JP2000161423A5 - - Google Patents

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JP2000161423A5
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【特許請求の範囲】
【請求項1】 基礎に固定されるベースと、構造物を支持する支柱部材と、該支柱部材と前記ベースとの摩擦を低減する低摩擦手段と、前記支柱部材と前記ベースの相対位置を初期位置に復帰させる復帰手段とからなる免震装置において、前記基礎側と構造物側と間に設けられた減衰力可変ダンパーと、地面の振動を検出する振動検出手段と、該振動検出手段が振動を検出していないときに前記減衰力可変ダンパーの減衰力を高い状態とし、かつ、該振動検出手段が振動を検出したときに前記減衰力可変ダンパーの減衰力を低い状態とする減衰力制御手段とを設けたことを特徴とする免震装置。
【請求項2】 前記減衰力可変ダンパーは、該ダンパーが作動停止状態から作動開始する作動速度の極低速時の減衰力を高くする減衰力の高い状態と、作動速度の極低速時の減衰力を低くする減衰力の低い状態とを有することを特徴とする請求項1記載の免震装置。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するため、本発明は以下に挙げるような特徴を有する。本発明の免震装置は、基礎に固定されるベースと、構造物を支持する支柱部材と、該支柱部材と前記ベースとの摩擦を低減する低摩擦手段と、前記支柱部材と前記ベースの相対位置を初期位置に復帰させる復帰手段とからなる免震装置において、前記基礎側と構造物側と間に設けられた減衰力可変ダンパーと、地面の振動を検出する振動検出手段と、該振動検出手段が振動を検出していないときに前記減衰力可変ダンパーの減衰力を高い状態とし、かつ、該振動検出手段が振動を検出したときに前記減衰力可変ダンパーの減衰力を低い状態とする減衰力制御手段とを設けたことを特徴とするものである。また、請求項2の発明にあっては、請求項1の発明において、前記減衰力可変ダンパーは、該ダンパーが作動停止状態から作動開始する作動速度の極低速時の減衰力を高くする減衰力の高い状態と、作動速度の極低速時の減衰力を低くする減衰力の低い状態とを有することを特徴とするものである。
図1乃至図3に示されるように、免震装置11は、大略、コンクリート製の基礎12に固定されるベース14と、ベース14に対向するように配直される上ベース又は家屋等の構造物(共に図示せず)を支持する支柱部材20と、支柱部材20とベース14との間の摩擦を低減する低摩擦手段としての低摩擦部材22と、支柱部材20とべース14との相対速度を減衰する4本の減衰力可変ダンパー24(24a〜24d)と、支柱部材20とべース14との相対位置を初期位置に復帰させる復帰手段としての4本の復帰バネ26(26a〜26d)とから構成されている。
図5に示されるように、支柱部材20の底部には、低摩擦手段としてのボールベアリング構造の低摩擦部材22が取り付けられている。この低摩擦部材22は、球体としての小径な鋼球40が球体保持枠としての環状で樹脂製のリテーナ42内に各鋼球40が互いに相対位置を拘束されること無く、自由転動可能に収容されている。このリテーナ42の内径は、支柱部材の下端面の滑り板21の外径より大きく、そして、鋼球40の数は、リテーナ42内に最大に収容可能な個数の約70から95%程度収容されており、各鋼球40間に発生する摩擦を低減し、より、低摩擦性を高めるようになっている。
また、補強板30a〜30dには、4方向から支柱部材20の変位を抑制するストッパ部材46a〜46dが、取り付けられている。なお、ストッパ部材46a〜46dは、ゴム部材48a〜48dを支柱部材20の周に対向する位置に保持しており、支柱部材20が当接したときの衝撃を緩和する。
地面から垂直方向に伸びる棒体70の上端には、おもり71が設けられており、地面の振動によりこの棒体70が湾曲しおもり71が振れるようになっている。その周りには、外部からの風の影響を防ぐケース72が設けられている。このケース72の内側には、棒体70が垂直の状態のときおもり71が光を遮るようにフォトインタラプタ73が対向して設けられている。このフォトインタラプタ73は、前述のコントローラ65に接続されている。なお、この振動センサ68は、数種類の固有振動数をもつものを用意することにより、より感度よく振動を捕らえることができる。
地面に振動がない状態では、振動センサ68のフォトインタラプタ73は、おもり71により遮られオフの状態となっている。この状態では、コントローラ65は、ソレノイド64に通電せず、ダンパー24のバイパス通路61は遮断された状態となっている。
【0032】
【0032】このときのダンパー24の減衰力特性は図8R>8の破線の特性となっている。このため、構造物が強風にさらされても、ダンパーが作動停止状態から作動開始する作動速度の極低速時の減衰力が高くなっているので、実質的にダンパー24はロックされ、風に影響され構造物が移動することは防止される。次に地震により地面が振動すると、おもり71が移動し、振動センサ68のフォトインタラプタ73は、オンの状態となる。この状態では、コントローラ65は、ソレノイド64へ通電を開始し、ダンパー24のバイパス通路61は連通された状態となる。なお、ソレノイド64へ通電は、フォトインタラプタ73の通電がオフとなった後、所定時間後に遮断するようになっている。
この状態では、ベース14と支柱部材20の間に低摩擦部材22があるので、地面の水平方向の動きは、ベース14と支柱部材20の抵抗分のみ支柱部材20側に伝わる。そして、この相対運動は、ダンパー24(24a〜24d)により減衰される。また、振動が終わった時点でベース14と支柱部材20の相対位置は、復帰バネ26(26a〜26d)により、常にベース14の略中央に戻される。
なお、上記実施の形態において、振動センサ68にフォトインタラプタ73を用いた例を示したが、これに限らず、一般的な加速度センサや振り子、その他振動を検出できるものであればなんでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による免震装置の一実施の形態の平面図である。
【図2】図1中II−II線に沿う縦断面図である。
【図3】図1中III−III線に沿う縦断面図である。
【図4】 支柱部材20及びダンパー24、復帰ばね26の取り付け状態を示す平面図である。
【図5】 支柱部材20及び低摩擦部材22の取り付け状態を示す平面図である。
【図6】図1中の減衰力可変ダンパー24の断面図である。
【図7】図6中の振動センサ68を示す図である。
【図8】図6に示す減衰力可変ダンパー24の減衰力特性を示す図である。
【符号の説明】
12 基礎
14 ベース
20 支柱部材
21 滑り板
22 低摩擦部材(低摩擦手段)
24 減衰力可変ダンパー
26 復帰バネ(復帰手段)
40 鋼球(球体)
65 コントローラ(減衰力制御手段)
68 振動センサ(振動検出手段)
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