JP2000167842A - 熱可塑性樹脂成形体成形用金型 - Google Patents

熱可塑性樹脂成形体成形用金型

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JP2000167842A
JP2000167842A JP34277898A JP34277898A JP2000167842A JP 2000167842 A JP2000167842 A JP 2000167842A JP 34277898 A JP34277898 A JP 34277898A JP 34277898 A JP34277898 A JP 34277898A JP 2000167842 A JP2000167842 A JP 2000167842A
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JP
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mold
skin material
thermoplastic resin
sliding
female
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JP34277898A
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English (en)
Inventor
Yoshitaka Kobayashi
由卓 小林
Hiroshi Fujita
廣 藤多
Yuji Shinchi
裕二 神地
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Nissen Chemitec Corp
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Nissen Chemitec Corp
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表皮材を有さない熱可塑性樹脂成形体と表皮材
を有する表皮材貼合熱可塑性樹脂成形体が同一デザイン
である場合に、また表皮材の種類や厚みが異なる場合
に、それぞれの製造に対応して独立した別々の金型装置
を使用することなく、基本的に同一の金型でこれらが容
易に製造可能となる金型を開発する。 【解決手段】形締め時に雄型の外周面と雌型の内周面が
摺動部となって相互に摺動する雄雌一対からなる金型に
おいて、雌型が雌型本体と摺動部の全周または一部にお
いて雌型の一部を構成する摺動部材とからなり、該摺動
部材は金型の開閉方向に対して垂直方向に進退自在に設
けられ、かつその進退する距離が任意に調整可能に設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂成形体
成形用金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂成形体は自動車内装部品
(たとえばドアトリムやインストルメントパネル)、家
電製品の内外装部品その他の広い分野で多く使用されて
おり、このような熱可塑性樹脂成形体の製造方法として
圧縮成形法がよく知られている。また、これらの成形体
はその用途、目的に応じて表面に表皮材を有さない熱可
塑性樹脂成形体として使用されたり、表面に表皮材を有
する表皮材貼合熱可塑性樹脂積層体として使用されてい
る。
【0003】従来、表面に表皮材を有さない熱可塑性樹
脂成形体の成形方法としては雄型及び雌型からなる金型
のキャビティ内に溶融熱可塑性樹脂を供給し、前記雄型
および雌型を型締めすることにより成形を行う方法がよ
く知られており、また、その表面に表皮材を有する表皮
材貼合熱可塑性樹脂積層体の成形方法としては前記成形
方法の溶融熱可塑性樹脂供給工程の前に予め雌雄両金型
間に表皮材を供給しておく方法が知られている。(特開
平1−235613号公報)
【0004】このような方法において、表皮材を有さな
い熱可塑性樹脂成形体を製造する場合においては、型締
め時において雄雌金型の摺動部分の間隙(摺動クリアラ
ンスW)を0.02mm〜0.1mmとする(特開平3
−34819号公報)ことが、また、表皮材を有する表
皮材貼合熱可塑性樹脂成形体を製造する場合において
は、前記間隙を表皮材の復元可能な厚さの0.25〜3
倍とする(特開平3−34830号公報)ことが提案さ
れている。ここで、表皮材の復元可能な厚さとは表皮材
のみに圧縮圧を加えた後に表皮材が加圧前の厚さにまで
復元することが可能となる最大圧縮時における表皮材の
厚さを意味し、表皮材の素材、厚さ等によって異なる。
【0005】しかし、これらの方法による場合、表皮材
を有さない熱可塑性樹脂成形体を製造する金型と表皮材
を有する表皮材貼合熱可塑性樹脂成形体を製造するため
の金型では雄雌金型の摺動部分の間隙が異なるため、同
一デザインの成形体であっても、表皮材貼合の有無によ
って別々の金型を使用しなければならないという問題が
あった。また、表皮材を有する表皮材貼合熱可塑性樹脂
成形体の場合でも、表皮材の種類や厚みによって、最適
の摺動クリアランスが変わるため、それぞれに応じた摺
動クリアランスを有する金型を使用しなければならない
という問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、
本発明者らは表皮材を有さない熱可塑性樹脂成形体と表
皮材を有する表皮材貼合熱可塑性樹脂成形体が同一デザ
インである場合に、また表皮材の種類や厚みが異なる場
合に、それぞれの製造に対応して独立した別々の金型装
置を使用することなく、基本的に同一の金型でこれらが
容易に製造可能となる金型を開発すべく検討の結果、本
発明に至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、形
締め時に雄型の外周面と雌型の内周面が摺動部となって
相互に摺動する雄雌一対からなる金型において、雌型が
雌型本体と摺動部の全周または一部において雌型の一部
を構成する摺動部材とからなり、該摺動部材は金型の開
閉方向に対して垂直方向に進退自在に設けられ、かつそ
の進退する距離が任意に調整可能に設けられてなること
を特徴とする熱可塑性樹脂成形体成形用金型を提供する
ものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて詳
細に説明する。尚、この説明は本発明の一例であり、本
発明がこれに限定されるものでないことはいうまでもな
い。
【0009】
【実施例】図1は雄型(1)および雌型(2)の雄雌一
対からなる従来より知られている一般的な金型の概略横
断面図であり、A部は両金型の形締め時に雄型の外周面
と雌型の内周面とで摺動する摺動部を示している。図2
は、図1で示される金型の摺動部に対応する本発明の金
型の部分横断面図であって、雌型(2)は雌型本体
(2’)と摺動部材(3)とからなり、該摺動部材
(3)は当該雌型の摺動部の全周またはその一部におい
て雌型の一部を構成するように設けられている。
【0010】この摺動部材は雌型の一部を構成してはい
るが、油圧シリンダ−(5)やエアシリンダ−などによ
って、雌型本体(2’)とは独立して金型の開閉方向に
対して垂直方向に進退自在に移動できるようになってい
る。図2では、摺動部材(3)の摺動面(4b)が雌型
本体(2’)の内周面より雄型(1)の外周面である摺
動面(4a)側に張り出すように摺動部材を前進させた
状態を示しており、このときの雄型(1)の摺動面(4
a)と摺動部材の摺動面(4b)との距離(摺動クリア
ランス)はW1である。図3は、摺動部材(3)の摺動
面(4b)が雌型本体(2’)の内周面と同一面となる
ように位置している状態を示し、このときの雄型(1)
の摺動面(4a)と摺動部材の摺動面(4b)との距離
(摺動クリアランス)はW2であり、この状態は図2の
状態から摺動部材を後退させればよい。
【0011】図4は、雌型内周の直線部の摺動部材
(3)とコ−ナ−部の摺動部材(6a)が複数個連続し
て組み合わされて雌型の摺動部を形成している状態を概
念的な平面図で示したものであり、それぞれの摺動部材
がそれぞれに独立して油圧シリンダ−(5)と結合され
て、金型の開閉方向に対して垂直方向にそれぞれに進退
自在となっている。同図においても図2と同様に、各摺
動部材の摺動面(4b)が雌型本体(2’)の内周面よ
り雄型(1)の外周面である摺動面(4a)側に張り出
すように摺動部材を前進させた状態を示しており、この
ときの雄型(1)の摺動面(4a)と摺動部材の摺動面
(4b)との距離(摺動クリアランス)はW1である。
尚、図では各摺動部材がそれぞれ独立に摺動する構造と
なっているが、金型構造などによっては必要に応じて摺
動部材が適宜に組み合わされた複数個の、あるいは全部
の摺動部材が共通の油圧シリンダ−によって同時的に進
退可能となっていてもよい。
【0012】図5は、図4に示される状態から各摺動部
材を後退させ、各摺動部材の摺動面(4b)が雌型本体
(2’)の内周面と同一面となるように位置している状
態を示すものであり、このときの雄型(1)の摺動面
(4a)と各摺動部材の摺動面(4b)との距離(摺動
クリアランス)はW2である。
【0013】尚、摺動クリアランスがW1となるように
各摺動部材を前進させた状態においては各摺動部材間に
隙間が生じないように、摺動部材、特にコ−ナ−部の摺
動部材の大きさ、形状が設計されている(図4)が、こ
れを摺動クリアランスがW2となるように後退させた場
合には、図5のようにコ−ナ−部の摺動部材(6a)と
直線部の摺動部材(3)との間に隙間が生じてしまうこ
とがある。この状態で金型を使用する場合に、上記隙間
が非常に小さく、表皮材を使用しない場合であっても成
形時にその隙間にバリが入らない寸法の場合とか、使用
する表皮材の厚みや種類によって製品形状に影響を及ぼ
さない場合にはそのまま使用できるが、隙間が大きく、
バリが入ったり製品形状に影響を及ぼすような場合に
は、摺動部材(6a)を中間部材(7)から取り外し、
図6に示すような隙間の生じない寸法に製作された摺動
部材(6b)に取り替えればよい。
【0014】もっとも、図6の状態においてはコ−ナ−
部の摺動部材(6b)とこれに接する直線部の摺動部材
(3)が密着しているために、摺動部材の全体をを前進
移動させて図4に示されるような摺動クリアランスがW
1となる状態にすることはできないが、このような場合
にもコ−ナ−部の摺動部材を摺動クリアランスW1に応
じた形状の摺動部材に交換すればよい。
【0015】もちろん、上記いずれの場合でも、とりか
える摺動部材はコ−ナ−部の摺動部材のみに限られる必
要はなく、金型形状に応じてコ−ナ−部の摺動部材の形
状はそのままにして直線部の摺動部材の大きさを代えて
取り替えるようにしてもよいし、コ−ナ−部の摺動部材
と直線部の摺動部材の両方を取り替えてもよい。また、
摺動部が雌型の直線部分のみであるような場合には、摺
動部材(3)を取り替えることなく、直線部に設けた摺
動部材の進退距離を調整するのみで任意に摺動クリアラ
ンスを調整することができる。
【0016】このように、図に示されるようなコ−ナ−
部を有する金型形状であっても、予め摺動クリアランス
がW1、W2となるような摺動部材を製作し、油圧シリ
ンダ−のストロ−クを調整しておくことにより、金型全
体を取り替えることなく、雌雄両金型間の摺動部の間隙
(摺動クリアランス)を変更することができ、それぞれ
に適した摺動クリアランスを持つ独立した金型として使
用することができる。また、油圧シリンダ−のストロ−
クを任意に変更可能な構造とし、コ−ナ−部の摺動部材
を予めそれぞれに設定された摺動クリアランスとなるよ
うな形状、構造に製作したものに取り替えることによ
り、雌雄両金型それ自体を取り替えることなく、雌雄両
金型間の摺動クリアランスを任意に調整することが可能
となる。
【0017】摺動クリアランスは、表皮材の使用の有
無、使用する表皮材の種類や厚みなどによって最適のク
リアランスが決定される。
【0018】一般的な摺動クリアランスは、表皮材を使
用しない熱可塑性樹脂成形体を製造する場合には、雌雄
両金型間に供給した溶融状熱可塑性樹脂が金型の形締め
時にその隙間からはみ出さず、かつ型内に空気が残存す
ることなく成形可能な隙間であり、一般的には0.02
〜0.1mm程度であるが、具体的には使用する熱可塑
性樹脂の種類、粘度、温度、供給量、金型形状などの諸
条件を考慮して決定される。
【0019】また、表皮材が積層された熱可塑性樹脂成
形体を製造する場合には、摺動クリアランスは型締め時
に供給した溶融状熱可塑性樹脂がその隙間からはみ出さ
ず、型締め時には該クリアランス部において表皮材が必
要以上の抵抗を受けずに金型内への絞り込みが可能であ
って、成形後に表皮材に破れ、しわ、白化現象などのみ
られない表皮材貼合成形品を得ることが可能な間隙であ
り、一般には使用される表皮材の復元可能な厚みの0.
25〜3倍程度であるが、具体的には使用する表皮材の
種類や厚さ、供給される熱可塑性樹脂の種類、粘度、温
度、供給量、金型形状などの諸条件を考慮して決定され
る。
【0020】この摺動クリアランスは、目的とする製品
形状や使用する表皮材の種類、厚みなどによっては同一
金型内において全て同一であってもよいが、場所によっ
て摺動クリアランスを変えたり、個々の摺動部材に連結
されている油圧シリンダ−の油圧や作動タイミングを変
更することで、それぞれの場所の状況に応じて表皮材の
型内への滑り込み量を調整することが可能となり、これ
により幅広い成形条件に容易に対応する事ができる。
【0021】たとえば、成形体中に絞りの大きい凹凸形
状部が偏在する場合に、その凹凸部に近い部分の金型面
に設けた摺動部材の油圧力を他の部分よりも小さくした
り、当該部分のみ摺動部材の前進量を少なくして他の部
分よりも摺動クリアランスを広くした状態で型締めを開
始し、表皮材が金型内に滑りこんだタイミングで油圧シ
リンダ−を作動させることにより、摺動部で挟み込まれ
る表皮材の挟持力を部分的に変化させることにより、型
締め時においても供給された溶融状熱可塑性樹脂が隙間
からはみ出さず、表皮材に破れ、しわや白化現象のない
積層成形体を製造することができる。
【0022】雌型本体(2’)と摺動部材(3、6)の
接合方法としては、例えば図7に示すように雌型本体ま
たは摺動部材のいずれか一方の接合面に摺動部材のスラ
イド方向(移動方向)に嵌合溝(10a、10b)を設
け、対応する他方の接合面に、該溝形状に対応する突起
部を設け、緊密にしてかつ摺動可能に溝に突起部を嵌合
させる方法が例示される。この場合、嵌合溝およびこれ
に対応する突起部の断面形状は任意であるが、摺動部材
が雌型本体から離脱しないように、たとえば図7イに示
されるような逆三角形状のレ−ル構造としたり、図7ロ
に示されるように接合面の表面部分よりも内部が広くな
るようなレ−ル部を設けるような構造とすることが好ま
しい。勿論、この場合には同時に接合面間同士も摺動
し、かつ両面間に隙間が生じないようにする必要があ
る。このような手段によれば、摺動部材は雌型本体から
乖離することなく、しかもスライド方向以外に振れるこ
となく、嵌合溝に誘導されてスライド方向のみに進退自
在となる。尚、摺動部材をより安定して雌型本体と接合
する場合には、図7ロのように嵌合溝部を複数設ければ
よい。
【0023】かかる摺動部材は通常は油圧シリンダ−
(5)などの移動手段と接続されるが、摺動部材を取り
替える必要がある場合には図4〜図6に示されるように
中間部材(7)を介して油圧シリンダ−と接続されてい
てもよい。後者の場合、中間部材と油圧シリンダ−は直
結され、中間部材と摺動部材とは取り外しが容易である
ように一般的にはネジやボルト等により接合されるが、
その接合方法は任意である。
【0024】かかる本発明の金型において、表皮材積層
の有無にかかわらずデザインが同一である成形体を製造
する場合、摺動部材を雌型内周面の全部に設けるかある
いはその一部に設けるかは表皮材の配置状態によっても
変わるが、通常、表皮材を成形体表面の全面に積層する
場合には雌型内周面の全周に、表皮材を部分的に積層す
る場合には該表皮材の配置位置に対応する雌型内周面の
位置に部分的に設けられる。図8および図9は、摺動部
材(3、6)の配置状態を平面図として示したものであ
って、図8は表皮材を成形体表面の全面に積層する場合
に雌型の内周面の全周に摺動部材を設けた例を、図9は
表皮材を部分的に成形体表面に積層する場合に成形体の
表皮材位置に対応した雌型内周面部分に摺動部材(3、
6)を設けた例を示している。もちろん、表皮材を全面
に、あるいは部分的に積層する場合であっても、製品の
形状や表皮材の性質、性状などによっては、該表皮材の
配置位置に対応する雌型内周面の全てに摺動部材を設け
ることなく、部分的に1個あるいは複数個を分散配置す
ることも可能である。
【0025】以上の説明においては、便宜上、型締め方
向が上下方向である雌雄両金型の例について述べたが、
本発明の金型においては、成形時の型時め方向は何ら関
係なく、上下あるいは左右のいずれの方向に型締めされ
る金型であってもよい。
【0026】このような金型を用いて、表皮材を積層し
た、あるいは表皮材を有さない同一デザインの熱可塑性
樹脂成形体を製造する場合、表皮材の使用の有無、表皮
材の種類や樹脂の種類などに応じて雌雄両金型間の摺動
クリアランスが所望の間隙になるように摺動部材(3、
6)の位置を設定するか、場合によっては摺動部材を取
り替えること以外は、その成形方法自体についてはそれ
ぞれに独立した金型を使用する場合と同様の従来より公
知の通常の成形方法がそのまま適用され、本発明の金型
を用いることによる特別の成形条件は必要としない。
【0027】例えば、射出圧縮成形法により成形を行な
う場合、表皮材の有無や使用する熱可塑性樹脂の種類な
どに応じて最適の摺動クリアランスとなるように摺動部
材の位置設定を行い、表面に表皮材を有さない成形体を
製造する場合には、型締め開始前に予め摺動部材(3、
6)を所定の摺動クリアランスとなるように前進させて
おき、開放状態にある雌雄両金型間に溶融状熱可塑性樹
脂を供給し、型締めを行った後、冷却、固化させ、金型
を開放することにより、従来法と同様にして目的とする
成形体を得ることができる。また、表面に表皮材を貼合
した成形体を製造する場合には、開放状態にある雌雄両
金型間の所定の位置に予め表皮材(11)を供給したの
ち所定のキャビティクリアランスになるまで金型を締め
(図10)、溶融状熱可塑性樹脂(12)を供給し、型
締を行ない(図11)、冷却、固化させ、金型を開放す
ることにより、目的とする成形体が従来法と同様に得る
ことができる。
【0028】尚、本発明の金型において、雄型(1)の
外周部に、摺動部材(3、6)との間で表皮材を保持す
るとともにその保持力を調整し得る表皮材保持枠(8)
を設けてなる金型は、表面に表皮材を貼合した成形体を
製造する場合に有効である。
【0029】かかる表皮材保持枠を設けた例を図12に
示すが、この例では表皮材保持枠は雄型の外周部に取り
付けられた例えばエア−シリンダ−(9)などを介して
設けられており、このエア−シリンダ−の作動により金
型の開閉方向に進退自在となっていて、型締め工程中に
おいても表皮材が表皮材保持枠と摺動部材との間で適度
な圧力で挟持できるようになっている。かかる表皮材保
持枠は目的とする製品形態に応じて雄型の外周部の全周
にわたって設けてもよいし、部分的に設けてもよく、ま
た、エア−シリンダ−に代えて油圧シリンダ−や場合に
よってはバネ等を利用してもよい。
【0030】表皮材保持枠を設けた金型を使用する場合
には、表皮材(11)を表皮材保持枠(8)と雌型に設
けた摺動部材(3、6)との間に保持し(図12)、そ
の後に溶融状熱可塑性樹脂(12)を供給し、型締めを
行う(図13)ことにより、より外観の優れた表皮材貼
合の熱可塑性樹脂成形体を製造することができる。
【0031】本発明の金型を用いて熱可塑性樹脂成形体
を製造するにあたって、原料である熱可塑性樹脂や表皮
材については特に限定されず、熱可塑性樹脂としては圧
縮成形、射出成形、押し出し成形などで通常使用される
たとえばポリプロピレン、ポリエチレン、アクリロニト
リル−スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ポリス
チレン、ナイロンなどのポリアミド、ポリ塩化ビニル、
ポリカーボネート、アクリル樹脂、スチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体などの一般的な熱可塑性樹脂、EP
MやEPDMなどの熱可塑性エラストマー、これらの混
合物、あるいはこれらを用いたポリマーアロイ等が使用
され、これらは非発泡性であっても発泡性であってもよ
い。本発明における熱可塑性樹脂とは上記した熱可塑性
エラストマ−、ポリマ−アロイ等を全て含む総称であ
る。もちろん、これらの熱可塑性樹脂には必要に応じて
通常使用されるガラス繊維、各種の無機もしくは有機フ
ィラーなどの充填材が含有されていてもよく、もちろん
通常使用される各種の顔料、滑材、帯電防止剤、安定剤
などの各種添加剤が配合されていてもよい。
【0032】また、表皮材としては各種の織布、編布、
不織布や熱可塑性樹脂もしくは熱可塑性エラストマーの
シートまたはフィルムの他、紙、金属箔、ネット状物、
あるいは熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーの発泡シ
ートなど従来より知られている各種の表皮材が使用さ
れ、これら表皮材はその表面にシボなどの凹凸模様、印
刷や染色等で加飾されていてもよい。また、これら表皮
材はそれぞれ単独で使用されるのみならず、2種以上を
接着剤による接着や熱融着等により積層した複合表皮材
として使用することもでき、特にポリプロピレン発泡シ
ートなどの発泡シートを裏打ち材としたポリ塩化ビニル
シートやEPDMなどの熱可塑性エラストマーシートは
好んで適用される。これら表皮材の使用にあたっては、
表皮材の賦形性をあげるため、あるいは表皮材と熱可塑
性樹脂との接着性をあげるために予備加熱を行っていて
もよいし、製品形状に応じて予備賦形を行ってもよい。
【0033】
【発明の効果】本発明の金型によれば、表皮材の種類や
厚みが異なる表皮材貼合熱可塑性樹脂成形体や表皮材を
有さない熱可塑性樹脂成形体が同一デザインである場合
に、それぞれの製造に対応して独立した別々の金型装置
を使用することなく、基本金型を共通とし、単に摺動部
材の位置を調整、変更することにより、それぞれに独立
した金型を使用する場合と同様にそれぞれの成形体を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の金型の概略断面図である。
【図2】本発明の金型の部分断面図である。
【図3】本発明の金型の部分断面図である。
【図4】本発明の金型の雌型の部分平面図である。
【図5】本発明の金型の雌型の部分平面図である。
【図6】本発明の金型の雌型の部分平面図である。
【図7】雌型本体と摺動部材を嵌合溝により接合したと
きの状態をその断面形状で示したものである。
【図8】本発明の金型の摺動部材を設けた雌型の平面概
略図である。
【図9】本発明の金型の摺動部材を設けた雌型の平面概
略図である。
【図10】本発明の金型を用いた成形工程を示す金型の
部分断面図である。
【図11】本発明の金型を用いた成形工程を示す金型の
部分断面図である。
【図12】本発明の金型を用いた成形工程を示す金型の
部分断面図である。
【図13】本発明の金型を用いた成形工程を示す金型の
部分断面図である。
【符号の説明】
1:雄金型 2:雌金型 2’:雌型本体 3:摺動部材 4a、4b:摺動面 5:油圧シリンダ− 6、6a、6b:摺動部材 7:中間部材 8:表皮材保持枠 9:エア−リンダ− 10a、10b:嵌合溝 11:表皮材 12:溶融状熱可塑性樹脂 A:摺動部 W、W1、W2:摺動クリアランス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 9:00 31:58 (72)発明者 藤多 廣 三重県三重郡菰野町大字大強原字狐塚2500 −1 日泉化学株式会社内 (72)発明者 神地 裕二 愛媛県新居浜市新田町3−7−17 日泉化 学株式会社内 Fターム(参考) 4F202 AH26 CA01 CA09 CA11 CB01 CB13 CK43 CK57 CK74 CL06 CL09 CL12 CN05 CQ01 CQ07 4F204 AH26 FA01 FB01 FB13 FB24 FE10 FF05 FF23 FF49 FJ29 FN02 FN07 FQ01 FQ15 FQ24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】形締め時に雄型の外周面と雌型の内周面が
    摺動部となって相互に摺動する雄雌一対からなる金型に
    おいて、雌型が雌型本体と摺動部の全周または一部にお
    いて雌型の一部を構成する摺動部材とからなり、該摺動
    部材は金型の開閉方向に対して垂直方向に進退自在に設
    けられ、かつその進退する距離が任意に調整可能に設け
    られてなることを特徴とする熱可塑性樹脂成形体成形用
    金型。
  2. 【請求項2】摺動部材が脱着自在に設けられてなる請求
    項1に記載の熱可塑性樹脂成形体成形用金型。
  3. 【請求項3】摺動部材の進退に要する力および進退のタ
    イミングが任意に調整可能に設けられてなる請求項1に
    記載の熱可塑性樹脂成形体成形用金型。
  4. 【請求項4】雄型外周面に表皮材保持枠が設けられてな
    る請求項1に記載の熱可塑性樹脂成形体成形用金型。
  5. 【請求項5】表皮材保持枠が、表皮材の保持力が任意に
    調整可能に設けられてなる請求項4に記載の熱可塑性樹
    脂成形体成形用金型。
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