JP2000166255A - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置

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JP2000166255A
JP2000166255A JP10334467A JP33446798A JP2000166255A JP 2000166255 A JP2000166255 A JP 2000166255A JP 10334467 A JP10334467 A JP 10334467A JP 33446798 A JP33446798 A JP 33446798A JP 2000166255 A JP2000166255 A JP 2000166255A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノイズおよびスイッチング素子の電気的スト
レスが少なくて変換効率の良い電力変換装置を提供する
こと。 【解決手段】 トランジスタ3がオフされると一次巻線
2A、2Bからの余剰電力がコンデンサ4A、4Cに充
電され、一方オンされると充電された電力は、リアクト
ル5Dにより電流ピークが抑制されつつ、トランジスタ
3、一次巻線2B、環流ダイオード5B、リアクトル5
Dがなす閉路で転流し2次回路6に電力伝達されるの
で、余剰電力を無駄にすることがない。そして再びオフ
されるまでにコンデンサ4A、4Cは完全放電されるの
で再度余剰電力が発生してもトランジスタのコレクタ−
エミッタ電圧の電圧上昇率を抑制してノイズをも除去で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直流電力を交流電
力へ変換する装置に係り、特に変圧器の一次巻線から発
生する余剰電力の回収および処理に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、変圧器を用いて直流電力を交
流電力に変換する装置は、スイッチングレギュレータ、
ACアダプター、バッテリー充電器など種々な製品に用
いられている。このような電力変換装置においては、電
力用のスイッチングトランジスタ等により変圧器の一次
巻線にパルス電力が供給されるので、パルス電力がオフ
する際に一次巻線からは余剰電力が発生し、これがスイ
ッチングトランジスタのコレクタ−エミッタ電圧を高い
電圧変化率(dv/dt)で変化させて、いわゆるサー
ジ電圧を発生させる。この高い電圧変化率のサージ電圧
はスイッチングトランジスタにとって電気的ストレスと
なるので、従来から、電力変換装置には、この余剰電力
を処理するスナバ回路が設けられている。
【0003】図7は、従来の電力変換装置の回路構成で
ある。同図に於いて、電圧がVINの電源1に変圧器2
が接続されている。この変圧器2には、電源1のプラス
極、マイナス極にそれぞれ接続された一次巻線2A、2
Bと、二次巻線2Cと、クランプ巻線2F、2Gが巻線
されており、一次巻線2A、2B、クランプ巻線2F、
2Gは同一巻数となっている。トランジスタ3は、電力
用スイッチングトランジスタであり、一次巻線2A、2
Bの間に接続される。クランプコンデンサ10A、10
Bの間にはダイオード11が接続され、トランジスタ3
のコレクタ、エミッタに並列接続される。二次巻線2C
の後段には整流平滑回路と負荷とからなり、電力の供給
を受ける二次回路6が接続される。
【0004】この装置の電力変換動作を説明する。
【0005】トランジスタ3がオンして、一次巻線2
A、2Bに電源1からの電流が流れると、一次巻線2A
と巻数同一のクランプ巻線2Gにも同じ値の電圧が誘起
されるため、クランプコンデンサ10Aには、電圧VI
Nが印加される。同様にクランプコンデンサ10Bにも
電圧VINが印加される。尚、ダイオード11はクラン
プコンデンサ10Bから、クランプコンデンサ10Aへ
の電流を阻止する。
【0006】トランジスタ3がオフすると、一次巻線2
A、2Bにオン期間とは逆向きのサージ電圧が発生す
る。
【0007】このサージ電圧により発生した電流はコン
デンサ10Aおよび10Bに充電される。そして電流が
消滅すると、充電された電力の一部が、クランプコンデ
ンサ10A、10Bの両端電圧がVINとなるまで変圧
器2の一次巻線2A、2Bを介して、電源1に放出す
る。
【0008】即ち、これらクランプコンデンサがスナバ
回路としてサージ電圧の電圧変化率を小さくすることで
トランジスタの電気的ストレスを軽減している。
【0009】尚、この従来の電力変換装置の詳細は、
『Ching-Shan Leuほか:A Built in Input Filter Forw
ard Converter, PESC'94 917頁』に記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の電力
変換装置は、サージ電圧の電圧変化率を小さくしてトラ
ンジスタ(スイッチング素子)の電気的ストレスを軽減
するものであった。
【0011】しかし、クランプ巻線が一次巻線と逆向き
の起電力を発生するので、クランプコンデンサは完全放
電されずに、トランジスタのコレクタ−エミッタ間電圧
は、常時クランプコンデンサの両端電圧の和(電圧VI
Nの2倍)に維持されるので、以下の問題点があった。
【0012】即ち、トランジスタがターンオフするとき
にコレクタ−エミッタ電圧が0Vから電圧VINの2倍
にまで急激に上昇してしまう(電圧変化率(dv/d
t)が大きい)ので、トランジスタの電気的ストレスが
依然大きかった。
【0013】また、クランプコンデンサが完全放電しな
いので、トランジスタがターンオフするときに、余剰電
力がクランプコンデンサに充分に充電されずにノイズが
除去しきれなかった。よって自身の回路や近接する他の
機器を誤動作させる可能性があった。
【0014】一方、トランジスタがターンオンするとき
には、クランプコンデンサからトランジスタにピーク値
の高い放電電流が供給され、このときにもノイズが発生
した。
【0015】また、この回路以外にも種々の回路が電力
変換装置に使用されていたが、これらは、スナバ回路が
電力を消費してしまうものや、変圧器を磁気飽和させて
しまうものであり電力変換効率が悪かった。
【0016】そこで、この発明は上記従来の課題に鑑み
なされたもので、ノイズおよびスイッチング素子の電気
的ストレスが少なくてしかも変換効率の良い電力変換装
置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明の電力変換装置
は、直流電源に対し、スイッチング素子を挟んで第1お
よび第2の一次巻線が直列に接続された主回路を有し、
前記スイッチング素子をオン・オフ動作させて、前記第
1あるいは第2の一次巻線の少なくとも一方に電磁結合
された二次巻線に交流電力を生じさせる電力変換装置に
おいて、前記スイッチング素子の前記第1の一次巻線と
の接続点から第2の一次巻線との接続点に向けて、第1
のコンデンサ、整流素子、第2のコンデンサを順次に直
列接続してなる回路を有し、前記スイッチング素子のオ
フ動作に伴い、前記第1および第2の一次巻線から発生
した余剰電力を充電する充電手段と、この充電手段によ
り充電された電力を、リアクトルを介して前記直流電源
あるいは前記各一次巻線へと放出させるエネルギ放出手
段と、を備えたことを特徴とする。
【0018】この構成により、第1および第2のコンデ
ンサが、スイッチング素子のオフ動作に伴い第1および
第2の一次巻線から発生する余剰電力を整流素子で整流
して充電する一方、スイッチング素子がオンに転じる
と、各コンデンサに充電された余剰電力が放電され、リ
アクトルにより電流ピークが抑制されて、直流電源また
は各一次巻線に転流する。そしてスイッチング素子が再
びオフされるまでに第1および第2のコンデンサは完全
放電する。次回に余剰電力が発生したときは、その余剰
電力は、再び第1および第2のコンデンサに充電され
る。
【0019】また、この発明の電力変換装置は、前記エ
ネルギ放出手段には、前記充電された電力を転流させる
環流素子とリアクトルとの直列回路が2回路設けられ、
この各回路は、前記第1および第2のコンデンサの前記
整流素子との各接続点から、前記第2および第1の一次
巻線の前記直流電源との各接続点へと接続されたことを
特徴とする。
【0020】この構成により、第1および第2のコンデ
ンサに充電された余剰電力が、スイッチング素子がオン
に転じる際、環流素子を通り、それぞれ第2の一次巻
線、第1の一次巻線に転流して電力伝達される。従っ
て、余剰電力が二次巻線の負荷側に供給できるので好適
である。さらに、各コンデンサの放電後も各リアクトル
に残留する磁気エネルギーが、充電手段の整流素子を通
って、直流電源に転流し再利用できるようになる。
【0021】また、この発明の電力変換装置は、前記エ
ネルギ放出手段は、前記充電された電力を、前記第1お
よび第2のコンデンサの前記整流素子との各接続点にそ
れぞれ接続された環流素子、ならびに前記直流電源と直
列に前記主回路に挿入された共通のリアクトルを介して
それぞれ前記直流電源に放出させることを特徴とする。
【0022】この構成により、各コンデンサに充電され
た余剰電力は、各環流素子を通り、共通のリアクトルを
通って直流電源に放出する。従って余剰電力が全て回収
され再利用可能となるので好適である。しかも、リアク
トルを共通化したので装置が小型化できる。
【0023】また、この発明の電力変換装置は、前記第
1および第2の一次巻線のどちらか一方に電磁結合され
た補助巻線を有し、この補助巻線に対し、前記交流電力
を整流平滑した後段の負荷あるいは前記直流電源が、整
流素子を介して直列に接続されたことを特徴とする。
【0024】この構成により、余剰電力の一部が補助巻
線に磁気エネルギーとして伝達され、さらに整流素子を
介して負荷あるいは直流電源に伝達される。従って、余
剰電力により一次巻線に生ずるサージ電圧は、負荷ある
いは直流電源の電圧により、そのピークが制限される。
従って、一次巻線と補助巻線との巻数比および電力伝達
先の電圧を適切に設定することで、スイッチング素子を
破壊から保護できるので好適である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電力変換装置の実
施の形態について図1ないし図6を参照して説明する。
尚、従来の電力変換装置と同一の構成については同一符
号をつけて詳述を省略する。
【0026】図1は、本発明の電力変換装置の第1の実
施の形態を示す回路構成図である。
【0027】この図に示すように電力変換装置は、従来
と同様に直流電力を供給する電源1、変圧器2およびト
ランジスタ3で一次側回路を構成し、従来と同一の二次
回路6を後段に接続したものである。
【0028】この実施の形態において変圧器2は、従来
同様に同一巻数の一次巻線2A、2Bおよび二次巻線2
Cを有するが、補助巻線は設けていない。
【0029】トランジスタ3は一次巻線2A、2Bの間
に接続される。尚、トランジスタは、バイポーラトラン
ジスタや、電界効果トランジスタ等の電流開閉が可能な
素子(回路)であればよい。従って、ドライブする回路
については採用する素子(回路)に応じて設ければよい
ので、ここでは記載および説明を省略する。
【0030】また充電回路4は、トランジスタ3のコレ
クタに接続されたコンデンサ4Aと、該コンデンサに直
列接続されたスナバダイオード4Bと、該ダイオードに
直列接続されたコンデンサ4Cとからなり、該コンデン
サの他端はトランジスタ3のエミッタに接続される。即
ち、充電回路4は、いわゆるスナバ回路を構成してい
る。
【0031】エネルギ放出回路5は、環流ダイオードと
リアクトルとで構成される直列回路を2回路有する。即
ち、環流ダイオード5Aとリアクトル5Cとで一方の回
路が、環流ダイオード5Bとリアクトル5Dとで他方の
回路が構成され、それぞれコンデンサ4C、4Aから、
一次巻線2A、2Bと電源1との接続点へと接続されて
いる。
【0032】図2は、図1に対応する波形図であり、同
図(A)は、トランジスタ3のコレクタ−エミッタ間電
圧Vce、同図(B)は、コンデンサ4A(4C)の充
放電電流、同図(C)は環流ダイオード5A(5B)を
流れる電流の波形をそれぞれ示すものである。
【0033】図3は、図1の回路における電流経路の遷
移を表したものであり、図3(A)は、トランジスタ3
のオン期間、同図(B)は、コンデンサ4A,4Cの充
電期間、同図(C)は、コンデンサ4Aの放電期間、同
図(D)は、リアクトル5C,5Dに残留電流が流れる
期間の経路をそれぞれ示すものである。尚、図3(C)
は、コンデンサ4Aからの放電を示すが、コンデンサ4
Cからはこの経路と対照をなす経路で放電される。ま
た、電流経路を見やすくするため、経路に含まれない回
路素子の符号は省略した。
【0034】このような構成とした第1の実施の形態で
は、トランジスタ3が導通状態にあるときは、図3
(A)に示すように一次巻線2A、2Bに電流が流れ、
二次巻線2Cに電力が供給される。このときコンデンサ
4A、4Cは放電された状態にある。
【0035】この状態から、トランジスタ3がターンオ
フされると、変圧器2の一次巻線2A、2Bは、蓄積し
た磁気エネルギーにより電流を維持すべく働くので、図
3(B)に示すように、電源1から一次巻線2A、コン
デンサ4A、スナバダイオード4B、コンデンサ4C、
一次巻線2B、そして電源1へと電流が流れる。即ち、
図2(B)のaに示すようにコンデンサ4A、4Cへの
充電が始り、その両端電圧が0Vから徐々に上昇する。
このとき、トランジスタ3のコレクタ−エミッタ電圧V
ceは、コンデンサ4A、コンデンサ4Cの両端電圧の
和となり、図2(A)のbに示すように上昇する。変圧
器2の一次巻線2A、2Bの磁気エネルギーが、すべて
コンデンサ4A、4Cに充電されると、図2(A)のc
に示すように、Vceはピークに達する。
【0036】このようにコンデンサ4A、4Cが放電さ
れている状態にあると、トランジスタ3のコレクタ−エ
ミッタ電圧の電圧変化率(dv/dt)を低くすること
ができる。
【0037】その後、コンデンサ4A、コンデンサ4C
は、図3(B)の逆の電流経路で放電して(図2(B)
のd)、トランジスタ3のコレクタ−エミッタ電圧Vc
eは図2(A)のeに示すように電源1の電圧VINと
なるまで減少していく。
【0038】次に、所定のタイミングでトランジスタ3
がターンオンされると、コンデンサ4Aに充電された電
力は、図3(C)に示すように、トランジスタ3、一次
巻線2B、環流ダイオード5B、リアクトル5Dがなす
閉路で放電される。
【0039】即ち、図2(B)のfに示す波形で放電が
なされ、ダイオード5Bにも同図(C)のhに示すよう
に、この放電電流が流れる。コンデンサ4Cに充電され
た電力も同様に、リアクトル5C、環流ダイオード5
A、一次巻線2A、トランジスタ3とでなす閉路で放電
される。
【0040】この放電期間においては、リアクトル5
C、5Dのインダクタンスによって放電電流のピーク値
が抑制されるので、トランジスタ3のコレクタ−エミッ
タ電圧は図2(A)gに示すように、緩やかに低下して
いきトランジスタ3はターンオンする。尚、充電回路4
のスナバダイオード4Bには、この放電期間中、逆電圧
が印加されている。
【0041】上記放電電流は、リアクトル5C、5Dに
磁気エネルギーとして残留する。コンデンサ4A、4C
が完全放電すると、この残留磁気エネルギーは、環流ダ
イオード5B、リアクトル5D、スナバダイオード4
B、リアクトル5C、ダイオード5Aの経路で電源1に
転流し帰還する。図2(C)の斜線部iの部分の電流
が、この経路で流れる残留電流である。
【0042】従って、この状態で再びトランジスタ3が
ターンオフしても、コンデンサ4Aおよびコンデンサ4
Cは完全放電されているので、再度一次巻線からの電力
を上記のように処理できる。
【0043】上記のように、この実施の形態では、トラ
ンジスタのオフ動作に伴い、各一次巻線から発生する余
剰電力を充電でき、充電された余剰電力は、トランジス
タのオン動作に伴い、リアクトルにより電流ピークが抑
制されつつ放電して、各一次巻線に電力伝達され、その
後、電源に転流し帰還されるので、余剰電力を損失させ
ずに再利用することができる。また、この動作はノイズ
の発生も抑えることができる。
【0044】そしてトランジスタがターンオフされるま
でにコンデンサ4A、4Cは完全放電するので再度余剰
電力が発生してもトランジスタの電圧変化率(dv/d
t)を抑制しうるとともにノイズも除去できる。
【0045】ところで、この発明の電力変換装置の第1
の実施の形態では、ターンオフの際のトランジスタ3の
コレクタ−エミッタ間に印加されるサージ電圧のピーク
値は、一次巻線2A、2Bに蓄えられた磁気エネルギー
とコンデンサ4A、4Cのインピーダンスで決まる。
【0046】従って、磁気エネルギーが大きい場合に
は、サージ電圧のピーク値がコレクタ−エミッタ間耐電
圧を越えて、トランジスタの破壊につながる可能性があ
る。
【0047】そこで、ターンオフ時のサージ電圧のピー
ク値を抑制するように構成したこの発明の電力変換装置
の第2の実施の形態を説明する。
【0048】図4は、この実施の形態の回路構成図であ
る。
【0049】変圧器2には新たに補助巻線2Dが追加さ
れ、この巻線は、ダイオード7を介して電源1に接続さ
れる。変圧器2の一次巻線2A、2B、補助巻線2Dの
巻数比はN:N:Mとなっている。そのほかの構成は第
1の実施の形態と同一である。
【0050】このような構成においては、第1の実施の
形態と同様に、トランジスタ3をターンオフするとトラ
ンジスタ3のコレクタ−エミッタ間電圧は、徐々に上昇
する。
【0051】そして、補助巻線2Dにも電圧が誘起され
る。
【0052】一次巻線2Aの巻線電圧をVnとした場
合、補助巻線2Dの巻線電圧Vmは次式の関係を維持し
ながら上昇する。
【0053】
【数1】 Vm=Vn×M/N (1) そして、この電圧が電源1の電圧VINを超えるとダイ
オード7が導通して、それ以上上昇しなくなるので、次
式の関係が成立つ。
【0054】
【数2】 Vm=Vn×M/N<VIN (2) この式から、次式が成立する。
【0055】
【数3】 Vn<VIN×N/M (3) 即ち、このようにダイオード7を介して、補助巻線2D
を電源1に接続することにより、一次巻線2Aの巻線電
圧Vnの上限が制限される。一次巻線2Bの巻線電圧も
同様にこの値に制限される。
【0056】また、トランジスタ3のコレクタ−エミッ
タ間電圧Vceは、
【数4】 Vce=2×Vn+VIN (4) であるので、数式(3)を数式(4)に代入すると、
【数5】 Vce=2×Vn+VIN <2×(VIN×N/M)+VIN <VIN(1+2N/M) (5) となり、トランジスタ3のコレクタ−エミッタ間に印加
されるサージ電圧のピーク値がこの値に制限され、一方
で、このピーク値を越える部分の電力は、ダイオード7
を介して電源1に帰還する。
【0057】従って、使用するトランジスタの定格に合
わせて、補助巻線2Dと一次巻線2A、2Bとの巻数比
を調整することで、コレクタ−エミッタ間に印加される
サージ電圧のピーク値を制限し、トランジスタを破壊か
ら保護することができる。また、ピーク値を越える電力
が電源に帰還するので電力を損失することがない。
【0058】ところで、この実施の形態では、電源1に
余剰電力の一部を帰還させるように構成したが、電力の
帰還先は、二次側の負荷であってもよい。
【0059】図5は、第2の実施の形態の変形例を示し
た回路構成図である。
【0060】この変形例では、余剰電力の一部は、二次
側に設けられた補助巻線2E、ダイオード8を通して、
電圧安定化された二次側回路の負荷9に供給され消費さ
れる。この回路においては、負荷9に対して供給が必要
な電力の一部が、補助巻線2E、ダイオード8を通して
供給されるので、二次巻線2Cから伝達される電力が少
なくてすみ、結果的に装置の電力変換効率を上げること
ができる。
【0061】さて、上記第1および第2の実施の形態で
は、リアクトルを2個設けて、各コンデンサに充電され
た余剰電力を電源や負荷に伝達したが、次に、リアクト
ルを共通化して回路の簡略化を図った第3の実施の形態
を説明する。
【0062】図6は、この実施の形態の回路構成図であ
る。
【0063】ここでは、第1の実施の形態において、一
対にして設けられたリアクトル5C、5Dに代えて、単
一のリアクトル5Eを電源1に直列に接続して回路が構
成される。その他の構成要素は、第1および第2の実施
の形態と同一である。
【0064】この回路構成においては、コンデンサ4
A、4Cへの充電動作までは上記第1および第2の実施
の形態と同一であるが、トランジスタ3がターンオンす
ると、充電された電力は、コンデンサ4A、トランジス
タ3、コンデンサ4C、環流ダイオード5A、リアクト
ル5E、電源1、環流ダイオード5Bで構成された閉路
で放電されて電源1に放出する。
【0065】従って、少ない部品点数で、放電電流のピ
ーク値抑制の効果を維持できると同時に装置構成が簡略
化され、小型化が可能となる。
【0066】尚、上記の説明においては、同一の変圧器
に一次巻線2A、2Bが設けられたが、これら巻線は、
別々の変圧器のものであってもよい。
【0067】二次回路6においては、半波型、全波型、
倍電圧型回路等の公知技術を用いることができる。ま
た、二次巻線2Cを逆向きに巻線して、フライバック型
の電力変換装置とすることも勿論可能である。そして直
流電力を供給する電源は、交流電源を整流平滑したもの
であってもよい。
【0068】
【発明の効果】以上のように、この発明の電力変換装置
によれば、充電手段を設けたことで、スイッチング素子
のオフ動作に伴い、各一次巻線から発生する余剰電力を
充電でき、エネルギ放出手段を設けたことで、充電され
た余剰電力は、スイッチング素子のオン動作に伴い、リ
アクトルにより電流ピークが抑制されつつ、直流電源ま
たは各一次巻線に放出され電力伝達されるので、装置の
損失を少なくできる。そしてスイッチング素子が再びオ
フされるまでに充電手段のコンデンサは完全放電するの
で再度余剰電力が発生してもスイッチング素子の電圧変
化率(dv/dt)を低く抑制しうるとともにノイズも
除去できる。
【0069】従って、ノイズおよびスイッチング素子の
電気的ストレスが少なく、しかも高い変換効率の電力変
換が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電力変換装置の第1の実施の形態
の回路構成図である。
【図2】図1に示す装置における各波形図であり、図2
(A)は、スイッチング素子のコレクタ−エミッタ電圧
を、同図(B)は、コンデンサの充放電電流を、同図
(C)は、環流ダイオードの電流をそれぞれ示すもので
ある。
【図3】図1に示す装置における時間経過に伴う電流経
路の遷移図であり、図3(A)は、スイッチング素子の
オン期間、同図(B)は、コンデンサの充電期間、同図
(C)は、コンデンサの放電期間、同図(D)は、リア
クトルに残留電流が流れる期間の経路をそれぞれ示すも
のである。
【図4】本発明による電力変換装置の第2の実施の形態
の回路構成図である。
【図5】本発明による電力変換装置の第2の実施の形態
の変形例の回路構成図である。
【図6】本発明による電力変換装置の第3の実施の形態
の回路構成図である。
【図7】従来の電力変換装置の回路構成図である。
【符号の説明】
1 電源 2 変圧器 2A、2B 一次巻線 2C 二次巻線 2D、2E 補助巻線 3 トランジスタ 4 充電回路 4A、4C コンデンサ 4B、スナバダイオード 5 エネルギ放出回路 5A、5B 環流ダイオード 5C、5D、5E リアクトル 6 二次回路 7、8 ダイオード 9 負荷

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源に対し、スイッチング素子を挟
    んで第1および第2の一次巻線が直列に接続された主回
    路を有し、前記スイッチング素子をオン・オフ動作させ
    て、前記第1あるいは第2の一次巻線の少なくとも一方
    に電磁結合された二次巻線に交流電力を生じさせる電力
    変換装置において、 前記スイッチング素子の前記第1の一次巻線との接続点
    から第2の一次巻線との接続点に向けて、第1のコンデ
    ンサ、整流素子、第2のコンデンサを順次に直列接続し
    てなる回路を有し、前記スイッチング素子のオフ動作に
    伴い、前記第1および第2の一次巻線から発生した余剰
    電力を充電する充電手段と、 この充電手段により充電された電力を、リアクトルを介
    して前記直流電源あるいは前記各一次巻線へと放出させ
    るエネルギ放出手段と、を備えたことを特徴とする電力
    変換装置。
  2. 【請求項2】 前記エネルギ放出手段には、前記充電さ
    れた電力を転流させる環流素子とリアクトルとの直列回
    路が2回路設けられ、この各回路は、前記第1および第
    2のコンデンサの前記整流素子との各接続点から、前記
    第2および第1の一次巻線の前記直流電源との各接続点
    へと接続されたことを特徴とする請求項1記載の電力変
    換装置。
  3. 【請求項3】 前記エネルギ放出手段は、前記充電され
    た電力を、前記第1および第2のコンデンサの前記整流
    素子との各接続点にそれぞれ接続された環流素子、なら
    びに前記直流電源と直列に前記主回路に挿入された共通
    のリアクトルを介してそれぞれ前記直流電源に転流させ
    ることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  4. 【請求項4】 前記第1および第2の一次巻線のどちら
    か一方に電磁結合された補助巻線を有し、この補助巻線
    に対し、前記交流電力を整流平滑した後段の負荷あるい
    は前記直流電源が、整流素子を介して直列に接続された
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1
    項記載の電力変換装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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