JP2000167089A

JP2000167089A - ゴルフクラブヘッド

Info

Publication number: JP2000167089A
Application number: JP10344498A
Authority: JP
Inventors: Ryota Kajita; 良太梶田
Original assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Current assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Priority date: 1998-12-03
Filing date: 1998-12-03
Publication date: 2000-06-20

Abstract

(57)【要約】【課題】フェースセンターで打撃した場合に、プレー
ヤーの技倆に関係なく、過度のバックスピンを抑制し、
最大飛距離を得る。【解決手段】水平及び垂直方向に曲面とされるフェー
ス面２を有するゴルフクラブヘッド１において、フェー
ス面２の垂直方向の曲面を形成するロール半径の中心と
フェースセンターとを結ぶ線分上又はその下方領域にヘ
ッドの重心が設定されているように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ドライバー及びフ
ェアウェイウッド等の所謂ウッドクラブ又はウッドクラ
ブとアイアンクラブの中間的特徴を有するユーティリテ
ィクラブのヘッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】ウッドクラブの大きな特徴の一つは、そ
の形状に由来して、ヘッドの重心が打球面であるフェー
ス面から後方に遠く離れた位置に存在することである。
殊に、従来のウッドクラブヘッドでは、ヘッドの大型化
に伴って、スイートエリアの拡大が重視されてヘッド重
心を深くすることを目標とした所謂スイートエリア設計
が主流であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ウッドクラブヘッドと
ゴルフボールの衝突においては、良く知られているよう
に、ボールにギア効果が作用する。フェース面上の重心
位置（以下、ＨＰと呼称）より上方のフェース面で打撃
された場合には、ヘッドがヘッド重心を回転中心として
時計回りに回転してボールに対して反時計回りの回転、
即ちオーバースピンを発生させる。逆に、フェース面上
の重心位置（ＨＰ）より下方のフェース面で打撃した場
合では、ヘッドがヘッド重心を中心にして反時計回りに
回転してボールに時計回りの回転、即ち、バックスピン
を発生させる（図４参照）。

【０００４】しかるに、従来技術によるウッドクラブヘ
ッドでは、前記のスイートエリア設計のためにヘッド重
心が深く、ロフト角のあるクラブでは、フェース面上の
重心位置（ＨＰ）がフェースセンターから遙か上方に位
置することとなって、フェースセンターで打撃された場
合に、ヘッドが反時計回りに回転してボールに大きなバ
ックスピンが発生する。図５は、従来の設計によるウッ
ドクラブヘッドについて、フェースセンターからフェー
ス面上の重心位置（ＨＰ）までの距離（ＤＹＧ）を計測
してロフト角毎にプロットしたものであるが、同図より
従来のウッドクラブヘッドでは、フェース面上の重心が
フェースセンターの上方３〜１０ｍｍの範囲に存在して
いることが判る。一方、この事実に対し、ボールメーカ
ー各社は、この過剰なバックスピンがボールの飛距離を
低下させるとして、バックスピンの少ないタイプのボー
ルの開発に注力しているが、依然としてフェースセンタ
ーにおける打撃ではバックスピンが多過ぎる為に、最近
では、有効打点エリアなる新語で謳われているように、
ボールが最も飛ぶ打点が、フェースセンターの上部に存
在すると紹介している。しかし、この有効打点エリアで
打つということは、プレーヤーにとって極めて高度な技
倆を要求され、通常一般のプレーヤーには修得困難であ
る。

【０００５】従って、このような事情に鑑みて、本発明
の目的とするところは、フェースセンターで打撃した場
合に、プレーヤーの技倆に関係なく、過度のバックスピ
ンが抑制されて最大の飛距離が得られるゴルフクラブヘ
ッドを提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、この発明は、水平及び垂直方向に曲面とされるフェ
ース面を有するゴルフクラブヘッドにおいて、フェース
面の垂直方向の曲面を形成するロール半径の中心とフェ
ースセンターとを結ぶ線分上又はその下方領域にヘッド
の重心が設定されているように構成したものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下に本発明の好適な実施例を図
面を参照にして説明する。

【０００８】図１は、本発明に係るゴルフクラブヘッド
１のヘッドの重心の位置を説明するためのものである。
なお、図１では、ヘッドを正常にアドレスした状態にお
いて、ロール半径の中心とヘッドの重心とが、フェース
センターを通りターゲット方向に平行な面内にあるとす
る。また、フェースセンターとは、フェース面の中心即
ち、フェース面のトウ端とヒール端の間の水平距離の中
点及び該中点でのフェース面の上端と下端の間の垂直距
離の中点となる位置としている。図１にて、フェース面
２には、地面からＨｃの高さのフェースセンター（Ｆ
ｃ）に於いてロフト角θ度が付けられ、又半径Ｒｍｍの
ロール半径により垂直方向の曲面が形成されている。フ
ェースセンター（Ｆｃ）とロール半径の中心（Ｃ）とを
結ぶ線分（ｌ）上の任意の位置の座標を（ｘ，ｙ）とす
ると、ソール部３の外面、即ち、図で地面からの高さｙ
は、ｙ＝Ｈｃ−ｘ tanθと表わせる。しかして本発明で
は、ヘッド１の重心位置Ｃ．Ｇ．が前記線分（ｌ）上又
はその下方領域とされるので、ここで前記ｙをヘッドの
重心の高さとすると、次式〔１〕〔１〕・・・・ｙ≦Ｈｃ−ｘ tanθ によってヘッドの重心の高さが規制される。なお、ロー
ル半径の中心（Ｃ）及び／又はヘッドの重心が前記フェ
ースセンター（Ｆｃ）を通りターゲット方向に平行な面
内に存在しない場合には、該面上にこれらを水平に投影
して、図１と同様に算定するものとする。

【０００９】図２に、本発明に係るゴルフクラブヘッド
１の一実施例を示す。本実施例においては、ヘッド１を
正常に接地させた際、ソール面３の先端からのフェース
面２の高さを３１ｍｍとされ、同じくフェース面２の下
端２´からフェースセンター（Ｆｃ）迄の高さを１４．
５ｍｍとされている。なお、ソール面３の前端には、高
さ２ｍｍの面取り３´が付けられている。フェース面２
にはフェースセンター（Ｆｃ）において１３°のロフト
角が付けられ、又フェースセンター（Ｆｃ）を通りター
ゲット方向に平行な面内で半径１２インチ（３０５ｍ
ｍ）のロール半径で垂直方向の曲面が形成されると共に
水平方向に１５インチ（３８１ｍｍ）のバルジ半径でも
って曲面が形成されている。

【００１０】フェースセンター（Ｆｃ）を通りターゲッ
ト方向に平行な面内に設定されたヘッド重心Ｃ．Ｇ．か
らフェース面２に垂直となる線分がフェース面２と交わ
る点までの距離として定義されるヘッド重心の深さ（Ｚ
ｇ）を、本実施例では、なるべく浅く設定したいが為
に、過去の経験に基づき、予め１１．８７ｍｍに設定し
ている。この結果、上述の式〔１〕によって、ヘッドの
重心の高さ（ｙ）は、ｙ≦〔１４．５−１１．５６ tan（１３°）〕＋２＝１
３．８ｍｍ〔但し、ｘ＝Ｚｇ・cos(１３°）＝１１．８７×cos(１
３°）＝１１．５６〕に規制されるが、本実施例では、
フェースセンター（Ｆｃ）とロール半径の中心Ｃとを結
ぶ線分（ｌ）上にヘッド重心を配置することにして、ヘ
ッド重心の高さを１３．８ｍｍとしている。また、この
ようなヘッド重心の設定を実現するために、図２及び図
２のＡ−Ａ断面である図３に示すように、フェース部材
２０の断面形状を三角形状としその底部のトウ５及びヒ
ール６の夫々に円柱状のウェイト４が埋設されている。
而して、ヘッド１は中空の殻体構造とされ、フェース部
材２０を含むその材質は、チタニウム合金又はアルミニ
ウム合金等高強力低比重のものとされる。また、前記ウ
ェイト４は、その材質をタングステン合金、銅合金、ニ
ッケル合金等の比重の高いものとされる。なお、図３に
おける符号７はホーゼルを示す。

【００１１】フェース面で打球した場合にボールに作用
するギア効果は、フェース面上の重心位置より上方で打
撃された場合には、ヘッドが時計回りに回転しボールに
オーバースピンが発生し、フェース面上の重心位置より
下方で打撃された場合にはヘッドが反時計回りに回転し
ボールにバックスピンが発生する。また、フェース面上
の重心位置で打撃された場合では、ボールがフェース面
に垂直方向に打撃されたとするとヘッド回転が起こら
ず、ギア効果のスピンが生じない。実際は、ボールはフ
ェース面に垂直に打撃されず打撃方向がほぼ地面に水平
とされるので、ギア効果のスピンが零となる位置はフェ
ース面上の重心位置より若干下方にずれる。このずれ量
はロフト角、重心深さ、ロール半径等で異なるが、ロフ
ト角２０°、重心深さ４０ｍｍ程度の５番ウッドで３ｍ
ｍ程度である。従って、打撃を常にほぼフェースセンタ
ーで行わせるとして、ギア効果でオーバースピンを得る
為には、フェース面上の重心位置をフェースセンター上
又はその下方に設定する必要がある。また、ヘッド重心
からフェース面に垂線を降ろした位置がフェース面上の
重心位置とされるので、打点をフェースセンター近辺と
してオーバースピンを得るには、フェースセンターでの
フェース面に垂直な方向、即ち、ロール半径の中心とフ
ェースセンターとを結ぶ線上又はその下方にヘッドの重
心を設定すれば良いこととなる。この点を検証する為
に、市販の９種のウッドクラブについて、先ずフェース
面上の重心位置を検出してフェースセンターからこの重
心位置迄の距離ＤＹＧ（図４参照）を算出し、夫々のク
ラブについてヘッド回転が零となる位置とバックスピン
量とを所定の打撃条件下でコンピューターシュミレーシ
ョン法により求め、次に前記ＤＹＧを仮に零とした場
合、即ちフェースセンター上にフェース面上の重心位置
が設定された場合（発明品）のヘッド回転零の位置とバ
ックスピン量とを同じ方法で求め、これらの値を比較し
た。これを次の表１に示す。

【００１２】

【表１】

【００１３】表１で、ＤＹＧを零に設定することによ
り、フェースセンターで打撃した際に、ヘッド回転が零
となる位置がフェースセンター上方の１．８〜６．０９
ｍｍの位置から下方の−０．８〜−１．７７ｍｍの位置
に移動し、打球のバックスピン量が４１７〜９９６rpm
減少しているのが判る。即ち、ＤＹＧ≦０（負はフェー
ス面上の重心位置がフェースセンターの下方に在ること
を示す）に設定することにより、ヘッドの回転を時計回
りとし、この回転でボールにオーバースピンが発生され
バックスピン量が抑制されることが実証された。

【００１４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
水平及び垂直方向に曲面とされるフェース面を有するゴ
ルフクラブヘッドにおいて、フェース面の垂直方向の曲
面を形成するロール半径の中心とフェースセンターとを
結ぶ線分上又はその下方領域にヘッドの重心が設定され
ているので、フェースセンターでボールを打ったときに
過度のバックスピンが抑制されて最大の飛距離を得るこ
とができる。また、フェース面上の重心位置がフェース
センター上又はフェースセンターより下方に設定された
ものでは、ギア効果のスピンが零となる位置はフェース
面上の重心位置より下方にずれることとなるので、フェ
ースセンターでボールを打ったとき、ギア効果でオーバ
ースピンを得ることができ、最大の飛距離を得ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を説明する図。

【図２】本発明実施例の側面図。

【図３】図２のＡ−Ａ線断面図。

【図４】従来例を示す側面図。

【図５】従来例におけるロフト角とＤＹＧとの関係を示
すグラフ。

【符号の説明】１ゴルフクラブヘッド２フェース面

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】水平及び垂直方向に曲面とされるフェー
ス面を有するゴルフクラブヘッドにおいて、フェース面の垂直方向の曲面を形成するロール半径の中
心とフェースセンターとを結ぶ線分上又はその下方領域
にヘッドの重心が設定されていることを特徴とするゴル
フクラブヘッド。
【請求項２】フェース面上の重心位置がフェースセン
ター上又はフェースセンターより下方に設定されている
ことを特徴とする請求項１に記載のゴルフクラブヘッ
ド。