JP2000154014A - 結晶性ミクロ多孔体の中間体の製造方法 - Google Patents

結晶性ミクロ多孔体の中間体の製造方法

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JP2000154014A
JP2000154014A JP10327894A JP32789498A JP2000154014A JP 2000154014 A JP2000154014 A JP 2000154014A JP 10327894 A JP10327894 A JP 10327894A JP 32789498 A JP32789498 A JP 32789498A JP 2000154014 A JP2000154014 A JP 2000154014A
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kanemite
crystalline microporous
crystallization
microporous body
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Masao Yokota
正夫 横田
Takuhisa Yamamoto
琢久 山本
Shinichi Shimizu
愼一 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 層状シリカ構造の層間に架橋が形成されにく
く、成形性の良い結晶性ミクロ多孔体の中間体の製造方
法を提供すること。 【解決手段】 アンモニウムイオン(R4+:Rは水
素、炭素数10以下のアルキル基あるいはアリール基か
ら選ばれる少なくとも一種)、ホスホニウムイオン(R
4+:Rは水素、炭素数10以下のアルキル基あるいは
アリール基から選ばれる少なくとも一種)、アミン類か
ら選ばれる少なくとも一種の結晶化調整剤と、カネマイ
ト微粒子を含んでなるアルカリ性無機材料混合液とを混
合しイオン交換させる混合工程、及び、その混合工程で
得られた反応液をpH9.0以上12.5以下の範囲に
調整するpH調整工程を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸着剤、触媒およ
び分離用の材料、すなわち、フロン系の冷媒、高電圧用
電力機器の絶縁媒体である弗化硫黄ガスおよび車輌用エ
アーブレーキの空気等の乾燥剤、排水中の窒素化合物お
よび放射性排水中の放射性物質等の吸着除去剤、さらに
種々の金属を担持させ種々の用途に対応する触媒とし
て、主に石油化学工業の分野等に利用される結晶性ミク
ロ多孔体の中間体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】結晶性ミクロ多孔体としては、天然物と
して、モルデナイト、フェリエライトなどの如く多数存
在し、また人造の結晶性ミクロ多孔体としても、ゼオラ
イト−A、ゼオライト−X、ZSM−5(特公昭46−
10064号公報参照)およびZSM−11(特公昭5
3−23280号公報参照)等いろいろな種類のものが
知られている。上述のような人造の結晶性ミクロ多孔体
を製造する場合には、二酸化ケイ素成分、及び、酸化ア
ルミニウム成分、及び、有機アンモニウム塩を含んでな
るアルカリ性の混合液を形成する混合工程を行ったの
ち、高圧加熱により前記無機材料混合液中に結晶性ミク
ロ多孔体を結晶化させる結晶化工程を行う、いわゆる水
熱合成法によって製造されていた。
【0003】しかしながら、上述した水熱合成法は、高
圧加熱容器が高価であり、また、前記無機材料混合液は
アルカリ金属酸化物もしくはアルカリ土類金属酸化物成
分を酸化物、水酸化物として含んでいるため強アルカリ
性となっており、アルカリによる腐食防止のために前記
高圧加熱容器をステンレス鋼製のものやフッ素樹脂塗装
などの処理をしたものを用いねばならなかった。また、
結晶化工程において通常70℃から200℃場合によっ
てはそれ以上の高温条件で、数日場合によっては10日
以上の長時間に及んで混合液を加熱する必要があったた
め、激しい反応条件が必要であった。また、前記水熱合
成法によって得られた結晶性ミクロ多孔体は微粒子状で
あり、場合によっては成型する必要性があるものの、一
般に前記微粒子状の結晶性ミクロ多孔体自体には粘結力
がないために、きわめて高温で焼結したり、バインダを
介在させて成型したりしなければならず、そのために高
温での焼結により結晶の表面層が融解して多孔質構造が
塞がれたり、成型物中に結晶性ミクロ多孔体が占める割
合が少なくなったりして、成型物は単位重量当たりの前
記多孔質構造の割合が少なくなり、前記多孔質構造に由
来する吸着活性、触媒活性等の物性は、低いものになり
がちであった。
【0004】そこで、上記問題を解決するために、結晶
化調整剤と、カネマイト微粒子を含んでなるアルカリ性
の無機材料混合液を作成し、前記無機材料混合液中に析
出した微粒子状の結晶性ミクロ多孔体の中間体を無機材
料混合液から分離し、固液分離された固体成分を加熱し
て結晶化させる結晶性ミクロ多孔体の製造方法が提案さ
れている(特開平8−319112)。このようにして
得られる結晶性ミクロ多孔体は、省エネルギーで合成さ
れ、しかも、中間体として得られる微粒子が粘結性を有
するものであり、結晶性ミクロ多孔体の成型品を得るに
当たって有効な物性を有している。尚、前記中間体は、
結晶化調整剤とカネマイトとの混合工程の後にpHを約
8程度以下に低下させるpH調整工程を行うことにより
得られていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のpH調
整工程を行った場合に、前記中間体の成形性が低下する
ことがあった。前記中間体の形成は、カネマイトが層状
構造即ち層状シリカ構造を形成し、その層状構造を維持
した状態で層間のナトリウムイオンが結晶化調整剤カチ
オンと交換し、前記中間体を形成するという反応機構に
よるものと考えられる。しかし、前記反応条件下におい
てカネマイトの層状構造が、層間で互いに架橋して歪
み、不規則な三次元構造となることで、前記中間体を形
成しにくくなるとともに、先の成型性の低下につながっ
ているものと考えられている。
【0006】そこで、本発明の目的は成形性の良い結晶
性ミクロ多孔体の中間体を得ること、即ち、層状シリカ
構造の層間に架橋が形成されにくい結晶性ミクロ多孔体
の中間体の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記中間
体の形成に際して、pHの調整度が関与しているものと
考え鋭意研究したところ、その際の反応条件としてpH
9.0以上12.5以下の範囲に調整することで、粘結
性が高く、成型性に優れた中間体が得られることを実験
的に知見し、この知見に基づいて本発明を完成させた。
前記目的を達成するための本発明結晶性ミクロ多孔体の
中間体の製造方法の特徴構成は、アンモニウムイオン
(R4+:Rは水素、炭素数10以下のアルキル基ある
いはアリール基から選ばれる少なくとも一種)、ホスホ
ニウムイオン(R 4+:Rは水素、炭素数10以下のア
ルキル基あるいはアリール基から選ばれる少なくとも一
種)、アミン類から選ばれる少なくとも一種の結晶化調
整剤と、カネマイトを含んでなるアルカリ性無機材料混
合液とを混合する混合工程、及びその混合工程で得られ
た反応液をpH9.0以上12.5以下の範囲に調整す
るpH調整工程を有することにある。前記結晶化調整剤
が、テトラn−ブチルアンモニウムイオン((n−C
49)4 +)、テトラn−プロピルアンモニウムイオン
((n−C37)4+)、テトラエチルアンモニウムイオ
ン((C25)4+)、テトラメチルアンモニウムイオン
((CH3)4+)、n−プロピルトリメチルアンモニウム
イオン((n−C37)(CH3) 3+)、ベンジルトリメチ
ルアンモニウムイオン((C77)(CH3)3+)、テトラ
n−ブチルホスホニウムイオン((n−C49)4+)、
ベンジルトリフェニルホスホニウムイオン((C77)(C
65)3+)、1,4−ジメチル−1,4−ジアゾビシ
クロ(2,2,2)オクタン、ピロリジン、n−プロピ
ルアミン(n−C37NH2)、メチルキヌクリジン、
から選ばれる少なくとも一種のカチオン性の結晶化調整
剤であっても良い。
【0008】[作用]カネマイトと、アンモニウムイオ
ン、ホスホニウムイオン、アミン類から選ばれる少なく
とも一種の結晶化調整剤とをアルカリ性条件下で共存さ
せると、カネマイト層間のナトリウムイオンが結晶化調
整剤カチオンと交換する。この際前記無機材料同士が互
いに結合を形成し易い位置に配置された複合体の微粒子
である結晶性ミクロ多孔体の中間体が形成される。前記
中間体を固液体分離工程により固体成分として単離し、
単離された前記中間体を加熱処理によって相変化させ結
晶化させることで多孔質の結晶体が得られるのである。
【0009】ここで、結晶性ミクロ多孔体の中間体がと
りうる層状構造は面外方向に延出する多数の水酸基を有
する。この水酸基が前記層状シリカ構造の層間で、互い
に対向するもの同士脱水縮合により架橋を形成するもの
と考えられる。しかし前記反応条件を、pH9.0より
小さい範囲に調整しておくと、前記層状構造に形成され
る架橋が生成しやすく、また、pH13程度の高アルカ
リ性条件下では、層状シリカ構造の溶解による前記中間
体の収率低下及び非晶性シリカ部の増大による前記中間
体のアモルファス富化が促進されるものと予想され、か
かる収率の低下及び前記中間体構造の三次元化・アモル
ファス富化を妨げるにはpH9.0以上12.5以下の
範囲で結晶化調整剤とカネマイトとの反応液を調整すれ
ば好適であることを実験的に証明した。
【0010】従って、前記中間体の層状シリカ構造は、
SiO4四面体が2次元的に結合することにより形成さ
れるシート層であり、層状シリカ構造のシート層にはケ
イ素原子からの水酸基、即ちシラノール(Si−OH)
が存在するが、前記アルカリ性無機材料混合液をpH
9.5以上12.5以下の範囲で形成することで、層状
シリカ構造のシラノール(Si−OH)同士の脱水縮合
によるシロキサン結合(Si−O−Si)の形成を避け
ることができ、結果として予備成形を行うにあたり成形
性の良い前記中間体が得られるのである。層状構造を維
持した前記中間体の構造を図1(イ)に、層間架橋が一
部に存在する前記中間体の構造を図1(ロ)に示す。
尚、カネマイトの化学式はNaHSi25・3H2Oで
あり、結晶化調整剤カチオンは、一例としてテトラプロ
ピルアンモニウムイオン即ちTPA+で示してある。
【0011】また、前記結晶化調整剤としては、アンモ
ニウムイオン(R4+:Rは水素、炭素数10以下のア
ルキル基あるいはアリール基から選ばれる少なくとも一
種)、ホスホニウムイオン(R4+:Rは水素、炭素数
10以下のアルキル基あるいはアリール基から選ばれる
少なくとも一種)、アミン類から選ばれる少なくとも一
種のものであれば良く、特に、テトラn−ブチルアンモ
ニウムイオン((n−C 49)4+)、テトラn−プロピ
ルアンモニウムイオン((n−C37)4+)、テトラエ
チルアンモニウムイオン((C25)4+)、テトラメチ
ルアンモニウムイオン((CH3)4+)、n−プロピルト
リメチルアンモニウムイオン((n−C37)(CH3)
3+)、ベンジルトリメチルアンモニウムイオン((C7
7)(CH3)3+)、テトラn−ブチルホスホニウムイ
オン((n−C49)4+)、ベンジルトリフェニルホス
ホニウムイオン((C77)(C65)3+)、1,4−ジ
メチル−1,4−ジアゾビシクロ(2,2,2)オクタ
ン、ピロリジン、n−プロピルアミン(n−C37NH
2)、メチルキヌクリジン、から選ばれる少なくとも一
種を含むものであれば好ましく、種々のアンモニウム
塩、ホスホニウム塩、アミン類を用いることが出来ると
考えられる。尚、テトラプロピルアンモニウム塩を用い
ると、最終生成物はMFI構造の結晶性ミクロ多孔体が
得られ、またテトラブチルアンモニウム塩を用いれば、
MEL構造の結晶性ミクロ多孔体が得られるので、合成
すべき構造によって前記有機アンモニウム塩を選択すれ
ば、種々の孔径の結晶性ミクロ多孔体の中間体を得られ
る。
【0012】
【発明の効果】その結果、層状構造の層間に架橋が少な
い結晶性ミクロ多孔体の中間体、即ち成形性の良い結晶
性ミクロ多孔体の中間体を得ることができた。即ち、本
願製造方法で得られた結晶性ミクロ多孔体の中間体は成
形性が良いため、複雑形状の成形物であっても容易に得
ることができるようになり、また、前記中間体にバイン
ダを加えて予備成形する場合においても、従来よりもバ
インダ添加量を減少させることができるため、単位重量
あたりの多孔質構造の割合を大きく取れ、従来は成形物
としての性能が低いという原因で用いられなかった種々
の分野においても利用することが可能になった。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を示す
が、本発明はこれらによって限定されるものではない。
尚、 尚、原材料組としては以下の組成のもの(%表示
のものはすべて重量%)を用いた。 ○3号水ガラス:分析値 SiO2:29.17%,Na
2O: 9.82%(日本化学工業社製) ○臭化テトラプロピルアンモニウム((n−C37)4NB
r):(東京化成工業(株)社製) ○塩化アルミニウム(AlCl3・6H2O):(キシダ
化学(株)社製)
【0014】500mLのビーカーに3号水ガラスを用
意し、これに、水酸化ナトリウムを溶解させた後、アル
ミナ製の蒸発皿に移し、150℃の恒温槽にいれその水
分を蒸発させた。水分を蒸発させた生成物を蒸発皿ごと
電気炉の中に入れ700℃で約5時間焼成し、室温まで
放冷させて反応生成物を得た。この生成物はジケイ酸ナ
トリウムである。原料のジケイ酸ナトリウム粉末を脱イ
オン水に投入すると、カネマイト微粒子が生成するが、
これが結晶化調整剤との混合工程で一部が溶解し、ケイ
酸イオンとナトリウムイオンが溶出して、ケイ酸ナトリ
ウム水溶液にカネマイト微粒子が分散した状態になる。
これを濾過することでカネマイト微粒子は残るが、ケイ
酸ナトリウムは濾液と共に流出する。残ったケイ酸ナト
リウム水溶液−カネマイト分散液を乾燥すると、ケイ酸
ナトリウムはアモルファスとして析出し、カネマイトと
アモルファスの混合物となる。前記中間体とは、カネマ
イトとアモルファスに結晶化調整剤が化学反応により結
合したものである。この前記中間体を高温条件にさらす
と結晶性ミクロ多孔体が得られる。
【0015】前記中間体におけるカネマイト層状構造の
層間で互いに架橋が形成され不規則な三次元構造となる
場合は、前記中間体の結晶化度も減少すると考えられ
る。即ち、前記中間体の結晶化度を用いて、前期中間体
におけるカネマイト層状構造の層間架橋の形成の度合い
を評価することができると考えられる。前記中間体の結
晶化度と、カネマイトを含んでなる無機材料混合液に結
晶化調整剤を加えイオン交換を行った混合液のpHの関
係を図2に示す。ここでは、結晶化調整剤として臭化テ
トラプロピルアンモニウム(TPABr)を用い、カネ
マイト微粒子を含んでなるアルカリ性無機材料混合液に
TPABrを加え、25℃で3時間攪拌混合を行った
後、塩酸を加えることでpHを調節した。尚、前記中間
体の結晶化度は多重ピーク分離法により算出した。図2
から、pH9.0以上12.5以下の範囲で結晶化調整
剤とカネマイトとの反応液を調整すれば、前記中間体の
結晶化度を上昇させることができること、即ち、前記中
間体におけるカネマイト層状構造の層間架橋形成の妨げ
を促進できることが理解できる。
【0016】結晶化調整剤とカネマイトとの反応液のp
Hを高アルカリ性条件下にした場合、層状シリカ構造の
溶解による前記中間体の収率低下及び非晶性シリカ部の
増大による前記中間体のアモルファス富化が促進される
ものと予想され、その結果前記中間体の結晶化度が減少
する。前記中間体の結晶化度と、カネマイトを含んでな
る無機材料混合液に結晶化調整剤を加えイオン交換を行
った混合液のpHの関係を図3に示す。ここでは、結晶
化調整剤として臭化テトラプロピルアンモニウム(TP
ABr)を用い、カネマイト微粒子を含んでなるアルカ
リ性無機材料混合液にTPABrを加え、3時間攪拌混
合を行った後、塩酸を加えることでpHを調節した。攪
拌温度は25℃と70℃である。尚、前記中間体の結晶
化度は多重ピーク分離法により算出した。図3から、p
Hが12.5よりも大きい範囲で結晶化調整剤とカネマ
イトとの反応液を調整した場合、前記中間体の結晶化度
が減少すること、即ち、前記中間体におけるカネマイト
層状構造が溶解する傾向があることが理解できる。
【0017】〔実施形態1〕3Lの脱イオン水にジケイ
酸ナトリウム粉末を150g分散させ、生成したカネマ
イトが沈殿してから上澄み液を除去し0.6Lとし、再
び脱イオン水を加えて1.5Lとし、これに結晶化調整
剤として臭化テトラプロピルアンモニウム(TPAB
r)40.0gを加えて攪拌した。この溶液のpHは約
11.8だった。これを70℃に加温し3時間攪拌し
た。その後室温まで放冷した後、2mol/Lの塩酸を
加えてpH10.5に低下させた(pH調整工程)。こう
してできたスラリーを脱イオン水で洗浄しつつ減圧濾過
し、自然乾燥させて結晶性ミクロ多孔体の中間体として
の白色粉末を得た。この粉末を粉末X線回折スペクトル
測定により調べると、カネマイト結晶構造に起因するピ
ークが強く残存し、アモルファス成分の少ない回折パタ
ーンが得られた。この粉末を、成形体外寸が直径19m
mの円筒型になるような一軸圧縮成形用金型に充填し、
理研製油圧ハンドプレスにて5トンの加重圧を加えたと
ころ、直径19mm、厚さ2.5mmの錠剤型を有した
成形体を得た。この一連の操作を10回行ったところ、
10回とも同様の錠剤型成形体を得た。この錠剤型成形
体をテフロン製の密閉容器中で150℃に24時間加熱
した。生成物はシリカライト−Iからなる結晶性ミクロ
多孔体であった。
【0018】〔実施形態2〕90Lの脱イオン水にジケ
イ酸ナトリウム粉末を4.0Kg分散させ、生成したカネ
マイトが沈殿してから上澄み液を除去し20Lとし、再
び脱イオン水を加えて40Lとし、これにTPABr1
200gを加えたところ、この溶液のpHは約11.8
だった。これを70℃に加温し3時間攪拌した。その後
室温まで放冷した後、2mol/Lの塩酸を加えてpH
10.5に低下させた。こうしてできたスラリーを脱イ
オン水で洗浄しつつ濾過脱水した後、噴霧乾燥させて前
記中間体としての白色粉末を得た。濾過脱水は、ロータ
リーフィルターを用いてフィルター上の固体成分の厚み
を2mm以下に保ちながら行うことで一度に大容量の処
理が可能である。また、噴霧乾燥は、乾燥チャンバ雰囲
気中で気体を循環させて噴霧乾燥を行うスプレードライ
ヤーを用いて、前記微粒子の乾燥チャンバへの入口温度
を100℃以上150℃以下にして乾燥させることで、
前記中間体中のカネマイトの変性を妨げることが可能で
ある。この粉末を粉末X線回折スペクトル測定により調
べると、図4に示すようにカネマイト結晶構造に起因す
るピークが強く残存し、アモルファス成分の少ない回折
パターンが得られた。得られた粉末を用いて、一辺20
mm、セル数37個/cm2の正六角形ハニカム金型に
よる押出成形で、ハニカム形状の成形物の作成を行っ
た。成形性が非常に良く、良好なハニカム体が得られ
た。
【0019】〔実施形態3〕実施形態1と同様の工程
で、TPABrに加え、塩化アルミニウムAlCl3
6H2Oを5.6gを投入した。得られた粉末を、成形
体外寸が直径19mmの円筒型になるような一軸圧縮成
形用金型に充填し、理研製油圧ハンドプレスにて5トン
の加重圧を加えたところ、直径19mm、厚さ2.5m
mの錠剤型を有した成形体を得た。この一連の操作を1
0回行ったところ、10回とも同様の錠剤型成形体を得
た。この錠剤型成形体をテフロン製の密閉容器中で15
0℃に24時間加熱した。生成物はZSM−5からなる
結晶性ミクロ多孔体であった。このように、アンモニウ
ムイオン、ホスホニウムイオン、アミン類から選ばれる
少なくとも一種の結晶化調整剤とカネマイト微粒子を、
pH9.5以上12.5以下の範囲で、アルミニウムイ
オンの存在下で混合することも可能である。即ち、前記
結晶性ミクロ多孔体の中間体を塩化アルミニウム蒸気に
さらしたり、結晶化調整剤と二酸化ケイ素成分の複合体
を作るときに、アルミニウムイオンを導入することによ
って層状構造内部にアルミニウム元素を導入することが
できる。かかる前記中間体からの成形物は、エチルベン
ゼンの製造やパラキシレンの製造等の触媒として利用可
能なものにできる。
【0020】〔比較例1〕実施形態1のpH調整工程に
おいて、pHを8.0に下げた。得られた粉末を粉末X
線回折スペクトル測定により調べると、カネマイト結晶
構造に起因するピークがほとんど見られず、アモルファ
スの回折パターンが得られ、層間架橋による三次元化が
進んでいることがわかった。この粉末を、実施形態1と
同様の方法で圧縮成形したところ、金型から離型させる
際に鱗片状に割れてしまい、良好な錠剤型成形体を得る
ことができなかった。更に、この一連の操作を10回行
ったところ、直径19MMの錠剤型成形体が2回しか得
られず、残り8回は良好な錠剤型成形体を得ることがで
きなかった。
【0021】〔比較例2〕実施形態2のpH調整工程に
おいて、pHを8.0に下げた。得られた粉末をX線回
折スペクトル測定により調べると、図5に示すように、
カネマイト結晶構造に起因するピークがほとんど見られ
ず、アモルファスの回折パターンが得られ、層間架橋に
よる三次元化が進んでいることがわかった。またこの粉
末を用いて、押出成形により実施形態2と同様の方法で
ハニカム形状の成形物の作成を行ったが、成形性が非常
に悪く、良好なハニカム体は得られなかった。
【0022】〔比較例3〕実施形態2のpH調整工程に
おいて、pHをP8.5に下げた。得られた粉末を用
い、実施形態2と同様の方法で押出成形によりハニカム
形状の成形物の作成を行ったが、比較例2と同じ回折パ
ターンで、成形性が非常に悪く、良好なハニカム体は得
られなかった。
【0023】〔比較例4〕実施形態2のpH調整工程に
おいて、pHをP9.0に下げた。得られた粉末を用い
て、実施形態2と同様の方法で押出成形によりハニカム
形状の成形物の作成を行ったが、比較例3に較べてカネ
マイト構造が少し強く、成形性も少し良かったものの、
良好なハニカム体は得られなかった。
【0024】〔比較例5〕90Lの脱イオン水にジケイ
酸ナトリウム粉末を6.0Kg分散させ、生成したカネ
マイトが沈殿してから上澄み液を除去し40Lとし、脱
イオン水による希釈は行わずにTPABr1200gを
加えた。この溶液のpHは約13.0だった。これを7
0℃に加温し3時間攪拌した。その後室温まで放冷し、
塩酸によるpH調整は行わなかった。こうしてできたス
ラリーを、脱イオン水で洗浄しつつ濾過脱水した後、噴
霧乾燥させて前記中間体としての白色粉末を得た。この
白色粉末を粉末X線回折スペクトルの測定により調べる
と、結晶性のないアモルファスシリカであることがわか
った。
【0025】[別実施形態]前記実施の形態では、結晶化
調整剤と、カネマイトを含んでなるアルカリ性無機材料
混合液を、70℃に加温し攪拌したが、60℃以下の液
体条件下で混合攪拌しても良い。かかる実施の形態を採
用すれば、前記中間体の収率を向上させることが可能で
あり、特に、室温以下即ち30℃以下の液体条件下で混
合させた場合、前記中間体の収率が飛躍的に上昇させる
ことが可能である。
【0026】また、上述の実施の形態では、水ガラスを
焼成させることでジケイ酸ナトリウム粉末を得たが、二
酸化ケイ素成分として市販の層状ケイ酸ナトリウム粉末
(クラリアント・ジャパン社のSKS−6等)を用いる
ことも可能である。かかる場合は、高コストな電気炉を
用いた焼成工程を経由しないので、結晶性ミクロ多孔体
の中間体を低コストで製造可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】結晶性ミクロ多孔体の中間体の構造を表す図
【図2】結晶性ミクロ多孔体の中間体の結晶化度と、カ
ネマイトを含んでなる無機材料混合液に結晶化調整剤を
加えイオン交換を行った混合液のpHの関係を表す図
【図3】結晶性ミクロ多孔体の中間体の結晶化度と、カ
ネマイトを含んでなる無機材料混合液に結晶化調整剤を
加えイオン交換を行った混合液のpHの関係を表す図
【図4】実施形態2によって得られた結晶性ミクロ多孔
体の中間体のX線回折スペクトルを表す図
【図5】比較例2によって得られた結晶性ミクロ多孔体
の中間体のX線回折スペクトルを表す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 愼一 茨城県竜ケ崎市向陽台5丁目6番 株式会 社クボタ基盤技術研究所内 Fターム(参考) 4G072 AA29 BB15 HH21 JJ28 KK05 KK15 KK17 MM31 MM35 MM36 RR07 RR12 UU11 UU12 UU15

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンモニウムイオン(R4+:Rは水
    素、炭素数10以下のアルキル基あるいはアリール基か
    ら選ばれる少なくとも一種)、ホスホニウムイオン(R
    4+:Rは水素、炭素数10以下のアルキル基あるいは
    アリール基から選ばれる少なくとも一種)、アミン類か
    ら選ばれる少なくとも一種の結晶化調整剤と、カネマイ
    ト微粒子を含んでなるアルカリ性無機材料混合液とを混
    合しイオン交換させる混合工程、及び、その混合工程で
    得られた反応液をpH9.0以上12.5以下の範囲に
    調整するpH調整工程を有する結晶性ミクロ多孔体の中
    間体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記結晶化調整剤が、テトラn−ブチル
    アンモニウムイオン((n−C49)4+)、テトラn−
    プロピルアンモニウムイオン((n−C37)4+)、テ
    トラエチルアンモニウムイオン((C25)4+)、テト
    ラメチルアンモニウムイオン((CH3)4+)、n−プロ
    ピルトリメチルアンモニウムイオン((n−C37)(CH
    3)3+)、ベンジルトリメチルアンモニウムイオン((C
    77)(CH3)3+)、テトラn−ブチルホスホニウムイ
    オン((n−C49)4+)、ベンジルトリフェニルホス
    ホニウムイオン((C77)(C65)3+)、1,4−ジ
    メチル−1,4−ジアゾビシクロ(2,2,2)オクタ
    ン、ピロリジン、n−プロピルアミン(n−C37NH
    2)、メチルキヌクリジン、から選ばれる少なくとも一
    種のカチオン性の結晶化調整剤である請求項1記載の結
    晶性ミクロ多孔体の中間体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001019731A1 (fr) * 1999-09-09 2001-03-22 Kubota Corporation Nouveau compose, materiau microporeux et leurs procedes d'obtention

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