JP2000164927A - 窒化ガリウム系化合物半導体、窒化ガリウム系化合物半導体発光素子、およびこれらの製造方法 - Google Patents

窒化ガリウム系化合物半導体、窒化ガリウム系化合物半導体発光素子、およびこれらの製造方法

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JP2000164927A
JP2000164927A JP33289798A JP33289798A JP2000164927A JP 2000164927 A JP2000164927 A JP 2000164927A JP 33289798 A JP33289798 A JP 33289798A JP 33289798 A JP33289798 A JP 33289798A JP 2000164927 A JP2000164927 A JP 2000164927A
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Takashi Kobayashi
高志 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 p型の窒化ガリウム系化合物半導体における
キャリア密度の向上、抵抗の低減化を図ることができる
ようにする。 【解決手段】 本発明による窒化ガリウム系化合物半導
体3は、窒化ガリウム系化合物半導体(InX AlY
1-X-Y N)(但し、0≦X,0≦Y,X+Y=1)で
あって、アクセプタ不純物としてホウ素(B)を原子濃
度〔B〕が、1×1015cm-3≦〔B〕≦2×1020
-3をもって添加されてp型とされた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化ガリウム系化
合物半導体、窒化ガリウム系化合物半導体発光素子、お
よびこれら製造方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】現在、窒化ガリウム系化合物半導体で
は、マグネシウム(Mg)を添加することで、p型化さ
れた窒化ガリウム系化合物半導体を得ている。しかし、
そのキャリア密度は高々1018cm-3程度であり、Al
Y Ga1-Y N(0≦Y≦1)などの混晶では、そのキャ
リア密度はアルミニウム(Al)組成の増加と共に減少
する。
【0003】ところで、半導体発光素子においては、低
抵抗のp型層を形成することは、駆動電圧、電流の低減
化につながることから、低抵抗p型層の実現が強く期待
されている。
【0004】そして、現在MOCVD(Metalorganic C
hemical Vapor Deposition: 有機金属気相成長)法で形
成されるMg添加のGaNあるいは上記AlY Ga1-Y
N(0≦Y≦1)は、その成膜の後、これを高温でのア
ニールや、電子線照射することによって1018cm-3
度のキャリア密度が得られるに過ぎない。これは、結晶
中に取り込まれる水素(H)とマグネシウム(Mg)と
の結合が、アニールによって解離するためであると理解
されている。
【0005】しかし、このような高温アニールや、電子
線照射を行っても、そのキャリア密度は、上述した10
18cm-3程度のキャリア密度が得られるに過ぎない。こ
れはMgのアクセプタ準位が200meV程度という深
い準位であることや、結晶中のMgに歪みが生じること
などに原因があると考えられている。このことは、MB
E(Molecular Beam Epitaxy: 分子線エピタキシー)法
で成膜された結晶中に水素を含まないMg添加の窒化ガ
リウム(GaN)についても1018cm-3程度のキャリ
ア密度しか得られないことからも類推される。
【0006】また、Mgと同族元素であるベリリウム
(Be)は、そのアクセプタ準位が、Mgより、かなり
浅い60meV程度と考えられているが、この場合にお
いても、Mg添加の窒化ガリウム(GaN)以上のキャ
リア密度は得られていない。同様に、亜鉛(Zn)の添
加も試みられているが、p型になっていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、窒化
ガリウム系化合物半導体、例えば窒化ガリウム系化合物
半導体発光素子、例えば半導体レーザにおいて、そのク
ラッド層をAlY Ga1- Y Nの混晶によって構成する場
合、所要のバンドギャップを得ることができるようにA
lの組成Yを大きくするとキャリア密度が低下すること
から、このクラッド層の抵抗が高くなり、これによって
半導体レーザの駆動電圧が上がるなどの不都合を来す。
【0008】本発明においては、p型の窒化ガリウム系
化合物半導体におけるキャリア密度の向上を図り、例え
ば半導体レーザのクラッド層における、その抵抗の低減
化を図ることができるようにすることを目的とする。
【0009】すなわち、本発明においては、窒化ガリウ
ム系化合物半導体(InX AlY Ga1-X-Y N)(但
し、0≦X,0≦Y,X+Y=1)にアクセプタ性不純
物として等原子価不純物のホウ素(B)を添加する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による窒化ガリウ
ム系化合物半導体は、窒化ガリウム系化合物半導体(I
X AlY Ga1-X-Y N)(但し、0≦X,0≦Y,X
+Y=1)であって、アクセプタ不純物としてホウ素
(B)を原子濃度〔B〕が、1×1015cm-3≦〔B〕
≦2×1020cm-3をもって添加されてp型とされた構
成とする。
【0011】また、本発明による窒化ガリウム系化合物
半導体発光素子は、その窒化ガリウム系化合物半導体
(InX AlY Ga1-X-Y N)(但し、0≦X,0≦
Y,X+Y=1)によるp型層の少なくとも1層が、ア
クセプタ不純物としてホウ素(B)を原子濃度〔B〕
が、1×1015cm-3≦〔B〕≦2×1020cm-3に添
加されて構成とする。
【0012】そして、本発明による窒化ガリウム系化合
物半導体発光素子は、添加されたホウ素(B)の活性化
により、その窒化ガリウム系化合物半導体(InX Al
Y Ga1-X-Y N)(但し、0≦X,0≦Y,X+Y=
1)によるp型層の少なくとも1層を、アクセプタ濃度
A とドナー濃度ND の差〔NA −ND 〕が、1×10
15cm-3≦〔NA −ND 〕≦5×1019cm-3に選定さ
れる。この〔NA −ND〕の測定は、いわゆるCV(容
量−電圧)測定およびホール測定によって確認された。
【0013】また、本発明による窒化ガリウム系化合物
半導体の製造方法は、基体上に、窒化ガリウム系化合物
半導体(InX AlY Ga1-X-Y N)(但し、0≦X,
0≦Y,X+Y=1)を成膜するものであって、その成
膜にあたり、アクセプタ不純物としてホウ素(B)を、
原子濃度〔B〕が、1×1015cm-3≦〔B〕≦2×1
20cm-3となるように添加してp型の窒化ガリウム系
化合物半導体を得る。
【0014】また、本発明による窒化ガリウム系化合物
半導体発光素子の製造方法は、この発光素子を構成する
p型層の少なくとも1層の成膜に当たり、アクセプタ不
純物としてホウ素(B)を、原子濃度〔B〕が、1×1
15cm-3≦〔B〕≦2×1020cm-3となるように添
加して成膜する。
【0015】上述の各アクセプタ不純物は、ホウ素
(B)と共に、他の不純物を添加することができる。こ
の場合の、他の不純物は、マグネシウム(Mg)、亜鉛
(Zn)の少なくともいずれかを用いることができる。
【0016】上述のホウ素が添加された窒化ガリウム系
化合物半導体、またこれによる半導体発光素子における
p型半導体層は、キャリア密度を必要十分に選定するこ
とができ、低抵抗化をはかることができる。これは、等
原子価不純物であるホウ素(B)を添加することで、p
型窒化ガリウム系化合物半導体を得るものであり、この
ようにすることによって、このホウ素(B)が、軽元素
であるがために、浅いアクセプタ準位が形成されること
からキャリア密度を高めることができ、低抵抗p型窒化
ガリウム系化合物半導体を構成することができるもので
ある。
【0017】また、このホウ素(B)と共に、他の不純
物例えばMgやZn等のアクセプタ性不純物を添加する
ことにより、ホウ素(B)の添加によって発生する歪み
が緩和がなされ、より活性化率が高められ、キャリア密
度が向上し、低抵抗化を図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】前述したように、本発明による半
導体は、窒化ガリウム系化合物半導体(In X AlY
1-X-Y N)(但し、0≦X,0≦Y,X+Y=1)で
あって、アクセプタ不純物としてホウ素(B)を原子濃
度〔B〕が、1×1015cm-3≦〔B〕≦2×1020
-3をもって添加されてp型とされた構成とする。
【0019】また、本発明による窒化ガリウム系化合物
半導体発光素子は、p型半導体層が、上述した窒化ガリ
ウム系化合物半導体(InX AlY Ga1-X-Y N)(但
し、0≦X,0≦Y,X+Y=1)であって、アクセプ
タ不純物としてホウ素(B)を原子濃度〔B〕が、1×
1015cm-3≦〔B〕≦2×1020cm-3をもって添加
されてp型とされた構成とする。そして、このホウ素
(B)の添加によって、その窒化ガリウム系化合物半導
体(InX AlY Ga1-X-Y N)(但し、0≦X,0≦
Y,X+Y=1)によるp型層の少なくとも1層が、ア
クセプタ濃度NA とドナー濃度ND の差〔NA −N D
は、1×1015cm-3≦〔NA −ND 〕≦5×1019
-3に選定される。
【0020】図面を参照して本発明の実施の形態を説明
するが、本発明は図示の例に限られるものではない。図
1は、基体1上にバッファー層2を介して、本発明によ
る窒化ガリウム系化合物半導体(InX AlY Ga
1-X-Y N)(但し、0≦X,0≦Y,X+Y=1)3を
成膜した場合である。
【0021】基体1は、例えばサファイア、SiC、Z
nO、Si、GaAs、スピネル、GaN等の、窒化ガ
リウム系化合物半導体と格子定数が近い単結晶基板、例
えば(0001)結晶面によるサファイア基体を用いる
ことができる。
【0022】この基体1上に、形成するバッファ層2
は、例えばGaN、AlN、GaAlN等を基体温度を
400℃〜700℃とする低温で、厚さ10〜100n
m程度に例えばMOCVD法によってエピタキシャル成
長する。
【0023】その後、このバッファ層2上に、ホウ素
(B)を、原子濃度〔B〕が、1×1015cm-3
〔B〕≦2×1020cm-3をもって添加されたp型の上
述の窒化ガリウム系化合物半導体3を例えば厚さ1〜2
μmにエピタキシャル成長した。この半導体3のMOC
VD法によるエピタキシャル成長は、例えばIII族原料
としてTMG(トリ・メチル・ガリウム)、TMA(ト
リ・メチル・アルミニウム)、TMI(トリ・メチル・
インジウム)等を用い、窒素(N)の原料としてはアン
モニア(NH3 )等を用いることができる。また、アク
セプタ不純物のホウ素(B)の原料としては、TMB
(トリ・メチル・ボロン)、あるいはTEB(トリ・エ
チル・ボロン)を用いることができる。そして、この場
合、基体温度は、例えば700℃〜1200℃とする。
【0024】半導体3のエピタキシャル成長は、MOC
VD法に限られるものではなく、例えばHVPE(Hydr
ide Vapor-Phase Epitaxy)法によって形成することがで
き、この場合は、不純物原料ガスとしてはB2 6 等を
用いることができる。また、MBE(Molecular Beam E
pitaxy: 分子線エピタキシー)法によって形成する場合
は、B元素等を、1200℃〜1800℃に電子線加熱
することによってドープすることができる。
【0025】このようにして半導体3の成膜を行って
後、必要に応じて、例えば400℃〜1000℃、例え
ば800℃の加熱アニール、あるいは電子線照射による
アニールを行ってキャリアの活性化を行う。
【0026】このようにしてドープされたホウ素(B)
は、窒化ガリウム系化合物半導体においては、Gaなど
のIII族の原子位置に位置する。このように、Gaなど
のIII族の原子と置換されたホウ素(B)は、表1の、
J.C.Phillipsによって求められた各元素の陰性度で示す
ように、Gaに対して大きな電気陰性度をもつために、
ホウ素(B)元素に電子を捕獲し、1価のアクセプタと
なり、半導体3がp型を呈することになる。因みに、こ
のような例は、これまでに、窒素(N)添加リン化ガリ
ウム(GaP)や酸素(O)添加ZnSe等で確認され
ている。
【0027】
【表1】
【0028】また、ホウ素(B)は、一般的にアクセプ
タ不純物として用いられるMgに比して軽元素であるた
め、ベリリウム(Be)と同様に、浅いアクセプタ準位
が形成される。したがって、アクセプタの活性化率が上
がったり、キャリア濃度の高い半導体3を得ることがで
きる。
【0029】また、上述の半導体3に、アクセプタ不純
物としてのホウ素(B)以外の元素をドープすることが
でき、このようにすることによって、ホウ素(B)を添
加することによる結晶中の歪みの緩和を図ることができ
る。すなわち、ホウ素(B)は、Gaに比し、結合半径
が小さいことから、Gaに置換してBが導入されること
によって結晶中に歪みを生じ、アクセプタの活性化が充
分になされないおそれがあることから、表2の、J.C.Ph
illipsによって求められた各元素の結合半径に示される
ように、Gaより結合半径が大きい元素、例えばMg、
あるいは/および亜鉛等のアクセプタ不純物をホウ素
(B)と同時に添加することによって結晶中の歪みを緩
和することができ、よりアクセプタの活性率が高めら
れ、よりp型半導体の低抵抗化が図られる。
【0030】
【表2】
【0031】上述した本発明による窒化ガリウム系化合
物半導体は、各種半導体素子等に用いることができるも
のであるが、特に窒化ガリウム系化合物半導体発光素子
に用いて、p型窒化ガリウム系化合物半導体層のキャリ
ア濃度の向上を図ることができる。
【0032】そして、上述の本発明による窒化ガリウム
系化合物半導体におけるホウ素(B)の添加量は、この
窒化ガリウム系化合物半導体の使用目的に応じてその原
子濃度〔B〕を、1×1015cm-3≦〔B〕≦2×10
20cm-3の範囲で添加することによって必要十分のキャ
リア濃度、すなわちアクセプタ濃度NA とドナー濃度N
D の差〔NA −ND 〕が、1×1015cm-3≦〔NA
D 〕≦5×1019cm-3を得ることができる。
【0033】次に、本発明による窒化ガリウム系化合物
半導体とその製造方法によって半導体発光素子を構成す
る場合の例を説明する。
【0034】図2は、本発明による窒化ガリウム系化合
物半導体発光素子の一例の概略断面図である。この例
は、SCH−MQW(Separate Confinement Heterostr
ucture-Multi Quantum Well)構造の半導体レーザを構成
した場合で、本発明による製造方法の例とともに説明す
る。
【0035】基体11が、用意される。この基体11
は、前述したと同様に、例えばサファイア、SiC、Z
nO、Si、GaAs、スピネル、GaN等の、窒化ガ
リウム系化合物半導体と格子定数が近い単結晶基板、例
えば(0001)結晶面によるサファイア基体を用いる
ことができる。
【0036】この基体11上に、例えばGaNバッファ
層12を、例えば基体温度500℃の低温で、50nm
の厚さにエピタキシャル成長し、続いて基体温度を10
00℃に上昇させ、例えばシリコン(Si)ドープのG
aNによるn型の第1コンタクト層13を5μmの厚さ
に形成し、この上に、例えば厚さ2μmのSiドープの
n型のAlGaNによる第1クラッド層14をエピタキ
シャル成長し、更にこの上にSCH−MQW構造の活性
層30、例えば厚さ2μmのホウ素(B)ドープのp型
のAlGaNによる第2クラッド層18、例えば厚さ1
00nmのホウ素(B)ドープのp型のGaNによる第
2コンタクト層19とを順次エピタキシャル成長する。
【0037】SCH−MQW構造の活性層30は、例え
ば厚さ100nmのSiドープのn型のGaNによる第
1ガイド層15、GaInNによる例えば3層の量子井
戸層と、これら間に配置される2層の例えばGaNによ
る量子障壁層とが繰り返し積層されて成るMQW層16
と、例えば厚さ100nmのホウ素(B)ドープのp型
のGaNによる第2ガイド層17とがエピタキシャル成
長されて成る。
【0038】これら半導体層12〜19のエピタキシャ
ル成長は、前述した例えばMOCVD、MBE、HVP
E法によって連続的に形成することもできる。
【0039】その後、これら半導体層12〜19が積層
された積層半導体層を、例えば図2において紙面と直交
する方向にストライプ状に残してその1側、あるいは両
側にn型の第1コンタクト層13を露出させる溝20
を、例えばエッチングによって形成する。
【0040】一方、ストライプ状に残された積層半導体
層の、上層のp型のコンタクト層19に例えば厚さ0.
2μmのSiO2 による絶縁層23をCVD法等によっ
て形成し、これに、上記ストライプ方向に沿って延びる
コンタクト窓23Wを、例えばフォトリソグラフィによ
るパターンエッチングによって穿設する。そして、この
コンタクト窓23Wを通じて、第2電極22をオーミッ
クにコンタクトし、溝20の底部に露出された第1コン
タクト層13に、第1電極21をオーミックコンタクト
する。
【0041】第1電極21は、例えばTi、Pt、Au
を順次スパッタリング等によって被着し、第2電極は2
2は、例えばNi、Pt、Auを順次スパッタリング等
によって被着形成することができる。
【0042】上述のそれぞれホウ素(B)をドープした
各p型半導体層の第2ガイド層17、第2クラッド層1
8、第2コンタクト層19は、それぞれホウ素(B)の
添加量は、この窒化ガリウム系化合物半導体の使用目的
に応じてその原子濃度〔B〕を、1×1015cm-3
〔B〕≦2×1020cm-3の範囲で添加することによっ
てそれぞれの層においてアクセプタ濃度NA とドナー濃
度ND の差〔NA −ND〕が、5×1015cm-3≦〔N
A −ND 〕≦5×1019cm-3を得ることができた。こ
れにより、それぞれのp型半導体層において必要とする
キャリア濃度に対応してホウ素(B)の添加量の選定が
なされる。
【0043】尚、図2で説明した発光素子は、SCH−
MQW構造のレーザであるが、本発明は、この例に限ら
れるものではなく、活性層が単層量子井戸構造によると
か、あるいはDH(Double Hetero)構造によるとか、種
々の構成による半導体レーザ、発光ダイオード等に適用
することができる。
【0044】また、上述の基体1あるいは11上にエピ
タキシャル成長する各半導体層のエピタキシャル成長方
法としては、MOCVD、MBE、HVPEのみなら
ず、そのほか、周知の各種エピタキシャル成長方法、例
えばMOMBE、MEE(Migration Enhanced Epitax
y) 、LPE(Liquid Phase Epitaxy)、ALE(Atomic L
ayer Epitaxy)等種々のエピタキシャル成長法によっ
て、連続的に形成することもできるし、これら各成長方
法を組み合わせてエピタキシャル成長することができ
る。
【0045】
【発明の効果】上述したように、本発明においては、窒
化ガリウム系化合物半導体において、等原子価不純物で
あるホウ素(B)を添加することで、p型窒化ガリウム
系化合物半導体を得るものであり、このようにすること
によって、このホウ素(B)が、軽元素であるがため
に、浅いアクセプタ準位が形成される。したがって、従
来のMg等によるドーパントを用いる場合に比し、キャ
リア密度を高めることができ、低抵抗p型窒化ガリウム
系化合物半導体を構成することができる。
【0046】また、このホウ素(B)と共に、他の不純
物例えばMgやZn等のアクセプタ性不純物を添加する
ことにより、歪みの緩和がなされることにより、より低
抵抗化を図ることができる。
【0047】したがって、この本発明による窒化ガリウ
ム系化合物半導体によってp型層を構成した本発明によ
る発光半導体素子によれば、その直列抵抗の低減化を図
ることができることによって駆動電圧の低減化を図るこ
とができる。そして、p型のコンタクト層のキャリア密
度の向上によってp型側の電極(第2電極22)の良好
なオーミックコンタクトを行うことができ、此処におけ
る接触抵抗の低減化を図ることができ、駆動電圧の低減
化を図ることができる。また、p型クラッド層(第2ク
ラッド層18)の低抵抗化が図られることから、その組
成、InX AlY Ga1-X-Y N例えばAlY Ga1-Y
sにおけるAl組成Yを大きくすることが可能となり、
光閉じ込め効率を高めることができ、駆動電流の低減化
を図ることができる。上述したことから、消費電流の低
減化が図られ、また素子の発熱を減少させることができ
ることから、窒化ガリウム系化合物半導体素子、例えば
半導体レーザにおける長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による窒化ガリウム系化合物半導体の一
例を示す概略断面図である。
【図2】本発明による窒化ガリウム系化合物半導体発光
素子の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・基体、2・・・バッファ層、3・・・窒化ガリ
ウム系化合物半導体、11・・・基体、12・・・バッ
ファ層、13・・・第1コンタクト層、14・・・第1
クラッド層、15・・・第1ガイド層、16・・・MQ
W層、17・・・第2ガイド層、18・・・第2クラッ
ド層、19・・・第2コンタクト層、20・・・溝、2
1・・・第1電極、22・・・第2電極、23・・・絶
縁層、23W・・・コンタクト窓、30・・・活性層

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化ガリウム系化合物半導体(InX
    Y Ga1-X-Y N)(但し、0≦X,0≦Y,X+Y=
    1)であって、 アクセプタ不純物としてホウ素(B)を原子濃度〔B〕
    が、1×1015cm-3≦〔B〕≦2×1020cm-3をも
    って添加されてp型とされたことを特徴とする窒化ガリ
    ウム系化合物半導体。
  2. 【請求項2】 上記アクセプタ不純物として、上記ホウ
    素(B)と共に、他の不純物が添加されてp型とされた
    ことを特徴とする請求項1に記載の窒化ガリウム系化合
    物半導体。
  3. 【請求項3】 上記他の不純物が、マグネシウム(M
    g)、亜鉛(Zn)の少なくともいずれかを含むことを
    特徴とする請求項2に記載の窒化ガリウム系化合物半導
    体。
  4. 【請求項4】 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子で
    あって、 その窒化ガリウム系化合物半導体(InX AlY Ga
    1-X-Y N)(但し、0≦X,0≦Y,X+Y=1)によ
    るp型層の少なくとも1層が、アクセプタ不純物として
    ホウ素(B)を原子濃度〔B〕が、1×1015cm-3
    〔B〕≦2×10 20cm-3に添加されて成ることを特徴
    とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  5. 【請求項5】 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子で
    あって、 その窒化ガリウム系化合物半導体(InX AlY Ga
    1-X-Y N)(但し、0≦X,0≦Y,X+Y=1)によ
    るp型層の少なくとも1層が、アクセプタ濃度N A とド
    ナー濃度ND の差〔NA −ND 〕が、1×1015cm-3
    ≦〔NA −ND 〕≦5×1019cm-3に選定されて成る
    ことを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素
    子。
  6. 【請求項6】 上記アクセプタ不純物として、上記ホウ
    素(B)と共に、他の不純物が添加されてp型とされた
    ことを特徴とする請求項4に記載の窒化ガリウム系化合
    物半導体発光素子。
  7. 【請求項7】 上記他の不純物が、マグネシウム(M
    g)、亜鉛(Zn)の少なくともいずれかを含むことを
    特徴とする請求項4に記載の窒化ガリウム系化合物半導
    体発光素子。
  8. 【請求項8】 基体上に、窒化ガリウム系化合物半導体
    (InX AlY Ga1-X- Y N)(但し、0≦X,0≦
    Y,X+Y=1)を成膜する窒化ガリウム系化合物半導
    体の製造方法であって、 上記成膜にあたり、アクセプタ不純物としてホウ素
    (B)を、原子濃度〔B〕が、1×1015cm-3
    〔B〕≦2×1020cm-3となるように添加してp型の
    窒化ガリウム系化合物半導体を得ることを特徴とする窒
    化ガリウム系化合物半導体の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記p型不純物として、上記ホウ素
    (B)と共に、他の不純物を添加してp型の窒化ガリウ
    ム系化合物半導体を得ることを特徴とする請求項8に記
    載の窒化ガリウム系化合物半導体の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記他の不純物がマグネシウム(M
    g)、亜鉛(Zn)の少なくともいずれかを含むことを
    特徴とする請求項9に記載の窒化ガリウム系化合物半導
    体の製造方法。
  11. 【請求項11】 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子
    の製造方法であって、 その窒化ガリウム系化合物半導体(InX AlY Ga
    1-X-Y N)(但し、0≦X,0≦Y,X+Y=1)によ
    るp型層の少なくとも1層の成膜に当たり、 アクセプタ不純物としてホウ素(B)を、原子濃度
    〔B〕が、1×1015cm -3≦〔B〕≦2×1020cm
    -3となるように添加して成膜することを特徴とする窒化
    ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記アクセプタ不純物として、上記ホ
    ウ素(B)と共に、他の不純物を添加して上記p型層を
    成膜することを特徴とする請求項11に記載の窒化ガリ
    ウム系化合物半導体発光素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 上記他の不純物がマグネシウム(M
    g)、亜鉛(Zn)の少なくともいずれかを含むことを
    特徴とする請求項11に記載の窒化ガリウム系化合物半
    導体発光素子の製造方法。
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