JP2000167800A

JP2000167800A - ロータリパンチおよび同用途用ダイス

Info

Publication number: JP2000167800A
Application number: JP10344961A
Authority: JP
Inventors: Shuichi Hashimoto; 秀一橋本
Original assignee: Hitachi Metals Ltd; HMY Ltd
Current assignee: HMY Ltd; Proterial Ltd
Priority date: 1998-12-04
Filing date: 1998-12-04
Publication date: 2000-06-20

Abstract

(57)【要約】【課題】粉末焼結材料の高い耐摩耗性、靭性等の高性
能性と、粉末焼結法の高いニヤネットシェイプ性による
経済性を兼備したロータリパンチ用のダイスおよびロー
タリパンチの提供。【解決手段】ロータリパンチ用のダイスとして、ダイ
ス穴を取り巻く粉末焼結材料製リングと該リングを保持
し、該リングと異なる材料でなるリング保持部材からな
るものとする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、紙や合成樹脂フィ
ルム等のシート材（以下用紙とも記す）に綴じ穴等を穿
孔するためのロータリパンチおよびこれに用いるダイス
の技術分野に属する。

【０００２】

【従来の技術】コピーした用紙等のシート材をファイル
するには、綴じ孔を穿孔する必要があるが、従来この綴
じ孔を穿孔する方法として、コピーした複数枚の用紙の
端を人手で揃え、手動パンチ等で穿孔する方法が多用さ
れていた。しかし、この方法は、用紙の端を人手で揃え
たり穿孔する位置を確認する等の煩わしさがある。この
ため、近年コピー機等に穿孔装置を内臓させ、コピーと
並行的に穿孔したいという要望が生じてきた。この穿孔
方法の一つにロータリパンチによる方法がある。ロータ
リパンチは、固定ダイスと往復動するパンチとによる往
復動型のパンチに比し、用紙等を停止させる必要がなく
高能率化可能である。このロータリパンチは、例えば、
特開平7-9394号の図３に、互いに逆方向に同期回転する
一対の軸の一方にダイス、他方にパンチがそれぞれ装着
され、該ダイスとパンチが前記同期回転により噛合って
両軸間に供給されたシート材に穿孔するものが示されて
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ロータリパンチ用のダ
イスは、穿孔屑の不規則な散乱を防止するために、一般
に、全体形状をカップ状としてその外周壁部にダイス穴
を貫通して設けるとともに、軸を水平状として、カップ
の内部へ排出された穿孔屑を該カップの開口部から軸方
向に排出するようにしたものが多い。このため、ダイス
は形状的にかなり複雑でかつ削り出しを要するため、加
工費の点から高コスト化していた。ダイスは、穿孔性
能、耐久性能等の面から、高速度工具鋼等の高級鋼が用
いられてきた。本出願人は、粉末焼結法の高いニヤネッ
トシェイプ性に着目し、加工工数低減を目指してダイス
を粉末焼結材料製とすることを提案した(特願平10-1917
21号)。粉末焼結材料は溶製材に比し、一般に、高合金
化、組織微細化が容易であり、これにより、工具鋼分野
では特に、耐摩耗性、靭性等に優れたものとすることが
できるが、粉末の製造等に多大の費用を要し、低コスト
化については不十分であることが判った。本発明は、粉
末焼結材料の高い耐摩耗性、靭性等の高切断性能性と経
済性を兼備したロータリパンチ用のダイスおよびロータ
リパンチを提供することを課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本願の第１発明は、互い
に逆方向に同期回転する一対の軸の一方にダイス、他方
にパンチがそれぞれ装着され、該ダイスとパンチが前記
同期回転により噛合って両軸間に供給されるシート材を
穿孔するロータリパンチ用前記ダイスにおいて、該ダイ
スは、ダイス穴を取り巻く粉末焼結材料製のリングと該
リングを保持し、該リングと異なる材料でなるリング保
持部材からなるものであることを特徴とするロータリパ
ンチ用ダイスであり、本願の第２発明は、第１発明のダ
イスを組み込んだロータリパンチである。

【０００５】本願の第１発明は、切断動作に直接関与す
るリングは、高切断性能とニヤネットシェイプ性を兼備
する粉末焼結材料製とし、それを保持する他の部分は、
プラスチックモールド等、リングを保持するに十分な強
度と高い被加工性等を有する安価な材料とすることで、
粉末焼結法の高切断性能性と、高いニヤネットシェイプ
性や適材適所による経済性を兼備する。本願の第１発明
において、リング保持部材は特にプラスチックモールド
によるものがコストの点から望ましい。しかし、比較的
低級な金属材料、特に鉄系の材料に圧入等機械的な固着
方法によるものとしてもよい。これらは、高被削性で、
また熱処理を省略可能であり、高級鋼に比し格段にコス
ト低減可能である。また、本願の第２発明において、相
手の工具であるパンチを高速度工具鋼製とすると、耐摩
耗性がダイスとバランスするので一括交換、同時廃却等
の面で望ましい。本発明に用いる粉末焼結材料製のリン
グの製造方法は、金属粉末の射出成形法（ＭＩＭ法）が
形状精度、したがって仕上加工工数削減性の点から適し
ている。

【０００６】

【発明の実施の形態】次に、実施例の図面により、本発
明を詳細に説明する。図１は、本発明のロータリパンチ
用ダイスの各種の実施例を示す図、図２は、本発明に係
るロータリパンチの全体を説明する図である。図２にお
いて、一対の平行な回転軸4、5は、エンドブラケット
８、８と筐体６、７を枠状に組み立て構成されたフレー
ム３により、それぞれで回転可能に支持され、フレーム
３の外側の一対の等歯数の外接歯車９、１０により連結
され、逆方向に同期回転可能にして軸５の右端側の図示
しない駆動部により回転駆動される。一方の軸４には高
速度工具鋼製パンチ２Ａ、２Ｂ、他方の軸５には、この
パンチに対応する本発明のダイス１Ａ、１Ｂが、回転軸
４、５の同期回転により噛み合うような位置、角度関係
として取り付けられている。なお、本実施例では、パン
チとダイスの対を２対としたが、１対または３対以上と
してもよく、また、パンチを原動軸側とする理由は特に
ない。用紙は、紙面の表側から裏側へ両軸間に向かって
供給され、その過程で縁部が検出され、この検出信号に
より駆動部が回転駆動を始め、用紙の所定位置に穿孔が
なされる。穿孔屑は、ダイス１Ａ、１Ｂの互いに対向す
る開口から排出され、図示しない回収系を経て回収され
る。

【０００７】図１Ａは、予め熱処理された粉末焼結材料
製のリング１ａを鋳鉄製等の金属製リング保持部材１ｂ
に設けた段付き穴に圧入して固定したダイス1の例を示
す。リング１ａは、パンチ２との噛合い毎に、特に噛合
い開始時に大きな荷重を偏心して、繰り返し受けるか
ら、リング１aとリング保持部材１ｂ、該保持部材１ｂ
と軸5との保持力は十分としておくことが重要である。
本実施例のものはこれらの接触部が金属対金属により、
いずれの部分も十分な保持力とするとこができ、また、
少量生産に適する。

【０００８】図１Ｂは、予め熱処理された粉末焼結材料
製リング１aを金属製軸穴用ブッシュ１cとともに、角
状、鍔、段その他の凹凸等プラスチックとの結合を強化
する手段（図は両端に鍔）付きとして、プラスチックの
射出成形によるモールド1ｄにより一体に保持したダイ
スの例である。本実施例は、角状部等結合強化手段、軸
ブッシュ１ｃの採用により、特に高強度のプラスチック
を用いないで強固な保持力を有せしめ得る点で優れる。
プラスチックとして高強度エンジニアリングプラスチッ
クを使用する場合や、カップ状の底部の厚みを増加する
場合は、ブッシュ１ｃ、リング１ａの寸法、鍔等を縮小
または廃止してもよく、また、前者ではリング１ａの角
部や鍔部も同様とし、または少数化してもよい。図１Ｃ
は、強度上余裕があるプラスチック部分に空洞１ｅを設
ける例を示している。なお、図中の軸用止めねじのため
のブッシュ１ｆと粉末焼結材料製のリング１ａは、鍔、
段部等を設けたものである。

【０００９】さらに、図１Ｄは、ダイス穴から排出開口
までの穿孔屑排出空間１gを、徐々に拡径しつつ中心線
を約９０°湾曲させたダイスの例、および図上軸５の下
方に、螺旋状に傾斜しまたは左方で厚肉となるリブ
部１hを有する例であり、このリブ部１hはダイス１の自
転中にリブ部１hの傾斜表面で穿孔屑を図上右方に滑落
させるものである。はいずれか一方の回転専用、は
両方回転用となる。図１Ｂ、Ｃ、Ｄの例は、金型を要す
るので多量生産にほぼ限定されるが、大きな低コスト化
効果を発揮する方法である。

【００１０】

【発明の効果】以上に述べたように本発明のダイスは、
切断動作に直接関与するリングは、高切断性能とニヤネ
ットシェイプ性を兼備する粉末焼結材料製のリングと、
それを保持するに十分な強度と高い被加工性等を有する
安価な材料とすることで、高切断性能性と経済性を兼備
する。また、本発明のロータリパンチは、このダイスを
用いることにより、高い性能と、経済性を兼備させるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ロータリパンチ用ダイスの例を示す図であり、
Ａは、粉末焼結材料製リング１aを金属製リング保持部
材1bに圧入して固定したもの、Ｂ〜Dは、粉末焼結材料
製リング1aをプラスチックモールド1dで保持したもの、
Ｃは、プラスチック部分に空洞を設けることを、Ｄは穿
孔屑排出空間１gの変化例とリブ部１hを有するものをそ
れぞれ例示している。

【図２】本発明に係るロータリパンチの全体を説明する
図である。

【符合の説明】

１Ａダイス、１B ダイス、1a 粉末焼結材料製リン
グ、1b リング保持部材、1c 軸穴用ブッシュ、1d モ
ールド、1e 空洞、1f 軸用止めねじ用ブッシュ、1g
穿孔屑排出空間、1h リブ部、２A パンチ、２B パン
チ、３フレーム、４回転軸、５回転軸、６筐
体、７筐体、８エンドブラケット、９外接歯車、１
０外接歯車

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】互いに逆方向に同期回転する一対の軸の
一方にダイス、他方にパンチがそれぞれ装着され、該ダ
イスとパンチが前記同期回転により噛合って両軸間に供
給されるシート材を穿孔するロータリパンチ用前記ダイ
スにおいて、該ダイスは、ダイス穴を有する粉末焼結材
料製のリングと該リングを保持し、該リングと異なる材
料でなるリング保持部材からなるものであることを特徴
とするロータリパンチ用ダイス。
【請求項２】リング保持部材は、モールドによるもの
である請求項１のロータリパンチ用のダイス。
【請求項３】互いに逆方向に同期回転する一対の軸の
一方にダイス、他方にパンチがそれぞれ装着され、該ダ
イスとパンチが前記同期回転により噛合って両軸間に供
給されるシート材を穿孔するロータリパンチにおいて、
前記ダイスは、ダイス穴を有する粉末焼結材料製のリン
グと該リングを保持し、該リングと異なる材料でなるリ
ング保持部材からなるものであることを特徴とするロー
タリパンチ。
【請求項４】パンチは高速度工具鋼製である請求項３
のロータリパンチ。