JP2000157096A - 水 槽 - Google Patents

水 槽

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JP2000157096A
JP2000157096A JP10337628A JP33762898A JP2000157096A JP 2000157096 A JP2000157096 A JP 2000157096A JP 10337628 A JP10337628 A JP 10337628A JP 33762898 A JP33762898 A JP 33762898A JP 2000157096 A JP2000157096 A JP 2000157096A
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water
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aquarium
yarn
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Norihiko Hirano
徳彦 平野
Takeshi Umetsu
剛 梅津
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な装置で、確実にかつ人手を掛けること
なく、水槽中の窒素成分を魚などの水中生物に無害な低
濃度に維持し、長期にわたる飼育、繁殖、養殖を可能に
するとともに限られた容積の水槽中で高密度に飼育、養
殖できる水槽を提供する。 【解決手段】 水槽1内の水を循環する循環手段2と、
水槽に空気を供給する曝気手段3と、発生する汚濁物質
の除去手段4a,4bとを備え、水を循環しつつ浄化
し、魚類等の水棲動物を飼育、養殖あるいは鑑賞する水
槽において、炭素繊維からなる活性汚泥の接触材6を吊
下した浄化塔5を付設し、水槽内の水を、前記浄化塔の
下部に導入し、その上部から水槽に還流させ、水中の窒
素成分を脱窒除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚類等の水棲動物
を飼育、養殖あるいは鑑賞する水槽に係り、詳しくは、
水槽内の水を循環する循環手段と、水槽に空気を供給す
る曝気手段と、発生する汚濁物質の除去手段とを備え、
水を循環しつつ浄化し、魚類等の水棲動物を飼育、養殖
あるいは鑑賞する水槽に関する。
【0002】
【従来の技術】魚類等の飼育水槽においては、飼育する
魚の排泄物あるいは余剰の餌の分解物等の汚濁物質によ
る水の汚れが問題であり、一般には汚れた水を取りかえ
ることにより汚濁物質を除去している。しかし、この水
の交換は煩瑣なことであり、水槽中の水をポンプ等で循
環させつつ濾過し、物理的に汚濁物質を取り除くととも
に濾材に固定された微生物による生物分解により汚濁物
質を分解する水循環形式の水槽も各種提案されている。
【0003】水中の汚濁物質の中でも、魚類の排泄物か
ら発生するアンモニアは、特に生物にとって有害である
が、このアンモニアは、通常水槽に使用されている各種
の曝気手段により供給される酸素の存在下で、水中、水
槽内の砂あるいは石の表面などに付着する好気性微生物
により比較的容易に硝酸態窒素に変えられる。この硝酸
態窒素も生物に対して毒性を有し、魚の場合は、病原菌
に対して弱くなり病気に罹ったり、また、ある濃度以上
になると魚が麻痺するような状態になり、飼育ができな
くなる。従って、長期間水の交換をせず、また、高密度
に、魚などの水棲動物を飼育するにはこの硝酸態窒素を
除去することが不可欠である。
【0004】このような課題に応えて、例えば、特開平
9−163895号公報では、光合成細菌を包括固定し
たものを濾過フィルタに包含させて窒素を固定すること
が提案されている。しかしながら、この方法において
は、特殊な光合成細菌を用いるため費用がかかること、
また、光合成細菌の増殖は必ずしも容易でないことから
光合成細菌の補給が必要と思われること、さらには、人
工的に培養した光合成細菌による窒素の固定が安定しな
いこと等の問題がある。
【0005】また、特開平9−294502号公報に
は、水槽を縦に仕切り、水槽に濾過槽を一体的に設ける
とともに、濾過槽を、第1の間欠濾過槽、間欠濾過槽か
らの水を受ける第2の動水濾過槽およびこの動水濾過槽
の下部に連接した第3の止水濾過槽を形成し、第1の間
欠濾過槽で好気的微生物による汚濁物質の分解を行い、
動水濾過槽中の濾材を経てさらに分解を進めるととも
に、ここより水を水槽中に循環、還流させる。一方、止
水濾過槽においては嫌気状況が保たれ、通性嫌気性の脱
窒菌による硝酸体窒素の除去、脱窒を行うとしている。
【0006】しかしながら、良く知られているように嫌
気環境下での脱窒菌による脱窒能力はかぎられており、
一般の排水、下水処理においても、例えば、細菌、微生
物の密度をあげるために各種の細菌固定方法、あるいは
かなり複雑な処理方法が提案されているものの、ある程
度の濃度以下には除去できないというのが現状である。
【0007】上記の止水濾過槽では、単に動水を避け、
嫌気状態にしているのみであるから、従来の前記知見か
ら推し量って脱窒が効率よくかつ低濃度まで行なわれる
とは俄かには考えがたい上、止水濾過槽と動水濾過槽の
間の水の交換は単に水位の変化による拡散のみであるか
ら、効率よく水中の汚濁物質を除去できるものとは考え
にくい。さらに、この装置にあっては、止水濾過槽に存
在すると思われる脱窒菌への栄養分の補給が必要とされ
ている。この装置にあっては、以上のように脱窒性能に
限界があると思われるとともに装置が複雑かつ各濾過槽
の維持に手間がかかるという問題がある。
【0008】次に、魚などの飼育水槽の問題として、前
記のような水質の維持の関係から多量の魚を限られた容
積の水槽中で飼育できない問題と同時に孵化した稚魚が
成魚に食べられるという問題もあり、例えば、熱帯魚の
飼育、繁殖が困難という課題もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の各問
題を解決するものであって、従来の技術とは異なり、簡
易な装置で、確実にかつ人手を掛けることなく、水槽中
の窒素成分を魚などの水棲生物に無害な低濃度に維持
し、長期にわたり水交換をすること無く、水棲生物の飼
育、繁殖、養殖を可能にするとともに限られた水槽中で
高密度に飼育、養殖できる水槽、および、稚魚の保護を
可能として繁殖効率を高めた水槽を提供するものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する手段
として、本発明は、水槽内の水を循環する循環手段と、
水槽に空気を供給する曝気手段と、発生する汚濁物質の
除去手段とを備え、水を循環しつつ浄化し、魚類等の水
棲動物を飼育、養殖あるいは鑑賞する水槽において、炭
素繊維からなる活性汚泥の接触材を吊下した浄化塔を付
設し、水槽内の水を、前記浄化塔の下部に導入し、その
上部から水槽に還流させ、水中の窒素成分を除去するご
とくなしたことを特徴とする。
【0011】これにより、簡易な装置で高度に脱窒処理
が可能となり、長期間にわたり多量の生物を飼育、養殖
できる。
【0012】また、活性汚泥の接触材が、極細の炭素繊
維単糸を多数集束した所定長さの糸条束の一端を固束
し、他端の自由端から前記糸条束の単糸を傘状に開繊し
た単糸開繊接触材であるものは、一層活性汚泥の付着、
活性が高くなり、より効果的な脱窒処理が可能となる。
【0013】前記汚濁物質の除去手段として、水面上に
設置された循環水の濾過を行う炭素繊維からなるマット
と、水槽内に沈設された活性汚泥を付着させた前記単糸
開繊接触材を設けたものは、水槽中の汚濁物質の除去の
効率が向上する。
【0014】さらに、本発明においては、水槽内の水を
循環する循環手段と、水槽に空気を供給する曝気手段
と、発生する汚濁物質の除去手段とを備え、水を循環し
つつ浄化し、魚類等の水棲動物を飼育、養殖あるいは鑑
賞する水槽において、前記水槽を上下に仕切る通水性の
仕切り手段を設け、該仕切り手段に成魚は通過できない
通水孔を設け、水槽上部に成魚、水槽下部に稚魚を生育
するごとくなし、成魚と稚魚が異なる環境で生育するよ
うになしているので繁殖も順調に行え、また、高密度飼
育も可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、その好ましい実
施形態に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係
る水槽の一実施形態の簡略化した模式的斜視図である。
図において、1は、ガラス製の水槽本体であり、図示し
ない台上に設置され、水槽本体1は、仕切り手段である
仕切り板1aにより上下に区画され、上部水槽1bと下
部水槽1cを形成する。仕切り板1aには、多数の小孔
が形成され、上下水槽間の水の循環を図り、かつこの小
孔の大きさは成魚が通過できない大きさとする。なお、
1dは仕切り板1aを支える支持壁であり、水の通過と
魚の移動を保証する任意の形状の通過孔(図示せず)を有
するものである。
【0016】2は、本体1の上部の蓋に設置された水循
環ポンプであり、水槽の水中に垂下した吸引管2aから
水を吸引し、吐出管2bから吐出し、水槽内の水を循環
させる循環手段である。3は、水槽中に設置され、図示
しないファン、ブロアなどからの空気を水中に供給する
曝気手段である。
【0017】4aは、適宜の手段で水面上に敷設される
ごとく設けられた炭素繊維から形成されたフェルト様の
マットであり、循環ポンプ2の吐出管2bの下方に位置
し、吐出される水を受けてこれを濾過、浄化する。4b
は、後述する炭素繊維からなる活性汚泥の接触材(接触
濾材といってもよい)で、仕切り板1aの下面に取付け
られ、下部水槽1c中の水槽中の汚濁物質を好気分解す
るとともに、いわば、水藻の如き機能を果たし稚魚の隠
れ家あるいは餌場となる。この炭素繊維のマット4aお
よび炭素繊維の接触材4bが曝気手段3と協働して汚濁
物質の除去の機能を有する除去手段である。
【0018】5は、水槽本体1に付設された水槽水の浄
化塔であり、水槽に比し比較的背の高いものであるが図
の関係で縮めて図示している。塔本体5aの中心には後
述の接触材の保持索5bが設けられている。保持索5b
の先端には錘5cが取付けられ保持索5bを固定してい
る。5dは、水槽本体1の底面から浄化塔本体5aにつ
ながる連通管で水槽の水を浄化塔5に導く。5eは浄化
塔本体5aの上に設置された浄化水の還流ポンプであ
り、水槽本体1から浄化塔5への水の流れを生ぜしめ
る。
【0019】6は、炭素繊維からなる活性汚泥の接触材
であり、保持索5bに互いに重畳しない間隔を持って取
付けられる。この接触材は、市販の炭素繊維から作ら
れ、極細の単糸を多数本サイジング剤で固めた炭素繊維
の糸条を複数本まとめ、所定の長さに切断したもののサ
イジング剤を除去してその一端を接着剤などで固め(本
発明にいう固束)、他端の自由端からこの糸条束の単糸
を傘状にさばいたもの(本発明にいう開繊)であり、本願
にいう所の単糸開繊接触材である。
【0020】なお、この単糸開繊接触材を形成する炭素
繊維の糸条束の長さは、10〜30cmが好ましく、これ
より短いと水中での単繊維の広がり、揺動が十分でな
く、汚泥が付着しにくい。また、これより長いと単糸の
開繊が難しい上取扱いが困難である。また、単糸の本数
についていえば、単糸総計48000〜192000本の糸条束が
使用でき、あまり本数が少ないと十分な容量の汚泥を付
着させることができず、また、あまりに多いと単糸開繊
が難しい上その取扱いも困難になる。さらに、単糸の太
さについていえば、単糸が細いほど容積あたりの活性汚
泥(細菌、微生物)の付着面積は大きく取れるが単糸に開
繊した場合の強度、剛性が不足し形態維持能力に欠け
る。また、太すぎると表面積が不足し、傘状(あるいは
海月状)に開繊することが困難になる。通常市販の炭素
繊維を使用できるが、単糸径としては3〜10μmが好
ましい。
【0021】単糸開繊接触材の形態についていえば、水
中で傘状の形態を維持し、各構成単糸が広がりを持って
おれば良いので必ずしも各単糸が完全にさばけて、単糸
一本一本が離隔している必要はなく、多少複数の単糸が
束となっていても実用上は問題がない、むしろ、強度上
はある程度の単糸が固まってさばけている方が好まし
い。
【0022】また、単糸開繊接触材の外形は、塔体内壁
面に接する如き大きさのものがよい。ここに、接すると
は、必ずしも密に接触している必要はなく、壁面と若干
の隙間を有していてもよく、上向流で流動する水が接触
材に効率よく接する如きもので、実質的に排水がショー
トパスしないものであればよい。
【0023】次に本水槽の作用について述べる。魚の飼
育、養殖に当たっては、成魚を上部水槽1bに収容し、
水循環ポンプ2で水槽内の水の攪拌、循環を行いつつ、
曝気手段3から空気を供給し、水槽内の溶存酸素の維持
を図る。浄化塔5の上部からは還流ポンプ5eにより浄
化された水が水槽に戻され、これに伴い水槽下部からは
連通管5dを経て浄化塔5に水槽の水が補給され、一定
の水位を保つ。浄化塔5には、最初に種となる活性汚泥
を投入し、水槽の水を循環させる事により、汚泥が馴致
され、循環水質の基質に適応した細菌、微生物からなる
活性汚泥が接触材6に付着、支持される。
【0024】本発明においては、水槽本体1を、適宜の
大きさの孔を有する仕切り板1aで仕切り、成魚は上部
水槽1b内でのみで生育し、稚魚は上部水槽1bと下部
水槽1cを移動しながら生育するので、稚魚が成魚に捕
食されること無く、成魚に至るまでは下部水槽1c内で
安全に生育し、効率的繁殖を行える。
【0025】次に、魚の生育水環境の維持について説明
する。前記のとおり、水槽中の水には魚の排泄物、余剰
の餌などから生ずる有機物の汚濁物質が存在するが、本
発明の水槽においては、これら汚濁物質のうち、固形物
となっている、いわゆる、懸濁性の汚濁物質は、主とし
て、水循環ポンプ2の吐出管2b下方に設置した炭素繊
維のマット4aで濾過、捕捉され、かつ、生物親和性の
高い炭素繊維からなるマット内に繁殖する微生物の働き
で分解される。また、懸濁性の汚濁物質の一部は、水槽
中の微生物、また下部水槽1cに沈設した接触材4bに
付着した活性汚泥の働きでも酸化、分解される。一方、
溶解性の汚濁物質は水中の細菌、微生物あるいは接触材
4bに付着した活性汚泥の働きで分解される。
【0026】また、一般に汚濁物質のうち炭素成分から
なるものは比較的容易に好気的に分解され、炭酸ガス、
水素等に分解除去されるが、魚にとって特に有害なアン
モニア態窒素は好気的環境で硝化菌により硝酸態窒素に
酸化される。この反応は比較的簡単に行われるが、硝酸
態窒素を還元して窒素ガスとして除去する脱窒菌は通性
嫌気性の菌であり嫌気的環境下で反応するが、先に述べ
たように反応速度は遅く、また、この脱窒菌は粘着性が
なく、大量、高密度に固定することは困難であった。
【0027】しかしながら、本発明においては、水槽1
内で硝酸態窒素に変えられた窒素分は、水槽1の連通管
5dから、浄化塔5の下方に送られ、ゆっくりと上昇し
て、傘状に広がった接触材6に付着、包括された活性汚
泥に順次接触し、溶存酸素存在下にもかかわらず、活性
汚泥中に存在する脱窒菌により脱窒される。脱窒された
窒素ガスはこの活性汚泥に包含され、一定の大きさの気
泡となったとき浮き上がり、順次上方に逃げ大気中に放
散し、窒素分の除去が行われる。
【0028】このように従来困難であった脱窒が驚くべ
き効率で行われる所以は詳らかではないが、観察によれ
ば、浄化塔5の供給側と排出側の硝酸体窒素濃度の差、
すなわち濃度の減少が実測されること、また、前述のご
とく、活性汚泥に多くの窒素ガスが包括され、時に汚泥
の崩壊が起こること、あるいは、活性汚泥の外観が非常
に活性の高い汚泥であることを示していることなどか
ら、かなりの効率で脱窒処理、汚濁成分の分解が行われ
ていることが分かる。さらに、本浄化塔5にあっては、
前記の窒素ガスによる汚泥の崩壊、散乱が生じても直ち
に汚泥が各接触材6に再凝集し、浄化塔5内に懸濁物質
が浮遊、散乱することが無いのも特徴である。
【0029】しかし、汚泥の付着に関していえば、接触
材を必要以上に多く取付けることはスペースの制約もあ
り、長期にわたる処理の結果では汚泥が接触材の付着能
力を超えて汚泥が増殖する。この場合は、余剰の汚泥は
底部に沈降することになるので、浄化塔5の底部にホッ
パ状の集泥部を設け、この集泥部から汚泥を随時引抜く
ようにする。なお、本発明の浄化塔内の汚泥の性質とし
ては、前述のごとく、凝集性、付着性も優れているが、
一方、その沈降性(フロック形性能)も優れており余剰の
汚泥は容易に集泥部に沈積することも観察されている。
【0030】このような脱窒、汚泥の凝集付着性あるい
は沈降性の驚くべき性能の良さが基本的に何に由来する
かは、必ずしも明らかではないが、比較観察、比較実験
によれば、接触材として生物親和性が高い炭素繊維を用
いたこと、また、炭素繊維の接触材を単糸に開繊し微生
物の付着性、付着密度をあげたこと、さらに、比較的剛
性のある炭素繊維を用い、適度な広がりと見掛け容積を
有する接触材を、その形態を維持しつつ、浄化塔内壁に
接するごとく多段に設置し、その下方から被処理水をゆ
っくり上昇させて、溶存酸素の存在下で、十分な接触面
積、接触時間を確保し、かつ接触面の更新を保証し、活
性汚泥の成長に必要な基質を十分補給するようになし
て、いわば、活性汚泥生物膜を形成し、その内部に通性
嫌気性の脱窒菌の存在を許容したことにあると考えられ
る。
【0031】なお、上記説明の実施形態の水槽において
は、循環手段として水槽本体上部に設けた水循環ポンプ
を説明したが、このポンプは水中ポンプでも良く、水槽
内の水を効率的に循環流動できるものであれば如何なる
形式のものであってもよい。また、曝気手段としては、
ファン、ブロアからの圧縮空気を水中にノズルから放出
するものを例示したが、小型のものにあっては簡単な振
動を与え空気を送るものであっても良く、必要に応じ任
意の曝気手段を採用できる。
【0032】さらに、汚濁物質の除去手段として、炭素
繊維からなるマットによる濾過手段と水槽中に沈設した
炭素繊維からなる接触材を説明した。炭素繊維のマット
による濾過は、炭素繊維が生物親和性が高くその内部に
多くの微生物を包括できるので物理濾過に加えて生物濾
過も行える。従って、一般のフィルタに比し効率的な分
解が可能になる。また、水槽中に沈設、吊下した炭素繊
維の接触材は多くの活性の高い汚泥を包括するので汚濁
物質の分解性能も高く、さらには、活性汚泥は魚等の餌
ともなるうえ、稚魚等の退避場所ともなり、非常に有用
である。しかしながら、汚濁物質の除去手段はこれに限
らず他の任意の除去手段も採用し得る。
【0033】水槽と浄化塔間の水の循環については、連
通管で水槽と浄化塔を結び、還流ポンプで浄化塔の水を
上方から引きぬくことによって水を流動させたが、場合
によっては、水槽から浄化塔の底部にサイフォンを設け
て水を導くようにしてもよい。この場合、サイフォン管
を設けるのみで水の移動が図れ、装置が簡易となる。し
かし、水の流動についていえば、水が浄化塔の下部に送
給され、上部から還流させれば良いのであって、送液ポ
ンプを用いるなど適宜の手段で代替することもできる。
なお、還流ポンプとしてエアリフトポンプを用いれば、
曝気と還流を同時に行うことができ便利である。
【0034】なお、これまでの説明においては主として
魚の飼育を対象として説明してきたが、本発明の水槽は
魚類に限らず他の水棲動物の飼育、繁殖にも有用である
ことは言うまでもなく、水槽の大きさとしては、鑑賞用
の小型水槽に限ることなく大型の養殖水槽にも適用でき
ることは言うまでもない。
【0035】
【実施例】次に実施例により本発明の作用、効果を説明
する。 1.装置諸元 (1)水槽本体:高さ 45cm長さ 90cm幅 45cm 貯留水 180L 上部水槽容量 120L下部水槽容量 60L (2)浄化塔 :高さ 150cm長さ 15cm幅 15cm 貯留水 30L (3)浄化塔炭素繊維接触材: 材質 PAN系炭素繊維 長さ 25cm、単糸径 7μ、単糸本数 10万本 設置間隔 20cm、設置個数 7個 (4)循環水量(循環ポンプ容量):5L/min (5)還流水量(還流ポンプ容量):3L/Hr (6)曝気量 :6L/min (7)炭素繊維のマット: 材質 ピッチ系炭素繊維 厚さ 2cm 長さ 20cm 幅 10cm (8)水槽内炭素繊維接触材: 材質 PAN系炭素繊維、長さ 10cm、単糸径 7μ、単糸本数 5万本 設置間隔 10cm、設置個数 12個
【0036】2.水質 (1)水槽水質 溶存酸素量 5.5ppm、BOD 30ppm、COD 15ppm、
NH4-N 0ppm NO2−N 0ppm、NO3-N 17ppm、Org.−N 5ppm、T-N
22ppm (2)浄化塔水質 入口における硝酸態窒素 17ppm 出口における硝酸体窒素 5ppm
【0037】3.飼育状況 (1)魚種 :グッピー(レッドテールタキシード、
ダブルスウォード) (2)成魚数 :1800匹 (3)稚魚数 : 500匹 (4)飼育期間:1.5年
【0038】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、水槽内
の水を循環する循環手段と、水槽に空気を供給する曝気
手段と、発生する汚濁物質の除去手段とを備え、水を循
環しつつ浄化し、魚類等の水棲動物を飼育、養殖あるい
は鑑賞する水槽において、炭素繊維からなる活性汚泥の
接触材を吊下した浄化塔を付設し、水槽内の水を、前記
浄化塔の下部に導入し、その上部から水槽に還流させ、
水中の窒素成分を除去するごとくなしているので、簡易
な装置で高度な脱窒処理が可能となり、長期間にわたり
安定して多量の生物を飼育、養殖できる。
【0039】また、活性汚泥の接触材が、極細の炭素繊
維単糸を多数集束した所定長さの糸条束の一端を固束
し、他端の自由端から前記糸条束の単糸を傘状に開繊し
た単糸開繊接触材であるものは、一層活性汚泥の付着、
活性が高く、より高度の脱窒処理が可能となる。
【0040】さらに、本発明においては、水槽内の水を
循環する循環手段と、水槽に空気を供給する曝気手段
と、発生する汚濁物質の除去手段とを備え、水を循環し
つつ浄化し、魚類等の水棲動物を飼育、養殖あるいは鑑
賞する水槽において、前記水槽を上下に仕切る通水性の
仕切り手段を設け、該仕切り手段に成魚は通過できない
通水孔を設け、水槽上部に成魚、水槽下部に稚魚を生育
するごとくなし、成魚と稚魚が異なる環境で生育するよ
うになしているので、稚魚が成魚に捕食されることな
く、繁殖も順調に行え、また、高密度飼育も可能とな
り、さらに前記浄化塔を付設したものにあっては、驚く
べき数の魚などを飼育、繁殖、養殖できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の斜視図である。
【符号の説明】
1 水槽本体 1a 仕切り板(仕切り手段) 1b 上部水槽 1c 下部水槽 2 水循環ポンプ 2a 吸引口 2b 吐出口 3 曝気手段 4a 炭素繊維のマット(浄化手段) 4b 炭素繊維の接触材(浄化手段) 5 浄化塔 5a 浄化塔本体 5b 保持索 5c 錘 5d 連通管 5e 還流ポンプ 6 炭素繊維の接触材(単糸開繊接触材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B104 CA01 CA03 CB44 EA01 EB03 ED01 ED36 EE05 EE09 4D003 AA05 AA17 AB02 BA02 CA02 CA08 EA16 EA18 EA25 FA06 FA10 4D040 BB05 BB42 BB54 BB57 BB82

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水槽内の水を循環する循環手段と、水槽に
    空気を供給する曝気手段と、発生する汚濁物質の除去手
    段とを備え、水を循環しつつ浄化し、魚類等の水棲動物
    を飼育、養殖あるいは鑑賞する水槽において、炭素繊維
    からなる活性汚泥の接触材を吊下した浄化塔を付設し、
    水槽内の水を、前記浄化塔の下部に導入し、その上部か
    ら水槽に還流させるごとくなしたことを特徴とする水
    槽。
  2. 【請求項2】前記活性汚泥の接触材が、極細の炭素繊維
    単糸を多数集束した所定長さの糸条束の一端を固束し、
    他端の自由端から前記糸条束の単糸を傘状に開繊した単
    糸開繊接触材である請求項1記載の水槽。
  3. 【請求項3】前記単糸開繊接触材を形成する前記糸条束
    の単糸の直径が3〜10μm、単糸の本数が48000〜192
    000本、また糸条束の長さが10〜30cmである請求項2
    記載の水槽。
  4. 【請求項4】前記浄化塔内に接触材の保持索を設け、該
    保持索に前記単糸開繊接触材を、互いに重畳しないよう
    な間隔を持って吊下した請求項2または3記載の水槽。
  5. 【請求項5】前記水槽の水をサイフォンにより前記浄化
    塔に導くようになした請求項1、2、3または4記載の
    水槽。
  6. 【請求項6】前記汚濁物質の除去手段として、循環水の
    濾過を行う炭素繊維からなるマットと、水槽内に沈設さ
    れた活性汚泥を付着させた前記単糸開繊接触材を設けた
    請求項1、2、3、4または5記載の水槽。
  7. 【請求項7】水槽内の水を循環する循環手段と、水槽に
    空気を供給する曝気手段と、発生する汚濁物質の除去手
    段とを備え、水を循環しつつ浄化し、魚類等の水棲動物
    を飼育、養殖あるいは鑑賞する水槽において、前記水槽
    を上下に仕切る通水性の仕切り手段を設け、該仕切り手
    段に成魚は通過できない通水孔を設け、水槽上部に成
    魚、水槽下部に稚魚を生育するごとくなしたことを特徴
    とする水槽。
  8. 【請求項8】炭素繊維からなる活性汚泥の接触材を吊下
    した浄化塔を付設し、水槽内の水を、前記浄化塔の下部
    に導入し、その上部から水槽に還流させるごとくなした
    請求項7記載の水槽。
  9. 【請求項9】前記活性汚泥の接触材が、極細の炭素繊維
    単糸を多数集束した所定長さの糸条束の一端を固束し、
    他端の自由端から前記糸条束の単糸を傘状に開繊した単
    糸開繊接触材である請求項8記載の水槽。
  10. 【請求項10】前記単糸開繊接触材を形成する前記糸条
    束の単糸の直径が3〜10μm、単糸の本数が48000〜1
    92000本、また糸条束の長さが10〜30cmである請求
    項9記載の水槽。
  11. 【請求項11】前記浄化塔内に接触材の保持索を設け、
    該保持索に前記単糸開繊接触材を、互いに重畳しないよ
    うな間隔を持って吊下した請求項9または10記載の水
    槽。
  12. 【請求項12】前記水槽の水をサイフォンにより前記浄
    化塔に導くようになした請求項8、9、10または11
    記載の水槽。
  13. 【請求項13】前記汚濁物質の除去手段として、循環水
    の濾過を行う炭素繊維からなるマットと、水槽内に沈設
    された活性汚泥を付着させた前記単糸開繊接触材を設け
    た請求項7、8、9、10、11または12記載の水
    槽。
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