JP2000166256A - 高周波電源装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】スイッチング素子Ｑ１，Ｑ２に貫通電流が流れ
て損失が増大したりスイッチング素子Ｑ１，Ｑ２が破損
するの防止し、且つ高速駆動を可能とする。 【解決手段】直流電源１とそれに接続される高周波発生
回路２ａと、高周波発生回路２ａの駆動を制御するＩ
Ｃ，ＬＳＩ等から成る制御回路３とを備え、高周波発生
回路２ａの出力で放電灯４を点灯させる。高周波発生回
路２ａは、ＦＥＴ等から成りブリッジ回路を構成する一
対のスイッチング素子Ｑ１，Ｑ２と、スイッチング素子
Ｑ１，Ｑ２に各々直列接続された電流検出手段Ｄ１，Ｄ
２と、電流検出手段Ｄ１，Ｄ２に並列接続されたフォト
カプラＰＣ１，ＰＣ２とを有し、フォトカップラＰＣ
１，ＰＣ２の受光素子であるフォトＴＲＰＣ１′，ＰＣ
２′は相手側のスイッチング素子Ｑ１，Ｑ２の駆動部、
例えばゲート側に設置され駆動を制御している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、直流電源を有し直
流を数１０ＫＨｚの高周波電力に変換して放電灯等を高
周波で点灯させる高周波電源装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の高周波電源装置（以下、電源装置
という）Ａの回路図を図４に示す。電源装置Ａは、直流
電源１とそれに接続される高周波発生回路２と、該高周
波発生回路２の駆動を制御するＩＣ，ＬＳＩ等から成る
制御回路３とを備え、高周波発生回路２の出力で放電灯
４を点灯させている。この高周波発生回路２は、電界効
果トランジスタ（Field Effect Transistor で、以下、
ＦＥＴとする）等から成りブリッジ回路を構成する一対
のスイッチング素子Ｑ１，Ｑ２と、スイッチング素子Ｑ
１，Ｑ２の接続線と放電灯４との間に直列に挿入される
カップリング用コンデンサＣ１及びインダクタＬと、放
電灯４に並列に接続されるコンデンサＣと、スイッチン
グ素子Ｑ２と制御回路３とに接続した電流検出手段Ｄと
から成る。

【０００３】また、他の従来例として、複数のトランジ
スタ（以下、ＴＲと略す）をブリッジ接続し、アーム短
絡防止のためのデットタイムを有するベース制御信号に
より制御されるＴＲインバータの、各ＴＲに印加される
電圧を検出するＴＲ電圧検出回路において、各ＴＲのエ
ミッタ、コレクタ間に直列接続された微分回路及びフォ
トカプラと、同一アーム上の一方のＴＲに接続されたフ
ォトカプラが駆動してから、同一アーム上の他方のＴＲ
に接続されたフォトカプラが駆動するまでの期間ＴＲの
印加電圧検出信号を出力する検出部とを備え、検出部の
検出信号をデットタイムによる誤差電圧の補償を行うデ
ットタイム補償部へ供給することにより、微分回路の抵
抗のワット数が低減し部品点数が少なくなり、またオン
時間のみを考慮すればよい為高精度の検出が可能となる
ものが提案されている（特開平６−９８５５８号公報参
照）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図４の
従来例においては、制御回路３によりスイッチング素子
Ｑ１，Ｑ２を交互にオンオフさせることで放電灯４を点
灯させているが、ノイズ等による制御回路３の誤動作か
ら、スイッチング素子Ｑ１，Ｑ２に同時にオン信号が入
力された場合、図５に示すようにスイッチング素子Ｑ
１，Ｑ２に貫通電流が流れ、過電流によりスイッチング
素子Ｑ１，Ｑ２が破損することがあった。図５におい
て、（ａ）はスイッチング素子Ｑ１に流れる電流波形、
（ｂ）はスイッチング素子Ｑ１に対する制御信号、
（ｃ）はスイッチング素子Ｑ２に流れる電流波形、
（ｄ）はスイッチング素子Ｑ２に対する制御信号であ
る。

【０００５】そこで、スイッチング素子Ｑ２と制御回路
３との間に電流検出手段Ｄを配置し、スイッチング素子
Ｑ２に流れる電流が所定値（閾値）を超えた場合に、制
御回路３によりスイッチング素子Ｑ１，Ｑ２の駆動を停
止し、これらの破損を防止する方式が提案されている。
しかし、前記従来例にあっては、スイッチング素子Ｑ２
がオフ時にスイッチング素子Ｑ１に過電流が流れる場合
や、スイッチング素子Ｑ１，Ｑ２に貫通電流が流れる場
合において、前記過電流及び貫通電流が閾値を超えなけ
れば制御回路３による高周波発生回路２の駆動が依然と
して行われる。その結果、損失が増大するとともに、ス
イッチング素子Ｑ１，Ｑ２にストレスを与える、即ちＦ
ＥＴのゲートがオフにも係わらずソースとドレイン間に
強制的に電流が流れるため、スイッチング素子Ｑ１，Ｑ
２が破損するといった問題があった。

【０００６】また、上記他の従来例の場合、同一アーム
上の一対のＴＲを交互に駆動する際に、アーム短絡防止
のためのデットタイムを設けており、このデットタイム
のため高速駆動が困難であり、また同一アーム上の一対
のＴＲに貫通電流が流れた時にＴＲの破損を防止する機
能は全く考慮されていない。

【０００７】従って、本発明は上記事情に鑑みて完成さ
れたものであり、その目的はスイッチング素子Ｑ１，Ｑ
２に貫通電流が流れて損失が増大したりスイッチング素
子Ｑ１，Ｑ２が破損するといったことを防止し、デット
タイムが殆どないため高速駆動が可能なものとすること
にある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の高周波電源装置
は、直流電源とそれに接続される高周波発生回路とを備
え、該高周波発生回路は一対のスイッチング素子をブリ
ッジ接続したブリッジ回路と前記スイッチング素子の各
々に直列接続したフォトカップラとを含み、一方のスイ
ッチング素子に接続されたフォトカップラの受光素子を
他方のスイッチング素子の駆動部に接続した構成により
高周波電力を発生させるようにしたことを特徴とする。

【０００９】本発明は、上記構成により、スイッチング
素子Ｑ１，Ｑ２が誤動作で同時にオンになり貫通電流が
流れて損失が増大したりスイッチング素子Ｑ１，Ｑ２が
破損するといったことが防止され、またスイッチング素
子Ｑ１，Ｑ２の交互駆動におけるデットタイムが殆どな
いため高速駆動が可能となる。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明の電源装置Ａ１の回路図を
図１に示す。電源装置Ａ１は、直流電源１とそれに接続
される高周波発生回路２ａと、該高周波発生回路２ａの
駆動を制御するＩＣ，ＬＳＩ等から成る制御回路３とを
備え、高周波発生回路２ａの出力で放電灯４を点灯させ
ている。この高周波発生回路２ａは、ＦＥＴ等から成り
ブリッジ回路を構成する一対のスイッチング素子Ｑ１，
Ｑ２と、スイッチング素子Ｑ１，Ｑ２に各々直列接続さ
れた電流検出手段Ｄ１，Ｄ２と、電流検出手段Ｄ１，Ｄ
２に並列接続されたフォトカプラＰＣ１，ＰＣ２とを有
し、フォトカップラＰＣ１，ＰＣ２の受光素子であるフ
ォトＴＲＰＣ１′，ＰＣ２′は各々相手側のスイッチン
グ素子Ｑ１，Ｑ２の駆動部、例えばゲート側に接続され
駆動を制御している。

【００１１】また、電流検出手段Ｄ１とスイッチング素
子Ｑ２間の接続線と放電灯４との間に、直列に接続され
たカップリング用コンデンサＣ１及びインダクタＬと、
放電灯４に並列に接続したコンデンサＣとを有する。

【００１２】本発明の電源装置Ａ１は以下のように動作
する。制御回路３はスイッチング素子Ｑ１，Ｑ２を交互
にオンオフさせることにより、直流電流を高周波電流に
変換している。このとき、制御回路３からスイッチング
素子Ｑ１に制御信号が印加されると、スイッチング素子
Ｑ１がオンとなり電流検出手段Ｄ１に電流が流れ、フォ
トカプラＰＣ１が動作し発光素子が発光する。すると、
フォトカップラＰＣ１の受光素子であるフォトＴＲＰＣ
１′が受光し、スイッチング素子Ｑ２がオフになる。こ
れは、例えばフォトＴＲＰＣ１′がオンになり電流が流
れることで、スイッチング素子Ｑ２を構成するＦＥＴの
ゲート電圧が０Ｖ（オフ）になり、ＦＥＴのソースとド
レイン間に電流が流れなくなる結果、スイッチング素子
Ｑ２がオフされる。

【００１３】一方、スイッチング素子Ｑ２がオンした場
合、同様の動作で、フォトカップラＰＣ２及びフォトＴ
ＲＰＣ２′によりスイッチング素子Ｑ１がオフされる。
このように、ブリッジ回路の一方のスイッチング素子Ｑ
１，Ｑ２がオンされている間、他方のスイッチング素子
Ｑ１，Ｑ２がオフになる構成であり、両方がオンになる
ことは無く、万一制御回路３が誤動作しても両方がオフ
になる。従って、スイッチング素子Ｑ１，Ｑ２に貫通電
流が流れることがなく、電流の損失及びスイッチング素
子Ｑ１，Ｑ２の破損が防止できる。

【００１４】そして、図２は電源装置Ａ１の高周波発生
回路２ａの駆動の様子を示す波形図及びタイミングチャ
ートであり、（ａ）はスイッチング素子Ｑ１に流れる電
流波形、（ｂ）はスイッチング素子Ｑ１に対する制御信
号、（ｃ）はスイッチング素子Ｑ２に流れる電流波形、
（ｄ）はスイッチング素子Ｑ２に対する制御信号、
（ｅ）はフォトＴＲＰＣ１′，ＰＣ２′のオンオフ状態
を示す状態図である。同図に示すように、スイッチング
素子Ｑ１，Ｑ２の交互駆動にはデットタイムが殆ど存在
しない。また、制御回路３によりデットタイムを設定す
る場合においても、デットタイムを可能な限り小さく設
定することが可能である。

【００１５】また、図３（ａ），（ｂ）は電流検出手段
Ｄ１，Ｄ２及びフォトカップラＰＣ１，ＰＣ２の回路図
であり、電流検出手段Ｄ１，Ｄ２はスイッチング素子Ｑ
１，Ｑ２に流れた電流を抵抗又はコイルで検出し、検出
電流により双方向入力が可能なフォトカップラＰＣ１，
ＰＣ２の発光素子側を発光させる。このフォトカップラ
ＰＣ１，ＰＣ２とフォトＴＲＰＣ１′，ＰＣ２′は、一
体化された半導体素子でも良く、或いはフォトカップラ
ＰＣ１，ＰＣ２とフォトＴＲＰＣ１′，ＰＣ２′との間
を光ファイバ、光導波路等で光学的に結合した構成であ
っても良い。

【００１６】本発明のスイッチング素子Ｑ１，Ｑ２は、
ＦＥＴ，ＩＧＦＥＴ｛Insurated Gate（絶縁ゲート）Ｆ
ＥＴ｝，パワーＴＲ等のスイッチング素子である。ま
た、スイッチング素子Ｑ１，Ｑ２は一対に限らず、複数
対設けても構わない。

【００１７】本発明の直流電源１は、電池、鉛蓄電池等
の二次電池、太陽電池、商用電源をＡＣ／ＤＣ変換した
直流電源等の、直流電流を発生する電源である。また、
本発明の電源装置Ａ１は数１０〜数１００ＫＨｚの高周
波を発生するものであり、放電灯，パソコン，充電器
（アダプター）等の駆動用電源又は充電用電源として使
用できる。

【００１８】かくして、本発明は、スイッチング素子Ｑ
１，Ｑ２に貫通電流が流れて損失が増大したりスイッチ
ング素子Ｑ１，Ｑ２が破損するといったことが防止さ
れ、またスイッチング素子Ｑ１，Ｑ２の交互駆動におけ
るデットタイムが殆どないため高速駆動が可能となると
いう作用効果を有する。

【００１９】尚、本発明は上記の実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々
の変更は何等差し支えない。

【００２０】

【発明の効果】本発明は、高周波発生回路が一対のスイ
ッチング素子をブリッジ接続したブリッジ回路とスイッ
チング素子の各々に直列接続したフォトカップラとを含
み、一方のスイッチング素子に接続されたフォトカップ
ラの受光素子を他方のスイッチング素子の駆動部に接続
したことにより、スイッチング素子Ｑ１，Ｑ２が誤動作
で同時にオンになることがなく、その結果貫通電流が流
れて損失が増大したりスイッチング素子Ｑ１，Ｑ２が破
損するといったことが防止できる。また、スイッチング
素子Ｑ１，Ｑ２の交互駆動におけるデットタイムが殆ど
ないため高速駆動が可能となるという作用効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電源装置Ａ１の回路図である。

【図２】電源装置Ａ１の高周波発生回路の駆動状態を示
す波形図及びタイミングチャートであり、（ａ）はスイ
ッチング素子Ｑ１に流れる電流波形、（ｂ）はスイッチ
ング素子Ｑ１に対する制御信号、（ｃ）はスイッチング
素子Ｑ２に流れる電流波形、（ｄ）はスイッチング素子
Ｑ２に対する制御信号、（ｅ）はフォトＴＲＰＣ１′，
ＰＣ２′のオンオフ状態を示す状態図である。

【図３】電源装置Ａ１の電流検出手段Ｄ１，Ｄ２及びフ
ォトカップラＰＣ１，ＰＣ２の回路図であり、（ａ）は
抵抗により電流検出するタイプ、（ｂ）はコイルにより
電流検出するタイプである。

【図４】従来の電源装置Ａの回路図である。

【図５】電源装置Ａの高周波発生回路の駆動状態を示す
波形図及びタイミングチャートであり、（ａ）はスイッ
チング素子Ｑ１に流れる電流波形、（ｂ）はスイッチン
グ素子Ｑ１に対する制御信号、（ｃ）はスイッチング素
子Ｑ２に流れる電流波形、（ｄ）はスイッチング素子Ｑ
２に対する制御信号である。

【符号の説明】

１：直流電源 ２ａ：高周波発生回路 ３：制御回路 ４：放電灯

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】直流電源とそれに接続される高周波発生回
   路とを備え、該高周波発生回路は一対のスイッチング素
   子をブリッジ接続したブリッジ回路と前記スイッチング
   素子の各々に直列接続したフォトカップラとを含み、一
   方のスイッチング素子に接続されたフォトカップラの受
   光素子を他方のスイッチング素子の駆動部に接続した構
   成により高周波電力を発生させるようにしたことを特徴
   とする高周波電源装置。