JP2000153611A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2000153611A
JP2000153611A JP33061898A JP33061898A JP2000153611A JP 2000153611 A JP2000153611 A JP 2000153611A JP 33061898 A JP33061898 A JP 33061898A JP 33061898 A JP33061898 A JP 33061898A JP 2000153611 A JP2000153611 A JP 2000153611A
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JP
Japan
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diaphragm
ink
counter electrode
recording apparatus
jet recording
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JP33061898A
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English (en)
Inventor
Kenichiro Hashimoto
憲一郎 橋本
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14314Structure of ink jet print heads with electrostatically actuated membrane

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 残留振動を速やかに低減することができ、高
周波の駆動が可能になる。 【解決手段】 電圧V1を対向電極と振動板との間に印
加して振動板は対向電極側に変位させた状態を保ち、電
圧V1を時点T1において時点T2までの短い立ち下がり
時間でゼロにして振動板を弾性復帰力によって復帰させ
てインク滴を吐出させ、インク滴吐出後再度電圧をV1
にして振動板を対向電極24側に変位させた状態を保
つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録装置
に関し、特に静電型インクジェットヘッドを用いたイン
クジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の
画像記録装置として用いるインクジェット記録装置に搭
載されるインクジェットヘッドとしては、インク滴を吐
出するノズル孔と、このノズル孔が連通する吐出室(圧
力室、加圧液室、液室、インク流路等とも称される。)
と、この吐出室内のインクを加圧する圧力を発生する圧
力発生手段とを備えて、圧力発生手段を駆動することで
吐出室内インクを加圧してノズル孔からインク滴を吐出
させるものであり、記録の必要なときにのみインク滴を
吐出するインク・オン・デマンド方式のものが主流であ
る。
【0003】従来、このようなインクジェット記録装置
に搭載するインクジェットヘッドとして、特開平6−7
1882号公報に記載されているように、3枚の基板を
積層して、その中間の基板に複数のノズルおよび各ノズ
ルに連通する独立した吐出室を区画形成するととも
に、、吐出室の底壁を面外方向に振動可能な振動板とし
て形成し、この振動板の裏面及び振動板の裏面が対持し
ている下側の基板によって規定される対向壁の表面にそ
れぞれ配置した対向電極とを有し、これらの振動板と対
向電極との間に電圧を印加することによって発生する静
電気力を利用して振動を変位させ、この振動板を変位さ
せることで吐出室の容積が増減し、これによって内部に
発生するインク圧力により、インク滴がノズルから吐出
されるようにしたものが知られている。
【0004】インクジェット記録装置においては、出力
画像の高品質化と出力速度の高速化が求められており、
より微細なインク滴をより高い周波数で安定して吐出さ
せることができるインクジェットヘッドが必要になって
いる。このため、メインのインク滴を高速吐出して、そ
の後の不要なインク滴の発生を抑制し、繰り返してイン
ク滴を吐出する周波数を高くするという、インクジェッ
トヘツドのインク滴の吐出特性を適切に設定できること
が重要である。
【0005】そのため、インクジェツトヘツドの吐出室
の底部に形成した振動板の振動による吐出室の内圧の振
動を適切に制御することが重要である。ここで、インク
ジェットヘッドにおいては、基本的には、一回のインク
滴の吐出動作後の吐出室内の圧力振動が、インクの粘性
による自然な減衰によって行われる。ところが、この残
留振動の減衰率が小さいと、インク滴吐出後にも大きな
残留振動が残ってメニスカスの挙動に影響を与え、これ
に起因して次のインク滴吐出時におけるメニスカスの位
置がばらつき、結果としてインク滴の飛翻方向が変動し
たり、サテライトが発生したりして印字品質の低下を招
くことになる。
【0006】したがって、良好なインク滴を吐出するた
めには、駆動電圧を印加することによって発生する残留
振動が充分に減衰するのを待って、後続のインク滴吐出
動作に入る必要がある。その結果、高い周波数で繰り返
すことが困難となる。
【0007】そこで、特開平9−39228号公報に開
示されているインクジェット記録装置における駆動方法
においては、図13に示すように、対向電極間の電圧が
時点tlにピーク電圧V0まで上昇するように、充電を行
ない、その後、時点t2までピーク電圧V0を保持し、さ
らに、時点t2から放電を行なってインク滴を吐出する
(吐出用充放電:S1)。
【0008】そして、放電が完全に終了した時点t3か
ら一定の期間をおいて、補助充放電S2(時点t3から時
点t7までの区間)を行う。この補助充放電S2のピーク
電圧V1は、上記の電圧値V0よりも低い値に設定して
いる。また、補助充放電S2の放電時(時点t6から時点
t7までの区間)における勾配は、吐出用充放電S1の放
電時の勾配(時点t2から時点t3までの区間の勾配)に比
べて充分に小さくなるように設定している。
【0009】このような駆動電圧を印加することにより
インク吐出後の振動板の振動が、補助充電を行うことに
より拘束されるので、吐出室内のインクの残留振動の減
衰を速やかに達成でき、後続するインク滴の吐出動作に
速やかに移行できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
インクジェット記録装置の駆動方法にあっては、インク
吐出後の残留振動を抑制し、後続するインク滴の吐出動
作に移行ができ、インク滴の吐出をある程度高い周波数
で繰り返すことができるが、さらに高い周波数で駆動し
ようとすると、小さな勾配(時点t6から時点t7間での区
間の勾配)をもつ補助充放電S2のために、高周波数駆
動が不可能になる。また、VOとV1の二つのピーク電
圧と、異なる勾配の駆動電圧を用いなければならないの
で、駆動回路が複雑となり、コスト高となる。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1のインクジェット記録装置は、静電型イン
クジェットヘッドと、このインクジェットヘッドの振動
板と対向電極の間の充放電を行う電圧を印加する電圧印
加手段とを備えたインクジェツト記録装置において、イ
ンク滴を吐出しない状態で前記振動板と前記対向電極の
間の充電を行って前記振動板を対向電極側に変位させた
状態に保持し、インク滴吐出時に電圧を除去して前記振
動板を対向電極から離れる方向に変位させ、インク滴吐
出後再度前記振動板と対向電極の間の充電を行って前記
振動板を対向電極側に変位させた状態を次のインク滴の
吐出まで保持する構成とした。
【0012】請求項2のインクジェット記録装置は、上
記請求項1のインクジェット記録装置において、前記イ
ンク滴吐出後の再度の充電をインク滴吐出後に生じた前
記振動板の残留振動が対向電極に近づく方向に変位して
いるタイミングで行なう構成とした。
【0013】請求項3のインクジェット記録装置は、上
記請求項1又は2のインクジェット記録装置において、
前記振動板と対向電極の間に電圧を印加し、実効的な前
記ギャップの1/3まで前記振動板を変位させた後、前
記振動板が対応する対向電極に接触せず、かつ前記振動
板の変位が大きくなるように印加していた電圧を低下す
る構成とした。
【0014】請求項4のインクジェット記録装置は、上
記請求項1のインクジェット記録装置において、前記振
動板の残留振動による変位が実効的な前記ギャップの1
/3以上になったタイミングで、再び前記振動板と対向
電極の間の充電を行う構成とした。
【0015】請求項5のインクジェット記録装置は、上
記請求項1のインクジェット記録装置において、前記振
動板を駆動する前に外力により前記振動板を対向電極側
に撓ませる構成とした。
【0016】請求項6のインクジェット記録装置は、上
記請求項5のインクジェット記録装置において、前記吐
出室内の圧力を高くする手段を備えた構成とした。
【0017】請求項7のインクジェット記録装置は、上
記請求項5のインクジェット記録装置において、前記振
動板と前記対向電極との間で形成されるギャップ内の圧
力を低くする手段を備えた構成とした。
【0018】請求項8のインクジェット記録装置は、上
記請求項6のインクジェット記録装置において、インク
供給口からインクを流入して前記振動板を対向電極側に
撓ませる構成とした。
【0019】請求項9のインクジェット記録装置は、上
記請求項6のインクジェット記録装置において、ノズル
からインク又は空気を流入して前記振動板を対向電極側
に撓ませる構成とした。
【0020】請求項10のインクジェット記録装置は、
上記請求項6のインクジェット記録装置において、前記
吐出室又はこの吐出室にインクを供給する共通インク室
の内容積を変化させて前記振動板を対向電極側に撓ませ
る構成とした。
【0021】請求項11のインクジェット記録装置は、
上記請求項5のインクジェット記録装置において、前記
振動板に加速度による力を加えることで前記振動板を対
向電極側に撓ませる構成とした。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て添付図面を参照して説明する。図1は本発明を適用し
た静電型インクジェットヘッドの断面説明図、図2は図
1の要部側断面図である。
【0023】このインクジェットヘッド1は、シリコン
単結晶基板からなる振動板基板11と、この振動板基板
11の下側に設けたシリコンと熱膨張係数が近いホウ珪
酸ガラス基板等からなる電極基板12と、振動板基板1
1の上側に設けた複数のノズル14を形成したノズル基
板13とを備え、複数のノズル14が連通する吐出室1
5、各加圧室15に流体抵抗部を兼ねたインク供給路1
6を介して連通する共通インク液室17などを区画形成
している。
【0024】振動板基板11には、吐出室15及びこの
吐出室15の底部をなす振動板18を形成する凹部19
と、共通インク室17を形成する凹部20及びインク供
給路16となる溝を形成している。この振動板18は、
面外方向、即ち、図1において上下方向に弾性変位可能
な薄肉の底壁である。この振動板18は、例えば、シリ
コン単結晶基板からなる振動板基板1に所定の厚み(例
えば3μm)の高濃度ボロン層を注入工程や不純物拡散
工程などを経て形成し、振動板基板11に異方性エッチ
ングを施すことで高濃度ボロン層がエッチストップとな
って振動板18が形成される。
【0025】また、電極基板12には凹部22を形成し
て、この凹部22の底面に振動板18に所定(ここで
は、1μmとしている。)のギャップ23を置いて対向
する電極(対向電極)24を設け、この対向電極24と
振動板18によってアクチュエータ部を構成している。
これらの電極基板12と振動板基板11とは陽極接合或
いは直接接合によって接合している。
【0026】さらに、ノズル基板13には吐出室15に
連通するノズル14と共に、共通インク室17にインク
を外部から供給するためのインク供給口26を形成して
いる。インクは、外部の図示しないインクタンクから、
インク供給口26を通じて共通インク液室17に供給さ
れ、更に各インク供給路16を通じて独立した各吐出室
15に供給される。
【0027】そして、図1に示すように、このインクジ
ェットヘッド1の振動板18と対向電極24との間の充
放電を行うための駆動電圧を印加する電圧印加手段であ
る駆動回路2を設けている。この駆動回路2の一方の出
力は各対向電極(セグメント電極、個別電極)24に接
続し、他方の出力はシリコン基板(振動板基板11)に
形成した共通電極端子に接続している。シリコン基板自
体は導電性を有するので、共通電極端子から各振動板1
8に電圧を供給することができる。なお、より低い電気
抵抗で共通電極(振動板18)に電圧を供給する必要が
ある場合には、たとえば、シリコン基板の一方の面に金
などの導電性の薄膜を蒸着やスパツタで形成すればよ
い。
【0028】ここで、駆動回路2から印字信号に応じて
駆動電圧(駆動波形)が選択的に対向電極24に印加さ
れると、対向電極24と振動板18との間に充電された
電化によるクーロン力が発生し、振動板18は対向電極
24側に撓み、吐出室15の容積が拡大する。この状態
から、駆動回路30によって対向電極24と振動板18
との間の電荷を急激に放電させることにより、振動板1
8はその弾性復元力によって復帰し、吐出室15内の容
積が急激に収縮し、このとき発生するインク圧力によ
り、吐出室15を満たすインクの一部がノズル14から
インク滴として吐出される。
【0029】そこで、このインクジェット記録装置にお
ける駆動回路2によるインクジェットヘッド1の駆動動
作について図3以降をも参照して説明する。まず、図3
に示すように電圧V1を対向電極24と振動板18との
間(以下、「対向電極間」という。)に印加しておく
と、このとき、対向電極間に充電された電荷によるクー
ロン力が発生し、上述したように振動板18は対向電極
24側へ撓み、吐出室15の容積が拡大した状態が保持
されている。
【0030】この電圧V1を時点T1において時点T2ま
での短い立ち下がり時間でゼロにして、対向電極間の電
荷を急激に放電させると、振動板18はその弾性復帰力
によって復帰して、吐出室15の容積が急激に収縮す
る。このときに発生するインク圧力により、吐出室15
を満たすインクの一部がノズル14から吐出される。
【0031】そして、放電が完全に終了した時点T2か
ら一定の期間をおいた時点T3で電圧を増加させ、時点
T4において電圧をV1にし、次のインク滴吐出までその
状態を保持する。次のインク滴吐出の場合には、時点T
1からの動作が繰り返される。
【0032】ここで、時点T3から駆動電圧を印加する
ことによって、インク滴吐出後の振動板18の振動が拘
束されるので、吐出室15内のインクの残留振動を強制
的に抑制し、インク滴吐出後の残留振動を速やかに抑制
し、後続するインク滴の吐出動作に移行することができ
る。
【0033】また、従来のような補助充放電は必要とし
ないので、高周波数駆動が可能であり、高速印字が可能
になる。さらに、ピーク電圧はV1の一つの値でよいの
で、駆動回路が簡単であり、コストダウンを図れる。な
お、ここでは、インク滴不吐出時にも電圧V1を印加し
た状態を保持しているが、電流は流れないので、電圧V
1を印加した状態を保持することによる消費電力は発生
しない。
【0034】本実施例では印加電圧V1は正電圧として
説明したが、負電圧でも電荷が逆になるだけで同様の効
果が得られる。また、インクジェット記録装置が待機状
態の時は、電圧V1は印加しないようにすることもでき
る。
【0035】そこで、インク吐出後に発生する残留振動
を抑制するために駆動電圧を印加するタイミング(図4
の時点T3)について図4を参照して説明する。振動板
18は、同図(a)に示すように、時点T1において対
向電極24側に変位した状態にあり、駆動電圧V1のた
ち下がりに応じて対向電極24とは反対方向(吐出室1
5側)へ変位し、更に吐出室15の内容積を減少させて
インク滴吐出を行なわせた後、再度対向電極24側へ向
かって変位する。
【0036】このようにインク滴吐出後振動板18が対
向電極24側に向かう方向に変位しているタイミング
(時点T3)で、同図(b)に示すように、対向電極間
に駆動電圧V1を印加することによって、同図(a)に
実線で示すように振動板18は対向電極24側へ撓み、
この状態を電圧V1の印加によるクーロン力によって拘
束することで、振動板18の残留振動が速やかに減衰す
る。時点T3で駆動電圧を印加しないときには、振動板
18は同図(a)に破線で示すように残留振動を繰り返
すことになる。
【0037】なお、駆動電圧V1の立ち下がり時間(T2
−T1)及び立ち上がり時間(T4−T3)は、振動板1
8の残留振動やノズル14内のインクメニスカスの振動
を小さくし、ノズル14から気泡を吐出室15内に巻き
込まないようにし、共通インク室17から吐出室15に
良好にインクが供給されるようにするなどの観点から最
適化することが好ましい。
【0038】次に、印加電圧Vと振動板18の変位量x
の関係について説明する。印加電圧Vによる静電力F1
は、次の式(1)で表わされる。
【0039】
【数1】
【0040】また、振動板18の変位による復元力F2
は、次の式(2)で表わされる。
【0041】
【数2】
【0042】上記の(1)式と(2)式より、印加電圧
Vと振動板18の変位量xの関係を図示すると、図5に
示すようになる。ここで、印加電圧Vを増加させていく
と変位量xは増加していくが、印加電圧V1で変位量x
はギャップ23(大きさを「G」で表わす。)の1/3
になる。
【0043】そして、電圧V1よりも大きな電圧を印加
すると、振動板18は対向電極24に接触し、変位量x
としてはギャップ23の大きさGとなる。また、変位量
xがG/3以上のときは、振動板18と対向電極24と
の間の距離が小さくなる(振動板変位量xが大きくな
る)と、振動板18の復元力の増加よりも静電力の増加
が急激になり、低い電圧Vで復元力と静電力が釣り合う
ことになる。G/3以上の振動板18の変位量xを得る
ためには、変位量xがG/3となる電圧V1を印加した
後に、振動板18が対向電極24に接触しないように電
圧Vを下げる必要がある。
【0044】この印加電圧Vの一例を図6に示してい
る。同図(a)に示すように、時点T10からT11まで電
圧Vを高くしていくと、同図(b)に示すように電圧V
1で振動板18の変位量xはG/3となる。このまま電
圧Vを高くしていくと振動板18が対向電極24に接触
するので、振動板18が対向電極24に接触しないよう
に時点T11から電圧Vを下げて行く。
【0045】この場合、時点T11直後においては、振動
板18は振動板18とインクの慣性力によって変位量x
がG/3より大きくなるので、図6において電圧Vを小
さくして行った場合でも変位量xを大きくする方向に振
動板18を変位させることができる。
【0046】このような駆動電圧Vを印加することによ
って、振動板18にG/3以上の変位量xを与えること
ができ、インク滴吐出量やインク滴吐出速度を大きくす
ることができる。
【0047】ここで、振動板18と対向電極24の間が
空気のみの場合は、上記のギャップ23は振動板18と
対向電極24との距離となるが、図7に示すように対向
電極24上にパッシベーション膜25を形成したインク
ジェットヘッドの場合には、ギャップ23は実効的なギ
ャップGであり、空気の層厚G1、パッシベーション膜
25の膜厚をG2、比誘電率をεrとすると、ギャップG
は、次の式(3)で表わされることになる。
【0048】
【数3】
【0049】次に、上述した図6に示すように、インク
滴吐出後、振動板18は残留振動のために、その平衡状
態、即ち電圧を印加していない状態で振動板18の弾性
復元力と吐出室15内の圧力が釣り合った状態よりも、
個別電極23側に近づいた状態が発生する。
【0050】そのうち、残留振動で振動板18にG/3
以上の変位が発生している時点が生じる(例えば、図6
の時間Aの範囲)。そこで、図8に示すように、残留振
動で振動板18にG/3以上の変位が発生しているとき
に、対向電極間に駆動電圧を印加した場合、電圧V1よ
りも小さな印加電圧V2により振動板18を対向電極2
4側に撓ませることができる。なお、この印加電圧V2
によって振動板18が変位及びインクの慣性でG/3以
上に変位することは前述したとおりである。
【0051】したがって、2回目以降のインク滴吐出で
は、最初の印加電圧V1よりも低い印加電圧V2によって
振動板18を駆動することが可能になる。それによっ
て、駆動電圧を低くし、消費電力も小さくできる。
【0052】次に、本発明の別の実施形態について図9
以降をも参照して説明する。上述した実施形態において
は、2回目以降のインク滴吐出では、低い駆動電圧V2
で駆動することが可能になるが、最初の駆動にはやはり
駆動電圧V1が必要になるので、駆動回路2としては高
い電圧V1で規定される回路構成にしなければならな
い。
【0053】これに対して、本実施形態においては、振
動板18を駆動する前に外部からエネルギーを与えるこ
とで、振動板18をあらかじめ対向電極24側に撓ませ
て、その状態で低い駆動電圧V2を印加して、振動板1
8を対向電極24側に撓ませた状態で保持し、その後の
インク滴吐出は図9に示すように低い駆動電圧V2で駆
動できるようにしている。このようにすれば、振動板1
8を低い電圧V2で駆動可能になることで、低電力化に
加えて、駆動回路も低い電圧V2に対応できる構成にす
ればよく、駆動回路のコストダウンが可能になる。
【0054】そこで、外部から振動板18を対向電極2
4側へ撓ませる構成の第1例について図10を参照して
説明する。この例においては、インクジェットヘッド1
のインク供給口26から少量のインクを送り込むポンプ
35を備えている。このようにすれば、吐出室15内に
インクが送り込まれることで吐出室15の内圧が高まる
ので、振動板18を同図に示すように対向電極24側に
撓ませることができる。なお、この場合、吐出室15内
の圧力が高まることでノズル14からインクが溢れると
きには、ノズル14を塞ぐ手段を備えれば良い。
【0055】次に、外部から振動板18を対向電極24
側へ撓ませる構成の第2例について図11を参照して説
明する。この例においては、インクジェットヘッド1の
ノズル14から少量のインクを吐出室15内に送り込む
手段36を備えている。このようにしても、吐出室15
内にインクが送り込まれることで吐出室15の内圧が高
まるので、振動板18を同図に示すように対向電極24
側に撓ませることができる。
【0056】この第2例においては、上記第1例と異な
り、吐出室15内の圧力が高まることでノズル14から
インクが溢れたり、またノズル14を塞ぐ手段を必要と
しない。また、ノズル14の目詰まり除去のための信頼
性回復維持装置にノズル14から少量のインクを供給す
る機能を持たせることもできる。
【0057】さらに、この第2例において、吐出室15
内の圧力が高まることでインク供給口26に接続するイ
ンク供給パイプ37の方向へインクが逆流するような場
合には、同図に示すようにインク供給口26或いはイン
ク供給パイプ37に弁38を設けておけば良い。
【0058】次に、外部から振動板18を対向電極24
側へ撓ませる構成の第3例について図12を参照して説
明する。この例においては、インクジェットヘッド1の
吐出室15或いは共通インク室17の容積を変化させる
手段38を備えている。このようにしても、吐出室15
内の圧力を高くすることができるので、振動板18を同
図に示すように対向電極24側に撓ませることができ
る。この吐出室15或いは共通インク室17の容積を変
化させる手段38としては、電磁アクチュエータ、ピエ
ゾ素子などを用いることができる。
【0059】次に、外部から振動板18を対向電極24
側へ撓ませる構成の第4例について説明する。この例に
おいては、インクジェットヘッド1に加速度を与え、そ
の加速度によって発生する力により、振動板18を撓ま
せる。例えば、インクジェットヘッド1を搭載するキャ
リッジを移動させるモータなどに、この機能を持たせる
ことも可能である。この場合にもノズル14からインク
が溢れるような場合にはノズル14を塞ぐ手段を備えれ
ばよい。
【0060】なお、吐出室15内の圧力を変化させる構
成に代えて、ギャップ23内の圧力を変化できるように
することもできる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1のインク
ジェット記録装置によれば、静電型インクジェットヘッ
ドと、このインクジェットヘッドの振動板と対向電極の
間の充放電を行う電圧を印加する電圧印加手段とを備え
たインクジェツト記録装置において、インク滴を吐出し
ない状態で振動板と対向電極の間の充電を行って振動板
を対向電極側に変位させた状態に保持し、インク滴吐出
時に電圧を除去して振動板を対向電極から離れる方向に
変位させ、インク滴吐出後再度振動板と対向電極の間の
充電を行って振動板を対向電極側に変位させた状態を次
のインク滴の吐出まで保持する構成としたので、残留振
動を速やかに低減することができ、高周波数の駆動が可
能になる。
【0062】請求項2のインクジェット記録装置によれ
ば、上記請求項1のインクジェット記録装置において、
インク滴吐出後の再度の充電をインク滴吐出後に生じた
振動板の残留振動が対向電極に近づく方向に変位してい
るタイミングで行なう構成としたので、効率的に残留振
動を低減することができ、良好なインク滴吐出が可能に
なる。
【0063】請求項3のインクジェット記録装置によれ
ば、上記請求項1又は2のインクジェット記録装置にお
いて、振動板と対向電極の間に電圧を印加し、実効的な
ギャップの1/3まで振動板を変位させた後、振動板が
対応する対向電極に接触せず、かつ振動板の変位が大き
くなるように印加していた電圧を低下する構成としたの
で、再度振動板と対向電極との間の充電を行うときの電
圧を低くすることができ、低消費電力を図れる。
【0064】請求項4のインクジェット記録装置によれ
ば、上記請求項1のインクジェット記録装置において、
振動板の残留振動による変位が実効的なギャップの1/
3以上になったタイミングで、再び記振動板と対向電極
の間の充電を行う構成としたので、低電圧駆動を行なう
ことができる。
【0065】請求項5のインクジェット記録装置によれ
ば、上記請求項1のインクジェット記録装置において、
振動板を駆動する前に外力により振動板を対向電極側に
撓ませる構成としたので、低電圧駆動が可能になり、駆
動回路が低い電圧に対応できる回路構成で済み、低コス
ト化を図れる。
【0066】請求項6のインクジェット記録装置によれ
ば、上記請求項5のインクジェット記録装置において、
吐出室内の圧力を高くする手段を備えた構成としたの
で、容易に振動板を対向電極側に撓ませることができ
る。
【0067】請求項7のインクジェット記録装置によれ
ば、上記請求項5のインクジェット記録装置において、
振動板と対向電極との間で形成されるギャップ内の圧力
を低くする手段を備えた構成としたので、容易に振動板
を対向電極側に撓ませることができる。
【0068】請求項8のインクジェット記録装置によれ
ば、上記請求項6のインクジェット記録装置において、
インク供給口からインクを流入して振動板を対向電極側
に撓ませる構成としたので、容易に振動板を対向電極側
に撓ませることができる。
【0069】請求項9のインクジェット記録装置によれ
ば、上記請求項6のインクジェット記録装置において、
ノズルからインク又は空気を流入して振動板を対向電極
側に撓ませる構成としたので、容易に振動板を対向電極
側に撓ませることができ、しかもノズルの目詰まり防止
装置と兼用することができる。
【0070】請求項10のインクジェット記録装置によ
れば、上記請求項6のインクジェット記録装置におい
て、吐出室又はこの吐出室にインクを供給する共通イン
ク室の内容積を変化させて振動板を対向電極側に撓ませ
る構成としたので、小さな装置で振動板を撓ませること
ができ、ヘッドの小型化、軽量化を図れる。
【0071】請求項11のインクジェット記録装置によ
れば、上記請求項5のインクジェット記録装置におい
て、振動板に加速度による力を加えることで振動板を対
向電極側に撓ませる構成としたので、キャリッジの移動
に用いるモータなどを兼用することができ、構成が簡単
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した静電型インクジェットヘッド
を駆動回路と共に示す断面説明図
【図2】同ヘッドの側断面図
【図3】同駆動回路の駆動波形を説明する説明図
【図4】同駆動回路の駆動波形と振動板の残留振動の関
係を説明する説明図
【図5】印加電圧と振動板の変位量の関係を説明する説
明図
【図6】同駆動回路の他の駆動波形と振動板の残留振動
の関係を説明する説明図
【図7】他のインクジェットヘッドの例を示す断面図
【図8】同駆動回路の更に他の駆動波形と振動板の残留
振動の関係を説明する説明図
【図9】本発明の別の実施形態を説明する説明図
【図10】振動板を外力によって撓ませる構成の第1例
を示す断面図
【図11】振動板を外力によって撓ませる構成の第2例
を示す断面図
【図12】振動板を外力によって撓ませる構成の第3例
を示す断面図
【図13】従来の駆動回路の駆動波形を説明する説明図
【符号の説明】
1…インクジェットヘッド、2…駆動回路、11…振動
板基板、12…電極基板、13…ノズル基板、14…ノ
ズル、15…吐出室、16…インク供給路、17…共通
インク室、18…振動板、24…対向電極。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク滴を吐出するノズルと、このノズ
    ルが連通する吐出室と、この吐出室の壁面を形成する弾
    性変位可能な振動板と、この振動板にギャップを置いて
    対向配置した対向電極と、前記振動板と対向電極の間の
    充放電を行う電圧を印加する電圧印加手段とを備えたイ
    ンクジェツト記録装置において、インク滴を吐出しない
    状態で前記振動板と前記対向電極の間の充電を行って前
    記振動板を対向電極側に変位させた状態に保持し、イン
    ク滴吐出時に電圧を除去して前記振動板を対向電極から
    離れる方向に変位させ、インク滴吐出後再度前記振動板
    と対向電極の間の充電を行って前記振動板を対向電極側
    に変位させた状態を次のインク滴の吐出まで保持するこ
    とを特徴とするインクジェツト記録装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェット記録装
    置において、前記インク滴吐出後の再度の充電をインク
    滴吐出後に生じた前記振動板の残留振動が対向電極に近
    づく方向に変位しているタイミングで行なうことを特徴
    とするインクジェツト記録装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のインクジェット
    記録装置において、前記振動板と対向電極の間に電圧を
    印加し、実効的な前記ギャップの1/3まで前記振動板
    を変位させた後、前記振動板が対応する対向電極に接触
    せず、かつ前記振動板の変位が大きくなるように印加し
    ていた電圧を低下することを特徴とするインクジェツト
    記録装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のインクジェット記録装
    置において、前記振動板の残留振動による変位が実効的
    な前記ギャップの1/3以上になったタイミングで、再
    び前記振動板と対向電極の間の充電を行うことを特徴と
    するインクジェツト記録装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のインクジェット記録装
    置において、前記振動板を駆動する前に外力により前記
    振動板を対向電極側に撓ませることを特徴とするインク
    ジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のインクジェット記録装
    置において、前記吐出室内の圧力を高くする手段を備え
    たことを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載のインクジェット記録装
    置において、前記振動板と前記対向電極との間で形成さ
    れるギャップ内の圧力を低くする手段を備えたことを特
    徴とするインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載のインクジェット記録装
    置において、インク供給口からインクを流入して前記振
    動板を対向電極側に撓ませることを特徴とするインクジ
    ェット記録装置。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載のインクジェット記録装
    置において、ノズルからインク又は空気を流入して前記
    振動板を対向電極側に撓ませることを特徴とするインク
    ジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 請求項6に記載のインクジェット記録
    装置において、前記吐出室又はこの吐出室にインクを供
    給する共通インク室の内容積を変化させて前記振動板を
    対向電極側に撓ませることを特徴とするインクジェット
    記録装置。
  11. 【請求項11】 請求項5に記載のインクジェット記録
    装置において、前記振動板に加速度による力を加えるこ
    とで前記振動板を対向電極側に撓ませることを特徴とす
    るインクジェット記録装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109708912A (zh) * 2019-02-19 2019-05-03 京东方科技集团股份有限公司 一种墨滴落点测试装置及其制备方法

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