JP2000159159A - 装軌式建設機械の転輪 - Google Patents

装軌式建設機械の転輪

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JP2000159159A
JP2000159159A JP10332186A JP33218698A JP2000159159A JP 2000159159 A JP2000159159 A JP 2000159159A JP 10332186 A JP10332186 A JP 10332186A JP 33218698 A JP33218698 A JP 33218698A JP 2000159159 A JP2000159159 A JP 2000159159A
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roller
cast iron
graphite cast
shaft
spheroidal graphite
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Takao Nomizu
孝男 野水
Masaru Yokoyama
勝 横山
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SANJO KINZOKU KK
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SANJO KINZOKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の炭素鋼鋼材や合金などにより別個に形
成された軸受けとローラ特にローラは、製造工程が多段
階なため製造コストが高くつく上に、軸とローラの間に
別途製造した軸受けを強圧入する必要があるため、それ
らの軸受けとローラを使用した転輪は、高価なものにな
っていた。 【解決手段】 請求項1の装軌式建設機械の転輪は、装
軌式建設機械の走行装置の転輪1であって、その転輪1
に形成されたローラ本体3bと軸芯側の軸受け部3cと
がオーステンパ球状黒鉛鋳鉄により一体で成形されたロ
ーラ3を備えていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、装軌式建設機械
の転輪に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8、図9に基づき、従来例を説明す
る。図9に示すように、従来、装軌式建設機械の走行装
置の下部転輪は、固定軸に外挿された回転ローラ(以
下、ローラと称す)とそのローラの軸芯に圧入される軸
受けが備えられ、そのローラの両端にカラーが配設さ
れ、そのカラーは固定軸に固着され、ローラが回転可能
に装着されていた。そして、ローラとカラーの間にはフ
ローティングシールが介在され、油漏れを防止し、汚
水、汚泥、土砂などの異物が侵入しないようになってい
る。そのローラと軸受けは別体で製作され、転輪組立時
にローラに圧入され、その軸受けには、砲金ブッシュ、
鉛青銅ブッシュ(図9参照)、裏金付銅合金巻きブッシ
ュなどの銅合金ブッシュが使用されていた。又、その軸
受けには、コロ軸受けボールベアリング、裏金付銅合金
鍔付巻きブッシュ、円筒コロ軸受けなども使用されてい
た。更に、上記下部転輪に使用する軸も炭素鋼鋼材や各
種の合金などにより形成されていた。その軸受けは油浴
され、軸受け、軸受けと軸の対向する摺接面、フローテ
ィングシールは、常時潤滑油が供給されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
炭素鋼鋼材や合金などにより別個に形成された軸受けと
ローラ、特にローラは、製造工程が多段階なため製造コ
ストが高くつき、更に、軸に外挿したローラに軸受けを
圧入するため、それらの軸受けとローラを別体で製造し
た転輪は、高価なものになっていた。その転輪の組立ま
での工程は、概略次の通りである。 1. 転輪のローラ製造工程 素材 → 切断 → 鍛造 → 切削→ 熱処理 →
溶接 → 切削加工 →高周波焼入 2. カラー、軸、フローティングシール、銅合金ブッ
シュなどの製作 3. ローラに銅合金ブッシュを圧入 4. ローラ、カラー、軸、フローティングシールの組
立 装軌式建設機械の転輪は、以上のような多段階の工程を
経て製造されるため、転輪の製造コストは、高価とな
り、その製造コストの低減が求められていた。後で詳述
するが、その銅合金ブッシュは、図7の↑印に示すよう
に、苛酷な条件下で使用するため摩耗が激しく、定期的
に交換しなければならず、その交換に要する時間と費用
が嵩張り困っていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る装軌式建設
機械の転輪は、以上のような課題を解決するものであっ
て、次のようなものである。請求項1の装軌式建設機械
の転輪は、装軌式建設機械の走行装置の転輪であって、
その転輪に形成されたローラ本体とローラ本体の軸芯側
の軸受け部とがオーステンパ球状黒鉛鋳鉄により一体で
成形されたローラを備えていることを特徴とする。
【0005】請求項2の装軌式建設機械の転輪は、装軌
式建設機械の走行装置の転輪であって、その転輪に形成
されたローラ本体とローラ本体の軸芯側の軸受け部とが
オーステンパ球状黒鉛鋳鉄により一体で成形されたロー
ラと、そのローラの両端に配設され、オーステンパ球状
黒鉛鋳鉄により成形されたカラーと、を備えていること
を特徴とする。
【0006】請求項3の装軌式建設機械の転輪は、装軌
式建設機械の走行装置の転輪であって、その転輪に形成
されたローラ本体とローラ本体の軸芯側の軸受け部とが
オーステンパ球状黒鉛鋳鉄により一体で成形されたロー
ラと、そのローラの両端に配設され、オーステンパ球状
黒鉛鋳鉄により成形されたカラーと、それらのローラと
カラーの軸芯の孔に連通された軸と、を備え、その軸に
ローラが回転可能に外挿され、カラーが固定されている
ことを特徴とする。
【0007】尚、本願において、「軸受け部」とは、従
来の別途形成された軸受け(例えば、銅合金ブッシュ、
図9参照)ではなく、ローラの軸芯側の部分即ち軸を挿
入するためローラの軸芯に設けられた孔の近傍を指す。
実施例では、装軌式建設機械の走行装置の履帯用転輪の
うちの汚泥中や泥水中という苛酷な条件でも使用される
下部転輪を例示して説明するが、下部転輪に拘るもので
はなく、軸に回転可能に外挿された全ての転輪即ちロー
ラに使用でき、例えば、図4の誘導輪、上部転輪などに
も使用できるものである。
【0008】図2は、摩耗試験表、 図3は、摩耗試験
表、 図4は、摩耗試験表、 図5は、図2の連続50
時間テスト後のデータAの固定試験片の摩耗状態を示す
斜視図(写真)、 図6は、図3の連続50時間テスト
後のデータDの固定試験片の摩耗状態を示す斜視図(写
真)、 図7は、図4の連続50時間テスト後のデータ
Eの固定試験片の摩耗状態を示す斜視図(写真)であ
る。 図2の試験方法:水平に保持した円盤或は円柱状固定試
験片上に円柱状回転試験片を垂直に載置し、その円柱状
回転試験片を垂直方向に加圧した状態で連続回転した。 表3の試験方法:水平に保持した円盤或は円柱状固定試
験片上に円柱状回転試験片を垂直に載置し、その円柱状
回転試験片を垂直方向に加圧した状態で連続回転した。 表4の試験方法:水平に保持した円盤或は円柱状固定試
験片上に円柱状回転試験片を垂直に載置し、その円柱状
回転試験片を垂直方向に加圧した状態で連続回転した。
【0009】本発明の装軌式建設機械の転輪(下部転
輪、誘導輪、上部転輪、その他の転輪)の説明にあた
り、予めオーステンパ球状黒鉛鋳鉄(Austempe
redspheroidalgraphite iro
n castings)について説明する。当社の10
年来のオーステンパ球状黒鉛鋳鉄の製造と研究の結果、
装軌式建設機械の走行装置の転輪にオーステンパ球状黒
鉛鋳鉄が、最適であった。そのオーステンパ球状黒鉛鋳
鉄は、耐摩耗性、高抗張性、強靭性、自己潤滑性などに
大変優れた素材であり、装軌式建設機械の走行装置の回
転部には、オーステンパ球状黒鉛鋳鉄の特徴である耐摩
耗性と自己潤滑性を活用すると共に、従来、ローラと軸
受けを異なる素材で別体で形成していたものを、少なく
ともローラ本体とローラ本体の軸芯側の軸受け部とをオ
ーステンパ球状黒鉛鋳鉄により一体で形成した。
【0010】図2のデータA、図4のデータEと比較
し、図2のデータB、図3のデータC,D、図4のデー
タFは、固定試験片と回転試験片の何れか一方或は両方
をオーステンパ球状黒鉛鋳鉄で形成してあり、その時の
抵抗トルクは大変低く且つ安定しており、摩耗が大変少
なくなかった。図2の連続50時間テスト後のデータA
の固定試験片〔鉛青銅合金(LBC4)〕の摩耗状態を
示す斜視図(写真)である図5の摩耗状態に示すよう
に、固定試験片の摩耗痕跡の深度は大変深かった(10
0ミクロン程度)。又、図4の連続50時間テスト後の
データEの固定試験片〔鉛青銅合金(LBC4)〕の摩
耗状態を示す斜視図(写真)である図7の摩耗状態にお
いても、固定試験片の摩耗痕跡の深度は大変深かった
(100ミクロン程度)。しかしながら、図3の連続5
0時間テスト後のデータEの固定試験片〔オーステンパ
球状黒鉛鋳鉄〕の摩耗状態を示す斜視図(写真)である
図6の摩耗状態に示すように、その固定試験片(オース
テンパ球状黒鉛鋳鉄製)の摩耗痕跡の深度は大変浅く、
僅かに目視可能な摩耗痕跡を残す程度であった。以上の
テストの結果、後述の実施例で詳述するオーステンパ球
状黒鉛鋳鉄によりローラ本体の軸受け部と一体で成形さ
れたローラを備えた装軌式建設機械の転輪は、大変優れ
た効果的な転輪であることが判明した。
【0011】図2〜図6のデータを説明する。 図2:データAは、鉛青銅合金(LBC4)製固定試験
片と炭素鋼製回転試験片を使用したときの抵抗トルクを
示し、試験開始25時間後までの抵抗トルクは、乱高下
し、以後試験開始50時間の間の抵抗トルクは、小刻み
に上下しながら低減している。データBは、炭素鋼製固
定試験片とオーステンパ球状黒鉛鋳鉄製回転試験片を使
用したときの抵抗トルクを示し、試験開始3時間後まで
の抵抗トルクは、急激に低減し、以後の抵抗トルクは、
小刻みに上下しながら略横這い状態に推移している。 図3:データCは、炭素鋼製固定試験片とオーステンパ
球状黒鉛鋳鉄製回転試験片を使用したときの抵抗トルク
を示し、試験開始3時間後までの抵抗トルクは、急激に
低減し、以後の抵抗トルクは、小刻みに上下しながら略
横這い状態に推移している。データDは、オーステンパ
球状黒鉛鋳鉄製固定試験片とオーステンパ球状黒鉛鋳鉄
製回転試験片を使用したときの抵抗トルクを示し、デー
タCと略同様に試験開始3時間後までの抵抗トルクは、
急激に低減し、以後10時間後までの抵抗トルクは、更
に低減し、以後50時間後までの抵抗トルクは、小刻み
に上下しながら僅かに高くなっている。 図4:データEは、オーステンパ球状黒鉛鋳鉄製固定試
験片と炭素鋼製回転試験片を使用したときの抵抗トルク
を示し、試験開始当初は比較的安定していたが、殊に、
試験開始11〜16時間の間は、乱高下し、その後は、
小刻みに上下しながら略横這い状態で低減傾向を示して
いる。データFは、オーステンパ球状黒鉛鋳鉄製固定試
験片とオーステンパ球状黒鉛鋳鉄製回転試験片を使用し
たときの抵抗トルクを示し、データCと略同様に試験開
始3時間後までの抵抗トルクは、急激に低減し、以後1
0時間後までの抵抗トルクは、更に低減し、以後50時
間後までの抵抗トルクは、小刻みに上下しながら僅かに
高くなっている。 図5:図2の連続50時間テスト後の固定試験片の円環
状の摺動痕跡(↑印)の深度は、約100ミクロンであ
る(データA参照)。 図6:図3の連続50時間テスト後のオーステンパ球状
黒鉛鋳鉄製回転試験片の円環状の摺動痕跡(↑印)の深
度は、僅かに目視できる程度の深度である(データC参
照)。 図7:図4の連続50時間テスト後の固定試験片の円環
状の摺動痕跡(↑印)の深度は、図5同様、約100ミ
クロンである(データE参照)。
【0012】以上のデータから、固定試験片と回転試験
片の何れかをオーステンパ球状黒鉛鋳鉄で形成し、他の
回転試験片と固定試験片の何れかを炭素鋼で形成したと
きと、固定試験片と回転試験片の両者をオーステンパ球
状黒鉛鋳鉄で形成しときの摩耗が大変少ないことを読み
取れる。このことから、後述の実施の形態で説明する本
願発明の装軌式建設機械の転輪は、ローラ本体と軸芯側
の軸受け部をオーステンパ球状黒鉛鋳鉄により一体で形
成しているので、オーステンパ球状黒鉛鋳鉄の耐摩耗性
と自己潤滑性を十分に活用した大変摩耗の少ない転輪が
得られる。データは示さないが、上記ローラ本体と軸芯
側の軸受け部をオーステンパ球状黒鉛鋳鉄で一体成形し
たローラを炭素鋼(S45C)製の固定軸に外挿して連
続回転100時間テストしたが、前記図6と同様、僅か
な摺動痕跡を目視できるのみであった。更に長時間の連
続回転テストをしたが、炭素鋼(S45C)製の固定軸
に僅かな摺動痕跡を目視できるのみであった。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の装軌式建設機械の転輪の
実施の形態の形態を説明する。装軌式建設機械の走行装
置の転輪であり、従来は、転輪に備えられたローラの軸
芯の孔に軸が挿入され、そのローラと軸の間に別途形成
された鍔付ブッシュ(軸受け)が圧入されていた。本願
の実施の形態は、ローラ本体と軸受け部とをオーステン
パ球状黒鉛鋳鉄により一体で成形した。即ち、軸に回転
可能に外挿されるローラの軸受け部とローラ本体を有す
るローラをオーステンパ球状黒鉛鋳鉄により一体で成形
し、更に、その軸受け部が軸に直接回転可能に取付けら
れた装軌式建設機械の転輪である。尚、下記の実施例で
は、ローラ本体と軸受け部とをオーステンパ球状黒鉛鋳
鉄により一体で成形したローラの事例を図示し説明して
いるが、カラーや軸をオーステンパ球状黒鉛鋳鉄により
形成することもでき、ローラとカラーをオーステンパ球
状黒鉛鋳鉄により形成したものであっても良い。
【0014】
【実施例】実施例では、装軌式建設機械の走行装置の履
帯用転輪のうちの下部転輪を例示して説明するが、前述
のように、下部転輪のローラに拘るものではなく、軸に
回転可能に外挿された全てのローラに使用できる。例え
ば、図5の誘導輪、上部転輪などにも使用できるもので
ある。
【0015】図1は、本発明に係る装軌式建設機械の走
行装置の履帯用下部転輪を示す縦断面図である。図1に
基づき装軌式建設機械の履帯用下部転輪を説明する。下
部転輪1は、装軌式建設機械の走行装置の下部転輪1で
あり、下部転輪1には軸2とローラ3が備えられてい
る。先ず始めに、固定軸2(図示せず、以下、軸と称
す)を設ける。その軸2は、炭素鋼(S45C)やその
他の金属で形成されている。その軸2に回転可能に外挿
する軸挿入孔(以下、孔と称す)3aを軸芯に形成した
ローラ本体3bを設ける。そのローラ本体3bの軸芯側
の部分は軸受け部3cであり、軸受け部3cの軸芯に孔
3aが形成してあり、その孔3aに軸2を直接挿入する
〔従来は、軸受けを介して固定軸にローラが回転可能に
外挿されていた(図6,7参照)〕。そのローラ本体3
bと軸受け部3cは、オーステンパ球状黒鉛鋳鉄により
一体で形成されている。即ち、ローラ3は、ローラ本体
3bと軸芯に軸2を直接挿入する孔3aを設けた軸芯側
の軸受け部3cが、オーステンパ球状黒鉛鋳鉄により一
体で成形されている。そのローラ3の孔3aの央部に潤
滑油4を封入する油溜り5を設け、その油溜り5には潤
滑油4が封入されており、そのローラ3の孔3aに前記
軸2を直接挿入する。5bは、潤滑油点検・注入孔。そ
の軸2に回転可能に外挿したローラ3の両端には、軸に
固定されたカラー6,6が配設され、そのカラー6,6
の軸芯には、前記ローラ3の孔3aと連通し、軸2が回
転可能に挿入される孔6aを設ける。ローラ3と環状の
カラー6,6の間には、環状のフローティングシール
7,7が夫々装着されている。そのフローティングシー
ル7,7に潤滑油4が満たされるように、前記油溜り5
と連通する通気孔5a,5aが、ローラ3の所定位置に
設けられている。その潤滑油4は、ローラ3の軸受け部
3cと軸2の間の間隙に浸透し、回転による軸受け部3
cの孔3aの内壁面と軸2の外周面の摩耗を低減させて
いる。上記構成を備えた下部転輪1は、軸2にローラ3
の軸芯側の軸受け部3cの孔3aを直接外挿し、そのロ
ーラ3の両端に環状のフローティングシール7,7を介
して環状のカラー6,6を装着すると共に、環状のカラ
ー6,6は軸2に外挿固定されている。尚、フローティ
ングシール7,7のないものであっても良い。
【0016】以上のような構成の装軌式建設機械の下部
転輪1は、以下に列記する諸々の効果が得られた。ロー
ラ本体3bとローラ3の軸芯側の軸受け部3cとが、オ
ーステンパ球状黒鉛鋳鉄により一体で成形されており、
自己潤滑性、耐摩耗性、強靭性、耐抗張性、高強度等々
の特徴を備えたオーステンパ球状黒鉛鋳鉄の性質が十分
に活用できる。ローラ本体3bとローラ3の軸受け部3
cとをオーステンパ球状黒鉛鋳鉄により一体で成形した
ので、別途軸受けを製造して圧入する必要がなくなり、
ローラ3の製造コストが低減され、装軌式建設機械の転
輪が安価で得られた。ローラ本体3bとローラ3の軸受
け部3cとをオーステンパ球状黒鉛鋳鉄により一体で成
形したので、苛酷な状況下で使用されるローラ3の軸受
け部3cの孔3aの内壁面と軸2の外周面の摩耗が大変
少なく、長時間の連続回転にも耐えられる下部転輪1が
低コストで製造できる。ローラ3がオーステンパ球状黒
鉛鋳鉄により一体で成形されいるので、ローラ3がアキ
シャル荷重を受けたとき、軸に固定されたカラー6,6
とローラ3の接触部(↑印)がスラスト軸受けとなり、
オーステンパ球状黒鉛鋳鉄の自己潤滑性、耐衝撃性、強
度、強靭性などが活かされ、苛酷な使用状況に耐えられ
るローラ3が得られた。従来のローラは、表面の数ミリ
メートル厚のみが熱処理により高硬度に形成してあるた
め、表面が摩耗するとローラを交換しなければならなか
ったが、本発明のローラ3は、全体が均一なオーステン
パ球状黒鉛鋳鉄により一体で成形されいるので、ローラ
3(摩耗の少ないオーステンパ球状黒鉛鋳鉄製)の表面
が摩耗しても、全体が均一な素材で形成してあるから、
ローラ3を交換することなく、引き続き継続使用できる
から、交換経費・時間を軽減できるローラ3である。
【0017】
【発明の効果】本発明に係る装軌式建設機械の転輪は、
以上のような構成を備えているので、以下に列記するよ
うな諸々の効果を奏する。ローラ本体とローラの軸芯側
の軸受け部とが、オーステンパ球状黒鉛鋳鉄により一体
で成形されたので、以下に列記した効果が得られた。 1.オーステンパ球状黒鉛鋳鉄の特性である自己潤滑
性、耐摩耗性、耐靭性、耐抗張性、高強度な材質等々を
十分に活用でき、苛酷な使用状況に耐えられる装軌式建
設機械の転輪が得られた。
【0018】2.ローラがオーステンパ球状黒鉛鋳鉄に
より一体で成形されいるので、ローラがアキシャル荷重
を受けたとき、軸に固定されたカラーとローラの接触面
がスラスト軸受けとなり、オーステンパ球状黒鉛鋳鉄の
自己潤滑性により、ローラの摩耗が軽減される装軌式建
設機械の転輪が得られた。
【0019】3.別途軸受けを製造する必要がなくな
り、製造コストが低減されたローラが得られると共に、
従来のローラと軸との間に別途形成した軸受けを強圧入
する作業が無用化され、下部転輪組立コストも低減さ
れ、安価な装軌式建設機械の転輪が得られた。
【0020】4.加重が掛かる状態で回転し、摺接する
ローラの軸受け部の孔の内壁面と軸の外周面の磨耗が大
変少なく、長時間の連続回転にも耐えられる下部転輪が
得られ、低コストで製造できる装軌式建設機械の転輪が
得られた。
【0021】5.オーステンパ球状黒鉛鋳鉄により全体
が均一に一体で成形されたローラを備えているので、ロ
ーラの表面が摩耗しても交換することなく、引き続き継
続使用することができるから、交換経費・時間を軽減で
きるローラが得られた。
【0022】ローラと共にカラーが、オーステンパ球状
黒鉛鋳鉄により成形されたので、上記の効果が一層強化
された転輪が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る装軌式建設機械の走行装置の履帯
用下部転輪を示す縦断面図である。
【図2】摩耗試験表である。
【図3】摩耗試験表である。
【図4】摩耗試験表である。
【図5】図2の連続50時間テスト後のデータAの固定
試験片の摩耗状態を示す斜視図(写真)である。
【図6】図3の連続50時間テスト後のデータCの回転
試験片の摩耗状態を示す斜視図(写真)である。
【図7】図4の連続50時間テスト後のデータEの回転
試験片の摩耗状態を示す斜視図(写真)である。
【図8】装軌式建設機械の履帯用下部転輪を示す側面図
である。
【図9】従来の装軌式建設機械の走行装置の下部転輪を
示す縦断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・下部転輪 2・・・・・軸 3・・・・・ローラ 3a・・・・軸挿入孔 3b・・・・ローラ本体 3c・・・・軸受け部 4・・・・・潤滑油 5・・・・・油溜り 5a・・・・通気孔 5b・・・・潤滑油点検・注入孔 6・・・・・カラー 6a・・・・孔 7・・・・・フローティングシール

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装軌式建設機械の走行装置の転輪であっ
    て、 その転輪に形成されたローラ本体とローラ本体の軸芯側
    の軸受け部とがオーステンパ球状黒鉛鋳鉄により一体で
    成形されたローラを備えていることを特徴とする装軌式
    建設機械の転輪。
  2. 【請求項2】 装軌式建設機械の走行装置の転輪であっ
    て、 その転輪に形成されたローラ本体とローラ本体の軸芯側
    の軸受け部とがオーステンパ球状黒鉛鋳鉄により一体で
    成形されたローラと、 そのローラの両端に配設され、オーステンパ球状黒鉛鋳
    鉄により成形されたカラーと、 を備えていることを特徴とする装軌式建設機械の転輪。
  3. 【請求項3】 装軌式建設機械の走行装置の転輪であっ
    て、 その転輪に形成されたローラ本体とローラ本体の軸芯側
    の軸受け部とがオーステンパ球状黒鉛鋳鉄により一体で
    成形されたローラと、 そのローラの両端に配設され、オーステンパ球状黒鉛鋳
    鉄により成形されたカラーと、 それらのローラとカラーの軸芯の孔に連通された軸と、 を備え、 その軸にローラが回転可能に外挿され、カラーが固定さ
    れていることを特徴とする装軌式建設機械の転輪。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1332952A2 (en) 2002-02-01 2003-08-06 Topy Kogyo Kabushiki Kaisha Structure for standardizing parts of a roller assembly for a caterpillar construction vehicle
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