JP2000157847A - 中空糸膜カートリッジ及びその製造方法 - Google Patents

中空糸膜カートリッジ及びその製造方法

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JP2000157847A
JP2000157847A JP10336088A JP33608898A JP2000157847A JP 2000157847 A JP2000157847 A JP 2000157847A JP 10336088 A JP10336088 A JP 10336088A JP 33608898 A JP33608898 A JP 33608898A JP 2000157847 A JP2000157847 A JP 2000157847A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ハウジング内に容易に着脱可能な
中空糸膜カートリッジの構造と、その製造方法を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 複数本の中空糸膜が相互に接着剤で固定
された端部の一方において、その接着固定層端面に、中
空糸膜の中空部と、接着固定層に埋設された少なくとも
1個のナットのネジ穴が開口していることを特徴とする
中空糸膜カートリッジ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はタンク型濾過装置あ
るいはラック型濾過装置に装備される中空糸膜カートリ
ッジ及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、河川
水、湖沼水、地下水、海水、生活排水、あるいは工場排
水等を原水として大量に除濁・除菌を行う濾過装置に用
いられる中空糸膜カートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、小型中空糸膜カートリッジをタン
ク型濾過装置の濾過タンク内、あるいはラック型濾過装
置のハウジング内に懸垂・支持させるにあたって、一般
的に適用される手法は、中空糸膜カートリッジのカート
リッジヘッドのフランジ状ツバ部外周を両手で持ち、濾
過タンクあるいはハウジングへ装着する方法である。
【0003】しかしながら、この方法は、直径が小さ
い、長さが短かいなどの軽量の中空糸膜カートリッジに
関しては適用可能であるが、本発明の対象となる大量に
浄化する水処理等に適用可能な比較的大型寸法の中空糸
膜カートリッジの場合は、同手法を適用する事が出来な
い。また、カートリッジヘッドのツバ部に懸垂用の吊掛
加工を施工するにはツバの径を大きくしたり、ツバを厚
くする必要がある。前者の場合はタンク型濾過装置及び
ラック型濾過装置の外径寸法が大型化するという問題が
あり、後者の場合はツバ部を形成する接着剤量が増すと
同時に中空糸膜カートリッジの長さが大型化するという
問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記課題を解
決するものであり、その目的とするところは、大型サイ
ズをも含めた中空糸膜カートリッジを容易に濾過タンク
内あるいはハウジング内に着脱可能とすると共に、タン
ク型濾過装置及びラック型濾過装置の小型化が図れる中
空糸膜カートリッジ及びその製造方法を提供せんとする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するするものである。すなわちこの発明は、タンク型
濾過装置の濾過タンク内、あるいはラック型濾過装置の
ハウジング内に懸垂して支持される、複数本の中空糸膜
を束ねてなる中空糸膜カートリッジであって、中空糸膜
は一方の端部において相互に接着剤で固定され、その接
着固定層端面には中空部が開口するとともに、接着固定
層に埋設された1個あるいは複数個のナットのネジ穴が
開口していることを特徴とする中空糸膜カートリッジに
関する。
【0006】さらにこの発明は、一方の中空糸膜束端部
の中空糸膜間に、1個あるいは複数個のナットを挿入
し、該中空糸膜束の端部外周に接着冶具をセットし、接
着冶具に囲まれた領域に接着剤を所定量注入して固化さ
せた後、接着固化した中空糸膜束端部の一部を切断し
て、切断面に中空糸膜の中空部とナットのネジ穴を開口
させることを特徴とする中空糸膜カートリッジの製造方
法に関する。
【0007】上記のような構成にすることにより、接着
固定層端面に開口したナットのネジ穴に螺合可能な雄ネ
ジ部を有する着脱冶具を用いて中空糸膜カートリッジを
吊り上げることができるので、タンク型濾過装置の濾過
タンク内、あるいはラック型濾過装置のハウジング内
に、容易に着脱することができる。上記中空糸膜カート
リッジに適用される着脱冶具としては、例えば、雄ねじ
部及びその上端のO字状吊掛部とで構成された、市販の
いわゆるアイボルトを適用する事が可能である。
【0008】また、ナットが接着固定層に埋設されてい
るので、吊掛加工のためにカートリッジヘッドのツバ部
を大きくしたり肉厚にする必要がなく、濾過装置の小型
化が図れる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明に係る中
空糸膜カートリッジの実施の形態の例を説明する。図1
はタンク型濾過装置のタンク内に懸垂して支持された本
発明に係る中空糸膜カートリッジの一例を示す断面説明
図、図2はラック型濾過装置のハウジング内に懸垂され
て支持された本発明に係る中空糸膜カートリッジの一例
を示す断面説明図、図3は本発明に係る中空糸膜カート
リッジ及びその着脱冶具の構成を示す要部拡大断面図で
ある。図4は本発明に係る中空糸膜カートリッジの製造
方法を説明するためのカートリッジヘッド部の要部拡大
断面図である。
【0010】図1に例示した本発明の中空糸膜カートリ
ッジ4は、多数本の中空糸膜3、接着固定層11および
15、カートリッジヘッド12、着脱用ナット13、ス
カート部材14とから構成されている。中空糸膜3はそ
の上端部が開口され、下端部が閉塞されており、多数本
の中空糸膜3は束ねられてその上端部外周が接着剤によ
り一体的に結合されて接着固定層11を形成し、さらに
その接着固定層11は円筒形状のカートリッジヘッド1
2の内部に嵌挿して接着剤によりカートリッジヘッド1
2に固着されている。
【0011】中空糸膜カートリッジ4の接着固定層11
には着脱用ナット13が埋設されている。着脱用ナット
は円筒状で内周面は雌ねじ形状となっており、着脱用ナ
ットの下端は閉塞しているが、上端は開口している。着
脱用ナットは中空糸膜カートリッジの長さ方向に埋設さ
れており、その上端は中空糸膜カートリッジ上面と一致
している。そして、着脱用ナット13の外周側は接着固
定層11に固着されている。
【0012】前記着脱用ナット外周側は適宜選択的な形
状を取ることができ、例えば外周面は雄ねじ形状あるい
は凹凸形状であっても良い。また、図1に示した実施形
態は、接着固定層11の上端に埋設された着脱用ナット
が中央に1個の場合であるが、高荷重が作用する場合等
に対応し、複数個の着脱用ナットを対称的に配置するこ
とも可能である。
【0013】カートリッジヘッド12は、中空糸膜カー
トリッジ4をタンク型濾過装置の濾過タンク内あるいは
ラック型濾過装置のハウジング内に懸垂する際の固定部
となるため、その形状は懸垂・固定の構造に合わせて作
製される。例えば図に示すようなツバ付きの形状でもよ
いし、外周部に段差や溝を設けた形状でもよい。カート
リッジヘッド12と反対側の中空糸膜束端部には、その
外周にスカート部材14が中空糸膜の端面より突き出し
て固定されている。図1においてカートリッジヘッドと
スカート部材間の中空糸膜は裸のまま露出しているが、
従来のカートリッジのように、外筒ケースによりカート
リッジヘッドとスカート部材間の中空糸膜束を被っても
良い。
【0014】中空糸膜カートリッジ4を構成するカート
リッジヘッド12、着脱用ナット13、スカート部材1
4の素材は特に限定されず、また同一でも異なっていて
も良いが、熱可塑性樹脂やステンレス鋼が好ましく用い
られる。カートリッジヘッド12は、接着固定層に用い
られる接着剤と同一素材から構成される場合もある。接
着固定層11、15に用いられる接着剤としては、エポ
キシ樹脂、ウレタン樹脂、エポキシアクリレート樹脂等
の高分子材料を適用することが出来る。接着剤の硬化収
縮や強度の改善を望む場合には、上記接着剤にガラスフ
ァイバー、カーボンファイバー等の繊維状物、カーボン
ブラック、アルミナ、シリカ等の微粉体を含有させても
良い。
【0015】本発明に用いられる中空糸膜3としては、
精密濾過膜、限外濾過膜、および逆浸透膜などが使用可
能である。中空糸膜3の素材は、特に限定されず、ポリ
スルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエ
ーテルイミド、ポリアミド、ポリエーテルケトン、ポリ
エーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリー4メチルペンテン、セルロース、酢酸セルロ
ース、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンーテトラフ
ルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン
等が用いられる。中空糸膜として、これらの素材を複数
使用した複合素材膜を用いることもできる。また、中空
膜糸の形状としては、内径50μm〜3000μmで、
内/外径比が0.3〜0.8の範囲の膜が使用できる。
【0016】この発明の中空糸膜カートリッジは、例え
ば、一方の中空糸膜束端部の中空糸膜間に、1個あるい
は複数個のナットを挿入し、該中空糸膜束の端部外周に
接着冶具をセットし、接着冶具に囲まれた領域に接着剤
を所定量注入して固化させた後、接着固化した中空糸膜
束端部の一部を切断して、切断面に中空糸膜の中空部と
ナットのネジ穴を開口させることにより製造することが
できる。
【0017】以下、本発明に係る中空糸膜カートリッジ
を懸垂・固定したタンク型濾過装置の例(図1)を説明
する。図1において、1は原液を供給して濾過を行うタ
ンク型濾過装置であり、例えば、生活排水、河川水、湖
沼水、地下水あるいは海水を原水として、精密濾過また
は限外濾過により大量に浄化する水処理に適用可能であ
る。図1では、一実施形態として原液を循環しないで濾
過を行ういわゆる全濾過方式のタンク型濾過装置に本発
明の中空糸膜カートリッジ適用した場合について説明す
るが、原液を循環しながら濾過を行ういわゆるクロスフ
ロー濾過方式のタンク型濾過装置にも同様に適用するこ
とができる。
【0018】タンク式濾過装置1の濾過タンク2は、下
部に配置して図示しない支持手段により立設されるタン
ク本体2aと蓋2bとから構成され、タンク本体2aの
内壁部の所定高さ位置に分離板5、仕切板6がそれぞれ
溶接等により液密的かつ気密的に固着されている。これ
により、タンク本体2aの下部と分離板5とにより形成
された空間が供給室7を形成し、タンク本体2aの中部
と分離板5と仕切板6とにより形成された空間が供給水
室8を形成している。
【0019】また、蓋2bはパッキン9を介して図示し
ない固定手段によりタンク本体2aの上部に液密的かつ
気密的に固定され、上部仕切板6と蓋2bとにより形成
された空間により処理水室10が形成されている。この
ように濾過タンク2の内部空間は分離板5と仕切板6に
より3つの室に分割され、仕切板6には本発明に係る中
空糸膜カートリッジ4の一端が支持されて供給室8内に
懸垂している。
【0020】中空糸膜カートリッジ4の下端部外周に
は、接着剤層15によりスカート部材14が固着されて
いる。接着剤層15には、図1に示すように、原水及び
洗浄用の気体や液体を中空糸膜3束の内部に導入して中
空糸膜3のそれぞれの外周側面に導くための貫通穴15
aが形成されている。分離板5には、供給室8内に懸垂
した中空糸膜カートリッジ4の下方に、供給室7と供給
室8を連通させる穴が設けられる。穴は、図1に例示す
るようなノズル5aの形状であっても良い。
【0021】中空糸膜モジュール4を懸垂して支持する
仕切板6は、全部の中空糸膜カートリッジ4の重量、及
び処理水室10内部に加わる内圧(水圧)により中空糸
膜カートリッジ4の上面及び仕切板6の上面に加わる荷
重に対抗し得る強度を有する所定の厚さで構成され、中
空糸膜カートリッジ4が挿通される複数の貫通穴6aが
所定位置に形成されている。
【0022】仕切板6の上面には鉛直方向にボルト16
が取り付けられている。カートリッジヘッド12のツバ
部12aの下面にパッキン17を挟んだ状態でナット1
8をボルト16に嵌合し締め付けることによりカートリ
ッジヘッド12が仕切板6に固定され、中空糸膜カート
リッジ4が安定して濾過タンク2内に収容される。上記
構成において、タンク式濾過装置1による濾過運転時に
は、図示しないポンプより濾過タンク2のタンク本体2
aに下部に設けられた原水口2cから供給水室7に供給
された原水は、分離板5のノズル5aから供給水室8に
供給されて供給水室8に充満すると共に、スカート部材
14から接着固定層15の貫通穴15aを通って各中空
糸膜3の外周側面に導かれる。
【0023】そして、各中空糸膜3の外周部近傍の原水
は、中空糸膜3の外部から内部に加圧濾過され、その濾
水は中空糸膜3の開口された上端部から処理水室10に
導かれる。処理水室10に収容された濾水は、蓋2bの
上部に設けられた処理水取出口2dから濾過タンク2の
外部に取り出される。中空糸膜3を濾水により逆洗する
場合は、処理水取出口2dから濾水を供給して供給水室
8に逆流させ、中空糸膜3外壁に蓄積した懸濁物質(非
透過物)を排除してノズル5aから供給水室7へ導き、
タンク本体2aの下部に設けられた原水口2cから濾過
タンク2の外部に排出する。
【0024】本発明に係る中空糸膜カートリッジ4はラ
ック型濾過装置21のハウジング22内にも取り付け可
能である。図2は、中空糸膜カートリッジ4をラック型
濾過装置21のハウジング22内に取り付けた構造を示
す一例である。中空糸膜カートリッジ4は、カートリッ
ジヘッド12のツバ部12aを、上ハウジングヘッド2
2bと上キャップ26とではさみ、上ねじ込みキャップ
29により固定して懸垂させる。カートリッジヘッド1
2のツバ部12aと上ハウジングヘッド22b間にパッ
キン27を、ツバ部12aと上キャップ26間にOリン
グを挟んだ状態で上ねじ込みキャップ29のネジ29a
を締め付けることにより、中空糸膜カートリッジ4が液
密に安定にハウジングに取り付けられる。
【0025】なお、図2のラック型濾過装置21のハウ
ジング22内に取り付けられた中空糸膜カートリッジ4
に関しては、図1のタンク式濾過装置1に取り付けられ
た中空糸膜カートリッジ4と同一の符号を付して説明を
省略する。上記タンク型濾過装置1及びラック型濾過装
置21に中空糸膜カートリッジ4を上下方向に挿入/引
き出して濾過タンク2あるいはハウジング22に対して
装着/あるいは脱離するにあたっては、例えば図3に示
すような着脱冶具41を使用することができる。
【0026】着脱冶具41はいわゆるアイボルトで、雄
ねじ部41a及びその上端のO字状吊掛部41bとで構
成されている。また、着脱冶具41の素材は、例えばス
テンレス鋼、炭素鋼、ガラスファイバー強化プラスティ
ックなどである。濾過装置内に装着するには、中空糸膜
カートリッジ4の接着固定層11に1個あるいは複数個
埋設された着脱用ナット13に対して、着脱冶具41を
周方向に回転して嵌合させることで着脱冶具41を中空
糸膜カートリッジ4に固定し、着脱冶具41の上部の吊
掛部41bにホイストなどの起重機のフックを引っ掛け
て中空糸膜カートリッジ4を吊り下げ、中空糸膜カート
リッジ4をタンク型濾過装置1の仕切板6の貫通穴6a
あるいはラック式濾過装置21のハウジング本体22内
に挿入する。
【0027】上記構成によれば、直径あるいは長さが大
きな寸法の中空糸膜カートリッジの場合も、また重量の
重い中空糸膜カートリッジの場合も容易に濾過タンクあ
るいはハウジング内に装着する事が出来る。また、装着
後は着脱冶具41を周方向に回転して、該中空糸膜カー
トリッジ4の接着固定層11に1個あるいは複数個埋設
された着脱用ナット13から着脱冶具41を容易に取り
外すことが出来る。
【0028】従来のように、直径が小さく長さの短い中
空糸膜カートリッジの場合は、重量も小さいため、カー
トリッジヘッド12のツバ部12aを両手で持って中空
糸膜カートリッジ4を濾過タンク2あるいはハウジング
22から着脱する事は可能であるが、本発明の対象とな
る大量の水処理等に適用可能な比較的大型寸法の中空糸
膜カートリッジの場合は、同手法を適用する事は出来な
い。
【0029】本発明では、着脱用ナット13は中空糸膜
カートリッジ4の接着固定層11に埋設されているた
め、懸垂用の吊掛加工をカートリッジヘッド12に施工
する必要がない。そのため、カートリッジヘッド12の
肉厚及び外径は吊掛部加工のために大きくする必要がな
く、タンク型濾過装置1及びラック式濾過装置21の外
径及び高さがが大きくなることもない。
【0030】なお、前記実施形態において着脱冶具41
上端のO字状吊掛部41bの形状は適宜選択する事が出
来、一端が解放されたようなフック状吊掛部であっても
適用可能である。また、図3では本発明の実施形態とし
て着脱冶具41及び着脱用ナット13の嵌合部はねじ形
状の場合であるが、嵌合部は任意形状を選択することが
可能である。
【0031】次に、図4を例にとって、着脱用ナット1
3を接着固定層11に埋設する方法を説明する。1個あ
るいは複数個の着脱用ナット13を中空糸膜3束端部内
に挿入し、中空糸膜3束端部外周にカートリッジヘッド
12と接着冶具51をセットし、カートリッジヘッド1
2と接着冶具51に囲まれた領域に接着剤を所定量注入
する。カートリッジヘッド12内には予め中空糸膜3束
がセットされているため、注入された接着剤は中空糸膜
3及び着脱用ナット13周りに充填される。接着剤が硬
化した後、接着冶具51を離脱する。さらに、図中の切
断面52に沿って、カートリッジヘッド12、接着固定
層11、中空糸膜3、埋込ナット13の各端部を切断し
て、着脱用ナットと中空糸膜の端部を開口する。
【0032】着脱用ナット13のねじ穴部への接着剤の
侵入を防ぐためには、予め接着冶具51に設けられた窪
み部に着脱用ナット13を液密的かつ水密的に取り付け
ても良いし、また、着脱用ナット13のねじ穴端にねじ
付き蓋を嵌合した前記着脱用ナットを中空糸束3内にセ
ットする方法でも良い。なお、前記手法が着脱用ナット
13を接着固定層11に埋設する最も望ましい方法であ
るが、他に、硬化後の接着固定層11に着脱用ナット1
3を圧入する、あるいはねじ込む等の手法も適用可能で
ある。
【0033】
【発明の効果】本発明は、上述の如き構成と作用を有す
るので、中空糸膜カートリッジ4の接着固定層11に1
個あるいは複数個埋設された着脱用ナット13に対して
着脱冶具41の雄ねじ部41aを周方向に回転して嵌合
させることで、該着脱冶具を前記中空糸膜カートリッジ
に容易に固定することが出来、該着脱冶具の上端部のO
字吊掛部41bを介してホイスト等の起重機により中空
糸膜カートリッジを吊り下げて濾過タンク2あるいはハ
ウジング22内に挿入して、中空糸膜カートリッジを濾
過タンクあるいはハウジングに内に懸垂することが出来
る。
【0034】また、装着後は着脱冶具41を周方向に回
転して、該中空糸膜カートリッジの接着固定層11に埋
設された着脱用ナット13から着脱冶具41を容易に取
り外すことが出来る。以上のように、本発明によれば、
大型サイズをも含めた中空糸膜カートリッジ4を容易に
濾過タンクあるいはハウジング内に着脱することが可能
である。
【0035】また、着脱用ナット13は接着固定層11
に埋設されているため、懸垂用の吊掛加工をカートリッ
ジヘッド12に施工する必要が無い。そのためカートリ
ッジヘッド12のツバ12aの肉厚及び外径は吊掛部加
工のために大きくする必要が無く、タンク型濾過装置1
及びラック式濾過装置21の外径及び高さが大きくなる
こともなく、濾過装置の小型化が図れるというメリット
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る中空糸膜カートリッジが濾過タン
ク内に懸垂して支持されるタンク型濾過装置の一例を示
す断面説明図である。
【図2】本発明に係る中空糸膜カートリッジがハウジン
グ内に懸垂されて支持されるラック型濾過装置の一例を
示す断面説明図である。
【図3】本発明に係る中空糸膜カートリッジと、着脱冶
具の構成を示す要部拡大断面図である。
【図4】本発明に係る中空糸膜カートリッジの接着固定
層に着脱用ナットを埋設した前記中空糸膜カートリッジ
の製造方法の一例を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ・・・タンク型濾過装置 2 ・・・濾過タンク 2a ・・・タンク本体 2b ・・・蓋 2c ・・・原水口 2d ・・・処理水取出口 3 ・・・中空糸膜 4 ・・・中空糸膜カートリッジ 5 ・・・分離板 5a ・・・ノズル 6 ・・・仕切板 6a ・・・貫通穴 7、8・・・供給水室 9 ・・・パッキン 10 ・・・処理水室 11 ・・・接着固定層 12 ・・・カートリッジヘッド 12a・・・ツバ部 13 ・・・着脱用ナット 14 ・・・スカート部材 15 ・・・接着剤層 15a・・・貫通穴 16 ・・・ボルト 17 ・・・パッキン 18 ・・・ナット 21 ・・・ラック型濾過装置 22 ・・・ハウジング本体 22a・・・パイプ 22b・・・上ハウジングヘッド 22c・・・雄ねじ 22d・・・横ノズル 22e・・・循環水口 22f・・・下ハウジングヘッド 22g・・・雄ねじ 23 ・・・下キャップ 23a・・・原水口 24 ・・・Oリング 25 ・・・下ねじ込みキャップ 25a・・・雌ねじ 26 ・・・…上キャップ 26a・・・処理水口 27 ・・・パッキン 28 ・・・Oリング 29 ・・・上ねじ込みキャップ 29a・・・雌ねじ 30 ・・・目皿 41 ・・・着脱冶具 41a・・・雄ねじ部 41b・・・O字吊掛部 51 ・・・接着冶具 52 ・・・切断面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA03 GA06 GA07 HA03 HA16 HA19 HA91 JA13A JA30A JB05 JB11 KC03 KC13 MA31 MA33 MC11 MC18 MC22 MC23 MC29 MC30 MC47 MC54 MC58 MC59 MC62 MC63 PA01 PB03 PB04 PB05 PB08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンク型濾過装置の濾過タンク内、ある
    いはラック型濾過装置のハウジング内に懸垂して支持さ
    れる、複数本の中空糸膜を束ねてなる中空糸膜カートリ
    ッジであって、 中空糸膜は一方の端部において相互に接着剤で固定さ
    れ、その接着固定層端面には中空部が開口するととも
    に、接着固定層に埋設された1個あるいは複数個のナッ
    トのネジ穴が開口していることを特徴とする中空糸膜カ
    ートリッジ。
  2. 【請求項2】 一方の中空糸膜束端部の中空糸膜間に、
    1個あるいは複数個のナットを挿入し、該中空糸膜束の
    端部外周に接着冶具をセットし、接着冶具に囲まれた領
    域に接着剤を所定量注入して固化させた後、接着固化し
    た中空糸膜束端部の一部を切断して、切断面に中空糸膜
    の中空部とナットのネジ穴を開口させることを特徴とす
    る中空糸膜カートリッジの製造方法。
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