JP2000153238A - 青果物の非破壊食味特性測定装置 - Google Patents

青果物の非破壊食味特性測定装置

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JP2000153238A
JP2000153238A JP34784798A JP34784798A JP2000153238A JP 2000153238 A JP2000153238 A JP 2000153238A JP 34784798 A JP34784798 A JP 34784798A JP 34784798 A JP34784798 A JP 34784798A JP 2000153238 A JP2000153238 A JP 2000153238A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数が低減されて装置の小型化並びに低
コスト化が図れる非破壊食味特性測定装置を提供する。 【解決手段】 青果物が載置され底面にトレイ側光通路
部1bが設けられた複数のトレイ1を順次搬送し、搬送路
中に設けられたN個の測定部において測定部側光通路部
31b〜33bとトレイ側光通路部を介し波長λ1 〜λN のレ
ーザ光を青果物に入射しかつ青果物から出射される各レ
ーザ光から青果物の糖度等その食味特性を測定する非破
壊食味特性測定装置であって、トレイ側光通路部におけ
る内径をA、トレイの搬送方向における長さ寸法をB、
測定部側光通路部の内径をC、隣接する各測定部におけ
る測定部側光通路部間の径中心間距離をLとした場合、
これ等の各寸法が、(A+C)≦L≦(B−A−C)/
(N−1) (1)の関係を満たすようにそれぞれ設定
されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メロン、スイカ、
カボチャ、柑橘類等青果物の糖度や熟度等その食味特性
について青果物を破壊することなく測定できる青果物の
非破壊食味特性測定装置に係り、特に、部品点数が低減
されて装置の小型化並びに低コスト化が図れる非破壊食
味特性測定装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、青果物の糖度を破壊することなく
測定する方法としては、近赤外光あるいは赤外光を青果
物に照射し、その反射光あるいは透過光から糖による光
吸収を測定して行う方法が知られている(特開平1−2
16265号公報、特開平1−235850号公報、特
開平2−147940号公報、特開平4−104041
号公報、特開平4−208842号公報、特開平5−3
4281号公報、特開平5−172549号公報及び特
開平6−15236号公報参照)。
【0003】しかし、これ等の方法はそのいずれもが光
源としてハロゲンランプを使用しているため、例えばメ
ロンのような皮の厚い青果物に対しては光の強度が足り
ず糖度の測定は困難であった。
【0004】そこで、この欠点を解消する方法として、
出願人は、例えば、3波長のレーザ光を適用すると共
に、各レーザ光をメロン、スイカ、カボチャ、柑橘類等
青果物の略同一箇所へ順次照射して青果物の糖度、熟度
等その食味特性を測定する方法を既に提案している。
【0005】以下、食味特性としての糖度を測定するこ
の方法を簡単に説明すると、図21に示すようにメロン
等の青果物Mに対し、例えばその下方側から波長λのレ
ーザ光を入射し、かつ、同じく下方側に配置された検出
器(図示せず)にて青果物Mから出射される波長λのレ
ーザ光を検出する。尚、図21中、Pin(λ)は上記レー
ザ光の入射光量、Pout(λ)はレーザ光の検出光量を示
している。
【0006】そして、青果物Mの糖度(ブリックス)
は、上記入射光量Pin(λ)に対応した入力信号Pin
(λ)’と検出光量Pout(λ)に対応した出力信号Pout
(λ)’の各データから以下の式(4)に基づき求めるこ
とができる。
【0007】すなわち、糖度Y(ブリックス)は、3種
類の波長のレーザ光に対し、 T(λ)=Pout(λ)/Pin(λ)=(e2/e1)Pout(λ)’/Pin(λ)’ (2) で定義される透過率T(λ)の自然対数値である吸光度X
(λ) X(λ) = logT(λ) (3) を式(4)に代入することにより求められる。
【0008】 Y = AX(λ1)+BX(λ2)+CX(λ3)+D (4) ここで、A、B、Cは、多くの青果物(サンプル)に対
して屈折糖度計により求めた糖度Yと、光測定で求めた
吸光度X(λ1)、X(λ2)、X(λ3)との間で最も相関が
高くなるように、例えば最小自乗法により求める定数で
ある。
【0009】尚、上記入射光量Pin(λ)とこれに対応し
た上記入力信号Pin(λ)’との間は、Pin(λ) = e1
・Pin(λ)’と関係づけられ、検出光量Pout(λ)とこ
れに対応した出力信号Pout(λ)’との間は、Pout(λ)
= e2・Pout(λ)’と関係づけられている。また、係
数e1とe2は測定装置の製作時に求められている。
【0010】そして、電気信号値Pin(λ)’とPout
(λ)’から上述したように糖度Y(ブリックス)が求め
られる。
【0011】この方法を具体化した従来の非破壊食味特
性測定装置により説明すると、図22に示すように底部
に2つのトレイ側光通路部g、hを有するトレイd上に
メロン等青果物Mを載置して搬送させ、搬送路中に配置
されかつトレイdのトレイ側光通路部g、hに位置整合
された2つの測定側光通路部i、jを有する各測定部k
において青果物Mに対し測定側光通路部iとトレイ側光
通路部gを介し入射光量Pin(λ)のレーザ光を各々入射
させる共に、青果物Mから出射されたレーザ光をトレイ
側光通路部hと測定側光通路部jを介し各検出器(図示
せず)へそれぞれ入射させて検出光量Pout(λ)に対応
した出力信号Pout(λ)’を各々測定し、これ等出力信
号Pout(λ)’と入射光量Pin(λ)に対応した入力信号
Pin(λ)’から糖度等の食味特性が測定されるものであ
った。
【0012】尚、図22中、mは測定部における搬送路
内の長さ方向に亘り設けられかつ測定側光通路部iを通
過するレーザ光の測定側光通路部j内への入り込みを防
止する凸條、nはトレイdの底面に設けられ上記凸條m
に遊嵌される凹條、pは各測定部kにおけるトレイdの
搬送位置を規制する搬送位置規制手段としての第一サイ
ドバー、qはトレイdを第一サイドバーp側へ押圧して
トレイdの搬送位置を規制する搬送位置規制手段として
の第二サイドバーをそれぞれ示している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば3つ
の測定部を有する従来の上記非破壊食味特性測定装置に
おいてその第一測定部k1〜第三測定部k3の各間隔に
ついては、図23に示すように若干長めの任意な値に設
定されていた。これは、青果物Mが載置されたトレイd
を高速で搬送させた場合に各測定部k1〜k3における
計測処理が速度的に対応できなくなる危険性を考慮して
の設定であった。
【0014】しかし、最近のコンピュータにおける処理
性能の向上に伴い、計測処理に関する危険性は実際上問
題となり難い技術的背景となっている。
【0015】また、各測定部間距離を図23に示すよう
に長めに設定した場合、反って以下のような問題が存在
した。すなわち、各測定部間距離が長めに設定されてい
る場合、図24に示すように青果物Mを載置したトレイ
dが各測定部k1〜k3上に同時に配置されてしまう可
能性があった。この場合、各測定部に設けられた青果物
検出手段b(図23では1つの青果物検出手段bのみが
図示され残り2つの青果物検出手段は図示されずに省略
されている)からの信号に基づき、各測定部k1〜k3
上の各青果物Mに対し上記レーザ光がそれぞれ照射さ
れ、この結果、各青果物Mから得られた3種のデータを
同時に計測処理する必要性が生ずることから各測定部k
1〜k3にそれぞれコンピュータを設けなければなら
ず、その分、非破壊食味特性測定装置の製造コストが割
高となる問題を有していた。
【0016】更に、各測定部間距離が長めに設定されて
いる場合、その分、測定部全体の長さ寸法も大きくなる
ことから装置の小型化が困難になると共に、各測定部に
沿って設けられる上記搬送位置規制手段としての第一サ
イドバーと第二サイドバーの長さ寸法もこれに対応して
大きくなることから装置を組み立てる際の作業が困難か
つ繁雑となる問題点を有していた。
【0017】他方、各測定部間距離が短めに設定され過
ぎた場合には、図25に示すように青果物Mを載置した
1つのトレイdが2つの測定部k2,k3にまたがって
配置されてしまうことがあり、各測定部からの青果物M
に対するレーザ照射により各測定部に設けられた検出器
内に波長の異なるレーザ光が混ざって導かれてしまい食
味特性の測定自体が難しくなる別の問題を有していた。
【0018】本発明はこの様な問題点に着目してなされ
たもので、その課題とするところは、部品点数を低減し
て装置の小型化並びに低コスト化が図れる非破壊食味特
性測定装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、所定の間隔を介し連続して配置されたN個の
測定部における搬送路内の長さ方向に亘り設けられた凸
條に遊嵌される少なくとも1つの凹條を底面に有しこの
凹條を中央にしてその両側に1つのトレイ側光通路部を
それぞれ有すると共に青果物が載置されかつ搬送手段に
固定されない複数のトレイを順次搬送し、各測定部にお
いて各測定部に設けられた一方の測定部側光通路部とト
レイにおける一方の上記トレイ側光通路部を介し波長λ
1 〜λN のレーザ光を青果物に対し各々入射させると共
に、青果物から出射される各レーザ光をトレイにおける
他方のトレイ側光通路部と測定部における他方の測定部
側光通路部を介し各測定部に設けられた検出器内に導い
て各レーザ光の光量を測定し、かつ、青果物に入射され
た入射光量と検出器で測定された検出光量から各レーザ
光の吸光度を求め、得られた各吸光度から青果物の食味
特性を測定する青果物の非破壊食味特性測定装置を前提
とし、一対の上記トレイ側光通路部における内径をA、
上記トレイの搬送方向における長さ寸法をB、一対の上
記測定部側光通路部における各内径若しくは大きい方の
内径をC、および、隣接する各測定部における一方の測
定部側光通路部間の径中心間距離並びに他方の測定部側
光通路部間の径中心間距離をLとした場合、これ等の各
寸法が、(A+C)≦L≦(B−A−C)/(N−1)
(1)の関係を満たすようにそれぞれ設定されている
ことを特徴とし、請求項2に係る発明は、底面に1つの
トレイ側光通路部を有しかつ搬送手段に固定されないと
共に青果物が載置された複数のトレイを順次搬送し、所
定の間隔を介し連続して搬送路中に配置されたN個の測
定部において波長λ1 〜λN のレーザ光を上記青果物に
対し各々入射させると共に、青果物から出射される各レ
ーザ光をトレイの上記トレイ側光通路部と各測定部の測
定部側光通路部を介し各測定部に設けられた検出器内に
導いて各レーザ光の光量を測定し、かつ、青果物に入射
された入射光量と検出器で測定された検出光量から各レ
ーザ光の吸光度を求め、得られた各吸光度から青果物の
食味特性を測定する青果物の非破壊食味特性測定装置を
前提とし、上記トレイ側光通路部における内径をA、上
記トレイの搬送方向における長さ寸法をB、上記測定部
側光通路部における内径をC、および、隣接する各測定
部における測定部側光通路部間の径中心間距離をLとし
た場合、これ等の各寸法が、(A+C)≦L≦(B−A
−C)/(N−1) (1)の関係を満たすようにそれ
ぞれ設定されていることを特徴とする。
【0020】また、請求項3に係る発明は、請求項1ま
たは2記載の青果物の非破壊食味特性測定装置を前提と
し、各測定部におけるレーザ光の出射側開放端部にシャ
ッターが配設され、このシャッターの開閉操作により青
果物に対するレーザ光の照射・非照射を制御するように
したことを特徴とし、請求項4に係る発明は、請求項
1、2または3記載の青果物の非破壊食味特性測定装置
を前提とし、3個の測定部を備え、かつ、3個の測定部
におけるレーザ光の波長λ1 、λ2およびλ3 が、 860nm ≦ 波長λ1 ≦ 890nm 900nm ≦ 波長λ2 ≦ 920nm 920nm < 波長λ3 ≦ 960nm の条件を満たしていることを特徴とするものである。
【0021】そして、請求項1、3〜4記載の発明に係
る青果物の非破壊食味特性測定装置によれば、一対のト
レイ側光通路部における内径をA、トレイの搬送方向に
おける長さ寸法をB、一対の測定部側光通路部における
各内径若しくは大きい方の内径をC、および、隣接する
各測定部における一方の測定部側光通路部間の径中心間
距離並びに他方の測定部側光通路部間の径中心間距離を
Lとした場合、これ等の各寸法が、(A+C)≦L≦
(B−A−C)/(N−1) (1)の関係を満たすよ
うにそれぞれ設定され、また、請求項2〜4記載の発明
に係る青果物の非破壊食味特性測定装置によれば、トレ
イ側光通路部における内径をA、トレイの搬送方向にお
ける長さ寸法をB、測定部側光通路部における内径を
C、および、隣接する各測定部における測定部側光通路
部間の径中心間距離をLとした場合、これ等の各寸法
が、(A+C)≦L≦(B−A−C)/(N−1)
(1)の関係を満たすようにそれぞれ設定されているた
め、部品点数が低減されて非破壊食味特性測定装置の小
型化並びに低コスト化を図ることが可能となる。
【0022】すなわち、請求項1、3〜4記載の発明に
係る青果物の非破壊食味特性測定装置においては隣接す
る各測定部における一方の測定部側光通路部間の径中心
間距離並びに他方の測定部側光通路部(他方側の図示は
省略)間の径中心間距離Lが、図2に示すようにトレイ
側光通路部の内径Aと一対の測定部側光通路部における
各内径若しくは大きい方の内径Cとの和と同等若しくは
より大きく設定され、また、請求項2〜4記載の発明に
係る青果物の非破壊食味特性測定装置においては隣接す
る各測定部における測定部側光通路部間の径中心間距離
Lが、図14に示すようにトレイ側光通路部の内径Aと
測定部側光通路部の内径Cとの和と同等若しくはより大
きく設定されているため、トレイ側光通路部が、隣接す
る測定部における各測定部側光通路部に対しまたがって
重合配置されることがない。
【0023】従って、青果物を載置した1つのトレイが
2つの測定部にまたがってしまい、各測定部に設けられ
た検出器内に波長の異なるレーザ光が混ざって導かれて
しまう現象を回避することが可能となる。
【0024】更に、トレイが測定部の搬送路内において
接触状態にある場合の各トレイのトレイ側光通路部間の
最短距離l1 [=B−A]が、図2および図14に示す
ようにN個の測定部から成る測定部全体の長さl2 [=
(N−1)L+C]と同等若しくはより大きく設定[す
なわちL≦(B−A−C)/(N−1)]されているた
め、接触状態にある一対のトレイにおける各トレイ側光
通路部が、最上流側に位置する測定部の測定部側光通路
部と最下流側に位置する測定部の測定部側光通路部に対
し同時に重合配置されることもない。
【0025】従って、青果物を載置したトレイが各測定
部上に各々同時に搬送配置されてしまう現象を防止でき
ることから各測定部に計測用のコンピュータをそれぞれ
設ける必要がなく、その分、部品点数の低減が図れると
共に、N個の測定部から成る測定部全体の長さl2 寸法
が、接触状態にある各トレイのトレイ側光通路部間の最
短距離l1 [=B−A]との関係で最小寸法に設定され
ているため、非破壊食味特性測定装置の小型化も図れ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0027】[第一実施の形態]図1〜図3は請求項1
に係る非破壊食味特性測定装置の一例を示している。
【0028】すなわち、この非破壊食味特性測定装置
は、メロン等青果物Mが載置されたトレイ1を搬送する
ローラーコンベア、ベルトコンベア等の搬送手段2が長
さ方向に亘り配設された搬送路20と、この搬送路20
内に図2に示す寸法条件を満たすように設定された第一
測定部31、第二測定部32および第三測定部33と、
上記第一測定部31内へ光ファイバwを介して波長λ1
のレーザ光を出力する第一光源41と、上記第二測定部
32内へ光ファイバwを介して波長λ2 のレーザ光を出
力する第二光源42と、上記第三測定部33内へ光ファ
イバwを介して波長λ3 のレーザ光を出力する第三光源
43と、上記第一光源41に接続された光ファイバwの
先端側に設けられ波長λ1 のレーザ光の一部を分配して
出力モニター用検出器3aへ導く第一分配器3bと、上
記第二光源42に接続された光ファイバwの先端側に設
けられ波長λ2 のレーザ光の一部を分配して図示外の出
力モニター用検出器へ導く第二分配器(図示せず)と、
上記第三光源43に接続された光ファイバwの先端側に
設けられ波長λ3 のレーザ光の一部を分配して図示外の
出力モニター用検出器へ導く第三分配器(図示せず)
と、上記第一測定部31、第二測定部32および第三測
定部33内におけるレーザ光の出射側にそれぞれ設けら
れ青果物検出手段(図示せず)からの検知信号に基づき
動作する図示外のシャッター手段(第一測定部31内の
シャッター手段50を図3に示す)と、同じく第一測定
部31、第二測定部32および第三測定部33内にそれ
ぞれ配置され青果物Mから出射される波長λ1 、λ2 お
よびλ3 の各レーザ光の光量を測定する図示外の検出器
(第一測定部31内の検出器30を図3に示す)と、上
記第一測定部31内における出力モニター用検出器3a
と検出器30に接続されかつこれ等検出器から出力され
る波長λ1 の各レーザ光の検出光量に対応する出力信号
を増幅させる第一モニター用アンプ51並びに第一アン
プ52と、上記第二測定部32内における出力モニター
用検出器と検出器に接続されかつこれ等検出器から出力
される波長λ2 の各レーザ光の検出光量に対応する出力
信号を増幅させる第二モニター用アンプ53並びに第二
アンプ54と、上記第三測定部33内における出力モニ
ター用検出器と検出器に接続されかつこれ等検出器から
出力される波長λ3 の各レーザ光の検出光量に対応する
出力信号を増幅させる第三モニター用アンプ55並びに
第三アンプ56と、これ等各アンプに接続されそのアナ
ログの出力信号をデジタルに変換するADC(アナログ
/デジタル変換器)6と、このADC6からのデジタル
信号を演算処理して青果物Mの糖度等その食味特性を算
出するCPU7とでその主要部が構成されている。
【0029】まず、上記第一測定部31、第二測定部3
2および第三測定部33は、図4に示すように搬送路2
0の長さ方向に沿って所定の間隔を介し連続して配置さ
れ、各測定部31、32、33にはその上面側中央部位
に凸條10が連続的に設けられていると共に、各測定部
31、32、33には上記凸條10を中央にしてその両
側にそれぞれ一対の測定部側光通路部31a、31b、
32a、32b、33a、33bが開設され、かつ、各
測定部には搬送されてくる青果物の有無を検知してその
信号を上記シャッター手段に出力する青果物検出手段
(第一測定部31に設けられた青果物検出手段11を図
4に示す)がそれぞれ付設されている。
【0030】また、上記第一測定部31、第二測定部3
2および第三測定部33が配置された搬送路20の両側
には、図4〜図6に示すようにトレイの搬送位置を規制
する搬送位置規制手段としての第一サイドバー61と第
二サイドバー62が設けられており、かつ、第二サイド
バー62は搬送されるトレイを第一サイドバー61側へ
押圧する押圧手段70を備えている。
【0031】まず、上記第一サイドバー61は、図5に
示すように鉄等の金属から成る板状の第一サイドバー本
体610と、この第一サイドバー本体610に取付けら
れた複数の回転ローラ611と、上記第一サイドバー本
体610を搬送路の一方側縁部に固設する固定部材61
2とで構成されている。他方、上記第二サイドバー62
は、図5及び図6に示すように所定の間隙を介して対向
配置されかつ板状の鉄等の金属から成る一対の第二サイ
ドバー本体621、622と、これ等第二サイドバー本
体621、622の間隙部に設けられた押圧手段70
と、これ等第二サイドバー本体621、622を搬送路
の他方側縁部に固設する固定部材623とでその主要部
が構成されている。また、上記押圧手段70は、図7及
び図8に示すように搬送路側に開口700を有する押圧
部材取付け部71と、この押圧部材取付け部71内にお
いて開口700から出没可能に設けられた回転ローラ7
6と、この回転ローラ76の中心軸73を移動可能に支
持する一対の支持具74と、これ等支持具74を付勢し
て上記回転ローラ76を搬送路側へ押出す一対のバネ部
材75とで構成されており、かつ、回転ローラ76と中
心軸73との間には上記回転ローラ76の出没動作を案
内する案内ローラ72が介在されている。
【0032】そして、これ等第一サイドバー61と第二
サイドバー62間を搬送されるトレイを上記第二サイド
バー62の押圧手段70が押圧してトレイを第一サイド
バー61の案内面(第一サイドバー本体610に取付け
られた複数の回転ローラ611におけるトレイと係合す
る接触面が案内面を構成する:図5参照)に係合させる
ため、青果物Mが載置されたトレイを横揺れ等を引き起
こさせることなく各測定部31、32、33の適正位置
へ正確に搬送させることが可能となる。また、第一サイ
ドバー61に設けられた複数の回転ローラ611と、第
二サイドバー62の押圧手段70の一部を構成する回転
ローラ76の作用により、各サイドバー61、62とト
レイの接触に伴う摩擦力が低減されるため、搬送路20
内におけるトレイの搬送性にも支障を来すことがない。
【0033】次に、各測定部に設けられる上記分配器と
出力モニター用検出器について第一測定部31を例に挙
げて説明する。尚、各光源からのレーザ出力をモニター
する理由は、例えばレーザ光源からのレーザ出力が0.
1%変動した場合、この出力変動に伴う補正を行うこと
なく式(4)により食味特性としての糖度を測定する
と、その測定値が真の糖度値から約0.1ブリックス
(brix)もずれてしまうという経験則に基づいている。
まず、第一測定部31における測定部側光通路部31a
内の光ファイバw先端側に配置される第一分配器3b
は、図3および図9に示すようにその光出射側がAR
(Anti Reflection:無反射)処理されたハーフミラー
で構成されており、このミラー面で反射された波長λ1
のレーザ光の一部がオパールガラス単体若しくはオパー
ルガラスと艶消しガラスの組合わせから成る光拡散板3
cを介し出力モニター用検出器3aに導かれ、そこで検
出された検出光量に対応する出力信号が第一モニター用
アンプ51により増幅されると共に上記ADC6を介し
CPU7に入力されて食味特性の測定データとして供さ
れるようになっている。
【0034】また、各測定部に設けられるシャッター手
段について第一測定部31のものを例に挙げて説明する
と、図3および図9に示すように基端側が回動可能に設
けられその先端側が揺動してレーザ光の光路を開放若し
くは閉止する遮蔽板500と、この遮蔽板500の基端
側に取付けられ遮蔽板500の基端側を回動させて遮蔽
板500の先端側を上記光路が開放若しくは閉止される
位置まで揺動させるステッピングモータ501と、遮蔽
板500における回転軸502の下方側に取付けられた
2つの羽材50a、50bを介し上記光路の開放若しく
は閉止時における遮蔽板500の各静止位置をそれぞれ
検出する位置センサSo 、Sc とでその主要部が構成さ
れている。
【0035】一方、この非破壊食味特性測定装置に搬入
されるトレイ1は、図10(A)〜(B)に示すように
黒色のABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレ
ン)樹脂から成り矩形状の収容部100を有するトレイ
本体101と、このトレイ本体101収容部100内に
収納されその中央にウレタンスポンジ製の受部102が
付設されたネオスポンジ(サンエスゴム社製 商品名)
から成る受部本体103と、この受部本体103上に設
けられ青果物Mの外周面に当接してこれを保持する保持
体104とでその主要部が構成されている。
【0036】まず、上記トレイ本体101は、図11
(A)〜(B)に示すように底板110とこの上に設け
られた矩形状の収容部100を備え、底板110の下面
側中央部位には上記測定部に設けられた凸條10に遊嵌
する凹條111が設けられていると共に、この凹條11
1を中央にしてその両側の底板110にトレイ側光通路
部1a、1bを構成する円形状の開口10a、10bが
設けられている。また、上記受部本体103は、図12
に示すようにトレイ本体101の収容部100内に収納
されるように平面矩形状で底面側平坦かつ反対側が凹面
形状を有し、かつ、上記トレイ側光通路部1a、1bに
対応する部位に円形状の開口11a、11bが設けられ
ていると共に、開口11a、11bの間には上記受部1
02が付設されている。また、上記保持体104は、図
13(A)〜(B)に示すように受部本体103の外周
縁部に配置されるネオスポンジ(上記商品名)製の枠材
115と、この枠材115上に接合されかつその中央に
円形状の開口116aが開設されたネオプレンゴム製の
保持部材116とで構成されている。
【0037】また、この実施の形態に係る非破壊食味特
性測定装置においては、図2に示すようにトレイ1のト
レイ側光通路部1bにおける内径をA、上記トレイ1の
搬送方向における長さ寸法をB、上記測定部側光通路部
31b〜33bにおける各内径若しくは大きい方の内径
をC、および、隣接する各測定部における一方の測定部
側光通路部32b〜33b間の径中心間距離並びに他方
の測定部側光通路部間の径中心間距離をLとした場合、
これ等の各寸法が、(A+C)≦L≦(B−A−C)/
(N−1) (1)の関係(但し、N=3)を満たすよ
うにそれぞれ設定されている。
【0038】そして、この非破壊食味特性測定装置にお
いては、従来の装置と同様に青果物Mを載置したトレイ
1が、例えば第一測定部31に搬入された場合、図3に
示すようにシャッター手段50が作動して青果物Mに対
し測定部側光通路部31aとトレイ側光通路部1aを介
し波長λ1 のレーザ光が入射されると共に、青果物Mか
らの出射光がトレイ側光通路部1bと測定部側光通路部
31bを介し検出器30に入射され、以下、同様にして
第二測定部32、第三測定部33においても青果物Mか
らの出射光が検出されて糖度等その食味特性が測定され
る。尚、これ等測定は図1に示すように暗室内において
行われるようになっている。
【0039】このように第一実施の形態に係る非破壊食
味特性測定装置においては、隣接する各測定部における
一方の測定部側光通路部32b〜33b間の径中心間距
離並びに他方の測定部側光通路部間の径中心間距離L
が、図2に示すようにトレイ側光通路部1bの内径Aと
一対の測定部側光通路部31b〜33bにおける各内径
若しくは大きい方の内径Cとの和と同等若しくはより大
きく設定されているため、トレイ側光通路部1bが隣接
する測定部における各測定部側光通路部32b〜33b
に対しまたがって重合配置されることがない。従って、
青果物Mを載置した1つのトレイ1が2つの測定部にま
たがってしまい、各測定部に設けられた検出器内に波長
の異なるレーザ光が混ざって導かれてしまう現象を回避
することが可能となる。
【0040】更に、トレイ1が測定部の搬送路内におい
て接触状態にある場合の各トレイのトレイ側光通路部1
b間の最短距離l1 [=B−A]が、図2に示すように
3個の測定部から成る測定部全体の長さl2 [=(N−
1)L+C:但し、N=3]と同等若しくはより大きく
設定[すなわちL≦(B−A−C)/(N−1)]され
ているため、接触状態にある一対のトレイ1における各
トレイ側光通路部1bが、最上流側に位置する測定部の
測定部側光通路部31bと最下流側に位置する測定部の
測定部側光通路部33bに対し同時に重合配置されるこ
ともない。従って、青果物Mを載置したトレイ1が各測
定部上に各々同時に搬送配置されてしまう現象を防止で
きることから各測定部に計測用のコンピュータをそれぞ
れ設ける必要がなく、その分、部品点数の低減が図れる
と共に、3個の測定部から成る測定部全体の長さl2
法が、接触状態にある各トレイ1のトレイ側光通路部1
b間の最短距離l1 [=B−A]との関係で最小寸法に
設定されているため、非破壊食味特性測定装置の小型化
も図ることが可能となる。
【0041】尚、λ1 =880nm、λ2 =910nm
およびλ3 =930nmのレーザ光を出力する第一光源
〜第三光源を適用し、かつ、トレイ1の搬送方向におけ
る長さ寸法をB=20cm、トレイ側光通路部1bにお
ける内径をA=2.6cm、測定部側光通路部31b〜
33bにおける各内径若しくは大きい方の内径をC=
1.1cmに設定すると共に、隣接する各測定部におけ
る一方の測定部側光通路部31b〜33b間の径中心間
距離並びに他方の測定部側光通路部間の径中心間距離を
L=6cm[すなわち、上記(1)式を満たす条件]に
設定したこの実施の形態に係る非破壊食味特性測定装置
を組み立て、かつ、単一のCPUを組み込んで動作させ
たところ、上述した従来の問題が解消されていることが
確認されている。
【0042】[第二実施の形態]図14〜図16は、第
一実施の形態に係る装置と較べて若干皮が薄いメロンや
柑橘類等の計測に適した請求項2に係る非破壊食味特性
測定装置の一例を示している。
【0043】すなわち、この非破壊食味特性測定装置
は、メロン等青果物Mが載置されたトレイ1を搬送する
ローラーコンベア、ベルトコンベア等の搬送手段2が長
さ方向に亘り配設された搬送路20と、この搬送路20
内に図14に示す寸法条件を満たすように設定された第
一測定部31、第二測定部32および第三測定部33
と、上記第一測定部31に搬入された青果物Mに対しそ
の側面側から光ファイバwを介し波長λ1 のレーザ光を
出力する第一光源と、上記第二測定部32に搬入された
青果物に対しその側面側から光ファイバを介し波長λ2
のレーザ光を出力する第二光源と、上記第三測定部33
に搬入された青果物に対しその側面側から光ファイバを
介し波長λ3 のレーザ光を出力する第三光源と、上記第
一光源に接続された光ファイバwの先端側に設けられ波
長λ1 のレーザ光の一部を分配して出力モニター用検出
器3aへ導く第一分配器3bと、上記第二光源に接続さ
れた光ファイバの先端側に設けられ波長λ2 のレーザ光
の一部を分配して図示外の出力モニター用検出器へ導く
第二分配器(図示せず)と、上記第三光源に接続された
光ファイバの先端側に設けられ波長λ3 のレーザ光の一
部を分配して図示外の出力モニター用検出器へ導く第三
分配器(図示せず)と、上記第一測定部31、第二測定
部32および第三測定部33におけるレーザ光の出射側
にそれぞれ設けられ青果物検出手段(図示せず)からの
検知信号に基づき動作する図示外のシャッター手段(第
一測定部31におけるシャッター手段50を図15に示
す)と、同じく第一測定部31、第二測定部32および
第三測定部33内にそれぞれ配置され青果物Mから出射
される波長λ1 、λ2 およびλ3 の各レーザ光の光量を
測定する図示外の検出器(第一測定部31内の検出器3
0を図15に示す)と、上記第一測定部31における出
力モニター用検出器3aと検出器30に接続されかつこ
れ等検出器から出力される波長λ1 の各レーザ光の検出
光量に対応する出力信号を増幅させる第一モニター用ア
ンプ並びに第一アンプ(図示せず)と、上記第二測定部
32における出力モニター用検出器と検出器に接続され
かつこれ等検出器から出力される波長λ2 の各レーザ光
の検出光量に対応する出力信号を増幅させる第二モニタ
ー用アンプ並びに第二アンプ(図示せず)と、上記第三
測定部33における出力モニター用検出器と検出器に接
続されかつこれ等検出器から出力される波長λ3 の各レ
ーザ光の検出光量に対応する出力信号を増幅させる第三
モニター用アンプ並びに第三アンプ(図示せず)と、こ
れ等各アンプに接続されそのアナログの出力信号をデジ
タルに変換するADC(アナログ/デジタル変換器)
と、このADCからのデジタル信号を演算処理して青果
物Mの糖度等その食味特性を算出する単一のCPUとで
その主要部が構成されている。
【0044】まず、第一測定部31、第二測定部32お
よび第三測定部33は、図16に示すように搬送路20
の長さ方向に沿って所定の間隔を介し連続して配置さ
れ、各測定部31、32、33にはその中央部に測定部
側光通路部31c、32c、33cが各々開設され、か
つ、各測定部には搬送されてくる青果物の有無を検知し
てその信号を上記シャッター手段に出力する青果物検出
手段(第一測定部31に設けられた青果物検出手段11
を図16に示す)がそれぞれ付設されていると共に、上
記第一測定部31、第二測定部32および第三測定部3
3が配置された搬送路20の両側には、第一実施の形態
に係る装置と同一構造の搬送位置規制手段としての第一
サイドバー61と第二サイドバー62が設けられてい
る。
【0045】また、各測定部に設けられる上記分配器、
出力モニター用検出器およびシャッター手段について第
一測定部31を例に挙げて説明すると、まず、第一測定
部31に設けられる第一分配器3bは、図15に示すよ
うにその光出射側がAR(無反射)処理されたハーフミ
ラーで構成されており、このミラー面で反射された波長
λ1 のレーザ光の一部がオパールガラス単体若しくはオ
パールガラスと艶消しガラスの組合わせから成る光拡散
板3cを介し出力モニター用検出器3aに導かれ、そこ
で検出された検出光量に対応する出力信号が第一モニタ
ー用アンプにより増幅されると共に上記ADCを介しC
PUに入力されて食味特性の測定データとして供される
ようになっている。また、第一測定部31に設けられる
シャッター手段50は、図15に示すように基端側が回
動可能に設けられその先端側が揺動してレーザ光の光路
を開放若しくは閉止する遮蔽板500と、この遮蔽板5
00の基端側に取付けられ遮蔽板500の基端側を回動
させて遮蔽板500の先端側を上記光路が開放若しくは
閉止される位置まで揺動させるステッピングモータ50
1と、上記遮蔽板500の揺動変位部近傍に設けられ上
記光路の開放若しくは閉止時における遮蔽板500の各
静止位置をそれぞれ検出する一対の位置センサ(図示せ
ず)とでその主要部が構成されている。
【0046】一方、この非破壊食味特性測定装置に搬入
されるトレイ1は、図17(A)〜(B)に示すように
黒色のABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレ
ン)樹脂から成り矩形状の収容部100を有するトレイ
本体101と、このトレイ本体101収容部100内に
収納されその中央に設けられた開口11cの周縁部にウ
レタンスポンジ製の受部102が付設されたネオスポン
ジ(上記商品名)から成る受部本体103と、この受部
本体103上に設けられ青果物Mの外周面に当接してこ
れを保持する保持体104とでその主要部が構成されて
いる。
【0047】まず、上記トレイ本体101は、図18
(A)〜(B)に示すように底板110とこの上に設け
られた矩形状の収容部100を備え、かつ、底板110
の上記測定部側光通路部に対応した部位にはトレイ側光
通路部1cを構成する円形状の開口10cが設けられて
いる。また、上記受部本体103は、図19に示すよう
にトレイ本体101の収容部100内に収納されるよう
に平面矩形状で底面側平坦かつ反対側が凹面形状を有
し、かつ、上記トレイ側光通路部1cに対応する部位に
円形状の開口11cが設けられていると共に、開口11
cの周縁部にリング状の受部102が付設されている。
また、上記保持体104は、図20(A)〜(B)に示
すように受部本体103の外周縁部に配置されるネオス
ポンジ(上記商品名)製の枠材115と、この枠材11
5上に接合されかつその中央に円形状の開口116aが
開設されたネオプレンゴム製の保持部材116とで構成
されている。
【0048】また、この実施の形態に係る非破壊食味特
性測定装置においては、図14に示すようにトレイ1の
トレイ側光通路部1cにおける内径をA、上記トレイ1
の搬送方向における長さ寸法をB、上記測定部側光通路
部31c〜33cにおける各内径をC、および、隣接す
る各測定部における測定部側光通路部32c〜33c間
の径中心間距離をLとした場合、これ等の各寸法が、
(A+C)≦L≦(B−A−C)/(N−1) (1)
の関係(但し、N=3)を満たすようにそれぞれ設定さ
れている。
【0049】そして、この非破壊食味特性測定装置にお
いては、従来の装置と同様に青果物Mを載置したトレイ
1が、例えば第一測定部31に搬入された場合、図15
に示すようにシャッター手段50が作動して青果物Mに
対し波長λ1 のレーザ光を入射させると共に、青果物M
からの出射光がトレイ側光通路部1c介し第一測定部3
1内の検出器30に入射され、以下、同様にして第二測
定部32、第三測定部33においても青果物Mからの出
射光が検出されて糖度等その食味特性が測定される。
【0050】このように第二実施の形態に係る非破壊食
味特性測定装置においても、隣接する各測定部における
測定部側光通路部32c〜33c間の径中心間距離L
が、図14に示すようにトレイ側光通路部1cの内径A
と測定部側光通路部31c〜33cにおける各内径Cと
の和と同等若しくはより大きく設定されているため、ト
レイ側光通路部1cが隣接する測定部における各測定部
側光通路部32c〜33cに対しまたがって重合配置さ
れることがない。従って、第一実施の形態に係る非破壊
食味特性測定装置の場合と同様に、青果物Mを載置した
1つのトレイ1が2つの測定部にまたがってしまい、各
測定部に設けられた検出器内に波長の異なるレーザ光が
混ざって導かれてしまう現象を回避することが可能とな
る。
【0051】更に、トレイ1が測定部の搬送路内におい
て接触状態にある場合の各トレイのトレイ側光通路部1
c間の最短距離l1 [=B−A]が、図14に示すよう
に3個の測定部から成る測定部全体の長さl2 [=(N
−1)L+C:但し、N=3]と同等若しくはより大き
く設定[すなわちL≦(B−A−C)/(N−1)]さ
れているため、接触状態にある一対のトレイ1における
各トレイ側光通路部1cが、最上流側に位置する測定部
の測定部側光通路部31cと最下流側に位置する測定部
の測定部側光通路部33cに対し同時に重合配置される
こともない。従って、青果物Mを載置したトレイ1が各
測定部上に各々同時に搬送配置されてしまう現象を防止
できることから各測定部に計測用のコンピュータをそれ
ぞれ設ける必要がなく、その分、部品点数の低減が図れ
ると共に、3個の測定部から成る測定部全体の長さl2
寸法が、接触状態にある各トレイ1のトレイ側光通路部
1c間の最短距離l1 [=B−A]との関係で最小寸法
に設定されているため、非破壊食味特性測定装置の小型
化も図ることが可能となる。
【0052】
【発明の効果】請求項1、3〜4記載の発明に係る青果
物の非破壊食味特性測定装置によれば、一対のトレイ側
光通路部における内径をA、トレイの搬送方向における
長さ寸法をB、一対の測定部側光通路部における各内径
若しくは大きい方の内径をC、および、隣接する各測定
部における一方の測定部側光通路部間の径中心間距離並
びに他方の測定部側光通路部間の径中心間距離をLとし
た場合、これ等の各寸法が、(A+C)≦L≦(B−A
−C)/(N−1) (1)の関係を満たすようにそれ
ぞれ設定され、また、請求項2〜4記載の発明に係る青
果物の非破壊食味特性測定装置によれば、トレイ側光通
路部における内径をA、トレイの搬送方向における長さ
寸法をB、測定部側光通路部における内径をC、およ
び、隣接する各測定部における測定部側光通路部間の径
中心間距離をLとした場合、これ等の各寸法が、(A+
C)≦L≦(B−A−C)/(N−1) (1)の関係
を満たすようにそれぞれ設定されているため、部品点数
が低減されて非破壊食味特性測定装置の小型化並びに低
コスト化を図ることが可能となる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施の形態に係る非破壊食味特性測定装置
の全体の構成を示す説明図。
【図2】第一実施の形態に係る非破壊食味特性測定装置
の各測定部における測定部側光通路部(一方側のみを図
示する)とこの装置に搬入されるトレイ並びにトレイ側
光通路部の各寸法関係を示す説明図。
【図3】第一実施の形態に係る非破壊食味特性測定装置
において第一測定部とこの第一測定部上に搬入されたト
レイとの関係を示す断面図。
【図4】第一実施の形態に係る非破壊食味特性測定装置
の主要部を示す概略斜視図。
【図5】第一実施の形態に係る非破壊食味特性測定装置
における搬送位置規制手段の概略斜視図。
【図6】この搬送位置規制手段の一部を構成する第二サ
イドバーの部分斜視図。
【図7】この第二サイドバーに組込まれた押圧手段の構
成を示す一部切欠斜視図。
【図8】上記押圧手段の断面図。
【図9】第一実施の形態に係る非破壊食味特性測定装置
における分配器、出力モニター用検出器およびシャッタ
ー手段の概略斜視図。
【図10】図10(A)は第一実施の形態に係る非破壊
食味特性測定装置に搬入されるトレイの概略斜視図、図
10(B)は図10(A)のB−B面断面図。
【図11】図11(A)はトレイの一部を構成するトレ
イ本体の側面図、図11(B)はその平面図。
【図12】トレイの一部を構成する受部本体の断面図。
【図13】図13(A)はトレイの一部を構成する保持
体の平面図、図13(B)は図13(A)のB−B面断
面図。
【図14】第二実施の形態に係る非破壊食味特性測定装
置の各測定部における測定部側光通路部とこの装置に搬
入されるトレイ並びにトレイ側光通路部の各寸法関係を
示す説明図。
【図15】第二実施の形態に係る非破壊食味特性測定装
置において第一測定部とこの第一測定部上に搬入された
トレイとの関係を示す断面図。
【図16】第二実施の形態に係る非破壊食味特性測定装
置の主要部を示す概略斜視図。
【図17】図17(A)は第二実施の形態に係る非破壊
食味特性測定装置に搬入されるトレイの概略斜視図、図
17(B)は図17(A)のB−B面断面図。
【図18】図18(A)はトレイの一部を構成するトレ
イ本体の側面図、図18(B)はその平面図。
【図19】トレイの一部を構成する受部本体の断面図。
【図20】図20(A)はトレイの一部を構成する保持
体の平面図、図20(B)は図20(A)のB−B面断
面図。
【図21】非破壊食味特性測定方法の原理を説明するた
めの説明図。
【図22】従来の非破壊食味特性測定装置において測定
部とこの測定部上に搬入されたトレイとの関係を示す断
面図。
【図23】従来の非破壊食味特性測定装置における主要
部を示す概略斜視図。
【図24】従来の非破壊食味特性測定装置における弊害
例を示す説明図。
【図25】従来の非破壊食味特性測定装置における弊害
例を示す説明図。
【符号の説明】 1 トレイ 1b トレイ側光通路部 31b 測定部側光通路部 32b 測定部側光通路部 33b 測定部側光通路部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の間隔を介し連続して配置されたN個
    の測定部における搬送路内の長さ方向に亘り設けられた
    凸條に遊嵌される少なくとも1つの凹條を底面に有しこ
    の凹條を中央にしてその両側に1つのトレイ側光通路部
    をそれぞれ有すると共に青果物が載置されかつ搬送手段
    に固定されない複数のトレイを順次搬送し、各測定部に
    おいて各測定部に設けられた一方の測定部側光通路部と
    トレイにおける一方の上記トレイ側光通路部を介し波長
    λ1 〜λN のレーザ光を青果物に対し各々入射させると
    共に、青果物から出射される各レーザ光をトレイにおけ
    る他方のトレイ側光通路部と測定部における他方の測定
    部側光通路部を介し各測定部に設けられた検出器内に導
    いて各レーザ光の光量を測定し、かつ、青果物に入射さ
    れた入射光量と検出器で測定された検出光量から各レー
    ザ光の吸光度を求め、得られた各吸光度から青果物の食
    味特性を測定する青果物の非破壊食味特性測定装置にお
    いて、 一対の上記トレイ側光通路部における内径をA、上記ト
    レイの搬送方向における長さ寸法をB、一対の上記測定
    部側光通路部における各内径若しくは大きい方の内径を
    C、および、隣接する各測定部における一方の測定部側
    光通路部間の径中心間距離並びに他方の測定部側光通路
    部間の径中心間距離をLとした場合、 これ等の各寸法が、(A+C)≦L≦(B−A−C)/
    (N−1) (1)の関係を満たすようにそれぞれ設定
    されていることを特徴とする青果物の非破壊食味特性測
    定装置。
  2. 【請求項2】底面に1つのトレイ側光通路部を有しかつ
    搬送手段に固定されないと共に青果物が載置された複数
    のトレイを順次搬送し、所定の間隔を介し連続して搬送
    路中に配置されたN個の測定部において波長λ1 〜λN
    のレーザ光を上記青果物に対し各々入射させると共に、
    青果物から出射される各レーザ光をトレイの上記トレイ
    側光通路部と各測定部の測定部側光通路部を介し各測定
    部に設けられた検出器内に導いて各レーザ光の光量を測
    定し、かつ、青果物に入射された入射光量と検出器で測
    定された検出光量から各レーザ光の吸光度を求め、得ら
    れた各吸光度から青果物の食味特性を測定する青果物の
    非破壊食味特性測定装置において、 上記トレイ側光通路部における内径をA、上記トレイの
    搬送方向における長さ寸法をB、上記測定部側光通路部
    における内径をC、および、隣接する各測定部における
    測定部側光通路部間の径中心間距離をLとした場合、こ
    れ等の各寸法が、(A+C)≦L≦(B−A−C)/
    (N−1) (1)の関係を満たすようにそれぞれ設定
    されていることを特徴とする青果物の非破壊食味特性測
    定装置。
  3. 【請求項3】各測定部におけるレーザ光の出射側開放端
    部にシャッターが配設され、このシャッターの開閉操作
    により青果物に対するレーザ光の照射・非照射を制御す
    るようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の
    青果物の非破壊食味特性測定装置。
  4. 【請求項4】3個の測定部を備え、かつ、3個の測定部
    におけるレーザ光の波長λ1 、λ2およびλ3 が、 860nm ≦ 波長λ1 ≦ 890nm 900nm ≦ 波長λ2 ≦ 920nm 920nm < 波長λ3 ≦ 960nm の条件を満たしていることを特徴とする請求項1、2ま
    たは3記載の青果物の非破壊食味特性測定装置。
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