JP2000166584A - アルカノール製造リアクター - Google Patents

アルカノール製造リアクター

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JP2000166584A
JP2000166584A JP10349157A JP34915798A JP2000166584A JP 2000166584 A JP2000166584 A JP 2000166584A JP 10349157 A JP10349157 A JP 10349157A JP 34915798 A JP34915798 A JP 34915798A JP 2000166584 A JP2000166584 A JP 2000166584A
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alkane
alkanol
reactor
enzyme
producing
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Toyohiro Maeda
豊広 前田
Hiroaki Morita
宏明 森田
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Osaka Gas Co Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルカノール特にメタノールを穏和な条件で効
率的に生産する。 【解決手段】アルカン資化菌又はアルカン資化菌が生産
し得る酵素および培地を含むリアクター内にメタンを供
給する工程および該リアクターからメタノールを回収す
る工程を有するメタノールの製造方法において、リアク
ター中のメタノール濃度を菌体単位重量に対して10mM以
下に保つメタノールの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の化学品の合
成中間体として有用なアルカノール、特にメタノールを
生体機能を利用したアルカン、特にメタンの酸化反応に
より選択的に製造する方法および該方法に用いるバイオ
リアクターに関する。
【0002】
【従来技術及びその課題】メタノールは一般的にメタン
を原料とした合成ガス(一酸化炭素)から製造される
が、これらの製法は一般に高温、高圧下で行われるた
め、より緩和な条件下でのメタノール合成が検討されて
いる。Science Vol.280, 24 April (1998) 560-563で
は比較的熱安定性の良い金属錯体系触媒によるメタンか
らメタノールの直接合成が報告されている。このような
最新の研究成果においてもメタンの酸化によるメタノー
ル転化反応は百数十度の温度を必要とするが、ある種の
金属酵素はこれを常温、常圧で進めることができる。
【0003】J.Biol.Chem.,264(17) 10023-10033, 1989
には、メタン資化菌内に保有されるメタンモノオキシゲ
ナーゼ(MMO)を用いたメタンからメタノールの直接合
成法について、詳しい記載がある。菌体内に存在するMM
Oには可溶型と膜結合型のコンポーネント型酵素が存在
することが知られている。前者は二核の鉄原子を活性サ
イトとして持つ金属酵素で、後者は銅原子が酵素活性に
大きく関与している。これを触媒としたメタン/メタノ
ール転化反応は、バイオミメティックスの面からも注目
されている。J. Am. Chem. Soc., 119, 12311-12321, 1
997には形式価数4価の鉄原子によるMMOの高活性転化反
応メカニズムが示されている。
【0004】USP5,190,870には、こうした生体機能を利
用したアルカノールの製造方法が開示されている。生体
機能を利用したアルカノールの製法として微生物学的方
法(発酵法)、酵素学的方法が提案されている。酵素法
は、例えばMethylococus capusulatus Bathや Methylos
inus tricosporium OB3b等のメタン資化細菌よりメタン
モノオキシゲナーゼ(MMO)を分離し、それを触媒とし
てメタノールを合成する方法であり、MMOを酵素触媒と
した触媒サイクルによるメタノールの製法が提案されて
いる。MMOは完全に単離する方法が複雑であり、また、
単離後の活性低下が大きく、不安定である。
【0005】USP5,192,672にはMMOを安定化させるため
の単離方法、取り扱い方法が記載されているが、未だ十
分とは言えない。これに対しメタン資化菌内に保有され
るMMOは、単離されたMMOに比べ遥かに安定であるため、
菌体をそのまま用いれば、MMOの長時間に渡る活性を利
用することが可能である。しかし、菌体内に存在するメ
タンデヒドロゲナーゼ(MDH)の作用により、メタンよ
り生成されたメタノールは、さらに酸化を受け蟻酸にな
り、二酸化炭素にまで酸化される。特開平3−4309
0にはメタン資化菌体を用いたn−アルカンからn−ア
ルカノールの合成法において、MDHの作用のみを選択的
に阻害する方法が開示されている。しかし、このような
MDHの休眠化処理を受けたメタン資化菌のメタン・メタ
ノール転化触媒機能は充分解明されておらず、製造法と
して未だ確立されていない。さらにこれらを利用した、
経済性を配慮したバイオリアクターに関する具体的知見
はほとんどない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の項1〜
項10に関する。 項1. アルカン資化菌又はアルカン資化菌が生産し得
る酵素および培地を含むリアクター内にアルカンを供給
する工程および該リアクターからアルカノールを回収す
る工程を有するアルカノールの製造方法において、リア
クター中のアルカノール濃度を菌体単位重量に対して10
mM以下に保つアルカノールの製造方法。 項2. アルカン資化菌が生産し得る酵素がメタンモノ
オキシゲナーゼ(MMO)である項1に記載のメタノール
の製造方法。 項3. アルカン資化菌又はアルカン資化菌が生産し得
る酵素に含まれるアルカノール脱水素酵素を休眠化処理
する工程をさらに含む項1に記載のアルカノールの製造
方法。 項4. アルデヒド類、カルボン酸塩あるいはこれら混
合物よりなる栄養源をリアクター内に補給する工程をさ
らに含む項1に記載のアルカノールの製造方法。 項5. アルカン資化菌又はアルカン資化菌が生産し得
る酵素を高比表面積基体に非共有結合的方法により固定
化して用いる項1に記載のアルカノールの製造方法。 項6. アルカン資化菌が好熱菌である項1に記載のア
ルカノールの製造方法。 項7. アルカン資化菌又はアルカン資化菌が生産し得
る酵素および培地を含むリアクター、該リアクターにア
ルカンおよび酸素を供給する手段、該リアクター内の培
地からアルカノールを回収する手段を含むバイオリアク
ター。 項8. アルカノール回収手段によりリアクター内のメ
タノール濃度を菌体単位重量に対して10mM以下に保つ項
7に記載のリアクター。 項9. 高比表面積基体に非共有結合的方法により固定
化したアルカン資化菌又はアルカン資化菌が生産し得る
酵素を有する項7に記載のリアクター。 項10. アルカノールデヒドロゲナーゼを休眠化する
手段をさらに含む項7に記載のリアクター。 項11. 栄養源を含む培地を補給する手段をさらに含
む項7に記載のリアクター。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、アルカン資化菌
としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタ
ン、ヘキサンなどの炭素数1〜6のアルカン、特にメタ
ンを炭素源として利用することができる菌を広く包含す
る。好ましいアルカン資化菌としては、メタン資化菌、
ブタン資化菌などが挙げられ、特にメタン資化菌が挙げ
られる。
【0008】アルカン資化菌が生産し得る酵素として
は、メタンおよび必要に応じて他のアルカンをメタノー
ルおよびアルカノールに酸化できる酵素であればその種
類および由来については限定されない。好ましいアルカ
ン資化菌が生産し得る酵素としては、アルカン資化菌、
特にメタン資化菌の産生するモノオキシゲナーゼ、特に
メタンモノオキシゲナーゼ(MMO)が例示される。M
MOは、メタン、エタン、プロパン等のアルカンをアル
カノールに酸化することができる。
【0009】好適なアルカン資化菌が生産し得る酵素で
あるMMOは、メタンをエネルギー源として利用できるメ
タン資化菌、一般にメチロトロフス(Methylotorophs)
と呼ばれる菌体に広く存在することが知られている。具
体的なメタン資化菌としてはメチロモナス・メタニカ
(Methylomonas methanica)、メチロコッカス・カプ
スラタス(Methylococcus Capsulatus(Buth) 通称バス
菌)、メチロシヌス・トリコスポリウム(Methylosinus
trichosporium OB3b)、メチロシヌス・エス・ピー
・CRL31(Methylosinus sp. CRL31)などが挙げられ
る。好熱性菌であるメチロコッカス・カプスラタスがア
ルカン資化菌として好ましい。
【0010】メタン資化菌などのアルカン資化菌を培養
するための培地としては炭素源、窒素源、無機物及び必
要に応じてその他の栄養源を含むものであれば合成培
地、天然培地のいずれも使用可能である。しかし培地内
の金属イオンの組成によって可溶型、膜型の生成は大き
く異なり、銅イオンの多く存在する培地内では膜型の生
成が促進される。膜型の活性は可溶型に比べ高いが、可
溶型の倍化時間は膜型より短い。
【0011】メタン資化菌などのアルカン資化菌の培養
はアルカン、特にメタンの存在下振盪培養、あるいは通
気攪拌培養等の好気的条件下で行う。培養温度は菌の種
類によって好適条件は異なるが、一般に20℃から40℃
の範囲が適している。しかし、Bath等の好熱菌では好適
温度が40℃を超えることもある。また、pH域は中性付
近が好ましいが、MDHを休眠化させた場合にはエネルギ
ー源として蟻酸を補給することが有効であった。したが
って溶液のpHは酸性側になることもある。蟻酸の添加
で酵素の再活性化のターンオーバーは10万回以上と推
定される。
【0012】MDHの休眠化は、例えばシクロプロパノ
ールを系内に存在させることにより、行うことができ
る。ここで「休眠化」とは、例えばメタンからメタノー
ルへの酸化の場合、メタノールからホルムアルデヒドを
経てギ酸に酸化する経路を抑制するが、メタンからメタ
ノールへの酸化は抑制されないことを意味する。
【0013】培養菌体からのアルカン資化菌が生産し得
る酵素例えばMMOの抽出方法は公知の方法即ちI.J.Higgi
ns等、J.General Microbiology 125, 63-72(1981)に記
載されている方法によって行うことができる。しかし、
本発明ではアルカン資化菌が生産し得る酵素特にMMOは
菌体から抽出された純粋な酵素である必要はない。
【0014】即ち、アルカン資化菌特にメタン資化菌の
生菌を培養液から遠心分離等の方法によって濃縮、分離
し、その菌体、あるいは凍結した菌体、あるいは乾燥菌
体をプレス破砕、磨砕、自己消化、超音波処理などによ
り菌体細胞を破壊した処理物、または、この試料をDT
T(ジチオスレイトール)等の還元剤を含む緩衝液に溶
解し、不溶成分を除去した試料も利用できる。
【0015】さらに、この試料からゲルクロマトグラフ
ィーやイオン交換クロマトグラフィーにより精製した酵
素も利用できる。
【0016】本発明に用いるアルカン資化菌が生産し得
る酵素、例えば、メタンモノオキシゲナーゼとして、該
酵素又はそれを構成するコンポーネントまたは、サブユ
ニットに対する抗体を用いたアフィニティクロマトグラ
フィーにより、メタン資化菌等のアルカン資化菌の破砕
試料から分離した酵素を用いるのが、精製純度が高く、
かつ、失活度合いが少ないため、望ましい。
【0017】もちろん、遺伝子組み換え操作により作製
したMMOなどのアルカン資化菌が生産し得る酵素も利
用できる。この場合、アルカン特にメタンの酸化に複数
の酵素が関与する場合には、必要に応じてアルカン酸化
酵素と同時に又は逐次的に関連する酸化還元酵素を固定
化することもできる。アルカン資化菌(特にメタン資化
菌)などの菌体由来の酵素を用いると、アルカンの酸化
還元に必要な一連の酵素が存在するため好ましい。一
方、遺伝子組み換え操作により作製したMMOなどのア
ルカン酸化酵素を担体、好ましくは高比表面積基体に固
定化する場合、固定化担体をバインダーで固めた電極を
用いることも可能である。
【0018】本発明では、アルカン特にメタンをアルカ
ノール特にメタノールに変換する手段として、アルカン
資化菌及びアルカン資化菌が生産し得る酵素のいずれを
用いてもよいが、これらは好ましくは高比表面積基体に
固定化したものを用いる。
【0019】高比表面積基体としては、導電性を有する
基体、酸素透過性膜が好ましく例示される。好ましい導
電性高比表面積基体としては、炭素体を挙げることがで
きる。
【0020】炭素体としては、活性炭、活性炭素繊維、
天然グラファイト、人造グラファイト等いずれも使用す
ることが可能で、中でも活性炭が好ましく、木炭、石炭
チャー、椰子殻、コーヒー豆、キチン等の天然物の炭化
物、あるいは合成樹脂の還元雰囲気中での焼成物で、高
温、あるいは低温で処理された炭化物が使用できる。
【0021】活性炭の比表面積を拡大させるために、必
要に応じ水蒸気による高温処理あるいは塩化亜鉛水溶液
を含浸することによる高温処理で賦活することができ
る。
【0022】高比表面積基体の形状としては、粉体状、
繊維状、これらを使用したプレス成形物、塗工成形物、
織布、不織布、膜状などいずれも使用することが可能
で、特にこれらに限定されるものではない。高比表面積
基体が酸素透過性膜、例えばルテニウム酸化膜を好適に
用いることができる。
【0023】炭素体は電子伝導性を有するため、この導
電性を利用して、菌体又は破砕菌体中に含まれる酵素、
補酵素、その他生体関連物質、あるいは溶液中に溶解し
た酸素、水素、メタンなどのアルカン、エネルギー源と
しての蟻酸、アルデヒド、金属化合物を酸化還元するた
めの電極として使用することが可能である。
【0024】この場合電界を印加することで酵素による
反応サイクルを効率的に進めることが可能である。
【0025】高比表面積基体への固定化は、好ましくは
非結合性固定化方法、例えばゲル固定化法、ミセル固定
化法、電解重合法、高比表面積への吸着固定法からなる
群から選ばれる方法により行うことができる。
【0026】ゲル固定化には、アルギン酸、アクリルア
ミドなどを用いることができるが、その場合に、上述の
炭素体を適当量比にてゲルモノマーに混合し、アルカン
資化菌又はアルカン資化菌が生産し得る酵素を加えて重
合しゲル化処理することにより、ゲル内での導電性を持
たせることが可能である。
【0027】ミセル固定化法、電解重合法、高比表面積
への吸着固定法などは、公知の方法に従い行うことがで
きる。
【0028】本発明の酸素透過性膜としては、ポリ−
[Ru(vbpy)3](ClO4)2フィルムが挙げられる。該フィル
ムは0.5mM[Ru(vbpy)3](ClO4)2 とBuNClO4/CH3CNの溶
液中で電解重合法により金属電極、カーボン電極上に作
成することができる。電解条件としては、例えば-1.25V
vs Ag/Ag+と-1.95V vs Ag/Ag+の間で電位走査をおこな
えばよい。
【0029】MMO酵素によるメタン酸化の反応サイクル
は補酵素としてNADHを介してMMOを還元し酸素で酸化す
ることにより4価の鉄オキソ化部位を得る方法がとられ
ていると考えられている。
【0030】このNADH供給は、固定化処理するMMO
酵素試料にNADを還元する酵素を適当量比にて添加し
て処理することでも可能である。
【0031】NADHを供給するかわりに、還元力を供
給する目的として、メチルビオロゲンなどを酵素に添加
して処理することも可能である。
【0032】本発明は、好ましくはリアクターの構造に
以下の手段を組み込むことで達成することができる。 (1) 必要に応じて栄養源を含む培地を補給する手段 (2) 生成したアルカノールをリアクターから回収する手
段。 (3) 酸素およびアルカン特にメタンをリアクターに供給
する手段 各手段をリアクター内に組み込む場合において、培地の
pH域は中性付近が好ましい。培地のpHの調整は、緩
衝液を用いるか、pHにより酸又はアルカリを供給する
手段を設ければよい。MDHを休眠化させる場合には(1)の
栄養源を補給する工程では栄養源としてアルデヒド類、
カルボン酸の金属塩、あるいはこれら混合物を添加する
ことにより達成できる。例えば蟻酸ナトリウムは栄養源
として有効であり、pHへの影響はない。したがって溶
液のpHは中性側に保たれる。蟻酸ナトリウムの添加で
酵素の再活性化のターンオーバーは10万回以上と推定
される。
【0033】酵素、菌体粗精製物、菌体により生産され
たアルカノールの濃度は菌体単位重量に対して10mM以
下、好ましくは8mM以下、より好ましくは6mM以下、更に
好ましくは5mM以下、特に3mM以下が好ましい。10mMを越
えるとアルカノール特にメタノールへの変換効率が低下
する。これらを具体化するためには、例えば菌体ないし
酵素を固定化する場合には、固定化膜を多孔性又は薄層
にし、連続的に液体で洗浄する方法、遠心分離により生
成物を分離洗浄する方法が例示される。
【0034】培養菌体からのMMOの抽出方法は公知の方
法即ちI.J.Higgins等、J.General Microbiology 125,
63-72(1981)に記載されている方法によって行うことが
できる。しかし、本発明ではMMOは菌体から抽出された
純粋な酵素である必要はない。
【0035】即ち、メタン資化菌の生菌を培養液から遠
心分離等の方法によって濃縮、分離し、その乾燥菌体あ
るいは菌体の磨砕、自己消化、超音波処理などによる菌
体処理物、これらの菌体からの抽出物、その抽出物より
得られる酵素の粗精物も利用できる。勿論酵素あるいは
酵素粗精物は不溶化、固定化したものでも良い。
【0036】菌体は高濃度の金属イオン存在下で比較的
安定にハンドリングすることが可能である。
【0037】菌体内のMMO酵素によるメタン酸化の反応
サイクルは補酵素としてNADHを介してMMOを還元し酸素
で酸化することにより4価の鉄オキソ化部位を得る方法
がとられていると考えられている。
【0038】以下実施例に従い説明する。
【0039】
【実施例】図1は、本発明に基づくメタンからメタノー
ルへの変換を行うためのバイオリアクターシステムの一
例である。
【0040】以下、図1をもとに本発明の実施形態につ
いて説明する。
【0041】本バイオリアクターシステムは、菌体の培
養系と培養した菌体を菌体層としてメタンをメタノール
に変換する菌体層バイオリアクター系からなる。
【0042】培養は例えば以下に示した通りである。 [メタン資化菌の培養]菌株譲渡機関(ATCC)よりメ
タン資化菌ATCC Number: 35070: Methylosinus trichos
porium OB3bを入手し培養を行った。
【0043】培地として下記組成の培養液を用いジャー
ファーメンター(容量3L)にて50%、・50%空気
(30℃)を供給し菌体の増殖を行った。菌体内にはMM
Oが誘導された。倍化時間は約8時間であった。また、sM
MOの精製量:菌体100g当たりのMMO採取量は約25mgであ
った [無機培地組成] Culture Medium K2HPO4 0.7 重量部 KH2PO4 0.54 重量部 MgSO4・7H2O 1.0 重量部 NH4Cl 0.5 重量部 FeSO4・7H2O 0.004 重量部 CaCl2・2H2O 0.2 重量部 CuCl2・2H2O 0.00001 重量部 NiCl2・6H2O 0.00002 重量部 Trace Element ZnSO4・7H2O 0.0001 重量部 MnCl2・4H2O 0.00003 重量部 H3BO4 0.0003 重量部 CoCl2・6H2O 0.0002 重量部 Na2MnO4・2H2O 0.00003 重量部 水1リットルに溶解し pHを7.0に調整した。
【0044】培養系において、菌体を増殖する。所定の
菌体濃度に達したのち、シクロプロパノール処理により
菌体内酵素系のMDH機能の除去を行う。しかるのち、
菌体を収集し固定化菌体を得るため、菌体を吸着する活
性炭、および必要に応じて濾過分離し易いために濾過助
剤を加える。
【0045】次に、上記スラリーを濾過器に送り、菌体
濾過を行う。生成した濾過器内のケーク層はそのままメ
タノール生産系のバイオリアクターの菌体層として利用
する。この利点は、菌体層が充填層のごとく厚型の菌体
層であると生産物のメタノールが層内に蓄積し菌体酵素
系を被毒し、活性を失うので、ケーク層をそののまま菌
体層として、薄型の層としてメタノールの層内蓄積を防
ぐことができると言うことである。濾過器の形式は特に
制限はなく、通常、菌体分離用の汎用濾過器でよいが、
詳細設計は必要に応じて行うのがよい。
【0046】この菌体層の利用の仕方としては、ここで
もメタノールの蓄積がないように、メタンおよび酸素を
供給する手段としてのポンプにより水蒸気で飽和したメ
タンと酸素を気相として循環させ、メタノールはメタノ
ール回収手段としての循環系の凝縮器により系外へ取り
出すと言う方式が推奨される。なおこのメタン主体のガ
スは培養系にも循環使用される。また、該凝縮器により
メタノールを系外に取り出すことによりリアクター内の
メタノール濃度を10mM以下に保つことができる。
【0047】菌体層の再活性化処理は、カルボン酸塩、
培養培地で回分的に濾過プロセスを用いて行ってもよ
い。
【0048】
【発明の効果】本発明は燃料あるいは樹脂原料として、
アルカノール特にメタノールの製造方法に関するもので
あるが、特にメタノールから誘導されるDME燃料合成プ
ロセスの中のメタノール合成パートとして、大きな意義
を持つ。
【0049】ジメチルエーテル(DME)はメタノールの
脱水触媒反応により得られるため、アルカノール特にメ
タノールのアルカン特にメタン酸化による本プロセスは
DMEの製造プロセスとしても有意義なものとなる。DMEは
LPGの主成分であるプロパン、ブタンに類似した性質を
有し、貯蔵安定性に優れ、高い燃焼効率、低毒性、低公
害性といった優れた性能を持った新ディーゼル燃料とし
て注目されており、DME燃料のより効率的な合成法とし
ても究めて重要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバイオリアクターを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C12P 7/04 C12R 1:01) Fターム(参考) 4B029 AA02 BB16 CC03 DA03 DF03 4B033 NA01 NA12 NA23 NB36 NB48 NC01 ND02 NE05 4B050 CC02 DD02 GG03 LL05 4B064 AC02 CA02 CA21 CB12 CC03 CC09 CD04 DA16

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルカン資化菌又はアルカン資化菌が生産
    し得る酵素および培地を含むリアクター内にアルカンを
    供給する工程および該リアクターからアルカノールを回
    収する工程を有するアルカノールの製造方法において、
    リアクター中のアルカノール濃度を菌体単位重量に対し
    て10mM以下に保つアルカノールの製造方法。
  2. 【請求項2】アルカン資化菌が生産し得る酵素がメタン
    モノオキシゲナーゼ(MMO)である請求項1に記載のメ
    タノールの製造方法。
  3. 【請求項3】アルカン資化菌又はアルカン資化菌が生産
    し得る酵素に含まれるアルカノール脱水素酵素を休眠化
    処理する工程をさらに含む請求項1に記載のアルカノー
    ルの製造方法。
  4. 【請求項4】アルデヒド類、カルボン酸塩あるいはこれ
    ら混合物よりなる栄養源をリアクター内に補給する工程
    をさらに含む請求項1に記載のアルカノールの製造方
    法。
  5. 【請求項5】アルカン資化菌又はアルカン資化菌が生産
    し得る酵素を高比表面積基体に非共有結合的方法により
    固定化して用いる請求項1に記載のアルカノールの製造
    方法。
  6. 【請求項6】アルカン資化菌が好熱菌である請求項1に
    記載のアルカノールの製造方法。
  7. 【請求項7】アルカン資化菌又はアルカン資化菌が生産
    し得る酵素および培地を含むリアクター、該リアクター
    にアルカンおよび酸素を供給する手段、該リアクター内
    の培地からアルカノールを回収する手段を含むバイオリ
    アクター。
  8. 【請求項8】アルカノール回収手段によりリアクター内
    のメタノール濃度を菌体単位重量に対して10mM以下に保
    つ請求項7に記載のリアクター。
  9. 【請求項9】高比表面積基体に非共有結合的方法により
    固定化したアルカン資化菌又はアルカン資化菌が生産し
    得る酵素を有する請求項7に記載のリアクター。
  10. 【請求項10】アルカノールデヒドロゲナーゼを休眠化
    する手段をさらに含む請求項7に記載のリアクター。
  11. 【請求項11】栄養源を含む培地を補給する手段をさら
    に含む請求項7に記載のリアクター。
JP10349157A 1998-12-08 1998-12-08 アルカノール製造リアクター Pending JP2000166584A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003027301A1 (fr) * 2001-09-06 2003-04-03 Ajinomoto Co., Inc. Procede permettant de produire un alcool au moyen d'un micro-organisme
JP2007051192A (ja) 2005-08-17 2007-03-01 Japan Petroleum Exploration Co Ltd 冷媒組成物
JP2011211977A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 導電性微生物担体

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