JP2000155205A - 反射型光学素子及びその製造方法 - Google Patents

反射型光学素子及びその製造方法

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JP2000155205A
JP2000155205A JP11258915A JP25891599A JP2000155205A JP 2000155205 A JP2000155205 A JP 2000155205A JP 11258915 A JP11258915 A JP 11258915A JP 25891599 A JP25891599 A JP 25891599A JP 2000155205 A JP2000155205 A JP 2000155205A
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film
reflective
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Hideyuki Hatakeyama
英之 畠山
Masanobu Okane
政信 大金
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反射特性に優れ膜むらのない基材との密着性
に優れた反射型光学素子およびその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 透明樹脂からなる光学素子基材11上
に、少なくとも湿式成膜法により形成される銀高反射薄
膜12を有し、前記銀高反射膜の表面もしくは裏面の反
射を利用し所望の像を得ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は反射型光学素子に関
し、特に反射型光学素子基材上に形成される銀高反射膜
の湿式成膜法、およびその膜構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より金属表面、もしくは裏面の反射
を利用し所望の像を得る反射型光学素子の表面に形成さ
れる高反射薄膜としては、アルミニウム、銀等の高い反
射率を有する金属薄膜が用いられる。特に銀は可視域
(波長λが350〜700nmの範囲)において極めて
高い反射率を示すことから、鏡、反射型光学素子等に多
用されている。
【0003】また従来より、アルミニウムや銀等の金属
薄膜を形成する方法としては、真空蒸着法、スパッタリ
ング法、イオンプレーティング法等を用いることが一般
的である。
【0004】また、銀薄膜の湿式成膜法としては銀鏡反
応が知られており、鏡、魔法瓶等に使用されている。
【0005】しかしながら、前記従来技術に記載の銀高
反射薄膜形成方法には、以下のような解決課題がある。
【0006】従来より反射型光学素子に使用される銀高
反射薄膜は真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ
ーティング法等の真空乾式成膜法を用いて成膜されるの
が一般的である。
【0007】しかしながら、近年の光学素子は特開平9
ー90229等の記載にあるように微細化、異形化、多
面化等、複雑な形状を持つものが増え、そのため従来の
真空乾式成膜法ではそれらの複雑な形状への対応が困難
であったり、また可能であったとしても、成膜に必要な
設備、工程が複雑化し、それに伴い成膜コストの上昇を
余儀なくされるという課題があった。
【0008】また、光学素子の軽量化に伴い、反射型光
学素子の基材には樹脂が用いられることが増えてきた
が、従来の真空乾式成膜法では、樹脂基材と銀の密着性
が低いという問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、複雑な形状を持つ光学素子基材に対しても容易に形
成できる銀高反射薄膜を有する光学素子を提供すること
にある。
【0010】また、本発明の他の目的は、光学素子基材
との密着性に優れた銀高反射薄膜を有する光学素子を提
供することにある。
【0011】また、本発明のさらに他の目的は、上記光
学素子の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明樹脂から
なる光学素子基材上に、少なくとも湿式成膜法により形
成された銀高反射薄膜を有し、前記銀高反射薄膜の表
面、もしくは裏面の反射を利用し所望の像を得ることを
特徴とする反射型光学素子である。
【0013】本発明の反射型光学素子は、透明樹脂から
なる光学素子基材上に銀高反射薄膜を形成する方法とし
て、湿式成膜法を用いるため、微細化、異形化、多面化
等複雑化した光学素子基材上にも、容易に、かつ均一に
銀高反射膜を形成することが可能となる。
【0014】また、本発明の反射型光学素子は、真空乾
式成膜法で形成された銀高反射薄膜に較べ、光学樹脂基
材との密着性に優れた銀高反射薄膜を有するものであ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明による光学素子の好適な形
態として、(1)光学素子基材が非晶質ポリオレフィン
樹脂からなること、(2)湿式成膜法が、無電界銀めっ
き法、即ち、光学素子基材表面の触媒性金属により、メ
ッキ浴中の銀イオンを還元し、析出させて銀の成膜を形
成する法であること、(3)光学素子基材と銀高反射薄
膜との間、もしくは銀高反射薄膜外周に、少なくとも銀
薄膜側から、低屈折率薄膜、高屈折率薄膜の順に積層さ
れた薄膜層を有すること、即ち、光学素子基材表面に、
順に高屈折率薄膜(例えばTiO2,ZnO2,Al23
など)、低屈折率薄膜(例えば、SiO2)および銀高
反射薄膜を形成した構成、又は、光学素子基材表面に、
順に、銀高反射薄膜、低屈折率薄膜および高屈折率薄膜
を形成した構成を有すること、高屈折率薄膜と低屈折率
薄膜の積層は増反射膜として作用する。(4)銀高反射
薄膜の膜厚が50nm〜1000nmの範囲にあり、そ
の際の銀高反射薄膜の400nmの波長の光に対する反
射率が80%以上であること。
【0016】また、本発明は、透明樹脂からなる光学素
子基材上に少なくとも湿式成膜法により銀高反射薄膜を
形成し、該銀高反射膜の表面もしくは裏面の反射を利用
し所望の像を形成することを特徴とする反射型光学素子
の製造方法を提供するものである。
【0017】本発明において用いられる、前記透明樹脂
基材としては、光学素子として十分な剛性と、透明性を
有していれば特に制約はなく、アクリル、ポリカーボネ
ート、非晶質ポリオレフィン等を挙げることができる
が、その中でも特に下記構造式に代表される非晶質ポリ
オレフィン樹脂を用いることが好ましい。
【0018】
【外1】
【0019】非晶質ポリオレフィン樹脂は、吸湿性が低
く(0.01%以下:JIS6911)、かつ屈折率の
温度依存性が小さく、かつ熱に対する変形も少なく、光
学的に安定しているため、光学素子基材として用いる利
点が多い。
【0020】非晶質ポリオレフィン樹脂を光学素子基材
として用いることにより、光学素子の耐使用条件、耐環
境性を向上することができる。
【0021】またここでいう、銀高反射膜の湿式成膜法
とは、銀鏡反応、電気めっき法、無電解めっき法を挙げ
ることができるが、 (1)光学素子基材上にあらかじめ接点となる導電層を
形成する必要がなく、銀膜を形成した後の基材側からの
光の反射率が高い。 (2)光学素子基材上で選択的に銀析出反応を起こすこ
とが可能で、形成した銀膜の膜厚ムラの発生のない極め
て均一な膜を得ることができ、光学素子全体の反射率の
分布が少ない。 (3)銀析出反応の速度をめっき浴組成により調節する
ことが可能であり、めっき浴の無駄を防ぐことができ
る。 (4)反応に伴う雷銀の発生を抑えるめっき浴組成が可
能である。 という点から特に無電解めっき法を用いることが好まし
い。
【0022】一般的に無電解めっき法は、基材上にめっ
き浴の金属析出反応を進行させるための触媒性金属また
は触媒性金属イオンを付与した後、上記触媒の付与され
た基材をめっき浴に浸漬することにより、基材上で金属
析出反応が起こり、めっきが施される。
【0023】基材上でのめっき浴の金属析出反応を進行
させるための触媒性金属または触媒性金属イオンとして
は、銀無電解めっき浴の銀析出反応を進行させることが
できるものであれば特に制約はないが、金、銀、銅、パ
ラジウム、コバルト、スズ、ニッケル等の金属または、
それらの金属イオンまたはそれらの金属および金属イオ
ンを含むコロイド等を用いることができる。
【0024】また、前記触媒性金属または触媒性金属イ
オンを均一に付与するために、光学素子基材表面に前処
理を施してもよい。光学素子基材表面の前処理方法とし
ては、酸・アルカリエッチング、UV−O3 処理(紫外
線オゾン処理)、コロナ放電処理、エキシマ照射処理等
の基材の表面エネルギーを低下させるための各種処理、
また界面活性剤に代表される極性基を有する物質による
基材表面の親水化処理、または前記各種処理の併用によ
り光学素子を触媒性金属および触媒金属イオンを均一に
付与することができる。
【0025】また、前記触媒性金属イオンは光学基材上
への吸着力が低く、めっき浴中に落下し、めっき浴の分
解を促進してしまう場合がある。そのような現象が起き
る場合は、前記触媒性金属イオンを還元して、触媒性金
属として基材上に固定化することが好ましい。その際用
いる還元剤には特に制約はない。
【0026】また、無電解めっき浴は、銀の可溶性イオ
ン、および銀イオンを還元し光学素子基材上に析出する
ための還元剤、および銀イオンとキレートを形成し、め
っき浴の安定化を図るためのキレート剤、および還元剤
の酸化反応による水素イオンの増大に伴うめっき反応の
駆動力の低下を防ぐためのpH調整剤によって構成され
る。
【0027】ここで、還元剤としてはめっき浴中に溶解
する銀イオンを還元することのできる物質であれば特に
制約はないが、ホルムアルデヒド、ロッシェル塩、ヒド
ラジン、ヒドラジンボラン等が用いられるのが一般的で
ある。また、Surfaceand Coatings
Technology82(1996)165−16
8に記載のように硫酸コバルトを用いることもできる。
【0028】また、キレート剤としてはめっき浴中に溶
解する銀イオンとキレートを生成し、めっき浴中での銀
の析出反応を抑制し、かつ基材上に付与された触媒によ
り、容易に銀を基材上に析出できれば特に制約はない
が、シアン等を用いることができる。しかしながら、シ
アンは大変危険な物質であり工業用としては取扱いに注
意を要する。そこで、Surface and Coa
tings Technology82(1996)1
65−168に記載のように、アンモニアをキレート剤
として用いたり、またアンモニア誘導体をキレート剤と
して用いることもできる。
【0029】また、無電解めっき法により形成された銀
高反射膜の銀高反射薄膜の反射率が80%(λ=400
nm)であることが好ましく、上記反射率を保つ上で、
銀高反射の膜厚は50nm以上であることが好ましい。
【0030】また銀膜形成時の銀析出応力によるクラッ
ク発生(特に光学素子基材の曲率の大きいところ)を抑
える上で1000nm以下であることが好ましい。
【0031】
【実施例】以下本発明における反射型光学素子の銀高反
射薄膜の湿式成膜法について、図および実験結果の表を
参照しながら説明するが、本発明がそれらによってなん
ら制約されるものではない。
【0032】(実施例1)図1は本発明における反射型
光学素子の銀高反射膜の基本構成図である。透明樹脂基
材11上には、銀高反射薄膜12が形成される。
【0033】本実施例においては、異方向を向いた5面
の反射面を有するアクリル(商品名:デルペット:旭化
成株式会社製)光学素子基材(図2には1つの反射面の
構成を示す)を用いて以下の実験を行った。上記アクリ
ル基材が光学素子として機能するためには、異方向を向
いた5面の反射面の全ての表面に高反射膜を形成する必
要がある。
【0034】本実施例の膜構成を図2に、実験結果を表
1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】比較例1:前記アクリル基材21上に、真
空蒸着法により銀薄膜を形成した。その際、銀薄膜の厚
みが200nmになるように調整しながら真空蒸着を行
った。前記アクリル基材の5面ある反射面に全て銀薄膜
を形成するためには、基材の向きを変え、5回の真空蒸
着を行うことが必要であった。
【0037】上記のように成膜した銀薄膜の反射率は5
00nmにおいて96%であった。また、以下に示す密
着性試験において、銀膜の剥離が観察された。
【0038】また、銀膜の膜むらは観察されなかった。
【0039】実験例1:前記アクリル基材21上に、銀
鏡反応により銀薄膜を形成した。その際、銀薄膜の厚み
が200nmになるように調整しながら銀鏡反応を行っ
た。また、銀鏡反応は以下のように行った。
【0040】純水11中に硝酸銀60gを溶解し攪拌し
た後、28%アンモニア溶液を滴下し、一度褐色に色づ
いた溶液が当面になるまで滴下を続け銀液を得た。その
際のアンモニア水溶液の滴下量は約60gであった。上
記銀液にアクリル基材21を浸漬し、攪拌しながら10
%ホルムアルデヒド水溶液を滴下し、銀鏡反応を行い、
基材に銀を析出させた。
【0041】上記のように成膜した銀薄膜の反射率は5
00nmにおいて96%であった。また、以下に示す密
着性試験において、銀膜の剥離が一部観察された。
【0042】また、銀膜の表面には膜むらおよび膜厚む
らが観察された。
【0043】実験例2:前記アクリル基材21上に、無
電界めっき法により銀薄膜を形成した。その際、銀薄膜
の厚みが200nmになるように調整しながら無電解め
っきを行った。
【0044】また無電解めっきは以下のように行った。
【0045】アクリル基材21を界面活性剤(商品名:
プリディップネオガントB:アトテックジャパン株式会
社製)の20ml/l水溶液中に1分間浸漬し、パラジ
ウム触媒付与を行うために活性化剤(商品名:アクチベ
ータネオガント834CONC:アトテックジャパン株
式会社製)の50ml/lの水溶液35℃中に5分間浸
漬した。処理後2分間水洗を行い、パラジウムイオンの
還元を行うため、還元剤(商品名:リデューサーネオガ
ントWA:アトテックジャパン株式会社製)の5ml/
lの水溶液に5分間浸漬した。再度2分間の水洗を行っ
た後、表2の組成をもつ無電解めっき浴に10分間浸漬
し、無電解めっきを行い、基材に銀を析出させた。
【0046】上記のように成膜した銀薄膜の反射率は5
00nmにおいて96%であった。また、以下に示す密
着性試験において、銀膜の剥離は観察されなかった。
【0047】また、銀膜の表面には膜むらは観察されな
かった。
【0048】
【表2】
【0049】(実施例2)本実施例の膜構成を図3、図
4に、実験結果を表3に示す。
【0050】
【表3】
【0051】実験例3:アクリル基材31上に、無電解
めっきにより銀薄膜を形成した。その際、銀薄膜の厚み
が200nmになるように調整しながら無電解めっきを
行った。
【0052】また無電解めっきは以下のように行った。
【0053】アクリル基材31を界面活性剤(プリディ
ップネオガントB)の20ml/l水溶液中に1分間浸
漬し、パラジウム触媒付与を行うために活性化剤(アク
チベータネオガント834conc)の50ml/lの
水溶液35℃中に5分間浸漬した。処理後2分間水洗を
行い、パラジウムイオンの還元を行うため、還元剤(リ
デューサーネオガントWA)の5ml/lの水溶液に5
分間浸漬した。再度2分間の水洗を行った後、表2の組
成をもつ無電解めっき浴に10分間浸漬し、無電解めっ
きを行い、基材に銀を析出させた。
【0054】上記のように銀高反射膜を成膜したアクリ
ル基材を光学試験機に投入し、45℃、95%環境下で
反射画像を観察したところ、反射像に一部歪みが観察さ
れた。
【0055】また、60℃、90%環境下に500時間
放置した後、銀薄膜の反射率を測定したところ、初期9
6%(500nm)であった反射率が、92%まで低下
した。
【0056】実験例4:図4に示すように非晶質ポリオ
レフィン樹脂(ゼオネックスE48R:日本ゼオン株式
会社製)41上に、無電解めっきにより銀薄膜42を形
成した。その際、銀薄膜の厚みが200nmになるよう
に調整しながら無電解めっきを行った。
【0057】また無電解めっきは以下のように行った。
【0058】非晶質ポリオレフィン樹脂基材41の表面
をコロナ放電処理し、その後界面活性剤(プリディップ
ネオガントB)の20ml/l水溶液中に1分間浸漬
し、パラジウム触媒付与を行うためにアクチベータネオ
ガント834)の50ml/lの水溶液35℃中に5分
間浸漬した。処理後2分間水洗を行い、パラジウムイオ
ンの還元を行うため、還元剤であるリデューサーネオガ
ントWAの5ml/lの水溶液に5分間浸漬した。再度
2分間の水洗を行った後、表2の組成をもつ無電解めっ
き浴に10分間浸漬し、無電解めっきを行い、基材に銀
を析出させた。
【0059】上記のように銀高反射膜を成膜した非晶質
ポリオレフィン樹脂基材を光学試験機に投入し、45
℃、95%環境下で反射画像を観察したところ、反射像
歪みは観察されなかった。
【0060】また、60℃、90%環境下に500時間
放置した後、銀薄膜の反射率を測定したところ、初期9
6%(500nm)であった反射率の低下は見られなか
った。
【0061】(実施例3)本実施例の膜構成を図5に、
実験結果を表4に示す。
【0062】
【表4】
【0063】実験例5,6,7:非晶質ポリオレフィン
樹脂(商品名:ゼオネックスE48R:日本ゼオン株式
会社製)51上に、無電解めっきにより銀薄膜52を形
成した。その際、銀薄膜の厚みが60nm(実験例
5)、200nm(実験例6)、1000nm(実験例
7)になるように調整しながら無電解めっきを行った。
【0064】また無電解めっきは以下のように行った。
【0065】非晶質ポリオレフィン樹脂基材51の表面
をコロナ放電処理し、その後界面活性剤(プリディップ
ネオガントB)の20ml/l水溶液中に1分間浸漬
し、パラジウム触媒付与を行うために活性化剤(アクチ
ベータネオガント834conc)の50ml/lの水
溶液35℃中に5分間浸漬した。処理後2分間水洗を行
い、パラジウムイオンの還元を行うため、還元剤(リデ
ューサーネオガントWA)の5ml/lの水溶液に5分
間浸漬した。再度2分間の水洗を行った後、表2の組成
をもつ無電解めっき浴に3分間(実験例3)、10分間
(実験例4)、30分間(実験例5)それそれ浸漬し、
無電解めっきを行い、基材に銀を析出させた。
【0066】実験例5においては、銀の膜厚が60nm
で、その際の波長400nmにおける反射率は78%で
あり、反射型光学素子の高反射薄膜として不適となっ
た。
【0067】実験例7においては、銀の膜厚が1000
nmで、その際の波長400nmにおける反射率は88
%であったが、銀薄膜のところどころにクラックが発生
した。
【0068】なお、実験例5においては、メッキ浴の温
度が25℃であったが、メッキ浴の温度を45℃に保
ち、メッキを行った場合には、銀膜厚が60nmで、4
00nmにおける反射率は82%であった。
【0069】また、実験例7において、表2のメッキ浴
を水で2倍に希釈し、60分間メッキを行い、1000
nmの銀膜厚を形成した場合には、クラックの発生は見
られなかった。
【0070】
【発明の効果】以上述べたように、透明樹脂からなる光
学素子基材上に、少なくとも湿式成膜法により銀高反射
薄膜形成することにより、前記銀高反射膜の表面もしく
は裏面の反射を利用し所望の像を得ることのできる反射
型光学素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射型光学素子の基本膜構成を示す断
面図である。
【図2】実施例1に記載の反射型光学素子の膜構成を示
す断面図である。
【図3】実施例2に記載の反射型光学素子の膜構成を示
す断面図である。
【図4】実施例2に記載の反射型光学素子の膜構成を示
す断面図である。
【図5】実施例3に記載の反射型光学素子の膜構成を示
す断面図である。
【符号の説明】
11 透明基材 12,22,32,42,52 銀高反射薄膜 21,31 アクリル基材 41,51 非晶質ポリオレフィン樹脂基材

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明樹脂からなる光学素子基材上に、少
    なくとも湿式成膜法により形成された銀高反射薄膜を有
    し、前記銀高反射膜の表面、もしくは裏面の反射を利用
    し所望の像を得ることを特徴とする反射型光学素子。
  2. 【請求項2】 光学素子基材が、アクリル樹脂、ポリカ
    ーボネート樹脂および非晶質ポリオレフィン樹脂からな
    る群から選ばれる樹脂で形成されている請求項1記載の
    反射型光学素子。
  3. 【請求項3】 光学素子基材が非晶質ポリオレフィン樹
    脂からなる、請求項1に記載の反射型光学素子。
  4. 【請求項4】 湿式成膜法が、銀鏡反応である請求項1
    記載の反射型光学素子。
  5. 【請求項5】 湿式成膜法が、無電解銀めっき法である
    請求項1に記載の反射型光学素子。
  6. 【請求項6】 前記光学素子基材と銀高反射薄膜との
    間、もしくは銀高反射薄膜外周に、少なくとも銀薄膜側
    から、低屈折率薄膜、高屈折率薄膜の順に積層された薄
    膜層を有する請求項1に記載の反射型光学素子。
  7. 【請求項7】 前記銀高反射薄膜の膜厚が50nm〜1
    000nmの範囲にあり、その際の銀高反射薄膜の40
    0nmの波長の光に対する反射率が80%以上である請
    求項1に記載の反射型光学素子。
  8. 【請求項8】 透明樹脂からなる光学素子基材上に少な
    くとも湿式成膜法により銀高反射薄膜を形成し、該銀高
    反射膜の表面もしくは裏面の反射を利用し所望の像を形
    成することを特徴とする反射型光学素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記光学素子基材が非晶質ポリオレフィ
    ン樹脂からなる請求項8に記載の反射型光学素子の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 前記湿式成膜法が無電解銀めっき法で
    ある請求項8または9に記載の反射型光学素子の製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1876267A2 (en) 2006-07-06 2008-01-09 Matsushita Electric Works, Ltd. Silver layer formed by electrosilvering substrate material
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