JP3957242B2 - ロータリパンチ用ダイス及びロータリパンチユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙や合成樹脂製のフィルム等のシート材(以下、用紙ともいう)に単数または複数の綴じ穴を穿孔するためのロータリパンチユニット、特に前記のダイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コピーした用紙等のシート材をファイルする時には、綴じ孔を穿孔する必要があるが、従来、この綴じ孔を穿孔する方法として、コピーした複数枚の用紙の端部を人手で揃え、孔明け機(手動パンチ等)によって穿孔する方法が多用される。
孔明け機を用いて手動で穿孔する方法は、用紙の端部を人手で揃えたり穿孔する位置を確認する等の煩わしさがあるため、近年コピー機等の内部に穿孔装置を内蔵させて、コピーと並行的に穿孔したいという要望が生じてきた。この穿孔方法の一つにロータリパンチユニットがある。
ロータリパンチユニットは、例えば特開平7-9394の図3に記載されているように、互いに逆方向に同期回転する一対の軸の一方にダイス、他方にパンチがそれぞれ装着され、該ダイスとパンチが前記同期回転により噛合して両軸間に供給されたシート材に穿孔動作を行うものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述のダイスは、一般に穿孔屑の不規則な散乱を防止するため、図2(a)および(b)に示すように、金属製一体型(a)または金属部分(イ)とプラスチック等の部分(ロ)との組立型(b)等とすることにより全体をカップ状形態として、穿孔屑を軸方向の一方端の開口から排出するようにしたものが多い。また、上記組立型(b)で例示すると、図中破線(ハ)で区分される軸固定部とダイス部の両部分を、後者は穿孔性能、耐久性能等の面から工具鋼等の高級材料、前者は低級材料とし、両者を溶接、ろう接等で接合することで全体を高級材料とする場合に比べて低コスト化を図ることが行われていた。
【0004】
しかし、この接合による方法は両部材の機械加工による切り出し加工に加え、接合工数が加わるため、大幅な低コスト化はできず、また、ろう接等による熱影響のため、ダイス部の硬さ低下を伴う等の欠点があった。
本発明は、従来の接合の方法に代えて、更に低コスト化を図ることができ、また、接合に伴う硬さ低下の問題のないロータリパンチ用ダイス、またはこのダイスを用いたロータリパンチユニットを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前述の硬さ低下を防止しつつ、従来の接合による方法より更に低コスト化を可能とするという目的に対して種々検討した。
その結果、この目的のためには粉末の焼結一体化による方法が最適であることが判った。この方法によれば、たとえ全体を高級材料とした場合でも上記目的の達成が十分可能であること、特に量産方式の場合に有利となることが判った。
【0006】
すなわち、例えば金属粉を適当なバインダと混錬し、これを金型内に射出して成形し、この成形品を加熱焼結する方法は、複雑な三次元形状の物品もニアネットシェイプで得ることができるので、仕上加工量を最小限度とすることができ、低コスト化が達成され、また、溶接等による接合を伴わないから熱影響による硬さ低下もない。
なお、粉末の焼結に先だって脱バインダ処理が必要となるが、この処理は肉厚がある程度以上となると急激に処理時間を長くする必要があるが、本発明のダイスは紙等のシート材用の場合、最大肉厚を5mm程度以下とすることが容易なため、脱バインダ処理は長時間を要しない。
【0007】
すなわち、本発明は互いに逆方向に同期回転する一対の軸の一方にダイス、他方にパンチがそれぞれ装着され、該ダイスとパンチが前記同期回転により噛合して両軸間に供給されたシート材に穿孔するロータリパンチ用前記ダイスにおいて、該ダイスは、前記軸に固定される軸固定部と、該軸固定部から前記軸の軸方向に伸びてダイス孔を有するダイス部とからなり、該ダイス部と前記軸固定部とで形成されるL字形であって、該L字形の内側となる前記軸固定部にはヌスミ部が形成され、かつ該ダイスは粉末の焼結一体品であることを特徴とするロータリパンチ用ダイス、および該ダイスと高速度工具鋼製のパンチを組み合わせたことを特徴とするロータリパンチユニットである。本発明のダイスにおいて、セラミック、サーメット等も有用であるが、耐欠け性の点から高速度工具鋼等の各種工具鋼等、金属または合金製とすることが望ましい。また、相手工具であるパンチもほぼ同様な理由から、ほぼ同様の金属製(溶製または粉末焼結材)とすることが望ましい。
【0008】
【発明の実施形態】
図1に示す形状のダイスを、高速度工具鋼 JIS SKH51相当成分の合金粉末の金型への射出成形と焼結処理により得た。続いて、得られた製品を焼きなまし後、手入れ加工、焼入れ焼戻し、研磨仕上(研磨手仕上を含む)等により完成品とした。
完成品は図1に示すように、ヌスミ部1’を設けて駄肉を防止するとともに最大肉厚の増加が抑制され、その結果従来の接合型のダイスに対して、重量を約90%に軽量化できた。
また、完成品は従来の接合によるダイスとほぼ同等の仕上精度であり、また、SKH51相当製パンチと組み合わせた穿孔テストにより、前記従来の接合型ダイスと同等以上の穿孔性能および耐久性を有することを確認した。
なお、場合によってはダイスの軽量化によりフライホイール効果が低下し、穿孔が不安定化することもあるが、この場合最大肉厚の過度な増加を抑制しつつ単重を増加すること、低級材製の円板等を理想的には該ダイスの近傍等の軸上に固定すること等で対応できる。
【0009】
次に本発明のダイスを使用したロータリパンチユニットの一実施例について説明する。
図3において、2本の平行な回転軸4,5は、それぞれ筐体6,7に回転可能に支持され、筐体6,7の外側の一対の等歯数の外接歯車8,9により連結され、同期回転可能にして軸5の右端側の図示しない駆動部により回転駆動される。一方の軸4には高速度工具鋼製のパンチ10a,10b、他方の軸5にはこのパンチに対応する本発明のダイス11a,11bが取り付けられ、回転軸4,5の同期回転により噛み合うような位置関係としてある。なお、本実施例ではパンチ10とダイス11を2対としたが、1対でも良いし3対以上でも良い。
【0010】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明のダイスは粉末の焼結一体化によるものであるから、接合工数が不要で結果的に低コスト化が可能である。特に量産化する場合、該接合工程および接合される両部材の自動加工化が複雑であり、また自動加工機用のカム、治具等も多種必要となり多大の投資を要する。これに対し、射出成形法ではダイスが多種類となった場合でも、それぞれに対して成形用の金型を準備するだけで対応できる。
更に、本発明は接合に伴う熱影響もなく、高品質の製品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロータリパンチ用ダイスの一実施例を示す図である。
【図2】従来のロータリパンチ用ダイスの一例を示す図である。
【図3】本発明のダイスを使用したロータリパンチユニットの一実施例を示す図である。
Claims (2)
- 互いに逆方向に同期回転する一対の軸の一方にダイス、他方にパンチがそれぞれ装着され、該ダイスとパンチが前記同期回転により噛合して両軸間に供給されたシート材に穿孔するロータリパンチ用前記ダイスにおいて、該ダイスは、前記軸に固定される軸固定部と、該軸固定部から前記軸の軸方向に伸びてダイス孔を有するダイス部とからなり、該ダイス部と前記軸固定部とで形成されるL字形であって、該L字形の内側となる前記軸固定部にはヌスミ部が形成され、かつ該ダイスは粉末の焼結一体品であることを特徴とするロータリパンチ用ダイス。
- 請求項1のダイスと高速度工具鋼製のパンチを組み合わせたことを特徴とするロータリパンチユニット。
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JP19172198A JP3957242B2 (ja) | 1998-07-07 | 1998-07-07 | ロータリパンチ用ダイス及びロータリパンチユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP19172198A JP3957242B2 (ja) | 1998-07-07 | 1998-07-07 | ロータリパンチ用ダイス及びロータリパンチユニット |
Publications (2)
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ID=16279385
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP19172198A Expired - Fee Related JP3957242B2 (ja) | 1998-07-07 | 1998-07-07 | ロータリパンチ用ダイス及びロータリパンチユニット |
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JP (1) | JP3957242B2 (ja) |
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1998
- 1998-07-07 JP JP19172198A patent/JP3957242B2/ja not_active Expired - Fee Related
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