JP2000162795A - 電子写真用感光体およびその製造方法 - Google Patents

電子写真用感光体およびその製造方法

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JP2000162795A
JP2000162795A JP10334732A JP33473298A JP2000162795A JP 2000162795 A JP2000162795 A JP 2000162795A JP 10334732 A JP10334732 A JP 10334732A JP 33473298 A JP33473298 A JP 33473298A JP 2000162795 A JP2000162795 A JP 2000162795A
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titanyloxyphthalocyanine
methylphenol
butyl
tert
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Kazumi Egota
和巳 江後田
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 添加剤を加えたチタニルオキシフタロシアニ
ンまたは無金属フタロシアニンを感光材料として用いた
電子写真用感光体において、電子写真特性、特に繰り返
し使用時の帯電特性に優れた電子写真用感光体とその製
造方法とを提供する。 【解決手段】 導電性基体上に感光層を有し、該感光層
が光導電材料として少なくともチタニルオキシフタロシ
アニンを含有する電子写真用感光体において、前記チタ
ニルオキシフタロシアニンを含有する層に、2,6−ジ
−tert−ブチル−4−メチルフェノールが添加され
ており、その含有量が、該チタニルオキシフタロシアニ
ン1molに対して0.1mmol以上10mmol以
下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真方式のプリ
ンター、複写機、ファクシミリ等に用いられる電子写真
用感光体およびその製造方法に関し、詳しくは、感光層
における光導電材料の改良により優れた安定性を有する
電子写真用感光体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真用感光体(以下単に「感光体」
とも称する)には暗所で表面電荷を保持する機能、光を
受容して電荷を発生する機能、同じく光を受容して電荷
を輸送する機能が要求され、一つの層でこれらの機能を
併せ持ったいわゆる単層型感光体と、主として電荷発生
に寄与する層と暗所での表面電荷の保持および光受容時
の電荷輸送に寄与する層とに機能分離した層を積層した
いわゆる積層型感光体がある。
【0003】これらの電子写真用感光体を用いた電子写
真法による画像形成には、例えば、カールソン方式が適
用される。この方式での画像形成は暗所での感光体への
コロナ放電による帯電、帯電された感光体表面上への原
稿の文字や絵等の静電潜像の形成、形成された静電潜像
のトナーによる現像、現像されたトナー像の紙等の支持
体への転写定着により行われ、トナー像転写後の感光体
は除電、残留トナーの除去、光除電等を行った後、再使
用に供される。
【0004】従来より、上述の電子写真用感光体の感光
材料としてはセレン、セレン合金、酸化亜鉛または硫化
カドミウム等の無機光導電性物質を樹脂結着剤中に分散
させたものの他に、ポリ−N−ビニルカルバゾール、
9,10−アントラセンジオールポリエステル、ヒドラ
ゾン、スチルベン、ブタジエン、ベンジジン、フタロシ
アニン化合物またはビスアゾ化合物等の有機光導電性物
質を樹脂結着剤中に分散させたもの、あるいは真空蒸着
または昇華させたもの等が用いられている。
【0005】一方、かかる有機光導電性物質のうち、チ
タニルオキシフタロシアニンについて、種々の検討がな
されてきている。特に、添加剤を加えることにより安定
性を向上させたものとして、2つのヒドロキシル基が互
いに非隣接位にある炭素原子に結合した炭素数3〜12
のアルキルジオール化合物を、X線のブラッグ角(2θ
±0.2°)において27.2°に最大ピークを有する
チタニルオキシフタロシアニンに添加させたものが特開
平5−313389号公報に記載がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、添加剤
を加えたチタニルオキシフタロシアニンを電子写真用感
光体の感光材料として用いることは公知であり、種々検
討されてきているが、繰り返し使用時の帯電特性及び感
度特性に関係する物質が必ずしも明確になっていないの
が現状であった。即ち、添加剤を加えたチタニルオキシ
フタロシアニンの種々の検討例が提示されてきてはいる
が、当該添加剤と電子写真特性、特に繰り返し使用時の
帯電特性との関係が必ずしも明確ではなかった。
【0007】そこで本発明の目的は、添加剤を加えたチ
タニルオキシフタロシアニンまたは無金属フタロシアニ
ンを感光材料として用いた電子写真用感光体において、
電子写真特性、特に繰り返し使用時の帯電特性に優れた
電子写真用感光体とその製造方法とを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、感光層においてチタニ
ルオキシフタロシアニンまたは無金属フタロシアニンを
含有する層に、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メ
チルフェノールを添加し、その含有量を特定範囲内にし
たところ、繰り返し使用時の帯電特性が大幅に向上する
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明の電子写真用感光体は、導電
性基体上に感光層を有し、該感光層が光導電材料として
少なくともチタニルオキシフタロシアニンを含有する電
子写真用感光体において、前記チタニルオキシフタロシ
アニンを含有する層に、2,6−ジ−tert−ブチル
−4−メチルフェノールが添加されており、その含有量
が、該チタニルオキシフタロシアニン1molに対して
0.1mmol以上10mmol以下であることを特徴
とするものである。
【0010】本発明の電子写真用感光体の製造方法は、
導電性基体上に感光層用の塗布液を塗布する工程を含む
前記電子写真用感光体の製造方法において、前記塗布液
がチタニルオキシフタロシアニンと2,6−ジ−ter
t−ブチル−4−メチルフェノールとを含有し、該2,
6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールの含
有量が、該チタニルオキシフタロシアニン1molに対
して0.1mmol以上10mmol以下であることを
特徴とするものである。
【0011】また、本発明の他の電子写真用感光体は、
導電性基体上に感光層を有し、該感光層が光導電材料と
して少なくとも無金属フタロシアニンを含有する電子写
真用感光体において、前記無金属フタロシアニンを含有
する層に、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル
フェノールが添加されており、その含有量が、該無金属
フタロシアニン1molに対して0.1mmol以上1
0mmol以下であることを特徴とするものである。
【0012】本発明の他の電子写真用感光体の製造方法
は、導電性基体上に感光層用の塗布液を塗布する工程を
含む前記電子写真用感光体の製造方法において、前記塗
布液が無金属フタロシアニンと2,6−ジ−tert−
ブチル−4−メチルフェノールとを含有し、該2,6−
ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールの含有量
が、該無金属フタロシアニン1molに対して0.1m
mol以上10mmol以下であることを特徴とするも
のである。
【0013】なお、本発明の電子写真用感光体における
前記感光層は、単層型および積層型の双方を含むもので
あり、いずれかに限定されるものではない。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の感光体の具体的構
成を図面に基づいて説明する。電子写真用感光体には、
いわゆる負帯電機能分離積層型感光体、正帯電機能分離
積層型感光体、または正帯電単層型感光体等がある。図
1は、これらの代表的な電子写真用感光体の概念的断面
図であり、(a)は機能分離積層型電子写真用感光体、
(b)は単層型電子写真用感光体である。
【0015】機能分離積層型感光体では、導電性基体1
上に、下引層2と、電荷発生機能を備えた電荷発生層3
及び電荷輸送機能を備えた電荷輸送層4からなる感光層
5とが、順次積層されている。また、単層型電子写真用
感光体では、導電性基体1上に、下引層2と、電荷発生
及び電荷輸送の機能を兼ね備えた感光層5とが順次積層
されている。いずれの層構成においても下引層2は必ず
しも必要ではなく、また最表層には保護層を設けてもよ
い。
【0016】以下に、負帯電機能分離積層型感光体を例
にとり具体的に説明するが、チタニルオキシフタロシア
ニンまたは無金属フタロシアニンに関する以外の、感光
体の形成または製造等のための成分および方法等は、公
知の物質および方法から適宜好適なものを選択すること
ができる。
【0017】導電性基体1は感光体の電極としての役目
と同時に他の各層の支持体としての役目も持っており、
円筒状、板状、フィルム状のいずれでもよく、材質的に
はアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル等の金属、あ
るいはガラス、樹脂等の上に導電処理を施したものでも
よい。
【0018】下引層2には、アルコール可溶ポリアミ
ド、アルコール可溶芳香族ポリアミド、熱硬化型ウレタ
ン樹脂等を用いることができる。アルコール可溶ポリア
ミドとしては、ナイロン6、ナイロン8、ナイロン1
2、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612等
の共重合化合物や、N−アルキル変性またはN−アルコ
キシアルキル変性ナイロン等が好ましい。これらの具体
的な化合物として、アラミンCM8000(東レ(株)
製、6/66/610/12共重合ナイロン)、ダイア
ミドT−171(ダイセル−ヒュルス(株)製、ナイロ
ン12主体共重合ナイロン)等を挙げることができる。
【0019】更に、下引層にはTiO、アルミナ、炭
酸カルシウム、シリカ等の無機微粉末を添加することが
できる。
【0020】電荷発生層3は有機光導電性物質を真空蒸
着するか、または有機光導電性物質の粒子を樹脂結着剤
中に分散させた材料を塗布して形成され、光を受容して
電荷を発生する。電荷発生層3は、その電荷発生効率が
高いことと同時に発生した電荷の電荷輸送層4への注入
性が重要であり、電場依存性が少なく低電場でも注入の
良いことが望ましい。
【0021】本発明においては、電荷発生物質として少
なくともチタニルオキシフタロシアニンまたは無金属フ
タロシアニンが、また添加剤として少なくとも2,6−
ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールが含まれ
ている必要があるが、他の電荷発生物質、例えば各種ア
ゾ、キノン、インジゴ、シアニン、スクアリリウム、ア
ズレニウム化合物等の顔料や染料を併用することもでき
る。また、本発明においては、かかる2,6−ジ−te
rt−ブチル−4−メチルフェノールの含有量は、チタ
ニルオキシフタロシアニンまたは無金属フタロシアニン
1molに対して0.1mmol以上10mmol以
下、好ましくは0.2mmol以上5mmol以下とす
る。このようにすることで繰り返し使用時の帯電特性が
大幅に向上する作用は必ずしも明確ではないが、2,6
−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールの持つ
酸化防止剤としての機能が作用するのではないかと考え
られる。
【0022】本発明で使用し得るチタニルオキシフタロ
シアニンは以下の実施例において述べる手順で合成する
ことができるほか、特開平第3−35245号公報に開
示された方法等も適用できる。
【0023】チタニルオキシフタロシアニンは、感度が
良好であるとの見地から、チタニルオキシフタロシアニ
ンと2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノ
ールとの混合物のX線回折スペクトルのブラッグ角(2
θ±0.2°)において、9.6°に最大ピークを有す
る回折ピークを有するものが好ましく(図2)、より好
ましくは前記X線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±
0.2°)において、少なくとも9.6°、14.2
°、14.7°、18.0°、24.0°および27.
2°に回折ピークを有し、かつ9.6°に最大ピークを
有するものである(図4)(以後「9.6°に最大ピー
クを有する回折ピーク群」と略称する)。
【0024】また、チタニルオキシフタロシアニンと
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール
との混合物のX線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±
0.2°)において、27.2°に最大ピークを有する
ものも好ましい(図3)。
【0025】一方、本発明で使用する2,6−ジ−te
rt−ブチル−4−メチルフェノールは、市販品を用い
ることができる。
【0026】電荷発生層3は電荷輸送層4が積層される
ため、その膜厚は電荷発生物質の光吸収係数より決ま
り、一般的には5μm以下であり、好適には1μm以下
である。電荷発生層3は電荷発生物質を主体としてこれ
に電荷輸送物質等を添加して使用することも可能であ
る。電荷発生層用の樹脂結着剤としては、ポリカーボネ
ート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、エポ
キシ、ポリビニルブチラール、フェノキシ、シリコー
ン、メタクリル酸エステル、塩化ビニル、ケタール、酢
酸ビニル等の重合体および共重合体、およびこれらのハ
ロゲン化物、シアノエチル化合物等を適宜組み合わせて
使用することが可能である。なお、電荷発生物質の使用
量は、かかる樹脂結着剤100重量部に対し、10〜5
000重量部、好ましくは50〜1000重量部であ
る。
【0027】電荷輸送層4は、樹脂結着剤中に電荷輸送
物質、例えば、各種ヒドラゾン系化合物、スチリル系化
合物、アミン系化合物およびこれらの誘導体の単独また
は組み合わせたものを分散させた材料からなる塗布膜で
あり、暗所では絶縁体層として感光体の電荷を保持し、
光受容時には電荷発生層から注入される電荷を輸送する
機能を有する。電荷輸送層用の樹脂結着剤としては、ポ
リカーボネート、ポリエステル、ポリスチレンメタクレ
ン酸エステルの重合体および共重合体等が用いられる
が、機械的、化学的および電気的安定性、密着性等のほ
かに電荷輸送物質との相溶性が重要である。電荷輸送物
質の使用量は、樹脂結着剤100重量部に対し、20〜
500重量部、好ましくは30〜300重量部である。
電荷輸送層の膜厚は実用的に有効な表面電位を維持する
ためには3〜50μmの範囲が好ましく、より好適には
15〜40μmである。
【0028】また、前述の混合および分散された各種塗
布液の塗布方法としては、浸漬塗布法、噴霧塗布法等を
適用することが可能であり、本発明の製造方法における
塗布液の塗布方法についても同様であって、いずれかの
塗布方法に限定されることはない。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明する。本
実施例で使用したチタニルオキシフタロシアニンは、次
の合成例において述べる手順で合成した。 合成例 反応容器にo−フタロジニトリル(東京化成工業(株)
製)800gと、キノリン(関東化学(株)製)1.8
リットルとを加えて撹拌した。次いで、窒素雰囲気下で
四塩化チタン(キシダ化学(株)製)297gを滴下し
撹拌した。滴下後、180℃で15時間加熱、撹拌し
た。
【0030】この反応液を130℃まで放冷してから濾
過し、N−メチル−2−ピロリジノン(関東化学(株)
製)で洗浄した。このウエットケーキを窒素雰囲気下で
N−メチル−2−ピロリジノンで160℃で1時間、加
熱、撹拌した。これを放冷、濾過し、N−メチル−2−
ピロリジノン、アセトン、メタノール(関東化学(株)
製)、および温水で順次洗浄し、ウエットケーキとし
た。
【0031】このウエットケーキを更に水4リットル・
36%塩酸(関東化学(株)製)360mlの希塩酸で
80℃にて加熱、撹拌した。これを放冷、濾過し、温水
で洗浄した後乾燥させた。次いで、−5℃の98%硫酸
(関東化学(株)製)4kgに液温が−5℃を超えない
ように冷却撹拌しながら、得られたチタニルオキシフタ
ロシアニン200gを加えた。次に、−5℃に保持して
1時間冷却、撹拌した。更に、氷水に液温が10℃を超
えないように冷却・撹拌しながら上記硫酸溶液を加えて
1時間冷却、撹拌した。これを濾過し、温水で洗浄しウ
エットケーキとした。このウエットケーキを更に水10
リットル・36%塩酸770mlの希塩酸と混合し、8
0℃で1時間加熱、撹拌した。これを放冷、濾過し、温
水で洗浄してウエットケーキとした。
【0032】得られたウエットケーキとo−ジクロロベ
ンゼン(関東化学(株)製)1.5リットルとを、直径
8mmのジルコニアボール6.6kgを入れたボールミ
ル装置に入れ、室温下で24時間ミリングした。これを
アセトンおよびメタノールを用いて取り出し、濾過し、
水で洗浄した後乾燥させてチタニルオキシフタロシアニ
ンを得た。実施例1 ポリアミド樹脂(東レ(株)製アミランCM8000)
70重量部と、メタノール(和光純薬(株)製)930
重量部とを混合し、下引層塗布液を作製した。この下引
層塗布液をアルミニウム基体上に浸漬塗布法により塗布
し、乾燥後の膜厚が0.5μmの下引層を形成した。
【0033】前記合成例に従い合成したチタニルオキシ
フタロシアニン10重量部と、2,6−ジ−tert−
ブチル−4−メチルフェノール(タケダ薬品(株)製)
3.8重量部(チタニルオキシフタロシアニン1mol
に対して1mmolに相当する)と、ジクロロメタン
(和光純薬(株)製)686重量部と、1,2−ジクロ
ロエタン(和光純薬(株)製)294重量部とを混合
し、超音波分散した後、この分散液に更に塩化ビニル系
樹脂(日本ゼオン(株)製MR−110)10重量部を
混合し、再度超音波分散して電荷発生層塗布液を作製し
た。
【0034】この塗布液の一部を蒸発乾固し、X線回折
装置(マックサイエンス(株)製MXP18VA)を用
いてX線回折スペクトルの測定を行ったところ、9.6
°に最大ピークを示した。測定したX線回折スペクトル
のチャート例を図2に示す。
【0035】この電荷発生層塗布液を前述した下引層上
に浸漬塗布法により塗布し、乾燥後の膜厚が0.2μm
の電荷発生層を形成した。
【0036】4−(ジフェニルアミノ)ベンズアルデヒ
ドフェニル(2−チエニルメチル)ヒドラゾン(富士電
機(株)製)100重量部と、ポリカーボネート樹脂
(帝人化成(株)製パンライトK−1300)100重
量部と、ジクロロメタン800重量部と、シランカップ
リング剤(信越化学工業(株)製KP−340)1重量
部とを混合し、電荷輸送層塗布液を作製した。この電荷
輸送層塗布液を前述した電荷発生層上に浸漬塗布法によ
り塗布し、乾燥後の膜厚が20μmの電荷輸送層を形成
し、感光体を製造した。
【0037】実施例2 実施例1の2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル
フェノールの添加量を0.38重量部(チタニルオキシ
フタロシアニン1molに対して0.1mmolに相当
する)に代えた以外は、実施例1と同様に感光体を製造
した。
【0038】実施例3 実施例1の2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル
フェノールの添加量を38.2重量部(チタニルオキシ
フタロシアニン1molに対して10mmolに相当す
る)に代えた以外は、実施例1と同様に感光体を製造し
た。
【0039】実施例4 ポリアミド樹脂(東レ(株)製アミランCM8000)
70重量部と、メタノール(和光純薬(株)製)930
重量部とを混合し、下引層塗布液を作製した。この下引
層塗布液をアルミニウム基体上に浸漬塗布法により塗布
し、乾燥後の膜厚が0.5μmの下引層を形成した。次
いで、市販の無金属フタロシアニン(ファストゲンブル
ー8120B 大日本インキ(株)製)10重量部と、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール
(タケダ薬品(株)製)4.3重量部(無金属フタロシ
アニン1molに対して1mmolに相当する)と、ジ
クロロメタン(和光純薬(株)製)686重量部と、
1,2−ジクロロエタン(和光純薬(株)製)294重
量部とを混合し、超音波分散した後、この分散液に更に
塩化ビニル系樹脂(日本ゼオン(株)MR−110)1
0重量部を混合し、再度超音波分散して電荷発生層塗布
液を作製した。この電荷発生層塗布液を前述した下引層
上に浸漬塗布法により塗布し、乾燥後の膜厚が0.2μ
mの電荷発生層を形成した。
【0040】次いで、4−(ジフェニルアミノ)ベンズ
アルデヒドフェニル(2−チエニルメチル)ヒドラゾン
(富士電機(株)製)100重量部と、ポリカーボネー
ト樹脂(帝人化成(株)製パンライトK−1300)1
00重量部と、ジクロロメタン800重量部と、シラン
カップリング剤(信越化学工業(株)製KP−340)
1重量部とを混合し、電荷輸送層塗布液を作製した。こ
の電荷輸送層塗布液を前述した電荷発生層上に浸漬塗布
法により塗布し、乾燥後の膜厚が20μmの電荷輸送層
を形成し、感光体を製造した。
【0041】実施例5 実施例4の2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル
フェノールの添加量を0.43重量部(無金属フタロシ
アニン1molに対して0.1mmolに相当する)に
代えた以外は、実施例4と同様に感光体を製造した。
【0042】実施例6 実施例4の2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル
フェノールの添加量を42.8重量部(無金属フタロシ
アニン1molに対して10mmolに相当する)に代
えた以外は、実施例4と同様に感光体を製造した。
【0043】比較例1 実施例1の2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル
フェノールの添加量を76.4重量部(チタニルオキシ
フタロシアニン1molに対して20mmolに相当す
る)に代えた以外は、実施例1と同様に感光体を製造し
た。
【0044】比較例2 実施例1の2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル
フェノールの添加量を0.2重量部(チタニルオキシフ
タロシアニン1molに対して0.05mmolに相当
する)に代えた以外は、実施例1と同様に感光体を製造
した。
【0045】比較例3 実施例4の2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル
フェノールの添加量を85.6重量部(無金属フタロシ
アニン1molに対して20mmolに相当する)に代
えた以外は、実施例4と同様に感光体を製造した。
【0046】比較例4 実施例4の2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル
フェノールの添加量を0.22重量部(無金属フタロシ
アニン1molに対して0.05mmolに相当する)
に代えた以外は、実施例4と同様に感光体を製造した。
【0047】このようにして得られた実施例1〜6およ
び比較例1〜4の感光体の電気特性を、静電記録紙試験
装置((株)川口電機製作所製)EPA8200を用い
て、温度20℃、湿度50%の下で測定した。暗所で−
5kVのコロナ放電を10秒間行い、表面を負に帯電さ
せた時の初期の帯電位をVo、放電中止後5秒間暗所放
置した際の感光体表面の電荷保持率をVk5とし、続い
て表面に波長780nmのレーザー光を照射して表面の
帯電位が−100Vに減衰する露光量をE100とし
て、それぞれの値の測定を行った。また、3μW光照射
時の露光部の表面帯電位VLと、1000サイクル後の
Voの変動ΔVoとを測定した。得られた結果を下記の
表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】電荷保持率は高い方が好ましく、本構成の
場合には、95%以上であるのが望ましい。また、10
00サイクル後のVoの変動ΔVoは、±40V以内で
あることが望ましい。表1から明らかなように、本発明
の実施例はいずれも上記条件を満たしており、比較例と
比して良好な電気特性を有することが分かる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、感光層の光導電材料と
して少なくともチタニルオキシフタロシアニンまたは無
金属フタロシアニンを含有する電子写真用感光体におい
て、前記チタニルオキシフタロシアニンまたは無金属フ
タロシアニンを含有する層に、2,6−ジ−tert−
ブチル−4−メチルフェノールを添加し、その含有量を
該チタニルオキシフタロシアニンまたは該無金属フタロ
シアニン1molに対して0.1mmol以上10mm
ol以下にすることにより、かぶりのない画像が得ら
れ、また繰り返し安定性に優れた電子写真用感光体を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)機能分離積層型電子写真用感光体の概念
的断面図である。 (b)単層型電子写真用感光体の概念的断面図である。
【図2】本発明に係るX線回折スペクトルのチャート図
である。
【図3】本発明に係る他のX線回折スペクトルのチャー
ト図である。
【図4】本発明に係る更に他のX線回折スペクトルのチ
ャート図である。
【符号の説明】
1 導電性基体 2 下引層 3 電荷発生層 4 電荷輸送層 5 感光層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に感光層を有し、該感光層
    が光導電材料として少なくともチタニルオキシフタロシ
    アニンを含有する電子写真用感光体において、前記チタ
    ニルオキシフタロシアニンを含有する層に、2,6−ジ
    −tert−ブチル−4−メチルフェノールが添加され
    ており、その含有量が、該チタニルオキシフタロシアニ
    ン1molに対して0.1mmol以上10mmol以
    下であることを特徴とする電子写真用感光体。
  2. 【請求項2】 前記チタニルオキシフタロシアニンと前
    記2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノー
    ルとの混合物が、X線回折スペクトルのブラッグ角(2
    θ±0.2°)において、9.6°に最大ピークを有す
    る請求項1記載の電子写真用感光体。
  3. 【請求項3】 前記チタニルオキシフタロシアニンと前
    記2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノー
    ルとの混合物が、X線回折スペクトルのブラッグ角(2
    θ±0.2°)において、27.2°に最大ピークを有
    する請求項1記載の電子写真用感光体。
  4. 【請求項4】 前記チタニルオキシフタロシアニンと前
    記2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノー
    ルとの混合物が、X線回折スペクトルのブラッグ角(2
    θ±0.2°)において、少なくとも9.6°、14.
    2°、14.7°、18.0°、24.0°および2
    7.2°に回折ピークを有する請求項2記載の電子写真
    用感光体。
  5. 【請求項5】 導電性基体上に感光層を有し、該感光層
    が光導電材料として少なくとも無金属フタロシアニンを
    含有する電子写真用感光体において、前記無金属フタロ
    シアニンを含有する層に、2,6−ジ−tert−ブチ
    ル−4−メチルフェノールが添加されており、その含有
    量が、該無金属フタロシアニン1molに対して0.1
    mmol以上10mmol以下であることを特徴とする
    電子写真用感光体。
  6. 【請求項6】 導電性基体上に感光層用の塗布液を塗布
    する工程を含む、請求項1〜4のうちいずれか一項記載
    の電子写真用感光体の製造方法において、前記塗布液が
    チタニルオキシフタロシアニンと2,6−ジ−tert
    −ブチル−4−メチルフェノールとを含有し、該2,6
    −ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールの含有
    量が、該チタニルオキシフタロシアニン1molに対し
    て0.1mmol以上10mmol以下であることを特
    徴とする電子写真用感光体の製造方法。
  7. 【請求項7】 導電性基体上に感光層用の塗布液を塗布
    する工程を含む、請求項5記載の電子写真用感光体の製
    造方法において、前記塗布液が無金属フタロシアニンと
    2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール
    とを含有し、該2,6−ジ−tert−ブチル−4−メ
    チルフェノールの含有量が、該無金属フタロシアニン1
    molに対して0.1mmol以上10mmol以下で
    あることを特徴とする電子写真用感光体の製造方法。
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