JP2000154395A - 呈味改善剤、該改善剤を含む口腔用組成物、該改善剤を含む飲料、及び該改善剤を用いる飲料の呈味改善方法 - Google Patents

呈味改善剤、該改善剤を含む口腔用組成物、該改善剤を含む飲料、及び該改善剤を用いる飲料の呈味改善方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 飲食品や口腔用組成物など、特にフレーバー
で香りを向上させた清涼飲料のフレーバーを保持しつ
つ、呈味を改善することのできる呈味改善剤と、該改善
剤を添加することにより飲料の呈味を改善する方法と、
さらに、該改善剤が添加され呈味の改善された飲食品や
口腔用組成物などを提供することを目的とする。 【解決手段】 p−メンタン−3,8−ジオールを有効
成分とする呈味改善剤と、前記呈味改善剤を飲料に添加
することを特徴とする飲料の呈味改善方法と、前記呈味
改善剤を含む飲食品や口腔用組成物などを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飲食品、特にフレ
ーバー(食品香料)で香りを向上させた飲食品の呈味を
改善することのできる呈味改善剤に関する。また、本発
明は、口腔用組成物或いは該口腔用組成物を含む製品の
呈味を改善することのできる呈味改善剤に関する。さら
には、本発明は、飲料、特にフレーバー(食品香料)で
香りを向上させた清涼飲料の呈味を改善することのでき
る飲料用呈味改善剤と、該改善剤を添加することにより
飲料の呈味を改善する方法と、さらに該改善剤が添加さ
れ呈味の改善された飲料とに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、嗜好の多様化に伴い、様々な飲食
品が上梓されているが、その多くには、風味付け等のた
めに種々の添加剤が含まれている。また、口腔用組成物
或いは口腔用組成物を含む製品、例えば歯磨き、口臭防
止用洗液などには、香りや清涼感を改善・向上させるた
めに、各種フレーバーが用いられている。特に、果物味
を有する炭酸飲料や無炭酸飲料の場合には、レモン、リ
ンゴ、ピーチ、グレープ等の果物の香りを与えたり、或
いは清涼感を与えるために、各種のフレーバーが用いら
れている。
【0003】しかしながら、このようなフレーバーの添
加によって香りや清涼感を向上させた飲食品や口腔用組
成物などは、必ずしも充分な呈味性を有しているものと
は言えず、その解決が求められていた。
【0004】そのために、例えばグルコピラノシド誘導
体を添加することにより各種飲食品の香味を増強若しく
は改善する方法が提案されている(特開平3−1124
60号公報参照)。
【0005】しかしながら、この方法は、飲食品が有す
るストレートな若しくは刺激的な、丸味に乏しい塩味,
酸味,甘味或いはフレーバーを、丸味に富んだマイルド
で且つコク味のある嗜好性の高い香味の増強された香味
感を有する塩味,酸味,甘味或いはフレーバーに改善し
ようとするものであって、必ずしも呈味の増強とは言え
ないものであった。
【0006】また、α−L−アスパルチル−L−フェニ
ルアラニンメチルエステルを含有する飲食品を製造また
は使用する際、該飲食品の0.2%重量以下のゼラチン
を添加する方法が提案されている(特開平2−2765
54号公報)。
【0007】しかしながら、この方法は、α−L−アス
パルチル−L−フェニルアラニンメチルエステルを含有
する飲食品の持つ不快な香り乃至味その他の雑風味を抑
制し、代わりに好ましい香り又は味が引き立たせようと
するものであって、エグ味その他、いわゆるカドのある
風味、しつこさ等を消し、風味全体をマイルドにし、い
わゆる口あたりの良い飲食しやすい風味としようとする
ものであって、やはり必ずしも呈味の増強とは言えない
ものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点を解消し、飲食品や口腔用組成物な
ど、特にフレーバーで香りや清涼感を向上させた飲食品
や口腔用組成物などの香りや清涼感を保持しつつ、呈味
を改善することのできる呈味改善剤と、該改善剤を添加
することにより飲食品や口腔用組成物などの呈味を改善
する方法と、さらに該改善剤が添加され、呈味の改善さ
れた飲料や口腔用組成物を提供することにある。
【0009】本発明者らは、上記目的を達成するため鋭
意研究を重ねた結果、驚くべきことに、これまで有害生
物忌避剤などとして知られていたp−メンタン−3,8
−ジオールを飲食品や口腔用組成物などに添加すると、
飲食品や口腔用組成物などのフレーバーを保持しつつ、
呈味を改善することが可能であり、呈味改善剤として有
用であることを見出した。本発明は、かかる知見に基づ
くものである。なお、このp−メンタン−3,8−ジオ
ールは、有害生物忌避剤の有効成分としての用途は発見
されているが(特開平3−80138号公報参照)、飲
食品や口腔用組成物などに添加すると呈味が改善される
ことについては、これまで当業者には知られていない。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、p−メンタン−3,8−ジオールを有効成分とする
呈味改善剤である。
【0011】請求項2記載の本発明は、p−メンタン−
3,8−ジオールを有効成分とする飲料用呈味改善剤で
ある。
【0012】請求項3記載の本発明は、請求項1記載の
呈味改善剤を含む飲料である。
【0013】請求項4記載の本発明は、請求項1記載の
呈味改善剤を含む口腔用組成物である。
【0014】請求項5記載の本発明は、請求項1記載の
呈味改善剤を飲料に添加することを特徴とする飲料の呈
味改善方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】請求項1記載の本発明の呈味改善
剤は、以下の化学式で表されるp−メンタン−3,8−
ジオールを有効成分とするものである。
【0016】
【化1】
【0017】請求項1記載の本発明では、上記化学式で
表されるp−メンタン−3,8−ジオールであれば、シ
ス体、トランス体のいずれも使用可能である。
【0018】このp−メンタン−3,8−ジオールは、
ユーカリから抽出、生成しても得られるが、例えば
(+)−シトロネラールを硫酸中閉環する方法(J. Am.
Chem. Soc., 75, 2367 (1953))により得ることもでき
る(Agric. Biol. Chem. 46 (1)p319 (1982) )
【0019】上記した如き請求項1記載の本発明の呈味
改善剤を、飲食品や口腔用組成物などに添加する際の添
加量は、通常、飲食品や口腔用組成物などに対するp−
メンタン−3,8−ジオールの量が、10ppb〜0.
2重量部とする。また、飲料に限れば、p−メンタン−
3,8−ジオールの添加量は、10ppb〜100pp
m、好ましくは100ppb〜10ppmとする。ここ
で飲食品や口腔用組成物などに対するp−メンタン−
3,8−ジオールの添加量が、10ppbよりも少ない
と、呈味改善効果が認められず、一方、0.2重量部よ
りも多いと、逆に製品のフレーバーバランスを崩しやす
く、また、p−メンタン−3,8−ジオール自体の苦味
を強く感じるようになり、期待する望ましい効果が得ら
れにくくなる。
【0020】請求項1記載の本発明の呈味改善剤は、こ
れを予め飲食品や口腔用組成物などの製造時に添加する
こともできるし、或いは飲食品や口腔用組成物などの製
造後に飲食品や口腔用組成物などに添加することもでき
る。飲食品や口腔用組成物などの製造時に添加する場合
には、他の原材料と一緒に配合し、均一に攪拌すれば良
い。また、請求項1記載の本発明の呈味改善剤は、必要
に応じて、溶液状、粉末状、顆粒状、ペースト状等、各
種形状のものとして使用することもできる。
【0021】請求項1記載の本発明の呈味改善剤は、広
く飲食品や口腔用組成物などを対象とするものである
が、請求項2に記載したように、飲料、その中でも特に
清涼飲料、例えばレモン炭酸飲料、リンゴ炭酸飲料、 ピ
ーチ炭酸飲料、グレープ炭酸飲料、さらにはこれらの無
炭酸飲料などを好適な対象として挙げることができる。
これらの清涼飲料は、基本的には糖,クエン酸,リンゴ
酸,酒石酸,リン酸などで調味し、天然香料或いは合成
香料で果実風に着香したものである。炭酸を含むものと
含まないものとがあり、果汁を含むもの(果汁入り清涼
飲料)と果汁を含まないものとがある。請求項1記載の
本発明の呈味改善剤は、特にフレーバーで香りを向上さ
せた清涼飲料を対象とすると、顕著な呈味改善効果を発
揮する。
【0022】請求項1記載の本発明の呈味改善剤を、フ
レーバーで香りを向上させた清涼飲料に添加すると、フ
レーバー添加による香りはそのままに、呈味を改善し、
ややもすると弱い呈味を増強し、より天然の果物の呈味
に近づけることができる。このような請求項1記載の本
発明の呈味改善剤による効果は、無炭酸飲料よりも、炭
酸飲料に添加する場合に、より顕著であるため、請求項
1記載の本発明の呈味改善剤は、特に炭酸飲料用呈味改
善剤として、より有用である。勿論、請求項1記載の本
発明の呈味改善剤は、フレーバーを含有する飲料に限ら
れず、フレーバー等を含有しない飲料を対象としても、
呈味改善効果を発揮する。
【0023】請求項3記載の本発明は、このような請求
項1記載の呈味改善剤を含む飲料、その中でも特に清涼
飲料に関する。また、請求項3記載の本発明は、上記し
た請求項1記載の本発明の呈味増強剤を含む飲料に関す
る。請求項3記載の本発明において、対象とする飲料、
呈味改善剤の添加量(含有量)などは、上記請求項1記
載の本発明に関する説明中に記載したと同様である。ま
た、飲料の製造は、常法により行えば良い。請求項3記
載の本発明の如く、飲料、特にフレーバーで香りを向上
させた清涼飲料に本発明の呈味改善剤を含有させること
により、呈味を改善し、より天然の果物の香り及び味に
近づけることも可能である。すなわち、請求項3記載の
本発明によれば、各種フレーバによる香りをそのまま
に、呈味性が効果的に改善された飲料が得られる。
【0024】次に、請求項4記載の本発明は、請求項1
記載の呈味改善剤を含む口腔用組成物である。ここで請
求項4記載の口腔用組成物としては、請求項1記載の呈
味改善剤を含むこと以外は、公知の口腔用組成物、例え
ばガム,キャンデーなどを用いれば良い。請求項4記載
の本発明において、呈味改善剤の添加量(含有量)など
は、上記請求項1記載の本発明に関する説明中に記載し
たと同様である。また、口腔用組成物の製造は、常法に
より行えば良い。請求項4記載の本発明によれば、口腔
用組成物では、通常、メントールなどの冷感剤が添加配
合されているが、このメントール等に由来する苦味など
を増幅させることなく、清涼感を持続させる効果があ
る。
【0025】次に、請求項5記載の本発明は、飲料の呈
味改善方法に関し、上記した請求項1記載の本発明の呈
味改善剤を飲料に添加することを特徴とするものであ
る。呈味改善剤の添加の時期及び方法は、何ら制限され
るものではなく、任意の時期に任意の手段で添加するこ
とができる。例えば、飲料の製造時に添加することがで
きるし、飲料の製造後に飲料中に添加することもでき
る。なお、対象とする飲料、呈味改善剤の添加量など
は、上記請求項1記載の本発明に関する説明中に記載し
た通りである。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例に基づい
て、より具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に
限定されるものではない。
【0027】実施例1〔レモン炭酸飲料〕 第1表に示す材料(但し、炭酸水を除く。)を水に添加
配合し、攪拌した。次いで炭酸水を加え、レモン炭酸飲
料(ガス圧=2.4kg/cm2 ;Brix=9.5;
Acid=0.13%:クエン酸換算)を調製した。得
られたレモン炭酸飲料の呈味性を、6名のパネルにより
5段階尺度にて評価した。各評価項目の平均値を、図1
に実線で示す。
【0028】比較例1〔レモン炭酸飲料〕 実施例1において、p-メンタン−3,8−ジオールを添加
しない他は、実施例1と同様にしてレモン炭酸飲料を製
造し、同様に呈味性を評価した。各評価項目の平均値
を、図1に点線で示す。
【0029】
【表1】
【0030】〔第1表の脚注〕 *レモンジュース濃縮液…Brix43.1;Acid
27.8%
【0031】図1によれば、p−メンタン−3,8−ジ
オールを添加した実施例1(実線参照)では、p−メン
タン−3,8−ジオール無添加の比較例1(点線参照)
に比べて、各評価項目においてバランス良く呈味性改善
効果が示されている。逆に言うと、p−メンタン−3,
8−ジオール無添加の比較例1(点線参照)の呈味性評
価は、実施例1よりも全体的に低く、特にディフュージ
ョンの評価が明らかに劣っている。このことから、本発
明の呈味改善剤を添加した清涼飲料は、本発明の呈味改
善剤を添加しないものと比較して、全ての呈味性評価項
目の点で優れており、優れた呈味性改善効果を有してい
ることが分かる。
【0032】実施例2〔リンゴ炭酸飲料〕 第2表に示す材料(但し、炭酸水を除く。)を水に添加
配合し、攪拌した。次いで、炭酸水を加え、リンゴ炭酸
飲料(Brix=11.0;Acid=0.25%:ク
エン酸換算)を調製した。
【0033】得られたリンゴ炭酸飲料について、呈味性
の評価を行った。呈味性の評価は、まず、各評価項目に
ついてパネル2〜6名に5段階評価してもらい、極端に
大きな数値或いは極端に小さな数値を除外した後の数値
を基に、平均値を算出する。同様の評価を、p−メンタ
ン−3,8−ジオールを添加しない他は同じ条件で製造
した飲料(対照)でも行う。この対照の評価との差を算
出し、呈味性の改善度を評価した。対照の評価との差を
第2表に示す。
【0034】実施例3〔ピーチ炭酸飲料〕 第2表に示す材料(但し、炭酸水を除く)を水に添加配
合し、攪拌した。次いで、炭酸水を加え、ピーチ炭酸飲
料(Brix=11.0;Acid=0.25%:クエ
ン酸換算)を調製した。実施例2と同様に評価した結果
を第2表に示す。
【0035】実施例4〔グレープ炭酸飲料〕 下記第2表に示す材料(但し、炭酸水を除く)を水に添
加配合し、攪拌した。次いで、 炭酸水を加え、グレープ
炭酸飲料(Brix=11.0;Acid=0.25
%:クエン酸換算)を調製した。実施例2と同様に評価
した結果を第2表に示す。
【0036】
【表2】
【0037】第2表より、実施例2〜4のいずれにおい
ても、ほとんどの評価項目で呈味性が改善されることが
分かった。とりわけ実施例2においては、ほとんどの評
価項目で0.4以上と優れた評価(呈味性改善効果)を
得ることができている。
【0038】また、実施例4は、他の実施例2、3と比
較して、p−メンタン−3,8ジオールの添加量が半分
であるが、特にそれによる差はなく、同様に優れた呈味
性改善効果が得られている。
【0039】また、各評価項目のうち、スィートネス感
及びフルボディー感では、いずれの実施例においても
0.6以上と、特に優れた呈味性改善効果が得られてい
る。これらのことから、本発明の呈味改善剤を添加した
炭酸飲料は、呈味性が著しく改善されており、特にスィ
ートネス感及びフルボディー感が極めて著しく改善され
ることが明らかである。
【0040】実施例5〔レモン無炭酸飲料〕 第3表に示す材料(但し、水を除く)を配合し、攪拌し
た。次いで、水を加え、レモン無炭酸飲料(Brix=
9.0;Acid=0.42%:クエン酸換算)を調製
した。得られた飲料について、実施例2と同様にして呈
味性の改善度の評価を行った。結果を第3表に示す。
【0041】実施例6〔グレープ無炭酸飲料〕 第3表に示す材料(但し、水を除く)を配合し、攪拌し
た。次いで、水を加え、グレープ無炭酸飲料(Brix
=9.0;Acid=0.42%:クエン酸換算)を調
製した。得られた飲料について、実施例2と同様にして
呈味性の改善度の評価を行った。結果を第3表に示す。
【0042】
【表3】
【0043】〔第3表の脚注〕 *レモンジュース濃縮液…Brix43.1;Acid
27.8%
【0044】第3表の結果より、実施例5、6の飲料
が、ほぼ全ての評価項目において、呈味性が改善されて
いることが分かる。このことから、前述した炭酸飲料の
結果と同様に、無炭酸の清涼飲料においても、本発明の
呈味改善剤が呈味性改善効果を有することが明らかであ
る。
【0045】実施例7 メントール0.99重量%と、10%:p−メンタン−
3,8−ジオールプロピレングリコール溶液0.1重量
%とを、ガム基剤に添加配合し(メントールが0.99
重量%となり、p−メンタン−3,8−ジオールが0.
01重量%となる)、常法によりガムを作製した。該ガ
ムの清涼感の強度の経時的変化を、専門パネラー6名に
より官能的に5段階尺度により評価した。その結果(評
価結果の平均値)を図2に示す。なお、評価方法は、次
の通りである。該ガムを口内に入れ、5分間噛み続け、
清涼感の強度を評価した。次いで、該ガムを吐き出し、
口中に残る清涼感を10分間にわたり評価した。
【0046】比較例2 メントール1.0重量%と、プロピレングリコール0.
1重量%とを、ガム基剤に添加配合し、常法によりガム
を作製した。該ガムの清涼感の強度の経時的変化を、実
施例7と同様な方法により評価した。その結果(評価結
果の平均値)を図2に示す。
【0047】実施例8 メントールを50%、p−メンタン−3,8−ジオール
を0.5%含むプロピレングリコール溶液0.2重量%
を、キャンデー基剤に添加配合し(メントールが0.1
重量%となり、p−メンタン−3,8−ジオールが0.
001重量%となる)、常法によりキャンデーを作製し
た。該キャンデーの清涼感の強度の経時的変化を、実施
例7と同様な方法により評価した。その結果(評価結果
の平均値)を図3に示す。
【0048】比較例3 50%:メントールプロピレングリコール溶液0.2重
量%をキャンデー基剤に添加配合し、常法によりキャン
デーを作製した。該キャンデーの清涼感の強度の経時的
変化を、実施例7と同様な方法により評価した。その結
果(評価結果の平均値)を図3に示す。
【0049】実施例9 メントールを47.5%、p−メンタン−3,8−ジオ
ールを2.50%含むプロピレングリコール溶液1.0
重量%を、歯磨ペースト基剤に添加配合し(メントール
が0.475重量%となり、p−メンタン−3,8−ジ
オールが0.025重量%となる)、常法により練歯磨
を作製した。該練歯磨の清涼感の強度の経時的変化を、
実施例7と同様な方法により評価した。その結果(評価
結果の平均値)を図4に示す。
【0050】比較例4 50%:メントールプロピレングリコール溶液0.2重
量%を歯磨ペースト基剤に添加配合し、常法により練歯
磨を作製した。該練歯磨の清涼感の強度の経時的変化
を、実施例7と同様な方法により評価した。その結果
(評価結果の平均値)を図4に示す。
【0051】
【発明の効果】請求項1記載の本発明の飲料用呈味改善
剤は、p−メンタン−3,8−ジオールを有効成分とす
るために、飲料の呈味を著しく改善する。特に、フレー
バーで香りを向上させた清涼飲料のフレーバーを保持し
つつ、呈味を著しく改善することができる。このよう
な、p−メンタン−3,8−ジオールの示す呈味改善効
果は、本発明により初めて知られたものである。なお、
請求項1記載の本発明の呈味改善剤は、飲食品や口腔用
組成物などの風味を保持しつつ、呈味を改善しようとす
るものである。さらに、飲食品や口腔用組成物などに清
涼剤が配合されている場合には、請求項1記載の本発明
の呈味改善剤の存在により、清涼感が持続されるという
効果もある。
【0052】また、請求項3記載の本発明により得られ
る飲料、特に、フレーバーで香りを向上させた清涼飲料
は、請求項1記載の本発明の呈味改善剤を含んでいるた
め、呈味性が著しく改善されたものである。
【0053】次に、請求項3記載の本発明により得られ
る口腔用組成物によれば、呈味性が改善されるばかり
か、メントールなどの冷感剤に由来する苦味などを増幅
させることなく、清涼感を持続させることができる。
【0054】また、請求項5記載の本発明の方法によれ
ば、請求項1記載の本発明の呈味改善剤を使用している
ため、飲料、特に、フレーバーで香りを向上させた清涼
飲料の呈味を効果的に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1及び比較例1で得られたレモン炭酸
飲料の呈味性評価を示すグラフである。
【図2】 実施例7及び比較例2で得られたガムの呈味
性評価の経時的変化を示すグラフである。
【図3】 実施例8及び比較例3で得られたキャンデー
の呈味性評価の経時的変化を示すグラフである。
【図4】 実施例9及び比較例4で得られた練歯磨の呈
味性評価の経時的変化を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A23G 3/00 101 A23G 3/30 3/30 A23L 2/00 B Fターム(参考) 4B014 GB06 GB07 GB13 GK12 GL03 4B017 LC02 LK07 LL09 4B047 LB08 LE05 LF07 LF09 LF10 LG06 4C083 AC122 AC472 AD532 BB55 CC41 DD22 EE31 4H059 BA13 BB13 BB45 DA09 EA32

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p−メンタン−3,8−ジオールを有効
    成分とする呈味改善剤。
  2. 【請求項2】 p−メンタン−3,8−ジオールを有効
    成分とする飲料用呈味改善剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の呈味改善剤を含む飲料。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の呈味改善剤を含む口腔用
    組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の呈味改善剤を飲料に添加
    することを特徴とする飲料の呈味改善方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013031932A1 (ja) * 2011-08-31 2013-03-07 高砂香料工業株式会社 p-メンタン-3,8-ジオール異性体混合物及びこれを含む冷感組成物、並びに、この冷感組成物を含む製品
JP2016212625A (ja) * 2015-05-08 2016-12-15 行徳 稲田 人物評価プログラム、記録媒体および人物評価サーバ
JP7321658B2 (ja) 2021-02-10 2023-08-07 長谷川香料株式会社 香味付与組成物

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