JP2000164513A - 窒化物系iii−v族化合物半導体の成長方法および半導体素子の製造方法 - Google Patents

窒化物系iii−v族化合物半導体の成長方法および半導体素子の製造方法

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JP2000164513A
JP2000164513A JP33640498A JP33640498A JP2000164513A JP 2000164513 A JP2000164513 A JP 2000164513A JP 33640498 A JP33640498 A JP 33640498A JP 33640498 A JP33640498 A JP 33640498A JP 2000164513 A JP2000164513 A JP 2000164513A
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reaction tube
gas
iii
nitride
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Shigeki Hashimoto
茂樹 橋本
Katsunori Yanashima
克典 簗嶋
Yasunori Asazuma
庸紀 朝妻
Masao Ikeda
昌夫 池田
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成長に寄与する窒素原料種を増加させること
により、高い結晶性を有する窒化物系III−V族化合
物半導体を成長させることができる窒化物系III−V
族化合物半導体の成長方法を提供する。 【解決手段】 窒素の原料であるアンモニアガスを含む
原料ガスをキャリアガスと共に反応管3の内部に供給す
る。反応管3の内部における原料ガスの流れは基板14
の成長面に対して平行な方向となっており、反応管3の
内部における原料ガスの流速は2m/s以下となってい
る。流速が遅い分だけアンモニアは十分に加熱され、分
解効率が向上し、窒素原料種の基板14の成長面への供
給量が増加すると共に、成長中に窒化物系III−V族
化合物半導体から窒素が蒸発することを抑制できる。ま
た、反応管3の内部の圧力は加圧とすることが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒素を含むIII
−V族化合物半導体を有機金属化学気相成長(Metal Or
ganic Chemical Vapor Deposition ;MOCVD)法を
用いて成長させる窒化物系III−V族化合物半導体の
成長方法および半導体素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、窒化ガリウム(GaN)に代表さ
れる窒化物系III−V族化合物半導体は、緑色から青
色の可視領域、更には紫外領域までの発光を得ることが
できる発光素子を構成する材料として、また、高周波電
子素子あるいは耐環境電子素子などを構成する材料とし
て有望視されている。特に、この窒化物系III−V族
化合物半導体を用いた発光ダイオード(LED)が実用
化されて以来、窒化物系III−V族化合物半導体は大
きな注目を集めている。また、この窒化物系III−V
族化合物半導体を用いた半導体レーザ(LD)の実現も
報告されており、光ディスク装置の光源を初めとした応
用が期待されている。
【0003】このような窒化物系III−V族化合物半
導体は、通常、サファイア基板や炭化珪素(SiC)基
板の上に成長させることにより作製される。窒化物系I
II−V族化合物半導体を成長させる方法としては、M
OCVD法やMBE(Molecular Beam Epitaxy;分子線
エピタキシー)法などがある。中でも、MOCVD法は
高真空を必要としないため実用上有効であり、多用され
ている。
【0004】例えば、MOCVD法により窒化物系II
I−V族化合物半導体を成長させる場合には、MOCV
D装置の反応管内に、成長させる窒化物系III−V族
化合物半導体に応じて、ガリウム(Ga),アルミニウ
ム(Al),インジウム(In)あるいはホウ素(B)
などの原料である有機金属原料ガスを供給すると共に、
窒素の原料であるアンモニアガス(NH3 )を供給し、
反応管内に配置した基板の成長面に成長させていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、窒素の
原料として用いているアンモニアガスは分解効率が低
く、窒化物系III−V族化合物半導体の一般的な成長
温度である1000℃程度の高温下においても数%程度
分解されるのみである。よって、アンモニアが反応管内
において十分に加熱されない場合には分解率が更に低く
なり、アンモニアが十分に分解されていなかった。その
ため、窒化物系III−V族化合物半導体の飽和蒸気圧
が高いこととの相乗効果により、成長中に窒化物系II
I−V族化合物半導体から窒素が蒸発しやすく、窒化物
系III−V族化合物半導体は窒素が不足した状態とな
り、結晶性が低下してしまうという問題があった。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、成長に寄与する窒素原料種を増加さ
せることにより、高い結晶性を有する窒化物系III−
V族化合物半導体を成長させることができる窒化物系I
II−V族化合物半導体の成長方法およびそれを用いた
半導体素子の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による窒化物系I
II−V族化合物半導体の成長方法は、III族元素の
うちの少なくとも1種とV族元素のうちの少なくとも窒
素とを含む窒化物系III−V族化合物半導体を、有機
金属化学気相成長法により、反応管内において原料ガス
を供給し基板の成長面に成長させるものであって、反応
管内において原料ガスを基板の成長面に対して平行な方
向に2m/s以下の流速で供給するものである。
【0008】本発明による半導体素子の製造方法は、I
II族元素のうちの少なくとも1種とV族元素のうちの
少なくとも窒素とを含む窒化物系III−V族化合物半
導体層を備えた半導体素子を製造するものであって、有
機金属化学気相成長法により、反応管内において基板の
成長面に対して平行な方向に原料ガスを2m/s以下の
流速で供給し、基板の成長面に前記窒化物系III−V
族化合物半導体層を成長させる工程を含むものである。
【0009】本発明による窒化物系III−V族化合物
半導体の成長方法では、有機金属化学気相成長法によ
り、反応管内において原料ガスが基板の成長面に対して
平行な方向に2m/s以下の流速で供給され、基板の成
長面に窒化物系III−V族化合物半導体が成長する。
ここでは、原料ガスが2m/s以下の流速で供給されて
いるので、原料ガスが十分に加熱され、分解が促進され
る。
【0010】本発明による半導体素子の製造方法では、
窒化物系III−V族化合物半導体層が、本発明の窒化
物系III−V族化合物半導体の成長方法により形成さ
れる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本実施の形態について図面
を参照して詳細に説明する。
【0012】本発明の一実施の形態に係る窒化物系II
I−V族化合物半導体の成長方法は、例えば、III族
元素であるガリウム,アルミニウム,インジウムおよび
ホウ素からなる群のうちの少なくとも1種と、V族元素
である窒素,ヒ素(As)およびリン(P)からなる群
のうちの少なくとも窒素とを含む窒化物系III−V族
化合物半導体を成長させるものである。例えば、このよ
うな窒化物系III−V族化合物半導体としては、Ga
N,AlN,InN,AlGaN混晶,GaInN混晶
あるいはAlGaInN混晶がある。また、この窒化物
系III−V族化合物半導体は、必要に応じて、ケイ素
(Si)などのn型不純物またはマグネシウム(Mg)
などのp型不純物を含む場合もある。
【0013】図1は本発明の一本実施の形態に係る窒化
物系III−V族化合物半導体の成長方法に用いるMO
CVD装置の概略構成を表すものである。図2は図1に
示したMOCVD装置の一部を拡大して表している。
【0014】このMOCVD装置は、図1に示したよう
に、ガス供給管1とガス排気管2とが接続された反応管
3を備えている。ガス供給管1には、V族元素およびn
型不純物であるケイ素の原料としてそれらの元素を含む
気体原料を供給する気体原料供給部4がバルブ5aを介
して接続されており、気体原料の供給量はマスフローコ
ントローラ6により制御されるようになっている。
【0015】ガス供給管1には、また、III族元素お
よびp型不純物であるマグネシウムの原料としてそれら
の元素を含む有機金属原料ガスを供給する有機金属原料
ガス供給部7がバルブ8aを介して接続されている。こ
の有機金属原料ガス供給部7にはキャリアガス供給部9
がマスフローコントローラ10を介して接続されてお
り、水素ガス(H2 )などのキャリアガスの流量によ
り、有機金属原料ガスの供給量が制御されるようになっ
ている。キャリアガス供給部9は、また、マスフローコ
ントローラ11を介して直接ガス供給管1にも接続され
ている。すなわち、反応管3には、キャリアガスと共
に、必要に応じて選択された気体原料と有機金属原料ガ
スとが原料ガスとして供給されるようになっている。
【0016】ガス排気管2には、排ガス処理装置12が
接続されている。この排ガス処理装置12には、ガス送
出管13およびバルブ5b,8bを介して気体ガス供給
部4および有機金属原料ガス供給部7がそれぞれ接続さ
れており、不要となった気体ガスおよび有機金属原料ガ
スを排気できるようになっている。
【0017】反応管3は、石英ガラスなどの十分な強度
を有しかつ熱的に安定な材料により構成されている。反
応管3の厚さは、反応管3の内部の圧力が2気圧になっ
ても外圧(すなわち大気圧)との圧力差に耐えることが
できるように、十分厚くなっている。また、図2に示し
たように、反応管3の内部には、窒化物系III−V族
化合物半導体を成長させる基板14を載置する例えばグ
ラファイト製のサセプタ15が配設されている。反応管
3の外部には、RF(Radio Frequency )コイル16が
反応管3を取り囲むように配設されており、このRFコ
イル16による誘導加熱によりサセプタ15を加熱し、
それにより基板14および反応管3の内部に供給された
原料ガスを加熱するようになっている。
【0018】反応管3の一端部には圧力調整装置17を
介してガス供給管1と接続されたガス導入部3aが設け
られ、他端部には圧力調整装置18を介してガス排気管
2と接続されたガス排気部3bが設けられている。これ
らガス導入部3aとガス排気部3bはサセプタ15を介
してほぼ対向して位置しており、ガス導入部3aから反
応管3の内部に導入された原料ガスは、矢印で示したよ
うに、ガス排気部3bに向かってサセプタ15の載置面
および基板14の成長面に対して平行に流れるようにな
っている。
【0019】圧力調整装置17は、反応管3の内部の圧
力を所定の値に保つためのものであり、例えば、レギュ
レータ、バルブと圧力センサとの組み合わせにより圧力
を制御するいわゆる圧力コントローラ、ガスの流量を制
御することにより圧力を間接的に制御することが可能な
マスフローコントローラ、ニードル弁あるいはピエゾバ
ルブにより構成される。圧力調整装置18は、ガスが通
過する領域の断面積を調節してガスの流れにくさを制御
することにより反応管3の内部の圧力を高く保つと共
に、サセプタ15に載置された基板14の近傍における
圧力の安定化を図るものである。この圧力調整装置18
は、例えば、ニードル弁、バタフライ弁、ピエゾバル
ブ、サーマルバルブ、あるいは電磁弁により構成され
る。
【0020】なお、このMOCVD装置では、圧力調整
装置17,18および原料ガス(すなわち気体原料およ
び有機金属原料ガス)とキャリアガスとの流量をそれぞ
れ調節することにより、反応管3の内部における原料ガ
スの流速および内部の圧力をそれぞれ制御するようにな
っている。
【0021】本実施の形態では、このようなMOCVD
装置を用い、次のようにして窒化物系III−V族化合
物半導体を成長させる。
【0022】まず、原料として、成長させる窒化物系I
II−V族化合物半導体のIII族元素に対応した有機
金属と、V族元素に対応した気体ガスとをそれぞれ用意
する。例えば、ガリウムの原料としてはトリメチルガリ
ウム((CH3 3 Ga)を、アルミニウムの原料とし
てはトリメチルアルミニウム((CH3 3 Al)を、
インジウムの原料としてはトリメチルインジウム((C
3 3 In)を、ホウ素の原料としてはトリエチルボ
ロン((C2 5 3 B)をそれぞれ用いる。また、窒
素の原料としてはアンモニアを、ヒ素の原料としてはア
ルシン(AsH3 )を、リンの原料としてはホスフィン
(PH3 )をそれぞれ用いる。
【0023】更に、例えば、n型不純物としてケイ素を
添加する場合にはシランを用意し、p型不純物としてマ
グネシウムを添加する場合にはビス=シクロペンタジエ
ニルマグネシウム((C5 5 2 Mg)を用意する。
【0024】次いで、例えばc面サファイアあるいは炭
化珪素よりなる基板14をサセプタ15の載置面に載置
し、RFコイル16により基板14を成長温度に加熱す
る。その際、GaNあるいはAlGaN混晶などのイン
ジウムを含まないものを成長させる場合には成長温度を
1000℃程度とし、GaInN混晶などのインジウム
を含むものを成長させる場合にはInNの分解を抑制す
るために成長温度を700〜800℃とする。
【0025】なお、基板14にc面サファイアのものを
用いる場合には、通常、基板14の上に560℃程度の
低温でGaNよりなるバッファ層を成長させてから窒化
物系III−V族化合物半導体の成長を行う。
【0026】続いて、反応管3の内部に、アンモニアガ
スを含む気体原料および有機金属原料ガスを原料ガスと
して、水素ガスなどのキャリアガスと共に供給する。そ
の際、原料ガスおよびキャリアガスの流量と圧力調整装
置17,18とをそれぞれ調節し、反応管3の内部にお
ける原料ガスおよびキャリアガスの流速を2m/s以下
0.4m/s以上の範囲内、例えば1.2m/sに設定
する。また、反応管3の内部の圧力を1気圧以上2気圧
以下の範囲内、例えば1.2気圧に設定する。
【0027】このように反応管3の内部における原料ガ
スの流速を2m/s以下とするのは、原料ガスがサセプ
タ15または基板14により十分加熱されるように流速
を遅くし、アンモニアの熱分解を促進させるためであ
る。また、流速を0.4m/s以上とするのは、原料ガ
スの熱対流に打ち勝って、効率的に基板14の成長表面
へ原料ガスを供給するためである。すなわち、原料ガス
の流速が遅くなると、サセプタ15によって加熱された
原料ガスには基板14に対して垂直な方向に大きな温度
勾配が存在するため、原料ガスの熱対流が顕著となり、
原料ガスが基板14に効率的に供給されなくなるからで
ある。
【0028】更に、反応管3の内部の圧力を1気圧以上
とするのは、基板14に対してより多くの窒素原料種を
供給すると共に、成長中の窒化物系III−V族化合物
半導体から窒素が蒸発することを抑制するためである。
加えて、圧力を2気圧以下とするのは、2気圧を超える
と加圧することによる効果が飽和すると共に、現実的で
安全な圧力としては2気圧が上限であると考えられるか
らである。
【0029】これにより反応管3の内部に供給された原
料ガスは、反応管3の内部において熱分解され、基板1
4の成長面に窒化物系III−V族化合物半導体が成長
する。ここでは、上述したように、原料ガスの反応管3
の内部における流速が2m/s以下と遅くなっているの
で、アンモニアガスが十分に加熱され、分解効率が向上
し、基板14の成長面に供給される窒素原料種が増加す
ると共に、成長中の窒化物系III−V族化合物半導体
から窒素が蒸発することが抑制される。また、反応管3
の内部の圧力が1気圧以上となっているので、常圧また
は減圧の場合に比べて基板14に供給される窒素原料種
が増加すると共に、成長中の窒化物系III−V族化合
物半導体から窒素が蒸発することが抑制される。よっ
て、窒素不足が改善され結晶性が向上した窒化物系II
I−V族化合物半導体が得られる。
【0030】ここで、この成長方法により得られる効果
について、具体的な実験例に基づき更に説明する。
【0031】ここでは、n型不純物としてケイ素を添加
したn型GaNを、反応管3の内部における原料ガスの
流速を種々変化させて成長させた。その際、反応管3の
内部の圧力はいずれも1.4気圧とし、成長温度は10
00℃とした。このようにして得られた各n型GaNの
結晶層について、X線回折およびフォトルミネッセンス
による発光強度の測定をそれぞれ行った。なお、発光強
度の測定では、励起光として発光波長325nmのHe
−Cdレーザを用いた。
【0032】図3は、反応管3の内部における原料ガス
の流速とX線回折によるロッキングカーブの半値幅との
関係を表すものである。図3に示したように、原料ガス
の流速を2m/s以下とするとロッキングカーブの半値
幅が小さくなることが分かった。すなわち、原料ガスの
流速を2m/s以下とすれば結晶方位の揺らぎが少ない
良好な結晶が得られることが分かった。
【0033】図4は、反応管3の内部における原料ガス
の流速とフォトルミネッセンスの発光強度との関係を表
すものである。図4に示したように、原料ガスの流速が
2m/s以下とするとフォトルミネッセンスの発光強度
が大きくなり、流速を遅くするほど増大する傾向にある
が、1.0m/s付近を過ぎると逆に減少しはじめ、
0.4m/sよりも遅い流速では十分な発光強度が得ら
れないことが分かった。すなわち、原料ガスの流速を2
m/s以下0.4m/s以上とすれば、結晶欠陥などに
起因する電子と正孔とが再結合しても発光しない非発光
再結合の割合が低下し、結晶性が向上することが分かっ
た。
【0034】以上の実験結果より、反応管3の内部にお
ける原料ガスの流速を2m/s以下にすれば、流速が遅
い分だけサセプタ15または基板14により原料ガスが
加熱される時間が長くなり、その結果、アンモニアが十
分に加熱されて分解効率が向上し、窒素原料種が増加し
て結晶性が向上することが分かった。
【0035】このように、本実施の形態によれば、反応
管3の内部において原料ガスを基板14の成長面に対し
て平行な方向に2m/s以下の流速で供給するようにし
たので、窒素の原料であるアンモニアガスを十分に加熱
することができ、分解効率を高めることができる。よっ
て、成長に寄与する窒素原料種を増加させることがで
き、基板14の成長面への供給量を多くできると共に、
成長中の窒化物系III−V族化合物半導体から窒素が
蒸発することを抑制できる。従って、結晶性を向上させ
ることができる。
【0036】また、反応管3の内部の圧力を1気圧以上
とするようにしたので、反応管3の内部を常圧または減
圧状態にして成長を行う場合に比べて多くの窒素原料種
を基板14の成長面に供給することができると共に、成
長中の窒化物系III−V族化合物半導体から窒素が蒸
発することを抑制できる。よって、更に結晶性を向上さ
せることができる。
【0037】なお、本実施の形態に係る窒化物系III
−V族化合物半導体の成長方法は、次のように半導体素
子の製造方法において用いられる。
【0038】図5は本実施の形態に係る成長方法を用い
て製造する半導体素子である半導体レーザの構成を表す
ものである。まず、窒素の原料であるアンモニア、II
I族元素の原料である有機金属、n型不純物として添加
するケイ素の原料であるシランおよびp型不純物として
添加するマグネシウムの原料である有機金属をそれぞれ
上述したように用意する。次いで、例えばc面サファイ
アよりなる基板21を用意し、サセプタ15の載置面に
載置する。
【0039】続いて、反応管3の内部に原料ガスをキャ
リアガスと共に選択的に供給して、基板21の成長面に
GaNよりなるバッファ層22を成長させる。その際、
基板21の温度は560℃程度とし、反応管3の内部に
おける原料ガスの流速は2m/s以下0.4m/s以上
の範囲内、例えば1.2m/sと、反応管3の内部の圧
力は1気圧以上2気圧以下の範囲内、例えば1.2気圧
とする。
【0040】バッファ層22を成長させたのち、バッフ
ァ層22の上に、窒化物系III−V族化合物半導体層
である各層をそれぞれ成長させる。すなわち、反応管3
の内部に原料ガスをキャリアガスと共に選択的に供給し
て、ケイ素を添加したn型GaNよりなるn型コンタク
ト層23,ケイ素を添加したn型AlGaNよりなるn
型クラッド層24,ケイ素を添加したn型GaNよりな
るn型ガイド層25,組成の異なるGaInN層を積層
した多重量子井戸構造を有する活性層26,マグネシウ
ムを添加したp型GaNよりなるp型ガイド層27,マ
グネシウムを添加したp型AlGaNよりなるp型クラ
ッド層28およびマグネシウムを添加したp型GaNよ
りなるp型コンタクト層29を順次成長させる。
【0041】なお、その際、基板21の温度は活性層2
6を成長させる場合には700〜800℃とし、活性層
26以外の各層を成長させる場合には1000℃とす
る。また、反応管3の内部における原料ガスの流速は2
m/s以下0.4m/s以上の範囲内、例えば1.2m
/sとし、反応管3の内部の圧力は1気圧以上2気圧以
下の範囲内、例えば1.2気圧とする。すなわち、反応
管3の内部における原料ガスの流速を遅くすることによ
り、アンモニアの分解効率を向上させ、窒素原料種を増
加させるようにする。また、反応管3の内部を加圧とす
ることによっても窒素原料種を増加させるようにする。
【0042】n型コンタクト層23からp型コンタクト
層29までを成長させたのち、p型ガイド層27,p型
クラッド層28およびp型コンタクト層29に導入した
p型不純物を活性化させるために、熱処理を行う。熱処
理を行ったのち、p型コンタクト層29の上に、n側電
極30の形成位置に対応してストライプ形状のレジスト
パターンを形成する。そののち、このレジストパターン
をマスクとして反応性イオンエッチング(Reactive Ion
Etching;RIE)法により、p型コンタクト層29,
p型クラッド層28,p型ガイド層27,活性層26,
n型ガイド層25,n型クラッド層24を順次選択的に
除去し、n型コンタクト層23を露出させる。
【0043】n型コンタクト層23を露出させたのち、
レジストパターンを除去し、p型コンタクト層29の上
に、例えば、ニッケル(Ni)層,白金(Pt)層およ
び金(Au)層を順次蒸着し、p側電極30を形成す
る。また、露出させたn型コンタクト層23の上に、例
えば、チタン(Ti)層,アルミニウム層,白金層およ
び金層を順次蒸着してn側電極31を形成する。そのの
ち、加熱処理を行いp側電極30およびn側電極31を
それぞれ合金化する。これにより、図5に示した半導体
レーザを完成させる。
【0044】このように、この半導体素子の製造方法に
よれば、本実施の形態に係る窒化物系III−V族化合
物半導体の成長方法を用いるようにしたので、n型コン
タクト層23,n型クラッド層24,n型ガイド層2
5,活性層26,p型ガイド層27,p型クラッド層2
8およびp型コンタクト層29の結晶性を向上させるこ
とができる。よって、結晶欠陥などに起因する電子と正
孔とが再結合しても発光しない非発光再結合の割合を低
くすることができ、発光効率を向上させることができ
る。
【0045】以上、実施の形態を挙げて本発明を説明し
たが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではな
く、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態にお
いては、反応管3の内部において原料ガスを基板14の
成長面に対して平行な方向に流すようにしたが、原料ガ
スの流れの方向は、基板14の成長面に対して実質的に
平行であればよい。
【0046】また、上記実施の形態においては、反応管
3の内部を加圧とするようにしたが、常圧下および減圧
下においても、反応管3の内部における原料ガスの流量
を2m/s以下とすれば、本発明の効果を得ることがで
きる。但し、上記実施の形態においても説明したよう
に、加圧とした方がより高い効果が得られるので好まし
い。
【0047】更に、上記実施の形態においては、窒化物
系III−V族化合物半導体のうちのGaNについての
み具体的な実験例を挙げて本発明の効果を説明したが、
他の窒化物系III−V族化合物半導体についてもそれ
と同様の効果を得ることができる。
【0048】加えて、上記実施の形態においては、MO
CVD装置について具体的な一例を挙げて説明したが、
本発明には、他の構成を有するMOCVD装置を用いる
こともできる。例えば、上記実施の形態においては、反
応管3の内部に基板14の成長面を上向きに配置するよ
うにしたが、基板14の成長面を下向きに配置するよう
にしてもよい。また、上記実施の形態においては、RF
コイル16によりサセプタ15を加熱し、それにより基
板1を加熱するようにしたが、ヒータにより基板1を加
熱するなど、他の方法により基板を加熱するようにして
もよい。更に、反応管3の外周を、石英ガラスあるいは
ステンレス鋼などにより形成された容器により覆うよう
にしてもよい。
【0049】更にまた、上記実施の形態においては、半
導体素子の一例として具体的な半導体レーザを挙げてそ
の製造方法を説明したが、本発明は、他の構成を有する
半導体レーザを製造する場合にも同様に適用することが
できる。また、本発明は発光ダイオードなどの他の半導
体発光素子を製造する場合、およびトランジスタなどの
半導体発光素子以外の半導体素子を製造する場合にも広
く適用することができる。すなわち、本発明は、窒化物
系III−V族化合物半導体層を備えた半導体素子を製
造する際に広く適用することができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし請求
項4のいずれか1項に記載の窒化物系III−V族化合
物半導体の成長方法によれば、反応管内において原料ガ
スを基板の成長面に対して平行な方向に2m/s以下の
流速で供給するようにしたので、原料ガスを十分に加熱
することができ、分解効率を向上させることができる。
よって、成長に寄与する窒素原料種を増加させることが
でき、基板の成長面への供給量を多くできると共に、成
長中の窒化物系III−V族化合物半導体から窒素が蒸
発することを抑制できる。従って、窒化物系III−V
族化合物半導体の結晶性を向上させることができるとい
う効果を奏する。
【0051】特に、請求項3記載の窒化物系III−V
族化合物半導体の成長方法によれば、反応管内の圧力を
1気圧より高くするようにしたので、反応管内を常圧ま
たは減圧状態にして成長を行う場合に比べて多くの窒素
原料種を基板の成長面に供給することができると共に、
成長中の窒化物系III−V族化合物半導体から窒素が
蒸発することを抑制できる。の成長中に、成長層から窒
素が蒸発することを抑制することができる。よって、更
に結晶性を向上させることができるという効果を奏す
る。
【0052】また、請求項5記載の半導体素子の製造方
法によれば、本発明の窒化物系III−V族化合物半導
体の成長方法を用いるようにしたので、窒化物系III
−V族化合物半導体層の結晶性を向上させることがで
き、半導体素子の性能を向上させることができるという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る窒化物系III−
V族化合物半導体の成長方法に用いるMOCVD装置の
概略を表す構成図である。
【図2】図1に示したMOCVD装置の一部を拡大して
表す部分断面図である。
【図3】反応管内における原料ガスの流速とX線回折ロ
ッキングカーブの半値幅との関係を示す特性図である。
【図4】反応管内における原料ガスの流速とフォトルミ
ネッセンスの発光強度との関係を示す特性図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る窒化物系III−
V族化合物半導体の成長方法を用いて作製する半導体レ
ーザの構成を表す断面図である。
【符号の説明】
1…ガス供給管、2…ガス排気管、3…反応管、3a…
ガス導入部、3b…ガス排気部、4…気体原料供給部、
5a,5b,8a,8b…バルブ、6,10,11…マ
スフローコントローラ、7…有機金属原料ガス供給部、
9…キャリアガス供給部、12…排ガス処理装置、13
…ガス送出管、14…基板、15…サセプタ、16…R
Fコイル、17,18…圧力調整装置、21…基板、2
2…バッファ層、23…n型コンタクト層、24…n型
クラッド層、25…n型ガイド層、26…活性層、27
…p型ガイド層、28…p型コンタクト層、29…p型
クラッド層、30…p側電極、31…n側電極
フロントページの続き (72)発明者 朝妻 庸紀 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 池田 昌夫 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 4G077 AA03 BE11 DB02 DB08 DB11 EA04 HA02 TA04 TA07 TB05 TC01 TC09 TG04 TK11 5F041 CA04 CA14 CA22 CA34 CA40 CA46 CA65 CA82 CB03 CB13 5F045 AA04 AB09 AB14 AB17 AB18 AC01 AC08 AC09 AC12 AD11 AD12 AD14 AE30 AF02 AF09 AF13 BB12 CA12 CB02 DA55 DP04 DQ06 EE20 EK02 5F073 AA45 AA74 CA07 CB05 CB22 DA05 DA25

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 III族元素のうちの少なくとも1種と
    V族元素のうちの少なくとも窒素(N)とを含む窒化物
    系III−V族化合物半導体を、有機金属化学気相成長
    法により、反応管内において原料ガスを供給し基板の成
    長面に成長させる窒化物系III−V族化合物半導体の
    成長方法であって、 反応管内において原料ガスを基板の成長面に対して平行
    な方向に2m/s以下の流速で供給することを特徴とす
    る窒化物系III−V族化合物半導体の成長方法。
  2. 【請求項2】 反応管内における原料ガスの流速を0.
    4m/s以上とすることを特徴とする請求項1記載の窒
    化物系III−V族化合物半導体の成長方法。
  3. 【請求項3】 反応管内の圧力を1気圧より高くするこ
    とを特徴とする請求項1記載の窒化物系III−V族化
    合物半導体の成長方法。
  4. 【請求項4】 窒素の原料ガスとしてアンモニアガスを
    用いることを特徴とする請求項1記載の窒化物系III
    −V族化合物半導体の成長方法。
  5. 【請求項5】 III族元素のうちの少なくとも1種と
    V族元素のうちの少なくとも窒素(N)とを含む窒化物
    系III−V族化合物半導体層を備えた半導体素子の製
    造方法であって、 有機金属化学気相成長法により、反応管内において基板
    の成長面に対して平行な方向に原料ガスを2m/s以下
    の流速で供給し、基板の成長面に前記窒化物系III−
    V族化合物半導体層を成長させる工程を含むことを特徴
    とする半導体素子の製造方法。
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