JPH1085783A - 硝酸性窒素を含有する排水の脱窒素処理装置および処理方法 - Google Patents

硝酸性窒素を含有する排水の脱窒素処理装置および処理方法

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JPH1085783A
JPH1085783A JP26235796A JP26235796A JPH1085783A JP H1085783 A JPH1085783 A JP H1085783A JP 26235796 A JP26235796 A JP 26235796A JP 26235796 A JP26235796 A JP 26235796A JP H1085783 A JPH1085783 A JP H1085783A
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JP
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denitrification
flow
wastewater
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JP26235796A
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Yasushi Kamori
裕史 嘉森
Kazuhisa Fukunaga
和久 福永
Naohisa Watanabe
直久 渡辺
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱窒素菌付着担体を充填した脱窒素処理水槽
において、担体を強制的に流動させることなく、安価で
かつ菌体による目詰まりを起こすことのない、長期的に
安定した脱窒効率を得られる脱窒素処理方法及び脱窒素
処理装置を提案する。 【解決手段】 脱窒素菌付着担体を充填した脱窒素処理
水槽を備えた硝酸性窒素を含有する配水の脱窒素処理装
置において、前記脱窒素菌付着担体を、目開きが20〜
100mmの網目状筒状担体とし、これを前記処理水槽
に充填固定する。また、好ましくは脱窒素処理装置に、
処理水に流動の乱れを生じさせる強制流動手段を設ける
ものである。このような脱窒素処理装置において、脱窒
素処理水槽内の処理水をG値で、50sec-1〜500
sec-1で流動させて、排水を脱窒素処理を行うもので
ある。 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排水に含有される
硝酸性の窒素を窒素ガスに還元処理する排水の処理方法
および処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】排水に含有される硝酸性窒素成分を処理
する方法として、生物学的に脱窒処理する方法が従来よ
り行われている。
【0003】この方法は、脱窒素活性汚泥法と呼ばれ、
排水を溶存酸素のない嫌気的な条件下におき、脱窒素菌
の硝酸呼吸あるいは亜硝酸呼吸を利用してNO2−N、
NO3−NをN2ガスへ還元する方法である。(例えば、
水処理工学 井出哲男 編著技報堂出版 1990P.
297) しかし、この方法は生物が自然にフロック化する活性汚
泥の原理を基本としたもので、反応タンクとなる脱窒素
処理水槽内の生物(脱窒素菌)を高濃度に保存すること
ができず、処理時間も長時間となる。
【0004】そこで、脱窒素処理水槽内に脱窒菌付着担
体を充填した固定床型リアクターが提案されているが、
長時間の連続運転により担体に付着する菌体量が増加
し、担体の菌体による目詰まりが起こり、その結果排水
と菌体との接触が少なくなり、窒素ガス化の効率が低下
する。
【0005】特開昭53−21863号公報において
は、長期的に連続運転しても安定した脱窒素効率を得る
装置として、脱窒素処理槽に合成樹脂製の網目円筒状短
管を流動可能な状態に充填し、且つ、この充填材を強制
的に流動させる流動手段を付設した脱窒素処理装置が開
示されている。
【0006】この方法は、担体に着生した余剰の菌体を
効率よく剥離させ取り除くことをポイントとしている。
すなわち、担体については、比重が1未満で外径20m
m〜30mmφ程度の小さな流動しやすいものを用い、
流動可能な状態に充填しており、又この担体を強制的に
流動させることにより、担体に着生した余剰の菌体を剥
離させている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開昭53−2186
3号公報で開示された方法は、担体を強制的に流動させ
ることで菌体による目詰まりをなくし、長期的に安定し
た脱窒素効率を得る方法として有効である。
【0008】しかし、規模が大きくなると、担体を流動
させるためのエネルギーが莫大なものとなり、電力費等
のランニングコストおよびブロワーや撹拌機等の流動手
段となる装置の仕様も大きくなり、イニシャルコストも
かさむことになる。又、流動可能な状態に不規則に担体
を充填することは余分なスペースをつくり、生物付着ゾ
ーンのアンバランスや廃水の編流により非効率な処理と
なってしまう。且つ、強制的な流動は担体の摩耗にもつ
ながることになる。
【0009】本発明は、担体を強制的に流動させる手段
を用いず、安価な方法で菌体による目詰まりを起こさず
長期的に安定した脱窒素効率を得る脱窒素処理方法およ
び脱窒素処理装置を提案するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)脱窒菌
付着担体を充填した脱窒素処理水槽を備えた硝酸性窒素
を含有する排水の脱窒素処理装置において、前記脱窒菌
付着担体を、目開きが20〜100mmの網目の筒状担
体とし、これを前記処理水槽に充填固定したことを特徴
とする硝酸性窒素を含有する排水の脱窒素処理装置であ
る。
【0011】また、(2)この脱窒素処理装置に、処理
水に流動の乱れを生じさせる強制流動手段を設けた脱窒
素処理装置とすることで、より安定した効率的な排水の
処理が行なえる。
【0012】また、(3)脱窒菌付着担体を充填した脱
窒素処理水槽を備えた硝酸性窒素を含有する排水の脱窒
素処理装置を用いて、硝酸性窒素を含有する排水を脱窒
素処理する方法において、前記脱窒菌付着担体を、目開
きが20〜100mmの筒状担体とし、これを前期処理
水槽に充填固定すると共に、脱窒処理水槽内の処理水を
下記式のG値で、50sec-1〜500sec-1で、流
動させることを特徴とする硝酸性窒素を含有する排水の
処理方法である。
【0013】
【数1】 本発明は、脱窒菌付着担体として目開きが20mm以上
で100mm以下の網目状筒形担体を用いることで担体
に菌体をうまく保持できる。一方、担体に付着した菌体
を剥離させるためには、一般的に逆洗手法として用いら
れている下部からの曝気でよく、強制的に担体を流動さ
せる流動手段が不要になる。
【0014】また、担体自身を流動させる必要がないた
め、担体を規則的に密に配列することができる。
【0015】従って、流動可能な状態に不規則に担体を
充填した時の様な、余分なスペースによる生物付着ゾー
ンのアンバランスな生物濃度分布や排水の偏流が生じた
り、あるいは担体の流動に伴う担体の摩耗もおこらな
い。
【0016】従って、安価な方法で菌体による目詰まり
を起こさず、長期的に安定した脱窒素処理を効率的に行
うことができる。
【0017】また、本発明では更に、担体周囲に乱れを
起こすために流動を与えており、処理効率が極めてすぐ
れている。なお、本発明で対象とする排水は硝酸性窒素
を含有と水、排水または下水等である。
【0018】
【発明の実施の態様】以下、図面を参照しながら本発明
を詳細に説明する。
【0019】図1は、本発明に使用する排水の処理装置
の一例である。
【0020】固定床型リアクター1の内部に、脱窒菌を
付着させた微生物付着担体2を支持材3の上に固定して
いる。この支持材3は、微生物付着担体が抜け落ちない
程度の目開きを有する網状で排水の流動を妨げない構造
物で構成され、固定床型リアクターの底部付近に固定し
ている。
【0021】硝酸性窒素を含有する排水4を固定床型リ
アクターに供給する排水供給ポンプ5は、固定床型リア
クターの底部の排水供給口6に接続している。固定床型
リアクター上部の水面付近には、処理水7を排出する排
水口8を接続している。又、固定床型リアクターの水面
下に設置した処理水抜きだし口9が循環水ポンプ10の
給水側に接続し、上記循環ポンプの排出側は、固定床型
リアクターの排出供給口6と接続し高低床型リアクター
を処理水が循環するよう接続している。
【0022】また、ブロワー12は、固定床型リアクタ
ー底部付近に設置された散気管12と接続している。
【0023】発明者らは、網目状筒形担体は、空隙率が
大きく菌体による目詰まりを起こしにくい点に着目し、
網目素線の中心間距離の異なる網目状筒形担体を種々用
いた実験をこれまでに行ない、本発明をなしたものであ
る。その結果、目開きが20mm以上あれば担体自身を
流動させなくても、一般的に逆洗手法として行われてい
る下部からの曝気により、担体に付着した菌を容易に剥
離させることができ、逆に、網目の目開きが20mm以
下になると、担体自身を流動させる様な強制的な撹拌を
行わないと担体に付着した菌体を剥離させることはでき
ないことを見い出した。
【0024】特開昭53−21863号公報の実施例で
用いられている網目円筒形短管は、素線の中心間距離が
8mmあるいは10.5mmのものであり、担体に付着
した菌体を剥離させるためには担体自身を流動させる強
力な撹拌が必要となる。
【0025】一方、この目開きが大きくなりすぎると菌
体の保持容量が少なくなる。すなわち、図2に示すよう
に中心間距離が100mm以下であれば、20mmの時
の菌体保持量と大差ないが100mmを越えると急激に
生物保持量が低下し、脱窒処理能力が低下する。
【0026】これらのことから、網目状の筒状担体は、
合成樹脂、耐食鋼材、鋼材の耐食被覆したものなどの
棒、線、板状などの部材を20mmから100mmの目
開き間隔hをもたせた網目状、或は格子状とし、これを
筒状に形成したものである。間隔hは図2に示すよう
に、相対する部材の最小間隔で示される。筒の軸方向の
中空部の形状は、三角形・方形・多角形などどの様な形
でもよく、また形成される軸方向の中空部の断面積は、
3cm2〜110cm2が好ましい。余り小さすぎると閉
塞し易く、また大きすぎると生物付着量が相対的に小さ
いものとなる。
【0027】担体を槽内に充填する向きは、垂直方向で
も水平方向でも良いが、曝気による付着物の除去の点か
ら筒の軸方向を垂直方向にして配置するのが好ましい。
【0028】又、この担体は底部から上部まで一体のも
のでも良いが、軸方向に途中をつないでも良い。いづれ
もトータルコストによって決定する。
【0029】又、担体の処理水槽への充填密度は、排水
の担体充填ゾーンでの滞留時間及び曝気装置や撹拌機の
設置スペース、メンテスペース等から総合的に判断す
る。
【0030】なお、処理槽内に撹拌機を設ける場合は、
そのスペースを勘案することは言うまでもない。
【0031】一般に、担体を用いた固定床型リアクター
において生物保持量が大きくなり、担体に付着した生物
膜が厚くなると基質である窒素が生物膜内全てに供給さ
れず、生物の活度が落ちる場合がある。このような場
合、生物膜近傍の処理水の流れの乱れを高め、窒素の生
物膜への浸透速度を大きくすることで生物膜内の窒素細
菌の活性化を図ることが好ましい。
【0032】すなわち、本発明の担体を備えた処理装置
において担体に生物膜が厚く付着した状態でこの流動状
況を種々変更した実験をくり返し行ない、処理状況との
関係を調査した結果、乱れの大きさを示す指標として下
式で表されるG値を用いた場合、G値が50sec-1
下では、脱窒処理効率が悪くG値を50sec-1以上に
する必要があるが、逆に、G値を500sec-1以上に
してしまうと担体に付着した生物が剥離してしまう。従
って、効率良く窒素処理槽を流動させるためにはG値が
50sec-1以上で500sec-1以下とすることが好
ましい。
【0033】又、強制流動手段のない場合はG値は50
sec-1以下である。
【0034】ここでG値とは、下記式で表される。
【0035】
【数1】 担体の周囲に強制的に流動を生起させる方法として、こ
の実施例では、循環ポンプ10によって処理された排水
の一部を循環水として下部から送りこみ、槽内の流動を
生起させているが、循環ポンプの代わりに脱窒槽底部に
水中撹拌機を設置して被処理水を撹拌したり、あるい
は、窒素ガス供給装置を設けて、これから窒素ガスを曝
気させることにより流動を起こさせてもよい。
【0036】ここで、流動部の容量とは槽全容量をい
う。
【0037】強制流動手段の出力は、流動装置が循環ポ
ンプの場合は、循環ポンプの出力が流動装置の出力であ
り、水中撹拌機を設置した場合は、水中撹拌機の出力が
流動装置の出力である。
【0038】又、窒素ガスを曝気させる場合は、窒素ガ
ス供給装置の出力である。
【0039】乱れを起こすための流動は、前述した従来
の単体を流動させるためのエネルギーに比べればはるか
に小さくて良い。従って、乱れを起こすための流動エネ
ルギー・コストは少なくてすむ。
【0040】上記処理装置を用いて硝酸性窒素を含有す
る排水を処理する方法を以下に示す。
【0041】硝酸性窒素を含有する排水4を排水供給ポ
ンプ5によって、固定床型リアクター1に供給する。
【0042】ここで、硝酸性窒素を含有する排水4が有
機物質等を含まず、生物学的脱窒反応時の水素供与体が
不足する場合には、事前に水素供与体を添加、あるい
は、水素供与体を含有する排水を混合する。
【0043】水素供与体の不足量は、排水中の有機物濃
度を分析することで想定できる。
【0044】添加する水素供与体としては、メタノー
ル、エタノール等のアルコール類あるいは、酢酸等のカ
ルボン酸等を排水中の窒素量の3〜5倍程度になるよう
に添加することが好ましい。
【0045】また、硝酸性窒素を含有する排水が下水の
硝化液である場合、有機物を含有する下水を水素供与体
を含有する排水として用いることが好ましい。この場
合、下水の硝化液に対し、20〜50%程度の下水を混
合することが好ましい。
【0046】固定床型リアクターに供給した硝酸性窒素
を含有する排水中の硝酸性窒素は、微生物付着担体2上
に付着した微生物の集合体に含まれる脱窒菌によって窒
素ガスへと還元され大気中に放出される。
【0047】処理された排水は、固定床型リアクターの
水面付近に接続された排水口8から排出される。
【0048】微生物付着担体上に付着した脱窒菌を含む
微生物に集合体は、排水を処理するに従ってしだいに増
殖してゆくので過増殖した上記微生物を逆洗によって除
去する。
【0049】逆洗の方法は、ブロワー11によって逆洗
空気13を散気管12から担体支持材3の間隙を通して
固定床型リアクター底部に吹き込み固定床型リアクター
内部を撹拌し、微生物付着担体表面に付着した微生物の
集合体を剥離させる。
【0050】十分撹拌した後、ブロワーの逆洗空気を停
止し、固定床型リアクター底部に沈殿した微生物の集合
体を、逆洗水排出口14より余剰汚泥として抜き出す。
【0051】逆洗は、1〜2日に1回の頻度で、15分
程度行うのが好ましい。
【0052】以上のようにして硝酸性窒素を含有する排
水を処理するにおいて、固定床型リアリター内に偏流・
デッドボリュームが生じず、また閉塞の発生しない安定
した窒素処理が可能となる。
【0053】
【実施例】
(実施例1)図1に示す固定床型リアリターに図2に示
した網目状円筒形微生物付着担体軸方向の中央部の断面
積24cm2目開き25mm部材の長さ2mの合成樹脂
製部材を筒状担体の軸方向を垂直方向に充填し(継ぎ足
しなし)、下水処理場の曝気槽から採取した活性汚泥を
投入し、約1日間循環ポンプによって固定床型リアリタ
ー内を撹拌するとともに微生物付着担体と活性汚泥を接
触させ、微生物付着担体表面に活性汚泥を付着させた。
【0054】上記活性汚泥は、脱窒菌を含有するので脱
窒菌を含有する微生物の集合体として用いることができ
る。
【0055】約1日後、微生物付着担体に活性汚泥が付
着した後、固定床型リアリター1の見掛けの滞留時間が
4時間となるように排水を供給した。
【0056】供給した排水は、硝酸性窒素を含有する工
場排水で、性状を表1に示す。
【0057】上記排水は、生物学的脱窒反応時に必要で
ある水素供与体としてのCOD(化学的酸素要求量)成
分およびTOC(全有機性炭素)成分が不足していたの
で、水素供与体としてメタノールを処理する硝酸性窒素
量に対し3倍量を排水供給ポンプの前段階で添加した。
【0058】
【表1】 また、循環ポンプ10により循環水の循環流量を、供給
する排水の0.5〜2倍とした。このとき、G値100
〜300l/secの範囲であった。
【0059】固定床型リアリター1の逆洗は、1日に1
回、15分間行ない、逆洗排水は逆洗水排出口から抜き
出した。
【0060】上記処理を1週間程度継続すると、処理水
中の硝酸性窒素濃度は、5mg/l以下になった。
【0061】さらに、固定床型リアリター1の見掛けの
滞留時間が3時間、2時間、1時間となるように供給す
る排水量を増加させたが、1ケ月後も処理水中の平均硝
酸性窒素濃度は、5mg/l以下で安定していた。
【0062】(実施例2)実施例1同様の方法によっ
て、表2に示す性状の硝酸性窒素を含有する排水を処理
した。
【0063】表2の排水は、下水のBODおよびCOD
処理工程でBOD、CODおよびTOD成分が処理され
水素供与体の含有量が不足していたので、水素供与体を
含有する排水としてCOD処理前の下水を下水の硝化液
つまり、硝酸性窒素排水に対し20%になるように排水
供給ポンプの前段階で混合した。
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】 循環ポンプ10による循環水の循環流量は、供給する排
水の0.5〜2倍とした。
【0066】また、固定床型リアクター1の逆洗方法
は、実施例1と同様とした。
【0067】上記処理を1週間程度継続すると、処理水
中の全窒素濃度は、5mg/l以下になった。
【0068】さらに、固定床型リアクター1の見掛けの
滞留時間が3時間、2時間、1時間となるように供給す
る排水量を増加させたが、1ケ月後も処理水中の全平均
窒素濃度は、5mg/l以下で安定していた。
【0069】(実施例3)実施例1と同様の装置で、循
環ポンプを移動せず、強制流動を行わなかった。
【0070】供給した排水は、表4に示すように実施例
1の排水よりも硫酸性窒素濃度が若干低い硝酸性窒素そ
含有する工場排水で、固定床型リアクターの見掛けの滞
留時間が4時間となるように排水を供給した。
【0071】上記排水は、生物学的脱窒反応時に必要で
ある水素供給体としてのCOD(化学的酸素要求量)成
分およびTOC(全有機性炭素)成分が不足していたの
で、水素供与体としてメタノールを処理する硝酸性窒素
量に対し3倍量を排水供給ポンプの前段階で添加した。
【0072】
【表4】 固定リアクター1の逆洗は、1日に1回、10分間行
い、逆洗排水は逆洗水廃出口から抜き出した。
【0073】上記処理を1週間程度継続すると、処理水
中の硝酸性窒素濃度は、5mg/1以下になった。
【0074】さらに、固定床型リアクター1の見掛けの
滞留時間が3時間、2時間、1時間となるように供給す
る排水量を増加させたが、1ヶ月後も処理水中の平均硝
酸性窒素濃度は、5mg/1以下で安定していた。
【0075】このように、排水中の硝酸性窒素濃度の低
い排水では強制流動を行わなくても、低負荷ではあるが
連続安定処理が可能である。
【0076】又、1日1回の逆洗時間も若干短くてよ
い。
【0077】(比較例)実施例1の比較例として、直径
20mmの球形に成形した合成樹脂製の微生物付着担体
を不規則に充填した固定床型リアクターを利用し排水を
処理した例を示す。
【0078】活性汚泥の微生物付着担体への付着方法
は、実施例1同様、下水処理場の曝気槽から採取した活
性汚泥を投入し、約1日間循環ポンプによって固定床型
リアクター内を撹拌するとともに微生物付着担体と活性
汚泥を接触させ、微生物付着担体表面に活性汚泥を付着
させた。
【0079】約1日後、微生物付着担体に活性汚泥が付
着した後、固定床型リアクター1の見掛けの滯留時間が
4時間となるように排水を供給した。
【0080】供給した排水は、実施例1と同じ工場排水
を用いた。
【0081】排水への水素供与体の供給方法も実施例1
と同じ、メタノールを処理する硝酸性窒素量に対し3倍
量を排水供給ポンプの前段階で添加した。
【0082】このほか、循環ポンプ10による排水の循
環流量および固定床型リアクター1の逆洗など、排水の
処理方法は、実施例1と同様の条件とした。
【0083】上記処理を1週間程度継続すると、処理水
中の背養蚕性窒素濃度は、実施例1同様に5mg/l以
下になった。
【0084】さらに、固定床型リアクター1の見掛けの
滞留時間が3時間、2時間となるように供給する排水量
を増加させたが、処理水中の平均硝酸性窒素濃度は、5
mg/l以下であった。
【0085】しかし、排水の処理を開始して約1ケ月が
経過し、リアクターの見掛けの滞留時間を1時間に変更
すると処理水中の硝酸性窒素濃度が20mg/l以上に
なった。この時点で、固定床型リアリター内部を観察す
ると過剰に増殖した微生物により閉塞が生じていた。
【0086】この後、逆洗空気および逆洗水を実施例1
の5倍供給して逆洗を行ったが、閉塞は改善されず、処
理水中の硝酸性窒素濃度が徐々に上昇していった。
【0087】実施例1と比較例とを比較すると、工場排
水の処理を開始して1ケ月程度までは、実施例1と比較
例において同程度の処理水を得ることが可能であるが、
比較例において、排水処理を1ケ月以上継続すると固定
床型リアクター内部に過剰に増殖した微生物により閉塞
を生じ処理性能が低下し、処理の継続が不可能になる傾
向があった。
【0088】
【発明の効果】本発明により、菌体の目詰まりを起こさ
ず長期的に安定した脱窒素処理を効率良く行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の硝酸性窒素を含有する排水の処理装置
を示す斜視図である。
【図2】網目状円筒型微生物付着担体を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 固定床型リアクター 2 微生物付着担体 3 微生物付着担体支持材 4 硝酸性窒素を含有する排水 5 排水供給ポンプ 6 排水供給口 7 処理水 8 処理水の排水口 9 処理水抜きだし口 10 循環ポンプ 11 ブロワー 12 散気管 13 逆洗空気 14 逆洗水排出口

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱窒菌付着担体を充填した脱窒素処理水
    槽を備えた硝酸性窒素を含有する排水の脱窒素処理装置
    において、前記脱窒菌付着担体を、目開きが20〜10
    0mmの網目状の筒状担体とし、これを前記処理水槽に
    充填固定したことを特徴とする硝酸性窒素を含有する排
    水の脱窒素処理装置。
  2. 【請求項2】 脱窒素処理装置に、処理水に流動の乱れ
    を生じさせる強制流動手段を設けたことを特徴とする請
    求項1に記載の硝酸性窒素を含有する排水の脱窒素処理
    装置。
  3. 【請求項3】 脱窒菌付着担体を充填した脱窒素処理水
    槽を備えた硝酸性窒素を含有する排水の脱窒素処理装置
    を用いて、硝酸性窒素を含有する排水を脱窒素処理する
    方法において 、前記脱窒菌付着担体を、目開きが20〜
    100mmの網目状の筒状担体とし、これを前記処理水
    槽に充填固定すると共に、脱窒処理水槽内の処理水をG
    値で、50sec-1〜500sec-1で、流動させるこ
    とを特徴とする硝酸性窒素を含有する排水の処理方法。 【数1】
JP26235796A 1996-09-12 1996-09-12 硝酸性窒素を含有する排水の脱窒素処理装置および処理方法 Pending JPH1085783A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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