JP4085825B2 - 免震構造物の固定装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基礎と上部構造物との間に介在された免震装置により基礎に対して水平方向に免震支持される上部構造物を台風等の強風の際の風圧により揺れないように基礎に対して水平方向に関して解除自在に固定する固定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
基礎と上部構造物との間に介在させ上部構造物を地震から保護し上部構造物を免震構造物にする免震装置としては、ゴム板と鋼板とを積層した積層ゴム、この積層ゴムに鉛支柱を配した鉛プラグ入り積層ゴム、滑りを用いた滑り支承、ころの転がりを用いたころがり支承等の種々のものがある。
【0003】
上記のいずれの免震装置も、振動方向である水平方向に対して剛性を低くして、上部構造物を含む振動系の水平方向の固有振動周期を地震の水平振動の周期よりも長くして、地震による上部構造物の振動を抑えるようにしている。
【0004】
【特許文献】
特開2000−39045号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、水平剛性の低い免震装置は小さい水平方向の力でも応答するため、これに免震支持される上部構造物は、少しの風圧又は交通振動が加わっても水平方向に揺らされることになり、上部構造物がマンション等の集合住宅、事務所ビル、戸建住宅等の場合には、風圧又は交通振動による横揺れで居住者等に極めて大きな不快感を与える虞がある。
【0006】
また、滑りを用いた滑り支承又はころがり支承等の場合には、原理的に基礎と上部構造物とが垂直方向に関して固定されないために、強めの風の吹く度に上部構造物が動いたり、台風等の強風の際の大きな風圧により転倒モーメントが上部構造物に生じ、特に、戸建住宅等の軽荷重の上部構造物では風圧により転倒の危険も生じる。
【0007】
上記のような不都合を生じさせないために、強めの風や、台風等の強風時には、固定装置のピンにより上部構造物を基礎に手動で固定し、強風が収まった後には、固定装置のピンによる固定を手動で解除するようにしてもよいのであるが、不在により手動固定を行うことができない場合には、不快感については問題がないが、風圧による転倒の虞の問題が残り、手動固定解除を失念した場合には、地震が生じたときに免震装置が作動しなくなり、地震による甚大な被害を被る虞があり、免震装置を設置した意味がなくなる。
【0008】
また、特開2000−39045号公報に記載のような固定装置では、通常時、ピンにより上部構造物を固定し、地震等の大きな加速度を検知した場合にピンによる上部構造物の固定を自動的に解除するようにしているが、解除においてピンが孔から抜けない虞もある上に、地震等の大きな加速度を検知するために複雑な機構を採用せざるを得ない。
【0009】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、風による横揺れをなくし得る上に、風又は交通振動により横揺れが生じてもこれを早期に減衰でき、しかも、不在により手動固定を行うことができない場合及び手動固定解除を失念した場合にも、風圧による転倒の虞をなくし得ると共に、加速度を検知する特別の複雑な検知機構を設けなくても、一定以上の大きさの地震に対しては免震機能を生じさせることができて、地震による上部構造物等の倒壊等の甚大な被害を防ぎ得る極めてフェールセーフな免震構造物の固定装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様の免震構造物の固定装置は、互いに近接して配されていると共に一方に対して他方が相対的に水平方向及び上下方向に移動自在な一対の板状体と、一方の板状体の他方の板状体に対する相対的な水平移動に抗して粘性抵抗力を生じるように、一対の板状体間における隙間に配されていると共に一方の面が一方の板状体に他方の面が他方の板状体に接している粘性体からなる粘性体層と、一方の板状体に対して他方の板状体が相対的に所定の水平変位を越える際に一対の板状体間における隙間の幅を大きくするように、一方の板状体を他方の板状体に対して上下方向に関して離反させる離反手段とを具備している。
【0011】
第一の態様の固定装置によれば、例えば、地震による振動に対して免震作動する免震装置を介して上部構造物を下部構造物上で支承してなる免震建物に対して、一方の板状体を上部構造物に他方の板状体を下部構造物に水平方向に関して不動となるように取り付けて用いた場合には、風又は交通振動では隙間に配されている粘性体層による粘性抵抗力により一方の板状体に対する他方の板状体の水平方向の移動を禁止又は多少の移動を早期に減衰できて、風又は交通振動による上部構造物の振動を防止又は早期に減衰でき、しかも、所定の水平変位を越える地震による大きな振動に対しては離反手段により一方の板状体を他方の板状体に対して上下方向に関して離反させて、一対の板状体間における隙間を大きくして粘性体層による粘性抵抗力を減じ、一方の板状体に対する他方の板状体の水平方向の容易な移動を許容し、免震装置自体を効果的に作動させることができる結果、風又は交通振動による上部構造物の大きな横揺れをなくし得、しかも、不在により手動固定を行うことができない場合及び手動固定解除を失念した場合にも、風圧による転倒の虞をなくし得ると共に、加速度を検知する特別の複雑な検知機構を設けなくても、一定以上の大きさの地震に対しては免震機能を生じさせることができて、地震による上部構造物等の倒壊等の甚大な被害を防ぎ得、極めてフェールセーフに上部構造物を固定することができる上に、地震による上部構造物の大きな振動においても減衰装置として機能するために、特別に減衰装置を設けなくてもよく、コスト及び設置スペースの低減を図り得る。
【0012】
本発明の第二の態様の固定装置では、第一の態様の固定装置において、離反手段は、一方の板状体に対して他方の板状体が相対的に所定の水平変位を越える際に一方の板状体に当接して板状体間に配されるように、他方の板状体に固着されている離反体を具備している。
【0013】
本発明の第三の態様の固定装置では、第二の態様の固定装置において、離反体は、一方の板状体の外縁の周りに配されている。
【0014】
本発明の第四の態様の固定装置は、第一から第三のいずれかの態様の固定装置において、一方の板状体に固着された筒部を具備しており、この筒部は、上部構造物の係合部材を受容するようになっている。
【0015】
本発明の第五の態様の固定装置は、第一から第四のいずれかの態様の固定装置において、隙間を形成すると共に粘性体層の一方の面に接する一方の板状体の面に対面する他方の板状体の面は、一方の板状体の面よりも広い面積を有している。
【0016】
本発明の第六の態様の固定装置では、第一から第五のいずれかの態様の免震構造物の固定装置において、一方の板状体は、板状体間の隙間への粘性体の流入を許容する貫通孔を具備していると共に粘性体内に収容されている。
【0017】
第六の態様の免震構造物の固定装置によれば、離反手段による一方の板状体の他方の板状体からの離反時に貫通孔を介しても隙間へ粘性体が流入されるようになる結果、一方の板状体の他方の板状体からの離反を容易に行い得、一方の板状体から離反体への負荷を減少することができる。
【0018】
本発明の第七の態様の固定装置は、第一から第六のいずれかの態様の固定装置において、一方の板状体を他方の板状体に向かって付勢する付勢手段を具備している。
【0019】
本発明の第八の態様の固定装置では、第七の態様の固定装置において、付勢手段は、一方の板状体を他方の板状体に向かって弾性的に付勢する弾性部材を具備している。
【0020】
本発明の第九の態様の固定装置は、第一から第八のいずれかの態様の固定装置において、粘性体を収容している容器を具備しており、ここで、他方の板状体は容器の構成部材の一部となっている。
【0021】
本発明による免震建物は、下部構造物と、上部構造物と、下部構造物上で上部構造物を免震支持する免震装置と、上記のいずれかの態様の固定装置とを具備しており、ここで、一方の板状体は、上部構造物に水平方向に関して不動に固定されており、他方の板状体は、下部構造物に水平方向に関して不動に固定されている。
【0022】
本発明の固定装置が用いられる免震装置は、好ましくは、剛性層及び弾性層が交互に積層された積層ゴムと、この積層ゴムに埋設された鉛支柱とを具備しており、また上部構造物は、好ましくは、事務所ビル、集合住宅又は戸建住宅であるが、本発明はこれに限定されず、その他の上部構造物であってもよい。
【0023】
次に、本発明の実施の形態の例を、図に示す好ましい例に基づいて更に詳細に説明する。尚、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1から図3において、本例の免震建物1は、地盤に杭等により固定されて設置されたコンクリート製の基礎2と、鉛支柱3入りの積層ゴム4からなる免震装置5と、免震装置5を介して基礎2に支持された上部構造物6と、基礎2と上部構造物6との間に配された固定装置7とを具備している。
【0025】
下部構造物としての基礎2と上部構造物6との間に介在されて、上部構造物6の上下方向(鉛直方向)Vの荷重を支持すると共に、地震による水平方向Hの振動に対して上部構造物6に関して免震作動と振動減衰作動とを行う免震装置5は、鋼板等からなる複数の剛性層11及びゴム等からなる複数の弾性層12が上下方向Vに交互に積層されていると共に免震作動を行う積層ゴム4と、積層ゴム4に埋設されていると共に振動減衰作動を行う鉛支柱3と、積層ゴム4を挟持していると共に基礎2と上部構造物6の事務所ビル15との夫々にアンカーボルト等を介して固着された上下取り付け鋼板13及び14とを具備している。斯かる免震装置5は、上部構造物6の荷重を受けるべく、基礎2上に適当に分散されて複数個配されている。
【0026】
上部構造物6は、本例では、高層の事務所ビル15と、事務所ビル15の下面16にボルト等により固着されている取り付け板部128及び取り付け板部128に溶接等により固着された円柱部129を有した係合部材127とを具備している。
【0027】
固定装置7は、上部構造物6の円柱部129に上下方向Vに移動自在であって水平方向Hに関して不動になるように固定されている板状体153と、基礎2に固定されていると共に板状体153に近接して配された板状体としての底板部145を有する容器139と、板状体153の容器139に対する相対的な水平方向Hの移動に抗して粘性抵抗力を生じるように、板状体153及び底板部145間における隙間146に配されていると共に上面22が板状体153に下面23が底板部145に接している粘性体からなる粘性体層21と、地震に起因して基礎2に対して上部構造物6が相対的に所定の水平変位、例えば略100mmを越える際に、板状体153及び底板部145間における隙間146の幅Wを大きくするように、板状体153を底板部145に対して離反させる離反手段132と、板状体153を底板部145に向かって付勢する付勢手段25と、板状体153に固着された筒部151とを具備している。
【0028】
板状体153は、その外周面の下面にテーパ面からなる環状の案内面160と、板状体153の上面26側と下面27側とを連通して、板状体153と底板部145との間の隙間146への粘性体140の流入を許容する複数の貫通孔161とを具備している。隙間146を形成すると共に粘性体層21の上面22に接する板状体153の下面27に対面する底板部145の上面28は、下面27よりも広い面積を有している。
【0029】
案内面160は、図5に示すような板状体153の離反体156への乗り上げを容易にし、板状体153の上面26及び下面27を連通している貫通孔161は、板状体153の離反体156への乗り上げに際して、底板部145と板状体153との間の隙間146への粘性体140の供給路となって、底板部145からの板状体153の上方への離反を容易にする。
【0030】
粘性体140を収容する容器139は、底板部145に加えて、底板部145に一体的に連結していると共に板状体153を囲繞している円筒部138を有しており、こうして底板部145は容器139の構成部材の一部となっており、円筒部138の内周面及び底板部145の上面28により規定される空間に粘性体140が配されている。
【0031】
容器139は、基礎2に対する水平方向H及び上下方向Vの移動が禁止されるように、底板部145でアンカーボルト等を介して基礎2に固定されており、こうして底板部145は基礎2に水平方向Hに関して不動に固定されている。
【0032】
粘性体層21は、容器139に収容された粘性体140の一部によって構成されており、粘性体層21の上面22は、板状体153の下面27に接していると共に粘性体層21の下面23は、底板部145の上面28に接している。板状体153及び底板部145間には、本例では、粘性体層21のみが配される。
【0033】
離反手段132は、基礎2に対して上部構造物6が相対的に所定の水平変位を越える際に、板状体153に当接して板状体153及び底板部145間に配されるように、底板部145に固着されている離反体156とを具備している。
【0034】
離反体156は、板状体153の周りに配されている環状の断面半円形の突起からなり、底板部145に対する板状体153の所定量以上の水平方向Hの移動で板状体153の案内面160に当接して底板部145から板状体153を図5に示すように離反させることができるように、底板部145の上面28に一体的に形成されている。
【0035】
付勢手段25は、筒部151内に配されていると共に上部構造物6の円柱部129の下面35と板状体153の上面26との間に介在されている弾性部材155を具備しており、弾性部材155は、底板部145の上面28と板状体153の下面27との間の隙間146に粘性体140が残存する程度の弱い弾性力をもって板状体153を底板部145の上面28に向かって付勢するようになっている。
【0036】
本例では板ばねからなる弾性部材155は、その弾性的な圧縮により底板部145からの板状体153の離反を可能にしている。付勢手段25は、斯かる弾性部材155を省いて、板状体153の自重でもって、粘性体140の残存して極めて薄い粘性体層21となるような隙間146が板状体153と底板部145との間に生じるように付勢してもよい。
【0037】
板状体153に固着された筒部151は、係合部材127の円柱部129を上下方向Vに移動自在であって摺動自在に受容しており、筒部151と円柱部129との斯かる上下方向Vに移動自在であって水平方向Hに関して不動な係合により、板状体153は、上部構造物6に上下方向Vに移動自在であって水平方向Hに関して不動になるように固定されている。
【0038】
互いに近接して配されていると共に一方に対して他方が相対的に水平方向H及び上下方向Vに移動自在な一対の板状体である底板部145及び板状体153を具備した以上の固定装置7においては、通常時、図2及び図3に示すように、板状体153は水平方向Hに関して容器139の中央部に配されており、隙間146は、薄い粘性体層21を形成するように極めて狭くなっている。この状態で、上部構造物6に風圧が加わると、この風圧による上部構造物6の水平方向Hの力は、係合部材127及び筒部151を介して板状体153に伝達される。風圧による上部構造物6の水平方向Hの力がそれ程大きくない場合には、極めて狭い隙間146における薄い粘性体層21による粘性抵抗力でもって上部構造物6は水平方向Hに移動されないで基礎2にロック(固定)されたままとなる。強風が生じて風圧による上部構造物6に加わる水平方向Hの力が薄い粘性体層21による粘性抵抗力等に打ち勝つと、免震装置5の弾性層12の剪断変形を伴って薄い粘性体層21が粘性剪断変形されて、上部構造物6が水平方向Hに移動される。この粘性剪断変形に起因する粘性抵抗力は、板状体153の水平方向Hの振動を減衰させ、而して、上部構造物6の水平方向Hの振動を減衰させる。強風が収まると、免震装置5の弾性層12による原点復帰機能により免震建物1は、図1に示す状態に戻されると共に、板状体153もまた水平方向Hに関して容器139の中央部に戻される。
【0039】
地震が生じて免震装置5の弾性層12が剪断変形されると共に薄い粘性体層21もまた粘性剪断変形されて、基礎2に対して上部構造物6が水平方向Hに所定振幅を越えて振動される場合には、図4に示すように、板状体153が上部構造物6と共に所定振幅まで水平方向Hに移動して離反体156に当接した後に、図5に示すように、弾性部材155の弱い弾性力に抗して離反体156に乗り上げて底板部145から離反して、底板部145との間に大きな幅Wの隙間146を形成して、この幅Wを有する隙間146に介在する粘性体層21で生じる粘性剪断変形に起因する粘性抵抗力を減少し、而して、更なる上部構造物6の水平方向Hの移動では、鉛支柱3が十分に変形されるために、鉛支柱3のこの変形でもって上部構造物6の水平方向Hの大きな移動が好ましく早期に減衰されることになる。
【0040】
水平方向Hに所定振幅を越えて最大まで変位した上部構造物6が水平方向Hにおいて前記と逆方向に移動すると、板状体153は、粘性体層21の粘性により、離反体156に乗り上げた状態での隙間146の幅Wが維持されて、換言すれば、底板部145の上面28から大きく離間された状態をもって、上部構造物6と共に水平方向Hにおいて前記と逆方向に移動される。以下、上記の動作が繰り返されて、地震が収まると、免震装置5の弾性層12による原点復帰機能により上部構造物6は、図1に示す状態に戻されると共に、板状体153もまた、その自重と弾性部材155の弾性力により粘性体140の粘性に抗して徐々にゆっくりと下降されて、上面28との間に薄膜状の粘性体層21が介在する程度の隙間146を残して図2及び図3に示す状態に戻される。
【0041】
板状体153は、免震装置5の積層ゴム4による原点復帰機能により、偏倚した位置(図4及び図5に示す位置)から元の位置(図2及び図3に示す位置)に戻されるようになっている。
【0042】
固定装置7によれば、風では隙間146に配されている粘性体層21による粘性抵抗力により底板部145に対する板状体153の水平方向Hの移動を禁止又は多少の移動を早期に減衰できて、風による上部構造物6の振動を防止又は早期に減衰でき、しかも、所定の水平変位を越える地震による大きな振動に対しては離反体156により板状体153を底板部145に対して上下方向Vに関して離反させて、隙間146を大きくして粘性体層21による粘性抵抗力を減じ、底板部145に対する板状体153の水平方向Hの容易な移動を許容し、免震装置5自体を効果的に作動させることができる結果、風による上部構造物6の大きな横揺れをなくし得、しかも、不在により手動固定を行うことができない場合及び手動固定解除を失念した場合にも、風圧による転倒の虞をなくし得ると共に、加速度を検知する特別の複雑な検知機構を設けなくても、一定以上の大きさの地震に対しては免震機能を生じさせることができて、地震による上部構造物6等の倒壊等の甚大な被害を防ぎ得、極めてフェールセーフに上部構造物6を固定することができる上に、地震による上部構造物6の大きな振動においても減衰装置として機能するために、鋼棒ダンパ等の他の特別な減衰装置を設けなくてもよく、コスト及び設置スペースの低減を図り得る。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、風又は交通振動による横揺れをなくし得、しかも、不在により手動固定を行うことができない場合及び手動固定解除を失念した場合にも、風圧による転倒の虞をなくし得ると共に、加速度を検知する特別の複雑な検知機構を設けなくても、一定以上の大きさの地震に対しては免震機能を生じさせることができて、地震による上部構造物等の倒壊等の甚大な被害を防ぎ得る極めてフェールセーフな免震構造物の固定装置を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様の例の正面説明図である。
【図2】図1に示す例の主に固定装置の正面説明図である。
【図3】図2に示す例のIII−III線矢視説明図である。
【図4】図2に示す例の動作説明図である。
【図5】図2に示す例の動作説明図である。
【符号の説明】
1 免震建物
2 基礎
3 鉛支柱
5 免震装置
6 上部構造物
7 固定装置
21 粘性体層
25 付勢手段
132 離反手段
139 容器
145 底板部
146 隙間
153 板状体

Claims (8)

  1. 下部構造物と上部構造物との間に介在される免震構造物の固定装置であって、互いに近接して配されていると共に一方に対して他方が相対的に水平方向及び上下方向に移動自在な一対の板状体と、一方の板状体の他方の板状体に対する相対的な水平移動に抗して粘性抵抗力を生じるように、一対の板状体間における隙間に配されていると共に一方の面が一方の板状体に他方の面が他方の板状体に接している粘性体からなる粘性体層と、一方の板状体に対して他方の板状体が相対的に所定の水平変位を越える際に一対の板状体間における隙間の幅を大きくするように、一方の板状体を他方の板状体に対して上下方向に関して離反させる離反手段とを具備しており、一方の板状体は、水平方向に関して上部構造物に不動に固定されており、粘性体は、下部構造物に水平方向に関して不動に固定される容器に収容されており、容器は、下部構造物に水平方向に関して不動に固定される他方の板状体としての底板部を具備しており、離反手段は、一方の板状体に対して他方の板状体が相対的に所定の水平変位を越える際に一方の板状体に当接して板状体間に配されるように、他方の板状体に固着されている離反体を具備している免震構造物の固定装置。
  2. 離反体は、一方の板状体の外縁の周りに配されている請求項1に記載の免震構造物の固定装置。
  3. 一方の板状体に固着された筒部を具備しており、この筒部は、上部構造物の係合部材を受容するようになっている請求項1又は2に記載の免震構造物の固定装置。
  4. 隙間を形成すると共に粘性体層の一方の面に接する一方の板状体の面に対面する他方の板状体の面は、一方の板状体の面よりも広い面積を有している請求項1から3のいずれか一項に記載の免震構造物の固定装置。
  5. 一方の板状体は、板状体間の隙間への粘性体の流入を許容する貫通孔を具備していると共に粘性体内に収容されている請求項1から4のいずれか一項に記載の免震構造物の固定装置。
  6. 一方の板状体を他方の板状体に向かって付勢する付勢手段を具備している請求項1から5のいずれか一項に記載の免震構造物の固定装置。
  7. 付勢手段は、一方の板状体を他方の板状体に向かって弾性的に付勢する弾性部材を具備している請求項6に記載の免震構造物の固定装置。
  8. 下部構造物と、上部構造物と、下部構造物上で上部構造物を免震支持する免震装置と、請求項1から7のいずれか一項に記載の免震構造物の固定装置とを具備しており、一方の板状体は、上部構造物に水平方向に関して不動に固定されており、他方の板状体は、下部構造物に水平方向に関して不動に固定されている免震建物。
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