JP2000158029A - クラスタ圧延機及びこれを用いた板形状制御法 - Google Patents
クラスタ圧延機及びこれを用いた板形状制御法Info
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Abstract
より鋼板の形状を正確に検出できない。また、オフセン
タに起因した複合伸び形状を有する鋼板の形状制御を行
うことができない。 【解決手段】 クラスタ圧延機本体11と、クラスタ圧延
機本体11の出側に設けられて鋼板21の板形状を検出する
板形状検出器12と、クラスタ圧延機本体11の出側に設け
られて、鋼板21の板幅方向に関するクラスタ圧延機本体
11の中心と、クラスタ圧延機本体11を通過した圧延材21
の板幅方向の中心との偏差であるオフセンタ量を検出す
るオフセンタ検出器13と、板形状検出器12の検出値に基
づいて鋼板21における歪分布を示す4次の直交関数を求
め、オフセンタ検出器13の検出値に基づいて、求めた4
次の直交関数における奇数次の形状モード係数A1 、A
3をそれぞれ変更し、変更された形状モード係数A1'、
A3'がそれぞれの目標値に等しくなるように、クラスタ
圧延機本体11のレベラー、ベンダーおよびクラウン調整
機構を制御する制御装置14とを組み合わせて備えるクラ
スタ圧延機10である。
Description
びこれを用いた板形状制御法に関する。
ークロールを1本以上のバックアップロールや中間ロー
ルにより支持した圧延機であり、特に、側面から見た場
合に、ぶどうの房(クラスタ)のように、一対のワーク
ロールが、バックアップロールおよび中間ロールによっ
て取り囲まれるようにして配置された形式の圧延機であ
る。
される圧延材の板形状には、ワークロールだけでなく、
中間ロールやバックアップロールも少なからず影響す
る。そのため、クラスタ圧延機を用いた板形状制御で
は、これら各種の要因を的確に制御する必要がある。こ
のため、従来より、クラスタ圧延機を用いて圧延材の板
形状を高精度で制御する技術が種々提案されている。
ックアップロールクラウン調整サーボ系、ロールベンダ
サーボ系および圧下レベリングサーボ系を備えるクラス
タ圧延機を用いた形状制御装置が提案されている。この
形状制御装置では、圧延前にバックアップロールクラウ
ン調整サーボ系に制御信号を出力してバックアップロー
ルクラウンのプリセットを行っておき、圧延時には、圧
延材である鋼板の形状を数学的に近似した4次の正規化
直交関数(ルジャンドルの正規化直交関数)における1
次の形状モード係数A1 に基づいて圧下レベリングサー
ボ系に制御信号を出力して、形状モード係数A1 が目標
値となるようにフィードバック制御を行うとともに、2
次の形状モード係数A2 に基づいてロールベンダサーボ
系に制御信号を出力して、形状モード係数A2 が目標値
となるようにフィードバック制御を行うことにより、圧
延材の板形状を高精度で制御する。
−255710号公報により提案されたクラスタ圧延機を用い
た形状制御装置は、炭素鋼からなる圧延材の圧延には有
効であるものの、比較的硬いステンレス鋼からなる圧延
材の圧延では、圧延時に伸び率が板中心に対して非対称
となる「複合伸び」の影響を受けて、所望の精度の形状
制御を行うことができないことがわかった。
5569号により、所望の精度の形状制御を行うことができ
るクラスタ圧延機とその制御方法を提案した。図5は、
この提案にかかるクラスタ圧延機の制御方法の概要を示
す説明図である。同図に示すクラスタ圧延機1では、S
T01において、クラスタ圧延機1の出側に設けられた形
状検出器2を用いて、鋼板3の形状を板幅方向に区切っ
た各ポイントの形状伸び率を表す形状信号を検出する。
なお、形状検出器2は、ロール軸方向および周方向に一
定ピッチで縦横にロードセルを埋め込まれたロールから
なり、形状検出器2の外周面の一部に鋼板3を巻き付か
せることにより、各ロードセルが接触する位置における
鋼板3の張力、すなわち形状伸び率を測定する。
決定に先立ってラインを統括している圧延プロセスコン
ピュータ (図示しない) から、鋼種、板厚、板幅、圧下
率、入口における鋼材温度等の圧延条件が形状制御コン
トローラ5に入力され、形状制御コントローラ5ではこ
れに基づいて、バックアップロールクラウン制御信号6a
を出力し、バックアップロールクラウンをプリセットす
る。
ーラ5内に記憶されている4次の正規化直交関数に、検
出した形状信号 (形状伸び率) を代入することによって
形状モード係数A1 〜A4 を演算する。これにより、鋼
板3の形状を4次の直交関数により数学的に近似する。
ここで、形状検出器2を用いて検出した形状信号に基づ
いて形状モード係数A1 〜A4 を演算する式を示す。
x2 (i) +d、φ3(i) =e・x3 (i) +f・x
(i) 、φ4(i) =g・x4 (i) +h・x2 (i) +
kとすると、形状モード係数A1 〜A4 は、下記式に
より求められる。
を示し、符号a〜kは直交関数係数を示し、符号iは形
状検出器2のチャンネルNo. を示し、符号nは形状検出
器2のチャンネル数を示し、さらに、符号βi は形状検
出器2により検出された形状信号 (形状の伸び率) を示
す。
5により、ST02において求めた形状モード係数A1 〜
A4 と、それぞれの目標値との間の偏差ΔA1 〜ΔA4
をそれぞれ求め、制御量を決定する。
ラ5から、偏差ΔA1 〜ΔA4 が零になるように、クラ
スタ圧延機1のレベリング制御信号7aおよび中間ロール
8の対称ベンダ制御信号8aを出力して、鋼板3の形状制
御を行い、処理を終了する。
機1のレベリング、中間ロールベンダーおよびバックア
ップロールクラウン制御機構の各アクチュエータに対し
て出力する制御信号の内容は、以下の通りである。
り、形状モード係数A1、A3 それぞれに基づいて求め
られる偏差ΔA1 、ΔA3 を制御の対象量として、ワー
クロールレベラーのアクチュエータに出力される。制御
出力の値 (偏差ΔA1 、ΔA3 ) が正の値である場合に
はO/S側を圧延し、一方、制御出力の値が負の値であ
る場合にはD/S側を圧延する。
び時の鋼板3の形状制御に有効であり、中間ロールベン
ダのアクチュエータに、形状モード係数A2 、A4 それ
ぞれに基づいて求められる偏差ΔA2 、ΔA4 を制御の
対象量として出力される。制御出力の値 (偏差ΔA2 、
ΔA4 ) が正の値である場合には鋼板3のエッジを延ば
す制御を行い、一方、制御出力の値が負の値である場合
には鋼板3の板幅方向中心部を延ばす制御を行う。
号6a 鋼板3の形状が左右対称であって、中端伸び、クォータ
伸び時に鋼板3の形状制御に有効であり、分割バックア
ップロールのアクチュエータに、形状モード係数A4 に
よる偏差ΔA4 を制御の対象量として出力する。
合伸び時に鋼板3の形状制御に有効であり、中間ロール
ベンダのアクチュエータに、形状モード係数A1 、A3
それぞれに基づいて求められる偏差ΔA1 、ΔA3 を制
御の対象量として、出力する。そして、制御出力の値が
(偏差ΔA1 : (−) 、偏差ΔA3 : (+))である場合
にはD/S側を圧下するとともにO/S側を開放し、一
方、制御出力の値が (偏差ΔA1 : (+) 、偏差Δ
A3 : (−))である場合には、O/S側を圧下するとと
もにD/S側を開放する。
ラスタ圧延機1の制御方法により、複合伸びが発生した
鋼板3を良好に圧延することができ、鋼板3の仕上がり
品質を大幅に改善することができる。
質向上を図るため、さらに検討を重ねた結果、この特願
平9−145569号により提案したクラスタ圧延機1の制御
方法によっても、鋼板3の仕上がり品質を確保できない
場合があることを知見した。すなわち、特願平9−1455
69号により提案したクラスタ圧延機1の制御方法は、鋼
板3の形状が左右対象であることを前提として、各々の
制御モード係数を決定する。このため、鋼板3の例えば
蛇行に起因して、鋼板3の板幅方向に関するクラスタ圧
延機1の中心に対して、クラスタ圧延機1を通過した鋼
板3の板幅方向の中心がずれている場合 (本明細書にお
いては、このずれを「オフセンタ」という。) には、
(1) 形状検出器2が板形状を誤検出してしまうととも
に、(2) 左右非対称の形状の鋼板3の制御は行うことが
できないという二つの課題があった。以下、この課題
(1) および課題(2) について、詳細に説明する。
を誤検出すること 図6は、特願平9−145569号により提案した図5に示す
クラスタ圧延機1の制御方法により、形状検出器2が鋼
板3の板形状を検出した結果(形状信号)の一例を示す
説明図であり、図6(a) は鋼板3のセンタ通板時を示
し、図6(b) は鋼板3のオフセンタ通板時を示す。
タ圧延機の制御方法は、例えば、鋼板3が単純耳伸び形
状である場合に、鋼板3のパスセンタを中心として対称
の形状に修正する方法である。このため、図6(a) に示
すように、板形状制御に先立って行われる鋼板3の板形
状の認識では、パスセンタO−Oからの左右の検出距離
l1、l2 は同じ固定値とされる。したがって、図6(b)
に示すように鋼板3のオフセンタが発生すると、鋼板3
の一方の板端部3aは正規の検出位置からずれてしまい、
検出荷重が検出されない。このため、形状検出器2に
は、この板端部3aで伸びが発生して荷重を検出しない状
態と同じ状態のデータが検出される。一方、他方の板端
部3bでは、実際のエッジ部よりも内側の位置における荷
重を検出してしまうため、検出荷重が大きくなり、形状
としては“張り”の状態と同じ状態のデータが検出され
る。このため、鋼板3のオフセンタ時には、図6(b) に
グラフで示すように、形状検出器2は、鋼板3は強度の
片伸び状態にあるものと、鋼板3の板形状を誤検出して
しまう。
御は行うことができないこと 例えば特開平9−206812号公報では、4重式や6重式と
いった、炭素鋼からなる圧延材を圧延する通常の圧延機
では、圧延材のオフセンタが生じても、片伸び形状の分
布はほぼ直線的な1次式の成分からなることから、同様
の形状制御特性を有する左右のワークロール開度制御を
行うことにより、比較的容易に圧延材の形状不良を解消
できる。
すクラスタ圧延機1により圧延される鋼板3の板形状に
は、ワークロール7だけでなく、中間ロール8やバック
アップロール6も複雑に影響する。このため、クラスタ
圧延機1により圧延される鋼板3にオフセンタが生じた
場合、圧延された鋼板3の形状の分布は、片伸び形状で
はなく複合伸びとなるため、単純な1次の近似式で近似
することはできなくなり、2次成分以上の高次の近似式
を用いて近似する必要が生じる。
センタ発生時の形状制御の方法として、被圧延材のオフ
センタ量と、ワークロールベンディング力のD/S側お
よびO/S側の差との関係を下記式により規定してい
る。
びテーパロール形状毎に決定されるパラメータを示し、
符号ΔZは被圧延材のオフセンタ量を示し、さらに、符
号ΔFはD/S側およびO/S側それぞれにおけるロー
ルベンディング力の差を示す。
タ圧延機の制御方法では、D/S側およびO/S側それ
ぞれにおけるロールベンディング力の差ΔFを直接制御
する形状モード係数が存在しない。このため、特願平9
−145569号により提案したクラスタ圧延機の制御方法
に、特開平9−206812号公報により開示された式を適
用することも困難であるとともに、特開平9−206812号
公報に記載された発明では鋼板3のオフセンタ時の形状
の誤認識についても、何ら考慮していないため、かかる
誤認識を防止することもできない。
69号により提案したクラスタ圧延機の制御方法が有する
課題を解消すること、具体的には、被圧延材のオフセン
タの場合にも形状検出器により鋼板の形状を正確に検出
できるとともに、オフセンタに起因した複合伸び形状を
有する鋼板の形状制御も行うことができるクラスタ圧延
機およびこれを用いた板形状制御法を提供することであ
る。
を解決するため鋭意検討を重ねた結果、鋼板のオフセン
タ量をクラスタ圧延機の出側で測定し、オフセンタ量の
測定値に基づいて、演算された形状モード係数のうちで
1次以上の奇数次の形状モード係数 (たとえばA3 、A
5 等) を変更することにより、鋼板のオフセンタに起因
した形状の誤認識を修正し、修正した形状モード係数と
それぞれの目標値との間の偏差を零にするように、非対
称に圧下レベリングおよび中間ロールベンディングの一
方または双方を制御することにより、上記課題を解決で
きることを知見して、本発明を完成した。
(i) クラスタ圧延機本体と、(ii)クラスタ圧延機本体の
出側に設けられて圧延材の板形状を検出する板形状検出
器と、(iii) クラスタ圧延機本体の出側に設けられて、
圧延材の板幅方向に関するクラスタ圧延機本体の中心
と、クラスタ圧延機本体を通過した圧延材の板幅方向の
中心との偏差であるオフセンタ量を検出するオフセンタ
検出器と、(iv)板形状検出器の検出値に基づいて圧延材
における歪分布を示す複数次の直交関数を求め、オフセ
ンタ検出器の検出値に基づいて、求めた複数次の直交関
数における奇数次の形状モード係数をそれぞれ変更し、
形状モード係数がそれぞれの目標値に等しくなるよう
に、少なくとも、クラスタ圧延機本体のレベラーおよび
ベンダーの一方または双方を制御する制御装置とを組み
合わせて備えることを特徴とするクラスタ圧延機であ
る。
延機を通過した圧延材の板形状を検出し、この検出値に
基づいて圧延材における歪分布を示す複数次の直交関数
を求め、複数次の直交関数の各次の形状モード係数がそ
れぞれの目標値に等しくなるように、少なくとも、クラ
スタ圧延機のレベラーおよびベンダーの一方または双方
を制御することにより、圧延材の板形状を制御する際
に、圧延材の板幅方向に関するクラスタ圧延機の中心
と、クラスタ圧延機を通過した圧延材の板幅方向の中心
との偏差であるオフセンタ量に基づいて、複数次の直交
関数における奇数次の形状モード係数を変更することを
特徴とするクラスタ圧延機を用いた板形状制御法であ
る。
延機およびこれを用いた板形状制御法の実施形態を、添
付図面を参照しながら、詳細に説明する。なお、以降の
説明では、4次の正規化直交関数を用いて、鋼板の形状
制御を行う場合を例にとる。
模式的に示す説明図である。同図に示すように、本実施
形態のクラスタ圧延機10は、クラスタ圧延機本体11と、
板形状検出器12と、オフセンタ検出器13と、制御装置14
とを備える。以下、これらの構成要素について順次説明
する。
に、本実施形態のクラスタ圧延機本体11は、上下一対の
ワークロール15、15と、上下一対の中間ロール16、16、
17、17と、上下一対の大径バックアップロール18、18、
19、19と、上下一対の小径バックアップロール20、20と
を有する。本実施形態では、このクラスタ圧延機本体11
により、図面右方向へ搬送される圧延材である鋼板21の
圧延が行われる。
体11には、クラスタ圧延機11の圧下レベリングを制御す
るレベラーと、中間ロール16、16、17、17のベンディン
グを対称制御または非対称制御するベンダーと、バック
アップロール18、18、19、19、20、20のクラウンを制御
するクラウン制御機構とが組み込まれている。
よく、本実施形態でも既存のものを用いた。したがっ
て、クラスタ圧延機本体11に関するこれ以上の説明は、
省略する。
器12は、クラスタ圧延機本体11の出側に設けられてお
り、鋼板21の板形状を検出する。本実施形態では、前述
した図5における板形状検出器2と同様のものを用い
た。すなわち、形状検出器12は、ロール軸方向および周
方向に一定ピッチで縦横にロードセルを埋め込まれたロ
ールからなり、形状検出器12の外周面の一部に鋼板21を
巻き付かせることにより、各ロードセルが接触する位置
における鋼板21の張力、すなわち形状伸び率を測定す
る。これにより、鋼板21の形状を板幅方向に区切った各
ポイントの形状伸び率を表す形状信号12A が検出され
る。検出された形状信号12A は、後述する制御装置14に
入力され、同じく後述する形状補正器22により補正され
る。
12の出側には、オフセンタ検出器13が設けられる。この
オフセンタ検出器13は、鋼板21の板幅方向に関するクラ
スタ圧延機本体11の中心と、クラスタ圧延機本体11を通
過した鋼板21の板幅方向の中心との偏差を、オフセンタ
量として検出する。また、同時に鋼板21の板幅も測定す
る。このようなオフセンタ検出器13は、特定の型式のも
のには限定されないが、ヒュームが発生するというクラ
スタ圧延機10の周辺環境を考慮して、電磁誘導式の測定
機を用いることが望ましい。検出されたオフセンタ量13
A は、後述する制御装置14に入力され、同じく後述する
A1補正器23およびA3補正器24により補正される。
板形状検出器12から入力される形状信号12A と、オフセ
ンタ検出器13から入力されるオフセンタ量13A とに基づ
いて、以下に列記する内容の処理を行う。
いて、鋼板21における歪分布を示す4次の正規化直交関
数を求める。
出値である形状信号12A は、制御装置14内の形状補正器
22に入力され、後述する図3(b) の修正形状のように修
正する。その後、φ1(i) =b・x (i) 、φ2(i) =
c・x2(i) +d、φ3(i)=e・x3(i) +f・x
(i) 、φ4(i) =g・x4(i) +h・x2(i) +kを
有する4次の正規化直交関数に代入される。これによ
り、1次〜4次の形状モード係数A1 〜A4 が、前記
式により求められる。
(A1'、A3'の算出) オフセンタ検出器13からの検出値であるオフセンタ量13
A に基づいて、求めた奇数次の形状モード係数であるA
1 、A3 が変更される。
タ発生時に、オフセンタ量が1次〜4次の形状モード係
数A1 〜A4 に与える影響を調査した。その結果、オフ
センタ量は、A2 、A4 等の偶数次の形状モード係数に
は影響を与えないものの、A1 、A3 等の奇数次の形状
モード係数には影響を与えることを、知見した。図2
は、オフセンタ量が奇数次の形状モード係数に影響を与
えることを示すグラフであり、図2(a) は1次の場合
を、図2(b) は3次の場合をそれぞれ示す。
フセンタ量13A を、制御装置14内のA1補正器23および
A3補正器24にそれぞれ入力し、鋼板21のオフセンタ発
生時に、1次の形状モード係数A1および3次の形状モ
ード係数A3それぞれに、下記式に基づいて、補正を
行う。
し、符号fi (x) はオフセンタ量と形状モード係数との
間の相関関数を示す、符号Ai 補正値は形状モード係数
補正値を示す。なお、符号i=1、3である。
延機11の出側に設けられたオフセンタ検出器 (板端検出
器) 13を用いて、鋼板21のオフセンタ量を検出し、オフ
センタに起因したオフセンタ検出器13の出力のずれを補
正する。これにより、本実施形態によれば、鋼板21のオ
フセンタを何ら修正することなく、鋼板21の形状を高精
度で修正することが可能となる。
A2 、A3'、A4 と目標値との偏差の算出 そして、制御装置14により求められた1次〜4次の形状
モード係数A1'、A2、A3'、A4 と、それぞれの目標
値との偏差ΔAi が、下記式に基づいて、算出され
る。
値を示し、符号Ai 'は形状モード係数実測値を示し、符
号Ai は、形状モード係数の目標値に対する偏差であ
り、形状モード係数指令値を示す。ただし、符号i=
0、1、2、・・・、nである。例えば、オフセンタ量
をmチャンネルと仮定すると、オフセンタ量と形状モー
ド係数との間の相関関数fi (x) は下記式のようにな
る。
を示す。
ぞれの目標値との偏差ΔAi がそれぞれ零となるよう
に、クラスタ圧延機本体11の圧下レベリングを制御する
レベラーと、中間ロール16、16、17、17のベンディング
を非対称制御するベンダーと、バックアップロール18、
18、19、19、20、20のクラウンを制御するクラウン制御
機構とに、それぞれ、レベリング制御信号、ベンディン
グ制御信号およびクラウン制御信号を出力し、レベラ
ー、中間ロール16、17のベンダーおよびバックアップロ
ール18、19、20のクラウン調整機構を制御する。
れば、(1) 図示しない圧延プロセスコンピュータから入
力される圧延条件に応じて、この圧延条件に適したバッ
クアップロール18、19、20のクラウンのパターンおよび
量を計算し、プリセットすること、(2) 圧延後の板形状
の検出値に基づいて、板形状の歪分布に対応する4次の
正規化直交関数を求めること、(3) 検出したオフセンタ
量に基づいて、求めた正規化直交関数の1次の形状モー
ド係数A1 および3次の形状モード係数A3 を修正し
て、A1'、A3'を求めること、(4) 求めた正規化直交関
数の係数のうち1次の係数A1'が目標値に一致するよう
にワークロール15の圧下レベリングを制御すること、
(5) 求めた正規化直交関数の係数のうち2次の係数A2
が目標値に一致するように中間ロール16、17のベンディ
ングを対称制御すること、(6) 求めた正規化直交関数の
係数のうち4次の係数A4 が目標値に一致するように分
割バックアップロールベアリングを制御すること、(7)
求めた正規化直交関数の係数のうち1次以上の奇数次の
係数A1'、A3'が目標値に一致するように中間ロール1
6、17のベンディングを非対称制御することが、それぞ
れ行われる。
ように構成される。次に、本実施形態のクラスタ圧延機
10の動作を説明する。図1において、クラスタ圧延機11
に鋼板21が噛み込んで、鋼板21の圧延が開始される。す
ると、クラスタ圧延機11の出側に設けられた形状検出器
12により、鋼板21の板幅方向の形状が検出される。ま
た、クラスタ圧延機11の出側に設けられたオフセンタ計
測器13により、鋼板21のオフセンタ量が検出される。
より、形状検出器12が鋼板21の板形状を検出した結果
(形状信号) の一例を示す説明図であり、図3(a) は鋼
板21のセンタ通板時を示し、図3(b) は鋼板21のオフセ
ンタ通板時を示す。
クラスタ圧延機1と同様に、形状検出器12は、図3(a)
に示すセンタ通板時には問題ないものの、図3(b) に示
すオフセンタ時には、鋼板21は強度の片伸び状態にある
ものと、鋼板21の板形状を誤検出する。
おいて、検出された形状信号に基づいて得られる4次の
正規化直交関数を展開することにより得られる形状モー
ド係数A1 、A2 、A3 、A4 のうちの奇数次の形状モ
ード係数A1 およびA3 を、オフセンタ計測器13により
検出されたオフセンタ量に基づいて、A1補正器23およ
びA3補正器24を用いて補正し、補正された形状モード
係数A1'およびA3'に基づいて、中間ロール16、17の非
対称ベンディング制御および対称レベリング制御が行わ
れる。これにより、誤認識した非対称形状を修正する制
御が行われる。このため、図3(b) に示すように、オフ
センタ計測器13による補正後には、鋼板21のオフセンタ
を何ら修正することなく、鋼板21の形状を正確に認識す
ることができ、鋼板21の形状を左右対称へ容易に修正す
ることができる。
ラスタ圧延機1と、図1〜図3を用いて説明した本実施
形態のクラスタ圧延機11とを用いて、ステンレス鋼帯
(板厚:0.572mm 、板幅:1023mm) の形状制御を行っ
た。
場合の制御結果をグラフで示し、図4(b) にはクラスタ
圧延機11によった場合の制御結果をグラフで示す。図4
(a) および図4(b) から、本発明により、ステンレス鋼
帯を高精度で左右対称に形状制御することができたこと
がわかる。
正規化直交関数を用いた場合を例にとった。しかし、本
発明はかかる形態に限定されるものではなく、2次以上
の複数次の正規化直交関数を用いた場合にも同様に適用
される。
制御装置により、クラスタ圧延機本体のレベラーおよび
ベンダーの双方を制御することとした。しかし、本発明
はかかる形態に限定されるものではなく、制御量等に応
じて、クラスタ圧延機本体のレベラーおよびベンダーの
一方を制御することとしてもよい。さらに、実施形態お
よび実施例の説明で用いたクラスタ圧延機は、あくまで
も例示であり、他の形式のクラスタ圧延機にも同様に適
用される。
オフセンタの場合にも形状検出器により鋼板の形状を正
確に検出できるとともに、オフセンタに起因した複合伸
び形状を有する鋼板の形状制御を行うことができた。
センタによる形状の誤認識に起因した圧延時の絞り込み
やキャンバー等が防止されるとともに、鋼板の複合伸び
に対応することができる。したがって、本発明によれ
ば、クラスタ圧延機を用いて、高精度で圧延を行うこと
ができる。かかる効果を有する本発明の意義は、極めて
著しい。
図である。
を与えることを示すグラフであり、図2(a) は1次の場
合を示し、図2(b) は3次の場合を示す。
が鋼板の板形状を検出した結果(形状信号) の一例を示
す説明図であり、図3(a) は鋼板のセンタ通板時を示
し、図3(b) は鋼板のオフセンタ通板時を示す。
合の制御結果を示すグラフであり、図4(b) は、本発明
にかかるクラスタ圧延機によった場合の制御結果を示す
グラフである。
圧延機の制御方法の概要を示す説明図である。
5に示すクラスタ圧延機の制御方法により、形状検出器
が鋼板の板形状を検出した結果の一例を示す説明図であ
り、図6(a) は鋼板のセンタ通板時を示し、図6(b) は
鋼板のオフセンタ通板時を示す。
Claims (2)
- 【請求項1】 クラスタ圧延機本体と、 該クラスタ圧延機本体の出側に設けられて圧延材の板形
状を検出する板形状検出器と、 前記クラスタ圧延機本体の出側に設けられて、前記圧延
材の板幅方向に関する前記クラスタ圧延機本体の中心
と、前記クラスタ圧延機本体を通過した圧延材の板幅方
向の中心との偏差であるオフセンタ量を検出するオフセ
ンタ検出器と、 前記板形状検出器の検出値に基づいて前記圧延材におけ
る歪分布を示す複数次の直交関数を求め、前記オフセン
タ検出器の検出値に基づいて、求めた前記複数次の直交
関数における奇数次の形状モード係数をそれぞれ変更
し、該形状モード係数がそれぞれの目標値に等しくなる
ように、少なくとも、前記クラスタ圧延機本体のレベラ
ーおよび/またはベンダーを制御する制御装置とを組み
合わせて備えることを特徴とするクラスタ圧延機。 - 【請求項2】 クラスタ圧延機を通過した圧延材の板形
状を検出し、該検出値に基づいて前記圧延材における歪
分布を示す複数次の直交関数を求め、該複数次の直交関
数の各次の形状モード係数がそれぞれの目標値に等しく
なるように、少なくとも、前記クラスタ圧延機のレベラ
ーおよび/またはベンダーを制御することにより、圧延
材の板形状を制御する際に、 前記圧延材の板幅方向に関する前記クラスタ圧延機の中
心と、前記クラスタ圧延機を通過した圧延材の板幅方向
の中心との偏差であるオフセンタ量に基づいて、前記複
数次の直交関数における奇数次の形状モード係数を変更
することを特徴とするクラスタ圧延機を用いた板形状制
御法。
Priority Applications (1)
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JP34165198A JP3309819B2 (ja) | 1998-12-01 | 1998-12-01 | クラスタ圧延機及びこれを用いた板形状制御法 |
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- 1998-12-01 JP JP34165198A patent/JP3309819B2/ja not_active Expired - Lifetime
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