルが液滴化さ
れてから所定の回収位置へ到達するまでの期間内にゲル
化するように制御することができる。
【0019】このような球状シリカの製造方法によれ
ば、ノズルから流出したシリカゾルが液滴化された後、
回収位置へ到達するまでの間にゲル化して球状シリカと
なるので、きわめて簡単に効率よく球状シリカを回収す
ることができる。但し、本発明の球状シリカの製造方法
において、シリカゾルをゲル化させる手段は、上記請求
項4に記載の手段に限定されず、他の手段を採用しても
よい。
【0020】具体的には、例えば、液滴化されたシリカ
ゾルを乾燥雰囲気中もしくは高温雰囲気中に落下させる
ことにより、シリカゾルに含まれる水分を蒸発させて、
シリカゾルが所定の回収位置へ到達するまでにゲル化す
るようにしてもよい。但し、この場合は、乾燥装置ない
し加熱装置が必要となるので、その分だけ製造装置の構
成が複雑化する可能性がある。
【0021】あるいは、液滴化されて落下するシリカゾ
ルを、シリカゾルとの相溶性が低い液体中に落下させる
ことにより、その液体中でシリカゾルをゲル化させても
よい。但し、この場合は、シリカゾルとの相溶性が低い
液体、およびその液体中から球状シリカを分離・回収す
る装置が必要となるので、その分だけ製造装置の構成が
複雑化する可能性がある。
【0022】次に、請求項5に記載の球状シリカの製造
方法は、一定流量のケイ酸ソーダをノズルから流出させ
つつ、前記ノズル内のケイ酸ソーダに一定周波数および
一定振幅の振動を与えることによって、前記ノズルから
流出するケイ酸ソーダを液滴化し、その液滴化によって
略球状となるケイ酸ソーダを酸処理してシリカゲルとす
ることを特徴とする。
【0023】すなわち、先に説明した請求項1〜請求項
4に記載の球状シリカの製造方法では、ノズルからシリ
カゾルを流出させていたが、これに代えて、請求項5に
記載の球状シリカの製造方法では、ノズルからケイ酸ソ
ーダを流出させる。ケイ酸ソーダが液滴化する仕組み
は、請求項1に記載の製法と同じである。但し、液滴化
したケイ酸ソーダをシリカゲル粒子とするには、酸処理
を行ってケイ酸ソーダの中和を行うことが必要になる。
【0024】酸処理の方法は、特に限定されないが、例
えば、液滴化したケイ酸ソーダを酸性ガス中に落下させ
る方法を採用でき、この場合、液滴化したケイ酸ソーダ
は落下中にナトリウムが中和されてシリカゲル粒子とな
る。酸性ガスとしては、例えば、炭酸ガス、塩化水素ガ
ス、酢酸ガスなど、ガス化可能な任意の無機酸または有
機酸を利用できる。また、例えば、液滴化されたケイ酸
ソーダを乾燥雰囲気中もしくは高温雰囲気中に落下させ
て一旦乾燥品とし、その乾燥品を酸性溶液中に投入して
ナトリウムを中和してもよい。さらに、例えば、液滴化
されたケイ酸ソーダを有機溶媒等の相溶性のない液体中
にそのまま滴下し、その液体中に存在する酸によりナト
リウムを中和してもよい。この場合、上記液体中には界
面活性剤を添加して液滴を安定化してもよい。上記液体
に加える酸の種類は無機酸あるいは有機酸など任意であ
るが、上記液体に溶解しやすいもの、あるいは、溶解し
なくても酸自体がエマルションとなるものなどであると
望ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
一例を挙げて説明する。最初に、本発明の製造方法の実
施に適した球状シリカ製造装置の構成について簡単に説
明する。
【0026】図1に示すように、この球状シリカ製造装
置は、ケイ酸ソーダの供給源となる第1タンク11、硫
酸の供給源となる第2タンク12を備え、各タンクの内
容物が、各タンクに付設された定量ポンプ13,14に
よって一定流量で混合槽15内へ圧送され、混合槽15
内でシリカゾルを生成させるようになっている。各タン
ク11,12は、ケイ酸ソーダおよび硫酸をそれぞれ適
当な濃度に希釈する設備(図示略)を備えている。ま
た、混合槽15は、圧送されてくるケイ酸ソーダおよび
硫酸を撹拌する撹拌装置15aを備え、この他、混合時
の反応熱を冷却する装置等(図示略)も備えている。
【0027】混合槽15には、無脈動ポンプ16が付設
され、これにより、混合槽15内のシリカゾルは、脈動
することなく一定の流速および流量でノズル部17へ圧
送されるようになっている。無脈動ポンプ16にはエア
ダンパーが付設され、このエアダンパーで、無脈動ポン
プ16が内蔵する複数の圧送機構の切替時に発生する僅
かなパルス状の脈動をも打ち消すように構成されてい
る。さらに、ノズル部17の下方には、製造されるシリ
カゲル粒子を回収するために回収槽19が配設されてい
る。
【0028】ノズル部17は、図2に詳細に示すよう
に、いくつかの金属部品およびゴムパッキンを組み立て
てフランジ状に形成されたノズルホルダー21と、ノズ
ルホルダー21内に形成された内部空間であるセル21
aの下面側を閉塞する位置に固定されたノズルプレート
23と、ノズルホルダー21に振動可能な状態に組み込
まれたホーン25等で構成されている。
【0029】ノズルホルダー21の側面には、流入口2
1bが形成され、この流入口21bを介して供給される
シリカゾルがセル21aに流入するようになっている。
また、ノズルプレート23には、複数の流出口23aが
形成され、この流出口23aを介してセル21a内のシ
リカゾルが流出するようになっている。
【0030】ホーン25は、ゴムパッキン27を介在さ
せた状態でノズルホルダー21に支持されており、ゴム
パッキン27が変形する範囲内で振動できるようになっ
ている。また、このホーン25は、上記流出口23aの
中心軸線(図2中一点鎖線で示す軸線)が延びる方向に
対して直交する振動面25aを有し、この振動面25a
が、セル21a内において流出口23aに対向する位置
にあり、複数の流出口23aは、すべて振動面25aに
対向する範囲内に含まれている。
【0031】ホーン25の一端には、図1に示すよう
に、振動子31が接続されている。振動子31は、チタ
ン酸ジルコン酸鉛系の電歪素子を利用して構成されたも
ので、超音波発振器33から交流電圧が印加された際に
超音波振動を発生させる。超音波発振器33には、電圧
計35、オシロスコープ37、および周波数カウンター
39などが接続され、これらにより、振動子31が発生
させる超音波振動の振動数、振幅、および波形などを管
理できるようになっている。
【0032】この球状シリカ製造装置でシリカを製造す
る際には、まず、第1タンク11内のケイ酸ソーダを定
量ポンプ13によって一定流量で混合槽15内へ圧送
し、一方、第2タンク12内の硫酸を定量ポンプ14に
よって一定流量で混合槽15内へ圧送する。混合槽15
内では、ケイ酸ソーダと硫酸が撹拌混合され、その結
果、シリカゾルが生成する。このシリカゾルのpHは、
供給されるケイ酸ソーダおよび硫酸の各濃度と量によっ
て決まり、これにより、ゲル化するまでにかかる時間も
決まる。
【0033】混合槽15内のシリカゾルは、無脈動ポン
プ16によって、脈動することなく一定の流速および流
量でノズル部17へ圧送され、ノズルホルダー21の側
面にある流入口21bを介してノズル部17のセル21
a内に流入する。セル21a内に流入したシリカゾル
は、ノズルプレート23に形成された複数の流出口23
aから流出し、ノズル部17の下方にある回収槽19へ
と滴下される。シリカゾルが生成してから流出口23a
を介して流出するまでにかかる時間は、無脈動ポンプ1
6の送出速度を調節することによりコントロールできる
ので、シリカゾルのゲル化時間と無脈動ポンプ16の送
出速度の関係を最適な範囲内に調節することにより、シ
リカゾルが流出口23aを介して流出してからゲル化す
るように調整できる。また、ノズル部17と回収槽19
との距離を十分に確保することにより、シリカゾルが確
実にゲル化した後で、そのシリカ粒子を回収することが
できる。
【0034】また、ノズル部17のセル21a内に満た
されるシリカゾルには、ホーン25から振動が加えられ
る。すなわち、ホーン25は、振動子31とともに、流
出口23aの中心軸線に一致する方向(図2中の両端矢
印A方向)へ振動し、セル21a内のシリカゾルに対し
て直接振動を加える。この時の振動の形態、すなわち、
振動の周波数、振幅、波形は、超音波発振器33から印
加され電圧によってコントロールされる。そして、この
振動を適当な範囲内に調節することにより、ノズル部1
7から流出するシリカを液滴化することができる。
【0035】以上のように構成された球状シリカ製造装
置において、ノズル径を50μm、シリカゾルの流量を
1.2ml/min、流速を10.39m/s、振動数
を33.56kHzに設定して、シリカ粒子を製造し
た。その結果、平均粒子径105μmの球状シリカ粒子
を回収することができた。この球状シリカ粒子を顕微鏡
で観察したところ、いずれの粒子も球状で、しかも、粒
子径が均一に揃っていた。
【0036】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明の実施形態については上記のもの以外にも種
々の具体的形態が考えられる。例えば、上記実施形態で
は、ケイ酸ソーダがノズルに到達する前に硫酸を混合し
てシリカゾルを生成し、このシリカゾルがノズルから流
出して液滴化されるように構成してあったが、ケイ酸ソ
ーダを出発原料として最終的にシリカゲルを得ることが
できればよいので、ケイ酸ソーダを中和するタイミング
は、ノズルからの流出前に限らない。
【0037】具体的には、例えば、一定流量のケイ酸ソ
ーダをノズルから流出させつつ、ノズル内のケイ酸ソー
ダに一定周波数および一定振幅の振動を与えると、ノズ
ルから流出するケイ酸ソーダが液滴化されるので、その
液滴化によって略球状となるケイ酸ソーダを酸性ガス中
に落下させて、液滴化したケイ酸ソーダ中にあるナトリ
ウムが酸性ガス中において中和すれば、最終的に所期の
シリカゲルを得ることができる。なお、酸処理の方法
は、ケイ酸ソーダ中のナトリウムを中和できる方法であ
れば、酸性ガス中に落下させる方法以外の方法であって
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 球状シリカ製造装置の全体構成を示す構成図
である。
【図2】 ノズル部を拡大して示す縦断面図である。
【符号の説明】
11・・・第1タンク、12・・・第2タンク、13,
14・・・定量ポンプ、15・・・混合槽、16・・・
無脈動ポンプ、17・・・ノズル部、19・・・回収
槽、21・・・ノズルホルダー、21a・・・セル、2
1b・・・流入口、23・・・ノズルプレート、23a
・・・流出口、25・・・ホーン、25a・・・振動
面、27・・・ゴムパッキン、31・・・振動子、33
・・・超音波発振器、35・・・電圧計、37・・・オ
シロスコープ、39・・・周波数カウンター。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G072 AA28 BB07 CC10 GG03 HH18 HH21 JJ13 LL06 LL07 MM01 MM02 PP01 PP03 QQ01 RR06 5D107 AA04 AA07 BB01 BB20 FF03 FF08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一定流量のシリカゾルをノズルから流出さ
    せつつ、前記ノズル内のシリカゾルに一定周波数および
    一定振幅の振動を与えることによって、前記ノズルから
    流出するシリカゾルを液滴化し、その液滴化によって略
    球状となるシリカゾルをゲル化させて粒子化することを
    特徴とする球状シリカの製造方法。
  2. 【請求項2】前記ノズルの流出口の中心軸線が延びる方
    向に対して略直交する振動面を、前記流出口に対向する
    位置に配置して、該振動面を前記ノズル内流路が延びる
    方向へ振動させて、前記シリカゾルに振動を与えること
    を特徴とする請求項1に記載の球状シリカの製造方法。
  3. 【請求項3】前記振動の波形が、正弦波であることを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載の球状シリカの
    製造方法。
  4. 【請求項4】第1の流路を介して一定流量の無機酸を供
    給する一方、第2の流路を介して一定流量のアルカリ金
    属ケイ酸塩を供給し、前記第1,第2の流路を合流させ
    てシリカゾルを生成させ、そのシリカゾルを前記ノズル
    に供給し、その際、前記無機酸と前記アルカリ金属ケイ
    酸塩の流量比を調節することによってシリカゾルのpH
    を調整し、該pH調整により、シリカゾルのゲル化まで
    にかかる時間を、シリカゾルが液滴化されてから所定の
    回収位置へ到達するまでの期間内にゲル化するように制
    御することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか
    に記載の球状シリカの製造方法。
  5. 【請求項5】一定流量のケイ酸ソーダをノズルから流出
    させつつ、前記ノズル内のケイ酸ソーダに一定周波数お
    よび一定振幅の振動を与えることによって、前記ノズル
    から流出するケイ酸ソーダを液滴化し、その液滴化によ
    って略球状となるケイ酸ソーダを酸処理してシリカゲル
    とすることを特徴とする球状シリカの製造方法。
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