JP4017262B2 - 中空糸膜モジュールを用いたタンク型濾過装置 - Google Patents

中空糸膜モジュールを用いたタンク型濾過装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は中空糸膜モジュールを用いたタンク型濾過装置に係り、詳細には、生活排水、河川水、湖沼水、地下水或いは海水等を原水として精密濾過または限外濾過装置により大量に浄化する水処理に好適な中空糸膜モジュールを用いたタンク型濾過装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の中空糸膜モジュールを用いたタンク型濾過装置の一例として特開昭61-222509 号公報(第1公知例)に開示された技術は、図7(a)に示すように、複数の中空糸52aがその外周部に該中空糸52aの全長よりも長い寸法を有する外筒52bの内部に嵌挿されて中空糸モジュール52が構成され、濾過塔51内に懸垂して支持されている。
【0003】
中空糸モジュール52の直下には流出口53aを有する下部仕切版53が配置され、該下部仕切版53の下面には筒状体54が設けられている。筒状体54の側胴部には図7(b)に示すようにスリット或いは小孔54aが設けられており、下部仕切版53の下方の濾過塔51側胴部には圧縮気体の流入管55が連通されている。
【0004】
そして、濾過膜洗浄を行う際には濾過塔51内に水を満たした状態で流入管55から圧縮空気を流入すると、その圧力により先ず下部仕切版53の下方に存在する水が筒状体54の開口端及び小孔54aから流出し、次いで圧縮空気層56が下部仕切版53の下部に形成され、該圧縮空気層56を介して圧縮空気が小孔54aから筒状体54内部に流出して水中を気泡状となって中空糸モジュール52の外筒52b内に流入し、該外筒52b内の水を攪拌すると共に各中空糸52aを振動させて該中空糸52aの表面に付着している懸濁物を剥離する。尚、図7(b)中、57は水面である。
【0005】
また、第2公知例として特開昭62-4408 号公報に開示された技術は、図8(a),(b)に示すように、複数の中空糸膜フィルタ62がその外周部に該中空糸膜フィルタ62の全長よりも長い寸法を有する保護管67の内部に嵌挿されて容器本体61内に懸垂して支持されている。
【0006】
容器本体61内に懸垂して支持された複数の中空糸膜フィルタ62の下部にバブリング母管63から分岐された複数のバブリング枝管64が配置され、バブリング枝管64の下部には気泡孔64aが形成されている。
【0007】
一方、バブリング母管63には、下端がバブリング枝管64の気泡孔64aと同レベルまで延長され、上端が蓋体65aにより閉塞されたバブリング短管65が上方から挿入固定されており、蓋体65aの下方位置でバブリング短管65の側胴部には気泡孔65bが形成されている。
【0008】
そして、エアー供給配管66を介してバブリング母管63内に供給された空気はバブリング枝管64の気泡孔64a及びバブリング短管65の気泡孔65bから流出して水中を気泡状となって保護管67内に流入し、該保護管67内の水を攪拌すると共に各中空糸膜フィルタ62を振動させて該中空糸膜フィルタ62の表面に付着している懸濁物を剥離する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の各公知例では、中空糸52a、中空糸膜フィルタ62の外周全体に外筒52b、保護管67が夫々嵌挿されているためエアバブリング運転時に中空糸52a、中空糸膜フィルタ62を振動させて該中空糸52a、中空糸膜フィルタ62の夫々の外表面に堆積した懸濁物を剥離する際に該中空糸52a、中空糸膜フィルタ62の振動振幅が外筒52b、保護管67により規制されるため懸濁物の剥離作用が小さくなり中空糸52a、中空糸膜フィルタ62が外筒52b、保護管67内部に過密に配置された場合には剥離された懸濁物をモジュール外に排除し難いという問題がある。
【0010】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、中空糸膜モジュールの中空糸膜束の外周に従来設けていたような外筒ケースを省略して各中空糸膜の振動振幅を最大限許容してエアバブリング運転時に中空糸膜の外表面に堆積した懸濁物の剥離作用を大きくすると共に剥離された懸濁物を中空糸膜モジュール外に排除し易い中空糸膜モジュールを用いたタンク型濾過装置を提供せんとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明に係る中空糸膜モジュールを用いたタンク型濾過装置は、複数本の中空糸膜を束ねた中空糸膜モジュールが外筒ケースを取り付けることなく濾過タンク内に懸垂して支持され、前記中空糸膜モジュール下端部の接着剤層に複数の貫通穴を設けると共に該中空糸膜モジュールの下端部に気体または液体を貯めるためのスカート部材が該中空糸膜モジュールの下端より下方に延びて且つ前記スカート部材が前記中空糸膜の振動振幅に応じて前記濾過タンク内で遊動可能に設けられ、前記中空糸膜モジュールの下方に該中空糸膜モジュールの前記中空糸膜に対して気体または液体を供給するための供給口が設けられたことを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、中空糸膜モジュールの外周に外筒ケースを取り付けていないので各中空糸膜の振動振幅を最大限許容することが出来る。
【0013】
これにより、エアバブリング運転時に中空糸膜の外表面に堆積した懸濁物の剥離作用を大きくすると共に剥離された懸濁物を中空糸膜モジュール外に排除し易いため濾過性能が長期間安定に維持出来、中空糸膜に蓄積した懸濁物質を排除するエアバブリング運転が良好に実施出来る。
【0014】
また、中空糸膜モジュールの下端部に気体または液体を貯めるためのスカート部材が該中空糸膜モジュールの下端より下方に延びて設けられたことで、前記供給口から供給される気体または液体が外部に漏れることが少なく効率よく接着剤層の貫通穴を介して各中空糸膜に導かれる。
【0015】
また、前記供給口の上端部が前記中空糸膜モジュールの下端部に設けたスカート部材の内部まで延びている場合には、各中空糸膜の振動振幅が大きくなっても前記供給口からスカート部材が脱離することがなく、これにより供給口から供給される気体または液体が中空糸膜モジュールの外部に漏れることが少ない。
【0016】
また、前記中空糸膜に気体または液体を供給するための供給口が前記濾過タンクの内部空間を仕切る分離板に一体的に設けられた場合には、該濾過タンクの内部空間を仕切る分離板が供給口を兼ねるので部品点数を削減して部品コストを低減すると共に装置の小型化を図ることが出来る。
【0017】
また、前記中空糸膜に気体または液体を供給するための供給口が前記中空糸膜モジュールの下部に配置された枝状配管により構成された場合には、中空糸膜モジュールの下部に濾過タンクの内部空間を仕切る分離板が無い場合でも適用出来るので好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
図により本発明に係る中空糸膜モジュールを用いたタンク型濾過装置の一実施形態を具体的に説明する。図1は本発明に係る中空糸膜モジュールを用いたタンク型濾過装置の第1実施形態の構成を示す断面説明図、図2は中空糸膜モジュールの下部の構成を示す要部拡大図、図3は本発明に係る中空糸膜モジュールを用いたタンク型濾過装置の第2実施形態の構成を示す断面説明図、図4は本発明に係る中空糸膜モジュールを用いたタンク型濾過装置の第3実施形態の構成を示す断面説明図、図5は中空糸膜モジュールの下部に配置され、中空糸膜に気体または液体を供給するための供給口を有する枝状配管の構成を示す平面説明図、図6は本発明に係る中空糸膜モジュールを用いたタンク型濾過装置の第4実施形態の構成を示す断面説明図である。
【0019】
先ず、図1及び図2を用いて本発明に係る中空糸膜モジュールを用いたタンク型濾過装置の第1実施形態の構成について説明する。図1において、1は原液を供給して濾過を行うタンク型濾過装置であり、例えば、生活排水、河川水、湖沼水、地下水或いは海水等を原水として精密濾過または限外濾過装置により大量に浄化する水処理に適用可能である。
【0020】
タンク型濾過装置1の濾過タンク2内には、複数本の中空糸膜3を束ねた中空糸膜モジュール4が懸垂して支持されるようになっており、濾過タンク2の内部空間は該濾過タンク2に固定された分離板5と仕切板6により3つの室に分割されている。
【0021】
濾過タンク2は下部に配置して図示しない支持手段により立設されるタンク本体2aと該タンク本体2aの上部に取り付けられる蓋2bとに2分割して構成され、タンク本体2aの内壁部の所定高さ位置に分離板5、仕切板6が夫々溶接等により水密的且つ気密的に固着されている。
【0022】
これにより、タンク本体2aの下部と分離板5とにより形成された空間及びタンク本体2aの中部と分離板5と仕切板6とにより形成された空間とにより供給水室7,8が形成される。
【0023】
また、蓋2bはパッキン9を介して図示しない固定手段によりタンク本体2aの上部に水密的且つ気密的に固定され、仕切板6と蓋2bとにより形成された空間により処理水室10が形成される。
【0024】
一方、中空糸膜3はその上端部が開口され、下端部が閉塞されており、多数本の中空糸膜3は束ねられてその上端部外周が接着剤により接着された接着剤層11により一体的に結合され、更にその接着剤層11は円筒形状のカートリッジヘッド12の内部に嵌挿して接着剤により該カートリッジヘッド12に固着されている。
【0025】
また、上端部が接着剤層11によりカートリッジヘッド12に固定され、一体的に束ねられた中空糸膜3束はカートリッジヘッド12より下方では該中空糸膜3束の外周に従来設けていたような外筒ケースを省略してその略全長に亘って裸のまま供給水室8内部に露出しており、中空糸膜3束の下端部外周にのみ筒状のスカート部材13が設けられている。
【0026】
多数本の中空糸膜3は束ねられてその下端部が接着剤により接着された接着剤層14により一体的に結合され、更にその接着剤層14によりスカート部材13が中空糸膜3束の下端部外周に固着されている。接着剤層14には、図2に示すように、原水及び洗浄用の気体や液体を中空糸膜3束の内部に導入して該中空糸膜3の夫々の外周側面に導くための貫通穴14aが形成されている。
【0027】
そして、中空糸膜3束の下端よりも更に下方に伸びるスカート部材13により供給水室7から分離板5に設けられた原液及び洗浄用の気体または液体を供給するための供給口となるノズル5aを介して供給されるエアバブリング用の空気が接着剤層14の貫通穴14aを介して各中空糸膜モジュール4の中空糸膜3に効率よく導かれるようになっている。
【0028】
濾過タンク2の内部空間を仕切ると共に該濾過タンク2内に収容される中空糸膜モジュール4の上端部に配置され、該中空糸膜モジュール4を懸垂して支持する仕切板6は全部の中空糸膜モジュール4の重量及び処理水室10内部に加わる内圧(水圧)により該中空糸膜モジュール4の上面及び該仕切板6の上面に加わる荷重に対抗し得る強度を有する所定の厚さで構成され、中空糸膜モジュール4が挿通される複数の貫通穴6aが所定位置に形成されている。
【0029】
仕切板6の貫通穴6aの下部には該貫通穴6aの径方向内側に突出する突出部6bが形成され、該突出部6bに中空糸膜モジュール4の上端外周部に設けられたカートリッジヘッド12の下端部が当接して該中空糸膜モジュール4を懸垂して支持するようになっている。
【0030】
尚、仕切板6の貫通穴6aの壁面に設けられた溝部6cにはOリング15が嵌入されており、このOリング15にカートリッジヘッド12の外部壁面が圧接することによりカートリッジヘッド12が仕切板6に対して水密的且つ気密的に取り付けられている。尚、Oリング15を嵌合する溝部をカートリッジヘッド12側に設けても良い。
【0031】
また、カートリッジヘッド12の上端面は仕切板6の貫通穴6aの壁面に対して着脱可能に設けられた係止部材16により係止され、これによってカートリッジヘッド12が仕切板6に固定され、中空糸膜モジュール4が安定して濾過タンク2内部に収容されている。
【0032】
本実施形態では、濾過タンク2の内部空間を仕切る分離板5に一体的に設けられ、中空糸膜モジュール4の下部から中空糸膜3に原液及び洗浄用の気体または液体を供給するための供給口となるノズル5aはその上端部が分離板5の上面と面一で下端部が供給水室7側内部まで延長され、供給水室7,8に連通されている。
【0033】
上記構成において、タンク型濾過装置1による濾過運転時には、図示しないポンプにより濾過タンク2のタンク本体2aの下部に設けられた供給水入口2cから供給水室7に供給された原水はノズル5aから供給水室8に供給されて該供給水室8に充満すると共に中空糸膜3束の下端部外周に設けられたスカート部材13から接着剤層14の貫通穴14aを通過して各中空糸膜3の外周側面に導かれる。
【0034】
各中空糸膜3の外周部近傍の原水は該中空糸膜3の外部から内部に加圧濾過されて該中空糸膜3の開口された上端部から処理水室10に導かれ、該処理水室10に収容された濾水は蓋2bの上部に設けられた処理水取出口2dから濾過タンク2の外部に取り出される。
【0035】
一方、逆洗時は処理水取出口2dから濾水を供給して供給水室8に逆流させ、中空糸膜3に蓄積した懸濁物質を排除してノズル5aから供給水室7を通って供給水入口2cから濾過タンク2の外部に排出される。
【0036】
また、エアバブリング時は供給水室8に原水を満たした状態でタンク本体2aの下部に設けられた空気供給口2fから供給水室7に空気を供給し、該供給水室7において調圧された空気が分離板5に設けられたノズル5aから原水が満たされた供給水室8の内部に流出して水中を気泡状となって各スカート部材13から接着剤層14の貫通穴14aを通過して各中空糸膜3の外周側面に導かれ、各中空糸膜3束内の水を攪拌すると共に各中空糸膜3を振動させて該中空糸膜3の表面に付着している懸濁物を剥離する。
【0037】
尚、供給水室8の上部に溜まった空気はタンク本体2aの上部に設けられた空気排出口2gから濾過タンク2の外部に排出される。
【0038】
上記エアバブリング運転は、例えば、先ず、供給水室8内に原水を張った状態、即ち、供給水室8内で原水が静止して滞留した状態で、空気または窒素ガスを供給する。
【0039】
そして、前述した逆洗運転を行って処理水取出口2dから供給された濾水が各中空糸膜3の外側を流通して、上述のように剥離した懸濁物質を押し流し、剥離した懸濁物質を含む濾水は分離板5に形成したノズル5aから供給水室7を通って供給水入口2cから濾過タンク2の外部に排出されて図示しない廃液タンクに収容される。
【0040】
尚、本実施形態では空気や窒素ガス等の気体を供給して各中空糸膜3を洗浄するように構成したが、他の構成として薬液等の液体を各中空糸膜3に供給するように構成しても良く、この場合、各中空糸膜3に薬液等の液体を供給する目的で、図示しない薬液供給装置を設け、該薬液供給装置により供給された薬液が供給水室7に導かれて分離板5の薬液供給口となるノズル5aから供給され、前述と同様に各中空糸膜3のスカート部材13から接着剤層14の貫通穴14aを通過して各中空糸膜3の外周側面に供給されて各中空糸膜3に蓄積した懸濁物質を排除する。
【0041】
上記構成によれば、中空糸膜モジュール4の外周に外筒ケースを取り付けていないので各中空糸膜3の振動振幅を最大限許容することが出来る。
【0042】
これにより、エアバブリング運転時に中空糸膜3の外表面に堆積した懸濁物の剥離作用を大きくすると共に剥離された懸濁物を中空糸膜モジュール4外に排除し易いため濾過性能が長期間安定に維持出来、中空糸膜3に蓄積した懸濁物質を排除するエアバブリング運転が良好に実施出来る。
【0043】
また、中空糸膜モジュール4の下端部に気体または液体を貯めるためのスカート部材13が該中空糸膜モジュール4の下端より下方に延びて設けられたことで、ノズル5aから供給される気体または液体が外部に漏れることが少なく効率よく接着剤層14の貫通穴14aを介して各中空糸膜3に導かれる。
【0044】
また、中空糸膜3に気体または液体を供給するための供給口となるノズル5aが濾過タンク2の内部空間を仕切る分離板5に一体的に設けられたことで該濾過タンク2の内部空間を仕切る分離板5が供給口を兼ねるので部品点数を削減して部品コストを低減すると共に装置の小型化を図ることが出来る。
【0045】
次に図3を用いて本発明に係る中空糸膜モジュールを用いたタンク型濾過装置の第2実施形態について説明する。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0046】
前記実施形態では、各中空糸膜3に原液及び洗浄用の気体または液体を供給するための供給口となるノズル5aの上端部が分離板5の上面と面一に構成した場合について説明したが、本実施形態では、図3に示すように、ノズル5aの上端部5bが分離板5の上面から突出すると共に中空糸膜3束の下端部外周に固着されたスカート部材13の内部まで延長され、下端部が供給水室7側内部まで延長されたものである。
【0047】
ノズル5aの上端部5bのスカート部材13の内部への延長する長さ(重なる長さ)は、中空糸膜モジュール4の全長やノズル5aから供給する気体や液体の量により異なるが、少なくとも5mm以上は必要で、ノズル5aの上端部5bが中空糸膜モジュール4の下端部の接着剤層14の下端部にぶつからない長さであれば良い。
【0048】
また、ノズル5aの上端部5bが分離板5の上面から突出するため、逆洗やエアバブリング運転時に供給水室8から廃液を排出し易くするために分離板5に上端部が該分離板5の上面と面一で下端部が供給水室7側内部まで延長され、供給水室7,8に連通するドレーン排出口5cが設けられている。
【0049】
上記構成によれば、中空糸膜3に気体または液体を供給するための供給口となるノズル5aの上端部5bが該スカート部材13の内部まで延びて構成されたことで各中空糸膜3の振動振幅が大きくなってもノズル5aからスカート部材13が脱離することがなく、これによりノズル5aから供給される気体または液体が中空糸膜モジュール4の外部に漏れることが少ない。
【0050】
他の構成は前記第1実施形態と同様に構成され、同様な効果を得ることが出来る。
【0051】
次に図4及び図5を用いて本発明に係る中空糸膜モジュールを用いたタンク型濾過装置の第3実施形態について説明する。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
本実施形態では、濾過タンク2の内部空間が仕切板6のみにより2分割されており、供給水室8へ供給される原水はタンク本体2aの下部に設けられた供給水入口2cから供給されるようになっている。
【0053】
そして、中空糸膜モジュール4の中空糸膜3に気体または液体を供給するための供給口は該中空糸膜モジュール4の下部に配置された図5に示すような枝状配管21に連通して起立したノズル21cにより構成されている。尚、枝状配管21は母管21aと枝管21bにより枝状に形成されている。
【0054】
上記構成において、タンク型濾過装置1による濾過運転時には、図示しないポンプにより濾過タンク2のタンク本体2aの下部に設けられた供給水入口2cから供給水室8に供給された原水は該供給水室8に充満すると共にスカート部材13から接着剤層14の貫通穴14aを通過して中空糸膜3の外周側面に導かれる。
【0055】
そして、中空糸膜3の外周部近傍の原水は該中空糸膜3の外部から内部に加圧濾過されて該中空糸膜3の開口された上端部から処理水室10に導かれ、該処理水室10に収容された濾水は蓋2bの上部に設けられた処理水取出口2dから濾過タンク2の外部に取り出される。
【0056】
一方、逆洗時は処理水取出口2dから濾水を供給して供給水室8に逆流させ、中空糸膜3に蓄積した懸濁物質を排除してタンク本体2aの下部に設けられた供給水入口2cから濾過タンク2の外部に排出される。
【0057】
また、エアバブリング時は供給水室8に原水を満たした状態で枝状配管21に接続され、タンク本体2aの下部に設けられた配管22から枝状配管21に空気を供給し、該枝状配管21に設けられたノズル21cから原水が満たされた供給水室8の内部に流出して水中を気泡状となって各中空糸膜3の下端部外周に固着されたスカート部材13から接着剤層14の貫通穴14aを通過して各中空糸膜3の外周側面に導かれ、各中空糸膜3束内の水を攪拌すると共に各中空糸膜3を振動させて該中空糸膜3の表面に付着している懸濁物を剥離する。
【0058】
尚、供給水室8の上部に溜まった空気は前述と同様にタンク本体2aの上部に設けられた空気排出口2gから濾過タンク2の外部に排出される。
【0059】
そして、前述した逆洗運転を行って処理水取出口2dから供給された濾水が中空糸膜モジュール4の中空糸膜3の外側を流通して、上述のように剥離した懸濁物質を押し流し、剥離した懸濁物質を含む濾水は供給水入口2cから濾過タンク2の外部に排出されて図示しない廃液タンクに収容される。
【0060】
また、他の構成として薬液等の液体を中空糸膜3に供給するように構成しても良く、この場合、中空糸膜3に薬液等の液体を供給する目的で、図示しない薬液供給装置を設け、該薬液供給装置から配管22により供給された薬液が枝状配管21の薬液供給口となるノズル21cから供給され、前述と同様に各中空糸膜3の下端部外周に固着したスカート部材13から接着剤層14の貫通穴14aを通過して中空糸膜3の外周側面に供給されて中空糸膜3に蓄積した懸濁物質を排除する。
【0061】
上記構成によれば、中空糸膜モジュール4の下部に濾過タンク2の内部空間を仕切る分離板が無い場合でも適用出来るので好ましい。他の構成は前記第1実施形態と略同様に構成され、同様な効果を得ることが出来る。
【0062】
次に図6を用いて本発明に係る中空糸膜モジュールを用いたタンク型濾過装置の第4実施形態について説明する。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0063】
本実施形態では、図6に示すように、中空糸膜モジュール4の下部に配置された枝状配管21に連通して起立したノズル21cの上端部21dが中空糸膜3束の下端部外周に固着されたスカート部材13の内部まで延長されたものである。
【0064】
これにより、前記第2実施形態と同様に、ノズル21cから供給される気体または液体が外部に漏れることが少なく効率よく接着剤層14の貫通穴14aを介して各中空糸膜3に導かれると共に各中空糸膜3の振動振幅が大きくなってもノズル21cからスカート部材13が脱離することがなく、これによりノズル21cから供給される気体または液体が中空糸膜モジュール4の外部に漏れることが少ない。
【0065】
他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様な効果を得ることが出来る。
【0066】
【発明の効果】
本発明は、上述の如き構成と作用とを有するので、中空糸膜モジュールの外周に外筒ケースを取り付けていないので各中空糸膜の振動振幅を最大限許容することが出来る。
【0067】
これにより、エアバブリング運転時に中空糸膜の外表面に堆積した懸濁物の剥離作用を大きくすると共に剥離された懸濁物を中空糸膜モジュール外に排除し易いため濾過性能が長期間安定に維持出来、中空糸膜に蓄積した懸濁物質を排除するエアバブリング運転が良好に実施出来る。
【0068】
また、中空糸膜モジュールの下端部に気体または液体を貯めるためのスカート部材が該中空糸膜モジュールの下端より下方に延びて設けられたことで、前記供給口から供給される気体または液体が外部に漏れることが少なく効率よく接着剤層の貫通穴を介して各中空糸膜に導かれる。
【0069】
また、前記供給口の上端部が前記中空糸膜モジュールの下端部に設けたスカート部材の内部まで延びている場合には、各中空糸膜の振動振幅が大きくなっても前記供給口からスカート部材が脱離することがなく、これにより供給口から供給される気体または液体が中空糸膜モジュールの外部に漏れることが少ない。
【0070】
また、前記中空糸膜に気体または液体を供給するための供給口が前記濾過タンクの内部空間を仕切る分離板に一体的に設けられた場合には、該濾過タンクの内部空間を仕切る分離板が供給口を兼ねるので部品点数を削減して部品コストを低減すると共に装置の小型化を図ることが出来る。
【0071】
また、前記中空糸膜に気体または液体を供給するための供給口が前記中空糸膜モジュールの下部に配置された枝状配管により構成された場合には、中空糸膜モジュールの下部に濾過タンクの内部空間を仕切る分離板が無い場合でも適用出来るので好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る中空糸膜モジュールを用いたタンク型濾過装置の第1実施形態の構成を示す断面説明図である。
【図2】 中空糸膜モジュールの下部の構成を示す要部拡大図である。
【図3】 本発明に係る中空糸膜モジュールを用いたタンク型濾過装置の第2実施形態の構成を示す断面説明図である。
【図4】 本発明に係る中空糸膜モジュールを用いたタンク型濾過装置の第3実施形態の構成を示す断面説明図である。
【図5】 中空糸膜モジュールの下部に配置され、中空糸膜に気体または液体を供給するための供給口を有する枝状配管の構成を示す平面説明図である。
【図6】 本発明に係る中空糸膜モジュールを用いたタンク型濾過装置の第4実施形態の構成を示す断面説明図である。
【図7】 第1公知例を説明する図である。
【図8】 第2公知例を説明する図である。
【符号の説明】
1…タンク型濾過装置
2…濾過タンク
2a…タンク本体
2b…蓋
2c…供給水入口
2d…処理水取出口
2f…空気供給口
2g…空気排出口
3…中空糸膜
4…中空糸膜モジュール
5…分離板
5a…ノズル
5b…上端部
5c…ドレーン排出口
6…仕切板
6a…貫通穴
6b…突出部
6c…溝部
7,8…供給水室
9…パッキン
10…処理水室
11…接着剤層
12…カートリッジヘッド
13…スカート部材
14…接着剤層
14a…貫通穴
15…Oリング
16…係止部材
21…枝状配管
21a…母管
21b…枝管
21c…ノズル
21d…上端部
22…配管

Claims (4)

  1. 複数本の中空糸膜を束ねた中空糸膜モジュールが外筒ケースを取り付けることなく濾過タンク内に懸垂して支持され、前記中空糸膜モジュール下端部の接着剤層に複数の貫通穴を設けると共に該中空糸膜モジュールの下端部に気体または液体を貯めるためのスカート部材が該中空糸膜モジュールの下端より下方に延びて且つ前記スカート部材が前記中空糸膜の振動振幅に応じて前記濾過タンク内で遊動可能に設けられ、前記中空糸膜モジュールの下方に該中空糸膜モジュールの前記中空糸膜に対して気体または液体を供給するための供給口が設けられたことを特徴とする中空糸膜モジュールを用いたタンク型濾過装置。
  2. 前記供給口の上端部が前記中空糸膜モジュールの下端部に設けたスカート部材の内部まで延びていることを特徴とする請求項1に記載の中空糸膜モジュールを用いたタンク型濾過装置。
  3. 前記中空糸膜に気体または液体を供給するための供給口は、前記濾過タンクの内部空間を仕切る分離板に一体的に設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の中空糸膜モジュールを用いたタンク型濾過装置。
  4. 前記中空糸膜に気体または液体を供給するための供給口は、前記中空糸膜モジュールの下部に配置された枝状配管により構成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の中空糸膜モジュールを用いたタンク型濾過装置。
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