JPH09253241A

JPH09253241A - ゴルフクラブ

Info

Publication number: JPH09253241A
Application number: JP8088748A
Authority: JP
Inventors: Hirato Shimazaki; 平人嶋崎
Original assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Current assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Priority date: 1996-03-18
Filing date: 1996-03-18
Publication date: 1997-09-30

Abstract

(57)【要約】【課題】高い打ち出しでありながら低スピンが得ら
れ、着地時のランが大きく風による影響を受けにくいド
ライバーを実現する。【解決手段】体積が２００cc以上であって、１４°以
上のロフト角度と２５mm以下の重心深さを有するゴルフ
クラブであって、中空殻体内のフェースに近接したトウ
部およびヒール部等に殻体と同材料の重りを分散配置し
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフクラブのう
ちで打球を遠くに飛ばすことを要求されるメタルウッド
クラブ、特にドライバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】ゴルフクラブのうちで長い飛距離を必要
とするときに使用されるゴルフクラブは、広く知られて
いるようにヘッド部分にパーシモンが使用されていた
が、現在は材質的に、より反発弾性が大きい所謂メタル
ウッドクラブが主流になっている。メタルウッドクラブ
が出現した当初のヘッドの材料は主としてステンレスス
チールが使用され、またヘッドの体積はＷ＃１クラブ
（ドライバー）の場合１８０cc前後で、パーシモンヘッ
ドと同等またはそれ以下であった。その後、スイング時
に多少ヘッドの心を外しても打球の方向が逸れないよう
に、スイートエリアの拡大を期待するゴルファーの要望
があり、この要望に沿ってメタルウッドクラブは材料
面、製造技術面など種々の面で改良され、いくつかの段
階を経て、チタン合金など比重の小さい金属材料による
中空殻体の２００ccまたはそれ以上の大きい体積でヘッ
ドが形成されるに至っている。この場合、殻体の内部は
中空のままか、もしくは内部に発泡材を充填されること
が多く、ヘッドのソールの部分は低重心を指向して比重
の大きいブラス材等のプレート状体が固着されることが
多い。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述したようなメタル
ウッドクラブでは、打球の左右のぶれが減少するので方
向性は改善されるが、一方で、ヘッドが大型であるため
重心深さ（フェース表面と重心との垂直距離）が大とな
り、例えば、Ｗ＃１クラブのようにロフト（ソール面に
垂直な線とフェース面とのなす角度）が１１°前後の小
さい角度を有するクラブの場合、打球の水平面に対する
打ち出し角度が小さいために、高度の熟達者を除いては
飛距離が思うように延びない傾向がある。打ち出し角度
を大きくするためにはロフトをより大きく設定すること
が考えられるが、ロフト角度に準じて打球に加わるスピ
ンが増加するのでスピンの増加分だけ着地後の打球のラ
ンが減少することになり、この場合も飛距離は期待する
ようには延びない。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上述した従来の
Ｗ＃１クラブの欠点を解消するためになされたものであ
って、体積が２００cc以上のヘッドであって、１４°以
上のロフト角度と２５mm以下の重心深さを有するゴルフ
クラブである。また、このゴルフクラブのヘッドは中空
の殻体より成り、この殻体内のフェースに近接したトウ
部及びヒール部に殻体と同じ材料から成る重りをそれぞ
れ設け、また、この重りを殻体内のソール部とクラウン
側にも分割して設けた。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照しながら説明する。図１はソールに対し垂直な位置か
ら見たヘッドの平面図であり、図２は図１におけるＡ−
Ａ線から見たヘッドの断面図である。図２において、ゴ
ルフクラブのシャフト（図示せず）とヘッドとの接合部
がネック４であり、フェース表面１と重心９との垂直距
離ｄが重心深さを示し、ソール面６に垂直な線とヘッド
のフェース１とのなす角度αがロフトを示す。また、図
２におけるヘッドの高さの１／２の位置におけるソール
と平行な断面を図３に示す。

【０００６】従来のメタルウッドクラブ（Ｗ＃１クラ
ブ）の欠点を解消するために、メタルヘッドの形状につ
いて次の条件を設定して検討を行なった。 (1) ヘッドの体積を２００cc以上とする。使用材料によ
るヘッドの剛性、強度等の物性面からの制約があるが、
事情が許す限り体積の上限はない。 (2) ロフト角度を１４°以上とする。特に上限はないが
１４°前後が最適。 (3) 重心深さｄを２５mm以下、特に下限はないが２２mm
前後が最適。上述した３条件を達成させるための手段は次の通りであ
る。ヘッドの中空殻体内におけるフェース１に近接したト
ウ部２とヒール部３に重り１０を固着する。例えば図２
および図３に示すように、１対の重り１１と１２をトウ
部２とヒール部３に分散して固着しているが、上記２つ
の重りは等配分でもよく、また必要により不等配分でも
よい。また１例として、重りをフェース内面とソール内
面および殻体のトウ部２またはヒール部３の内面の３面
に密接して固定してもよい。重りの材料は特に限定しないが、例えば、ヘッドの殻
体がチタン合金の場合には重りもチタン合金が好まし
い。即ち、殻体の材料と重りの材料は同じ方がよい。図４は別の実施例であり、フェース１に近接したソー
ル部６とクラウン側７に分割して重り１３と１４を設
け、かつ各々にヒール側３とトウ側２に１対の重りを都
合４箇所設けたものである。この場合、クラウン側７の
重りはより小さく（軽く）設けることができる。重心深さｄを浅くするための手段としては、ヘッドの
形状を変化させて行うことができる。即ち、図１におけ
るフェース１とサイド部５との間の最大距離をＷ、トウ
部２とヒール部３との間の最大距離をＬとし、Ｗに対す
るＬを１０５〜１３０％の範囲でヘッドの形状が縦長と
なるように、上述した重りの配置とその組み合わせを選
択する。

【０００７】発明者が種々検討したところによると、ロ
フトを大きくすると高打ち出しとなるがスピンが増加す
る傾向があり、また重心深さを浅くするとスピンが減少
する。これは、打球がヘッドの心から多少外れて打ち出
されたとき、球の回転は重心深さに依存し、浅くする程
スピンが減少するためである。このことは、心からの上
下方向についても、また左右方向についても同様であ
る。実験によると、ロフト角度を通常の１１°から３°
大きく１４°とすると打球のスピンは６００ｒ／ｍ増加
し、また、重心深さを通常の３０mmから８mm浅く２２mm
とすると打球のスピンは８００ｒ／ｍ減少する。その結
果、ロフト角度１１°、重心深さ３０mmの通常のヘッド
よりロフト角度１４°、重心深さ２２mmのヘッドは差引
きで２００ｒ／ｍだけスピンが減少することが判った。

【０００８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のゴルフク
ラブにおいてはヘッドの体積を２００cc以上、ロフト角
度１４°以上、重心深さ２５mm以下とすると共に、中空
の殻体より成るヘッドの殻体内のフェースに近接したト
ウ部、ヒール部等に殻体と同材料の重りを設けることに
よって、Ｗ＃１クラブによる高い打ち出しでありながら
低スピンが得られ、着地後のランが大きくなるのでその
分だけ飛距離が実質的に増加する効果が得られる。ま
た、低スピンであるために打球の曲りが少なく、風によ
る影響も受けにくくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ヘッドの平面図。

【図２】ヘッドの断面図。

【図３】ヘッド高さの１／２位置におけるソールと平行
な断面図。

【図４】ヘッドの断面図。

【符号の説明】

１フェース２トウ部３ヒール部４ネック部５サイド部６ソール７クラウン９重心１０，１１，１２，１３，１４重り

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】体積が２００cc以上のヘッドであって、
このヘッドが１４°以上のロフト角度と２５mm以下の重
心深さを有することを特徴とするゴルフクラブ。
【請求項２】上記ヘッドが実質上中空の殻体より成
り、この殻体内のフェースに近接したトウ部及びヒール
部にそれぞれ重りを設けたことを特徴とする請求項１に
記載のゴルフクラブ。
【請求項３】上記重りをソール部とクラウン部に分割
して設けたことを特徴とする請求項２に記載のゴルフク
ラブ。
【請求項４】上記重りが殻体と同じ材料から成ること
を特徴とする請求項２に記載のゴルフクラブ。