JP2000167775A - 回転工具用ビットの製造方法及びドライバー - Google Patents

回転工具用ビットの製造方法及びドライバー

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JP2000167775A JP10365217A JP36521798A JP2000167775A JP 2000167775 A JP2000167775 A JP 2000167775A JP 10365217 A JP10365217 A JP 10365217A JP 36521798 A JP36521798 A JP 36521798A JP 2000167775 A JP2000167775 A JP 2000167775A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十字頭部の強度を低下させることなく、カム
アウト現象の発生を抑制できるビット及びドライバーを
提供する。 【解決手段】 ねじ頭に形成された十字溝に嵌合する四
枚の羽部5が対称に形成されている十字頭部2,3を備
え、同頭部2,3の先端側に向かうに従い軸心側に傾斜
する傾斜面5Aが各羽部5の外周縁部に形成されている
回転工具用ビットにおいて、羽部5の傾斜面5Aに、同
傾斜面5Aの幅方向に渡る複数条の凹溝6を当該傾斜面
5Aの傾斜方向に沿って列設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回動工具用ビット
とその製造方法及びそのビットを有するドライバーに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種ビットとしては、図20
に例示するものがあり、手動又は電動ドライバー、エア
ドライバー等の回転工具に使用されている。この図20
に示す通常ビット51は、図21に示すねじの頭52に
凹設された十字溝53に嵌まり込むように、四枚の羽部
54が対称に設けられた十字状先端部55を備え、基部
又は中間部に回動工具やホルダー等への装着部56(六
角断面)が形成されている。
【0003】図21に示すように、ねじ頭52に設けら
れている十字溝53には、回動トルクが作用する面53
Aに溝入口が広くなるように傾斜がつけられている。こ
のため、ビット51の十字頭部55をねじ頭52の十字
溝53に挿入して回動させると、十字溝53の傾斜面5
3Aに作用した回動力の反力が生じ、ビット51の十字
頭部55が十字溝53から離れて浮き上がろうとする現
象(以下、カムアウト現象という。)が起る。
【0004】そこで、回動工具を使用する作業者が上記
カムアウト現象を生起させないようにするには、ビット
51の十字頭部55を十字溝53に強くかつねじ等の回
動作業が終わるまで絶えず押し付けていなければなら
ず、回動工具の作業に際する疲労の原因になっていた。
一方、ビット51を押し付けながら回動しないために、
カムアウト現象を何回も生起させると、十字溝53の傾
斜面53Aが破損し、回動トルクの伝達ができなくな
り、締り付けは勿論のこと緩める作業も不可能になるこ
とがある。
【0005】そこで、従来より、上記のようなカムアウ
ト現象を防止するため、図18に示す歯形付きビット5
7が開発されている。このビット57は、その十字頭部
55における各羽部54間の谷部を構成する側面に、ビ
ット軸方向と直交する方向に延びる多数の歯形突条58
を鍛造加工によって形成し、この歯形突条58をねじ頭
52の傾斜面53Aに喰い込ませることによりカムアウ
ト現象を防止するようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術では、
羽部54間の谷部を構成する側面に歯形突条58を形成
しているので、歯形突条58間に溝が形成される分だけ
ビット57の羽部54の実質厚さTが薄くなり、このた
めビット57の十字頭部55の強度が大きく低下して耐
久性が悪化するという欠点がある。
【0007】また、羽部54間の谷部を構成する側面に
歯形突条58を形成するには、各羽部54間の谷部を切
削加工してから十字頭部55を鍛造する必要があるた
め、ビット57の製造工程として切削工程以外の他の加
工工程を追加しなけらばならず、製造コストが高くなる
という問題もある。本発明は、このような実状に鑑み、
十字頭部の強度を低下させることなく、カムアウト現象
の発生を抑制できるビット及びドライバーを提供するこ
とを第一の目的とする。
【0008】また、本発明は、そのようなカムアウト現
象を防止できるビットを通常のビットとほぼ同様の製造
工程で得られるようにして、製造コストを低減すること
を第二の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために次の技術的手段を講じた。すなわち、本
発明に係る回動工具用ビットは、ねじ頭に形成された十
字溝に嵌合する四枚の羽部が対称に形成されている十字
頭部を備え、同頭部の先端側に向かうに従い軸心側に傾
斜する傾斜面が前記各羽部の外周縁部に形成されている
回転工具用ビットにおいて、前記羽部の傾斜面に、同傾
斜面の幅方向に渡る複数条の凹溝が当該傾斜面の傾斜方
向に沿って列設されているものである。
【0010】この場合、ねじ頭の十字溝にビットの十字
状先端部を挿入してビットに回動力を作用させると、上
記凹溝によって形成された各羽部のエッジ部分が十字溝
のトルク伝達面(傾斜面)に喰い込み、この食い込みに
よってビットがねじ頭から浮き上がり難くなり、カムア
ウト現象が有効に抑制されることになる。また、複数条
の凹溝が羽部の傾斜面に列設されているので、各羽部の
実質厚さが薄肉化することがなく、十字頭部の強度が大
きく低下するのを未然に防止することができる。
【0011】上記の本発明において、羽部の傾斜面に列
設される凹溝の形状又は大きさは、カムアウト現象及び
十字頭部の強度低下を有効に抑制できるものであれば、
特に限定されない。もっとも、凹溝の左右両側面と傾斜
面との交差角度は90度以下に設定しておくことが好ま
しい。
【0012】その交差角度が90°を越えると、十字溝
に対する食い込み作用は向上するが、凹溝の左右両側面
のエッジ部分が鋭利になり過ぎ、同傾斜面の摩耗強度が
低下して破損し易くなるからである。この点、上記交差
角度が90°以下であれば、羽部の傾斜面の摩耗強度も
有効に確保しながら、カムアウト現象を効果的に防止す
ることができる。
【0013】また、羽部の強度を有効に確保するには、
凹溝の深さが羽部の高さのほぼ五分の一以下に設定され
ていることが好ましい。一方、カムアウトの防止効果を
発揮するのは、主としてねじ頭の十字溝の内部に位置す
る凹溝であって、十字溝の外部に露出している凹部はカ
ムアウトの防止効果に直接関係がないとともに、却って
頭部の強度を低下させる原因になる恐れもある。
【0014】そこで、羽部の強度をより有効に確保する
には、十字頭部をねじ頭の十字溝に嵌合させたときに当
該十字溝の内部に位置する羽部の先端側の部分のみに凹
溝を配置することが好ましい。この場合、カムアウト防
止効果に直接関係のない十字溝の外部に位置する羽部の
傾斜面は、凹溝を全く有していない通常のビットと同じ
形状になるので、傾斜面の全域に渡って凹溝を列設する
場合に比べて、十字頭部の強度をより向上させることが
できる。
【0015】上記の本発明に係るビットは、ホルダーの
ビット装着孔に装着することによりドライバーとして使
用することができる。この場合、前記ビットがホルダー
のビット装着孔に嵌入固着するか又は着脱可能に装着さ
れているので、カムアウト現象の起こらない手動又は自
動回動工具として使用でき、ねじの締め付け或いは緩め
作業を容易にかつ安楽に行なえ、作業者の疲労を軽減で
きるほか、ねじ頭の十字溝の破損を防止できる。
【0016】本発明のビットを製造するには、十字頭部
を構成する四つの羽部のすべて又はいくつかの羽部の傾
斜面に、凹溝を鍛造によって形成することもできる。し
かるに、このような製造方法では、ビットの製造工程と
して切削工程以外の鍛造工程を追加する必要があり、製
造コストが高くなる。そこで、本発明は、次の第一〜第
三の切削工程を含む回動工具用ビットの製造方法を推奨
する。
【0017】(1) ビット構成材料の先端部に第一バ
イトによりテーパ面を切削する第一工程 (2) このテーパ面に第二バイトにより周方向に延び
る複数条の周溝を切削する第二工程 (3) この周溝が形成された当該ビット構成材料の先
端部に、フライスカッターにより凹部を四箇所に周方向
等間隔におきに切削して四枚の羽部を形成する第三工程 この製造方法によれば、ビット構成材料の先端部を第一
バイトでテーパ状に切削した後、そのままの状態で最終
的に羽部の凹溝になる周溝を第二バイトにより形成する
ことができる。
【0018】このため、凹溝を形成するために鍛造工程
のような通常のビット加工には用いられない特別な工程
を追加する必要がなく、通常のビット加工で常用される
切削工程に若干の変更を加えるだけで、カムアウト現象
を防止するビットを製造することができる。また、周方
向に延びる複数条の周溝を第二バイトで切削してから、
フライスカッターにより各羽部を形成しているので、各
羽部における凹溝の断面形状を均一に仕上げることがで
き、ビットの品質を向上することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1〜図4は、本発明に係る回転
工具用ビット1の第一の実施形態を示している。このビ
ット1は、断面形状正六角形を呈する特殊工具鋼、炭素
工具鋼等からなる棒状の構成材料の両端に、十字状の先
端部(十字頭部)2,3が、切削加工により形成された
ものであり、中央胴部4が回動工具(図示省略)への装
着部とされている。
【0020】前記十字頭部2,3はそれぞれ同形同寸で
あって、ねじ頭に形成された十字溝53(図19参照)
に嵌合するように、四枚の羽部5がビット軸中心に対し
て対称状に形成されていて、この各羽部5の外周縁部に
は、十字頭部2,3の先端側に向かうに従い軸心側に傾
斜する傾斜面5Aが形成されている。そして、各羽部5
の当該傾斜面5Aには、同傾斜面5Aの幅方向に渡って
羽部側面5Bに至るカムアウト現象を抑制するための凹
溝6が当該傾斜面5Aの傾斜方向にそって列設されてお
り、これらの凹溝6は互いに平行に複数条配置されてい
る。
【0021】図5に示すように、本実施形態で採用した
各凹溝6は断面略円弧状に形成され、左右の両側面6
A,6Bの傾斜面5Aに対する交差角度θ1,θ2が9
0°以下に設定されているとともに、この両交差角度θ
1,θ2は同一値に設定されている。この凹溝6の溝断
面形状は、例えば、図6(a)〜(c)に示すように形
成することができる。
【0022】このうち、図6(a)は本発明の実施品1
であり、前述のように、左右両側面6A,6Bの傾斜面
5Aに対する傾斜角度θ1,θ2を同一とし、溝深さも
浅く同一としたものである。また、図6(b)は、本発
明の実施品2で、前記羽部5のビット先端側の交差角度
θ1を他方の交差角度θ2よりも小さくしたものであ
る。
【0023】さらに、図6(c)は、本発明の実施品3
で、前記ビット先端側の交差角度θ1を他方の傾斜角度
θ2よりも大きくしたものである。なお、図6(a)及
び(b)に示すビットでは、凹溝6の深さhが羽部の高
さHの約十分の一に設定され、図6(c)に示すビット
では、凹溝6の深さhが羽部の高さHの約五分の一に設
定されている。
【0024】前記ビット1は、図7に示す本発明に係る
製造方法により製造することができる。以下、図7
(a)〜(d)を参照して、この製造方法を説明する。
ビット1の十字頭部2,3は、前述のように、図7
(a)に示す棒状のビット構成材料Mを使用して切削加
工により成形される。この場合、先ず、ビット構成材料
Mを工作機械のチャックにより保持し、これを軸心回り
に回転させ、図7(b)に示すように、平滑な切削面を
有するテーパ切削用の第一バイト7により、ビット構成
材料Mの先端部に所定角度のテーパ面8(なお、このテ
ーパ面8は最終的に羽部5の傾斜面5Aを構成する)を
切削する。
【0025】次に、上記ビット構成材料Mをチャッキン
グしたままの状態で、図7(c)に示すように、凹凸形
状の切削面を有する溝切削用の第二バイト9(姿バイ
ト)により、前記テーパ面8に複数条の周溝10(な
お、この周溝10は最終的にカムアウト抑制用の前記凹
溝6を構成する)を切削する。その後、図7(d)に示
すように、上記周溝10の形成されたテーパ面8に、従
来と同様にしてビットの中心軸線と直交する軸11に装
着されているフライスカッター12により、構成材料M
の軸線方向に延びる凹部13(谷部)を切削することに
より、この凹部13の両側にそれぞれ前記羽部5を形成
し、これによって、十字頭部2,3の切削加工が完了す
る。
【0026】上記したビット製造方法によれば、周溝1
0を切削する工程を通常ビット51(図18参照)の切
削工程に追加するだけで、カムアウト現象を防止できる
ビット1の十字頭部2,3を形成することができる。し
かも、周方向に延びる複数条の周溝10を第二バイト9
で切削してから、フライスカッター12により各羽部5
を形成しているので、各羽部5における凹溝6の断面形
状を均一に仕上げることができ、所望の加工精度が得ら
れ易く、高品質のビット1を低コストで製造することが
できる。
【0027】このため、カムアウト抑制効果を十分に発
揮できるビット1を安価に提供することができる。ま
た、上記各実施品1〜3に係るビット1は、各羽部5間
の谷部を構成する側面5Bには凹凸を設けていないの
で、羽部5の実質厚さTが通常ビット51(図18参
照)の羽部の実質厚さTと同じになる。このため、本実
施形態のビット1は、通常ビット51と比べて強度的に
も全く遜色がなく、しかも、各羽部5のトルクも通常ビ
ット51に比べて劣らないものとなる。
【0028】〔実験例1〕本発明に係るビット1(図6
(a)に示す本発明実施品1)のカムアウト抑制効果を
実証すべく、そのビット1と通常ビット51のカムアウ
トトルク値(kgf・cm)を、図8に示すカムアウト
試験機14を使用してそれぞれ測定することにした。
【0029】その結果を、次の〔表1〕に示す。
【0030】
【表1】
【0031】なお、図8に示すカムアウト試験機14
は、機台15と、機台15上に立設された支持フレーム
16と、該フレーム16上部に昇降手段17により上下
動可能に取付けられたモータベース18と、該ベース1
8に出力軸19が下向きとなるように取付けられたサー
ボモータ20と、出力軸19にボールスプライン21を
介して連結された回転軸22とを備えている。
【0032】また、この試験機14は、回転軸22の下
部に着脱可能に取付けた荷重をかけるための重鎮23
と、回転軸22下端にユニバーサルジョイント24を介
して連結されたビットホルダー25と、該ホルダー25
に対応して機台15上に水平移動可能に設けたトルク検
出器26及びその横移動手段27と図9に示す操作盤3
0と、を備えている。
【0033】そして、ビットホルダー25には、テスト
用ビット1,51が着脱可能に取付けられ、トルク検出
器26に、プラスねじ28が螺装され、該ねじ28の頭
29に形成された十字溝に、ビット1,51の十字状先
端部2,3又は55が嵌合されるようになっている。な
お、前記ユニバーサルジョイント24を設けたのは、テ
スト用ビット1,51に、プラスねじ28の軸心Cに対
して傾き角度θを与えるためである。
【0034】上記試験機14によるカムアウトテスト
は、重鎮23の荷重を2kgとし、ビット傾き角度θを
0°,5°,10°,15°とした各場合について、ビ
ット1をサーボモータ20で回転させて夫々5回行なっ
た。なお、〔表1〕に示すカムアウトトルク値はビット
1,51がカムアウトしたときのトルク値を検出し、5
回のテスト結果の平均値を出したものである。
【0035】〔表1〕から明らかなように、本発明の実
施品1は、通常ビット51に比べてカムアウトトルクが
大幅に増大しており、十分なカムアウト抑制効果が得ら
れている。特に、ビットの傾き角度θが大きくなるほど
カムアウトトルクが増大していることから、ドライバー
をねじに対して若干傾けて使用した場合におけるカムア
ウト抑制効果が大きいものであると言える。
【0036】〔実験例2〕一方、傾斜面5Aに凹溝6を
形成したことに伴う強度の変化を調査すべく、本発明に
係るビット1(図6(a)〜(c)に示す)、通常ビッ
ト51及び図16に示す従来のカムアウト防止ビット5
7の強度を、図10に示すトルク試験器31を用いて測
定した。
【0037】その結果を、次の〔表2〕に示す。
【0038】
【表2】
【0039】なお、前記トルク試験器31は、図10に
示すように、サーボモータ32により駆動されるテスト
用ビット1等を試験棒33に先端が破損するまでひねっ
て押し当てて、その時のサーボモータ32の出力をエン
コーダ34により角度出力35として取り出し、試験棒
33に与えられたトルク出力36をロードセル37によ
り検出して、両出力35,36から演算によって最大ト
ルク値を演算するものである。
【0040】また、このビット1,51,57のトルク
テストは、各テストビット1,51,57について夫々
3回行なっており、その時の最大トルク値を平均して、
〔表2〕に示している。強度テスト結果を示す〔表2〕
から明らかなように、本発明ビットの実施品1,2,3
は、通常ビット51にほぼ近い強度を有し、かつ、従来
のカムアウト防止ビット57よりも強度が大になってい
る。
【0041】このため、本発明のビット1によれば、十
字頭部2,3の強度低下を伴うことなく、カムアウト現
象を抑制することができる。特に、凹溝6の深さhが羽
部5の高さの一〇分の一に設定してある実施品1及び2
においては、最大トルク値が136及び138になって
おり、これは、通常ビット51の最大トルク値(14
0)と殆ど遜色がない。
【0042】他方、凹溝6の深さhが羽部5の高さの五
分の一に設定してある実施品3においても、最大トルク
値が122にまでしか低下しておらず、これは、従来の
カムアウト防止ビット57の最大トルク値(102)と
比べると、かなり大きい値になっている。以上から、カ
ムアウト現象を抑制すべく羽部5の傾斜面5Aに複数条
の凹溝6を設ける本発明において、その各凹溝6の深さ
hを羽部5の高さHのほぼ五分の一以下に設定しておけ
ば、羽部5ないし十字頭部2,3の強度も有効に確保す
ることができることが判明した。
【0043】なお、図9に示すカムアウト試験機14の
操作盤30には、スタートスイッチ38A、ストップス
イッチ38B、トルクメータ39、記録装置40等が内
蔵されている。図11及び図12は、第二の実施形態に
係るビット1を示している。このビット1が第一実施形
態と異なるところは、十字頭部2がビット1の長手方向
一端部にのみ設けられ、胴部4と十字頭部2が断面円形
状軸部15により連係一体化されている点にあり、十字
頭部2を構成する各羽部5の傾斜面5Aに前記凹部6が
列設されている点は第一実施形態の場合と同様である。
【0044】このため、この第二実施形態のビット1に
おいても、第一実施形態の場合とほぼ同様の作用効果を
期待することができる。図13及び図14は、第三実施
形態に係るビット1を示している。このビット1が第二
実施形態と異なるところは、前記胴部4と、前記先端部
5の間に設けられる軸部15が、断面四角形とされてい
る点である。このため、この場合のビット1も第一実施
形態とほぼ同様の作用効果を奏する。
【0045】なお、前記第二及び第三の実施形態では、
共にビット1の一端側に十字頭部2を備えているが、他
端側にも、十字頭部又は一字状の頭部を設けたものとす
ることができる。図15は、本発明に係るドライバー4
1の実施形態を示している。このドライバー41は、本
発明に係るビット42がホルダー43のビット装着孔4
4に装着されたものであり、通常プラスドライバーと称
され、一般家庭ほか各業界等で使用される手動回動工具
の一つである。
【0046】前記ビット42は、断面円形の棒材からな
る構成材料(軸)42Aの一端側に、十字状先端部2を
備え、他端側基端部がホルダー43への装着部45とさ
れ、係止突条46が設けられている。なお、十字頭部2
の構造は、前記ビット1の十字頭部2と全く同じであ
り、羽部5にカムアウト抑制用の凹溝6が設けられてお
り、本発明に係る前述の製造方法により製造される。
【0047】また、前記ホルダー43は、硬質合成樹脂
製のビット装着孔44を有するホルダー本体43Aと、
該本体43Aの外周面に軸方向の基端部及び中間部に位
置して套嵌されたゴム・軟質塩化ビニール樹脂等の軟質
弾性材料からなる滑り止め部材43Bとにより構成さ
れ、作業者の手に優しいそして使い易いものとなってい
る。
【0048】上記ドライバー41の実施形態によれば、
ビット42の十字状先端部2にカムアウト抑制用の凹溝
6を備えているので、ねじ等の締付けや緩め作業に際
し、カムアウト現象が起こらないため、従来のようにド
ライバー41をねじ頭の十字溝に強力に押し続けなくて
もよく、作業者の手に疲れを感じさせることなく容易に
かつ安楽に作業でき、作業者の疲労を軽減できるほか、
ねじ頭の十字溝の破損を防止できる。
【0049】また、ビット42の十字頭部2の羽部5の
強度は、前記ビット1と同様に、通常ビット51(図1
8参照)と変わらず、耐久性においても全く遜色はな
い。なお、本発明に係るドライバーは、ビット42又は
前記ビット1を、ホルダー43に着脱・変更可能に装着
するように構成でき、さらに、ビット1又は42は、図
示していないが、一端側に十字状先端部2を、他端側に
一字状先端部を備えたものを、ホルダー43に着脱・変
更可能に装着することができる。
【0050】本発明に係るビット及びドライバーは、上
記各実施形態に限定されるものではなく、例えばビット
の軸部又はホルダー等への装着部の構造・形状を、回動
工具の各種ホルダーに適合するものとすることができ
る。また、前記ホルダー43の構造・形状等も適宜設計
変更可能であり、磁石を組み込んで、ビットの十字頭部
にねじ頭を吸引保持させることもできる。
【0051】〔実験例3〕一方、図16は本発明のビッ
ト1の頭部2が通常ねじのねじ頭52の十字溝53に嵌
合した状態を示している。この図16から明らかなよう
に、カムアウトの防止効果を発揮するのは、主として、
図16において黒塗りで示してある凹溝6、すなわち、
ねじ頭52の十字溝53の内部に位置する先端から一番
目(n=1)と二番目(n=2)の凹溝6だけであり、
十字溝53の外部に露出している三番目(n=3)と四
番目(n=4)の凹部6はカムアウトの防止効果には直
接関係がなく、しかも、これら三番目と四番目の凹溝6
によってビット1の頭部2の耐久性が却って低下してい
る恐れもありうる。
【0052】そこで、本願発明者は、図17に示す試験
装置61によるタッピング試験を行い、凹溝6の列設数
が頭部2の強度ないし耐久性に与える影響を試験した。
そのタッピング試験の結果を次の〔表3〕に示す。
【0053】
【表3】
【0054】なお、上記試験装置61は、先行ドリル6
2と電動ドライバー63が連結された上下動自在な上部
フレーム64と、このドライバー63にタッピングねじ
65を自動供給する供給手段(図示せず)と、板状のワ
ーク66を順次先送りする間欠送り手段(図示せず)
と、を備えており、先行ドリル62でワーク66に先行
して開けられた多数の下孔67に対してビット1の十字
頭部2が破損するまでに完全に締め込むことができたタ
ッピングねじ65の本数によってビット1の耐久性を判
定するものである。
【0055】また、このタッピング試験での諸条件は次
の通りである。 締め付け圧力:6kg/cm2 締め付け時間:2.7秒 ダイヤル :3 下孔径 :φ3.4mm ねじ種類 :+2×8 Aトラス ワーク :厚さ5mmのアルミ板 前記〔表3〕から明らかなように、n=0(凹溝なし)
の場合には、2回の測定平均で99.5本のタッピング
ねじ65の締め込みが可能であったものが、n=3の場
合には33.5本、n=4の場合には38.0本に激減
している。
【0056】これに対して、n=2の場合には2回の測
定平均で85.0本の締め込みが可能であり、n=0
(凹溝なし)の場合から見れば締め込み可能な本数は低
下したが、n=3及び4の場合に比べればその本数はそ
れほど低下していない。これは、図16に示すように、
第三番目(n=3)の凹溝6がちょうどねじ頭52の上
端面付近に位置しており、タッピングねじ65の締め付
けの際にちょうどこの第三番目の凹溝6が配置されてい
るビット1の頭部2の部分に剪断力が集中的に作用する
ためであると考えられる。
【0057】以上から、ビット1の羽部5の強度をより
有効に確保するには、凹溝6の数は図16に黒塗りで示
しているn=2まで、すなわち、十字頭部2をねじ頭5
2の十字溝53に嵌合させたときに当該十字溝53の内
部に位置する羽部5の先端側の部分のみに凹溝6を配置
することが好ましいと考えられる。この場合、カムアウ
ト防止効果に直接関係のない十字溝53の外部に位置す
る羽部5の傾斜面5Aは、凹溝6を全く有していない通
常のビット1と同じ形状になるので、傾斜面5Aの全域
に渡って凹溝6を列設する場合に比べて、十字頭部2の
強度をより向上させることができる。
【0058】なお、今回のタッピング試験より、n=3
の凹溝6(ねじ頭52の上端面付近の凹溝6)がビット
1の頭部2の強度を最も低下させる要因であることが明
らかになったので、そのn=3の凹溝6だけを設けない
ことにしてもよい。すなわち、本発明は、n=1及び2
の凹溝6に加えて、n=3の凹溝6を飛ばしてn=4や
n=5の凹溝6を設けたものを包含する。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る回動
工具用ビット及びそれを有するドライバーによれば、十
字頭部の強度を低下させることなく、カムアウト現象の
発生を抑制することができる。また、本発明に係るビッ
トの製造方法によれば、上記のようなカムアウト現象を
防止できるビットを通常のビットとほぼ同様の製造工程
で得ることができ、製造コストを低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るビットの第一実施形態を示す正面
図である。
【図2】図1の上面図である。
【図3】同実施形態の要部である十字状先端部の拡大図
である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】図4のB部拡大図である。
【図6】(a)〜(c)は同実施形態におけるカムアウ
ト現象抑制用凹溝の形状例を示す十字状先端部の正面図
である。
【図7】(a)〜(d)は本発明に係るビット製造方法
の説明図である。
【図8】ビットのカムアウト試験機の正面図である。
【図9】カムアウト試験機の操作盤を示す正面図であ
る。
【図10】ビットのトルク試験器の一例を示す概略構成
図である。
【図11】本発明に係るビットの第二実施形態を示す正
面図である。
【図12】図11のC−C線断面図である。
【図13】本発明に係るビットの第三実施形態を示す正
面図である。
【図14】図13のD−D線断面図である。
【図15】本発明に係るドライバーの一実施形態を示す
一部破断正面図である。
【図16】本発明に係るビットがねじ頭に嵌合した状態
を示す拡大図である。
【図17】タッピング試験の試験装置の概略構成図であ
る。
【図18】カムアウト防止ビットの従来例を示す一部省
略正面図である。
【図19】図18のE−E線断面図である。
【図20】従来の通常ビットの一例を示す一部省略正面
図である。
【図21】ねじ頭の一例を示す正面図である。
【符号の説明】
1 ビット 2 十字頭部 3 十字頭部 5 羽部 5A 外周側先端面 5B 羽部側面 6 凹溝 6A 凹溝の側面 6B 凹溝の側面 7 第一バイト 8 テーパ面 9 第二バイト 10 周溝 12 フライスカッター 13 凹部 41 ドライバー 42 ビット 43 ホルダー 44 ビット装着孔 θ1 交差角度 θ2 交差角度
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年11月10日(1999.11.
10)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 回転工具用ビットの製造方法及びドラ
イバー
【特許請求の範囲】
【請求項】 ビット構成材料の先端部に第一バイトに
よりテーパ面を切削する第一工程、 このテーパ面に第二バイトにより周方向に延びる複数条
の周溝を切削する第二工程、 この周溝が形成された当該ビット構成材料の先端部にフ
ライスカッターにより凹部を四箇所に周方向等間隔にお
きに切削して四枚の羽部を形成する第三工程、 とを含む回動工具用ビットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回動工具用ビット
の製造方法及びドライバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種ビットとしては、図20
に例示するものがあり、手動又は電動ドライバー、エア
ドライバー等の回転工具に使用されている。この図20
に示す通常ビット51は、図21に示すねじの頭52に
凹設された十字溝53に嵌まり込むように、四枚の羽部
54が対称に設けられた十字状先端部55を備え、基部
又は中間部に回動工具やホルダー等への装着部56(六
角断面)が形成されている。
【0003】図21に示すように、ねじ頭52に設けら
れている十字溝53には、回動トルクが作用する面53
Aに溝入口が広くなるように傾斜がつけられている。こ
のため、ビット51の十字頭部55をねじ頭52の十字
溝53に挿入して回動させると、十字溝53の傾斜面5
3Aに作用した回動力の反力が生じ、ビット51の十字
頭部55が十字溝53から離れて浮き上がろうとする現
象(以下、カムアウト現象という。)が起る。
【0004】そこで、回動工具を使用する作業者が上記
カムアウト現象を生起させないようにするには、ビット
51の十字頭部55を十字溝53に強くかつねじ等の回
動作業が終わるまで絶えず押し付けていなければなら
ず、回動工具の作業に際する疲労の原因になっていた。
一方、ビット51を押し付けながら回動しないために、
カムアウト現象を何回も生起させると、十字溝53の傾
斜面53Aが破損し、回動トルクの伝達ができなくな
り、締り付けは勿論のこと緩める作業も不可能になるこ
とがある。
【0005】そこで、従来より、上記のようなカムアウ
ト現象を防止するため、図18に示す歯形付きビット5
7が開発されている。このビット57は、その十字頭部
55における各羽部54間の谷部を構成する側面に、ビ
ット軸方向と直交する方向に延びる多数の歯形突条58
を鍛造加工によって形成し、この歯形突条58をねじ頭
52の傾斜面53Aに喰い込ませることによりカムアウ
ト現象を防止するようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術では、
羽部54間の谷部を構成する側面に歯形突条58を形成
している。かかる羽部54間の谷部を構成する側面に歯
形突条58を形成するには、各羽部54間の谷部を切削
加工してから十字頭部55を鍛造する必要があるため、
ビット57の製造工程として切削工程以外の他の加工工
程を追加しなけらばならず、製造コストが高くなるとい
う問題がある。
【0007】本発明は、このような実状に鑑み、カムア
ウト現象の発生を抑制できるビットを通常のビットとほ
ぼ同様の製造工程で得られるようにして、製造コストを
低減することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、羽部間の谷
部を構成する側面に凹凸を設けるのではなく、羽部の傾
斜面に複数条の凹溝を形成することにより、十字頭部の
強度を低下させることなく、カムアウト現象の発生を抑
制することにした。そして、このようなビットを製造す
るには、十字頭部を構成する四つの羽部のすべて又はい
くつかの羽部の傾斜面に、凹溝を鍛造によって形成する
こともできる。
【0009】しかるに、このような製造方法では、ビッ
トの製造工程として切削工程以外の鍛造工程を追加する
必要があり、製造コストが高くなる。そこで、本発明
は、次の第一〜第三の切削工程を含む回動工具用ビット
の製造方法を採用した
【0010】(1) ビット構成材料の先端部に第一バ
イトによりテーパ面を切削する第一工程 (2) このテーパ面に第二バイトにより周方向に延び
る複数条の周溝を切削する第二工程 (3) この周溝が形成された当該ビット構成材料の先
端部に、フライスカッターにより凹部を四箇所に周方向
等間隔におきに切削して四枚の羽部を形成する第三工程
【0011】この製造方法によれば、ビット構成材料の
先端部を第一バイトでテーパ状に切削した後、そのまま
の状態で最終的に羽部の凹溝になる周溝を第二バイトに
より形成することができる。
【0012】このため、凹溝を形成するために鍛造工程
のような通常のビット加工には用いられない特別な工程
を追加する必要がなく、通常のビット加工で常用される
切削工程に若干の変更を加えるだけで、カムアウト現象
を防止するビットを製造することができる。
【0013】また、周方向に延びる複数条の周溝を第二
バイトで切削してから、フライスカッターにより各羽部
を形成しているので、各羽部における凹溝の断面形状を
均一に仕上げることができ、ビットの品質を向上するこ
とができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1〜図4は、本発明に係る回転
工具用ビット1の第一の実施形態を示している。このビ
ット1は、断面形状正六角形を呈する特殊工具鋼、炭素
工具鋼等からなる棒状の構成材料の両端に、十字状の先
端部(十字頭部)2,3が、切削加工により形成された
ものであり、中央胴部4が回動工具(図示省略)への装
着部とされている。
【0015】前記十字頭部2,3はそれぞれ同形同寸で
あって、ねじ頭に形成された十字溝53(図19参照)
に嵌合するように、四枚の羽部5がビット軸中心に対し
て対称状に形成されていて、この各羽部5の外周縁部に
は、十字頭部2,3の先端側に向かうに従い軸心側に傾
斜する傾斜面5Aが形成されている。そして、各羽部5
の当該傾斜面5Aには、同傾斜面5Aの幅方向に渡って
羽部側面5Bに至るカムアウト現象を抑制するための凹
溝6が当該傾斜面5Aの傾斜方向にそって列設されてお
り、これらの凹溝6は互いに平行に複数条配置されてい
る。
【0016】図5に示すように、本実施形態で採用した
各凹溝6は断面略円弧状に形成され、左右の両側面6
A,6Bの傾斜面5Aに対する交差角度θ1,θ2が9
0°以下に設定されているとともに、この両交差角度θ
1,θ2は同一値に設定されている。この凹溝6の溝断
面形状は、例えば、図6(a)〜(c)に示すように形
成することができる。
【0017】このうち、図6(a)は本発明の実施品1
であり、前述のように、左右両側面6A,6Bの傾斜面
5Aに対する傾斜角度θ1,θ2を同一とし、溝深さも
浅く同一としたものである。また、図6(b)は、本発
明の実施品2で、前記羽部5のビット先端側の交差角度
θ1を他方の交差角度θ2よりも小さくしたものであ
る。
【0018】さらに、図6(c)は、本発明の実施品3
で、前記ビット先端側の交差角度θ1を他方の傾斜角度
θ2よりも大きくしたものである。なお、図6(a)及
び(b)に示すビットでは、凹溝6の深さhが羽部の高
さHの約十分の一に設定され、図6(c)に示すビット
では、凹溝6の深さhが羽部の高さHの約五分の一に設
定されている。
【0019】前記ビット1は、図7に示す本発明に係る
製造方法により製造することができる。以下、図7
(a)〜(d)を参照して、この製造方法を説明する。
ビット1の十字頭部2,3は、前述のように、図7
(a)に示す棒状のビット構成材料Mを使用して切削加
工により成形される。この場合、先ず、ビット構成材料
Mを工作機械のチャックにより保持し、これを軸心回り
に回転させ、図7(b)に示すように、平滑な切削面を
有するテーパ切削用の第一バイト7により、ビット構成
材料Mの先端部に所定角度のテーパ面8(なお、このテ
ーパ面8は最終的に羽部5の傾斜面5Aを構成する)を
切削する。
【0020】次に、上記ビット構成材料Mをチャッキン
グしたままの状態で、図7(c)に示すように、凹凸形
状の切削面を有する溝切削用の第二バイト9(姿バイ
ト)により、前記テーパ面8に複数条の周溝10(な
お、この周溝10は最終的にカムアウト抑制用の前記凹
溝6を構成する)を切削する。その後、図7(d)に示
すように、上記周溝10の形成されたテーパ面8に、従
来と同様にしてビットの中心軸線と直交する軸11に装
着されているフライスカッター12により、構成材料M
の軸線方向に延びる凹部13(谷部)を切削することに
より、この凹部13の両側にそれぞれ前記羽部5を形成
し、これによって、十字頭部2,3の切削加工が完了す
る。
【0021】上記したビット製造方法によれば、周溝1
0を切削する工程を通常ビット51(図18参照)の切
削工程に追加するだけで、カムアウト現象を防止できる
ビット1の十字頭部2,3を形成することができる。し
かも、周方向に延びる複数条の周溝10を第二バイト9
で切削してから、フライスカッター12により各羽部5
を形成しているので、各羽部5における凹溝6の断面形
状を均一に仕上げることができ、所望の加工精度が得ら
れ易く、高品質のビット1を低コストで製造することが
できる。
【0022】このため、カムアウト抑制効果を十分に発
揮できるビット1を安価に提供することができる。ま
た、上記各実施品1〜3に係るビット1は、各羽部5間
の谷部を構成する側面5Bには凹凸を設けていないの
で、羽部5の実質厚さTが通常ビット51(図18参
照)の羽部の実質厚さTと同じになる。このため、本実
施形態のビット1は、通常ビット51と比べて強度的に
も全く遜色がなく、しかも、各羽部5のトルクも通常ビ
ット51に比べて劣らないものとなる。
【0023】〔実験例1〕本発明に係るビット1(図6
(a)に示す本発明実施品1)のカムアウト抑制効果を
実証すべく、そのビット1と通常ビット51のカムアウ
トトルク値(kgf・cm)を、図8に示すカムアウト
試験機14を使用してそれぞれ測定することにした。
【0024】その結果を、次の〔表1〕に示す。
【0025】
【表1】
【0026】なお、図8に示すカムアウト試験機14
は、機台15と、機台15上に立設された支持フレーム
16と、該フレーム16上部に昇降手段17により上下
動可能に取付けられたモータベース18と、該ベース1
8に出力軸19が下向きとなるように取付けられたサー
ボモータ20と、出力軸19にボールスプライン21を
介して連結された回転軸22とを備えている。
【0027】また、この試験機14は、回転軸22の下
部に着脱可能に取付けた荷重をかけるための重鎮23
と、回転軸22下端にユニバーサルジョイント24を介
して連結されたビットホルダー25と、該ホルダー25
に対応して機台15上に水平移動可能に設けたトルク検
出器26及びその横移動手段27と図9に示す操作盤3
0と、を備えている。
【0028】そして、ビットホルダー25には、テスト
用ビット1,51が着脱可能に取付けられ、トルク検出
器26に、プラスねじ28が螺装され、該ねじ28の頭
29に形成された十字溝に、ビット1,51の十字状先
端部2,3又は55が嵌合されるようになっている。な
お、前記ユニバーサルジョイント24を設けたのは、テ
スト用ビット1,51に、プラスねじ28の軸心Cに対
して傾き角度θを与えるためである。
【0029】上記試験機14によるカムアウトテスト
は、重鎮23の荷重を2kgとし、ビット傾き角度θを
0°,5°,10°,15°とした各場合について、ビ
ット1をサーボモータ20で回転させて夫々5回行なっ
た。なお、〔表1〕に示すカムアウトトルク値はビット
1,51がカムアウトしたときのトルク値を検出し、5
回のテスト結果の平均値を出したものである。
【0030】〔表1〕から明らかなように、本発明の実
施品1は、通常ビット51に比べてカムアウトトルクが
大幅に増大しており、十分なカムアウト抑制効果が得ら
れている。特に、ビットの傾き角度θが大きくなるほど
カムアウトトルクが増大していることから、ドライバー
をねじに対して若干傾けて使用した場合におけるカムア
ウト抑制効果が大きいものであると言える。
【0031】〔実験例2〕一方、傾斜面5Aに凹溝6を
形成したことに伴う強度の変化を調査すべく、本発明に
係るビット1(図6(a)〜(c)に示す)、通常ビッ
ト51及び図16に示す従来のカムアウト防止ビット5
7の強度を、図10に示すトルク試験器31を用いて測
定した。
【0032】その結果を、次の〔表2〕に示す。
【0033】
【表2】
【0034】なお、前記トルク試験器31は、図10に
示すように、サーボモータ32により駆動されるテスト
用ビット1等を試験棒33に先端が破損するまでひねっ
て押し当てて、その時のサーボモータ32の出力をエン
コーダ34により角度出力35として取り出し、試験棒
33に与えられたトルク出力36をロードセル37によ
り検出して、両出力35,36から演算によって最大ト
ルク値を演算するものである。
【0035】また、このビット1,51,57のトルク
テストは、各テストビット1,51,57について夫々
3回行なっており、その時の最大トルク値を平均して、
〔表2〕に示している。強度テスト結果を示す〔表2〕
から明らかなように、本発明ビットの実施品1,2,3
は、通常ビット51にほぼ近い強度を有し、かつ、従来
のカムアウト防止ビット57よりも強度が大になってい
る。
【0036】このため、本発明のビット1によれば、十
字頭部2,3の強度低下を伴うことなく、カムアウト現
象を抑制することができる。特に、凹溝6の深さhが羽
部5の高さの一〇分の一に設定してある実施品1及び2
においては、最大トルク値が136及び138になって
おり、これは、通常ビット51の最大トルク値(14
0)と殆ど遜色がない。
【0047】他方、凹溝6の深さhが羽部5の高さの五
分の一に設定してある実施品3においても、最大トルク
値が122にまでしか低下しておらず、これは、従来の
カムアウト防止ビット57の最大トルク値(102)と
比べると、かなり大きい値になっている。以上から、カ
ムアウト現象を抑制すべく羽部5の傾斜面5Aに複数条
の凹溝6を設ける本発明において、その各凹溝6の深さ
hを羽部5の高さHのほぼ五分の一以下に設定しておけ
ば、羽部5ないし十字頭部2,3の強度も有効に確保す
ることができることが判明した。
【0038】なお、図9に示すカムアウト試験機14の
操作盤30には、スタートスイッチ38A、ストップス
イッチ38B、トルクメータ39、記録装置40等が内
蔵されている。図11及び図12は、第二の実施形態に
係るビット1を示している。このビット1が第一実施形
態と異なるところは、十字頭部2がビット1の長手方向
一端部にのみ設けられ、胴部4と十字頭部2が断面円形
状軸部15により連係一体化されている点にあり、十字
頭部2を構成する各羽部5の傾斜面5Aに前記凹部6が
列設されている点は第一実施形態の場合と同様である。
【0039】このため、この第二実施形態のビット1に
おいても、第一実施形態の場合とほぼ同様の作用効果を
期待することができる。図13及び図14は、第三実施
形態に係るビット1を示している。このビット1が第二
実施形態と異なるところは、前記胴部4と、前記先端部
5の間に設けられる軸部15が、断面四角形とされてい
る点である。このため、この場合のビット1も第一実施
形態とほぼ同様の作用効果を奏する。
【0040】なお、前記第二及び第三の実施形態では、
共にビット1の一端側に十字頭部2を備えているが、他
端側にも、十字頭部又は一字状の頭部を設けたものとす
ることができる。図15は、本発明に係るドライバー4
1の実施形態を示している。このドライバー41は、本
発明に係るビット42がホルダー43のビット装着孔4
4に装着されたものであり、通常プラスドライバーと称
され、一般家庭ほか各業界等で使用される手動回動工具
の一つである。
【0041】前記ビット42は、断面円形の棒材からな
る構成材料(軸)42Aの一端側に、十字状先端部2を
備え、他端側基端部がホルダー43への装着部45とさ
れ、係止突条46が設けられている。なお、十字頭部2
の構造は、前記ビット1の十字頭部2と全く同じであ
り、羽部5にカムアウト抑制用の凹溝6が設けられてお
り、本発明に係る前述の製造方法により製造される。
【0042】また、前記ホルダー43は、硬質合成樹脂
製のビット装着孔44を有するホルダー本体43Aと、
該本体43Aの外周面に軸方向の基端部及び中間部に位
置して套嵌されたゴム・軟質塩化ビニール樹脂等の軟質
弾性材料からなる滑り止め部材43Bとにより構成さ
れ、作業者の手に優しいそして使い易いものとなってい
る。
【0043】上記ドライバー41の実施形態によれば、
ビット42の十字状先端部2にカムアウト抑制用の凹溝
6を備えているので、ねじ等の締付けや緩め作業に際
し、カムアウト現象が起こらないため、従来のようにド
ライバー41をねじ頭の十字溝に強力に押し続けなくて
もよく、作業者の手に疲れを感じさせることなく容易に
かつ安楽に作業でき、作業者の疲労を軽減できるほか、
ねじ頭の十字溝の破損を防止できる。
【0044】また、ビット42の十字頭部2の羽部5の
強度は、前記ビット1と同様に、通常ビット51(図1
8参照)と変わらず、耐久性においても全く遜色はな
い。なお、本発明に係るドライバーは、ビット42又は
前記ビット1を、ホルダー43に着脱・変更可能に装着
するように構成でき、さらに、ビット1又は42は、図
示していないが、一端側に十字状先端部2を、他端側に
一字状先端部を備えたものを、ホルダー43に着脱・変
更可能に装着することができる。
【0045】本発明に係るビット及びドライバーは、上
記各実施形態に限定されるものではなく、例えばビット
の軸部又はホルダー等への装着部の構造・形状を、回動
工具の各種ホルダーに適合するものとすることができ
る。また、前記ホルダー43の構造・形状等も適宜設計
変更可能であり、磁石を組み込んで、ビットの十字頭部
にねじ頭を吸引保持させることもできる。
【0046】〔実験例3〕一方、図16は本発明のビッ
ト1の頭部2が通常ねじのねじ頭52の十字溝53に嵌
合した状態を示している。この図16から明らかなよう
に、カムアウトの防止効果を発揮するのは、主として、
図16において黒塗りで示してある凹溝6、すなわち、
ねじ頭52の十字溝53の内部に位置する先端から一番
目(n=1)と二番目(n=2)の凹溝6だけであり、
十字溝53の外部に露出している三番目(n=3)と四
番目(n=4)の凹部6はカムアウトの防止効果には直
接関係がなく、しかも、これら三番目と四番目の凹溝6
によってビット1の頭部2の耐久性が却って低下してい
る恐れもありうる。
【0047】そこで、本願発明者は、図17に示す試験
装置61によるタッピング試験を行い、凹溝6の列設数
が頭部2の強度ないし耐久性に与える影響を試験した。
そのタッピング試験の結果を次の〔表3〕に示す。
【0048】
【表3】
【0049】なお、上記試験装置61は、先行ドリル6
2と電動ドライバー63が連結された上下動自在な上部
フレーム64と、このドライバー63にタッピングねじ
65を自動供給する供給手段(図示せず)と、板状のワ
ーク66を順次先送りする間欠送り手段(図示せず)
と、を備えており、先行ドリル62でワーク66に先行
して開けられた多数の下孔67に対してビット1の十字
頭部2が破損するまでに完全に締め込むことができたタ
ッピングねじ65の本数によってビット1の耐久性を判
定するものである。
【0050】また、このタッピング試験での諸条件は次
の通りである。 締め付け圧力:6kg/cm2 締め付け時間:2.7秒 ダイヤル :3 下孔径 :φ3.4mm ねじ種類 :+2×8 Aトラス ワーク :厚さ5mmのアルミ板 前記〔表3〕から明らかなように、n=0(凹溝なし)
の場合には、2回の測定平均で99.5本のタッピング
ねじ65の締め込みが可能であったものが、n=3の場
合には33.5本、n=4の場合には38.0本に激減
している。
【0051】これに対して、n=2の場合には2回の測
定平均で85.0本の締め込みが可能であり、n=0
(凹溝なし)の場合から見れば締め込み可能な本数は低
下したが、n=3及び4の場合に比べればその本数はそ
れほど低下していない。これは、図16に示すように、
第三番目(n=3)の凹溝6がちょうどねじ頭52の上
端面付近に位置しており、タッピングねじ65の締め付
けの際にちょうどこの第三番目の凹溝6が配置されてい
るビット1の頭部2の部分に剪断力が集中的に作用する
ためであると考えられる。
【0052】以上から、ビット1の羽部5の強度をより
有効に確保するには、凹溝6の数は図16に黒塗りで示
しているn=2まで、すなわち、十字頭部2をねじ頭5
2の十字溝53に嵌合させたときに当該十字溝53の内
部に位置する羽部5の先端側の部分のみに凹溝6を配置
することが好ましいと考えられる。この場合、カムアウ
ト防止効果に直接関係のない十字溝53の外部に位置す
る羽部5の傾斜面5Aは、凹溝6を全く有していない通
常のビット1と同じ形状になるので、傾斜面5Aの全域
に渡って凹溝6を列設する場合に比べて、十字頭部2の
強度をより向上させることができる。
【0053】なお、今回のタッピング試験より、n=3
の凹溝6(ねじ頭52の上端面付近の凹溝6)がビット
1の頭部2の強度を最も低下させる要因であることが明
らかになったので、そのn=3の凹溝6だけを設けない
ことにしてもよい。すなわち、本発明は、n=1及び2
の凹溝6に加えて、n=3の凹溝6を飛ばしてn=4や
n=5の凹溝6を設けたものを包含する。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るビッ
トの製造方法によれば、カムアウト現象を防止できるビ
ットを通常のビットとほぼ同様の製造工程で得ることが
でき、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るビットの第一実施形態を示す正面
図である。
【図2】図1の上面図である。
【図3】同実施形態の要部である十字状先端部の拡大図
である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】図4のB部拡大図である。
【図6】(a)〜(c)は同実施形態におけるカムアウ
ト現象抑制用凹溝の形状例を示す十字状先端部の正面図
である。
【図7】(a)〜(d)は本発明に係るビット製造方法
の説明図である。
【図8】ビットのカムアウト試験機の正面図である。
【図9】カムアウト試験機の操作盤を示す正面図であ
る。
【図10】ビットのトルク試験器の一例を示す概略構成
図である。
【図11】本発明に係るビットの第二実施形態を示す正
面図である。
【図12】図11のC−C線断面図である。
【図13】本発明に係るビットの第三実施形態を示す正
面図である。
【図14】図13のD−D線断面図である。
【図15】本発明に係るドライバーの一実施形態を示す
一部破断正面図である。
【図16】本発明に係るビットがねじ頭に嵌合した状態
を示す拡大図である。
【図17】タッピング試験の試験装置の概略構成図であ
る。
【図18】カムアウト防止ビットの従来例を示す一部省
略正面図である。
【図19】図18のE−E線断面図である。
【図20】従来の通常ビットの一例を示す一部省略正面
図である。
【図21】ねじ頭の一例を示す正面図である。
【符号の説明】 1 ビット 2 十字頭部 3 十字頭部 5 羽部 5A 外周側先端面 5B 羽部側面 6 凹溝 6A 凹溝の側面 6B 凹溝の側面 7 第一バイト 8 テーパ面 9 第二バイト 10 周溝 12 フライスカッター 13 凹部 41 ドライバー 42 ビット 43 ホルダー 44 ビット装着孔 θ1 交差角度 θ2 交差角度

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ねじ頭に形成された十字溝に嵌合する四
    枚の羽部が対称に形成されている十字頭部を備え、同頭
    部の先端側に向かうに従い軸心側に傾斜する傾斜面が前
    記各羽部の外周縁部に形成されている回転工具用ビット
    において、 前記羽部の傾斜面に、同傾斜面の幅方向に渡る複数条の
    凹溝が当該傾斜面の傾斜方向に沿って列設されているこ
    とを特徴とする回動工具用ビット。
  2. 【請求項2】 凹溝の左右両側面と傾斜面との交差角度
    が90度以下に設定されている請求項1に記載の回動工
    具用ビット。
  3. 【請求項3】 凹溝の深さが羽部の高さのほぼ五分の一
    以下に設定されている請求項1又は2に記載の回動工具
    用ビット。
  4. 【請求項4】 十字頭部をねじ頭の十字溝に嵌合させた
    ときに当該十字溝の内部に位置する羽部の先端側の部分
    のみに凹溝が配置されている請求項1〜3のいずれかに
    記載の回動工具用ビット。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のビット
    がホルダーのビット装着孔に装着されていることを特徴
    とするドライバー。
  6. 【請求項6】 ビット構成材料の先端部に第一バイトに
    よりテーパ面を切削する第一工程、 このテーパ面に第二バイトにより周方向に延びる複数条
    の周溝を切削する第二工程、 この周溝が形成された当該ビット構成材料の先端部にフ
    ライスカッターにより凹部を四箇所に周方向等間隔にお
    きに切削して四枚の羽部を形成する第三工程、 とを含む回動工具用ビットの製造方法。
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